JP2005076667A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 ロックアップクラッチの接続不良を防止できる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 エンジンEの動力を変速機T/M側に伝達する流体継手2と、流体継手2を機械的に断接するためのロックアップクラッチ7と、流体継手2と変速機T/Mとの間に設けられ、変速機T/Mの変速操作に応じて断接される変速クラッチ3と、ロックアップクラッチ7及び変速クラッチ3の断接を制御する制御装置22と、変速機T/Mのギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段21sと、車速を検出する車速検出手段74とを備え、制御装置22は、ロックアップクラッチ7が断状態であって、かつギヤ位置検出手段21sにより変速機T/Mが何れかのギヤ段にギヤインされたことが検出されたときに、車速検出手段74により検出された車速が所定値以上である場合は、まずロックアップクラッチ7を接続し、その後変速クラッチ3を接続するものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、エンジンの動力を変速機側に伝達する流体継手を機械的に断接するロックアップクラッチを備えた動力伝達装置に関するものである。
近年では、変速機における一連の変速操作(ギヤ抜き、ギヤ段選択、ギヤインなど)はドライバの手動操作により行い、変速操作や車両の発進・停止に伴うクラッチの断接作業を自動的に行うようにした動力伝達装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような動力伝達装置は例えば、エンジンの動力を変速機側に伝達する流体継手と、その流体継手を機械的に断接するロックアップクラッチと、流体継手と変速機との間に設けられた変速クラッチとを備えている。ロックアップクラッチは、車両が発進・停止する極低速走行時に断接されるものであり、それ以外の運転状態では基本的に常時接続される。そして、ドライバにより変速操作が行われたときには、変速クラッチを断接する。
係る動力伝達装置を備えた車両の発進時の制御は、以下のようにして行う。
まず、変速機のギヤ位置がニュートラルで車両が停止しているとする。この状態では、ロックアップクラッチ及び変速クラッチは共に断とされる。
そして、ドライバが変速機をニュートラルから発進段にギヤインすると、変速クラッチが接続される。
変速クラッチが完全に接続された後、ドライバのアクセル踏み込みの有り無しにかかわらず、ロックアップクラッチは断されたままであるので、流体継手のクリープ力により車両が発進する。
その後、車速が所定車速(例えば、約10km/h)に達したならば、ロックアップクラッチが接続され、流体継手が一体化し、滑りのない状態で走行することが可能となる。
つまり、ロックアップクラッチは、以下の三つの条件が全て成立したときに接続される。
1.変速機が何れかのギヤ段にギヤインされている。
2.変速クラッチが接続されている。
3.車速が所定値以上である。
特開2002−295667号公報
ところが、このような動力伝達装置を備えた車両において、次のような不具合が発生することが分かった。
例えば、車両が下り坂で発進する際に、ドライバが変速機をいずれのギヤ段にもギヤインせずにニュートラルとしたまま発進・惰性走行し、上述した所定値(ロックアップクラッチの接続条件)以上まで車速が上昇した後に変速機をギヤインしたとする。すると、変速機のギヤインに伴って変速クラッチが接続され、変速クラッチが完全に接続されると上記三つの条件が成立し、ロックアップクラッチが接続されることになる。
しかしながら、上記のように下り坂を惰性走行した場合、エンジンが車輪側から回される状態となるため、ロックアップクラッチの入力側の回転速度よりも出力側の回転速度の方が高くなる。これはロックアップクラッチを正常に接続できなくなる。なぜなら、ロックアップクラッチは車両の発進時に接続するものであるため、入力側(エンジン側)の回転速度が出力側(変速機側)の回転速度よりも高いことを前提に設計されているからである。
