JP4165209B2 - レジスト剥離剤 - Google Patents

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積回路、プリント配線基板、液晶の製造工程におけるフォトレジスト層を剥離するための剥離剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路は、基体上にフォトレジストを塗布し、露光、現像の後、エッチングを行い、回路を形成した後、フォトレジストを基体上から剥離するか、回路形成の後、アッシングを行い、レジストを除去した後、残ったレジスト残渣を剥離する方法で製造される。フォトレジストを基体上から剥離するため、あるいはレジスト残渣を基体上から剥離するため、従来、様々なレジスト剥離剤が提案されてきた。例えば、特許文献1には、モノエタノールアミン類であるアルカノールアミン又はポリアルキレンポリアミンのエチレンオキサイド付加物と、スルホン化合物と、グリコールモノアルキルエーテルとからなるレジスト剥離剤組成物が開示されている。
【0003】
ところが、モノエタノールアミンを用いた剥離剤組成物を銅配線プロセスに使用した場合、剥離剤組成物が銅を腐食してしまい、レジスト剥離剤としては満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−49355号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来提案されてきたレジスト剥離剤は、剥離性が不十分であったり、銅への腐食の問題があった。そのため、本発明の目的は、優れたレジスト剥離性を示すとともに、銅を侵さないレジスト剥離剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、レジスト剥離剤について鋭意検討した結果、テトラエチレンペンタミン及びエーテルアルコールを必須成分とするレジスト剥離剤が、優れたレジスト剥離性を示すとともに銅配線を侵さないレジスト剥離剤として用いることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明はテトラエチレンペンタミン及びエーテルアルコールを含んでなるレジスト剥離剤である。
【0008】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
本発明のレジスト剥離剤の必須成分は、テトラエチレンペンタミン及びエーテルアルコールである。
【0010】
本発明のレジスト剥離剤に使用されるテトラエチレンペンタミンは、工業的に製造されているテトラエチレンペンタミンを使用することができる。テトラエチレンペンタミンは、一般にH2N(CH2CH2NH)4Hで示される直鎖状化合物であるが、一般式(1)で示されるアミノエチルトリエチレンテトラミン(AETETA)のような分岐鎖状化合物であってもよく、また、これらの化合物の混合物であってもよい。更に、これらのテトラエチレンペンタミンと沸点が近接して蒸留では分離が困難な下記一般式(2)で示されるアミノエチルピペラジニルエチレンジアミン(AEPEEDA)および/または一般式(3)で示されるピペラジニルジエチレントリアミン(PEDETA)を含有していてもよい。
【0011】
【化1】
Figure 0004165209
【化2】
Figure 0004165209
【化3】
Figure 0004165209
本発明のレジスト剥離剤に使用されるエーテルアルコールは、エーテル基とアルコール基とを含んだものなら使用することができるが、炭素数が1〜4のエーテル残基と炭素数が1〜4のアルコール残基とからなる化合物を使用することが、水への溶解性やレジスト剥離性能の点で好ましい。
【0012】
このようなエーテルアルコールとしては、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテルなどが挙げられる。これらのエーテルアルコールは1種類を使用しても良いし、複数を混合して使用しても良い。
【0013】
本発明のレジスト剥離剤は、テトラエチレンペンタミン及びエーテルアルコール以外の成分(成分として強アルカリを除く)を含んでいても良い。例えば、水を含有していても良いし、レジスト剥離剤として一般に使用されている水溶性有機溶媒や防食剤も添加することができる。
【0014】
水溶性有機溶媒を例示すると、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルスルホン、ジエチルスルホンなどのスルホン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアミド類、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンなどのラクタム類、1,3−ジメジル−2−イミダゾリジノンなどのイミダゾリジノン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコール類が挙げられる。これら水溶性有機溶媒は単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
