JP4168515B2 - 弁付塗布具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗布面に修正液、糊、インキ、塗料、化粧液などの液体を塗布する弁付塗布具に関し、特に、広い幅にも狭い幅にも塗布が可能な弁付塗布具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、広い幅に塗布することができる塗布具は数多く知られている。その代表的なものとしては、特開平8−238884号公報、実開平7−31171号公報などが挙げられる。
特開平8−238884号の発明は、塗布用ボールが先端チップに複数個配置され、ボール同士を結ぶ間の部分に液体を平滑にするためのスキージーを配置した筆記具又は塗布具が示されている。
又、実開平7−31171号の考案は、押付用芯部の先軸先端両側部に突起を形成した塗布具が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−238884号の発明は、先端チップにボールを配置したものであるため、液の吐出が十分ではなく、且つ、吐出液をスキージーする(塗り延ばす)ため、被塗布面への塗布量が不足し、特に、修正液のような高隠蔽性を要求される塗布具への適用において改善の余地が残されていた。更に、該発明において、狭い幅の塗布は、ボールペンの筆跡と同程度のものしか得られないか、塗布が困難であり改善の余地が残されていた。
又、実開平7−31171号の考案は、広い幅の塗布時、被塗布面と突起間の空間を液溜りとして活用できるため、被塗布面への塗布量を比較的大となすことができる反面、狭い幅の塗布時、押付用芯部の先軸先端両側部に形成した突起が障害となり、狭い幅の塗布が困難であるという問題が残されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、十分な塗布量が得られ、且つ、広い幅並びに狭い幅の塗布が可能な弁付塗布具を提供することであって、内面に弁体を有し、先端面に長径と短径とを有し、液体を収容した軸本体の前方に、止着した先軸内に、弁部を弾発部材によって先軸の座部に圧接すると共に、先端部を先軸の先端面より突出するよう棒状の弁体を配置した弁付塗布具において、先軸の先端面に複数の弁体先端部を配置し、該弁体の先端部が後退時において先軸の先端部より突出するよう先軸内に後退規制手段を設けることによって、被塗布面と先軸先端面との間に液溜まりとなる隙間を形成し、また、前記先軸の吐出孔の内面と弁体の外面の間に隙間を形成し、該隙間を部分的に大となすと共に該隙間は弁体間の中心に向かい大となし、該隙間から前記液体を吐出させたことと、該隙間から吐出される液体は、前記軸本体から先軸内を経て隙間に吐出されることと、前記弾発部材の端部に座巻き部を形成すると共に、その座巻き部の座巻き数を3巻き〜4巻きとしたことを特徴とする弁付塗布具を第1の要旨とし内面に弁体を有し、先端面に長径と短径とを有し、液体を収容した軸本体の前方に、止着した先軸内に、弁部を弾発部材によって先軸の座部に圧接すると共に、先端部を先軸の先端面より突出するよう棒状の弁体を配置した弁付塗布具において、先軸の先端面に複数の弁体先端部を配置し、該弁体の先端部が後退時において先軸の先端部より突出するよう先軸内に後退規制手段を設けることによって、被塗布面と先軸先端面との間に液溜まりとなる隙間を形成し、また、前記弁体を区画する壁を先軸の内側に形成すると共に、該壁の頂部を前記弁部に形成した大径部の中間部に位置させ、これによって、前記先軸の外周と弁体の大径部とにより形成される隙間の長手方向長さよりも、前記先軸の壁と弁体の大径部により形成される隙間の長手方向長さを短くし、更に、該隙間から前記液体を吐出させたことと、該隙間から吐出される液体は、前記軸本体から先軸内を経て隙間に吐出されることと、前記弾発部材の端部に座巻き部を形成すると共に、その座巻き部の座巻き数を3巻き〜4巻きとしたことを特徴とする弁付塗布具を第2の要旨とするものである。
