JP4166155B2 - ニトリル化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不飽和有機化合物からシアン化水素との反応によってニトリル化合物を製造することに関する。
より特定的には、本発明は、ヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムのような主要化学物質の製造における重要な化学中間体であるアジポニトリルの合成において有用なニトリル化合物の製造に関する。ヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムの2つの化合物は特に、ポリアミド、より特定的にはポリアミド−6及びポリアミド6,6のようなポリマー又はポリウレタンのようなその他のポリマーの製造に用いられる。
ニトリル化合物を製造するための方法がいくつか提唱されている。これらの中で、例えば1,3−ブタジエンのようなオレフィン又はポリオレフィンをシアン化水素との反応によって直接ヒドロシアン化するものが工業的に開発されている方法であり、多くの特許明細書や刊行物の主題を形成している。
この方法は基本的には、第1段階においてエチレン性不飽和1個に対してHCN1分子を添加して不飽和ニトリル化合物を製造することから成る。実際にはこの段階においては不飽和ニトリルの数多くの異性体が生成する。次の段階においてHCNをさらに加えると、ポリニトリル、例えばジニトリル(出発オレフィンが1,3−ブタジエンである場合にはアジポニトリル)が得られる。
有意の用途特性を持たない副生成物の生成を回避・制限するために、この方法は、第1のヒドロシアン化段階の後に「異性化段階」と称される段階を含み、これは、分枝鎖状ニトリル異性体の殆どを直鎖状ニトリル異性体に、例えばブタジエンのヒドロシアン化の場合には3−及び4−ペンテンニトリルに転化させることから成る。
これらの反応は、液相中で、有機リガンドとの錯体の形で存在する金属(一般的にはニッケル)をベースとする触媒の存在下で実施するのが一般的である。この反応は均質媒体中で実施することができ、触媒はヒドロシアン化媒体中、特にオレフィン若しくはニトリル中又は第3溶媒中に可溶のものである。また、いくつかの液相を示す媒体を用いて実施することもでき、触媒は少なくとも周囲温度においてこれらの相の内の1つに可溶、より特定的には極性第3溶媒(一般的には水)によって構成される相(この相はオレフィン及びニトリルによって構成されるものとは別個のものである)中に可溶のものである。後者の態様は、触媒をより一層容易に抽出して回収することを可能にし、かくして触媒によってもたらされる不純物が少ないニトリル化合物を得ることを可能にする。
これらの触媒系は数多くの特許明細書中に開示されており、いくつかの類のリガンドが研究されている。該リガンドは一般的にはホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト又はホスフィンのような有機リン化合物である。これらは単座であっても多座であってもよい。二相媒体中における方法の場合には、これらの有機リンリガンドは、極性相中に可溶になるようにするために、例えばスルホネート、ホスホネート、カルボキシレート又はアンモニウム基のようなイオン化可能な基を1つ以上含むのが有利である。
これらの方法の開示の例としては、米国特許第3496217号明細書を挙げることができる。この米国特許明細書には、トリアリールホスファイトのようなリガンドで錯化したニッケルをベースとする触媒の存在下でシアン化水素とブタジエンとを反応させることによるアジポニトリルの合成が開示されている。この反応は単一相媒体中での触媒作用によって実施される。
また、フランス国特許第2338253号明細書にも、ブタジエンのヒドロシアン化によるアジポニトリルの合成方法が開示されている。この反応は、二相液状媒体中で実施され、触媒は水性相中に存在させる。この方法は、有機相中に触媒なしで(従って金属なしで)アジポニトリルを回収することを可能にする。ここに開示された触媒もまた、ホスフィンタイプのリガンドと組み合わされたニッケルのような金属をベースとする触媒である。しかしながら、このリガンドはスルホネート基を含み、これが触媒を水中に可溶又は分散可能にすることができるのである。
さらに、不飽和ニトリル化合物のヒドロシアン化のために、ニッケルベースの触媒をルイス酸のような促進剤、例えば塩化亜鉛又はトリフェニルボランと組み合わせることも知られている。
新規の触媒系を開発すること又はヒドロシアン化媒体の組成及び反応条件を変更することのいずれかによって、ヒドロシアン化によるニトリルの合成の性能を改善するために、研究が継続的に行われている。
最近の特許明細書の中で、米国特許第6169198号明細書には、メタロセン−リンタイプの新規のリガンドを用いることが開示されている。同様に、米国特許第5773637号明細書には、ペルフルオルアルキルスルホネート化合物をルイス酸として用いることが開示されている。
米国特許第3496217号明細書 フランス国特許第2338253号明細書 米国特許第6169198号明細書 米国特許第5773637号明細書
本発明の一つの目的は、シアン化水素と反応させることによってオレフィンをヒドロシアン化することによるニトリルの新規の製造方法であって、高い収率及び直鎖状ニトリルに対する高い選択性及び改善された触媒系安定性を達成することを可能にする前記方法を提供することにある。
