JP4161388B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4161388B2
JP4161388B2 JP27424797A JP27424797A JP4161388B2 JP 4161388 B2 JP4161388 B2 JP 4161388B2 JP 27424797 A JP27424797 A JP 27424797A JP 27424797 A JP27424797 A JP 27424797A JP 4161388 B2 JP4161388 B2 JP 4161388B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating composition
acid
coating
film
anhydride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27424797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11106705A (ja
Inventor
宣夫 松村
昌也 浅野
真佐夫 富川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP27424797A priority Critical patent/JP4161388B2/ja
Publication of JPH11106705A publication Critical patent/JPH11106705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4161388B2 publication Critical patent/JP4161388B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用バッファーコート、層間絶縁膜、パッシベーション膜等の電子材料用途に適したコーティング用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルコキシシランを加水分解・縮合することによって得られる、オルガノシロキサンオリゴマーからなるコーティング用組成物は従来から知られており、半導体素子の不純物の拡散防止、絶縁、凹凸の平坦化等の目的に使用されている。
【0003】
これらコーティング用組成物は塗布、熱硬化することで、耐熱性、透明性に優れた被膜を得ることが出来るが、この被膜の問題点である接着性、靭性を改良したものとして耐熱性有機構造を導入したものが知られており、その耐熱性有機構造としてイミド結合を含有したものが知られている。
【0004】
半導体用途としての層間絶縁材料は、今後配線間距離が小さくなることから電気信号遅延時間の低減のため低誘電率の絶縁層が期待され、比誘電率にして3.0以下の材料が必要とされる。これに対し、前述のイミド結合を含むオルガノシロキサンオリゴマーを含有するコーティング用組成物を塗布、熱硬化して得られる被膜の比誘電率は3.2前後であり、今後の半導体用途の層間絶縁膜材料としては十分な性能ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、イミド結合を含むオルガノシロキサンオリゴマーを含有するコーティング用組成物を塗布、熱硬化してなる被膜について、従来のものより誘電率の低いもの、特に比誘電率3.0以下のものを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、フッ素含有量が固形分重量に対して10重量%以上の、イミド結合を有するオルガノシロキサンオリゴマーを含有するコーティング用組成物であって、該組成物が、(1)アルキルトリアルコキシシラン及びアリールトリアルコキシシラン、(2)テトラカルボン酸もしくはその無水物または両末端ジカルボン酸のオリゴイミドもしくはその無水物、(3)分子内に1個以上の第1級アミノ基または第2級アミノ基と1個以上のアルコキシ基を有するケイ素化合物、を有機溶剤中で加水分解・加熱縮合して得られる組成物であり、かつ(1)〜(3)のうちの少なくとも1種類がフルオロアルキル基を有することを特徴とするコーティング用組成物によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】
本発明のコーティング用組成物の必須成分であるフッ素は、以下に示すコーティング用組成物の原料化合物のうち、少なくとも1つにフルオロアルキル基を含有するものを選択することで導入できる。
【0009】
本発明のフッ素含有量が10重量%以上の、イミド結合を含むオルガノシロキサンオリゴマーを含有するコーティング用組成物の必須構造であるイミド結合は、下記の式(2)で表される結合をいい、このようなイミド結合を有することにより、オリゴマー構造の安定性と被塗布基材への濡れ性が増し、塗布組成物としての保存安定性、塗布性、塗膜の接着性が向上するものと考えられる。
【0010】
【化2】
Figure 0004161388