【0005】
以下本発明を詳細に説明する。
図1乃至図10は、従来の技術を示す第1参考例で、参照符号1は、内部に修正液、糊、インキ、塗料、化粧液などの液体を収容したポリプロピレン、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン等の合成樹脂やアルミニウム、ステンレス、真鍮などの金属よりなる軸本体であって、一端に開口部2を有している。該軸本体1の前方部内には、後述する弁体11の後方並びに弾撥部材13の後方が配置する傾斜段部3と、底部4を有する複数(図中は2個)の凹み部5が設けられている。尚、軸本体1は、収容する液体が粘度が高い場合、後述するように弁体11を開弁したのみでは吐出量が不足することがあるので、そのような場合には、側面を押圧することができるよう材質として弾性復元力を有するものを選択するとよい。
【0006】
参照符号6は、軸本体1の先端部に固着された金属や合成樹脂よりなる先軸である。該先軸6は、複数(図中は2個)の座部7と、該座部7と連接し、先端面8に開口する吐出孔9を有している。尚、複数の吐出孔9の後方部は両者が連接する空間10を介して軸本体1の凹み部5と連続している。
又、先軸6の先端面8の形状は、本例においては図2に示すように長径と短径を有する長方形状となしたが、図10に示すように長円形状(図中xが長径、yが短径となる)や、楕円形状であってもよい。尚、図2中、矢印A、B、C、Dについては後述する。参照符号11は、弁体であって、該弁体11は、弁部12を有し、弁体11の外周に配置された弾撥部材13(弾撥部材13の後端は前記軸本体1の凹み部5の傾斜段部3に係合する)によって前方に弾撥され、弁部12が先軸6の座部7に圧接するようなされている。
【0007】
本発明において、弁体11は、更に以下のような特徴を有している。
使用時、弁体先端部14を被塗布面Pに押圧し弾撥部材13を圧縮せしめ、弁部12の座部7への当接を解除(開弁)するか、使用する液体の粘性が高い場合には、弁体11の開弁と共に軸本体1の側面を押圧すると、軸本体1に収容された液体は、軸本体1の開口部2、空間10、開弁部、先軸6の吐出孔9と弁体11間の隙間を経て先軸6の先端面8に吐出されるが、本発明の弁体11は、被塗布面にその先端部14を押圧した際、弁体11の最後退時において、弁体11の先端部14が先軸6の先端面8より突出するよう先軸6内に後退規制手段を設けている。本例において、後退規制手段の具体例は、弁体11の後端を軸本体1の凹み部5の底部4に当接するようなしたものである。この後退規制手段よって、塗布時、被塗布面と先軸6の先端面8との間に液溜りとなる隙間15を形成することができる。
尚、弁体11の後退規制手段は、図11に示すように、後退時、弁体11の大径部が軸本体1の先端面に係合するようなしても、図12、図13に示すように、弁体11を前方に付勢する弾撥部材13が、弁体先端部14の後退途中で圧縮限界となり、それより弁体11が後退移動できないようなしても、その他、先軸6内に設けてもよい。
【0008】
次に、塗布方法を図5乃至図9に基づき説明する。尚、図2において、矢印A又はB方向は短径方向と、矢印C又はD方向は長径方向という。
図5、図6は、広い幅に塗布する際の説明図である。
図5は、被塗布面Pに対し先軸6の先端面8を垂直に立て(被塗布面Pに対する当接個所は複数の弁体先端部14)、短径方向に移動(図中矢印方向)させることによって、被塗布面Pと先端面8との隙間15に溜った液が被塗布面Pに塗布される。尚、この場合、塗布幅は、先軸6の先端面8の長径に略等しいものとなる。
図6は、被塗布面Pに対し先軸6の先端面8を短径方向に傾斜させ(被塗布面Pに対する当接個所は複数の弁体先端部14と長径のエッジ部となる)、短径方向に移動(図中矢印方向)させることによって、被塗布面Pと傾斜した先端面8との隙間15に溜った液が被塗布面Pに塗布される。尚、この場合の塗布幅も、先軸6の先端面8の長径に略等しいものとなる。