要するに、ドライバにより上述したような特異な発進操作が行われた場合、ロックアップクラッチの構造上、正常に接続できなくなる可能性があるのである。こうなると、ロックアップクラッチで滑りが発生し、ロックアップクラッチ及び流体継手の温度が上昇し、最悪の場合、それら装置が故障する可能性もある。また、エンジンの動力を伝達するロックアップクラッチに滑りが生じることによって、エンジンブレーキや排気ブレーキの制動力が低下することも考えられる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ロックアップクラッチの接続不良を防止できる動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、エンジンの動力を変速機側に伝達する流体継手と、該流体継手を機械的に断接するためのロックアップクラッチと、上記流体継手と上記変速機との間に設けられ、上記変速機の変速操作に応じて断接される変速クラッチと、上記ロックアップクラッチ及び変速クラッチの断接を制御する制御装置と、上記変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段と、車速を検出する車速検出手段とを備え、上記制御装置は、上記ロックアップクラッチが断状態であって、かつ上記ギヤ位置検出手段により上記変速機が何れかのギヤ段にギヤインされたことが検出されたときに、上記車速検出手段により検出された車速が所定値以上である場合は、まず上記ロックアップクラッチを接続し、その後上記変速クラッチを接続するものである。
本発明によれば、ロックアップクラッチの接続不良を防止できるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず、図1を用いて本実施形態に係る動力伝達装置の構成を説明する。この動力伝達装置は、変速機における一連の変速操作はドライバの手動操作により行い、変速操作や車両の発進・停止に伴うクラッチの断接作業を自動的に行うようにしたものである。
図に示すように、動力伝達装置は、エンジンEと手動変速機T/Mとの間に介設されたクラッチ機構1を備える。クラッチ機構1はエンジンEの動力を変速機T/M側に伝達する流体継手2(フルードカップリング)と、流体継手2と変速機T/Mとの間に設けられ、流体継手2から変速機T/Mへの動力伝達を断接する自動変速クラッチ3(ここでは、湿式多板クラッチ)とを備える。なお、ここでいう流体継手とはトルクコンバータを含む広い概念であり、現に本実施形態においてもトルクコンバータを用いている。
流体継手2は、エンジンEの出力軸(クランク軸)1aにケーシング18を介して接続され、出力軸1aと一体的に回転するポンプ部4と、ケーシング18内でポンプ部4に対向させて配置されたタービン部5と、タービン部5とポンプ部4との間に介設されたステータ部6とを備える。タービン部5は、変速クラッチ3の入力軸3aに接続される。
流体継手2には、ポンプ部4とタービン部5とを機械的に断接するためのロックアップクラッチ7が設けられる。ロックアップクラッチ7は、油圧回路19からの圧油により作動される。
変速クラッチ3は、その入力側(入力軸3a)が流体継手2のタービン部5に接続され、出力側が変速機T/Mの入力軸8に接続される。変速クラッチ3は、図示しないスプリングにより断方向に付勢されており、油圧回路19からの圧油により接側に作動される。
変速機T/Mは、入力軸8と、これと同軸に配置された出力軸9と、これら両軸8,9と平行に配置された副軸10とを有する。入力軸8には、入力主ギヤ11が設けられている。出力軸9には、1速主ギヤM1と、2速主ギヤM2と、3速主ギヤM3と、4速主ギヤM4と、リバース主ギヤMRとが夫々回転自在に軸支されていると共に、6速主ギヤM6が固設されている。副軸10には、入力主ギヤ11に噛合する入力副ギヤ12と、1速主ギヤM1に噛合する1速副ギヤC1と、2速主ギヤM2に噛合する2速副ギヤC2と、3速主ギヤM3に噛合する3速副ギヤC3と、4速主ギヤM4に噛合する4速副ギヤC4と、リバース主ギヤMRにアイドルギヤIRを介して噛合するリバース副ギヤCRとが固設されていると共に、6速主ギヤM6に噛合する6速副ギヤC6が回転自在に軸支されている。
この変速機T/Mによれば、出力軸9に固定されたハブH/R1にスプライン噛合されたスリーブS/R1を、リバース主ギヤMRのドグDRにスプライン噛合すると出力軸9がリバース回転し、上記スリーブS/R1を1速主ギヤM1のドグD1にスプライン噛合すると出力軸9が1速相当で回転する。そして、出力軸9に固定されたハブH/23にスプライン噛合されたスリーブS/23を、2速主ギヤM2のドグD2にスプライン噛合すると出力軸9が2速相当で回転し、上記スリーブS/23を3速主ギヤM3のドグD3にスプライン噛合すると出力軸9が3速相当で回転する。
