JP4158835B2 - 光学部品用筐体、およびプロジェクタ - Google Patents

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本発明は、光学部品用筐体、およびプロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を、画像情報に応じて光変調装置で変調して光学像を形成し、該光学像を拡大投写するプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1(特開2002−31843号公報)参照)。
このプロジェクタは、光源から射出された光束を光変調装置の画像形成領域に重畳させるレンズ、光源から射出された光束を3つの色光(R,G,B)に分離するダイクロイックミラー、および光源から射出された光束を光変調装置に導光する反射ミラー等の光学部品と、これら光学部品を光源から射出される光束の照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えている。
そして、このうち、光学部品用筐体は、射出成型等の成型により製造される合成樹脂製の成型品であり、内側面には、光学部品の外形位置基準面として構成され、光学部品をスライド式に嵌め込むための溝が形成されている。
特開2002−031843号公報
しかしながら、上述した光学部品用筐体において、各光学部品を光源から射出される光束の照明光軸上の所定位置に収納配置するためには、内側面に形成する溝等を高精度に形成する必要がある。このため、光学部品用筐体の成型に用いられる金型を複雑な形状でかつ、高精度に製造する必要があり、光学部品用筐体の製造が困難なものとなるとともに、光学部品用筐体の製造コストが増加してしまう、という問題がある。
本発明の目的は、製造コストの低減を図れ、容易に製造できる光学部品用筐体、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の光学部品用筐体は、内部に光源から射出される光束の照明光軸が設定され、この照明光軸上の所定位置に複数の光学部品を収納配置する光学部品用筐体であって、当該光学部品用筐体は、前記複数の光学部品を内部に収納する容器状部材と、前記容器状部材の開口部分を閉塞する蓋状部材とを備え、前記容器状部材の互いに対向する内側面には、前記複数の光学部品をそれぞれ支持する複数の支持部が形成され、前記容器状部材の底面には、前記複数の支持部に対向する位置にそれぞれ孔が形成され、前記複数の光学部品は、位置決め治具の一部が前記開口部分または前記孔を介して前記容器状部材内部に挿通され、前記位置決め治具にて前記光源から射出される光束の照明光軸上の所定位置に位置決めされた後、前記複数の光学部品の一方の面と、前記複数の支持部の一方の面とがそれぞれ固着されて前記複数の支持部にそれぞれ支持され、前記支持部には、前記光学部品が当接する位置に、前記光学部品を固着させる接着剤を注入するための溝部が形成され、前記溝部は、前記支持部において、前記開口部分および前記孔のいずれか一方に対向する側端部から、前記開口部分および前記孔のいずれか他方に対向する側端部近傍まで平面視略直線状に形成されていることを特徴とする。
ここで、本発明の光学部品用筐体としては、内部に複数の光学部品を収納配置可能な構成であればよく、例えば、容器状の形状を有する構成、中空状の形状を有する構成等を採用できる。また、従来と同様に射出成型等の成型により製造される合成樹脂製の成型品とする構成、板金加工により形成する構成、あるいは、BMC(Bulk Molding Compound)等により形成する構成等を採用してもよい。
本発明では、複数の光学部品が光源から射出される光束の照明光軸上の所定位置に位置決めされた状態で、光学部品用筐体の内側面に形成された複数の支持部にそれぞれ固着される。このため、光学部品用筐体を高精度に製造しなくても複数の光学部品を内部の適切な位置に収納配置でき、光学部品用筐体を容易に製造できるとともに、光学部品用筐体の製造コストを低減できる。
また、位置決め部材を省略できるので、光学部品用筐体の製造コストのさらなる低減を実現可能とするとともに、光学部品用筐体の軽量化を図れ、ひいては光学ユニットの軽量化を図れる。さらに、光学ユニットを製造するにあたって、位置決め部材の設置工程を省略でき、光学ユニットを迅速に製造できるとともに、光学ユニットの製造コストを低減できる。
さらに、支持部には接着剤注入用の溝部が形成されているので、支持部と光学部品との間に接着剤を注入する作業が容易に実施できる。また、支持部と光学部品との間に接着剤を塗布する際に、光学部品に接着剤が不要に付着することを回避できる。さらに、例えば、光学部品用筐体の製造誤差により支持部と光学部品との間の隙間が狭くなった場合でも、支持部と光学部品との間に接着剤を容易に注入できる。
また、光学部品用筐体の面には複数の孔が形成されているので、該複数の孔を介して位置決め治具の一部が挿通可能となり、位置決め治具による複数の光学部品の位置決めが実施可能となる。したがって、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする光学部品用筐体と比較して、それほど高い精度は要求されず、光学部品用筐体を容易に製造できるとともに、光学部品用筐体の製造コストを低減できる。
本発明の光学部品用筐体では、前記複数の支持部のうち少なくともいずれかの支持部は、前記光学部品の両面を挟んで支持するように断面V字状に形成され、前記支持部の内側面と、前記光学部品の両面のうち少なくともいずれか一方の面とが固着されていることが好ましい。
本発明によれば、複数の支持部のうち少なくともいずれかの支持部が断面V字状に形成され、その内側面に光学部品が固着されるので、光学部品を良好に支持でき、支持部により外力の影響を緩和し、位置ずれなく光学部品用筐体に対して光学部品を位置固定できる。
本発明の光学部品用筐体では、前記複数の支持部のうち少なくともいずれかの支持部は、当該光学部品用筐体の内側面から突出するように形成され、突出した先端部分にて前記内側面に沿って配置される光学部品を支持し、前記支持部の先端部分と、前記光学部品の一方の面とが固着されていることが好ましい。
ここで、光学部品用筐体の内側面に沿って配置される光学部品としては、例えば、光源から射出される光束を所定位置に導光する全反射ミラー等が例示できる。
本発明では、複数の支持部のうち少なくともいずれかの支持部が光学部品用筐体の内側面から突出するように形成され、該先端部分に例えば全反射ミラー等の光学部品の裏面が固着される。このことにより、光学部品用筐体の内側面と全反射ミラー等の光学部品の裏面との間に、支持部の突出方向の寸法分だけ隙間が形成される。このため、全反射ミラー等の光学部品の交換等を実施する際に、例えば、ドライバ等の先端部分を隙間に挿し込むことで、全反射ミラー等の光学部品を光学部品用筐体から容易に取り外すことができ、光学部品のリワーク性を向上できる。
本発明の光学部品用筐体では、当該光学部品用筐体は、合成樹脂製の成型品であり、当該光学部品用筐体の内側面には、前記支持部を平面的に囲うように枠状の孔が形成されていることが好ましい。
ここで、孔としては、例えば、連続して枠状に形成される構成、または連続していないが全体として枠状に形成される構成のいずれでもよい。
本発明によれば、光学部品用筐体が合成樹脂製の成型品で構成され、光学部品用筐体の内側面には枠状の孔が形成されているので、支持部が形成される内側面の一部を光学部品用筐体から折損しやすい構造となる。このため、例えば、接着剤等により支持部の先端部分に接着固定された全反射ミラー等の光学部品を光学部品用筐体から取り外し、接着剤が支持部の先端部分に付着している場合であっても、支持部が形成される内側面の一部を折損することで、光学部品用筐体に接着剤が残存することがない。したがって、光学部品用筐体の再資源化を十分に図れる。
本発明のプロジェクタは、上述した光学部品用筐体と、この光学部品用筐体に収納配置され、画像情報に応じて光学像を形成する複数の光学部品と、これら複数の光学部品にて形成された光学像を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学部品用筐体を備えているので、上述した光学部品用筐体と同様の作用・効果を享受できる。また、光学部品用筐体の製造の容易化および製造コストの低減を図ることで、プロジェクタの製造の容易化および製造コストの低減を図れる。
(1)第1の実施の形態
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1−1)プロジェクタの構造
図1は、本実施の形態に係る光学部品用筐体を備えたプロジェクタ1の構造を示す斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、平面視L字状の光学ユニット2と、この光学ユニット2の一端と接続する投写光学装置としての投写レンズ3とを備えている。
なお、具体的な図示は省略したが、プロジェクタ1は、光学ユニット2および投写レンズ3の他、外部から供給された電力をプロジェクタ1の構成部材に提供する電源ユニット、光学ユニット2の後述する液晶パネルを駆動制御する制御基板、プロジェクタ1の構成部材に冷却空気を送風する冷却ファンを有する冷却ユニット等を備えて構成される。
さらに、光学ユニット2、投写レンズ3の一部、電源ユニット、制御基板、冷却ユニット等、プロジェクタ1を構成する各種部材は、図1に点線で示したように、外装ケース20の内部に収容されている。投写レンズ3は、この外装ケース20の開口を介して外部へ画像を投写できるような状態で配置されている。
光学ユニット2は、図示しない制御基板による制御の下、外部からの画像情報に応じて光学像を形成する。この光学ユニット2は、具体的には後述するが、図1に示すように、容器状に形成された容器状部材25Aおよびこの容器状部材25Aの開口部分を閉塞する蓋状部材25Bで構成される筐体本体を有する光学部品用筐体25と、この光学部品用筐体25内に収納配置される複数の光学部品と、光学部品用筐体25と接続され、投写レンズ3および電気光学装置24を支持するヘッド体26とを備えている。
投写レンズ3は、光学ユニット2により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投写する。この投写レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、複数のレンズの相対位置を変更可能な図示しないレバーを備え、投写像のフォーカス調整、および倍率調整可能に構成されている。
(1−2)光学系の構成
図2は、光学ユニット2の内部構造を模式的に示す平面図である。具体的に、図2は、光学ユニット2における蓋状部材25Bを取り外した図である。
本実施の形態のプロジェクタ1を構成する光学部品は、図2に示すように、インテグレータ照明光学系21と、色分離光学系22と、リレー光学系23と、光変調装置および色合成光学装置を一体化した電気光学装置24とで構成されている。
インテグレータ照明光学系21は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系21は、図2に示すように、光源装置211、第1レンズアレイ212、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、および重畳レンズ215を備えて構成される。
