JP4159189B2 - 録音再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるマルチトラック型の録音再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マルチトラック型の録音再生装置(マルチトラック・レコーダ)は、演奏や歌声などの、音をミキシングする際の素材となる音(ここではテイク音と称する)を複数記憶し、これらを混合して再生したりすることに用いられている。かかるマルチトラック・レコーダには、その記憶装置としてランダム・アクセス可能な記憶装置、例えばハードディスク記憶装置やDVD記憶装置などが利用されるようになってきており、かかるランダム・アクセス可能な記憶装置を用いると、その記憶装置の記憶容量が許す範囲で、音楽のパート毎にテイク音をそれぞれ独立して録音し、後にそれらのテイク音を適宜に混合して再生するなどの利用が可能となる。
【0003】
図6は、かかるマルチトラック・レコーダの操作パネルの構成例を示す。パネル上には8つのトラック(1)〜(8)にそれぞれ対応するフェーダ20(1)〜20(8)、録音トラック表示器21(1)〜21(8)、録音ボタン22(1)〜22(8)、入力レベル調節つまみ23が備えられており、さらに液晶表示器26、レコーダ操作子群25(再生PLAY、録音REC、停止STOP、早送りFF、巻き戻しREW)、表示器26の画面を用いて各種パラメータの設定操作を行うパラメータ操作子群24などが備えられている。
【0004】
パラメータ操作子群24は、液晶表示器26に表示された画面を見ながら、各種のパラメータを調整することに用いられる。例えば図6には液晶表示器26の画面中に各トラック(1)〜(8)のPAN用の調節つまみが表示されており、これらのPAN調節つまみをパラメータ操作子群24で操作することで、各トラック(1)〜(8)の再生音のパンニングを調整することができる。
【0005】
レコーダ操作子群25は、レコーダの録音・再生操作を行うためのものであり、PLAY操作子をONにすると、トラック(1)〜(8)全てが同時に再生状態で運転される。REC操作子をONにすると、トラック(1)〜(8)のうちの録音ボタン22がONにされているトラックが「録音」状態、他のトラック(録音ボタン22がOFFのトラック)が「再生」状態で同時運転される。このとき、トラックが「録音」状態にあることは、そのトラックの録音トラック表示器21を点灯することで表示される。また、STOP操作子は録音・再生を停止する操作子、FFは早送り用の操作子、REWは巻き戻し用の操作子である。
【0006】
フェーダ20(1)〜20(8)は各トラック(1)〜(8)からの再生音の音量レベルを調整する操作子であり、入力レベル調節つまみ23は外部から入力するテイク音の音量レベル(したがって録音の音量レベル)を調整する操作子である。
【0007】
この録音再生装置によりマルチトラックを用いて多重録音をする方法を図7、図8を参照して以下に説明する。図7、図8はこの録音再生装置の構成を機能ブロック的に表現したものであり、マルチトラック・レコーダに入力したテイク音(入力音)をレコーダ部12の所要のトラックに録音し、その再生音をミキサー部13でミキシングする場合の信号接続を示すものである。図中のレコーダ部12における「黒丸」は録音済のトラックを表し、「白丸」は新規に録音を行っているトラックを表す。また「白三角」はそのトラックのステータスが「再生」で再生音を出力している状態を表し、「黒三角」はそのトラックのステータスが「録音」でその録音している入力音をそのままミキサー部13に出力している状態(通常、スルーと称される状態)を表す。
【0008】
図7では、レコーダ操作子25の録音ボタン22(5)でトラック(5)を録音トラックとして選択して、REC操作子をONにしている状態を示している。これにより入力音は録音トラック選択部11によりレコーダ部のトラック(5)に接続されて録音待機状態にされる。そして、トラック(5)からスルーされたテイク音はミキサー部13に送られてここでミキシングされてモニターシステムに入力される。この状態でレコーダ操作子群25中のPLAY操作子をONにすると、入力音(入力したテイク音)をトラック(5)に録音することを開始する。また、トラック(1)〜(4)には既にテイク音が録音されて「再生」のステータスに切り替えられており、その録音済のテイク音が再生されている。これらトラック(1)〜(4)からの再生音と録音中のトラック(5)からスルーされたテイク音は、ミキサー部13に送られてここでミキシングされてモニターシステムに出力される。このミキサー部13は8つのトラック(1)〜(8)に対応する8つのチャネルを有し、各チャネルでは、入力した音の音量レベルをフェーダ20(1)〜20(8)で、またパンニングをLCD画面のPAN調整つまみで個々に調整することができる。
