JP4512216B2 - 録音再生装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるマルチトラック型の録音再生装置に関するものである。
【0002】
マルチトラック型の録音再生装置(マルチトラック・レコーダ)は、演奏や歌声などのオーディオ信号(以下、素材音あるいはテイク等とも称する)を複数記憶し、これらを混合して再生したりすることに用いられている。かかるマルチトラック・レコーダには、その記憶装置としてランダム・アクセス可能な記憶装置、例えばハードディスク記憶装置やDVD記憶装置などが利用されるようになってきており、かかるランダム・アクセス可能な記憶装置を用いると、その記憶装置の記憶容量が許す範囲で、音楽のパート毎に素材音をそれぞれ独立して録音し、後にそれらの素材音を適宜に混合して再生するなどの利用が可能となる。
【0003】
図11には、かかるマルチトラック・レコーダのトラック構成の例を示している。図11において、通常のトラック(ここでは主トラックと称する)として8トラックを有し、これらの主トラック(1)〜(8)の各々は更に8つの副トラック▲1▼〜▲8▼を有しており、各主トラック毎にいずれの副トラットを録音あるいは再生に使用するかを任意に選択できるようになっている。したがって、合計で最大64トラックに素材音の収録が可能なことになる。
【0004】
図12には、かかるマルチトラック・レコーダの操作パネルの構成例が示される。パネル上には8つの主トラック(1)〜(8)にそれぞれ対応するフェーダ20(1)〜20(8)、パン調整つまみ21(1)〜21(8)、録音ボタン22(1)〜22(8)、録音トラック表示器23(1)〜23(8)が備えられており、さらに液晶表示器26、レコーダ操作子群25(再生PLAY、録音REC、停止STOP、早送りFF、巻き戻しREW)、表示器の画面を用いて各種パラメータの設定やトラックの選択等の操作を行うLCD操作子群24などが備えられている。
【0005】
レコーダ操作子群25は、レコーダの録音・再生操作を行うためのものであり、PLAY操作子をONにすると、トラック(1)〜(8)全てが同時に再生状態で運転される。REC操作子をONにすると、トラック(1)〜(8)のうちの録音ボタン22がONにされているトラックが録音状態、他のトラック(録音ボタン22がOFFのトラック)が再生状態で待機状態にされる。このときにPLAY操作子をONにすると各トラックの同時運転が開始される。このとき、トラックが録音状態にあることは、そのトラックの録音トラック表示器23を点灯することで表示される。また、STOP操作子は録音・再生を停止する操作子、FF操作子は早送り用の操作子、REW操作子は巻き戻し用の操作子である。
【0006】
LCD操作子群24は、液晶表示器26に表示された画面(例えば図10のような表示)を見ながら、各主トラックにおいて現在の録音/再生の対象として用いる副トラック(取扱いトラックと称する)を選択することなどに用いる。この取扱いトラックは、選択されることでそのトラックが再生状態または録音状態に2者択一的に設定されるものであり、通常、取扱いトラックは再生状態にあり、この再生状態を録音状態に切り換えるためには図12中の録音ボタン22をONにする操作が必要である。
【0007】
マルチトラック・レコーダではバウンス録音が可能である。バウンスとは、マルチトラック・レコーダにおいて、複数のトラックそれぞれに録音されている素材音をミキシングして1(モノラル用)または2(ステレオ用)のトラックに纏めて保存する作業をいう。このバウンスは、同時再生する音の数に対して録音可能なトラックの数が不足している場合に有用な技術である。
【0008】
図13では、バウンス作業すなわち既に録音された複数の素材音を混合して録音する作業を説明する。理解しやすくするため、この図13では、副トラックを持たないマルチトラック・レコーダの例を示している。図13(1)に示すように、いま、トラック(1)からトラック(6)までが既に録音された状態にあり、これらの素材音をバウンスするものとする。
【0009】
図13(2)に示すように、トラック(1)〜(6)の各素材音をパン調整つまみ21(1)〜21(6)でそれぞれ適当な左右バランスに設定して、それらの各素材音をそれぞれ右チャネルと左チャネル毎にミキシングし、それらバウンスされた音を左右の各チャネルに対応するトラック(7),(8)にそれぞれ録音する。
【0010】
このバウンス録音が終了した状態では、トラック(7)と(8)には、トラック(1)〜(6)の各素材音の全てがミキシングされて保存されていることになるので、これらのトラック(1)〜(6)の素材音は不要となる。よって、図13(3)に示すように、これらのトラック(1)〜(6)に新たな素材音を録音(上書き)することができるようになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のバンウス方法には以下の問題点がある。
(I) トラック(1)〜(3)に最初に録音されていた素材音は、ミキシングされた状態でトラック(7)と(8)に保存されてはいるが、トラック(1)〜(3)に新たな素材音を録音した場合には、元の素材音は消去(上書き)されてしまうため、トラック(7)と(8)にバウンスされた音の各素材音のミキシングや左右のバランスなどを後から変更することは不可能になる。
【0012】
(II) 図13(3)に示す状態では、トラック(4)〜(6)に元の素材音が録音されている。この状態で、トラック(7)と(8)のバウンス音を再生して聴きながら、新たな素材音を演奏してトラック(1)〜(3)に録音していく場合に、トラック(4)〜(6)も同時に再生されるから、トラック(4)〜(6)の素材音も、バウンスされたトラック(7)と(8)のバウンス音とともに鳴らされることになるので、同一の素材音が二重に鳴ってしまうことになる。このため、トラック(4)〜(6)についてはフェーダ20(4)〜20(6)を下げて音を消音する必要がある。
【0013】
上記の問題(I)を解決するためには、主トラックに加えて副トラックを有する構造となっているマルチトラック・レコーダでは、例えば図14に示すように、元の素材音がトラック(1)〜(6)の副トラック▲1▼に録音されており、バウンス音がトラック(7)と(8)の副トラック▲1▼に録音されている状態において、例えば新たに3つの素材音を追加して録音したければ、それらの素材音を録音する対象の取扱いトラックとしてトラック(1)〜(3)の副トラック▲2▼を逐次に選択するよう切り換えればよい。これにより、トラック(1)〜(3)の元の素材音(副トラック▲1▼の素材音)も残すことができるため、バウンシング時のミキシングのバランス等に後から不満がでた場合にも、元の素材音を使用してバウンス作業をやり直すことができる。
【0014】
しかしながら、この方法は、新たに入力した素材音を録音するためのトラック、特に未使用の副トラックをLCD操作子群24等を操作してその都度選択する操作が必要であり、この作業は煩雑なものである。また、この録音対象とする副トラックの切替えを忘れると、やはり最初に録音した素材音を上書きして消してしまう虞がある。
また、この方法では上記の問題点(II)は依然として解決されておらず、やはりトラック(4)〜(6)を消音して再生する操作が必要となる。
【0015】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、再生時に同じ素材音が元のトラックとバウンスしたトラックとから二重になること、あるいは、新たな素材音の録音をするにあたりバウンスされた音中の元の素材音が消去されてしまうこと、を防止することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかる録音再生装置は、一つの形態として、録音再生用に複数のトラックを有し、該トラックの各々において素材音を録音再生できる構成の録音再生装置であって、バウンス録音を指定する指定手段と、該指定手段によるバウンス録音の指定に応じて、該複数のトラックのうちから再生用として2以上選ばれたトラックについて,それら再生用のトラックに録音されている素材音を混合して、該複数のトラックのうちからバウンス録音用として1以上選ばれたトラックに録音するバウンス録音手段と、バウンス録音の終了後には、上記再生用として選ばれたトラックについては、そのトラックに既に録音済の素材音が再生されないようにする再生防止手段とを備えている。
この録音再生装置では、指定手段を設けることにより、入力された素材音を録音するための録音作業と、これらの素材音が録音された後に行われるバウンス作業とを意識上において明確に分けることができ、それによりバウンス作業を行ったか否かを明確に認識することができる。そして、バウンス作業の終了後には、再生用のトラックについては、再生防止手段によってそのトラックから録音済の音が再生されないように制御する(例えばミュートしたりなどする)。これにより、バウンス後にそのバウンスした音を聴きながら新たな録音作業をするなどの場合において、バウンスした音と元の素材音の同一の音が二重に鳴るといったことを防止できる。
【0017】
また、本発明に係る録音再生装置は、他の形態として、録音再生用に複数のトラックを有し、該トラックの各々はさらに複数の副トラックを有し、該トラックの各々において選択された副トラックに関して素材音を録音再生できる構成の録音再生装置であって、バウンス録音を指定する指定手段と、該指定手段によるバウンス録音の指定に応じて、該複数のトラックのうちから再生用として2以上選ばれたトラックについて,それら再生用のトラックの選択された副トラックに録音されている素材音を混合して、該複数のトラックのうちからバウンス録音用として1以上選ばれたトラックの選択された副トラックに録音するバウンス録音手段と、バウンス録音の終了後には、上記再生用として選ばれたトラックについては、そのトラックの未録音の副トラックが再生対象となるように自動的に選択される選択手段とを備えている。
この録音再生装置では、指定手段を設けることにより、上述同様に、素材音の録音作業とバウンス作業とを意識上において明確に分けて認識することができる。そして、バウンス作業の終了後には、バウンス時の再生用のトラックについては、選択え手段によって、そのトラックの未録音の副トラックが再生対象となるように自動的に切り換える。かかる未録音の副トラックは、たとえそれを再生したとしても音は鳴らないから、バウンス後にそのバウンスした音を聴きながら新たな録音作業をするなどの場合において、バウンスした音と元の素材音の同一の音が二重に鳴るといったことを防止できる。また、前回のバウンス時の元の素材音は消去(上書き)されないものであるから、バウンス時のミキシングのバランス等に後から不満がでた場合にも、元の素材音を使用してバウンス作業をやり直すことができる。
【0018】
また、本発明に係る録音再生装置は、他の形態として、録音再生用に複数のトラックを有し、該トラックの各々はさらに複数の副トラックを有し、該トラックの各々において選択された副トラックに関して素材音を録音再生できる構成の録音再生装置であって、バウンス録音を指定する指定手段と、該指定手段によるバウンス録音の指定に応じて、該複数のトラックのうちから再生用として2以上選ばれたトラックについて,それら再生用のトラックの選択された副トラックに録音されている素材音を混合して、該複数のトラックのうちからバウンス録音用として1以上選ばれたトラックの選択された副トラックに録音するバウンス録音手段と、バウンス録音の終了後には、上記再生用として選ばれたトラックについては、そのトラックの未録音の副トラックが録音対象となるように自動的に選択される選択手段とを備えている。
この録音再生装置では、指定手段を設けることにより、上述同様に、素材音の録音作業とバウンス作業とを意識上において明確に分けて認識することができる。そして、バウンス作業の終了後には、バウンス時の再生用のトラックについては、選択え手段によって、そのトラックの未録音の副トラックが次の録音対象となるように自動的に切り換える。よってバウンス後にそのバウンスした音を聴きながら新たな録音作業をするなどの場合において、前回のバウンス時の元の素材音は消去(上書き)されないものであるから、バウンス時のミキシングのバランス等に後から不満がでた場合にも、元の素材音を使用してバウンス作業をやり直すことができる。
【0019】
また、本発明にかかる録音再生装置は、上述の後2者の形態の録音再生装置において、上記バウンス録音の終了後には、上記バウンス録音用のトラックはバウンス録音された上記再生用トラック素材音の混合結果が再生されるようにする手段をさらに備えている。
これにより、バウンス後に新たな録音作業をする場合において、そのバウンスした音を聴きながら作業をすることができる。
【0020】
また、上記各形態の録音再生装置は、指定手段によってバウンス録音を指定でき、それにより録音再生装置内での結線処理(例えばDSPによる結線処理)をワンタッチで行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2には本発明の一実施形態としての録音再生装置の全体構成が示される。この録音再生装置は、いわゆるマルチトラック構成のものであり、図11に示したと同様、8つの主トラック(1)〜(8)を有し、各主トラックは8つの副トラック▲1▼〜▲8▼を有しており、各主トラック毎にいずれの副トラックを録音あるいは再生に使用するかを任意に選択できるようになっている。よって最大で64の副トラックに素材音(テイク)を収録することができる。
【0022】
図2において、1は装置全体の制御を司るCPU(中央処理装置)、2は各種の操作を指示するための操作パネル、3は作業用領域などに用いるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、4はプログラムや各種テーブル等を格納するROM(リード・オンリー・メモリ)である。5はDSP(ディジタル信号プロセッサ)、7は記憶装置であり、記憶装置7にはハードディスク記憶装置やDVD記憶装置などのランダム・アクセス可能なものが用いられている。8はD/A変換器、9はステレオ(左右チャネル)構成の音響システムである。
【0023】
なお、記憶装置7には64の副トラックの各々に録音されたテイクが記憶されているものであるが、記憶装置7の記憶エリアは各主トラックや各副トラック毎に予め分割されているわけではなく、各テイクがいずれの主トラックに属するいずれの副トラックの、どの時刻のものであるかを示すデータが、各素材音に対応して記憶されている。
【0024】
DSP5は、入力端子INから入力されてA/D変換器6でディジタル信号に変換された素材音を所要のトラックの素材音として記憶装置7に記憶させたり、また、所要のトラックの素材音として記憶装置7から読み出した素材音データをD/A変換器8を経て音響システム9から放音したり、複数のトラックの素材音として記憶装置7から読み出した複数の素材音データを混合して再び他のトラックの素材音として記憶するバウンス処理を行ったりする。
【0025】
図1はこの実施例装置の操作パネル2の詳細構成を示したものである。パネル上には8つの主トラック(1)〜(8)にそれぞれ対応するフェーダ20(1)〜20(8)、パン調整つまみ21(1)〜21(8)、録音ボタン22(1)〜22(8)、録音トラック表示器23(1)〜23(8)が備えられている。フェーダ20(1)〜20(8)はそれぞれのトラックを録音/再生する際の音量レベルを調整するものである。パン調整つまみ21(1)〜21(8)は録音/再生する音の左右のバランスを調整するものである。録音ボタン22(1)〜22(8)はそれぞれのトラックを録音状態にするときにONにするスイッチである。録音トラック表示器23(1)〜〜23(8)はそれぞれのトラックが録音状態に設定されていることを点灯で表示するものである。
【0026】
27は録音モードスイッチ、28は入力モード表示器、29はバウンスモード表示器である。録音モードスイッチ27はトグル方式になっており、押す毎に録音モードが「入力モード」と「バウンスモード」に交互に切り替わり、現在選択されている録音モードは入力モード表示器28またはバウンスモード表示器29を点灯することで表示する。この録音モードスイッチ27を設けることによって、素材音の録音作業とバンウス作業とを意識上において明確に分けることができる。「入力モード」では、取扱いトラックとして選択されている各トラックを録音または再生状態に設定して、既に録音した素材音の再生音を聴きながら新たに入力される素材音を録音できる通常の録音/再生モードとなる。バウンスモードでは、前述のバウンス作業を行うモードとなる。
【0027】
さらに液晶表示器26、録音再生用の操作子群25(再生PLAY、録音REC、停止STOP、早送りFF、巻き戻しREW)、液晶表示器26の画面を用いて各種操作を行うLCD操作子群24などが備えられている。
【0028】
従来技術で説明したと同様、LCD操作子群24は、液晶表示器26に表示された画面(例えば図10のような表示)を見ながら、録音・再生の対象として現在用いるトラック(取扱いトラックと称する)を選択することなども可能である。
【0029】
以下、この実施例装置の動作を説明する。ここで、図3は録音モードを「入力モード」とした時の処理フロー、図4は「バウンスモード」とした時の処理フローである。
【0030】
まず、録音モードスイッチ27による録音モードとしては「バウンスモード」が選択されており、図5に示すように、取扱いトラックとして主トラック(1)〜(8)の各副トラック▲1▼が選択されており、このうちの主トラック(1)〜(6)には素材音が既に録音されており、また主トラック(7)と(8)には主トラック(1)〜(6)の素材音がバウンスされた音が録音されているものとする。図5はこの「バウンスモード」の状態を示したものであって作業中の状態を示しており、バウンス元の主トラック(1)〜(6)は再生状態、バウンス先の主トラック(7)と(8)は録音状態となっている。
【0031】
いま、この「バウンスモード」状態で、録音モードスイッチ27を押して録音モードを「入力モード」に切り換える。これにより、図3の「入力モード」処理フローが行われる。この「入力モード」処理では取扱いトラックが新たに選択される。まず、「バウンスモード」でバウンス先となった主トラック(7)と(8)を除く主トラック(1)〜(6)のうち最も若い番号の主トラックを録音対象のトラックとして選択し(ステップS1)、さらにこれらの主トラック(1)〜(6)については、未録音の副トラックのうちの最も番号の若いものをそれぞれ録音/再生対象の取扱いトラックとして選択し、バウンス先となった主トラック(7)と(8)については、「バウンスモード」でのバウンス音が録音されている番号の副トラックを取扱いトラックとして選択する(ステップS2)。図6に斜線の枠で示す取扱いトラックはこのようにして選択された状態を示しているものである。
【0032】
次に、A/D変換器6からの素材音データが、録音対象に指定された主トラックの選択された副トラックのデータとして記憶されるように、DSP5の内部の仮想的結線を切り換える(ステップS3)。これにより「入力モード」への切換えが速やかに行われる。
【0033】
次に、新たに入力された素材音を録音するには、レコーダ操作子群25のREC操作子を押す。これにより、その選択された主トラック中の上記ステップS2で選択された副トラックに録音する待機状態になる(ステップS3)。その後、レターダ操作子群25のPLAY操作子を押すと、録音対象の取扱いトラックへの録音と再生対象の取扱いトラックの再生を開始する。なお、ステップS1で選択された主トラック以外の主トラックに録音を行いたい場合には、その録音を行いたい主トラックに対応する録音ボタン22をONにすると、その録音先としたい主トラックに切り替わり、さらにステップS3と同様の処理が行われる。図6では、このようにして主トラック(1)〜(3)が逐次に選択され、これらの主トラック(1)〜(3)の副トラック▲2▼に新たな素材音の録音が行われた状態が○印で示されている。
【0034】
この場合、録音対象として選択されていない主トラックは再生状態にある。この結果、主トラック(7)と(8)では前の「バウンスモード」でバウンス録音された音(図中に二重丸で示す)が再生されるが、この他の主トラックでは、未録音の副トラック▲2▼が取扱い対象のトラックとされているので、見かけ上、これらのトラックの再生音は無音状態となる。このため、再生時にこれらのトラックをユーザーがフェーダ20を下げたりして再生音を消音する必要もなくなり、また元の素材音(図中に黒丸で示す)を誤って上書きしてしまう虞もなくなる。
【0035】
この「入力モード」状態で主トラック(1)〜(6)の各副トラック▲2▼に新たな素材音の録音が全て終わったものとし、ここでは仮に、これら新たに入力した素材音を再びバウンス録音するものとして説明する。まず、録音モードスイッチ27を押して録音モードを「バウンスモード」に切り換える。これにより、図4の「バウンスモード」処理フローが行われる。この「バウンスモード」処理では、バウンス録音先の主トラックの選択が行われる(ステップS11)。ここではデフォルト値として主トラック(7)と(8)が設定されているものとし、それによりこれらの主トラック(7)と(8)がバウンス先として自動的に選択される。
【0036】
なお、ステップS11で自動的に選択された主トラック以外の主トラックに録音を行いたい場合には、その録音を行いたい主トラックに対応する録音ボタン22をONにすると、その録音先としたい主トラックに切り換わる。
【0037】
この後、レターダ操作子群25のREC操作子を押すと、図7に示すように、これら選択されたバウンス先の主トラック(7)と(8)については、その録音先の副トラック(すなわち取扱いトラック)として、未録音の副トラックのうちの番号が最も若いものが自動的に選択される(ステップS12)。他の主トラック(1)〜(6)については、取扱いトラックの変更は自動的には行わない。そして、記憶装置7から読み出した複数のトラックの素材音を混合して他のトラックの素材音として記憶するバウンス処理を行うにようにDSP5の内部の仮想的結線を切り替える(ステップS13)。したがって、主トラック(1)〜(6)の各副トラック▲2▼に収録されている素材音が再生されミキシングされて、そのバウンスされた音が上記バウンス先のトラック〔主トラック(7)と(8)の副トラック▲2▼〕に録音待機状態となり、レターダ操作子群25のPLAY操作子を押すと、バウンス録音が開始される。
【0038】
この実施例装置のバウンス方法は、上述の例のものに限られるものではなく、例えば図8に示すように、各主トラック(1)〜(8)の全てに素材音が録音されており、しかも、いくつかの主トラックにおいて副トラックもある程度の数が使われている状態から、空いている副トラックにバウンスを行う場合にも適用可能である。この場合、「バウンスモード」ではそのバウンス先のトラックが自動的に選択されるが、どの素材音をバウンスするかは、「入力モード」で自動的に選択された取扱いトラックをLCD操作子群24を用いて変更して選択する。この図8の例の場合、バウンス中は、主トラック(7)と(8)では、バウンス元の素材音を再生する副トラックと、バンウスされた音を録音する副トラックとの二つの取扱いトラックが存在している。
【0039】
この後、録音モードスイッチ27により録音モードを「バウンスモード」から「入力モード」に再び切り替えると、前述の図3の「入力モード」処理が行われて、各取扱いトラックは図9に示すようなものとなり、主トラック(1)〜(6)では、取扱いトラックが空(未録音)の副トラックに自動的に移動する。
【0040】
なお、現在の取扱いトラックがいずれであるかを、液晶表示器26の画面表示上で視覚的に見やすくするためには、例えば図10に示すように、全ての主トラックが空いている副トラック番号に移動するものであってもよい。この例では、この後の録音は全て副トラック▲5▼に行われ、次のミキシングの対象が視覚的に捉えやすくなる。
【0041】
この場合、ステップS12において、全ての主トラックに共通して未録音である副トラックのうち最も番号の若いものを選択し、ステップS2においては、バウンスモードにおいてのバウンス録音対象トラックで選択されていた副トラックの番号を、バウンスモードにおいての再生対象トラックの副トラックに選択するようにすればよい。
【0042】
また、上述の実施例では、録音モードスイッチ27によって「バウンスモード」から「入力モード」に切り替えられたことを契機として、取扱いトラックの自動切替えを行うようにしたが、もちろん本発明はこれに限られるものではなく、何らかの他の方法によって、素材音データがバンウスされた後に再び録音を行う作業が開始されたことを検知できれば、それを契機として取扱いトラックの自動切替えを行うものであればよい。
【0043】
また、上述の実施例では、「入力モード」において既録音の素材音データが発音されないようにするために、未録音の副トラックを取扱いトラックとするように取扱いトラックの自動切替えを行ったが、本発明はこれに限られず、「入力モード」において副トラックを既録音、未録音にかかわりなく取扱いトラックとして選択し、その取扱いトラックの音を自動的にミュートするものであってもよく、主トラックの各々において副トラックをその既録音、未録音の状態に応じて選択する構成を持つ必要はない。
【0044】
また、本実施例では、記憶装置7に素材音が仮想的に64トラックに分けて記憶されているものとして説明したが、記憶装置7の記憶領域を主トラックや副トラック毎に領域分割するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、再生時に同じ素材音が元のトラックとバウンスしたトラックとから二重になることを防止できる。また、新たな素材音の録音をするにあたりバウンスされた音中の元の素材音が消去されてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての録音再生装置の操作パネルの構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態としての録音再生装置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例装置における「入力モード」処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例装置における「バウンスモード」処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例装置における「バウンスモード」時のトラック構成図である。
【図6】本発明の実施例装置における「入力モード」に切り替えた際の取扱いトラックの選択状態を説明するためのトラック構成図である。