この目的で、本発明は、シアン化水素と少なくとも1つのエチレン性不飽和を含む有機化合物との間のヒドロシアン化反応を実施することによって少なくとも1つのニトリル官能基を含む有機化合物を製造するための方法を提供するものである。本発明においては、より一層の簡略化のために、後者の化合物(少なくとも1つのエチレン性不飽和を含む有機化合物)をオレフィン又はポリオレフィン(それがいくつかのエチレン性不飽和を含む場合)と称する。しかしながら、この用語「オレフィン」とは、本発明にとって好適なこの有機化合物を炭化水素に限定するものと解釈すべきではなく、少なくとも1つのエチレン性不飽和を含み且つ炭素及び水素以外の原子を含むことができる有機化合物、又は炭化水素の混合物、例えば炭化水素の分野においてC4留分と称される油を蒸留することによって得られる混合物にも関するものである。この留分は、米国特許第6197992号明細書に開示されたようにアセチレン性不飽和を含む化合物のような不純物を例えば水素化によって転化させ又は除去するために処理するのが有利である。不飽和とニトリル官能基とを含む化合物、例えばHCNとポリオレフィンとの反応によって得られる不飽和ニトリル化合物も、本発明の意味の範囲内の「オレフィン」とみなされる。
本発明の1つの特徴に従えば、この反応は、ニッケル、白金及びパラジウムより成る群から選択される金属元素と有機リンリガンドとを含む触媒系の存在下で実施され、反応媒体には、少なくともヒドロシアン化反応を実施する温度において液体状態にあるイオン性液体を追加的に含ませる。
第1の具体例において、前記イオン性液体とヒドロシアン化されるべき化合物とは、少なくとも反応温度においては、完全に混和性のものとする。ヒドロシアン化反応は、均質又は単一相媒体中で実施される。
第2の具体例において、前記イオン性液体とヒドロシアン化されるべき化合物とは、反応温度において不混和性又は一部だけ混和性(完全に混和性ではない)のものとする。この反応は、不均質の又は二相媒体中で実施される。この具体例においては、触媒系がイオン性媒体中に可溶であるのが有利である。
これら両方の具体例において、低極性の溶媒を添加することができる。この低極性の溶媒は、反応の開始時から添加することができるが、しかしヒドロシアン化生成物とイオン性液体との分離を促進するため、特に触媒系の抽出を可能にするために、反応の最後にのみ用いることもできる。実際、低極性の溶媒は、イオン性液体を該溶媒、未転化オレフィン及び生成したニトリル化合物から成る相中に不溶にする役割を有する。
どの具体例でも、触媒系がイオン性液体と少なくとも一部は混和性であるのが好ましい。有利には、この混和性は、有機リンリガンドの分子中に少なくとも1つのイオン化可能基を存在させることによって得ることができる。イオン化可能基としては、例えばスルホネート、ホスホネート、ホスフィネート、カルボキシレート若しくはスルフィネートのようなアニオンタイプの基又はグアニジニウム、アンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム若しくはスルホニウムのようなカチオンタイプの基を挙げることができる。これらのイオン性基の数及び性状は、該リガンドをイオン性液体中に可溶にするように選択するのが好ましい。イオン化可能基の性状は、イオン性液体に付随するアニオン又はカチオンのものと同一であるのが有利であることができる。
本発明にとって好適な触媒系は、好ましくは、酸化状態0の元素状ニッケルを含むもの又は上記のいくつかのイオン化可能基を含むことができる有機リンリガンドとの錯体又はより一般的には遷移金属(より特定的には上記の触媒金属、特にニッケル)との配位化合物を与えることができるリンを含む化合物である。これらの化合物は、単座、二座又は多座であることができ、疎水性又は親水性性状を示すものであることができる。これらの化合物は、ブタジエンのヒドロシアン化に関する数多くの特許文献に開示されており、いくつかの類に属し、特に有機ホスファイト類、有機ホスホナイト類、有機ホスフィナイト類及び有機ホスフィン類を包含する。
かかる触媒及びそれらの調製方法は、例えばフランス国特許第2338253号、同第2710909号、同第2711987号、同第2739378号及び同第2778915号の各明細書に開示されている。
本発明にとって好適な有機リン化合物の例としては、アルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、アルキルアリールホスフィン類、アルキルホスファイト類、アリールホスファイト類、アルキルアリールホスファイト類、アルキルホスフィナイト類、アリールホスフィナイト類、アルキルアリールホスフィナイト類、アルキルホスホナイト類、アリールホスホナイト類又はアルキルアリールホスホナイト類を挙げることができる。それらの有機部分は36個までの炭素原子を含み、上記の1つ以上のイオン性基で置換されているのが好ましい。
化合物の例としては、トリブチルホスフィン、ジメチル(n−オクチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、トリエチルホスファイト又はジフェニルホスファイトを挙げることができ、これらの化合物は、上記の少なくとも1つのイオン性基を含むのが好ましい。
かかる化合物の例としては、トリフェニルホスフィン(モノメタナトリウムスルホネート)(TPPMSNa)、(5−ソジオカルボキシ−2−フリル)ジフェニルホスフィン又は(3−ソジオスルフィナトフェニル)ジフェニルホスフィンを挙げることができる。