オルガノシロキサンオリゴマー中のイミド結合は、下記一般式(3)で表されるアミノアルコキシシラン、アミノアリールアルコキシシラン(以下、両者を合わせて「アミノオルガノアルコキシシラン」という)、これらの加水分解物、またはこれらの加水分解縮合物の1級アミノ基または2級アミノ基と、酸無水物形成能を有する多価カルボン酸の加熱反応でもたらされるものであることが好ましい。
【0011】
【化3】
Figure 0004161388
ただし、R1は有機基を示し、それぞれ同一であっても異なっていても良く、少なくとも1つの有機基はアミノアルキル基またはアミノアリール基であり、その他はアルキル基、アリール基、アリル基、フルオロアルキル基から選ばれる有機基である。R2はそれぞれ同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、アリル基またはフルオロアルキル基である。またnは1〜3の整数である。
【0012】
一般式(3)で表されるアミノオルガノアルコキシシランとしては特に限定されるものではないが、具体的にはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン等を上げることが出来、フッ素を導入するためのフルオロアルキル基含有アミノオルガノアルコキシシランは特に限定されないが、具体例としては、γ−アミノプロピルトリフルオロメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリフルオロメチルジエトキシシランを挙げることが出来る。
【0013】
これらのアミノオルガノアルコキシシラン等と加熱反応せしめる酸無水物形成能を有する多価カルボン酸としては公知の該当多価カルボン酸が広く使用できるが、具体的にはピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ナジック酸、もしくはこれらの混合物等を挙げることができ、特に芳香族テトラカルボン酸、脂肪族テトラカルボン酸、芳香族トリカルボン酸、マレイン酸から選ばれた少なくとも1つであることが望ましい。フッ素を導入するためのフルオロアルキル基含有の酸無水物形成能を有する多価カルボン酸としては特に限定されないが、具体例としては1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパンを挙げることが出来る。多価カルボン酸は酸無水物の状態で使用されても良く、また酸無水物の状態で使用され、コーティング用組成物の調整工程で加水分解あるいは部分エステル化をうけたものであってもよい。
【0014】
酸無水物形成能を有する多価カルボン酸の代わりに、両末端が酸無水物形成能を有する多価カルボン酸であるオリゴイミドを用いることも出来る。このようなオリゴイミドは、酸無水物とジアミン化合物の重付加によりオリゴアミド酸を得た後、熱的あるいは化学的に脱水閉環を行ってイミド化することによって得られる。酸無水物としては特に限定されないが前述の酸無水物形成能を有する多価カルボン酸の無水物を具体例として挙げることが出来る。ジアミン化合物としては特に限定されるものではないが具体例としては4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミンが挙げられる。フッ素を導入するために用いるフルオロアルキル基含有ジアミンとしては特に限定されないが、具体例としては2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロビス(4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン等を挙げることが出来る。これらの酸無水物とジアミンを、モル比率にして酸無水物:ジアミン=m:(m−1)で、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒中で反応させることにより両末端が酸無水物構造であるオリゴアミド酸が得られる。その後、トリエチルアミン等を触媒として100℃〜150℃に加熱して、脱水閉環によって生成する水を除去しつつ反応することにより、両末端が酸無水物構造であるオリゴイミドが得られる。ここでmは2〜10であることが好ましい。これらオリゴイミドは両末端が酸無水物のまま使用してもよく、またコーティング用組成物の調製工程で加水分解あるいは部分エステル化を受けたものであっても良い。
【0015】
アミノオルガノアルコキシシラン、これらの加水分解物またはこれらの加水分解縮合物の1級アミノ基と、酸無水物形成能を有する多価カルボン酸または両末端が酸無水物形成能を有する多価カルボン酸であるオリゴイミドの加熱反応は、有機溶剤中で80℃、好ましくは100℃以上で行うことが出来るが、特に酸無水物形成能を有する多価カルボン酸の存在下で合成されたオルガノシロキサンオリゴマー溶液中で行うことにより、本発明の目的である保存安定性、塗布性、塗膜の接着性が良好なコーティング溶液を得ることが出来る。
【0016】
本発明で使用されるオルガノシロキサンオリゴマーは特に限定されるものではなく公知のものが広く使用できるが、下記一般式(1)で示されるオルガノトリアルコキシシランを加水分解あるいは加水分解・縮合せしめて得られるオルガノシルセスキオキサンオリゴマーが好ましく使用される。
【0017】
【化4】
Figure 0004161388
