JP4160760B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手動変速機と、自動変速クラッチと、排気ブレーキ装置と、自動変速クラッチ及び排気ブレーキ装置を制御する制御装置とを備えた動力伝達装置に係り、特に、エンジン過回転時に排気ブレーキ装置の作動を禁止することによってエンジンに過大な負荷がかかることを防止した排気ブレーキ装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大型車両などで補助ブレーキとして使用される排気ブレーキ装置は、エンジンの排気通路中に設けられた排気シャッタから主に構成され、この排気シャッタを閉作動して排気通路を閉じることによってブレーキ力を作用させるものである。
【0003】
通常、この排気ブレーキ装置は、運転室の排気ブレーキ作動スイッチがONされ、クラッチが完全に接続され、かつアクセルが踏み込まれていないといった条件が成立したときに作動される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ドライバがマニュアル操作する手動変速機を備えた車両において、上述した排気ブレーキ作動スイッチをONにしたまま走行した場合、ドライバの変速操作によっては、エンジンが過回転状態であるときに上記条件が成立して排気ブレーキ装置が作動することがあった。具体的には、ドライバが極端に低速側にシフトダウン(ex.4速から2速)した場合、変速クラッチが接続されると、エンジンの回転速度が大きく上昇して過回転状態となることがあるが、このときに、アクセルペダルが踏まれていなければ上述した条件が成立することになり、排気ブレーキ装置が作動されるのである。
【0005】
このように、エンジンが過回転状態であるときに排気ブレーキ装置を作動させる、つまり、エンジンの排気通路を閉じることはエンジンに過大な負荷をかけることになり、ひいてはエンジンの故障を引き起こす可能性もある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、エンジン過回転時には排気ブレーキ装置の作動を禁止してエンジンに過大な負荷がかかることを防止した動力伝達装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、エンジンと手動変速機との間に介設された自動変速クラッチと、エンジンの排気通路に設けられ、排気通路を閉じることで制動力を作用させる排気ブレーキ装置と、ドライバの変速操作に応じて上記自動変速クラッチを断接制御すると共に、上記排気ブレーキ装置の作動を制御する制御装置とを備えた動力伝達装置であって、上記手動変速機に、いずれかのギヤ段にギヤインされたことを検出するためのギヤイン検出手段を設け、上記制御装置は、変速操作に先立って上記自動変速クラッチを断し、その後、上記ギヤイン検出手段により、いずれかのギヤ段へギヤインされたことが検出されたときに、上記自動変速クラッチが接続されたとした場合のエンジン回転速度を推定し、その推定エンジン回転速度が所定のオーバーラン回転速度以上ならば上記排気ブレーキ装置の作動を禁止して自動変速クラッチを接続し、オーバーラン回転速度未満であれば上記排気ブレーキの作動を禁止することなく自動変速クラッチを接続するものである。
【0008】
この構成によれば、エンジンが過回転状態となるような変速操作が行われた場合、自動変速クラッチが接続される前に排気ブレーキ装置の作動が禁止されるためエンジンに過大な負荷がかかることを防止できる。
【0009】
ここで、上記オーバーラン回転速度は、エンジンの最大出力回転速度の120%程度であっても良い。
【0010】
また、上記自動変速クラッチの出力軸の回転速度を検出するための回転速度検出手段を設け、上記推定エンジン回転速度を、上記自動変速クラッチの出力軸回転速度に基づいて推定するようにしても良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
先ず、図1を用いて本実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を説明する。
【0013】
図に示すように、エンジンEには、クラッチ機構1を介して手動変速機T/Mが接続されている。クラッチ機構1は流体継手(フルードカップリング)2と自動変速クラッチ(ここでは、湿式多板クラッチ)3とからなる。流体継手2は、エンジンEから手動変速機T/Mに至る動力伝達経路の途中であってその上流側に設けられ、自動変速クラッチ3は同下流側に直列に設けられる。なお、ここでいう流体継手とはトルクコンバータを含む広い概念であり、現に本実施形態においてもトルクコンバータを用いている。