また、出力軸9に固定されたハブH/45にスプライン噛合されたスリーブS/45を、4速主ギヤM4のドグD4にスプライン噛合すると出力軸9が4速相当で回転し、上記スリーブS/45を入力主ギヤ11のドグD5にスプライン噛合すると出力軸9が5速相当(直結)で回転する。そして、副軸10に固定されたハブH6にスプライン噛合されたスリーブS6を、6速副ギヤC6のドグD6にスプライン噛合すると出力軸9が6速相当で回転する。
上記各スリーブSは、図示しないシフトフォークおよびシフトロッドを介して、運転室内のシフトレバー21に連結されており、ドライバにより手動操作されるようになっている。
シフトレバー21には、シフトレバー21が操作されたことを検出するためのノブスイッチ20が設けられる。本実施形態では、シフトレバー21のシフトノブが、レバー本体に対して僅かにシフト方向に揺動可能に取り付けられ、これらレバー本体とシフトノブとの間にノブスイッチ20が設けられる。つまり、ドライバがシフトレバー21を操作すると、シフトノブが揺動し、ノブスイッチ20がONとなる。このノブスイッチ20によりドライバの変速操作を検出でき、変速クラッチ3の断接タイミングを決定できる。
シフトレバー21には更に、シフトレバー21の位置、つまり変速機T/Mのギヤ位置を検出するギヤポジションセンサ21s(ギヤ位置検出手段)が設けられる。ギヤポジションセンサ21sにより検出されたギヤ位置は、制御装置22に入力される。
制御装置22には、アクセルペダル23の踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ24及びブレーキペダル25の踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ26が接続され、それらセンサ24,26の検出値が制御装置22に入力される。
変速機T/Mの入力副ギヤ12には、入力副ギヤ12の回転速度を検出する入力軸回転センサ27が設けられており、この入力軸回転センサ27の検出値が制御装置22に入力される。制御装置22はセンサ27の検出値と、入力主ギヤ11と入力副ギヤ12とのギヤ比に基づいて変速機T/Mの入力軸8の回転速度を算出する。なお、入力軸回転センサ27を入力主ギヤ11に設け、変速機T/Mの入力軸8の回転速度を直接検出するようにしても良い。
変速クラッチ3には、入力軸3a及び流体継手2のタービン部5の回転速度を検出するタービン部回転センサ28が設けられ、エンジンEの出力軸1aに接続されたケーシング18には、エンジンEの出力軸1aの回転速度を検出するエンジン回転センサ29が設けられ、変速機T/Mの出力軸9には車速を検出するための車速センサ74(車速検出手段)が設けられる。これら各センサ28,29,74の検出値は制御装置22に入力される。
次に、流体継手2、ロックアップクラッチ7及び変速クラッチ3の詳細を図2を用いて説明する。
図に示すように、エンジンEの出力軸(クランク軸)1aに接続されたケーシング18にポンプ部4が一体的に設けられる。ポンプ部4は、軸受80を介して変速クラッチ3の入力軸3aの外周に回転自在に支持される。ケーシング18内でポンプ部4と対向するタービン部5は、変速クラッチ3の入力軸3aに固定される。なお、図2では、ステータ部6(図1参照)は省略している。
タービン部5には、ダンパースプリング30を介してクラッチディスク31が接続される。クラッチディスク31は、ケーシング18と対向させて配置され、タービン部5のタービンハブ32の外周に相対回転自在、かつ軸方向に摺動可能に設けられる。クラッチディスク31のケーシング18と対抗する面の外周部には、クラッチフェーシング33が装着される。クラッチディスク31とケーシング18等により、ロックアップクラッチ7が構成される。
ケーシング18とクラッチディスク31との間には外側室34が形成され、タービン部5とクラッチディスク31との間には内側室35が形成される。
変速クラッチ3の入力軸3a内には油圧回路19(図1参照)と外側室34とを連通させる内側通路36が形成され、入力軸3aの外周には油圧回路19と内側室35とを連通させる外側通路37が形成される。
ロックアップクラッチ7を断するときには、油圧回路19からの圧油が内側通路36から外側室34へと流され、外側室34から図中上半分に矢印38で示すようにタービン部5とポンプ部4との間を流れる。これによってポンプ部4の回転が圧油を介してタービン部5に伝達される。タービン部5とポンプ部4との間を流れた圧油の一部は、軸受け80内を通って外側通路37へと流れる。