【図7】本発明の実施例装置における「バウンスモード」に切り換えた際の取扱いトラックの選択状態を説明するためのトラック構成図である。
【図8】本発明の実施例装置における「バウンスモード」時の取扱いトラックの選択状態を説明するためのトラック構成図である。
【図9】本発明の実施例装置における「入力モード」に切り換えた際の取扱いトラックの選択状態の他の例を説明するためのトラック構成図である。
【図10】本発明の実施例装置における「入力モード」に切り換えた際の取扱いトラックの選択状態を見やすくするための例を説明するためのトラック構成図である。
【図11】マルチトラック・レコーダにおけるマルチトラックの構成を説明するための図である。
【図12】従来例装置における操作パネルの構成例を示す図である。
【図13】従来例装置におけるバウンス作業を説明するための図である。
【図14】従来例装置におけるバウンス作業を説明するための図である。
【符号の説明】
1 CPU(中央処理装置)
2 操作パネル
3 RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
4(ROM(リード・オンリー・メモリ)
5 DSP(ディジタル信号プロセッサ)
6 A/D変換器
7 記憶装置
8 D/A変換器
9R、9L 音響システム
20(1)〜20(8) フェーダ
21(1)〜21(8) パン調整つまみ
22(1)〜22(8) 録音ボタン
23(1)〜23(8) 録音トラック表示器
24 操作子群
25 録音再生用の操作子群
26 液晶表示器
27 録音モードスイッチ
28 入力モード表示器
29 バウンスモード表示器

Claims (4)

  1. 録音再生用に複数のトラックを有し、該トラックの各々において素材音を録音再生できる構成の録音再生装置であって、
    バウンス録音を指定する指定手段と、
    該指定手段によるバウンス録音の指定に応じて、該複数のトラックのうちから再生用として2以上選ばれたトラックについて,それら再生用のトラックに録音されている素材音を混合して、該複数のトラックのうちからバウンス録音用として1以上選ばれたトラックに録音するバウンス録音手段と、
    バウンス録音の終了後には、上記再生用として選ばれたトラックについては、そのトラックに既に録音済の素材音が再生されないようにする再生防止手段と
    を備えた録音再生装置。
  2. 録音再生用に複数のトラックを有し、該トラックの各々はさらに複数の副トラックを有し、該トラックの各々において選択された副トラックに関して素材音を録音再生できる構成の録音再生装置であって、
    バウンス録音を指定する指定手段と、
    該指定手段によるバウンス録音の指定に応じて、該複数のトラックのうちから再生用として2以上選ばれたトラックについて,それら再生用のトラックの選択された副トラックに録音されている素材音を混合して、該複数のトラックのうちからバウンス録音用として1以上選ばれたトラックの選択された副トラックに録音するバウンス録音手段と、
    バウンス録音の終了後には、上記再生用として選ばれたトラックについては、そのトラックの未録音の副トラックが再生対象となるように自動的に選択される選択手段と
    を備えた録音再生装置。
  3. 録音再生用に複数のトラックを有し、該トラックの各々はさらに複数の副トラックを有し、該トラックの各々において選択された副トラックに関して素材音を録音再生できる構成の録音再生装置であって、バウンス録音を指定する指定手段と、該指定手段によるバウンス録音の指定に応じて、該複数のトラックのうちから再生用として2以上選ばれたトラックについて,それら再生用のトラックの選択された副トラックに録音されている素材音を混合して、該複数のトラックのうちからバウンス録音用として1以上選ばれたトラックの選択された副トラックに録音するバウンス録音手段と、バウンス録音の終了後には、上記再生用として選ばれたトラックについては、そのトラックの未録音の副トラックが録音するための対象トラックとなるように自動的に選択される選択手段とを備えた録音再生装置。
  4. 上記バウンス録音の終了後には、上記バウンス録音用のトラックはバウンス録音された上記再生用トラック素材音の混合結果が再生されるようにする手段をさらに備えた請求項2または3記載の録音再生装置。
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