光源装置211は、放射光源としての光源ランプ216、リフレクタ217、およびリフレクタ217の光束射出面を覆う保護ガラス218を備える。そして、光源ランプ216から射出された放射状の光束は、リフレクタ217で反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。本実施の形態では、光源ランプ216として、高圧水銀ランプを採用し、リフレクタ217として、放物面鏡を採用している。なお、光源ランプ216としては、高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ217として放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
第1レンズアレイ212は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ216から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ213は、第1レンズアレイ212と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ213は、重畳レンズ215とともに、第1レンズアレイ212の各小レンズの像を電気光学装置24の後述する液晶パネル241R,241G,241Bの画像形成領域に結像させる機能を有する。
偏光変換素子214は、第2レンズアレイ213からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置24での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子214によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ215によって最終的に電気光学装置24の後述する液晶パネル241R,241G,241Bの画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル241R,241G,241Bを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ216からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子214を用いることにより、光源ランプ216から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、電気光学装置24における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子214は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系22は、2枚のダイクロイックミラー221,222と、反射ミラー223とを備える。インテグレータ照明光学系21から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー221により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系23は、入射側レンズ231と、リレーレンズ233と、反射ミラー232,234とを備えている。このリレー光学系23は、色分離光学系22で分離された色光である青色光を電気光学装置24の後述する液晶パネル241Bまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系22のダイクロイックミラー221では、インテグレータ照明光学系21から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー221によって反射した赤色光は、反射ミラー223で反射し、フィールドレンズ224を通って、赤色用の液晶パネル241Rに到達する。このフィールドレンズ224は、第2レンズアレイ213から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル241G,241Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ224も同様である。
また、ダイクロイックミラー221を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー222によって反射し、フィールドレンズ224を通って、緑色光用の液晶パネル241Gに到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー222を透過してリレー光学系23を通り、さらにフィールドレンズ224を通って、青色光用の液晶パネル241Bに到達する。
なお、青色光にリレー光学系23が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ231に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ224に伝えるためである。なお、リレー光学系23には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置24は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この電気光学装置24は、色分離光学系22で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板242と、各入射側偏光板242の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル241R,241G,241Bおよび射出側偏光板243と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム244とを備える。
液晶パネル241R,241G,241Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。そして、この液晶パネル241R,241G,241Bは、入射側偏光板242を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。なお、この液晶パネル241R,241G,241Bは、図示しない保持枠により収納保持されている。
入射側偏光板242は、色分離光学系22で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
また、射出側偏光板243も、入射側偏光板242と略同様に構成され、液晶パネル241R,241G,241Bから射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板242における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
クロスダイクロイックプリズム244は、射出側偏光板243から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム244には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
なお、クロスダイクロイックプリズム244は、図示しない台座上に固定されている。また、クロスダイクロイックプリズム244の3つの光入射端面には、液晶パネル241R,241G,241Bと3つの射出側偏光板243が、それぞれ固定されており、ユニット化されている。以下、クロスダイクロイックプリズム244、台座、液晶パネル241R,241G,241B、3つの射出側偏光板243が一体化されたものを、便宜的に「プリズムユニット」と呼称する。
なお、電気光学装置24としては、液晶パネル241R,241G,241B、入射側偏光板242、射出側偏光板243、およびクロスダイクロイックプリズム244の他、入射側偏光板242と射出側偏光板243の間に、液晶パネル241R,241G,241Bで形成された光学像の視野角を補正する視野角補正板を配置する構成を採用してもよい。このような視野角補正板を配置することで、投写画像の視野角が拡大され、かつ投写画像のコントラストが向上する。
(1−3)光学部品用筐体の構造
光学部品用筐体25は、図1または図2に示すように、上述した光学系21,22,23を構成する各種光学部品が収納される容器状部材25Aと、この容器状部材25Aの上面の開口部分を塞ぐ蓋状部材25B(図1)と、光学系21,22,23を構成する各種光学部品のうち、光源装置211を除く光学部品を容器状部材25Aの所定位置に位置決めする位置決め部材253と、光学部品用筐体25の外面に適宜、装着され、容器状部材25Aに収納配置された各種光学部品をリワーク可能にするここでは図示しないリワーク部材254X,254Y,254Zとを備える。
図3は、容器状部材25Aの構造を示す斜視図である。
容器状部材25Aは、アルミニウムの平板を板金加工することにより形成されたものであり、図1ないし図3に示すように、光源装置211が収納される光源収納部250と、光学系21,22,23(図2)を構成する各種光学部品のうち、光源装置211を除く光学部品が収納される部品収納部251とを備える。これら光源収納部250および部品収納部251は、絞り加工により容器状に形成され、光源収納部250は、下方側が開口され、部品収納部251は、上方側が開口されている。また、光源収納部250および部品収納部251の接続部分には、光源装置211から射出される光束が通過するように切削等により開口251H(図3)が形成されている。
なお、これら光源収納部250および部品収納部251は、一つの平板から絞り加工によりそれぞれ光源収納部250および部品収納部251を形成してもよい。また、2つの平板を絞り加工によりそれぞれ光源収納部250および部品収納部251を形成し、ねじ等により2つの部材を機械的に接合する構成、または、溶接により2つの部材を接合する構成を採用してもよい。
光源収納部250は、図示しない下方側の開口から光源装置211(図2)が収納配置される。この光源収納部250の側面には、図示は省略するが、光源装置211に発生する熱により温められた空気が光源収納部250内に滞留しないように、切削等によりスリット状の開口部が形成されている。
部品収納部251は、図3に示すように、一端側が光源収納部250と接続し、他端側が平面視略コ字状である容器状に形成され、この他端側にヘッド体26が接続される。
この部品収納部251において、側面には、光学部品212〜215,231,233(図2)の位置に応じて、該側面の一部が部品収納部251の内側に切り起こされ、複数の孔251Aが形成されている。また、側面には、光学部品223,232,234(図2)の位置に応じて、内部に向けて貫通する円形状の複数の孔251Cが形成されている。さらに、平面視略コ字状内側の側面には、光源装置211(図2)から射出され、色分離光学系22(図2)により分離された3つの色光が電気光学装置24(図2)に向けて通過可能に切削等により切り欠き251Jが形成されている。
また、この部品収納部251において、図示は省略するが、底面部分および上端部分には、ねじ溝を有する複数のバーリング孔が形成されている。
蓋状部材25Bは、図1に示すように、アルミニウムの平板であり、切削等により、容器状部材25Aの部品収納部251の上端側の開口部分を塞ぐように形成されている。また、この蓋状部材25Bには、図示は省略するが、複数の孔が形成され、この孔と容器状部材25Aに形成された図示しないバーリング孔とを介してねじ等により容器状部材25Aに対して蓋状部材25Bが固定される。
ここで、上述の容器状部材25Aの光源収納部250および部品収納部251の内面、および蓋状部材25Bの下面には、ブラックアルマイト処理が施されている。