【0009】
以上のようにして、ユーザは入力音を既録音のトラック(1)〜(4)の再生音とともに聴きながら、トラック(5)に新たなテイク音を録音していくことができる。
【0010】
この後、上記で録音を終えたトラック(5)を含めてトラック(1)〜(5)の再生音を聴きながら、トラック(6)に新たに録音をする場合には、図8に示すように信号接続の切替えを行う。すなわち、トラック(5)の録音ボタン22(5)をOFF、録音ボタン22(6)をONにして、トラック(5)を「再生」、トラック(6)を「録音」に設定し、入力されたテイク音(入力音)を録音トラック選択部12によってトラック(6)に接続し録音する。
【0011】
なお、STOP操作子の操作により録音・再生が停止されている状態においては、入力されたテイク音は録音ボタン22をONにすることにより選択されたトラックによりスルーされ、ミキサー部13に送られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記の操作から分かるように、入力音(そのとき録音しようとしている音)を録音するにあたっては、その入力音を他の既録音の音とともに聴きながら録音していくことが音楽的な観点や録音操作上の観点からも望ましい。よって、従来装置では、入力音を録音するトラックのステータスが「録音」であるときには、その録音中のテイク音を再生音としてミキサー部13に送り出し、ミキサー部13で他の既録音の音とミキシングしてオーディオシステムで放音している。したがって、この録音中のテイク音は、その録音トラックの番号に対応するミキサー部13のチャネルで、その音量レベルやパンニングが調整されることになる。
【0013】
このことは、言い換えれば、入力音を録音する録音トラックを決定してそのトラックのステータスを「録音」に指定するまでは、その入力音は再生音として放音されないので、モニターすることができないことになる。これは、録音したい音を聴きながらその音をどのトラックに録音するかを判断したうえで録音操作を開始する、という人間工学的に見てごく自然な操作の手順に反するものとなり、不自然であって操作性がよいとは言い難いという問題点があった。
【0014】
また、入力音が録音トラックで正常に録音されているときでも、その録音トラックに対応するミキサー部のチャネルにおいて例えばフェーダが下げてあって音量が消音されているような場合には、その録音しているテイク音がモニターシステムに出力されなくなり、このためユーザは録音が行われているのか否か確認ができず、そのために録音作業に支障を来すという問題点があった。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、録音する音を聴きながらその音をどのトラックに録音するかを決めるといったような人間工学的な理にかなった操作を行えるようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】
この目的を達成するために請求項1記載の録音再生装置は、オーディオ信号を録音再生する複数のトラックを有する構成のものであり、外部からの信号を入力する入力手段と、前記複数のトラックについて録音トラックあるいは再生トラックを指定する指定手段と、その指定手段で録音トラックに指定されたトラックに対しては、そのトラックに前記入力手段へ入力された外部からの信号を録音すると同時に、前記指定手段で再生トラックに指定されたトラックに対しては、そのトラックに録音済の信号を再生する録音再生手段と、前記指定手段により指定された録音トラックに前記入力手段へ入力された外部からの信号を録音する場合において、前記録音再生手段によ り指定された再生トラックから出力される再生信号に、前記入力手段へ入力された外部からの信号を混合して出力する混合手段とを備え、前記入力手段は、前記録音再生手段に接続され前記外部からの信号を伝達する第1伝達手段に加え、前記混合手段に常時接続され前記外部からの信号を伝達する第2伝達手段を備えている。かかる構成とすることで、指定手段により指定された録音トラックに入力手段へ入力された外部からの信号を録音する場合には、入力手段に入力された外部からの信号は、常時、第2伝達手段を伝達して、録音再生手段を介することなく直接、混合手段に入力される。そして、混合手段に入力した外部からの信号は、録音再生手段による再生により再生トラックから出力される再生信号と混合(ミキシング)されて出力される。つまり、ユーザは、外部からの信号(入力した信号)が再生信号と混合された音を聴きながら、指定手段を操作できるので、その外部からの信号をどのトラックに録音するかを決めることができ、よって人間工学的に自然な感じの操作を行える。