ただし、R,R’は同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、アリル基またはフルオロアルキル基である。
【0018】
原料成分のオルガノトリアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることが出来るがこれらに限定されるものではなく、またテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランのようなテトラアルコキシシラン或いはジアルコキシシランを併用することもできる。フッ素を導入するために用いるフルオロアルキル基含有オルガノトリアルコキシシランとしては特に限定されないが、具体例としてはトリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0019】
ここで特にオルガノトリアルコキシシラン化合物の少なくとも一部として、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランのようなフェニルトリアルコキシシランとおよびメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランのようなメチルトリアルコキシシランを併用することが接着性と保存安定性の良好なコーティング用組成物を得るために有用であり、かつ本組成物から得られる被膜の靭性を向上させることが出来る。
【0020】
アミノオルガノアルコキシシラン、これらの加水分解物またはこれらの加水分解縮合物の1級アミノ基と反応せしめる多価カルボン酸あるいは両末端が多価カルボン酸であるオリゴイミドはオルガノシルセスキオキサンオリゴマー合成後に添加されても良いが、オルガノシルセスキオキサンオリゴマー合成に於ける原料オルガノトリアルコキシシランの加水分解あるいは加水分解・縮合触媒として使用されることが好ましく、このような使用方法を採用することは、塗布性や保存安定性の優れたコーティング用組成物を得るために有用である。
【0021】
本発明のコーティング用組成物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、有機溶剤中で多価カルボン酸あるいは両末端多価カルボン酸オリゴイミドを触媒とし、オルガノアルコキシシラン類を加水分解あるいは加水分解・重縮合させた後、アミノオルガノアルコキシシランを添加・混合あるいは添加・混合・加熱反応せしめる方法が好ましい。ここでアミノオルガノアルコキシシランの添加時期としては、オルガノトリアルコキシシラン類の加水分解前であっても良く、いずれの方法においても本発明のコーティング用組成物が得られるものである。
【0022】
アミノオルガノアルコキシシランの添加・混合・加熱反応温度は、得られるコーティング用組成物の塗布性と安定性の見地から80℃〜200℃、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。このような手法で得られたコーティング用組成物の構造の少なくとも一部は、側鎖、末端、あるいは主鎖中にイミド結合を有するシロキサンオリゴマーであり、イミド結合の濃度はアミノアルコキシシラン添加後の加熱反応温度に依存し、この熱処理温度が高いほどイミド結合濃度の高いコーティング用組成物となる。本発明のコーティング用組成物はイミド結合を含むオルガノシロキサンオリゴマーを含有するものであり、イミド結合濃度を特に限定するものではないが、イミド形成能を有する構造の少なくとも1モル%以上、好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは10モル%以上がイミド化していることが望ましい。ここでイミド基形成能を有する構造としては、隣接するカルボキシル基とアミノ基の塩、あるいはアミド酸構造であるがこれらに限定されるものではない。
【0023】
本発明のコーティング用組成物の好ましい構成としては、アルキルトリアルコキシシラン及びアリールトリアルコキシシラン、テトラカルボン酸もしくはその無水物または両末端ジカルボン酸のオリゴイミドもしくはその無水物、および分子内に1個以上の第1級アミノ基または第2級アミノ基と1個以上のアルコキシ基を有するケイ素化合物を有機溶剤中で加水分解・加熱縮合して得られる組成物であり、原料中の少なくとも1種類にフルオロアルキル基を有するものを用いることにより10重量%以上のフッ素を含有するものである。
【0024】
本発明のコーティング用組成物の調整に使用される有機溶剤は特に限定されるものではないが、塗布性の良好なコーティング用組成物を得るために好ましく使用される溶剤主成分としては、分子内に少なくとも1個の水酸基または少なくとも1個のエーテル結合をもつ沸点100〜300℃の液体や、あるいは分子内に少なくとも各1個の水酸基とエーテル結合をもつ沸点100〜300℃の液体が挙げられ、これらを単独、もしくは混合して使用してもよい。このような有機溶剤成分としては、例えば3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトール、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また特に本発明のコーティング用組成物の調整においてはN−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶剤を使用しても良い。