上記特許明細書中に開示されたように、触媒は媒体中に導入する前に調製することもでき、また、その場で調製することもできる。
このためには、触媒元素を構成するニッケルのような金属の化合物を用い、これを有機リンリガンドも可溶である媒体に添加する。かかる媒体は、イオン性液体であることができる。こうして形成された触媒系をヒドロシアン化媒体に添加する。
上記の化合物の中で好ましい化合物は、ニッケルのものである。非限定的な例としては、次のものを挙げることができる:
・ニッケルが酸化状態0にある化合物、例えばカリウムテトラシアノニッケラートK4[Ni(CN)4]、ビス(アクリロニトリル)ニッケル(0)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル及び第Va族からのリガンドを含む誘導体、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0);
・ニッケルが0より大きい酸化状態にあるニッケル化合物、例えばカルボン酸塩類(特に酢酸塩)、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、クエン酸塩、チオシアネート、シアン化物、ギ酸塩、水酸化物、ヒドロ亜リン酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩及び誘導体、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、アリール−及びアルキルスルホネート、アリル又はアセチルアセトナト。
ニッケル化合物は、イオン性液体のような調製媒体中にそれ自体が可溶であることは必要ではない。実際、錯体が可溶であれば充分であり、即ち、イオン性液体にリガンドを添加した際にニッケルの溶解が起これば充分である。
用いるニッケル化合物が0より大きいニッケル酸化状態に相当する場合には、ニッケルに対する還元剤(好ましくは反応条件下でニッケルと反応するもの)を反応媒体に添加する。この還元剤は、有機性若しくは無機性又は水素であることができる。非限定的な例としては、Zn粉末、マグネシウム、KBH4、NaBH4及びホウ水素化物(好ましくは水中に可溶のもの)を挙げることができる。
この還元剤は、酸化/還元当量数が1〜10の範囲となるような量で添加する。しかしながら、1より小さい値及び10より大きい値も除外されない。
用いるニッケル化合物が0のニッケル酸化状態に相当する場合には、上記のタイプの還元剤を添加することもできるが、この添加は必須というわけではない。
鉄化合物を用いる場合にも同じ還元剤が好適である。
パラジウムの場合には、還元剤は追加的に反応媒体(ホスフィン、溶媒、オレフィン)の成分であることができる。
本発明に従えば、反応媒体はイオン性液体を含む。このイオン性液体は、カチオン及びアニオンから成るイオン性化合物であって、そのカチオンがN、P又はSのような少なくとも1個のヘテロ原子を有し且つ5員若しくは6員芳香環と一緒に正電荷を有するオニウムタイプのものである。
かかる化合物は、例えばChemtech、12、1995年、第66頁に発表されたイヴ・ショーヴァン(Yves Chauvin)及びエレーヌ・オリヴィエ−ブルビグ(Helene Olivier-Bourbigou)による「反応溶媒としての非水性イオン性液体(Nonaqueous ionic liquids as reaction solvents)」というタイトルの文献、Chem. Rev.、1999年、第2071頁に発表されたT. Weltonによる文献又はヨーロッパ特許公開第971854号公報のような特許明細書に記載されている。
本発明の好ましい特徴に従えば、イオン性液体は、テトラアルキルアンモニウム、N−アルキルイミダゾリウム、N−アルキルピリジニウム、N−アルキルピコリニウム、N−アルキルトリアゾリウム、N−アルキルフルオロピラゾリウム、N−ピロリジニウム、アルキルスルホニウム、テトラアルキルホスホニウム及びアルキルオキソニウム構造より成る群から選択される少なくとも1つのカチオンを含む。
本発明の好ましいカチオンの例としては、アルキルイミダゾリウム類、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム又は1,2,3−トリメチルイミダゾリウムを挙げることができる。
本発明の好ましいアニオンとしては、ハライド、硝酸、リン酸、ヒドロサルフェート、ペルフルオルアルキルスルホネート類、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)アミド類、ビス(フルオロスルホニル)アミド、ビス(フルオロホスホリル)アミド、トリス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メチド類、ホウ素、アルミニウム、ガリウム若しくは鉄の四ハロゲン化物類、リン、砒素及びアンチモンの六ハロゲン化物類、亜鉛及び錫の二ハロゲン化物類、亜鉛及び錫の三ハロゲン化物類、又は銅の二ハロゲン化物類から選択されるアニオンを挙げることができる。
本発明の好ましいアニオンは、Br-、I-、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、ZnCl3 -、SnCl3 -及び(CF3SO2)2-である。