【0014】
流体継手2は、エンジンEの出力軸(クランク軸)1aに接続されたケーシング18と一体に回転するポンプ部4と、ケーシング18内でポンプ部4に対向されクラッチ3の入力側に接続されたタービン部5と、タービン部5とポンプ部4との間に介設されたステータ部6とからなっている。またこの流体継手2には、ポンプ部4とタービン部5とを機械的に断・接するためのロックアップクラッチ7が設けられており、そのロックアップクラッチ7は油圧回路19からの圧油にて作動される。
【0015】
自動変速クラッチ3は、その入力側が入力軸3aを介してタービン部5に接続され、出力側が手動変速機T/Mの入力軸8に接続され、流体継手2と手動変速機T/Mとの間を断・接するもので、常時はスプリング(図示せず)で断方向に付勢され、油圧回路19からの圧油にて接とされる。
【0016】
手動変速機T/Mは、入力軸8と、これと同軸に配置された出力軸9と、これらに平行に配置された副軸10とを有する。入力軸8には、入力主ギヤ11が設けられている。出力軸9には、1速主ギヤM1と、2速主ギヤM2と、3速主ギヤM3と、4速主ギヤM4と、リバース主ギヤMRとが夫々軸支されていると共に、6速主ギヤM6が固設されている。副軸10には、入力主ギヤ11に噛合する入力副ギヤ12と、1速主ギヤM1に噛合する1速副ギヤC1と、2速主ギヤM2に噛合する2速副ギヤC2と、3速主ギヤM3に噛合する3速副ギヤC3と、4速主ギヤM4に噛合する4速副ギヤC4と、リバース主ギヤMRにアイドルギヤIRを介して噛合するリバース副ギヤCRとが固設されていると共に、6速主ギヤM6に噛合する6速副ギヤC6が軸支されている。
【0017】
この手動変速機T/Mによれば、出力軸9に固定されたハブH/R1にスプライン噛合されたスリーブS/R1を、リバース主ギヤMRのドグDRにスプライン噛合すると出力軸9がリバース回転し、上記スリーブS/R1を1速主ギヤM1のドグD1にスプライン噛合すると出力軸9が1速相当で回転する。そして、出力軸9に固定されたハブH/23にスプライン噛合されたスリーブS/23を、2速主ギヤM2のドグD2にスプライン噛合すると出力軸9が2速相当で回転し、上記スリーブS/23を3速主ギヤM3のドグD3にスプライン噛合すると出力軸9が3速相当で回転する。
【0018】
そして、出力軸9に固定されたハブH/45にスプライン噛合されたスリーブS/45を、4速主ギヤM4のドグD4にスプライン噛合すると出力軸9が4速相当で回転し、上記スリーブS/45を入力主ギヤ11のドグD5にスプライン噛合すると出力軸9が5速相当(直結)で回転する。そして、副軸10に固定されたハブH6にスプライン噛合されたスリーブS6を、6速副ギヤC6のドグD6にスプライン噛合すると出力軸9が6速相当で回転する。
【0019】
上記各スリーブSは、図示しないシフトフォークおよびシフトロッドを介して、運転室内のシフトレバー21によってマニュアル操作される。
【0020】
シフトレバー21にはノブスイッチ20が設けられる。即ち、本実施形態では、ドライバによる変速操作の開始時期を検出するため、或いはクラッチ3の断を開始するタイミングを決定するため、運転室のシフトレバー21において、レバーに対しシフトノブが僅かにシフト方向に揺動可能に取り付けられており、これらレバーとシフトノブとの間にノブスイッチ20が設けられている。そしてドライバによる変速操作時、レバーの動作に先立ってシフトノブが揺動すると、ノブスイッチ20がONとなり、これを合図にクラッチ断を開始するようになっている。
【0021】
シフトレバー21の操作により変速機T/Mがニュートラル、あるいはいずれかのギヤ段にギヤインされたことがギヤポジションセンサ(ギヤイン検出手段21s)により検出され、その検出したニュートラルあるいはギヤ段状態が制御装置22に入力される。
【0022】
また、アクセルペダル23の踏み込み量がセンサ24により検出され、その踏み込み量が制御装置22に入力される。またブレーキペダル25の踏み込み量がセンサ26で検出され、その踏み込み量が制御装置22に入力される。
【0023】