一方、ロックアップクラッチ7を接するときは、油圧回路19からの圧油の流れが上記と逆に切り換えられる。すなわち、圧油は、外側通路37から軸受け80内を通り、ポンプ部4とタービン部5との間を図中下半分に矢印39で示すように流れ、その後、内側室35に流れる。すると、内側室35内の圧油によってクラッチディスク31がケーシング18側に押圧されてクラッチフェーシング33がケーシング18と摩擦接合する。これにより、ケーシング18の回転がクラッチディスク31及びダンパースプリング30を介してタービン部5に伝達される。つまり、ポンプ部4とタービン部5とが一体に回転する。
変速クラッチ3は本実施形態では湿式多板クラッチであり、油が満たされたクラッチケーシング40内に配置された複数枚のクラッチプレート41を備える。これらクラッチプレート41は、変速クラッチ3の入力軸3a及び出力軸8に軸方向に交互に接続される。これら複数枚のクラッチプレート41をクラッチピストン42により軸方向に押圧すると、各クラッチプレート41同士が摩擦接合し、変速クラッチ3が接とされる。クラッチピストン42はクラッチスプリング43により変速クラッチ3を断する側に付勢されており、この付勢力を上回る油圧がクラッチピストン42に付加されると変速クラッチ3が接続される。
図3は、ロックアップクラッチ7及び変速クラッチ3を断接する油圧回路19の詳細を示したものである。
図に示すように、オイルタンク45内の油が、ろ過器Fを介して油圧ポンプOPにより吸引吐出されると共に、その吐出圧がリリーフバルブ47により調整され、圧油供給ライン46に所定圧力の圧油が供給される。
圧油供給ライン46には、ライン48を介して、流体継手2へと流れる圧油の方向を切り換えるロックアップ用五方弁49が接続される。ロックアップ用五方弁49には、圧油をオイルタンク45に戻す圧油戻しライン50が接続され、その圧油戻しライン50には、絞り弁51、クーラ52、開閉弁53が接続される。
ロックアップ用五方弁49は、圧油供給ライン46のパイロットライン55に接続されたパイロット制御用三方電磁弁56により切り換えられる。
パイロット制御用三方電磁弁56が閉とされた場合は、ライン48からの圧油が、ライン57を通って、図2で説明した内側通路36を通って外側室34へ流れ、タービン部5とポンプ部4との間を流れる。その後、外側通路37からライン58を通り、ロックアップ用五方弁49を介して圧油戻しライン50からオイルタンク45に戻される。この場合、ロックアップクラッチ7は断となる。
一方、パイロット制御用三方電磁弁56が開とされると、パイロットライン55からの圧油によりロックアップ用五方弁49が切り換えられ、ライン48からの圧油は、ライン58を通って外側通路37に流れ、ポンプ部4とタービン部5との間を流れる。その後、圧油は内側室35内に閉じこめられ、その油圧によってクラッチディスク31がケーシング18に押圧される。外側室34内の油はライン57に押し出されて、ロックアップ用五方弁49を介して油戻しライン60からオイルタンク45に戻される。この場合、ロックアップクラッチ7は接となる。
パイロット制御用三方電磁弁56は制御装置22により開閉制御される。つまり、ロックアップクラッチ7は制御装置22により断接制御されることになる。
次に、変速クラッチ3は、圧油供給ライン46にライン68を介して接続される。圧油供給ライン46と変速クラッチ3との間には、クラッチ切換用三方弁61が接続されており、変速クラッチ3はクラッチ切換用三方弁61の開閉により断接される。クラッチ切換用三方弁61は、圧油供給ライン46のパイロットライン62に接続されたパイロット制御用三方電磁弁63により切り換えられる。
パイロット制御用三方電磁弁63が閉とされた場合、クラッチ切換用三方弁61はスプリングの付勢力により閉とされる。従って、変速クラッチ3には圧油は供給されず、変速クラッチ3はスプリング42の付勢力により断とされる。
一方、パイロット制御用三方電磁弁63が開とされると、パイロットライン62からの圧油によりクラッチ切換用三方弁61が開とされ、変速クラッチ3に圧油が供給される。この圧油により、変速クラッチ3が接とされる。
パイロット制御用三方電磁弁63は制御装置22により開閉制御される。つまり、変速クラッチ3は制御装置22により断接制御されることになる。
以上説明した動力伝達装置を備えた車両の発進時の制御は以下のようにして行う。
まず、変速機のギヤ位置がニュートラルで車両が停止しているとする。この状態では、ロックアップクラッチ7及び変速クラッチ3は共に断とされる。