位置決め部材253は、図1または図2に示すように、第1レンズアレイ212、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、重畳レンズ215、入射側レンズ231、およびリレーレンズ233をそれぞれ位置決めする直交配置位置決め部材としての第1位置決め部材253Aと、ダイクロイックミラー221,222をそれぞれ位置決めする傾斜配置位置決め部材としての第2位置決め部材253B(図2)と、反射ミラー223,232,234をそれぞれ位置決めする平行配置位置決め部材としての第3位置決め部材253Cとを備えている。なお、これら位置決め部材253は、光学部品の保持構造を説明する際に同時に説明する。また、リワーク部材254X,254Y,254Zについては、光学部品の保持構造を説明した後に詳細に説明する。
(1−4)ヘッド体の構造
ヘッド体26は、マグネシウム合金で構成され、側面略L字状に形成されている。このヘッド体26は、図2に示すように、投写レンズ3、および複数の光学素子を一体化する。そして、このヘッド体26は、側面略L字状の垂直面外側に形成されるレンズ支持部261と、側面略L字状の水平面上側に形成される載置面262と、この載置面262上に突設されるフィールドレンズ保持部263とを備えている。
なお、ヘッド体26は、マグネシウム合金に限らず、アルミニウム、マグネシウム、チタン、あるいはこれらを主材料とした合金等の金属によって構成してもよい。
レンズ支持部261は、図1または図2に示すように、略矩形状に形成され、その四隅部分に表裏を貫通して投写レンズ3を固定するための図示しない固定用雌ねじ孔が形成されている。そして、このレンズ支持部261は、投写レンズ3の図示しない孔を介して固定用雌ねじ孔にねじ等が螺合することで、投写レンズ3を支持固定する。
載置面262は、図2に示すように、平面視略矩形状に形成されている。この載置面262において、レンズ支持部261近傍であって左右方向略中央部分に、プリズムユニットが載置固定される。プリズムユニットは、台座を介して載置面262に固定されている。また、この載置面262において、各液晶パネル241R,241G,241B側には、図示しない冷却ユニットから送風される冷却空気を流通させる3つの切り欠き262Aが形成されている。
フィールドレンズ保持部263は、載置面262に形成された切り欠き262Aの角隅部分から上方に向けて立設されたものであり、フィールドレンズ224を保持固定する。
ここで、上述したヘッド体26において、例えば、載置面262には、図示は省略するが、複数の孔が形成され、この孔と容器状部材25Aに形成された図示しないバーリング孔とを介してねじ等により容器状部材25Aに対してヘッド体26が固定される。
なお、入射側偏光板242の固定構造については、具体的な図示を省略したが、フィールドレンズ224の光束射出面に偏光膜を貼付する構成としてもよく、フィールドレンズ保持部263と同様に載置面262から上方に向けて突出する部材を設け、この突設された部材に入射側偏光板242を保持固定する構造を採用してもよい。
(1−5)光学部品の保持構造
次に、光学部品用筐体25に対する、光学系21,22,23(図2)を構成する各種光学部品のうち、光源装置211を除く光学部品の保持構造を説明する。
なお、この光学部品の保持構造としては、その類似した構造により3つの保持構造に分類できる。すなわち、第1レンズアレイ212、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、重畳レンズ215、入射側レンズ231、およびリレーレンズ233を保持するレンズ等の保持構造、ダイクロイックミラー221,222を保持するダイクロイックミラーの保持構造、および反射ミラー223,232,234を保持する反射ミラーの保持構造に分類できる。以下では、これら3つの保持構造を順次、説明する。
(1−5−1)レンズ等の保持構造
図4は、レンズ等の保持構造を説明するための図である。なお、上述のように、光学部品212〜215,231,233の保持構造は、類似した構造であり、ここでは主に、重畳レンズ215の保持構造を説明する。
重畳レンズ215は、図4に示すように、平面視円形状であり、光束入射側端面および光束射出側端面が球面状に膨出する凸レンズとして構成されている。そして、この重畳レンズ215を保持する部材としては、上述した複数の第1位置決め部材253Aのうちの2つの第1位置決め部材253Aが用いられる。
第1位置決め部材253Aは、容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aに挿通される四角柱状の部材であり、紫外線光を透過する合成樹脂(アクリル材)から構成されている。また、この第1位置決め部材253Aにおいて、四角柱状の一方の端面には、断面略V字状の溝部253A1が形成されている。この溝部253A1は、重畳レンズ215の外周端部の断面形状と略同一形状を有するように形成されている。さらに、この第1位置決め部材253Aにおいて、他方の端面には、一方の端面に向けて延びるリワーク用のねじ孔253A2が形成されている。
ここで、容器状部材25Aの孔251Aにおいて、切り起こされた側面の一部は、第1位置決め部材253Aの支持部251Kとして構成される。
そして、これら第1位置決め部材253は、容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aを介して、溝部253A1が重畳レンズ215の外周端部に当接することで該重畳レンズ215を左右方向から挟持する。この際、第1位置決め部材253と支持部251Kとの間、および第1位置決め部材253の溝部253A1と重畳レンズ215の外周端部との間には、紫外線硬化型接着剤が充填され、該接着剤を硬化させることで重畳レンズ215が光学部品用筐体25に対して保持固定される。
なお、その他の光学部品212〜214,231,233の保持構造についても、上述した重畳レンズ215の保持構造と略同様である。
(1−5−2)ダイクロイックミラーの保持構造
図5は、ダイクロイックミラーの保持構造を説明するための図である。なお、上述のように、ダイクロイックミラー221,222の保持構造は、類似した構造であり、ここでは主に、ダイクロイックミラー222の保持構造を説明する。
ダイクロイックミラー222は、図5に示すように、平面視矩形状であり、上述した第2位置決め部材253Bにより保持される。
第2位置決め部材253Bは、図5に示すように、容器状部材25Aの部品収納部251の底面に固定される板状の台座253B1と、この台座253B1の上面に固定され、断面視L字形状を有する一対の板状部材253B2と、この一対の板状部材253B2およびダイクロイックミラー222の左右側端部の間に介装されるスペーサ253B3とを備えている。
このうち、一対の板状部材253B2は、断面視L字形状の一方の端面が台座253B1の上面に固定され、他方の端面が台座253B1の上方に延び、容器状部材25Aの部品収納部251の側面に略平行に対向配置される。そして、これら一対の板状部材253B2の間に、ダイクロイックミラー222が傾斜して配置され、該ダイクロイックミラー222の左右端部と該板状部材253B2の他方の端面とが対向配置する。
これら一対の板状部材253B2において、他方の端面には、該端面の一部が対向する板状部材253B2側に三角形状に切り起こされ、この切り起こされた部分がスペーサ253B3を支持する支持部253B4として構成されている。
また、これら一対の板状部材253B2において、他方の端面のうち、フィールドレンズ224(図2)側の端面には、ダイクロイックミラー222にて反射されたG色光を通過させるための開口253B5が形成されている。
スペーサ253B3は、三角柱状の部材であり、第1位置決め部材253Aと同様に、紫外線光を透過する合成樹脂(アクリル材)から構成されている。このスペーサ253B3において、上側端面には、下側端面に向けて延びるここでは図示しないリワーク用のねじ孔253B6が形成されている。そして、このスペーサ253B3は、支持部253B4に支持されるとともに、ダイクロイックミラー222の左右端部と板状部材253B2との間に介装される。この際、スペーサ253B3の三角柱状の斜面の傾斜方向は、ダイクロイックミラー222の傾斜方向と略同一の方向となるように構成されている。また、スペーサ253B3と支持部253B4との間、およびスペーサ253B3の斜面とダイクロイックミラー222の外周端部との間には、紫外線硬化型接着剤が充填され、該接着剤を硬化させることでダイクロイックミラー222が光学部品用筐体25に対して保持固定される。
なお、ダイクロイックミラー221の保持構造についても、上述したダイクロイックミラー222の保持構造と同様である。
(1−5−3)反射ミラーの保持構造
図6は、反射ミラーの保持構造を説明するための図である。なお、上述のように、反射ミラー223,232,234の保持構造は、類似した構造であり、ここでは主に、反射ミラー232の保持構造を説明する。
反射ミラー232は、図6に示すように、平面視矩形状であり、一方の端面に高反射性のアルミニウム等が蒸着された反射面を有している。そして、この反射ミラー232を保持する部材としては、上述した第3位置決め部材253Cが用いられる。
第3位置決め部材253Cは、紫外線光を透過する合成樹脂(アクリル材)から構成され、板体253C1と、この板体253C1の一方の端面の四隅部分から該端面に直交して突出する円柱状の4つのピン253C2とを備えている。
このうち、板体253C1には、裏面側からピン253C2内に延びるここでは図示しないリワーク用のねじ孔253C3が形成されている。
そして、この第3位置決め部材253Cは、容器状部材25Aの側面に形成された孔251Cを介して、ピン253C2が挿通され、該ピン253C2の先端が反射ミラー232の反射面の裏面に当接する。この際、ピン253C2と反射ミラー232の反射面の裏面との間、およびピン253C2の外周と孔251Cとの間には、紫外線硬化型接着剤が充填され、該接着剤を硬化させることで反射ミラー232が光学部品用筐体25に対して保持固定される。
なお、その他の反射ミラー223,234の保持構造についても、上述した反射ミラー232の保持構造と同様である。
上述した第1位置決め部材253A、スペーサ253B3、および第3位置決め部材253Cはアクリル材にて構成されていたが、これに限らず、紫外線光を透過する他の合成樹脂で構成してもよく、その他、光学ガラス、水晶、サファイア、石英等にて構成してもよい。
また、レンズ等の保持構造、ダイクロイックミラーの保持構造、および反射ミラーの保持構造にて用いられる紫外線硬化型接着剤としては、種々のものを採用できるが、アクリレートを主成分とし、粘性が17000Pのものが好ましい。
(1−6)リワーク部材の構造
図7〜図9は、それぞれ、リワーク部材254X,254Y,254Zの構造を示す断面図である。
リワーク部材254Xは、上述した図4の保持構造にて保持された各種光学部品212〜215を交換等する際に、光学部品用筐体25に対する接着固定状態を解放する。このリワーク部材254Xは、図7に示すように、アルミニウムの平板が曲げ加工により断面略コ字状に形成され、開口端縁と対向する端面に孔254A1を有する支持部材254Aと、この支持部材254Aの孔254A1に配置され、第1位置決め部材253Aのリワーク用のねじ孔253A2と螺合可能に構成されるリワークねじ254Bとを備えている。