本発明の方法にとって好適であるためには、イオン性液体は、少なくともヒドロシアン化反応が実施される温度において液体状態になければならない。しかしながら、100℃より低い温度において液体状態にあることがわかっているイオン性液体の方が、二相系の場合に反応媒体からの触媒のより一層良好な分離及び抽出を可能にするので、好ましい。
さらに、本発明の具体例(単相系又は二相系)に依っては、ヒドロシアン化反応が実施される温度又はその近辺においてのみ反応媒体中に混和性又は少なくとも一部は混和性になるイオン性液体が、本発明の実施にとって完全に適合性のものである。
二相媒体中の具体例においては、反応媒体に低極性の溶媒を添加することによって、イオン性液体の少なくとも低温における不混和性を達成するのが好ましい。この低極性溶媒は、ヒドロシアン化されるべきオレフィン群及び製造されるべきニトリル群を溶解し、イオン性液体をオレフィン群及び製造されたニトリル群中に不溶性にするものである。低極性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン若しくはオクタンのような飽和炭化水素類、トルエン、又はジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル若しくはメチルイソブチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができる。
ヒドロシアン化反応を実施するための条件を以下に例として説明する。
かくして、用いられるニッケル化合物又は他の遷移金属の化合物の量は、ヒドロシアン化又は異性化されるべき有機化合物1モル当たりの遷移金属のモル数として、用いるニッケル又は他の遷移金属10-4〜1モルの範囲、好ましくは0.005〜0.5モルの範囲の濃度が得られるように選択する。
触媒を生成させるために用いられるリガンドの量は、遷移金属1モルに対するこの化合物のモル数が0.5〜50の範囲、好ましくは2〜10の範囲になるように選択する。
ヒドロシアン化反応は一般的に10℃〜200℃の範囲、好ましくは30℃〜120℃の範囲の温度において実施する。
本発明の方法は、連続式に実施することもでき、バッチ式に実施することもできる。
用いるシアン化水素は、金属シアン化物、特にシアン化ナトリウム、若しくはアセトンシアノヒドリンのようなシアノヒドリン類から、又は他の任意の既知の合成方法によって、調製することができる。
シアン化水素は、気体の形又は液体の形で反応器中に導入される。また、前もって有機溶媒中に溶解させることもできる。
バッチ式の実施の場合には、前もって不活性ガス(例えば窒素又はアルゴン)を用いてパージされた反応器に、各種成分の全部又は一部、遷移金属化合物、場合により還元剤及び溶媒を含む溶液を装填することもでき、これら成分を別々に装填することもできる。一般的には、次いで反応器を所定の温度にし、次いでヒドロシアン化されるべき化合物を導入する。次いでシアン化水素を単独で好ましくは連続的に且つ一定のペースで導入する。
反応が完了した時に、反応混合物を冷ましてから取り出し、反応生成物を、例えば二相系の場合には触媒系を含む相と低極性又は非極性溶媒、ヒドロシアン化生成物及び転化しなかったものから構成される相とを分離することによって、単離する。後者の相からの生成物は、例えば蒸留によって分離することができる。単一相系の場合には、例えば蒸留又は液液抽出のように、他の分離手段を採用することもできる。
ヒドロシアン化されるべき生成物がニトリル官能基を含む不飽和化合物である場合には、触媒系と共に少なくとも1種のルイス酸を含む助触媒を用いるのが有利である。
この反応は、エチレン性不飽和を含む脂肪族ニトリル類{特に3−ペンテンニトリル、4−ペンテンニトリル及びそれらの混合物(ブタジエンのヒドロシアン化によって得られたもの)のような直鎖状ペンテンニトリル}をジニトリル類(より特定的にはアジポニトリル)に転化させることから成る。
これらのペンテンニトリル類は、その他の化合物、例えば2−メチル−3−ブテンニトリル、2−メチル−2−ブテンニトリル、2−ペンテンニトリル、バレロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2−エチルスクシノニトリル又はブタジエンのような、先行するブタジエンのヒドロシアン化反応から及び/又は2−メチル−3−ブテンニトリルのペンテンニトリルへの異性化から得られたものをある量で(一般的には少量)含むことができる。
助触媒として用いられるルイス酸は、特にエチレン性不飽和を含む脂肪族ニトリル類のヒドロシアン化の場合に、得られるジニトリル類の直鎖性、即ち生成するすべてのジニトリルに対する直鎖状ジニトリルの割合を改善し且つ/又は触媒の活性及び寿命を向上させることを可能にする。
用語「ルイス酸」とは、本明細書においては、通常の定義に従って、電子対を受け取る化合物を意味するものとする。
特にG. A. Olah編集の「Friedel-Crafts and Related Reactions」、第I巻、第191〜197頁(1963年)に記載されたルイス酸を用いることができる。