手動変速機T/Mの入力副ギヤ12には、入力副ギヤ12の回転速度を検出する入力軸回転センサ27(回転速度検出手段)が設けられており、この入力軸回転センサ27の検出値が制御装置22に入力される。制御装置22はセンサ27の検出値と、入力主ギヤ11と入力副ギヤ12とのギヤ比に基づいて変速機T/Mの入力軸8(自動変速クラッチ3の出力軸)の回転速度を算出する。なお、入力軸回転センサ27を入力主ギヤ11に設け、変速機T/Mの入力軸8の回転速度を直接検出するようにしても良い。
【0024】
また、自動変速クラッチ3の入力側にはタービン部5の回転速度を検出するタービン部回転センサ28が設けられ、エンジンEの出力軸1aに接続されたケーシング18にはエンジンEの回転速度を検出するエンジン回転センサ29が設けられ、変速機T/Mの出力軸9には車速を検出するための車速センサ74が設けられている。これらセンサ28,29,74の検出値が制御装置22に入力される。
【0025】
次に、流体継手2とロックアップクラッチ7の詳細を図2により説明する。
【0026】
図において、エンジンEの出力軸(クランク軸)1aに接続されたケーシング18には、ポンプ部4が一体に設けられる。ポンプ部4は、軸受80により湿式多板クラッチ(自動変速クラッチ)3の入力軸3aに対して回転自在に設けられる。またケーシング18内には、ポンプ部4に対向されてタービン部5が、クラッチ3の入力軸3aに接続されて設けられる。なお、図では、説明の便宜上、ステータ部6は省略してある。
【0027】
タービン部5には、ダンパースプリング30を介してクラッチディスク31が連結される。クラッチディスク31は、ケーシング18と対向するようにタービン部5のタービンハブ32の外周に相対回転自在で、かつ軸方向に摺動可能に設けられ、そのケーシング18側に面したクラッチディスク31の外周部にクラッチフェーシング33が装着される。
【0028】
このクラッチディスク31により、ケーシング18とクラッチディスク31間に外側室34が形成され、タービン部5とクラッチディスク31間に内側室35が形成される。
【0029】
入力軸3aには内側通路36が形成され、その入力軸3aの外周に外側通路37が形成される。
【0030】
この流体継手2で、ロックアップクラッチ7を断とするとき、制御装置22によって、圧油が内側通路36からケーシング18とクラッチディスク31間の外側室34に流され、外側室34から図中上半分に矢印38で示すようにタービン部5とポンプ部4内を流れてポンプ部4の回転をタービン部5に伝達し、一部は軸受け80を通って外側通路37に流れる。またロックアップクラッチ7を接とするときは、圧油の流れは上述と逆に切り換えられる。すなわち、圧油は、外側通路37から軸受け80を通って図中下半分に矢印39で示すようにポンプ部4とタービン部5内を流れると共に、内側室35に流れる。これによりクラッチディスク31が内側室35内の圧油によってケーシング18側に押圧されてクラッチフェーシング33がケーシング18に摩擦接触し、ケーシング18の回転がクラッチディスク31よりダンパースプリング30を介してタービン部5に伝達され、ポンプ部4とタービン部5とが一体に接続される。
【0031】
湿式多板クラッチ3は、油が満たされたクラッチケーシング40内で、入力側と出力側とにそれぞれ複数枚ずつ互い違いにクラッチプレート41がスプライン噛合され、これらクラッチプレート41同士をクラッチピストン42により押し付け合い、或いは解放して、クラッチの断・接を行うものである。クラッチピストン42はクラッチスプリング43により常に断側に付勢されると共に、これを上回る油圧がクラッチピストン42に付加されたときクラッチ3が接とされる。
【0032】
図3は、流体継手2及びロックアップクラッチ7と自動変速クラッチ3とを制御するための油圧回路19の詳細を示したものである。
【0033】
図に示すように、オイルタンク45内の油が、ろ過器Fを介して油圧ポンプOPにより吸引吐出されると共に、その吐出圧がリリーフバルブ47により調整され、圧油供給ライン46に所定圧力の圧油が供給される。
【0034】
圧油供給ライン46には、ライン48を介して、流体継手2への圧油を切り換えるロックアップ用五方弁49が接続される。このロックアップ用五方弁49には、圧油をオイルタンク45に戻す圧油戻しライン50が接続されると共にその圧油戻しライン50に、絞り弁51、クーラ52、開閉弁53が接続される。
【0035】
開閉弁53は、常閉で、圧油供給ライン46に接続されたパイロットライン54からの圧油で開とされる。
【0036】