又、図7乃至図9は、狭い幅に塗布する際の説明図である。
図7は、被塗布面Pに対し先軸6の先端面8を垂直に立て(被塗布面Pに対する当接個所は複数の弁体先端部14)、長径方向に移動(図中矢印方向)させることによって、被塗布面Pと先端面8との隙間15に溜った液が被塗布面Pに塗布される。尚、この場合、塗布幅は、先軸6の先端面8の短径に略等しいものとなる。図8は、被塗布面Pに対し先軸6の先端面8を長径方向に傾斜させ(被塗布面Pに対する当接個所は1個の弁体先端部14と短径のエッジ部となる)、短径方向に移動(図中矢印方向)させることによって、被塗布面Pと傾斜した先端面8との隙間15に溜った液が被塗布面Pに塗布される。尚、この場合の塗布幅は、先軸6の先端面8のエッジ部と弁体先端部14との距離に略等しいものとなる。
図9は、被塗布面Pに対し先軸6の先端面8を長径方向に傾斜させ(被塗布面Pに対する当接個所は1個の弁体先端部14と短径のエッジ部となる)、長径方向に移動(図中矢印方向)させることによって、被塗布面Pと傾斜した先端面8との隙間15に溜った液が被塗布面Pに塗布される。尚、この場合の塗布幅は、先軸6の先端面8の短径に略等しいものとなる。
【0009】
図14、図15は、他の参考例を示すもので、図14は、先軸6の先端面7の形状を長円形状となし、弁体先端部14を3個並列配置した事例であり、図15は、先軸6の先端面7の形状を、三角形で角部をR状となし、弁体先端部14を3個配置した事例(図中xが長径、yが短径となり、zは長径と短径との間の幅となる)である。塗布方法は、先に述べた方法に準じて行えばよい。
【0010】
図16は、更に他の参考例を示すものであって、弁体11の後方部を連結し一体的に形成した点が第1参考例との大きな相違点である。尚、本例における弁体11の後退規制手段は、図11と略同様、後退時、弁体11の連結部が軸本体1の先端面に係合するようなしたものである。
尚、本例における塗布は、第1参考例と同様になせばよい。
又、図11、図12、図14、図15においても、本例と同様に、弁体11の後方部を一体的に形成してもよい。
【0011】
図17、18は、他の参考例を示すものである。尚、基本的に、前例と同一部位には同一の符号を付した。
本例における図1乃至4の参考例との主要な相違点は中軸にある。
即ち、中軸16には、軸本体1の開口部2と先軸6との間に配置されるフランジ部17を有し、その後方部は先軸6内及び軸本体1の開口部2内に配置している。図中において、中軸16は、そのフランジ部17の後部を軸本体1の開口部2と当接せしめ、その前端を先軸6の前方内面段部6aと当接せしめることにより、軸本体1及び先軸6に取り付けているが、フランジ部17の前部を先軸6の中間内面段部6fと当接せしめることによって、フランジ部17を軸本体1の開口部2と先軸6との間で挟持することにより軸本体1及び先軸6に取り付けるようなしても良い。
又、軸本体1の開口部2の後方(軸本体の前方)には先軸6の止着部6bと止着する止着部1aを有しているが、この止着部1aと開口部2との間の連結部1bを撓み部となすと、塗布時に弁体11に過度な荷重が加わった場合、その弾性力によって過度な荷重を吸収し、弁体11の先端部14の破損を防止することとなるので好ましい。
尚、図中、6cは先軸6の前方部内に設けた透孔、16aは中軸16の先端部、11aは弁体11の略中間部に形成した鍔部(弾撥部材13の係止端面となると共に、弁体11が後退時において中軸16の先端部16aと衝接し弁体11の後退規制手段となる)、18は中軸16に設けた透孔(弁体11の後方が配置される)、19は中軸16の空間である。又、図中、中軸16の後端部を軸本体1内に延長し配置したが、その理由は、万一、液体が部分的に凝固したような場合、凝固した液体が、弁体方向に移動すると液体の流出通路を塞ぐこととなるので、使用時、弁体先端部を下方向けた際、凝固した液体を延長した中軸16の周囲で堰き止めるためのものである。