【0017】
請求項2記載の録音再生装置は、請求項1記載の録音再生装置において、前記録音再生手段は、前記指定手段により録音トラックに指定されたトラックに録音中である前記外部からの信号を前記混合手段へ出力可能に構成されており、その録音再生手段から出力される前記録音トラックに録音中である前記外部からの信号が前記混合手段に入力されることを禁止する禁止手段を備えている。これにより、録音再生手段が、録音中である外部からの信号を出力可能に構成されていたとしても、その外部からの信号が混合手段に入力されることを禁止手段により阻止することができる。
【0018】
請求項3記載の録音再生装置は、請求項1記載の録音再生装置において、前記録音再生手段は、前記指定手段により録音トラックに指定されたトラックに録音中である前記外部からの信号を出力停止にするものである。これにより、録音再生手段により録音中である外部からの信号が混合手段に入力されることを防止できる。
【0019】
請求項4記載の録音再生装置は、請求項1記載の録音再生装置において、前記混合手段は、前記録音再生手段により指定された再生トラックから出力される再生信号のレベルを任意に指定可能なレベル指定手段を備え、そのレベル指定手段により指定された前記再生信号のレベルとは無関係に、前記入力手段へ入力された外部からの信号を混合して出力するものである。これにより、入力手段へ入力された外部からの信号のレベルを変化させることなく、混合手段で混合して出力することができる。
【0020】
請求項5記載の録音再生装置は、請求項1から4のいずれかに記載の録音再生装置において、前記入力手段に入力された外部からの信号を前記指定手段により録音トラックに指定されたトラックに前記録音再生手段によって録音を行う際において、その入力された外部からの信号に対して音像定位を行う音像定位パラメータを録音時に設定する定位設定手段と、前記録音再生手段による前記録音トラックへの録音終了後、その録音トラックが前記指定手段により再生トラックに指定されて前記録音再生手段による再生が行われることで、前記録音トラックに録音された録音情報が再生信号として出力される場合に、その再生信号に対して前記定位設定手段により設定された音像定位パラメータを再設定する定位再設定手段とを備えている。これにより、録音時の音像定位(パンニング)の状態を、再生信号の出力時にも反映させることができるので、録音時の状態を忠実に再現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図2には本発明の一実施例としての録音再生装置の全体構成が示される。この録音再生装置は、いわゆるマルチトラック構成のものであり、8つのトラック(1)〜(8)を有している。図2において、1は装置全体の制御を司るCPU(中央処理装置)、2は各種の操作を指示するための操作パネル、3は作業領域などに用いるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、4はプログラムや各種テーブル等を格納するROM(リード・オンリー・メモリ)である。5はDSP(ディジタル信号プロセッサ)、7は記憶装置であり、記憶装置7としてはハードディスク記憶装置あるいはDVD記憶装置などのランダム・アクセスが可能なものが用いられている。8はD/A変換器、9はステレオ(左右チャネル)構成のオーディオ・システムであり、モニタ・システムとしても用いられる。
【0022】
DSP5は、入力端子から入力されてA/D変換器6でディジタル信号に変換されたテイク音を記憶装置7に所要のトラックとして録音したり(前述の録音トラック選択部11の機能)、また記憶装置7から所要のトラックとして読み出されたテイク音のデータをD/A変換器8を経てオーディオ・システム9から放音したり、再生音や入力音をそれらのパラメータ(音量やPANなど)を調節しつつミキシングして出力したり(前述のミキサー部13の機能)する機能を有している。
【0023】
図3には操作パネル2の詳細な構成例が示される。従来技術の項で説明したと同様、パネル上には8つのトラック(1)〜(8)にそれぞれ対応するフェーダ20(1)〜20(8)、録音トラック表示器21(1)〜21(8)、録音ボタン22(1)〜22(8)、入力レベル調節つまみ23が備えられており、さらに液晶表示器26、レコーダ操作子群25(再生PLAY、録音REC、停止STOP、早送りFF、巻き戻しREW)、表示器26の画面を用いて各種パラメータの設定操作を行うパラメータ操作子群24などが備えられている。これらの回路要素については、その機能・作用は前述したものと同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0024】