本発明の方法において助触媒として用いることができるルイス酸は、周期表第Ib、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIb、VIIb及びVIII族からの元素の化合物から選択される。これらの化合物は一般的に塩、特にハロゲン化物類、例えば塩化物類又は臭化物類、硫酸塩類、スルホン酸塩類、ハロスルホン酸塩類、ペルハロアルキルスルホン酸塩類、特にフルオルアルキルスルホン酸塩類又はペルフルオルアルキルスルホン酸塩類、カルボン酸塩類、リン酸塩類、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)アミド類及びトリス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メチド類である。
かかるルイス酸の非限定的な例としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カドミウム、臭化カドミウム、塩化第一錫、臭化第一錫、硫酸第一錫、酒石酸第一錫、トリフルオルメチルスルホン酸インジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ハフニウム、エルビウム、タリウム、イッテルビウム及びルテチウムのような希土類金属元素の塩化物類若しくは臭化物類、塩化コバルト、塩化第一鉄又は塩化イットリウムを挙げることができる。
また、ルイス酸として、トリフェニルボラン又はチタンジイソプロポキシドのような有機金属化合物を用いることもできる。もちろん、数種のルイス酸の混合物を用いることもできる。
ルイス酸の中では、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一錫、臭化第一錫、トリフェニルボラン及び塩化亜鉛/塩化第一錫混合物が特に好ましい。
イオン性液体のアニオンと同じアニオン又は同じ性状のアニオンを有するルイス酸を選択するのが好ましく、例えば、イオン性液体がアニオンとしてZnCl3 -を含む場合には塩化亜鉛を、イオン性液体のアニオンがアニオンAlCl4 -である場合には塩化アルミニウムを、イオン性媒体がビストリフルオルメチルスルホニルアミドアニオンから成る場合にはランタントリス(ビストリフルオルメチルスルホニルアミド)を、イオン性媒体のアニオンがトリフルオルメチルスルホネートアニオンである場合にはネオジムトリス(トリフルオルメチルスルホネート)を選択するのが好ましい。また、アニオンZn2Cl5 -とZnCl3 -とから成る混合物又はAl2Cl7 -とAlCl4 -とから成る混合物のような多核アニオンの混合物から成るイオン性液体を用いることも可能である。
本発明の好ましい具体例においては、イオン性液体のアニオンによってルイス酸がもたらされる。このイオン性液体はそれ自体が媒体に助触媒の効果をもたらす。
用いられるルイス酸助触媒は、遷移化合物(より特定的にはニッケル化合物)1モル当たりに0.01〜50モルを占めるのが一般的であり、1〜10モルを占めるのが好ましい。
また、本発明のヒドロシアン化方法の条件下(より特定的にはイオン性液体の存在下)において、シアン化水素の不在下で2−メチル−3−ブテンニトリルのペンテンニトリル類への異性化、より一般的には分枝鎖状不飽和ニトリルの直鎖状不飽和ニトリルへの異性化を実施することもできる。
本発明に従って異性化に付される2−メチル−3−ブテンニトリルは、単独で用いることもでき、他の化合物との混合物として用いることもできる。
かくして、2−メチル−3−ブテンニトリルは、2−メチル−2−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、2−ペンテンニトリル、ブタジエン、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2−エチルスクシノニトリル又はバレロニトリルとの混合物として用いることができる。
本発明の条件に従って(即ちイオン性液体の存在下で)、HCNによるブタジエンのヒドロシアン化から得られた反応混合物を処理するのが好ましい。
この好ましい別態様においては、触媒はブタジエンのヒドロシアン化反応のためにすでに存在させているので、異性化反応を起こさせるためには、シアン化水素の導入を停止すれば足りる。
この別態様においては、例えば依然として存在するかも知れないシアン化水素酸を除去するために窒素又はアルゴンのような不活性ガスを用いて反応器の僅かなフラッシングを適宜実施することができる。
異性化反応は一般的に10℃〜200℃、好ましくは60℃〜120℃の温度において実施する。
ブタジエンのヒドロシアン化反応のすぐ後に異性化反応を行う好ましい場合においては、ヒドロシアン化を実施する温度において異性化を実施するのが有利である。
エチレン性不飽和を含む化合物のヒドロシアン化方法については、異性化のために用いられる触媒系は、反応領域中に導入する前に調製することができる。また、単純にこれらの各種成分を混合することによって「その場」で触媒系を調製することもできる。用いる遷移金属化合物(より特定的にはニッケル化合物)の量及びリガンドの量は、ヒドロシアン化反応についてのものと同じである。
しかしながら、不飽和ニトリル類の生成段階及び上記異性化段階のための本発明に従う反応系を用いて、ブタジエンのようなオレフィンのヒドロシアン化によるジニトリル化合物群の調製を実施することができ、この場合、不飽和ニトリル類のジニトリル類へのヒドロシアン化反応は、本発明に従う反応系を用いて実施することも可能であり、この反応のためにすでに知られている任意の他の触媒系を用いて実施することも可能である。
同様に、オレフィンの不飽和ニトリル類へのヒドロシアン化反応及び後者の化合物の異性化は本発明のものとは異なる反応系を用いて実施し、不飽和ニトリル類のジニトリル類へのヒドロシアン化段階を本発明に従う反応系を用いて実施するということも可能である。
