JP4163268B2 - プラズマデイスプレイパネル用フイルタとこれを用いたプラズマデイスプレイ表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマデイスプレイパネル用フイルタと、これを用いたプラズマデイスプレイ表示装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマデイスプレイパネルは、画像特性が優先されるため、画面に画像を阻害する物体を配置することは極力制限されるが、画面から放出される電磁波や熱線の遮蔽は必要である。すなわち、プラズマデイスプレイパネルから放出される熱線は多く、パネル表面で80〜100℃にもなり、火傷などの災害のおそれが危惧され、その改善が要望されている。また、上記熱線の中でも、とくに近赤外線(波長:700〜1100nm)の放出は、周囲のリモコン動作用電化製品の誤動作につながり、その対策が要望されている。
【0003】
電磁波対策としては、たとえば、特開平1−278800号公報に、誘電体層、金属層、透明基材、粘着剤層および透明基板をこの順に積層した静電気、電波シ―ルド材が提案されている。しかし、この種のシ―ルド材をプラズマデイスプレイパネルの前方に配置すると、シ―ルド材の表面はパネル表面に比べて20〜50℃下がり、断熱効果はあるが、決して十分なものではなかつた。しかも、近赤外線のカツトについては、あまり効果がなかつた。
【0004】
特開平7−160201号公報には、表示パネルの温度制御のため、表示パネルに沿つて機能的基板を配設したフラツトパネル表示装置が提案されている。上記の機能的基板は、蒸着やスパツタなどで形成した金属薄膜を所定間隔で多層に積着した光干渉により、可視領域をパスし赤外領域をカツトする光学フイルタを実現させるものである。しかし、この装置では、可視光のパスが低い(透過率が40%以下)、金属薄膜の耐擦傷性、耐熱性、耐湿熱性などの耐久性に劣るなどの問題があり、実用的でない。しかも、静電気、電磁波シ―ルド能、近赤外線カツト能などについては、言及されていない。
【0005】
実開平6−80245号公報には、プラズマデイスプレイ表示装置のパネル前面または光学フイルタ面に、透明導電体として大面積の金属平面体を印刷または蒸着し、かつこれを接地して、電磁波の漏洩を防止することが提案されている。しかし、上記の透明導電体には、スズやインジユウムなどを酸化した酸化膜が用いられており、これらは金属膜に比べて比抵抗が高い。このため、電磁波シ―ルド用としては、表面抵抗が10Ω/□以下となるように膜厚をかなり厚くする必要があり、そのぶん生産コストが高くなる。また、プラスチツク基板では上記酸化厚膜にクラツクが発生しやすいため、基板はガラスに限定され、その結果、重い、割れるなどの問題があり、用途範囲が限定される。しかも、近赤外線や熱線のカツトなどについては、なんら言及されていない。
【0006】
特開平8−55581号公報には、前面ガラス板の前方側に光学フイルタを設けたカラ―表示用プラズマデイスプレイ装置において、光学フイルタとして、一定範囲の可視光を吸収しかつ不要輻射電磁波を吸収する光・電磁波吸収層を設けて、コントラスト改善のため一定範囲の可視光を吸収させるとともに、上記装置で発生する不要輻射電磁波を吸収させることが、またガラス面に防眩用のノングレア層を、光・電磁波吸収層の上に光干渉除去用のノングレア層を設けて、防眩のため一定範囲の可視光の表面反射を減少させる一方、光干渉発生を除去するため一定範囲の可視光を分散させることが提案されている。
【0007】
上記の光・電磁波吸収層は、可視光および電磁波を吸収する粒子、たとえば、カ―ボン粒子をバインダ中に分散させた吸収用塗布材料を透明基板の背面側に塗布することにより、形成されている。しかし、一般に、カ―ボンの固有抵抗率は9×10-4Ω・cmであつて、金属(Ag:2.1×10-6Ω・cm、Al:3.6×10-6Ω・cm)に比べて、2桁以上も高い。電磁波シ―ルドには、通常表面抵抗が10Ω/□以下となることが必要で、これを上記のカ―ボン粒子で実現するには、カ―ボン層の厚さを0.9μm以上にしなければならない。このときの光の透過率は0%となり、上記用途、つまりカラ―表示用プラズマデイスプレイ装置への適用は不可能となる。このように、上記提案はあくまでもアイデアにすぎず、具体性に欠けている。