【0025】
本発明のコーティング用組成物の塗布性をさらに改良するために公知の界面活性剤その他の添加剤を併用しても良い。
【0026】
本発明のコーティング用組成物は塗布性、保存安定性に優れ、基板塗布後、通常加熱により硬化するものであり、硬化膜は耐熱性、接着性、靭性に優れ、さらには電気特性も良好で特に低い誘電率を持つので、半導体素子の層間絶縁膜として有用であるが、半導体素子のパッシベーション膜、バッファ膜、多層プリント配線の層間絶縁膜としても用いることが出来る。
【0027】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
メチルトリメトキシシラン16.35g(0.12モル)、フェニルトリメトキシシラン23.79g(0.12モル)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物26.65g(0.06モル)を、γ−ブチロラクトン26.40g、3−メチル−3−メトキシブタノール26.40gに溶解し、30℃で撹拌しつつ19.46gの蒸留水を加え、一時間撹拌、加水分解・縮合を行った。
【0029】
この溶液を、バス温度105℃で3時間加熱・撹拌し生成したアルコールと水を留去し、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを含有するオルガノシルセスキオキサンオリゴマーとした。
【0030】
この溶液にγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン22.96g(0.12モル)をγ−ブチロラクトン45.92g、3−メチル−3−メトキシブタノール45.92gの混合液を添加して、バス温度を120℃に上昇して3時間加熱・撹拌し、生成したアルコールと水を留去した。留去分の合計は約40gであった。反応後、γ−ブチロラクトン/3−メチル−3−メトキシブタノール=1/1溶液を反応溶液に加えて倍量希釈した。
【0031】
このようにして得られた溶液の固形分濃度を、200℃、2時間加熱の溶剤除去で測定すると17.0重量%であり、粘度は67.1mPa・sであった。
【0032】
固形分測定用の加熱乾燥、硬化後の被膜を削って得た粉末に対して元素分析を行い、フッ素の含有量の定量を行った。元素分析の結果と、構造から予想される理論値を以下に示す。
【0033】
Figure 0004161388
フッ素は約11重量%含有されていた。
【0034】
この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して塗布溶液を調整した。
【0035】
この塗布溶液を、アルミ基板上にスピンコーターで塗布し、85℃の熱風オーブン中で10分間乾燥した後、270℃で1時間の硬化を行い、厚さ2.0μmの被膜を形成させた。
【0036】
この被膜上に、真空蒸着機を用いてマスク蒸着を行い、アルミ蒸着膜の電極を形成した。電極は40mm径の円形で、それを取り囲んで同心円状に5mm幅のガード電極を形成した。
【0037】
この電極形成後の被膜を、23℃、45%RHの雰囲気下、横河ヒューレットパッカード製プレシジョンLCRメーター HP4284A、および誘電体測定用電極HP16451Bを用いて誘電率の測定を行ったところ、周波数1kHzの時、比誘電率にして3.0であった。
【0038】
実施例2
メチルトリメトキシシラン136g(1.0モル)、フェニルトリメトキシシラン198g(1.0モル)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物444g(1.0モル)を、γ−ブチロラクトン490g、3−メチル−3−メトキシブタノール490gに溶解し、30℃で撹拌しつつ216gの蒸留水を加え、一時間撹拌、加水分解・縮合を行った。
【0039】
この溶液を、バス温度105℃で3時間加熱・撹拌し生成したアルコールと水を留去し、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを含有するオルガノシルセスキオキサンオリゴマーとした。
【0040】
この溶液にγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン383g(2モル)をγ−ブチロラクトン765g、3−メチル−3−メトキシブタノール765gの混合液を添加して、バス温度を120℃に上昇して3時間加熱・撹拌し、生成したアルコールと水を留去した。留去分の合計は約240gであった。
【0041】
このようにして得られた溶液の固形分濃度を、200℃、2時間加熱の溶剤除去で測定すると27.7重量%であり、粘度は69mPa・sであった。
【0042】
固形分測定用の加熱乾燥、硬化後の被膜を削って得た粉末に対して元素分析を行い、フッ素の含有量の定量を行った。元素分析の結果と、構造から予想される理論値を以下に示す。
【0043】
Figure 0004161388
フッ素は約13重量%含有されていた。