ロックアップ用五方弁49は、圧油供給ライン46のパイロットライン55に接続されたパイロット制御用三方電磁弁56により切り換え制御される。常時は、パイロット制御用三方電磁弁56がOFFとされ、ライン48からの圧油が、ライン57より、図2で説明した内側通路36を通って外側室34へ流れ、さらにタービン部5とポンプ部4に流れた後、外側通路37からライン58を通り、ロックアップ用五方弁49を介して圧油戻しライン50に戻される。従って、ロックアップクラッチは断とされる。
【0037】
パイロット制御用三方電磁弁56が作動されると、パイロットライン55からの圧油でロックアップ用五方弁49が切り換えられ、ライン48からの圧油が、ライン58より外側通路37に流れてポンプ部4とタービン部5を通った後、内側室35に閉じこめられ、その油圧によってクラッチディスク31がケーシング18に押圧される。一方、外側室34内の油はライン57に押し出されて、ロックアップ用五方弁49介して油戻しライン60からオイルタンク45に戻される。従って、ロックアップクラッチ7は接となる。
【0038】
また、自動変速クラッチ3は、圧油供給ライン46にライン68を介して接続され、そのライン68にクラッチ切換用三方弁61が接続され、そのクラッチ切換用三方弁61が、圧油供給ライン46のパイロットライン62に接続されたパイロット制御用三方電磁弁63で作動制御されるようになっている。
【0039】
この自動変速クラッチ3は、常時は、クラッチ切換用三方弁61が閉位置にあり、スプリング42により断方向に付勢される。パイロット制御用三方電磁弁63が開に作動されると、パイロットライン62からの圧油によりクラッチ切換用三方弁61が開とされて自動変速クラッチ3に圧油が供給され、接方向に作動される。
【0040】
パイロット制御用三方電磁弁56,63は制御装置22からの電気信号で作動されるようになっている。
【0041】
この動力伝達装置では、エンジンEの動力を流体継手2、自動変速クラッチ3、手動変速機T/Mという順で伝達する。
【0042】
車両発進時の制御は以下のようになる。車両がギヤニュートラルで停止中、ドライバが発進しようとしてシフトレバーを発進段に操作しようとしたとする。するとシフトレバーにおいて、レバーの動作に先立ってシフトノブが揺動することによりノブスイッチ20がONされ、これを合図にクラッチ3が断される。そして引き続きシフトレバーが操作されることによって変速機T/Mが発進段にギヤインされ、これがギヤイン検出手段21sによって検出されるとクラッチ3が接続される。この接続によってタービン部5が駆動輪側からブレーキで止められるので、タービン部5に対しポンプ部4が滑動し、クリープ力が発生するようになる。従って、後はブレーキペダル25を離したり、アクセルペダル23を踏み込んだりすれば車両が動き出すのである。この点は通常のAT車と同様である。
【0043】
発進後、所定車速以上になるとロックアップクラッチ7が接とされ、流体継手2のポンプ部4とタービン部5とは一体に回転する。そして、ロックアップクラッチ7を接とした後、車速が所定速度以下になると、ロックアップクラッチ7は断とされる。
【0044】
そして、車両が所定のギヤ段で走行中、ドライバが変速しようとして手動変速機T/Mのシフトレバー21を操作しようとすると、レバーの動作(変速操作)に先立ってシフトノブが揺動し、ノブスイッチ20がONされ、これを合図に自動変速クラッチ3が断される。そして引き続きシフトレバー21が操作されて手動変速機T/Mがいずれかのギヤ段にギヤインされ、これがギヤイン検出手段21sによって検出されると自動変速クラッチ3が接される。これによって一連の変速操作が完了する。このようなクラッチ断接制御は変速の度毎に実行され、これによって通常のMT車と同様のクラッチ断接作動が実現される。この変速中、ロックアップクラッチ7は接のままで、エンジン動力がそのままクラッチ3に伝達される。
【0045】
次に、排気ブレーキ装置は、図1に示すように、エンジンEの排気ポートに接続された排気通路70に設けられた排気ブレーキバルブ(シャッタ)71で主に構成される。常時(非作動時)は、排気ブレーキバルブ71は開かれて排気通路70が全開とされる。作動時には、制御装置22からの信号によって排気ブレーキバルブ71が作動されて排気通路70を閉じてブレーキ力が作用するようになっている。
【0046】