しかも、温度上昇の防止や他のリモコン装置の誤動作防止などについては、なにも言及されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、可視領域で透明であり、かつプラズマデイスプレイパネルから放出される電磁波をシ―ルドできるとともに、上記パネルから放出される熱線、とくに通常の赤外線とともに近赤外線をもカツトでき、したがつて、フイルタ表面の温度上昇や周囲のリモコン装置の誤動作を防止できるプラズマデイスプレイパネル用フイルタとこれを用いたプラズマデイスプレイ表示装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、フイルタ本体の一部を特定の金属反射層にて構成して、これにプラズマデイスプレイパネルから放出される電磁波のシ―ルド機能と、上記パネルから放出される熱線のうち、通常の赤外線を反射カツトする機能を持たせる一方、フイルタ構成部材のひとつを近赤外線吸収剤を含む構成として、これに近赤外線を吸収カツトさせることにより、フイルタ全体として可視領域で透明であり、電磁波とともに通常の赤外線および近赤外線をともにカツトでき、フイルタ表面の極端な温度上昇を防げ、また周囲のリモコン装置の誤動作を防止できるプラズマデイスプレイパネル用フイルタが得られることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0010】
すなわち、本発明は、透明フイルム基材上に可視光線透過率が40%以上で、電磁波および波長25μm以下の熱線をカツトする厚さが5〜500nmの金属反射層と、この上に無機または有機の透明コート層を設けてフイルタ本体を構成し、この本体の少なくとも片面に透明粘着剤層を備え、かつフイルタ構成部材の少なくともひとつが近赤外線吸収剤を含む構成とされているプラズマデイスプレイパネル(以下、PDPという)用フイルタ(請求項1)に係るものである。
【0011】
また、本発明では、上記のPDP用フイルタとして、透明粘着剤層がフイルタ本体の無機または有機の透明コート層側あるいは透明フイルム基材側に設けられ、かつ透明フイルム基材または透明粘着剤層が近赤外線吸収剤を含む構成とされている態様(請求項2)、透明粘着剤層がフイルタ本体の透明フイルム基材側に設けられているとともに、この透明粘着剤層を介して透明硬質基板が貼り合わされており、かつ透明フイルム基材、透明粘着剤層および透明硬質基板のいずれか少なくともひとつが近赤外線吸収剤を含む構成とされている態様(請求項3)を、好ましい態様としている。
【0012】
さらに、本発明は、プラズマデイスプレイ表示装置として、PDPの前面に、上記前者の態様(請求項2)に係るPDP用フイルタが、透明粘着剤層を介して貼り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置(請求項4)、PDPの前方に、上記後者の態様(請求項3)に係るPDP用フイルタが、フイルタ本体の透明コ―ト層が内側となるように取り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置(請求項5)を、提供できるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図4を参考にして説明する。
図1は、本発明のPDP用フイルタの一例を示している。このPDP用フイルタAは、透明フイルム基材10上に金属反射層11とさらにこの上に無機または有機の透明コ―ト層12を設けて、フイルタ本体1を構成させ、この本体1の無機または有機の透明コ―ト層12側に透明粘着剤層2を設けるとともに、透明フイルム基材10を近赤外線吸収剤を含む構成としたものである。
【0014】
透明フイルム基材10としては、可視領域で透明であり、またフレキシブル性(可撓性)を有し、好ましくは耐熱性の良好なプラスチツクフイルム、たとえば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカ―ボネ―ト樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂などからなる厚さが5〜600μmの単層または複合フイルムが用いられる。この透明フイルム基材10は、近赤外線吸収剤を含む構成とされるが、近赤外線吸収剤は、フイルム作製段階でフイルム内部に含ませてもよいし、フイルム作製後にフイルム表面に付着させるようにしてもよい。
【0015】
近赤外線吸収剤としては、波長700〜1,100nmの近赤外線を吸収しうる機能を有するものであればよく、市販品として、三井東圧化学(株)製の色素「SIR−128,130」、日本化薬(株)製の色素「IRG−022,023」などがある。この色素の使用量には適量があり、少なすぎると吸収効果が減少し、多すぎると可視光線透過率が減少する。フイルム内部に含ませる場合、目安として、透明フイルム基材の厚さ100μmに対し、0.3重量%程度含ませればよい。また、他の市販品として、NTTアドバンステクノロジ(株)製の塗料「N70S」なども使用できるが、これをフイルム表面に付着させる場合は、0.5〜5μm程度の厚さに塗布すればよい。