【0044】
この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して塗布溶液を調整した。
【0045】
この塗布溶液を、アルミ基板上にスピンコーターで塗布し、85℃の熱風オーブン中で10分間乾燥した後、270℃で1時間の硬化を行い、厚さ2.0μmの被膜を形成させた。
【0046】
この被膜上に、真空蒸着機を用いてマスク蒸着を行い、アルミ蒸着膜の電極を形成した。電極は40mm径の円形で、それを取り囲んで同心円状に5mm幅のガード電極を形成した。
【0047】
この電極形成後の被膜を、23℃、45%RHの雰囲気下、横河ヒューレットパッカード製プレシジョンLCRメーター HP4284A、および誘電体測定用電極HP16451Bを用いて誘電率の測定を行ったところ、周波数1kHzの時、比誘電率にして2.9であった。
【0048】
実施例3
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物13.3g(0.03モル)、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル6.4g(0.02モル)、γ−ブチロラクトン45gを100mlの四ツ口フラスコに入れ、65℃のオイルバスで1時間加熱して両末端が酸無水物であるオリゴアミド酸を作った。四ツ口フラスコの一端にリービッヒ冷却管をつけ、その先に100mlのナスフラスコをつけた。次にイミド化反応触媒としてトリエチルアミン5mlを加えてオイルバス温度を135℃に上げ、生成する水を留去しつつ2時間加熱して両末端酸無水物のオリゴイミドを合成した。25℃の水浴に1時間入れて反応溶液を室温まで冷却後、γ−ブチロラクトンを30g加えて希釈した。
【0049】
メチルトリメトキシシラン1.36g(0.01モル)、フェニルトリメトキシシラン1.98g(0.01モル)、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン3.83g(0.02モル)、3−メチル−3−メトキシブタノール45gを100mlのマイヤフラスコに入れて混合し、前記の四ツ口フラスコの内容物に加えて室温で一時間撹拌した。オイルバスを105℃に加熱して2時間加熱後、
さらにオイルバス温度を上げて120℃にし、2時間加熱した。γ−ブチロラクトン20gと3−メチル−3−メトキシブタノール20gを加えて室温に冷却し反応終了した。
【0050】
このようにして得られた溶液の固形分濃度を、200℃、2時間加熱の溶剤除去で測定すると25.0重量%であり、粘度は84.3mPa・sであった。
【0051】
固形分測定用の加熱乾燥、硬化後の被膜を削って得た粉末に対して元素分析を行い、フッ素の含有量の定量を行った。元素分析の結果と、構造から予想される理論値を以下に示す。
【0052】
Figure 0004161388
フッ素含有量は約24重量%であった。
【0053】
この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して塗布溶液を調整した。
【0054】
この塗布溶液を、アルミ基板上にスピンコーターで塗布し、85℃の熱風オーブン中で10分間乾燥した後、270℃で1時間の硬化を行い、厚さ2.0μmの被膜を形成させた。
【0055】
この被膜上に、真空蒸着機を用いてマスク蒸着を行い、アルミ蒸着膜の電極を形成した。電極は40mm径の円形で、それを取り囲んで5mm幅のガード電極を形成した。
【0056】
この電極形成後の被膜を、23℃、45%RHの雰囲気下、横河ヒューレットパッカード製プレシジョンLCRメーター HP4284A、および誘電体測定用電極HP16451Bを用いて誘電率の測定を行ったところ、周波数1kHzの時、比誘電率にして2.8であった。
【0057】
比較例1
メチルトリメトキシシラン136g(1.0モル)、フェニルトリメトキシシラン198g(1.0モル)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322g(1.0モル)を、γ−ブチロラクトン490g、3−メチル−3−メトキシブタノール490gに溶解し、30℃で撹拌しつつ216gの蒸留水を加え、一時間撹拌、加水分解・縮合を行った。
【0058】
この溶液を、バス温度105℃で3時間加熱・撹拌し生成したアルコールと水を留去し、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸を含有するオルガノシルセスキオキサンオリゴマーとした。
【0059】
この溶液にγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン383g(2モル)をγ−ブチロラクトン765g、3−メチル−3−メトキシブタノール765gの混合液を添加して、バス温度を120℃に上昇して3時間加熱・撹拌し、生成したアルコールと水を留去した。留去分の合計は約250gであった。
【0060】
このようにして得られた溶液の固形分濃度を、200℃、2時間加熱の溶剤除去で測定すると22.7重量%であり、粘度は71mPa・sであった。
【0061】