【0012】
次に、組立て方法について説明する。
最初に、先軸6の後方より先軸6の透孔6cに弾撥部材13を配置した弁体11の弁体先端部14を挿入し、弁体先端部14を先軸6の先端面8より突出させ、次いで、中軸16を先軸6の後方より中軸16の透孔18と弁体11の後方部が合致するよう圧入固定し、先軸6と、弁体11と、中軸16とをカセット化する。その後、液体を収容した軸本体1の止着部1aと先軸6の止着部6bとを止着することにより、前記カセット化物を軸本体1と固定する。尚、弾撥部材13を配置した弁体11を中軸16の透孔18に挿入した後、中軸16に先軸6を圧入固定しカセット化してもよい。
要するに、本参考例によれば、先軸6と、弁体11と、中軸16とをカセット化した後、軸本体1に固定すればよいので、組立て性に優れたものとなる。
【0013】
尚、本例における液体塗布方法は基本的には前例と同じであるが、念のため説明すると、使用時、弁体先端部14を被塗布面Pに押圧し弾撥部材13を圧縮せしめ、弁部12の座部7への当接を解除(開弁)するか、使用する液体の粘性が高い場合には、弁体11の開弁と共に軸本体1の側面を押圧すると、軸本体1に収容された液体は、中軸16の後方部から中軸16の透孔18を通り中軸16の空間19に至り、更に、先軸6の空間10を経て、先軸6の透孔6c、開弁部、先軸6の吐出孔9と弁体11間の隙間を経て先軸6の先端面8に吐出されるが、弁体11は、被塗布面にその先端部14を押圧した際、弁体11の最後退時において、弁体11の先端部14が先軸6の先端面8より突出するよう後退規制手段を設けているので、塗布時、被塗布面と先軸6の先端面8との間に液溜りとなる隙間15を形成することができる。よって、前例と同様に広い幅の塗布と狭い幅の塗布が可能となる。
尚、使用時、弁体11は後方移動し、その鍔部11aが中軸16の先端部16aと衝接することにより、後方移動を阻止されるが、中軸16は、軸本体1の開口部2と先軸6との間に配置されたフランジ部17を有しているため、後退することがない。
【0014】
図19乃至21は、他の参考例を示すものである。尚、基本的に、図1乃至4の例と同一部位には同一の符号を付した。
本例における図1乃至4の参考例との主要な相違点は先軸部分にある。
即ち、先軸6は合成樹脂製であり、先軸6の先端部の座部7の対応位置の長径の両側面部6dには凹部6eを形成しており、この凹部6eの形成によって、座部7の形成部の肉厚を極力均一化することができる(図21参照)。
尚、凹部6eの形成位置を、図22に示すように、先軸6の先端面8まで延長するようなしたり、又、その断面形状を、図23に示すように、なだらかな凹部6eとなしたり、図24に示すように、座部7や弁部と同心円形に形成した凹部6eとなすこともできる。
本例においては、その塗布方法は図1乃至4の例と同様であるため、説明を省略するが、広い幅の塗布並びに狭い幅の塗布が可能であると共に、先軸を合成樹脂製となし、先軸先端部の座部対応位置の長径両側面部に凹部を形成した弁付塗布具であるので、先軸の弁座形成部の肉厚を極力均一化することができ、もって、不使用時の弁部と弁座部との密閉性を極力向上することができ、液洩れを防止することができるという利点をも有するものである。
【0015】
本参考例において、詳細な説明は省略したが、図17の参考例並びに図19の参考例を図1乃至図5、図10乃至図16の参考例と組み合わせ実施したり、図17の参考例と図19の参考例とを組み合わせ実施したりする等、各参考例を相互に組み合わせて実施することも勿論可能である。
又、前記各例において、早塗り塗布時において、液の吐出量が不足し中抜け現象(弁体の先端部が2個の場合、塗布後が2本線になる現象)が生じることがあるが、これを防止するために、図25、図26に示すように、弁体11が配置される吐出孔9の内面と弁体11の外面との隙間Sを、中心に液が吐出しやすいように中心に向かい大となすこともできる(本発明の1例)。
