JP4168620B2 - ジアリールアミン類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸触媒を用いて、液相にてアリールアミン類からジアリールアミン類を製造する方法に関するものである。ジアリールアミン類は、ゴム薬品、医薬、染料の原料等として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジアリールアミン類を製造する方法の1つとして、β−ゼオライトを固体酸触媒として用い、アリールアミン類を加圧液相条件下に反応させる方法が提案されている。例えば、特開平11−217358号公報には、SiO2/Al23モル比が5以上、20未満のβ−ゼオライトを固体酸触媒として用いる方法が提案されている。また、特開平11−222466号公報には、β−ゼオライトとシリカからなる固体酸触媒を用いる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、原料のアリールアミン類の転化率は向上されているものの、目的物のジアリールアミン類の選択率が必ずしも十分でないことがあった。そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決して、アリールアミン類からジアリールアミン類を高選択率で製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を行った結果、特定の物性を有するβ−ゼオライトを触媒として用い、この触媒の存在下にアリールアミン類を液相にて反応させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、アリールアミン類を、直径0.1〜10μmの細孔の合計容積が全細孔容積の6%以下であるβ−ゼオライトの存在下に、液相にて反応させることにより、ジアリールアミン類を製造する方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、原料のアリールアミン類としては、下記一般式(1)
【化2】
Figure 0004168620
(式中、R1〜R5はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲノ基、または炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基もしくはヒドロキシル基で置換された炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
で示される化合物が好適に用いられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、R1〜R5は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基またはハロゲノ基であるのが好ましい。
【0006】
上記一般式(1)で示される化合物の具体例としては、アニリン、トルイジン、エチルアニリン、クミジン、キシリジン、ブチルアニリン、アニシジン、フルオロアニリン、ブロモアニリン、ヨードアニリン、フルオロジメチルアニリン等が挙げられる。中でも、アニリン、トルイジン、クミジン、キシリジンが好ましい。
【0007】
原料としてアリールアミン類を1種用いれば、二つのアリール基が同一である所謂対称ジアリールアミン類を製造することができ、原料としてアリールアミン類を少なくとも2種用いれば、所謂対称ジアリールアミン類と、二つのアリール基が相異なる所謂非対称ジアリールアミン類とを、ある比率で製造することができる。
【0008】
例えば、原料として上記一般式(1)で示される化合物を用いれば、ジアリールアミン類として、下記一般式(2)
【化3】
Figure 0004168620
(式中、R1〜R5は前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物を製造することができるが、ここで、原料として上記一般式(1)で示される化合物を1種用いれば、上記一般式(2)において異なる核上のR1同士、R2同士、R3同士、R4同士およびR5同士がそれぞれ同一である化合物を製造することができ、原料として上記一般式(1)で示される化合物を少なくとも2種用いれば、上記一般式(2)において異なる核上のR1同士、R2同士、R3同士、R4同士およびR5同士がそれぞれ同一である化合物と、上記一般式(2)において異なる核上のR1同士、R2同士、R3同士、R4同士およびR5同士の少なくとも1つが相異なる化合物とを、ある比率で製造することができる。
【0009】
上記アリールアミン類を、β−ゼオライトの存在下に反応させることにより、ジアリールアミン類を生成させることができるが、本発明においては、このβ−ゼオライトとして、直径0.1〜10μmの細孔の合計容積が全細孔容積の6%以下であるものを用いる必要がある。ここで、β−ゼオライトの細孔分布は水銀圧入法により測定することができ、この細孔分布をもとに、全細孔容積に対する、直径が特定範囲にある細孔の合計容積の割合を求めることができる。
【0010】
このような所望の細孔特性を有するβ−ゼオライトは、公知の方法で調製されたβ−ゼオライトや市販品のβ−ゼオライト(例えば、日揮ユニバーサル(株)製、ズードケミー触媒(株)製、ゼオリストインターナショナル製、エヌ・イー・ケムキャット(株)製)の中から、細孔分布測定により選択することができる。
【0011】
上記β−ゼオライトの直径0.1〜10μmの細孔の合計容積が、全細孔容積の6%を越えると、ジアリールアミン類の選択率が十分でなく、またアリールアミン類の転化率の経時的な低下が速くなることがある。上記β−ゼオライトの全細孔容積は通常0.3〜1ml/gであり、また上記β−ゼオライトとしては、直径0.3〜3.6μmの細孔の合計容積が全細孔容積の3%以下であるものが好ましい。
【0012】
上記β−ゼオライトとしては、転化率と選択率のバランスの観点から、ケイ素/アルミニウムのモル比が2.5〜50であるのが好ましく、さらに好ましくは10〜25である。また上記β−ゼオライトとしては、カチオンとしてプロトンを含むもの、すなわちH型β−ゼオライトや、カチオンとしてアンモニウムイオンを含むもの、すなわちNH4型β−ゼオライトが好ましい。なお、これらβ−ゼオライトは、必要に応じてカチオンとして、NaイオンやKイオンを含んでいてもよい。