【0015】
本発明のレジスト剥離剤において、テトラエチレンペンタミンとエーテルアルコールの比は、剥離するレジスト及び残渣の状態によって変化するため一該に決めることは困難であるが、あえて例示すると、テトラエチレンペンタミンが0.1%〜90%、エーテルアルコールが10〜99.9%である。この範囲を超えても使用できないことはないが、レジスト及び残渣の剥離性が低下し、配線材料の銅に対してダメージを与えることがある。
【0016】
本発明のレジスト剥離剤は、レジストを剥離する際に各成分を添加して使用しても良いし、あらかじめ各成分を混合しておいてから使用しても良い。
【0017】
本発明のレジスト剥離剤は、無機質基体上に塗布されたフォトレジスト膜、または無機基体上に塗布されたフォトレジスト膜をドライエッチング後に残存するフォトレジスト層、あるいはドライエッチング後にアッシングを行い残存するフォトレジスト残渣物などを剥離するのに用いられる。特に銅配線用のレジストを剥離するのに好適であるる。
【0018】
配線材料の銅は、銅単体で使用される場合もあるし、銅と他の金属の合金として使用される場合もあるが、本発明のレジスト剥離剤は銅又は銅合金のどちらでもダメージを与えることなく、使用することができる。本発明のレジスト剥離剤を使用すると、銅配線に対する腐食性は小さくなる。本発明のレジスト剥離剤を使用する際には、加熱、超音波などで剥離を促進しても良い。
【0019】
本発明のレジスト剥離剤の使用方法は浸漬法が一般的であるが、その他の方法を使用しても一向に差し支えない。
【0020】
【実施例】
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
実施例1〜6、比較例1〜2
シリコンウェハ上に、市販のポジ型フォトレジストを2μmの厚みで塗布し、プリベークした。次いで、マスクパターンを介して露光し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドで現像した。このシリコンウェハを表1に示す剥離液に30℃、5分浸漬し、その後3分水洗いし、乾燥した。表面を走査型電子顕微鏡で観察し、レジストの剥離性を調べた。レジスト剥離性は、剥離できたレジスト比率を示すレジスト剥離率で示した。また、銅をメッキしたシリコンウエハを50℃で1時間、表1に示す剥離液に浸漬し、銅膜の厚さをシート抵抗値で測定した。浸漬前後の銅膜厚の差から銅に対する腐食速度を調べた。
【0022】
なお、実施例では、ダウ社製テトラエチレンペンタミンを使用した。このテトラエチレンペンタミンは、直鎖状および分岐状のテトラエチレンペンタミン(AETETA)の他にAEPEEDAおよびPEDETAを含んでいた。
【0023】
【表1】
Figure 0004165209
MP:プロピレングリコールメチルエーテル
BE:エチレングリコールブチルエーテル
BP:プロピレングリコールブチルエーテル
TEPA:テトラエチレンペンタミン
MEA:モノエタノールアミン
実施例7
銅と銀の合金をシリカガラス上に200nmの厚さで付着させた基板を、TEPA:BP=3:7の剥離液に50℃で1時間浸漬した。銅銀合金の膜厚の変化は9nmであった。
【0024】
比較例3
実施例7と同じ基板を、MEA:BP=3:7の剥離液に50℃で1時間浸漬した。銅銀合金の膜厚の変化は98nmであった。
【0025】
【発明の効果】
本発明のレジスト剥離剤は、優れたレジスト剥離性を示すとともに、銅配線を腐食しないレジスト剥離剤として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. テトラエチレンペンタミン及びエーテルアルコールを含んで成る(成分として強アルカリを除く)レジスト剥離剤。
  2. エーテルアルコールが、炭素数1〜4のエーテル残基と炭素数1〜4のアルコール残基とからなる化合物である請求項1記載のレジスト剥離剤。
  3. エーテルアルコールが、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテルから成る群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載のレジスト剥離剤。
  4. 銅又は銅合金を使用した配線プロセスのレジストを剥離することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のレジスト剥離剤。
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