更に、塗布液を先軸6の先端面8の中心に近い部分に十分に吐出することにより、塗布部の中抜け現象をより確実に防止するために、図27に示すように、弁体11を区画する先軸6の壁6gの長さを短くなし、先軸6の外周と弁体11の弁部12後方の大径部11bとにより形成される隙間の長手方向長さより、先軸6の壁6gと弁体11の大径部11bとにより形成される隙間の長手方向長さを短くなすこともできる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の弁付塗布具は、内面に弁体を有し、先端面に長径と短径とを有し、液体を収容した軸本体の前方に、止着した先軸内に、弁部を弾発部材によって先軸の座部に圧接すると共に、先端部を先軸の先端面より突出するよう棒状の弁体を配置した弁付塗布具において、先軸の先端面に複数の弁体先端部を配置し、該弁体の先端部が後退時において先軸の先端部より突出するよう先軸内に後退規制手段を設けることによって、被塗布面と先軸先端面との間に液溜まりとなる隙間を形成し、また、前記先軸の吐出孔の内面と弁体の外面の間に隙間を形成し、該隙間を部分的に大となすと共に該隙間は弁体間の中心に向かい大となし、該隙間から前記液体を吐出させたことと、該隙間から吐出される液体は、前記軸本体から先軸内を経て隙間に吐出されることと、前記弾発部材の端部に座巻き部を形成すると共に、その座巻き部の座巻き数を3巻き〜4巻きとしたことを特徴とする弁付塗布具を第1の要旨とし、内面に弁体を有し、先端面に長径と短径とを有し、液体を収容した軸本体の前方に、止着した先軸内に、弁部を弾発部材によって先軸の座部に圧接すると共に、先端部を先軸の先端面より突出するよう棒状の弁体を配置した弁付塗布具において、先軸の先端面に複数の弁体先端部を配置し、該弁体の先端部が後退時において先軸の先端部より突出するよう先軸内に後退規制手段を設けることによって、被塗布面と先軸先端面との間に液溜まりとなる隙間を形成し、また、前記弁体を区画する壁を先軸の内側に形成すると共に、該壁の頂部を前記弁部に形成した大径部の中間部に位置させ、これによって、前記先軸の外周と弁体の大径部とにより形成される隙間の長手方向長さよりも、前記先軸の壁と弁体の大径部により形成される隙間の長手方向長さを短くし、更に、該隙間から前記液体を吐出させたことと、該隙間から吐出される液体は、前記軸本体から先軸内を経て隙間に吐出されることと、前記弾発部材の端部に座巻き部を形成すると共に、その座巻き部の座巻き数を3巻き〜4巻きとしたことを特徴とする弁付塗布具を第2の要旨としたので、液溜りの隙間によって十分な塗布量が得られ、且つ、被塗布面に対し先軸の先端面を垂直に立て短径方向に移動させたり、被塗布面に対し先軸の先端面を短径方向に傾斜させ、短径方向に移動させることによって、広い幅の塗布が可能であるばかりでなく、被塗布面に対し先軸の先端面を垂直に立て、長径方向に移動させたり、被塗布面に対し先軸の先端面を長径方向に傾斜させ、短径方向に移動させたり、被塗布面に対し先軸の先端面を長径方向に傾斜させ、長径方向に移動させることによって狭い幅の塗布が可能であるという利点を有するものである。
更に、軸本体の開口部と先軸との間に配置されたフランジ部を有し、その開口端が弁体後退規制手段となる中軸を、先軸内及び軸本体の開口部内に配置したので、先軸と、弁体と、中軸とをカセット化した後、軸本体に固定すればよいので、組立て性に優れるという利点を有する。
更に、先軸を合成樹脂製となし、先軸先端部の座部対応位置の長径両側面部に凹部を形成したので、先軸の弁座形成部の肉厚を極力均一化することができ、もって、不使用時の弁部と弁座部との密閉性を極力向上することができ、液洩れを防止することができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の技術を示す参考例の弁付塗布具の要部を示す平面図。
【図2】 図1の前方より見た先軸の端面図。
【図3】 図1の縦断面図。
【図4】 弁体が後退した状態を示す縦断面図。
【図5】 塗布状態の説明図。
【図6】 塗布状態の説明図。
【図7】 塗布状態の説明図。
【図8】 塗布状態の説明図。
【図9】 塗布状態の説明図。
【図10】 他の参考例を示す図2相当図。
【図11】 弁体が後退した状態を示す他の実施例の縦断面図。
【図12】 更に他の参考例を示す要部の縦断面図。
【図13】 図12の弁体が後退した状態を示す縦断面図。
【図14】 他の参考例を示す図2相当図。
【図15】 更に他の参考例を示す図2相当図。
【図16】 更に他の参考例を示す要部の縦断面図。
【図17】 更に他の参考例を示す要部の縦断面図。
【図18】 図17の弁体が後退し、塗布状態を示す図。
【図19】 更に他の参考例を示す要部の斜視図。
【図20】 更に他の参考例を示す要部の縦断面図。
【図21】 図20のE−E線断面図。
【図22】 更に他の参考例を示す要部の斜視図。
【図23】 更に他の参考例を示す図21相当図。
【図24】 更に他の参考例を示す図21相当図。
【図25】 本発明の実施例を示す図3相当図。
【図26】 図25の前方より見た端面図。
【図27】 他の実施例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 軸本体
1a 止着部
1b 連結部
2 開口部
3 傾斜段部
4 底部
5 凹み部
6 先軸
6a 先軸前方内面段部
6b 止着部
6c 透孔
6d 長径の側面部
6e 凹部
6f 先軸の中間内面段部
6g 先軸の壁
7 座部
8 先端面
9 吐出孔
10 空間
11 弁体
11a 鍔部
11b 弁体の弁部後方の大径部
12 弁部
13 弾撥部材
14 弁体先端部
15 隙間
16 中軸
16a 先端部
17 フランジ部
18 透孔
19 空間
P 被塗布面
S 隙間

Claims (2)

  1. 内面に弁体を有し、先端面に長径と短径とを有し、液体を収容した軸本体の前方に、止着した先軸内に、弁部を弾発部材によって先軸の座部に圧接すると共に、先端部を先軸の先端面より突出するよう棒状の弁体を配置した弁付塗布具において、先軸の先端面に複数の弁体先端部を配置し、該弁体の先端部が後退時において先軸の先端部より突出するよう先軸内に後退規制手段を設けることによって、被塗布面と先軸先端面との間に液溜まりとなる隙間を形成し、また、前記先軸の吐出孔の内面と弁体の外面の間に隙間を形成し、該隙間を部分的に大となすと共に該隙間は弁体間の中心に向かい大となし、該隙間から前記液体を吐出させたことと、該隙間から吐出される液体は、前記軸本体から先軸内を経て隙間に吐出されることと、前記弾発部材の端部に座巻き部を形成すると共に、その座巻き部の座巻き数を3巻き〜4巻きとしたことを特徴とする弁付塗布具。
  2. 内面に弁体を有し、先端面に長径と短径とを有し、液体を収容した軸本体の前方に、止着した先軸内に、弁部を弾発部材によって先軸の座部に圧接すると共に、先端部を先軸の先端面より突出するよう棒状の弁体を配置した弁付塗布具において、先軸の先端面に複数の弁体先端部を配置し、該弁体の先端部が後退時において先軸の先端部より突出するよう先軸内に後退規制手段を設けることによって、被塗布面と先軸先端面との間に液溜まりとなる隙間を形成し、また、前記弁体を区画する壁を先軸の内側に形成すると共に、該壁の頂部を前記弁部に形成した大径部の中間部に位置させ、これによって、前記先軸の外周と弁体の大径部とにより形成される隙間の長手方向長さよりも、前記先軸の壁と弁体の大径部により形成される隙間の長手方向長さを短くし、更に、該隙間から前記液体を吐出させたことと、該隙間から吐出される液体は、前記軸本体から先軸内を経て隙間に吐出されることと、前記弾発部材の端部に座巻き部を形成すると共に、その座巻き部の座巻き数を3巻き〜4巻きとしたことを特徴とする弁付塗布具。
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