リワーク部材254Yは、上述した図5の保持構造にて保持された各種光学部品221,222を交換等する際に、光学部品用筐体25に対する接着固定状態を開放する。このリワーク部材254Yは、図8に示すように、アルミニウムの平板が曲げ加工により断面略コ字状に形成され、開口端縁と対向する端面に孔254A1を有する支持部材254Aと、この支持部材254Aの孔254A1に配置され、スペーサ253B3のリワーク用のねじ孔253B6と螺合可能に構成されるリワークねじ254Bとを備えている。
リワーク部材254Zは、上述した図6の保持構造にて保持された各種光学部品223,232,234を交換等する際に、光学部品用筐体25に対する接着固定状態を開放する。このリワーク部材254Zは、図9に示すように、アルミニウムの平板が曲げ加工により断面略コ字状に形成され、開口端縁と対向する端面に孔254A1を有する支持部材254Aと、この支持部材254Aの孔254A1に配置され、板体253C1のリワーク用のねじ孔253C3と螺合可能に構成されるリワークねじ254Bとを備えている。
(1−7)光学ユニットの製造方法
図10は、本実施の形態に係る光学ユニット2の製造方法を説明するフローチャートである。以下に、図10を参照して、光学ユニット2の製造方法について説明する。
先ず、容器状部材25Aの光源収納部250に光源装置211を収納配置する。また、ヘッド体26のレンズ支持部261に投写レンズ3を設置し、載置面262に電気光学装置24を載置固定し、フィールドレンズ保持部263にフィールドレンズ224を保持固定する。そして、容器状部材25Aの部品収納部251にヘッド体26を図示しないねじ等により接続する。
次に、容器状部材25Aの部品収納部251に光学部品212〜215,221〜223,231〜234を以下に示すように収納配置する(処理S1)。なお、上述したように光学部品の保持構造がその類似した構造により、レンズ等の保持構造、ダイクロイックミラーの保持構造、反射ミラーの保持構造の3つの保持構造に分類できるため、以下では、レンズ等の収納配置方法、ダイクロイックミラーの収納配置方法、および反射ミラーの収納配置方法を順次説明する。
(1−7−1)レンズ等の収納配置方法(処理S11)
図11は、レンズ等の収納配置方法を説明するフローチャートである。
上述したように、光学部品212〜215,231,233の収納配置方法は類似しており、ここでは主に、図4および図11を参照して、重畳レンズ215の収納配置方法を説明する。なお、その他の光学部品212〜214,231,233に関しても同様の収納配置方法により実施するものとする。
先ず、2つの第1位置決め部材253Aの溝部253A1および外周のそれぞれに紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S111)。
これら接着剤が塗布された第1位置決め部材253を容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aに挿通し、重畳レンズ215を左右両側から挟持可能に設置する(処理S112)。この際、第1位置決め部材253は、支持部251Kに支持された状態となる。
そして、重畳レンズ215を部品収納部251の上方から、処理S112にて設置された2つの第1位置決め部材253の間に配置するように部品収納部251に収納し(処理S113)、該重畳レンズ215の外周端部と第1位置決め部材253の溝部253A1とを当接させる(処理S114)。
(1−7−2)ダイクロイックミラーの収納配置方法(処理S12)
図12は、ダイクロイックミラーの収納配置方法を説明するフローチャートである。
上述したように、ダイクロイックミラー221,222の収納配置方法は類似しており、ここでは主に、図5および図12を参照して、ダイクロイックミラー222の収納配置方法を説明する。なお、ダイクロイックミラー221に関しても同様の収納配置方法により実施するものとする。
先ず、2つのスペーサ253B3の外周に紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S121)。
これら接着剤が塗布されたスペーサ253B3を一対の板状部材253B2の支持部253B4にそれぞれ載置する(処理S122)。
ダイクロイックミラー222を、板状部材253B2の端面に対して傾斜した状態で、一対の板状部材253B2の間に配置し(処理S123)、処理S122にて支持部253B4に載置されたスペーサ253B3に当接させる(処理S124)。
そして、処理S121〜S124において、ダイクロイックミラー222が支持された第2位置決め部材253Bを容器状部材25Aの部品収納部251に収納し、台座253B1を部品収納部251の底面に固定する(処理S125)。
(1−7−3)反射ミラーの収納配置方法(処理S13)
図13は、反射ミラーの収納配置方法を説明するフローチャートである。
上述したように、反射ミラー223,232,234の収納配置方法は類似しており、ここでは主に、図6および図13を参照して、反射ミラー232の収納配置方法を説明する。なお、その他の反射ミラー223,234に関しても同様の収納配置方法により実施するものとする。
先ず、第3位置決め部材253Cの4つのピン253C2の先端および外周のそれぞれに紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S131)。
この接着剤が塗布された第3位置決め部材253Cのピン253C2を、容器状部材25Aの側面に形成された孔251Cに挿通する(処理S132)。
そして、反射ミラー232を部品収納部251の上方から、処理S132にて設置された第3位置決め部材253Cのピン253C2に対向するように部品収納部251に収納し(処理S133)、該反射ミラー232の反射面の裏面と第3位置決め部材253Cのピン253C2の先端とを当接させる(処理S134)。
(1−7−4)光学部品の位置決め方法
上述した処理S1の後、紫外線硬化型接着剤が未硬化の状態で、光学部品212〜215,221〜223,231〜234を位置調整し、所定位置に位置決めする(処理S2)。
具体的には、光源装置211から白色光の光束を射出させ、この射出された光束が各種光学部品を通過した後の画像光を投写レンズ3を介して図示しないスクリーンに投影させ、この投影画像を確認しながら各種光学部品を位置調整し、所定位置に位置決めする。
各種光学部品212〜215,221〜223,231〜234の間の光軸位置がずれている場合には、これらの光学部品位置の誤差により、投写画像に表示影が表示される。ここでは、光源装置211から射出される光束の照明光軸上の所定位置に各種光学部品を位置決めし、投写画像中の表示影を除去する。
例えば、光学部品212〜215,231,233の位置決めでは、光学部品用筐体25の外部から図示しない光軸調整治具を光学部品212〜215,231,233と係合させる。そして、投写画像を確認しながら、光軸調整治具を操作し、光学部品212〜215,231,233のそれぞれを、該光学部品の左右方向、上下方向、前後方向、左右方向を軸とした面外回転方向、および上下方向を軸とした面外回転方向の5軸で位置調整する。この際、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、光学部品212〜215,231,233の移動に第1位置決め部材253Aが追従し、この第1位置決め部材253Aが光学部品212〜215,231,233を所定位置に位置決めする。
また、例えば、ダイクロイックミラー221,222の位置決めでも、同様に、図示しない光軸調整治具をダイクロイックミラー221,222と係合させる。そして、投写画像を確認しながら、光軸調整治具を操作し、ダイクロイックミラー221,222のそれぞれを、該ダイクロイックミラーの左右方向、上下方向、前後方向、左右方向を軸とした面外回転方向、および上下方向を軸とした面外回転方向の5軸で位置調整する。この際、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、ダイクロイックミラー221,222の移動にスペーサ253B3が追従し、このスペーサ253B3がダイクロイックミラー221,222を所定位置に位置決めする。
さらに、例えば、反射ミラー223,232,234の位置決めでは、図示しない光軸調整治具を第3位置決め部材253Cの板体253C1と係合させる。そして、投写画像を確認しながら、光軸調整治具を操作して板体253C1を移動させる。この際、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、板体253C1の移動に反射ミラー223,232,234が追従し、該反射ミラーの左右方向、上下方向、前後方向、左右方向を軸とした面外回転方向、および上下方向を軸とした面外回転方向の5軸で反射ミラー223,232,234が位置調整される。この際、紫外線硬化型接着剤の表面張力により第3位置決め部材253Cが反射ミラー223,232,234を所定位置で保持し、該第3位置決め部材253Cが反射ミラー223,232,234を所定位置で位置決めする。
(1−7−5)光学部品の位置固定方法
処理S2にて、光学部品212〜215,221〜223,231〜234の位置決めを実施した後、各部材間に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化させ、各種光学部品を光学部品用筐体25に対して位置固定する(処理S3)。
具体的に、例えば、光学部品212〜215,231,233の位置固定では、容器状部材25Aの側方から第1位置決め部材253Aに向けて紫外線を照射する。そして、照射された紫外線は、第1位置決め部材253Aを透過して、第1位置決め部材253Aと支持部251Kとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化し、さらに、第1位置決め部材253Aの溝部253A1と光学部品212〜215,231,233の外周端部との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。
また、例えば、ダイクロイックミラー221,222の位置固定では、容器状部材25Aの上方からスペーサ253B3に向けて紫外線を照射する。そして、照射された紫外線は、スペーサ253B3を透過して該スペーサ253B3と支持部253B4との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。また、照射された紫外線は、スペーサ253B3の外周と板状部材253B2との間の紫外線硬化型接着剤を硬化し、さらに、スペーサ253B3とダイクロイックミラー221,222の左右端部との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。
さらに、例えば、反射ミラー223,232,234の位置固定では、容器状部材25Aの側方から第3位置決め部材253Cに向けて紫外線を照射する。そして、照射された紫外線は、板体253C1を透過するとともに、ピン253C2も透過し、ピン253C2の外周と孔251Cとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化し、さらに、ピン253C2の先端と反射ミラー223,232,234の反射面の裏面との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。
以上の処理S1〜S3の工程の後、蓋状部材25Bを容器状部材25Aにねじ等により接続することで(処理S4)、光学ユニット2が製造される。
なお、蓋状部材25Bに図示しない光軸調整治具と内部に収納される光学部品とを係合させるための孔、および、スペーサ253B3に向けて紫外線を照射するための孔を形成し、処理S1の後、蓋状部材25Bを容器状部材25Aに接続し、この状態で処理S2および処理S3を実施するように構成してもよい。