以下の実施例は、単に指標として本発明を例示し、その利点を示すものである。
イオン性液体の調製
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオルメチルスルホニル)アミド(BMMI + TF 2 - )の合成
40.50g(0.215モル)の1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリドを300ミリリットルの蒸留水中に溶解させる。61.62g(0.215モル)のリチウムビス(トリフルオルメチルスルホニル)アミドを添加し、この混合物をアルゴン雰囲気下で周囲温度において72時間撹拌する。二相系が形成される。250ミリリットルのジクロルメタンで抽出した後に、有機相を800ミリリットルの水で洗浄し、次いで濃縮する。この化合物は僅かにピンク色がかった液体の形で存在し、これを中性アルミナカラムを用いたクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロルメタン)によって精製する。次いでこれを濃縮し、活性炭の存在下でアセトニトリル中に取り出し、濾過する。60℃において数時間乾燥させた後に、無色の液体の形の化合物が得られた(83.78g、90%)。NMRスペクトル分析によって、この生成物の構造:C11173246が確認された。
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオルメチルスルホニル)アミド(BMI + TF 2 - )の合成
41.92g(0.240モル)の1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドを300ミリリットルの蒸留水中に溶解させる。69.46g(0.242モル)のリチウムビス(トリフルオルメチルスルホニル)アミドを添加し、この混合物を周囲温度において90時間撹拌する。二相系が形成される。250ミリリットルのジクロルメタンで抽出した後に、有機相を800ミリリットルの水で洗浄し、次いで濃縮する。この化合物は僅かにピンク色がかった液体の形で存在し、これを中性アルミナカラムを用いたクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロルメタン)によって精製する。次いでこれを濃縮し、活性炭の存在下でアセトニトリル中に取り出し、濾過する。60℃において数時間乾燥させた後に、無色の液体の形の化合物が得られた(81.47g)。NMR分析によって、その構造C10153246が確認された。
ヘキサフルオロリン酸1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム(BMMI + PF 6 - )の合成
33.37g(0.200モル)のヘキサフルオロリン酸ナトリウム及び37.50g(0.199モル)の1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリドを150ミリリットルのアセトン中に溶解させる。アルゴン雰囲気下で周囲温度において 72時間激しく撹拌した後に、この溶液をセライトを通して濾過し、次いで濃縮する。アルミナカラムを用いたクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロルメタン)の後に、この塩を活性炭の存在下でアセトニトリル中に取り出し、濾過する。この溶液を濃縮して、白色固体50.41g(0.170モル、85%)を得た。NMRスペクトル分析によってこの生成物の構造C9172PF6が確認された。
以下の例において用いる略号は、次の意味を持つ:
cod=1,5−シクロオクタジエン
eq=当量
2M3BN=2−メチル−3−ブテンニトリル
2M2BN=2−メチル−2−ブテンニトリル
3PN=3−ペンテンニトリル
4PN=4−ペンテンニトリル
3+4PN=3PN+4PN
DN=ADN+MGN+ESN
MGN=メチルグルタロニトリル
ESN=エチルスクシノニトリル
DC(Y)=ヒドロシアン化されるべき物質Yの転化率。これはYの出発時のモル数に対する転化したYのモル数の比に相当する。
TY(X)=化合物Xの真の収率。これはXの最大モル数に対する生成したXのモル数の比に相当する。
YD(X)=化合物Xについての選択性。これはTY(X)対DC(Y)の比に相当する。
L=直鎖性=YDAdN/YDDN
GC=ガスクロマトグラフィー
TPPMSNa=トリフェニルホスフィン(モノメタナトリウムスルホネート)
P(Ph)2PhSO2Na=(3−ソジオスルフィナトフェニル)ジフェニルホスフィン
P(Ph)2FuCO2Na=(5−ソジオカルボキシ−2−フリル)ジフェニルホスフィン
BPh3=トリフェニルボラン
In(CF3SO3)3
ZnPh2
Zn(CF3SO3)2
2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)の直鎖状ペンテンニトリルへの異性化
シュレンク管と称される12個のガラス管の同時撹拌及び同時還流を可能にする「Radleys」並行式反応器中で次の手順に従って試験を実施した。
ガラス管中にアルゴン雰囲気下で以下のものを連続的に導入する:
・10mg(0.036ミリモル、1当量)のNi(COD)2
・66mg(0.18ミリモル、5当量)のTPPMSNa
・1.5gのイオン性液体