この実施例では、ミキサー部13に新たに入力用のチャネル(入力チャネルINと称する)が1チャネル追加されており、この入力チャネルINにおけるパラメータ調整用にフェーダ20(IN)とPAN調節つまみ27が追加されている。このPAN調整つまみ27は、入力したテイク音をオーディオ・システム9から出力する際のパンニングを調整するためのもの、フェーダ20(IN)は入力したテイク音をオーディオ・システムから出力する際の音量レベルを調整するためのものである。
【0025】
図1はこの実施例装置における信号接続の状態を説明するための図であり、機能ブロックで表現している。ここで、録音トラック選択部11は操作パネル上の録音ボタン22(1)〜22(8)やDSP5などで実現される機能ブロックであり、入力したテイク音(入力音)を録音するトラックを、録音ボタン22(1)〜22(8)の状態に基づいてレコーダ部13の8つのトラックのうちから選択して入力音を接続するよう動作する。この入力音は入力レベル調整つまみ23によってその音量レベルが調整できるようになっており、したがってこの入力レベル調整つまみ23によって録音時の音量レベルが調整される。
【0026】
レコーダ部12は記憶装置7とDSP5等によって実現される機能ブロックであり、8つの録音・再生可能なトラックを有しており、これらのトラックは「録音」または「再生」のステータスに別々に設定することが可能である。このレコーダ部12の各トラック(1)〜(3)からの再生音はそれぞれミキサー部13の各チャネル1〜8に接続される。この際、ステータスが「再生」のトラックはその再生音がミキサー部13に入力されるが、ステータスが「録音」のトラックはそのスルーされたテイク音はミュートされてミキサー部13には入力しないようになっている。このミュートの方法としては、録音トラックではスルーを行わないようにしたり、再生は行うがそのスルーされたテイク音がミキサー部13に入力されるまでの経路を途中で遮断したりするなどの方法が可能である。
【0027】
ミキサー部13はレコーダ部12の8トラックに対応する8つのチャネル1〜8を有するとともに、新たに入力チャネルINを設けており、これらのチャネルからの出力音をミキシングしてモニターシステムに出力できる。この入力チャネルINでは、入力したテイク音をフェーダ20(IN)で音量調節したり、PAN調節つまみ27でパンニングしたりすることができる。また、ミキサー部13のチャネル1〜8はそれぞれフェーダ20(1)〜20(8)によりその音量レベルを、またLCD表示画面のPAN調整つまみによりそのパンニングを調整できる。これにより、ミキサー部13は、入力された各信号(再生音と入力音)をそれらのパラメータを制御しつつ互いにミキシングし、モニターシステムに出力することができる。
【0028】
この実施例装置の録音開始・停止時の処理手順を図4、図5を参照して以下に説明する。ここで図4は録音スタート時の処理手順を示すフローチャート、図5は録音ストップ時の処理手順を示すフローチャートである。
【0029】
いま仮に、レコーダ操作子群25の録音ボタン22(5)でトラック(5)を録音トラックとして選択し、REC操作子をONにして録音待機状態をスタートさせたものとする。これにより、図4のフローチャートの処理が開始され、録音対象として選択されたトラック(5)のステータスを「録音」にしてそのトラック(5)からの出力をレコーダ部12においてミュートしてミキサー部13に出力されないようにするとともに、他のトラック(1)〜(4),(6)〜(8)のステータスは「再生」にする(ステップS1)。その状態でレコーダ操作子群25のPLAY操作子をONにすると、入力音(入力したテイク音)をトラック(5)に録音することを開始する(ステップS2)。
【0030】
録音を停止するときには、レコーダ操作子群25のSTOP操作子をONにする。これにより、図5のフローチャートの処理が開始され、各トラック(1)〜(8)の録音・再生が停止される(ステップS11)。そして、入力チャネルINで設定したPANの値を、録音されたトラック(5)のPANパラメータにコピーする(ステップS12)。
【0031】
このように、上述の実施例装置では、入力端子からミキサー部13までレコーダ部12を通ることなく直接に信号が伝達されるパスを設定して、このパスを経由して入力音をミキサー部に導いて他の再生音とミックスする部分を設けており、これにより、入力音の録音作業を行うにあたり、録音トラックを予め決定しておくという作業を行わなくとも、ミキサー部13のフェーダ20(IN)で音量レベルを調整するだけで、入力音を直ちにモニターすることができ、その後に、その入力音をいずれのトラックに録音するかを決めればよいので、人間工学的に自然な手順で録音作業を行うことができる。
【0032】
この場合、レコーダ部12の各トラックは、そのステータスが録音ボタン22で「録音」指定されているもの以外は全て自動的にステータスが「再生」となり、その再生音がミキサー部13に入力されるが、録音中のトラック〔図1ではトラック(5)〕については、レコーダ部12からミキサー部13への経路は自動的にミュートするようになっているので、入力チャネルIN経由の直接の入力音と録音トラック経由の同じ入力音の再生音との2系統からの同じ音がミックスされて、同じ音が二重に鳴ってしまうといった事態を防止できる。
【0033】
さらに、録音時、ミキサー部13の入力チャネルINで設定されたPAN(音像定位)パラメータは、録音後に、その録音トラックに対応するミキサー部でのチャネル(この場合、第5番目のチャネル5)にコピーされることで、録音時の状態がミキサー部の当該チャネルに反映される。つまり、録音時に聴こえたままの状態が再現される。
【0034】
本発明の実施にあたっては種々の変形形態が可能である。例えば上述の実施例では、ミキサー部に新たに入力チャネルINを設けて、この入力チャネルINにそれぞれフェーダ20(IN)とPAN調節つまみ27を追加したが、本発明はこれに限られるものでなく、例えば、かかる入力チャネルINを新たに設けることはせずに、入力したテイク音(入力音)をレコーダ部12を介さずにミキサー部13に導く信号経路を設けて、この信号経路を、録音対象として選択されている録音トラックに対応するミキサー部のチャネルに接続し、そのチャネルのフェーダ20の操作位置に無関係にフェーダ20(IN)によってそのチャネルの音量を調節するようにし、かつその録音トラックとミキサー部13の間をつなぐ信号経路は遮断するようにしてもよい。このようにすると、ミキサー部13は従来必要とされていた数のチャネルだけを持てばよい。
【0035】
なお、フェーダ20(IN)を設けずに、ミキサー部13において固定音量としてミキシングするようにしてもよい。また、レコーダ操作子群25のPLAYボタンが押されている間は、入力されたテイク音はミキサー部13に送られないようにしてもよい。
【0036】
また、上述の実施例では、入力音の二重鳴りを防止するために、レコーダ部12で録音中のトラックのスルーを行わない、あるいはスルーしてもその信号を遮断してミキサー部13に送らないという構成をとったが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、その録音トラックからスルーされたテイク音をミキサー部13には送り出すが、ミキサー部13側の対応するチャネルでそのスルーされたテイク音を消去してしまうという構成をとるものであってもよい。
【0037】
また、上述の実施例では、入力チャネルIN側のPANパラメータを、録音終了時に録音トラックに対応するチャネルに書き写すようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、録音トラックへの録音開始時から当該録音トラックを再生するまでの間のいつでも、つまり、要は上記録音トラックに収録された音を再生する際にそれらのパラメータが書き写されていればよいものである。また、入力されるテイク音がステレオの信号である場合には、ミキサー13に伝達されるパスもステレオの信号を扱えるようにしてもよい。
【0038】
また、上述の実施例では、録音すべき入力音のPAN調整回路や再生音量を調整するフェーダ回路などのパラメータ調整手段を、ミキサー部の入力チャネルINに設けるものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、入力音をミキサ部に直接に導く経路(すなわちレコーダ部を経由しない経路)上にこれらのパラメータ調整手段を設けるものであっても勿論よい。
【0039】
また、各トラックは録音・再生のいずれか以外の状態も選択可能であってもよい。例えば、録音ボタン22により録音・再生・ミュートの3状態に切り替えることができるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、録音しようとする音を聴きながらその音をどのトラックに録音するかを決めるといったような人間工学的な理にかなった操作を行えるようになるという効果がある。
【0041】
また、本発明では、録音しようとしている音を常に出力することができるので、従来のように録音対象トラックに対応するフェーダが消音されていたために録音が行われているのか否かの確認ができず、そのために録音作業に支障を来すといったようなことも防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての録音再生装置の信号接続の状態を機能プロックで示した図である。
【図2】本発明の一実施例としての録音再生装置の全体構成を示す図である。
【図3】実施例装置における操作パネルの詳細な構成例を示す図である。
【図4】実施例装置における録音スタート時の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施例装置における録音ストップ時の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】従来例装置の操作パネルの詳細な構成例を示す図である。
【図7】従来例装置の信号接続の状態を説明するための図である。
【図8】従来例装置の信号接続の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 CPU(中央処理装置)
2 操作パネル
3 RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
4 ROM(リード・オンリー・メモリ)
5 DSP(ディジタル信号プロセッサ)
6 A/D変換器
7 ランダム・アクセス可能な記憶装置
8 D/A変換器
9R,9L オーディオ・システム
11 録音トラック選択部
12 レコーダ部(録音再生手段)
13 ミキサー部(混合手段)
20(1)〜20(8) フェーダ(レベル指定手段)
21(1)〜21(8) 録音トラック表示器
22(1)〜22(8) 録音ボタン(指定手段の一部)
23 入力レベル調節つまみ
24 パラメータ操作子群
25 レコーダ操作子群(指定手段の一部)
26 液晶表示器
27 入力用のPAN調整つまみ(定位設定手段)
S12 録音ストップ時の処理手順(定位再設定手段)
Claims (5)
- オーディオ信号を録音再生する複数のトラックを有する構成の録音再生装置であって、
外部からの信号を入力する入力手段と、
前記複数のトラックについて録音トラックあるいは再生トラックを指定する指定手段と、
その指定手段で録音トラックに指定されたトラックに対しては、そのトラックに前記入力手段へ入力された外部からの信号を録音すると同時に、前記指定手段で再生トラックに指定されたトラックに対しては、そのトラックに録音済の信号を再生する録音再生手段と、
前記指定手段により指定された録音トラックに前記入力手段へ入力された外部からの信号を録音する場合において、前記録音再生手段により指定された再生トラックから出力される再生信号に、前記入力手段へ入力された外部からの信号を混合して出力する混合手段とを備え、
前記入力手段は、前記録音再生手段に接続され前記外部からの信号を伝達する第1伝達手段に加え、前記混合手段に常時接続され前記外部からの信号を伝達する第2伝達手段を備えていることを特徴とする録音再生装置。 - 前記録音再生手段は、前記指定手段により録音トラックに指定されたトラックに録音中である前記外部からの信号を前記混合手段へ出力可能に構成されており、
その録音再生手段から出力される前記録音トラックに録音中である前記外部からの信号が前記混合手段に入力されることを禁止する禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の録音再生装置。 - 前記録音再生手段は、前記指定手段により録音トラックに指定されたトラックに録音中である前記外部からの信号を出力停止にするものであることを特徴とする請求項1記載の録音再生装置。
- 前記混合手段は、
前記録音再生手段により指定された再生トラックから出力される再生信号のレベルを任意に指定可能なレベル指定手段を備え、
そのレベル指定手段により指定された前記再生信号のレベルとは無関係に、前記入力手段へ入力された外部からの信号を混合して出力するものであることを特徴とする請求項1記載の録音再生装置。 - 前記入力手段に入力された外部からの信号を前記指定手段により録音トラックに指定されたトラックに前記録音再生手段によって録音を行う際において、
その入力された外部からの信号に対して音像定位を行う音像定位パラメータを録音時に設定する定位設定手段と、
前記録音再生手段による前記録音トラックへの録音終了後、その録音トラックが前記指定手段により再生トラックに指定されて前記録音再生手段による再生が行われることで、前記録音トラックに録音された録音情報が再生信号として出力される場合に、その再生信号に対して前記定位設定手段により設定された音像定位パラメータを再設定する定位再設定手段とを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の録音再生装置。
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