固形分測定用の加熱乾燥、硬化後の被膜を削って得た粉末に対して元素分析を行い、フッ素の含有量の定量を行った。元素分析の結果と、構造から予想される理論値を以下に示す。
【0062】
Figure 0004161388
フッ素含有量は0重量%であった。
【0063】
この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して塗布溶液を調整した。
【0064】
この塗布溶液を、アルミ基板上にスピンコーターで塗布し、85℃の熱風オーブン中で10分間乾燥した後、270℃で1時間の硬化を行い、厚さ2.0μmの被膜を形成させた。
【0065】
この被膜上に、真空蒸着機を用いてマスク蒸着を行い、アルミ蒸着膜の電極を形成した。電極は40mm径の円形で、それを取り囲んで5mm幅のガード電極を形成した。
【0066】
この電極形成後の被膜を、23℃、45%RHの雰囲気下、横河ヒューレットパッカード製プレシジョンLCRメーター HP4284A、および誘電体測定用電極HP16451Bを用いて誘電率の測定を行ったところ、周波数1kHzの時、比誘電率にして3.2であった。
【0067】
比較例2
メチルトリメトキシシラン27.20g(0.2モル)、フェニルトリメトキシシラン39.60g(0.2モル)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物8.88g(0.02モル)を、γ−ブチロラクトン32.96g、3−メチル−3−メトキシブタノール32.96gに溶解し、30℃で撹拌しつつ23.76gの蒸留水を加え、一時間撹拌、加水分解・縮合を行った。
【0068】
この溶液を、バス温度105℃で3時間加熱・撹拌し生成したアルコールと水を留去し、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを含有するオルガノシルセスキオキサンオリゴマーとした。
【0069】
この溶液にγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン7.66g(0.04モル)をγ−ブチロラクトン15.33g、3−メチル−3−メトキシブタノール15.33gの混合液を添加して、バス温度を120℃に上昇して3時間加熱・撹拌し、生成したアルコールと水を留去した。留去分の合計は約50gであった。反応後、γ−ブチロラクトン/3−メチル−3−メトキシブタノール=1/1溶液を57.06g反応溶液に加えて希釈した。
【0070】
このようにして得られた溶液の固形分濃度を、200℃、2時間加熱の溶剤除去で測定すると30.1重量%であり、粘度は73.4mPa・sであった。
【0071】
固形分測定用の加熱乾燥、硬化後の被膜を削って得た粉末に対して元素分析を行い、フッ素の含有量の定量を行った。元素分析の結果と、構造から予想される理論値を以下に示す。
【0072】
Figure 0004161388
フッ素は約4重量%含有されていた。
【0073】
この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して塗布溶液を調整した。
【0074】
この塗布溶液を、アルミ基板上にスピンコーターで塗布し、85℃の熱風オーブン中で10分間乾燥した後、270℃で1時間の硬化を行い、厚さ2.0μmの被膜を形成させた。
【0075】
この被膜上に、真空蒸着機を用いてマスク蒸着を行い、アルミ蒸着膜の電極を形成した。電極は40mm径の円形で、それを取り囲んで同心円状に5mm幅のガード電極を形成した。
【0076】
この電極形成後の被膜を、23℃、45%RHの雰囲気下、横河ヒューレットパッカード製プレシジョンLCRメーター HP4284A、および誘電体測定用電極HP16451Bを用いて誘電率の測定を行ったところ、周波数1kHzの時、比誘電率にして3.1であった。
【0077】
実施例1〜3および比較例1、2の結果より、比誘電率3.0以下の材料のためには少なくともフッ素含有量10重量%以上が必要なことは明白である。
【0078】
【発明の効果】
本発明のコーティング用組成物は上記のような構成を有するので、塗布性、保存安定性に優れており、塗布後の被膜は耐熱性、基板接着性、靭性に優れ、低い誘電率を持ち、半導体素子の層間絶縁膜として有用である。

Claims (4)

  1. フッ素含有量が固形分重量に対して10重量%以上の、イミド結合を有するオルガノシロキサンオリゴマーを含有するコーティング用組成物であって、該組成物が、(1)アルキルトリアルコキシシラン及びアリールトリアルコキシシラン、(2)テトラカルボン酸もしくはその無水物または両末端ジカルボン酸のオリゴイミドもしくはその無水物、(3)分子内に1個以上の第1級アミノ基または第2級アミノ基と1個以上のアルコキシ基を有するケイ素化合物、を有機溶剤中で加水分解・加熱縮合して得られる組成物であり、かつ(1)〜(3)のうちの少なくとも1種類がフルオロアルキル基を有することを特徴とするコーティング用組成物
  2. イミド結合を含むオルガノシロキサンオリゴマーの少なくとも一部がアミノアルキルアルコキシシラン、アミノアリールアルコキシシラン、これらの加水分解物、またはこれらの加水分解縮合物と、酸無水物形成能を有する含フッ素多価カルボン酸の過熱反応体である請求項1記載のコーティング用組成物。