【0016】
金属反射層11は、可視光線透過率が40%以上、好ましくは60%以上で、波長25μm以下(通常約1μm以上)の熱線を反射カツトできるように、その材質や厚さなどが適宜決められる。上記の反射カツトとは、上記熱線の透過率が通常15%以下、好ましくは10%以下となることを意味する。材質としては、Ag、Al、Pb、Sn、Zr、Ni、In、Au、Cu、Znなどの金属または合金があり、厚さは通常5〜500nmとされる。また、この金属反射層11は、単層構造であつても、2層以上の多層構造であつてもよい。形成方法には、真空蒸着法、スパツタリング法、液相メツキ法などがある。
【0017】
透明コ―ト層12は、金属反射層11の耐久性や透明性などの向上に寄与させるためのものであり、耐熱性、透明性などにすぐれ、また十分な硬度を有するものであればよい。無機または有機のいずれでも、また単層構造でも2層以上の多層構造でもよい。厚さは通常10nm〜10μmとされる。
【0018】
無機の透明コ―ト層12には、可視光に対して1.3以上、好適には1.4以上の屈折率を有し、かつ可視光の透過率が50%以上、好適には70%以上であるものが選択使用される。代表的な材料としては、MgF2 、SiO、SnOx(1≦x≦2)、ZnSなどがあり、SiO2 、Al2 O3 、TiO、TiO2 、In2 O3 なども使用できる。形成方法としては、真空蒸着法、スパツタリング法、イオンプレ―テング法、塗工法などがある。
【0019】
有機の透明コ―ト層12には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキツド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂などの公知の各種樹脂を広く使用できる。形成方法としては、グラビヤロ―ル、ワイヤバ―、ドクタ―ブレ―ド、リバ―スロ―ル、デイツプ、エア―ナイフ、キス、ニツプ、フアンテンなどの各種塗工法を採用できる。
【0020】
透明粘着剤層2は、透明性とともに、良好な感圧接着性を有するものであればよく、アクリル系、ゴム系などの公知の各種粘着剤を広く使用できる。厚さは、通常5〜60μmであるのがよい。なお、場合により、透明粘着剤層2に前記同様の近赤外線吸収剤を含ませて、この層2に近赤外線吸収能を持たせてもよい。また、この場合、透明フイルム基材10への近赤外線吸収剤の含有を省いて、透明粘着剤層2だけが近赤外線吸収能を発揮する構成としてもよい。
【0021】
このように構成されるPDP用フイルタAは、全体として可視領域で透明で、しかも薄くて軽量であるという特徴があり、使用に際して、図3に示すように、PDP4の前面に、透明粘着剤層2を介して直接貼り付けることができる。これにより作製されるプラズマデイスプレイ表示装置は、上記のPDP用フイルタAによつて視認性が阻害されることはなく、PDP内部より放出される電磁波を金属反射層11により反射シ―ルドでき、また同時に放出される波長25μm以下(通常約1μm以上)の熱線、つまり通常の赤外線を反射カツトでき、さらに波長700〜1,100nmの近赤外線を透明フイルム基材10(ないしは近赤外線吸収能を持たせた透明粘着剤層2)により吸収カツトできる。
【0022】
このため、上記プラズマデイスプレイ表示装置では、フイルタ面の過度な温度上昇がなく、また周囲のリモコン装置の誤動作を引き起こす心配もない。なお、上記のフイルタAでは、透明粘着剤層2をフイルタ本体1の透明コ―ト層12側に設けているが、場合により透明フイルム基材10側に設けて、PDP前面に対し、フイルタ本体1を図3とは逆向きに貼り付けることも可能である。
【0023】
図2は、本発明のPDP用フイルタの他の例を示している。このPDP用フイルタBは、透明フイルム基材10上に金属反射層11とさらにこの上に無機または有機の透明コ―ト層12を設けて、フイルタ本体1を構成させている点は、PDP用フイルタAと同じであるが、この本体1の透明フイルム基材10側に透明粘着剤層2を設けて、この透明粘着剤層2を介して透明硬質基板3を貼り合わせた構成とし、また透明フイルム基材10、透明粘着剤層2および透明硬質基板3のいずれか少なくともひとつが近赤外線吸収剤を含む構成としたことを特徴としており、この点がPDP用フイルタAと異なつている。