また、運転室には排気ブレーキ作動スイッチ72が設けられており、ドライバーがこの排気ブレーキ作動スイッチ72をONとすると排気ブレーキ装置73が作動可能な状態となる。しかしながら、排気ブレーキ装置73は、後述する許可条件が成立したときにのみ制御装置22によって作動される。従って、ドライバーが排気ブレーキ作動スイッチ72をONしていても、許可条件を満たしていなければ排気ブレーキ装置73は作動されない。
【0047】
排気ブレーキ装置73の作動を図4に示す回路図を用いて説明する。
【0048】
後述する許可条件が成立すると、制御装置22のCPU22cがトランジスタ22tをONとする。このときにドライバーが排気ブレーキ作動スイッチ72をONとしていれば回路が通電し、リレー75がONとされる。その結果、排気ブレーキバルブ71が作動されて排気通路70を閉じ、ブレーキ力が作用する。
【0049】
排気ブレーキ装置73の作動許可条件は以下の通りである。
【0050】
▲1▼.アクセルセンサ24によってアクセルペダル23の踏み込みが検出されていない(アクセルペダル23が踏まれていない)。
【0051】
▲2▼.車速センサ74により検出された車速が0.5km/h以上である(車両が停止していない)。
【0052】
▲3▼.パイロット制御用三方電磁弁63が作動されている(自動変速クラッチ3が接続されている)。
【0053】
以上の全ての条件が成立し、かつ排気ブレーキ作動スイッチ72がONされていれば、排気ブレーキ装置73が作動されることになる。
【0054】
しかしながら、本発明では、ドライバが意図的又は不注意によって極端に低速側にシフトダウンした等の理由によってエンジンEが過回転状態(オーバーラン状態)であるときに排気ブレーキ装置73が作動してエンジンEに過大な負荷をかけることを防止するために、制御装置22は、エンジンが過回転状態となるような変速操作が行われた場合には、上記許可条件の成立・不成立に関わらず排気ブレーキ装置73の作動を禁止、即ち非作動とする。
【0055】
以下、この点について図5のフロー図に基づいて説明する。
【0056】
まず、ドライバが排気ブレーキ作動スイッチ72をONにした状態で走行したとする。そして、走行中にドライバが変速操作を行い、その変速操作に先立って自動変速クラッチ3が断されると、制御装置22は、ギヤイン検出手段21sによっていずれかのギヤ段へギヤインされたことが検出されたかどうかを判定する(ステップS1)。
【0057】
ギヤインが検出されていない、即ち、ドライバがまだ変速操作中であれば終了する。
【0058】
ギヤインが検出された場合、制御装置22は、自動変速クラッチ3が接続されたとした場合のエンジン回転速度Ne’を推定する。具体的には、手動変速機T/Mのギヤがいずれかのギヤ段にギヤインされると、自動変速クラッチ3の出力軸8(手動変速機T/Mの入力軸)が車輪側から駆動されることになり、その後、自動変速クラッチ3を接続すると、エンジンEの回転速度は自動変速クラッチ3の出力軸8の回転速度と一致するので、ギヤインと同時に入力軸回転センサ27(回転速度検出手段)によって検出された自動変速機3の出力軸8の回転速度をクラッチ接続後の推定エンジン回転速度Ne’とする(ステップS2)。
【0059】
次に、この推定エンジン回転速度Ne’を制御装置22に予め設定・入力された所定のオーバーラン回転速度Novと比較する(ステップS3)。オーバーラン回転速度Novとは、エンジンEが過回転状態であると見なせるような回転速度であり、排気ブレーキ装置73を作動させるとエンジンEに過大な負荷がかかるおそれのある回転速度である。オーバーラン回転速度Novは、エンジンEの特性等に応じて適宜設定されるものであり、本実施形態ではエンジンEの最大出力回転速度の120%程度に設定される。
【0060】
そして、推定エンジン回転速度Ne’がオーバーラン回転速度Nov以上(Ne’≧Nov)であったならば、制御装置22は、エンジンEが過回転状態となるような変速操作であると判定し、上記許可条件の成立・不成立に関わらず排気ブレーキ装置73の作動を禁止する(ステップS4)。
【0061】
一方、これとは別に、ギヤインと同時に自動変速クラッチ3が接続される。自動変速クラッチ3が接続されると、エンジン回転速度Neが実際に推定エンジン回転速度Ne’まで上昇し、過回転状態となる。このとき、アクセルペダル23が踏まれていなければ上記許可条件を満たすことになるが、制御装置22は許可条件の成立に関わらず排気ブレーキ装置73を作動しない。従って、エンジンEに過大な負荷がかかることはない。
【0062】