(1−7−6)光学部品のリワーク方法
上述の処理S1〜S4の工程にて製造された光学ユニット2において、図10に示すように、光学部品の交換等が必要とされ、該光学部品を光学部品用筐体25に対して取り外す場合に(処理S5)、リワーク工程(処理S6)が実施される。なお、このリワーク工程(処理S6)では、上述したリワーク部材254X,254Y,254Zが用いられるので、リワーク工程(処理S6)を説明するにあたって、適宜、図7〜図9を参照する。
光学部品212〜215,231,233を取り外す場合には、以下のように実施する。なお、上述したように、光学部品212〜215,231,233の保持構造は類似しているので、ここでは主に重畳レンズ215のリワーク方法を説明する。
先ず、図7に示すように、リワーク部材254Xの支持部材254Aの開口端縁を容器状部材25Aの側面における孔251Aに応じた位置に当接させる。また、支持部材254Aの孔254A1に配置されたリワークねじ254Bを第1位置決め部材253Aに形成されたリワーク用のねじ孔253A2に螺合させる。そして、リワークねじ254Bをリワーク用のねじ孔253A2にねじ込む方向に回転させて螺合状態を変更させる。すると、第1位置決め部材253Aはリワーク部材254Xの方向に移動するので、第1位置決め部材253Aと支持部251Kとの間の接着状態が外れ、さらに第1位置決め部材253Aの溝部253A1と重畳レンズ215の外周端部との接着状態が外れ、光学部品用筐体25に対して重畳レンズ215が取り外される。
また、反射ミラー223,232,234を取り外す場合には、以下のように実施する。なお、上述したように、反射ミラー223,232,234の保持構造は類似しているので、ここでは主に反射ミラー232のリワーク方法を説明する。
先ず、図9に示すように、リワーク部材254Zの支持部材254Aの開口端縁を、該支持部材254Aのコ字状内側に第3位置決め部材253Cが位置するように、容器状部材25Aの側面に当接させる。また、支持部材254Aの孔254A1に配置されたリワークねじ254Bを第3位置決め部材253Cの板体253C1に形成されたリワーク用のねじ孔253C3に螺合させる。そして、リワークねじ254Bをリワーク用のねじ孔253C3にねじ込む方向に回転させて螺合状態を変更させる。すると、第3位置決め部材253Cは、リワーク部材254Zの方向に移動するので、第3位置決め部材253Cのピン253C2の外周と容器状部材25Aの孔251Cとの間の接着状態が外れ、さらに、ピン253C2の先端と反射ミラー232の反射面の裏面との接着状態が外れ、光学部品用筐体25に対して反射ミラー232が取り外される。
さらに、ダイクロイックミラー221,222を取り外す場合には、以下のように実施する。
先ず、リワーク部材254Yを蓋状部材25Bの図示しない孔を介して挿通し、第2位置決め部材253Bの板状部材253B2の上端部に取り付ける。また、支持部材254Aの孔254A1に配置されたリワークねじ254Bを第2位置決め部材253Bのスペーサ253B3に形成されたリワーク用のねじ孔253B6に螺合させる。そして、リワークねじ254Bをねじ孔253B6にねじ込む方向に回転させて螺合状態を変更させる。すると、スペーサ253B3は、蓋状部材25Bの方向に移動するので、スペーサ253B3と支持部253B4との間の接着状態、スペーサ253B3と板状部材253B2との間の接着状態、およびスペーサ253B3とダイクロイックミラー221,222の左右端部との間の接着状態が外れ、第2位置決め部材253Bに対してダイクロイックミラー221,222が取り外される。
上述したリワーク工程S6を実施した後には、再度処理S1に進み、交換した光学部品の収納、位置決め、および位置固定が順次、実施される。
(1−8)第1の実施の形態の効果
上述した第1の実施の形態によれば、以下のような効果がある。
(1−8−1)光学部品用筐体25は、容器状部材25A、蓋状部材25B、および位置決め部材253を備えている。これら容器状部材25Aおよび蓋状部材25Bは、アルミニウムの平板を板金加工することにより形成される。また、位置決め部材253は、容器状部材25Aに収納される各種光学部品212〜215,221〜223,231〜234を位置決めする。このことにより、従来のように、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする光学部品用筐体と比較して、光学部品用筐体25を容易に製造できるとともに、製造コストを低減できる。
(1−8−2)容器状部材25Aおよび蓋状部材25Bは、アルミニウムから構成される。このことにより、光学部品用筐体25は、熱伝導性が良好となり、光源装置211から射出された光束の照射により光学系21,22,23や電気光学装置24で発生する熱を該光学部品用筐体25へと放熱させることができ、光学部品の冷却効率を向上できる。また、光学部品用筐体25の強度を維持できる。
(1−8−3)各種光学部品212〜215,221〜223,231〜234を、位置決め部材253とともに光学部品用筐体25に固定する構成であるので、別途、これら光学部品212〜215,221〜223,231〜234を保持する保持枠等の部材を省略でき、光学ユニット2を製造するにあたって、製造コストを低減できる。
(1−8−4)第1位置決め部材253Aには、一方の端面に溝部253A1が形成されている。そして、この第1位置決め部材253Aは、容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aを介して内部に挿通され、溝部253A1が光学部品212〜215,231,233の外周端部を把持するように当接する。このことにより、第1位置決め部材253Aによる光学部品212〜215,231,233の位置決めを容易に、かつ正確に実施できる。
(1−8−5)また、第1位置決め部材253Aの溝部253A1に光学部品212〜215,231,233の外周端部が当接した状態で光学部品用筐体25に対して位置固定されるので、該第1位置決め部材253Aにより、外力の影響を緩和し、位置ずれなく、光学部品用筐体25に対して光学部品212〜215,231,233を位置固定できる。
(1−8−6)容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aは、該側面の一部を容器状部材25A内側に切り起こすことにより形成され、この切り起こされた側面の一部が第1位置決め部材253Aを支持する支持部251Kとして構成される。このことにより、紫外線硬化型接着剤の表面張力による、光学部品212〜215,231,233の移動に伴った第1位置決め部材253Aの移動を円滑に実施でき、光学部品212〜215,231,233の位置決めを正確に実施できる。また、容器状部材25Aの側面の一部を切り起こすことで、容易に孔251Aおよび支持部251Kを形成できる。さらに、第1位置決め部材253Aおよびこの第1位置決め部材253Aを支持する支持部251Kにより、光学部品212〜215,231,233の位置固定を確実に実施できる。
(1−8−7)第2位置決め部材253Bは、台座253B1、一対の板状部材253B2、およびスペーサ253B3を備える。そして、ダイクロイックミラー221,222を一対の板状部材253B2に対して傾斜した状態で、一対の板状部材253B2の間に配置し、ダイクロイックミラー221,222の左右端部と板状部材253B2の各部材間にスペーサ253B3を介装する。このことにより、ダイクロイックミラー221,222を移動させて位置調整した後、スペーサ253B3にてダイクロイックミラー221,222を光源装置211から射出される光束の照明光軸上の所定位置に容易に位置決めできる。
(1−8−8)ダイクロイックミラー221,222を容器状部材25Aの部品収納部251に収納する際に、予め第2位置決め部材253Bに配置し、ダイクロイックミラー221,222が配置された第2位置決め部材253Bを部品収納部251に収納する。このことにより、ダイクロイックミラー221,222を直接、各種光学部品が密集した状態である部品収納部251に収納する構成と比較して、ダイクロイックミラー221,222を部品収納部251に、容易にかつ、正確に収納できる。
(1−8−9)ダイクロイックミラー221,222は、第2位置決め部材253Bに配置される構成であるので、ダイクロイックミラー221,222の形状が変更されたとしても、容器状部材25Aの形状を変更せずに、第2位置決め部材253Bの板状部材253B2の隣接距離を変更することで対応できる。
(1−8−10)板状部材253B2には、端面の一部が対向する板状部材253B2側に三角形状に切り起こされ、この切り起こされた部分がスペーサ253B3を支持する支持部253B4として構成されている。このことにより、紫外線硬化型接着剤の表面張力による、ダイクロイックミラー221,222の移動に伴ったスペーサ253B3の移動を円滑に実施でき、スペーサ253B3にてダイクロイックミラー221,222を正確に位置決めできる。また、スペーサ253B3およびこの支持部253B4により、ダイクロイックミラー221,222を確実に位置固定できる。
(1−8−11)スペーサ253B3は、三角柱状に形成され、板状部材253B2とダイクロイックミラー221,222の左右端部との間に介装された状態で、該三角柱状の斜面の傾斜方向は、ダイクロイックミラー221,222の傾斜方向と略同一の方向となるように構成されている。このことにより、スペーサ253B3をダイクロイックミラー221,222の左右端部に確実に当接できる。したがって、スペーサ253B3にてダイクロイックミラー221,222を正確に位置決めできる。また、ダイクロイックミラー221,222の光学部品用筐体25に対する固定状態を確実に維持できる。
(1−8−12)第3位置決め部材253Cは、板体253C1およびピン253C2を備え、該ピン253C2を容器状部材25Aの側面に形成された孔251Cに挿通し、ピン253C2の先端部分を反射ミラー223,232,234の反射面の裏面と当接させ、該反射ミラーを移動させて位置調整し、第3位置決め部材253Cにて該反射ミラーを所定位置で位置決めする。このことにより、反射ミラー223,232,234の位置決めを容易に実施できるとともに、第3位置決め部材253Cにより光源装置211から射出される光束を遮光することを回避できる。
(1−8−13)第3位置決め部材253Cは、4つのピン253C2を備えているので、反射ミラー223,232,234の左右方向、上下方向、前後方向、左右方向を軸とした面外回転方向、上下方向を軸とした面外回転方向の5軸にて反射ミラー223,232,234を円滑に位置調整できる。
(1−8−14)4つのピン253C2が板体253C1により一体化されているので、4つのピン253C2をそれぞれ移動させて反射ミラー223,232,234を5軸にて位置調整する構成と比較して、板体253C1を任意の方向に移動するだけで4つのピン253C2を一括して移動させることができる。したがって、反射ミラー223,232,234を5軸にてさらに容易に位置調整できる。
(1−8−15)また、反射ミラー223,232,234の交換等を実施する際に、4つのピン253C2を一つずつ取り外す煩雑な作業をすることなく、板体253C1により4つのピン253C2を一括して取り外すことができ、反射ミラー223,232,234のリワーク性を向上できる。
(1−8−16)光学部品用筐体25は、リワーク部材254X,254Y,254Zを取り付けることができ、このリワーク部材254X,254Y,254Zは、支持部材254Aおよびリワークねじ254Bから構成されている。また、第1位置決め部材253A、スペーサ253B3、および第3位置決め部材253Cには、それぞれ、リワークねじ254Bと螺合可能に構成されるリワーク用のねじ孔253A2、253C3が形成されている。そして、支持部材254Aの開口端縁を光学部品用筐体25の外側面に当接させ、リワークねじ254Bをリワーク用のねじ孔253A2,253C3に螺合する。そしてまた、この螺合状態を変更することで、第1位置決め部材253A、スペーサ253B3、および第3位置決め部材253Cを移動させ、これら第1位置決め部材253A、スペーサ253B3、および第3位置決め部材253Cによる光学部品212〜215,221〜223,231〜234の光学部品用筐体25に対する固定状態を解放する。このことにより、光学部品212〜215,221〜223,231〜234が位置固定された後、該光学部品を交換等する際でも、容易に光学部品用筐体25に対する光学部品212〜215,221〜223,231〜234の固定状態を解放できる。したがって、光学部品212〜215,221〜223,231〜234のリワーク性を向上できる。
(1−8−17)容器状部材25Aおよび蓋状部材25Bの内面には、ブラックアルマイト処理が施されている。このことにより、光源装置211から射出された光束の一部が所定の照明光軸から外れた場合であっても、光学部品用筐体25内にて反射することを防止でき、光学部品用筐体25の外部に漏れる光束を低減できる。
(1−8−18)プロジェクタ1は、上述した光学部品用筐体25を備えているので、プロジェクタ1の製造にあたって、製造を容易に実施できるとともに、製造コストの低減を図れる。また、金属製の容器状部材25Aおよび蓋状部材25Bにより光学系21,22,23や電気光学装置24で発生する熱を効率的に放熱でき、該光学部品の高寿命化を図れ、プロジェクタ1から投写される画像光を鮮明な状態で維持できる。
(1−9)第1の実施の形態の変形
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記実施の形態では、第2位置決め部材253Bは、図5に示すように、板状の台座253B1と、一対の板状部材253B2と、スペーサ253B3とを備えた構成であったが、第2位置決め部材253Bをスペーサ253B3のみによって構成してもよい。この場合、板状の台座253B1の部分は容器状部材25Aの底面によって、また、一対の板状部材253B2の部分は容器状部材25Aの一対の側面によって構成することになる。また、図12を用いて説明したダイクロイックミラーの収納工程(処理S12)は、ダイクロイックミラー221,222と、接着剤を塗布したスペーサ253B3とを、容器状部材25A内に、この順番に収納する工程となる。このような構成とすれば、第2位置決め部材253Bの構成を簡略化できるため、光学ユニット2の軽量化を図ることが可能となる。また、ダイクロイックミラー221,222の収納工程(処理S12)が簡略化されるため、製造コストの低減を図ることが可能となる。
前記実施の形態では、第1位置決め部材253Aおよび第3位置決め部材253Cを光学部品用筐体25に対して設置するために、容器状部材25Aの側面にそれぞれ孔251A,253Cが形成されていたが、これに限らない。例えば、蓋状部材25B、または容器状部材25Aの底面に孔を形成し、この孔を介して第1位置決め部材253Aおよび第3位置決め部材253Cを設置する構成を採用してもよい。
前記実施の形態では、第3位置決め部材253Cは、板体253C1と、この板体253C1から突出する4つのピン253C2とを備えて構成されていたが、これに限らない。例えば、板体253C1を省略し、ピン253C2のみの構成としてもよく、板体253C1に4つ以外、すなわち、2つ、3つ、または5つ以上のピン253C2が突出する構成を採用してもよい。
前記実施の形態では、光学部品212〜215,231,233をそれぞれ2つの第1位置決め部材253Aにて保持する構成を説明したが、これに限らず、1つ、または3つ以上で保持する構成を採用してもよい。
前記実施の形態では、第2位置決め部材253Bのスペーサ253B3は、三角柱形状を有していたが、これに限らず、例えば、円柱状、四角柱状等のその他の形状を有する構成を採用してもよい。
前記実施の形態では、容器状部材25Aの部品収納部251に形成される支持部251Kは、孔251Aの下方の辺縁から容器状部材25Aの側面に直交して延びる構成であったが、孔251Aの上方、左または右の側方の辺縁から容器状部材25Aの側面に直交して延びる構成を採用してもよい。
前記実施の形態では、光学部品212〜215,221〜223,231〜234の位置固定に、紫外線硬化型接着剤を用いたが、これに限らず、熱硬化型接着剤を用い、光学部品212〜215,221〜223,231〜234の位置固定時に、ホットエア等により硬化させる構成としてもよい。また、接着剤は、紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤に限らず、処理S2において、接着剤の表面張力によって、各種光学部品212〜215,221〜223,231〜234の移動と、第1位置決め部材253A、第2位置決め部材253Bのスペーサ253B3、第3位置決め部材253Cの板体253C1とが追従できるようなものであればよい。
(2)第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の説明および図面において、先に説明した第1の実施の形態と同様の構成部分については、第1の実施の形態や図1〜図13で用いたものと同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(2−1)プロジェクタの構造と、光学系の構成
図14は、第2の実施の形態に係る光学部品用筐体を備えたプロジェクタ1の構造を示す斜視図である。図15は、図14における光学ユニット2の蓋状部材25Bを取り外した図である。図16は、光学系を説明するための図である。本実施の形態に係るプロジェクタの構造と光学系の構成は、光学部品用筐体の構造、および電気光学装置24がヘッド体26に支持されていない点を除き、第1の実施の形態に係るプロジェクタの構造、光学系の構成とほぼ同様である。
(2−2)光学部品用筐体の構造
光学部品用筐体25は、図14または図15に示すように、上述した光学系21,22,23を構成する各種光学部品のうち光源装置211を除く光学部品と、電気光学装置24とが収納される容器状部材25Aと、この容器状部材25Aの上面の開口部分を塞ぐ蓋状部材25Bと、光学部品215,223,232〜234を容器状部材25Aの所定位置に固定する第1位置決め部材253A,第3位置決め部材253Cとを備える。
図17は、容器状部材25Aを上方から見た斜視図である。図18は、容器状部材25Aを下方から見た斜視図である。
容器状部材25Aは、アルミニウムの平板を板金加工することにより形成されたものであり、図14ないし図18に示すように、光学系21,22,23(図16、図17)を構成する各種光学部品のうち光源装置211を除く光学部品と、電気光学装置24とが収納される部品収納部251と、投写レンズ3が設置される投写レンズ設置部252とを備える。
部品収納部251は、図18または図19に示すように、絞り加工により容器状に形成されて上方側が開口されている。そして、この部品収納部251の一端側に、投写レンズ設置部252が設けられ、他端側には、光源装置211から射出される光束を導入するための開口251Hと、光学部品212の外周を支持する支持部251Iとが形成されている。
この部品収納部251において、側面には、図18に示すように、光学部品212〜215,221,222,231,233(図16、図17)の位置に応じて、複数の孔251Aが形成されている。これらの孔251Aの一部は、容器状部材25Aの側面の一部を内側に切り起こすことによって形成されている。この切り起こされた側面の一部は、光学部品213,214,221,222,231の外周を支持する支持部251Bとして機能する。また、側面には、光学部品223,232,234(図16、図17)の位置に応じて、内部に向けて貫通する円形状の複数の孔251Cが形成されている。
この部品収納部251において、底面には、図18に示すように、後述する製造装置を構成する光学部品位置決め治具の一部を挿通可能とする複数の孔251Dと、プリズムユニットを位置決め固定するための位置決め孔251Eとが形成されている。これら複数の孔251Dのうち、位置決め孔251Eの近傍に設けられた孔251Dの一部は、図17に示すように、底面の一部が切り起こされて形成されたものであり、切り起こされた底面の一部は、光学部品221,222,224,231,242の外周を支持する支持部251Fとして機能する。また、この部品収納部251において、底面の裏面には、図18に示すように、後述する製造装置の所定位置に容器状部材25Aを設置するための4つの位置決め孔251Gが形成されている。
また、この部品収納部251において、図示は省略するが、上端部分には、ねじ溝を有する複数のバーリング孔が形成されている。
投写レンズ設置部252は、図17または図18に示すように、部品収納部251における一端側の側面が前方側に延出するように曲げ加工等により形成されたものであり、フランジ3A(図14または図15)を介して投写レンズ3を左右両側から支持する。この投写レンズ設置部252には、投写レンズ3を固定するためのねじ孔252Aが形成され、該ねじ孔252Aを介して、図示しない固定ねじを投写レンズ3のフランジ3Aに形成された図示しないねじ孔に螺合することで、投写レンズ設置部252に投写レンズ3が設置される。
蓋状部材25Bは、上述した容器状部材25Aと同様に、アルミニウムの平板を板金加工により形成したものであり、容器状部材25Aの上端部分と接続する。この蓋状部材25Bは、図14に示すように、平面視F字状に形成され、容器状部材25Aの部品収納部251に収納された電気光学装置24の上方側を開口し、その他の部品収納部251の開口部分を塞ぐ。また、この蓋状部材25Bには、図示は省略するが、複数の孔が形成され、この孔と容器状部材25Aに形成された図示しないバーリング孔とを介してねじ等により容器状部材25Aに対して蓋状部材25Bが固定される。
ここで、上述の容器状部材25Aの部品収納部251の内面、および蓋状部材25Bの下面には、ブラックアルマイト処理が施されている。
(2−3)光学部品の保持構造
次に、光学部品用筐体25に対する、光学系21,22,23および電気光学装置24を構成する各種光学部品のうち、光源装置211を除く光学部品の保持構造を説明する。
第1の実施の形態では、レンズ等の光学部品212〜215,231,233は、第1位置決め部材253Aを介して光学部品用筐体25に保持されていたが、本実施の形態では、これらの光学部品のうち、重畳レンズ215とリレーレンズ233以外のものについては、第1位置決め部材253Aが省略されている。また、第1の実施の形態では、フィールドレンズ224はヘッド体26のフィールドレンズ保持部263に保持されていたが、本実施の形態では、このフィールドレンズも光学部品用筐体25に保持されている。
光学部品212〜214,231,224,242は、図16に示すように、容器状部材25Aの側面や底面を切り起こすこと等によって形成された支持部251I,251B,251Fに、直接、紫外線硬化型接着剤によって固定されている。
一方、重畳レンズ215とリレーレンズ233は、第1の実施の形態と同様、第1位置決め部材253Aを介して保持される。重畳レンズ215を保持する2つの位置決め部材253Aは、いずれも、容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aに挿通され、紫外線硬化型接着剤によって固定されている。リレーレンズ233を保持する2つの位置決め部材253Aは、一方が容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aに挿通され、もう一方が容器状部材25Aの底面から切り起こして形成された保持部251Fの凹部251L(図17)上に設けられ、いずれも紫外線硬化型接着剤によって固定されている。
また、第1の実施の形態では、ダイクロイックミラー221,222は、第2位置決め部材253Bを介して光学部品用筐体25に保持されていたが、本実施の形態では、第2位置決め部材253Bが省略されている。ダイクロイックミラー221,222は、いずれも、一対の辺の一方が、容器状部材25Aの側面を切り起こすことによって形成された支持部251Bに、もう一方が、容器状部材25Aの底面を切り起こすことによって形成された支持部251Fに、直接、紫外線硬化型接着剤によって固定されている。
反射ミラー223,232,234は、第1の実施の形態と同様、第3位置決め部材253Cを介して光学部品用筐体25に保持されている。
また、第1の実施の形態では、プリズムユニットはヘッド体26の載置面262に固定されていたが、本実施の形態では、台座を介して、容器状部材25Aの底面にねじによって固定されている。台座の下面には、容器状部材25Aの底面に形成された位置決め孔251Eに嵌合する、図示しない位置決め突起が形成されている。台座と容器状部材25Aとの固定は、ねじに限らず、接着剤によって行ってもよい。
(2−4)光学ユニットの製造装置
図19は、本実施の形態に係る光学ユニット2の製造装置100の概略構成を示す全体斜視図である。以下に、製造装置100の構造を説明する。
製造装置100は、光学部品用筐体25(図14)に対する所定位置に光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を位置決めして固定する装置である。この製造装置100は、図19に示すように、載置台200と、光学部品位置決め治具300と、光学像検出装置400と、調整用光源装置500と、ここでは図示しない制御装置600とを備えている。
(2−4−1)載置台
載置台200は、光学ユニット2(図14)、光学部品位置決め治具300、光学像検出装置400、および調整用光源装置500を載置固定する。この載置台200は、図20に示すように、第1載置台210と、第2載置台220と、第3載置台230とを備える。
第1載置台210は、四隅に脚部210Aを有するテーブル状に形成され、上面210Bにて光学部品位置決め治具300および第2載置台220を載置固定する。なお、図示は略すが、この第1載置台210の下方には、後述する制御装置600により駆動制御される真空ポンプ、および紫外線照射装置等が設置される。
第2載置台220は、第1載置台210と同様に、四隅に脚部220Aを有するテーブル状に形成され、上面220Bにて光学ユニット2の容器状部材25Aおよび調整用光源装置500を載置する。この第2載置台220は、複数の開口220Cを有し、該複数の開口220Cに、第1載置台210上に載置固定された光学部品位置決め治具300の一部が挿通された状態で第1載置台210上に載置固定される。
この第2載置台220において、上面220Bには、光学ユニット2の容器状部材25Aを所定位置に載置するための位置決め突起220Dが形成されている。そして、この位置決め突起220Dと、上述した容器状部材25Aの底面に形成された位置決め孔251G(図18)とが係合することで容器状部材25Aを所定位置に載置する。
また、この第2載置台220において、上面220Bには、調整用光源装置500を所定位置に設置するための矩形枠状の光源装置設置部220Eが形成されている。この光源装置設置部220Eには、付勢部220Fが取り付けられ、この付勢部220Fにより、調整用光源装置500を光源装置設置部220Eに付勢固定する。
第3載置台230は、第2載置台220と接続し、上面にて光学像検出装置400を載置する。この第3載置台230は、一端側が第2載置台220の下面に固定され、他端側が脚部230Aにて支持されている。
(2−4−2)光学部品位置決め治具
図20は、本実施の形態に係る光学部品位置決め治具300の概略構成を示す斜視図である。
光学部品位置決め治具300は、第1載置台210上において、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242の設計上の所定位置に設置され、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を支持するとともに、光軸を有する光学部品213〜215,223,233,242の位置調整を実施する。この光学部品位置決め治具300は、類似した構造から、図20に示すように、光学部品212〜214,221〜223,232,234の位置決めを実施する第1位置決め治具310と、光学部品215,224,231,233の位置決めを実施する第2位置決め治具320と、光学部品242の位置決めを実施する第3位置決め治具330とに大別できる。なお、以下では、光源装置211(図17)から射出される光束の照明光軸をZ軸とし、このZ軸に直交する方向をX軸およびY軸とするXYZ直交座標系を用いて光学部品位置決め治具300を説明する。
(i)第1位置決め治具
図21は、第1位置決め治具310の構造を示す斜視図である。なお、上述したように、第1レンズアレイ212、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、ダイクロイックミラー221,222、反射ミラー223,232,234の位置決めを実施する第1位置決め治具310は、構造が類似しているため、以下では、第2レンズアレイ213の位置決めを実施する第1位置決め治具310について説明する。第2レンズアレイ213以外の光学部品212,214,221〜223,232,234の位置決めを実施する第1位置決め治具310も略同様の構造を有するものとする。
第1位置決め治具310は、図21に示すように、基部311と、Z軸移動部312と、X軸移動部313と、第1光学部品支持部314とを備えている。
基部311は、平面視略コ字状の形状を有し、コ字状端縁がZ軸方向に向くように第1載置台210上における第2レンズアレイ213に対応する位置に固定される。また、基部311において、平面視コ字状内側には、コ字状端縁に沿ってZ軸移動部312と係合する図示しない係合溝が形成されている。
Z軸移動部312は、基部311のコ字状端縁と直交する略直方体状の形状を有し、基部311に形成された図示しない係合溝と係合し、基部311に対してZ軸方向に移動自在に構成される。また、このZ軸移動部312は、X軸移動部313のレールとしての機能も有する。
X軸移動部313は、X軸方向に延出するとともに、X軸方向略中央部分がZ軸方向に延出する平面視T字状の形状を有し、Z軸方向に延出する端部の下面には、Z軸移動部312と係合する図示しない係合溝が形成され、Z軸移動部312に対してX軸方向に移動自在に構成される。
第1光学部品支持部314は、X軸移動部313のX軸方向に延びる端部と接続し、該端部からY軸方向に延びるように形成され、第2レンズアレイ213を支持する。この第1光学部品支持部314は、図21に示すように、基部315と、移動部316と、第1ホルダ317とを備えている。
基部315は、平面視略コ字状の形状を有し、コ字状端縁がZ軸方向に延出するようにX軸移動部313のX軸方向に延びる端部の上面に固定されている。また、この基部315において、平面視コ字状内側には、Y軸方向に沿って移動部316と係合する図示しない係合溝が形成されている。
移動部316は、基部315のコ字状内側からY軸方向に延出するとともに、延出方向先端部分がX軸方向に延出する平面視T字状の形状を有し、基部315に形成された図示しない係合溝と係合して基部315に対してY軸方向に移動自在でありかつ、Y軸を中心とした回転方向に回動自在に構成される。
図22は、第1ホルダ317における光学部品の保持構造を示す図である。
第1ホルダ317は、平面視コ字状の形状を有し、平面視コ字状の基端部分が移動部316の+Y軸方向端面に固定され、平面視コ字状の先端部分にて第2レンズアレイ213を支持する。この第1ホルダ317における先端部分には、図22に示すように、第2レンズアレイ213の下面を支持する第1支持面317Aと、第2レンズアレイ213の側面を支持する第2支持面317Bと、第2レンズアレイ213の光束入射端面を支持する第3支持面317Cとが形成されている。そして、これら第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cは、第2レンズアレイ213の外形位置基準面として構成されている。
ここで、第1ホルダ317の内部には、図22に示すように、平面視コ字状の端縁に沿って導通孔317Dが形成され、導通孔317Dの一端が3本に分岐して第3支持面317Cに接続し、他端が第1ホルダ317の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、第2レンズアレイ213を第3支持面317Cに吸着可能とする。このように吸着することで第1ホルダ317にて第2レンズアレイ213が保持される。
上述した第1位置決め治具310において、Z軸移動部312、X軸移動部313、移動部316には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、Z軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316が適宜、移動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作によりZ軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316を適宜、移動させてもよい。
(ii)第2位置決め治具
図23は、第2位置決め治具320の構造を示す斜視図である。なお、上述したように、重畳レンズ215、フィールドレンズ224、入射側レンズ231、およびリレーレンズ233の位置決めを実施する第2位置決め治具320は、構造が類似しているため、以下では、リレーレンズ233の位置決めを実施する第2位置決め治具320について説明する。リレーレンズ233以外の光学部品215,224,231の位置決めを実施する第2位置決め治具も略同様の構造を有するものとする。
第2位置決め治具320は、図23に示すように、上述した第1位置決め治具310の基部311、Z軸移動部312、およびX軸移動部313と略同様の構造を有する基部321、Z軸移動部322、およびX軸移動部323の他、第2光学部品支持部324を備えている。なお、基部321、Z軸移動部322、およびX軸移動部323の構造は、前述の第1位置決め治具310の基部311、Z軸移動部312、およびX軸移動部313と略同様の構造であり、説明を省略する。
第2光学部品支持部324は、X軸移動部323のX軸方向に延びる端部と接続し、該端部からY軸方向に延びるように形成され、リレーレンズ233を支持する。この第2光学部品支持部324は、図23に示すように、基部325と、第2ホルダ326とを備えている。
基部325は、平面視略コ字状の形状を有し、コ字状端縁がZ軸方向に延出するようにX軸移動部323のX軸方向に延びる端部に固定されている。また、基部325において、平面視略コ字状内側には、Y軸方向に沿って第2ホルダ326と係合する図示しない係合溝が形成されている。