【0024】
このPDP用フイルタBにおいて、フイルタ本体1を構成させる透明フイルム基材10、金属反射層11、無機または有機の透明コ―ト層12と、さらに透明粘着剤層2については、PDP用フイルタAと同様のものが用いられる。一方、透明硬質基板3は、フイルタの強度を向上させるためのものであり、ガラス板や、アクリル樹脂板、ポリカ―ボネ―ト樹脂板などのプラスチツク板からなる、厚さが1〜10mm程度の透明性を有する硬質板が用いられる。
【0025】
また、近赤外線吸収剤は、上記のように、透明フイルム基材10に含ませてもよいし、透明粘着剤層2や透明硬質基板3に含ませてもよい。透明粘着剤層2に含ませる場合は、目安として、透明粘着剤層2の厚さ25μmに対し、1.2重量%程度含ませればよい。透明硬質基板3に含ませる場合は、プラスチツク板内部に含ませる態様では、目安として、板の厚さ3mmに対し、0.01重量%程度含ませればよく、基板表面に付着させる態様では、フイルム基材10の場合と同様に、0.5〜5μm程度の厚さに塗布すればよい。
【0026】
本発明において、近赤外線吸収剤は、透明フイルム基材10、透明粘着剤層2または透明硬質基板3に含ませることができるほか、これら部材の界面に近赤外線吸収剤を含む中間層として形成してもよい。また、有機の透明コ―ト層12の内部に含ませても、さらに無機または有機の透明コ―ト層12や金属反射層11の表面に近赤外線吸収剤を含む層として塗布形成することもできる。
【0027】
上記構成のPDP用フイルタBは、やはり全体として可視領域で透明であり、使用に際して、図4に示すように、PDP4の前方に、フイルタ本体1の無機または有機の透明コ―ト層12が内側となるように配設して、公知の手段で取り付け固定される。このように作製されるプラズマデイスプレイ表示装置は、視認性が良好であり、PDP内部より放出される電磁波を金属反射層11にて反射シ―ルドでき、また同時に放出される波長25μm以下の熱線を反射カツトでき、さらに近赤外線を吸収カツトできるため、フイルタ表面の過度な温度上昇がなく、また周囲のリモコン装置の誤動作を引き起こす心配もない。
【0028】
なお、本発明のPDP用フイルタにおいては、必要に応じて、透明フイルム基材10の露出表面や透明硬質基板3の表面に、ハ―ドコ―ト層、反射防止層、防汚層などの表面層を、塗工や蒸着などにより、あるいはフイルム形態としたものを貼り合わせることにより、設けてもよい。
【0029】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。
【0030】
実施例1
透明フイルム基材として、厚さが100μmのポリエステルフイルムを用い、その片面に厚さが12nmのAg蒸着層からなる金属反射層を形成した。このときの表面抵抗は4Ω/□、可視光透過率は40%(光の波長:550nm)、赤外線透過率は7%(光の波長:2μm)、近赤外線透過率は17%(光の波長:900nm)であつた。つぎに、上記の金属反射層上に厚さが約0.1μmのアクリル樹脂からなる透明コ―ト層を形成して、可視光透過率が77%(光の波長:550nm)、赤外線透過率が10%(光の波長:2μm)、近赤外線透過率が35%(光の波長:900nm)のフイルタ本体を作製した。
【0031】
一方、アクリル酸イソオクチル−アクリル酸共重合体を主成分とする透明なアクリル系粘着剤中に、上記の共重合体100重量部あたり、近赤外線吸収剤として日本化薬(株)製の色素「IRG−022」1.2重量部を含ませ、この粘着剤を剥離ライナ上に塗布乾燥して、厚さが25μmの透明粘着剤層を形成した。この透明粘着剤層を、前記のフイルタ本体の透明コ―ト層側に貼り合わせて、PDP用フイルタとした。このPDP用フイルタの可視光透過率は69%(光の波長:550nm)、赤外線透過率は5%(光の波長:2μm)、近赤外線透過率は3%(光の波長:900nm)であつた。
【0032】
つぎに、このPDP用フイルタを、PDPの前面に、透明粘着剤層を介して直接貼りつけて、プラズマデイスプレイ表示装置を作製した。このプラズマデイスプレイ装置は、良好な視認性を有しており、この装置を実際に駆動させて、フイルタ表面の温度上昇を調べたところ、駆動3時間後で約25℃、10時間後で約30℃、24時間後で約30℃であり、温度上昇は僅かであつた。また、この間、周囲の他のリモコン装置の誤動作を起こすことはなかつた。さらに、上記の装置から放出される電磁波による障害も全くみられなかつた。
【0033】
実施例2