  3. 請求項1記載のコーティング用組成物からなる半導体固体素子の絶縁膜、パッシベーション膜またはバッファーコート用コーティング用組成物。
  4. 請求項1記載のコーティング用組成物からなる半導体集積回路または多層プリント配線板の層間絶縁膜用コーティング用組成物。
JP27424797A 1997-10-07 1997-10-07 コーティング用組成物 Expired - Fee Related JP4161388B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27424797A JP4161388B2 (ja) 1997-10-07 1997-10-07 コーティング用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27424797A JP4161388B2 (ja) 1997-10-07 1997-10-07 コーティング用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11106705A JPH11106705A (ja) 1999-04-20
JP4161388B2 true JP4161388B2 (ja) 2008-10-08

Family

ID=17539057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27424797A Expired - Fee Related JP4161388B2 (ja) 1997-10-07 1997-10-07 コーティング用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4161388B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11106705A (ja) 1999-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017052877A (ja) ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド前駆体組成物の製造方法、及びポリイミド成形体の製造方法
CN101085868B (zh) 基于聚酰亚胺硅氧烷的树脂组合物
JP2005068347A (ja) ポリイミド組成物およびその製造方法と用途
JP3395269B2 (ja) 低熱伝導率ポリイミドシロキサンフィルム
JP6496993B2 (ja) ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド前駆体の製造方法、ポリイミド成形体、及びポリイミド成形体の製造方法
JP3724004B2 (ja) 熱硬化性組成物、その製造方法およびカラーフィルタ
JPH0615770A (ja) 金属/ポリイミド構造体における金属の不動態化
JP2619515B2 (ja) シリコンポリイミド前駆体組成物
JP3955841B2 (ja) 有機−無機ハイブリッドフィルム材料およびその製造方法
JP4161388B2 (ja) コーティング用組成物
KR910008341B1 (ko) 실리콘-함유 가용성 폴리이미드 전구체, 이의 경화 물질, 및 이의 제조방법
JP3227217B2 (ja) 耐熱性複合材料及びその製造方法
JP2764674B2 (ja) ポリイミドシリコ−ン樹脂前駆体組成物
JP4377354B2 (ja) ポリイミドシリコーン系樹脂組成物
JP2001348428A (ja) ポリアミド酸組成物、可溶性ポリイミド組成物およびポリベンゾオキサゾール−ポリイミド組成物
JP2628322B2 (ja) シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体及びその製造法
JP6426440B2 (ja) ポリイミド被膜
JP2607104B2 (ja) シリコン含有ポリイミド硬化物及びその製造法
US11046852B2 (en) Resin molded product and resin composition
KR970006900B1 (ko) 이미도 그룹-함유 가용성 실리콘 올리고머, 이의 경화된 물질 및 이들을 제조하는 방법
JPH09324049A (ja) 架橋ポリイミド、その前駆体および製造方法
JP4041771B2 (ja) ポリイミドシリコーン系樹脂組成物
JPH01126335A (ja) 可溶性イミド基含有シリコン系オリゴマー及びその製造方法
JPH11323256A (ja) 膜形成用組成物、膜の形成方法および多孔質膜
JP2007177017A (ja) ポリイミドシリコーン系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080701

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080714

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees