JP3572466B2 - 液体収納容器におけるノズル構造 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、シアノアクリレ−ト系接着剤や修正液や化粧液などの液体を収納した容器、より詳細には、液体収納室を加圧することにより液体収納室内の液体を液体吸収部材を設けずに直接ノズル先端開口部に導出する液体収納容器におけるノズル構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体収納室を加圧することにより液体収納室内の液体をノズル先端開口部に導出する液体収納容器としては、大別して二つのタイプのものが知られている。第一のタイプは、液体収納室を加圧することにより液体収納室内の液体を、液体吸収部材を設けずに、ノズル内面をその先端に行くに従い絞ることにより液体の吐出を制御し、直接ノズル先端開口部に導出するタイプのものである。第二のタイプは、液体収納室を加圧することにより液体収納室内の液体を、ノズル先端との間に液体吸収部材を設け、この液体吸収部材により液体の吐出を制御しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
第一のタイプにおいては、容器を加圧し内部の液体をノズル先端開口部に導出せんとした場合、容器内に存在する空気が液体と共に吐出し、空気が気泡となって液体中に存在し吐出されるという現象が生じる。この気泡が発生した場合には、一般的には、ノズル先端を気泡に押しつけ気泡を消失させているが、気泡が消失すると使用者が意図していた液体の吐出量と異なることがしばしばあった。即ち、気泡の発生は、意図した量の液体の吐出を阻害するという問題があった。又、第二のタイプにおいては、液体吸収部材を設けることから、使用する液体は、液体吸収部材を透過することが絶対条件となるが、液体吸収部材を透過させるようにするためには、液体を低粘度とする必要がある。即ち、使用できる液体の粘度に制約を受け、使用できる液体が制限されるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、基本的には、第一のタイプの方が好ましいとの観点に立ち、第一のタイプの問題点である吐出時における液体中の気泡の発生を極力防止した液体収納容器を提供することを目的とするもので、液体収納室を加圧することにより液体収納室内の液体を液体吸収部材を設けずに直接ノズル先端開口部に導出する液体収納容器であって、前記ノズル部内には、ほぼ長手方向全長にわたり複数の突起と凹みにより連通異形断面空間を形成し、該突起による内接円が毛管として機能するようなすと共に、前記突起の液体収容室側の端部をノズルの長手方向に対してほぼ垂直な端部としたことを要旨とするものである。
【0005】
【作用】
塗布面における気泡を何故減少させることができるのかについて、その理由は定かではないが以下の理由によるものと推察される。即ち、ノズル先端開口部より液体を導出させる際、一般的には、ノズル先端開口部を下に向け被塗布体に押し付けて液体を吐出させるが、液体は連通異形断面空間の全てに充満される訳ではないので、液体が充満されていない部分において、吐出液体と同量の空気が置換されるが、この時、吐出液体内に存在する気泡も置換される空気と共に容器本体内に戻り、その結果、吐出される液体内における気泡の発生を極力防止することができるものと思われる。これに対し、異形断面空間が連通していない場合には、吐出液体内に存在する気泡の逃げ場がなくなり、そのまま被塗布体に塗布され、その結果、塗布面に気泡が存在することになるものと思われる。
【0006】
【実施例】
以下、本発明を添付図面に基づき詳述する。尚、以下の実施例は液体としてシアノアクリレ−ト系接着剤を用いた例について説明するが、液体としてはこれ以外に文字を修正する修正液や、化粧液なども適用できるものである。図1乃至図3は本発明の第1実施例である。参照符号1は、内部をシアノアクリレ−ト系接着剤を収容する液体収納室2としたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ−ト、ナイロン等より構成され、その少なくとも一部が弾性復元力を有する合成樹脂よりなる容器本体であって、該容器本体1の上部(図中左方向)には外周に螺子部3を有する首部4が設けられている。尚、液体収納室2を加圧する手段としては、前記したように、容器本体1を弾性復元力のあるものとする他、容器本体1の後部もしくは側面にノック部材を設け、このノック部材をノックすることにより、液体収納室2を加圧し、液体を吐出するようにする等公知の各種手段を採用することができるし、少なくとも一部が弾性復元力を有する外容器内に容器本体1を収容し(所謂二重容器となし)てもよい。参照符号5は、後部内面に前記容器本体1の螺子部3に螺合する螺子部6を有し、又、その先端部には開口部7(図中、開口部7は閉鎖した状態を示しているが、使用時にキャップ頂部の内面に止着された針体もしくはキャップとは別体となった針体(図示せず)により開口されるものである。これは、シアノアクリレ−ト系接着剤は空気中の水分を吸収すると固化して使用できなくなるため、使用者が始めて使用を開始するまでは開口部7を閉鎖した状態とする必要があることによるものである。)が設けられた合成樹脂又は金属よりなるノズルであり、該ノズル5の内孔は前方に行くに従い徐々に絞られ内断面積が小さくなるように形成されている。
【0007】
以上の構成は、基本的には従来技術と異なるところはない。本発明の特徴は、ノズル5の内部構造にある。即ち、前記ノズル5の孔の内面には、ほぼ長手方向全長にわたり複数の突起8と凹み9が形成されており、この突起8と凹み9により連通した異形断面空間10が形成されている。尚、図2中における破線は、突起8による内接円を示すものでであり、この内接円が毛管として機能するものであり、毛管径としては、使用する液体の種類や表面張力や粘度により適宜決定すればよいが、例えば液体がシアノアクリレ−ト系接着剤であって、その表面張力が25〜45dyne/cm、粘度が1〜1000cpsの場合には、0.7mm以下が好ましい。又、異形断面空間10の形成は、図示においてはノズル5内面と一体に形成した突起8と凹み9により形成したが、ノズル5内面と別体に形成したものを一体化してもよいし、異形断面空間10の形状は、図示においては比較的シンプルな形状をもって示したが、突起8と凹み9の表面に溝を形成したり、突起を曲線状となしたり、突起の最内方部(軸心部)を枝分かれさせるなど複雑な形状となすこともできる。更に、突起8と凹み9により形成される異形断面空間10の内壁は、切削による粗面加工などの機械的処理や、物理的処理や、化学的処理を施してもよい。
【0008】
【発明の効果】
本発明は、液体収納室を加圧することにより液体収納室内の液体を液体吸収部材を設けずに直接ノズル先端開口部に導出する液体収納容器であって、前記ノズル部内には、ほぼ長手方向全長にわたり複数の突起と凹みにより連通異形断面空間を形成し、該突起による内接円が毛管として機能するようなすと共に、前記突起の液体収容室側の端部をノズルの長手方向に対してほぼ垂直な端部としたので、ノズル先端開口部より液体を導出させる際、連通異形断面空間によって、吐出される液体に相当する空気が容器本体内に置換されるため、吐出される液体内における気泡の発生を極力防止することができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す部分縦断面図。
【図2】図1のA−A線拡大端面図。
【図3】図1のB−B線拡大端面図。
【符号の説明】
1 容器本体
2 液体収納室
3 螺子部
4 首部
5 ノズル
6 螺子部
7 開口部
8 突起
9 凹み
10 異形断面空間
11 細杆体
12 異形断面空間
Claims (1)
- 液体収納室を加圧することにより液体収納室内の液体を液体吸収部材を設けずに直接ノズル先端開口部に導出する液体収納容器であって、前記ノズル部内には、ほぼ長手方向全長にわたり複数の突起と凹みにより連通異形断面空間を形成し、該突起による内接円が毛管として機能するようなすと共に、前記突起の液体収容室側の端部をノズルの長手方向に対してほぼ垂直な端部としたことを特徴とする液体収納容器におけるノズル構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12980595A JP3572466B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 液体収納容器におけるノズル構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12980595A JP3572466B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 液体収納容器におけるノズル構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08301328A JPH08301328A (ja) | 1996-11-19 |
JP3572466B2 true JP3572466B2 (ja) | 2004-10-06 |
Family
ID=15018666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12980595A Expired - Lifetime JP3572466B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 液体収納容器におけるノズル構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3572466B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002045736A (ja) * | 2000-08-04 | 2002-02-12 | Mitani Valve Co Ltd | 噴出ポンプ |
JP4534224B2 (ja) * | 2004-09-10 | 2010-09-01 | 伸晃化学株式会社 | 薬液容器の中栓 |
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-
1995
- 1995-04-28 JP JP12980595A patent/JP3572466B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08301328A (ja) | 1996-11-19 |
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