そして、実エンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Nov未満まで低下したら、制御装置22による排気ブレーキ装置73の作動禁止は解除される。従って、それ以降は許可条件が成立すれば排気ブレーキ装置73は作動される。
【0063】
なお、本発明はエンジンEが過回転状態となることは許容する。その理由としては、ドライバが強力なエンジンブレーキを得るために意図的に行う場合もあるからである。また、エンジンEが過回転状態となる期間は僅かだからである。
【0064】
一方、ステップS3において推定エンジン回転速度Ne’がオーバーラン回転速度Nov未満(Ne’<Nov)であると判定された場合、制御装置22は、エンジンEが過回転状態となるような変速操作ではないと判定し、排気ブレーキ装置73の作動を許可する(ステップS5)。
【0065】
そして、これとは別にギヤインと同時に自動変速クラッチ3が接続される。自動変速クラッチ3が接続されると、エンジン回転速度Neが実際に推定エンジン回転速度Ne’となるのであるが、推定エンジン回転速度Ne’<オーバーラン回転速度Novであるため、エンジンEが過回転状態となることはない。このときアクセルペダル23が踏まれていなければ上記許可条件が成立して排気ブレーキ装置73はクラッチ接続完了と同時に作動を開始されることになる。この場合、エンジンEが過回転状態ではないので、排気ブレーキ装置73を作動してもエンジンEに過大な負荷がかかることはない。
【0066】
このように、本発明では、手動変速機T/Mのギヤがいずれかのギヤ段にギヤインされた時点で、エンジンEが過回転状態となるような変速操作であるかどうかを判定し、エンジンEが過回転状態となるような変速操作であると判定された場合には、自動変速クラッチ3が接続される前、即ち、実際にエンジンEが過回転状態となる前に排気ブレーキ装置73の作動を禁止できるため、エンジンに過大な負荷がかかることを未然に防止することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、エンジン過回転時に排気ブレーキ装置が作動することがなく、エンジンに過大な負荷がかかることを防止できるといった優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る動力伝達装置を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
【図3】図1の油圧回路の詳細図である。
【図4】排気ブレーキ装置の回路図である。
【図5】排気ブレーキ装置の作動禁止を判定するフロー図である。
【符号の説明】
2 流体継手
3 自動変速クラッチ(湿式多板クラッチ)
7 ロックアップクラッチ
8 自動変速クラッチの出力軸(変速機の入力軸)
22 制御装置
73 排気ブレーキ装置
E エンジン
T/M 変速機

Claims (3)

  1. エンジンと手動変速機との間に介設された自動変速クラッチと、エンジンの排気通路に設けられ、排気通路を閉じることで制動力を作用させる排気ブレーキ装置と、ドライバの変速操作に応じて上記自動変速クラッチを断接制御すると共に、上記排気ブレーキ装置の作動を制御する制御装置とを備えた動力伝達装置であって、
    上記手動変速機に、いずれかのギヤ段にギヤインされたことを検出するためのギヤイン検出手段を設け、
    上記制御装置は、
    変速操作に先立って上記自動変速クラッチを断し、その後、上記ギヤイン検出手段により、いずれかのギヤ段へギヤインされたことが検出されたときに、上記自動変速クラッチが接続されたとした場合のエンジン回転速度を推定し、
    その推定エンジン回転速度が所定のオーバーラン回転速度以上ならば上記排気ブレーキ装置の作動を禁止して自動変速クラッチを接続し、オーバーラン回転速度未満であれば上記排気ブレーキの作動を禁止することなく自動変速クラッチを接続することを特徴とした動力伝達装置。
  2. 上記オーバーラン回転速度が、エンジンの最大出力回転速度の120%程度である請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 上記自動変速クラッチの出力軸の回転速度を検出するための回転速度検出手段を設け、
    上記推定エンジン回転速度を、上記自動変速クラッチの出力軸回転速度に基づいて推定する請求項1又は2記載の動力伝達装置。
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