【0013】
上記β−ゼオライトの形状としては、例えば、粉末状であってもよいし、粒状であってもよいし、タブレット状であってもよいが、取り扱い性の観点からは、粒状やタブレット状であるのが好ましい。これらのような形状に成形するためには、必要に応じて、アルミナやシリカ等をバインダーとして用いてもよい。
【0014】
上記β−ゼオライトの存在下にアリールアミン類からジアリールアミン類を得る反応は、液相条件下に行われる。この際、反応条件についてはアリールアミン類の種類等により適宜設定されるが、転化率と選択率のバランスの観点から、反応圧力は好ましくは1〜10MPa、さらに好ましくは1〜5MPaであり、反応温度は好ましくは300〜400℃、さらに好ましくは330〜360℃である。
【0015】
上記反応においては、必要に応じて水等の他の成分を添加してもよく、例えば水を添加する場合、その使用量はアリールアミン類100重量部に対して、通常0.02〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0016】
上記反応は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよいが、操作性や生産性の観点からは、連続式で行うのが好ましい。なお、上記反応においては、アリールアミン類1モルに対し、理論モル量0.5モルのアンモニアが生成するので、通常、この生成したアンモニアを排出しながら上記反応を行う。
【0017】
上記反応後の後処理操作としては、適宜選択することができるが、通常、蒸留が好適に採用される。反応混合物の蒸留により、通常、未反応のアリールアミン類、次いで目的物のジアリールアミン類を留出させて回収することができ、高沸点の副生成物は蒸留残渣として分離することができる。回収されたアリールアミン類は必要に応じて精製した後、原料として再使用することができる。例えば、反応に水を添加した場合、反応混合物の蒸留において、通常、アリールアミン類が留出する際に水も留出するので、回収されたアリールアミン類は、その含水率を適宜調整した後、再使用することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、β−ゼオライトの細孔分布は、β−ゼオライトを120℃にて5時間乾燥した後、MICROMERITICS社製のオートポアIII9420を用いて、水銀圧入法により、細孔直径100μm以下の範囲で測定した。
【0019】
実施例1
外部加熱炉が装着されたステンレス製反応管(直径28.0mm、長さ400mm)を縦型に設置し、その下部に液供給口を、その上部に圧力計および圧力調節弁を取り付けたものを、反応器として用いた。この反応器に、全細孔容積が0.54ml/gであり、直径0.1〜10μmの細孔の合計容積が全細孔容積の1.3%であり、直径0.3〜3.6μmの細孔の合計容積が全細孔容積の0.4%であるβ−ゼオライト[直径1.6mm、高さ1〜10mmの円柱状、Si/Al=12.5(モル比)、H型]を125ml充填し、4MPa、345℃にて、液供給口からアニリンを56.7g/h(LHSV=0.48h-1)の速度で供給しながら、圧力調節弁から反応液およびガスを抜き出すことにより、連続式反応を行った。2736時間経過後の反応液を、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、反応液中のジフェニルアミン濃度は13.0重量%であり、アニリンの転化率は13.4%、ジフェニルアミンの選択率は97.0%であった。
【0020】
比較例1
外部加熱炉が装着されたステンレス製反応管(直径43.6mm、長さ400mm)を縦型に設置し、その下部に液供給口を、その上部に圧力計および圧力調節弁を取り付けたものを、反応器として用いた。この反応器に、全細孔容積が0.46ml/gであり、直径0.1〜10μmの細孔の合計容積が全細孔容積の9.1%であり、直径0.3〜3.6μmの細孔の合計容積が全細孔容積の5.7%であるβ−ゼオライト[直径1.6mm、高さ1〜10mmの円柱状、Si/Al=12.5(モル比)、H型]を306ml充填し、4MPa、345℃にて、液供給口からアニリンを139.2g/h(LHSV=0.48h-1)の速度で供給しながら、圧力調節弁から反応液およびガスを抜き出すことにより、連続式反応を行った。1220時間経過後の反応液を、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、反応液中のジフェニルアミン濃度は13.3重量%であり、アニリンの転化率は13.9%、ジフェニルアミンの選択率は95.8%であった。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、アリールアミン類からジアリールアミン類を高選択率で製造することができる。

Claims (3)

  1. アリールアミン類を、直径0.1〜10μmの細孔の合計容積が全細孔容積の6%以下であるβ−ゼオライトの存在下に、液相にて反応させることを特徴とするジアリールアミン類の製造方法。
  2. アリールアミン類が下記一般式(1)
    Figure 0004168620
    (式中、R1〜R5はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲノ基、または炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基もしくはヒドロキシル基で置換された炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で示される化合物である請求項1記載の製造方法。
  3. 反応圧力が1〜10MPaであり、反応温度が300〜400℃である請求項1または2に記載の製造方法。
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