・400mg(4.93ミリモル、137当量)の2M3BN。
この溶液を周囲温度において10分間撹拌し、次いで1.2ミリリットルのヘプタンを添加して二相反応媒体を得る。
この管を閉じ、次いで撹拌して頂部冷却しながら100℃に3時間加熱する。反応終了時に、管を液体窒素中で冷却する。この二相反応媒体に既知量のブチルベンゼン(約40mg、クロマトグラフィー内部標準として)を添加し、10ミリリットルのTHFを添加することによってこれを希釈し、均質化する。得られた溶液を短いシリカカラムを通して濾過し、ガスクロマトグラフィー(GC)中に注入する。
上記の手順に従って実施した試験において、出発物質は2M3BN及び他の物質を含む。これらの物質のモル配合を下記の表Iに与える(主な成分を示す)。
Figure 0004166155
各種の塩について得られた結果を、下記の表IIにまとめる。比較として、ニッケル及びリガンドのトリフェニルホスフィンをベースとする触媒を用いて単一相媒体中で試験を実施した。
Figure 0004166155
(1)イオン性液体なしでリガンドとしてトリフェニルホスフィンを用いた比較試験
二相系を得るためにヘプタンのような非極性溶媒を用いることなく、試験を実施した。用いた手順は、非極性溶媒を存在させなかったことを除いて、上記のものと同じである。得られた結果を下記の表IIIに示す。
Figure 0004166155
3PNのADNへのヒドロシアン化
ガラス管中にアルゴン雰囲気下で以下のものを連続的に導入する:
・40mg(0.145ミリモル、1当量)のNi(COD)2
・264mg(0.72ミリモル、5当量)のTPPMSNa
・1.5ミリリットルのイオン性液体(又はその塩が周囲温度において固体である場合には2.1g)
・400mg(4.93ミリモル、34当量)の3PN
・1当量のルイス酸。
セプタムを備えた栓によってこの管を閉じる。この反応混合物を撹拌し、70℃に3時間加熱し、その間にアセトンシアノヒドリンをゆっくり添加する(流量0.12ミリリットル/h、0.36ミリリットル、3.95ミリモル、27当量)。
反応終了時に、周囲温度まで冷ました管に15ミリリットルのアセトンを添加する。この溶液を10分間撹拌し、次いで既知量のブチルベンゼン(約250mg、クロマトグラフィー内部標準として)を含有させたフラスコ中に注ぐ。この溶液を濾過し、GC中に注入する。
最初の一連の例は、各種ルイス酸を用いて実施した。結果を下記の表IVに示す。
Figure 0004166155
第二の一連の例は、各種イオン性液体及びリガンドを用いて実施した。結果を下記の表Vに示す。
Figure 0004166155

Claims (25)

  1. ニッケル、白金及びパラジウムより成る群から選択される元素と有機リンリガンドとを含む触媒の存在下でシアン化水素と少なくとも1つのエチレン性不飽和を含む有機化合物とを反応させることによる少なくとも1つのニトリル官能基を含む有機化合物の製造方法であって、
    少なくとも1つのカチオン及び少なくとも1つのアニオンを含み且つ少なくとも前記反応を実施する温度において液体であるイオン性液体の存在下で前記反応を実施することを特徴とする、前記方法。
  2. 二相系を形成させるために反応媒体に低極性の溶媒を添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機リンリガンドが少なくとも1つのイオン化可能な官能基又はイオン性基を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記イオン性液体が構造テトラアルキルアンモニウム、N−アルキルイミダゾリウム、N−アルキルピリジニウム、N−アルキルピコリニウム、N−アルキルトリアゾリウム、N−アルキルフルオロピラゾリウム、N−ピロリジニウム、アルキルスルホニウム、テトラアルキルホスホニウム及びアルキルオキソニウムより成る群から選択される少なくとも1つのカチオンを含むことを特徴とする、請求項1又は3に記載の方法。
  5. 前記イオン性液体がハロゲン化物類、硝酸塩、リン酸塩、ヒドロリン酸塩、ペルフルオルアルキルスルホネート類、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)アミド類、ビス(フルオロスルホニル)アミド、ビス(フルオロホスホリル)アミド、トリス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メチド類、ホウ素、アルミニウム、ガリウム若しくは鉄の四ハロゲン化物類、リン、砒素及びアンチモンの六ハロゲン化物類、亜鉛及び錫の三ハロゲン化物類並びに二ハロゲン化銅類より成る群から選択される少なくとも1つのアニオンを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記アニオンがBr-、I-、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、ZnCl3 -、SnCl3 -及び(CF3SO2)2-より成る群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記カチオンが1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム及び1,2,3−トリメチルイミダゾリウムより成る群から選択されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記リガンドが単座及び多座有機ホスファイト類、有機ホスホナイト類、有機ホスフィナイト類並びに有機ホスフィン類より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記有機リンリガンドが少なくとも1つのイオン性基を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記有機リンリガンド中に存在するイオン性基がスルホネート、ホスホネート、ホスフィナイト、カルボキシレート及びスルフィネートアニオンより成る群に属するアニオンタイプの基又はグアニジニウム、アンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム及びスルホニウムカチオンより成る群に属するカチオンタイプの基より成る群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記有機リンリガンドがトリブチルホスフィン、ジメチル(n−オクチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、トリエチルホスファイト及びジフェニルホスファイトより成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  12. 前記有機リンリガンドがトリフェニルホスフィン(モノメタナトリウムサルフェート)、(5−ソジオカルボキシ−2−フリル)ジフェニルホスフィン及び(3−ソジオスルフィナトフェニル)ジフェニルホスフィンより成る群から選択されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
  13. 前記の低極性の溶媒がヘキサン、ヘプタン若しくはオクタンより成る群から選択される飽和炭化水素及びトルエン並びに/又はジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びメチルイソブチルエーテルより成る群から選択されるエーテル類より成る群から選択されることを特徴とする、請求項2〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 触媒の金属元素が酸化状態0又は1のニッケルであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記の少なくとも1つのエチレン性不飽和を含む有機化合物が3〜12個の炭素原子を有するオレフィン又はジオレフィンであることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記の少なくとも1つのエチレン性不飽和を含む有機化合物が1,3−ブタジエンであることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. ヒドロシアン化されるべき有機化合物が少なくとも1つのエチレン性不飽和及び少なくとも1つのニトリル官能基を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  18. 前記のニトリル官能基を含む化合物が3−ペンテンニトリル及び4−ペンテンニトリルより成る群から選択されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 分枝鎖状不飽和ニトリル化合物類を直鎖状ニトリル化合物類に異性化することから成ることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  20. 異性化段階をシアン化水素の不在下で実施することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. ルイス酸の存在下で反応を実施することを特徴とする、請求項17又は18に記載の方法。
  22. 前記ルイス酸が周期表第Ib、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIb、VIIb及びVIII族からの元素の化合物より成る群から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. 前記化合物がハロゲン化物類、硫酸塩類、スルホン酸塩類、カルボン酸塩類、リン酸塩類、ハロスルホン酸塩類;フルオルアルキルスルホン酸塩類及びペルフルオルアルキルスルホン酸塩類より成る群から選択されるペルハロアルキルスルホン酸塩類、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)アミド類並びにトリス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メチド類より成る群から選択されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. 前記イオン性液体がルイス酸を構成するアニオンを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  25. 10℃〜200℃の範囲の温度において反応を実施することを特徴とする、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
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