実施例1で作製したフイルタ本体の透明フイルム基材側に、実施例1で形成した透明粘着剤層を貼り合わせ、さらにこの上に透明硬質基板として厚さが3mmのアクリル樹脂板を貼り合わせて、PDP用フイルタとした。このフイルタの可視光透過率は73%(光の波長:550nm)、赤外線透過率は5%(光の波長:2μm)、近赤外線透過率は3%(光の波長:900nm)であつた。
【0034】
つぎに、このPDP用フイルタを、PDPの前方側に、約10mm程度の距離を隔てて、フイルタ本体の透明コ―ト層が内側となるように、取り付け固定して、プラズマデイスプレイ表示装置を作製した。このプラズマデイスプレイ装置は、良好な視認性を有しており、この装置を実際に駆動させて、フイルタ表面の温度上昇を調べた結果、駆動3時間後で約15℃、10時間後で約20℃、24時間後で約20℃であり、温度上昇は僅かであつた。また、この間、周囲の他のリモコン装置の誤動作を起こすことはなかつた。さらに、上記の装置から放出される電磁波による障害も全くみられなかつた。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、フイルタ全体として可視領域で透明であり、電磁波とともに通常の赤外線および近赤外線をともにカツトでき、したがつて、フイルタ表面での極端な温度上昇を防げ、また周囲のリモコン装置の誤動作を防止できるプラズマデイスプレイパネル用フイルタと、これを用いたプラズマデイスプレイ表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ(薄くてかつ軽いフイルタ)の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ(透明硬質基板を有するフイルタ)の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明のプラズマデイスプレイ表示装置の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のプラズマデイスプレイ表示装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 フイルタ本体
10 透明フイルム基材
11 金属反射層
12 無機または有機の透明コ―ト層
2 透明粘着剤層
3 透明硬質基板
4 プラズマデイスプレイパネル
Claims (5)
- 透明フイルム基材上に可視光線透過率が40%以上で、電磁波および波長25μm以下の熱線をカツトする厚さが5〜500nmの金属反射層と、この上に無機または有機の透明コート層を設けてフイルタ本体を構成し、この本体の少なくとも片面に透明粘着剤層を備え、かつフイルタ構成部材の少なくともひとつが近赤外線吸収剤を含む構成とされているプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。
- 透明粘着剤層がフイルタ本体の無機または有機の透明コート層側あるいは透明フイルム基材側に設けられ、かつ透明フイルム基材または透明粘着剤層が近赤外線吸収剤を含む構成とされている請求項1に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。
- 透明粘着剤層がフイルタ本体の透明フイルム基材側に設けられているとともに、この透明粘着剤層を介して透明硬質基板が貼り合わされており、かつ透明フイルム基材、透明粘着剤層および透明硬質基板のいずれか少なくともひとつが近赤外線吸収剤を含む構成とされている請求項1に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。
- プラズマデイスプレイパネルの前面に、請求項2に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタが、透明粘着剤層を介して貼り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置。
- プラズマデイスプレイパネルの前方に、請求項3に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタが、フイルタ本体の透明コ―ト層が内側となるように取り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置。
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JPH10188822A (ja) | 1998-07-21 |
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