そして、ドライバが変速機T/Mをニュートラルから発進段にギヤインすると、それがギヤポジションセンサ21sにより検出される。すると、制御装置22が変速クラッチ3を所定の接続制御に基づいて接続する。この所定の接続制御とは、例えば、変速クラッチ3がつながり始めるポイントまでは比較的急激に接側に作動し、その後変速クラッチ3が完全に接続されるまでは比較的緩やかに接続を行い、クラッチ接続時間の短期化および接続ショックの低減を図るような制御である。なお、本発明は変速クラッチ3の接続制御に限定はなく、変速クラッチ3をどのように接続しても良いものである。
さて、変速クラッチ3が完全に接続された後、ドライバがアクセルペダル23を踏み込むと、ここではロックアップクラッチ7が断されたままであるので、流体継手2のクリープ力により車両が発進する。
その後、車速が所定車速(例えば、約10km/h)に達すると、制御装置22はロックアップクラッチ7を接とする。これにより、流体継手2のポンプ部4とタービン部5とが一体化され、滑りのない状態で走行することが可能となる。以降、車両が停止するまでの間は基本的にロックアップクラッチ7は接のまま維持される。
つまり、ロックアップクラッチ7は、基本的には以下の三つの条件が成立したときに接続される。
1.変速機が何れかのギヤ段にギヤインされている。
2.変速クラッチが接続されている。
3.車速が所定値以上である。
そして、車両走行中にドライバが変速機T/Mのシフトレバー21を操作すると、シフトノブが揺動し、ノブスイッチ20がONとなる。制御装置22はこれを合図に変速クラッチ3を断する。そしてシフトレバー21が引き続き操作されて変速機T/Mが何れかのギヤ段にギヤインされ、これがギヤポジションセンサ21sによって検出されると、制御装置22は変速クラッチ3を接続する。このようにドライバの変速操作に応じて変速クラッチ3が自動的に断接制御される。
その後、車両が停止しようとして、車速が所定値以下まで低減すると、制御装置22はロックアップクラッチ7を断する。これによって、流体継手2に滑りが生じるため、変速機T/Mを何れかのギヤ段にギヤインした状態(変速クラッチ3が接続された状態)で車両が停止してもエンジンストールやノッキングが発生することはない。
さて、本実施形態の動力伝達装置の特徴は、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したような、ドライバによる特異な車両発進操作が行われたときに、ロックアップクラッチ7の接続不良が発生することを防止した点にあり、以下、この点について説明する。
ドライバによる特異な発進操作とは、下り坂で発進を行うときなどにおいて、変速機T/Mのギヤ位置をニュートラルとしたまま、つまり、何れのギヤ段にもギヤインしないまま発進し、車速が有る程度(ロックアップクラッチ7の接続条件以上)上昇してから変速機T/Mをギヤインするといった操作である。
係る操作によりロックアップクラッチ7の接続不良が発生することを防止するために、本実施形態の動力伝達装置は、ロックアップクラッチ7が断状態であって、かつギヤポジションセンサ21sにより変速機T/Mがニュートラル位置かいら何れかのギヤ段にギヤインされたことが検出されたときに、車速センサ74により検出される車速が所定値以上である場合は、まず、ロックアップクラッチ7を接続し、その後、変速クラッチ3を接続する。つまり、通常であれば、変速機T/Mが何れかのギヤ段にギヤインされたならば直ちに変速クラッチ3を接続するのであるが、ロックアップクラッチ7が断であり、かつ車速が所定車速以上である場合には、変速クラッチ3の接続に先立ってロックアップクラッチ7を接続する。
図4のフローチャートを用いてこれを説明する。このフローチャートは制御装置22により実行される。
まず、ドライバによる変速操作の意志がノブスイッチ20により検出されたならば、ステップS1に進み、ギヤポジションセンサ21(ギヤ位置検出手段)の検出値に基づいて、変速機T/Mがニュートラルから何れかのギヤ段にギヤインされたか否かを判定する。この判定は、変速機T/Mが何れかのギヤ段にギヤインされるまで繰り返し行われる。
変速機T/Mが何れかのギヤ段にギヤインされたと判定されたならば、ステップS2に進み、ロックアップクラッチ7が断状態であるか否かを判定する。
ロックアップクラッチ7が接状態である場合、通常走行中の変速操作であると判定できるので、ステップS6に進み、変速クラッチ3を接続する。
ステップS2でロックアップクラッチ7が断であると判定された場合、上述した特異な発進操作が行われた可能性があるので、ステップS3に進み、車速センサ74(車速検出手段)により検出される車速が、予め制御装置22に入力された所定値(例えば、10km/h)以上であるか否かを判定する。この所定値は、変速機T/Mの各ギヤ段毎にそれぞれ設定される。これは、変速機T/Mのギヤ段が異なれば、ロックアップクラッチ7の出力側(タービン部5)の回転速度と車速との比率が異なるからである。基本的には、所定値は、変速機T/Mのギヤ段が低速段であるほど低く設定され、逆に高速段であるほど高く設定される。所定値は例えばマップとして制御装置22に入力され、制御装置22はギヤポジションセンサ21sの検出値に基づいて現在の変速機T/Mのギヤ位置に対応する所定値を選択する。
車速が所定値未満で有る場合は、ステップS5に進み、ロックアップクラッチ7を断状態に保持し、ステップS6に進み通常どおり変速クラッチ3を接続する。例えば、通常の車両発進操作が行われた場合は、変速機T/Mが発進段にギヤインされたときは車両が停止している状態(車速=0km/h)であるため、ステップS3でNOと判定され、ステップS6で変速クラッチ3を接続する。その後、車両が発進して車速がロックアップクラッチ7の接続条件の車速に達するとロックアップクラッチ7が接続されることになる。
一方、ステップS3で車速が所定値以上であると判定された場合、ステップS4に進みまずロックアップクラッチ7を接続する。このときは、変速クラッチ3が断状態であるため、ロックアップクラッチ7の出力側(タービン部5)は車輪側と分断されている。従って、ロックアップクラッチ7の入力側と出力側の回転速度はほぼ同一となる。あるいは、ロックアップクラッチ7の出力側(タービン部5)が入力側(ポンプ部4)により回転駆動されている状態であるため、出力側の回転速度は入力側よりも低くなる。従って、ロックアップクラッチ7を正常に接続することができる。
ロックアップクラッチ7が接続されたならば、ステップS6に進み変速クラッチ3を上記接続制御に従って接続する。変速クラッチ3は通常、入力側と出力側との回転速度差が大きくても正常に接続できるように設計及び制御されるため、ここでの変速クラッチ3の接続は問題なく実行できる。
このように、本実施形態の動力伝達装置によれば、ドライバにより特異な発進操作が行われたときに、ロックアップクラッチ7を変速クラッチ3よりも先に接続するため、ロックアップクラッチ7の出力側が駆動車輪側から分断された状態で接続を行うことができる。従って、ロックアップクラッチ7の出力側が駆動車輪側から回転されることがないので、ロックアップクラッチ7の入力側よりも出力側の回転速度の方が高くなることはない。
従って、ロックアップクラッチ7を正常に接続でき、ロックアップクラッチ7及び流体継手2の温度上昇や、それら装置の故障、及びエンジンブレーキや排気ブレーキの制動力低下を回避できる。
なお、図4のステップS3で示した所定値は、ロックアップクラッチ7の特性や変速機T/Mのギヤ比などを考慮して適宜設定されるものである。
また、図1〜図3に示した動力伝達装置の構造は本発明の一例として説明したものであり、本発明を限定するものではない。
本発明の一実施形態に係る動力伝達装置の概略図である。 図1の動力伝達装置における流体継手、ロックアップクラッチ及び変速クラッチの断面図である。 油圧回路の説明図である。 制御装置が実行する制御内容を示すフローチャートである。
符号の説明
2 流体継手
3 自動変速クラッチ(湿式多板クラッチ)
7 ロックアップクラッチ
21s ギヤポジションセンサ(ギヤ位置検出手段)
22 制御装置
74 車速センサ(車速検出手段)
E エンジン
T/M 手動変速機

Claims (1)

  1. エンジンの動力を変速機側に伝達する流体継手と、
    該流体継手を機械的に断接するためのロックアップクラッチと、
    上記流体継手と上記変速機との間に設けられ、上記変速機の変速操作に応じて断接される変速クラッチと、
    上記ロックアップクラッチ及び変速クラッチの断接を制御する制御装置と、
    上記変速機のギヤ位置を検出するギヤ位置検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段とを備え、
    上記制御装置は、上記ロックアップクラッチが断状態であって、かつ上記ギヤ位置検出手段により上記変速機が何れかのギヤ段にギヤインされたことが検出されたときに、上記車速検出手段により検出された車速が所定値以上である場合は、まず上記ロックアップクラッチを接続し、その後上記変速クラッチを接続することを特徴とする動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105319384A (zh) * 2015-08-28 2016-02-10 贵州航天林泉电机有限公司 一种基于fpga的自适应m/t测速系统

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