第2ホルダ326は、基部325のコ字状内側からY軸方向に延びる略直方体状の形状を有し、先端部分にてリレーレンズ233を保持するとともに、基部325に形成された図示しない係合溝と係合して基部325に対してY軸方向に移動自在に構成される。
この第2ホルダ326は、図23に示すように、第1支持部材327と、第2支持部材328とを備え、これら第1支持部材327および第2支持部材328が一体化して構成されている。
第1支持部材327は、略直方体状の形状を有し、第2支持部材328に対向する端面は、+Y軸方向端部側に向けて厚み寸法が小さくなるテーパ状に形成されている。そして、このテーパ状に形成された部分が、リレーレンズ233の光束射出側端面を支持する第1支持面327Aとして機能する。
第2支持部材328は、略直方体状の形状を有し、第1支持部材327に対向する端面は、+Y軸方向端部側にリレーレンズ233の外周形状に対応する凹部が形成されている。そして、この凹部が、リレーレンズ233の光束入射側端面を支持する第2支持面328Aとして機能する。
図24は、第2ホルダ326における光学部品の保持構造を示す図である。
第2ホルダ326の第2支持部材328の内部には、図24(B)に示すように、Y軸方向に沿って2本の導通孔328Bが並行に形成されている。また、この導通孔328Bは、図24(A)に示すように、一端が2本に分岐して第2支持面328Aに接続し、他端が第2支持部材328の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、リレーレンズ233を第2支持面328Aに吸着可能とする。このように吸着することで、第2ホルダ326にてリレーレンズ233が保持される。
上述した第2位置決め治具320において、Z軸移動部322、X軸移動部323、第2ホルダ326には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、Z軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326が適宜、移動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作によりZ軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326を適宜、移動させてもよい。
(iii)第3位置決め治具
図25は、第3位置決め治具330の構造を示す斜視図である。
第3位置決め治具330は、入射側偏光板242の位置決めを実施する。すなわち、この第3位置決め治具330は、第1載置台210において、3つの入射側偏光板242に対応する位置に、それぞれ設置されている。この第3位置決め治具330は、図25に示すように、基部331と、第3光学部品支持部332とを備えている。
基部331は、側面視L字状の形状を有する板体であり、一方の端部が第1載置台210上における入射側偏光板242に対応する位置に固定され、他方の端部がY軸方向に延びるように構成されている。また、この基部331において、他方の端部には、第3光学部品支持部332にて保持する入射側偏光板242の中心位置を中心とした円弧状の図示しない係合溝が形成され、第3光学部品支持部332と係合する。
第3光学部品支持部332は、入射側偏光板242を保持するとともに、基部331の図示しない係合溝と係合し、基部331に対してZ軸を中心として回動自在に構成される。この第3光学部品支持部332は、図25に示すように、回動部333と、第3ホルダ334とを備えている。
回動部333は、X軸方向に延びる略直方体状に形成され、基部331に形成された図示しない円弧状の係合溝に対応する図示しない係合部を有している。そして、この回動部333は、基部331との係合状態を変更することで、基部331に対して第3ホルダ334にて保持する入射側偏光板242の中心位置を中心として回動自在に構成される。
第3ホルダ334は、平面視コ字状の形状を有し、平面視コ字状の基端部分が回動部333の+Y軸方向端面に固定され、平面視コ字状の先端部分にて入射側偏光板242を支持する。
この第3ホルダ334の構造は、上述した第1位置決め治具310の第1ホルダ317と略同様の構造であり、図示は略すが、第1ホルダ317の第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cに対応する第1支持面、第2支持面、および第3支持面を有している。
また、第3ホルダ334の内部には、図示は略すが、第1ホルダ317と同様に、吸気用孔としての導通孔が形成され、導通孔の一端が3本に分岐して第3支持面に接続し、他端が第3ホルダ334の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、入射側偏光板242を第3支持面に吸着可能とする。このように吸着することで、第3ホルダ334にて入射側偏光板242を保持する。
上述した第3位置決め治具330において、回動部333には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、回動部333が適宜、回動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作により回動部333を適宜、回動させてもよい。
(2−4−3)光学像検出装置
図26は、光学像検出装置400の構造を示す模式図である。
光学像検出装置400は、上述した第3載置台230上に設置され、後述する調整用光源装置500から射出され光学ユニット2を介した光学像を検出する。この光学像検出装置400は、図26に示すように、集光レンズ410と、撮像部420とを備えている。
集光レンズ410は、複数のレンズ群から構成され、光学ユニット2のクロスダイクロイックプリズム244(図16)の光束射出端面から射出される光学像、すなわち、光学ユニット2の各液晶パネル241R,241G,241Bにて形成された光学像を光学像検出装置400内部に集光する。
撮像部420は、集光レンズ410のバックフォーカス位置に形成された画像平面421と、この画像平面421上の画像を赤、青、緑の3色に分解するダイクロイックプリズム422と、このダイクロイックプリズム422の光束射出端面に設置され、射出されるそれぞれの色光が結像する3つのCCD423R,423G,423Bとを備えている。
なお、撮像部420としては、このような構成に限らず、例えば図27に示す構成を採用してもよい。具体的に、ダイクロイックプリズム422は、3体のプリズムから構成される。これら3体の間には、青色光反射膜および緑色光反射膜が形成されている。これにより、3体のプリズムに入射した光束は、R,G,Bの各色光に分解される。また、ここでは、3体のプリズムの間に青色光反射膜および緑色光反射膜が形成されているが、これに限らず、その他、青色光反射膜および赤色光反射膜、または、赤色光反射膜および緑色光反射膜が形成されている構成を採用してもよい。
そして、3つのCCD423R,423G,423Bは、制御装置600と電気的に接続されており、該CCD423R,423G,423Bで撮像された色光毎の画像信号(R,G,B信号)は、制御装置600に出力される。
(2−4−4)調整用光源装置
調整用光源装置500は、図33を参照すると、上述したプロジェクタ1の光源装置211と同様に、図示しない光源ランプおよびリフレクタとから構成され、第2載置台220上に形成された光源装置設置部220Eに設置される。そして、この調整用光源装置500は、第1載置台210の下方に設置される図示しない電源装置、および光源駆動回路からケーブルを介して供給される電力により、第2載置台220上に設置される光学ユニット2内に光束を照射する。
(2−4−5)制御装置
図28は、制御装置600による制御構造を模式的に示したブロック図である。
制御装置600は、CPU(CentralProcessing Unit)およびハードディスクを備えたコンピュータで構成され、種々のプログラムを実行して製造装置100全体を制御する。この制御装置600は、図28に示すように、操作部610と、表示部620と、制御部630とを備えている。
操作部610は、例えば、キーボードおよびマウス等で入力操作される図示しない各種操作ボタンを有している。この操作ボタン等の入力操作を実施することにより、制御装置600を適宜動作させるとともに、例えば、表示部620に表示される情報に対して、制御装置600の動作内容の設定等が実施される。そして、作業者による操作部610の入力操作により、操作部610から適宜所定の操作信号を制御部630に出力する。
なお、この操作部610としては、操作ボタンの入力操作に限らず、例えば、タッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作等により、各種条件を設定入力する構成としてもできる。
表示部620は、制御部630に制御され、所定の画像を表示する。例えば、制御部630にて処理された画像の表示、または、操作部610の入力操作により、制御部630の後述するメモリに格納する情報を設定入力、または更新する際、制御部630から出力されるメモリ内のデータを適宜表示させる。この表示部620は、例えば、液晶や有機EL(electroluminescence)、PDP(PlasmaDisplay Panel)、CRT(Cathode−Ray Tube)等が用いられる。
制御部630は、CPUを制御するOS(OperatingSystem)上に展開されるプログラムとして構成され、操作部610からの操作信号の入力に応じて光学像検出装置400で撮像された画像を取り込んで画像処理を実施し、処理した画像に基づいて光学部品位置決め治具300を駆動制御する。この制御部630は、図28に示すように、画像取込部631と、画像処理部632と、駆動制御部633と、メモリ634とを備えている。
画像取込部631は、例えば、ビデオキャプチャボード等で構成され、光学像検出装置400の3つのCCD423R,423G,432Bから出力されるR,G,B信号を入力し、入力したR,G,B信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する。
画像処理部632は、画像取込部631から出力される画像信号を読み込み、読み込んだ画像信号に対応する画像の画像処理を実施し、所定の信号を駆動制御部633に出力する。この画像処理部632は、図28に示すように、輝度値取得部632Aと、輝度値変化曲線取得部632Bと、近似直線算出部632Cと、境界点取得部632Dと、演算処理部632Eとを備えている。
輝度値取得部632Aは、読み込んだ画像信号に対応する画像の輝度値を取得し、この取得した輝度値とこの輝度値に対応する座標値(平面位置(X,Y))とを関連付けてメモリ634に格納する。
輝度値変化曲線取得部632Bは、メモリ634に格納された情報を読み出し、読み出した座標値に応じて、所定の直線上(X方向またはY方向)における輝度値の変化を表す輝度値変化曲線を取得する。
近似直線算出部632Cは、輝度値変化曲線取得部632Bにて取得された輝度値変化曲線から輝度値の変化部分の近似直線を算出する。
境界点取得部632Dは、近似直線算出部632Cにて算出された近似直線に基づいて、読み込んだ画像信号に対応する画像に含まれる照明領域の境界点、および、読み込んだ画像信号に対応する画像に含まれる各液晶パネル241R,241G,241Bの画像形成領域の境界点を取得する。そして、取得した境界点をメモリ634に格納する。
演算処理部632Eは、メモリ634に格納された情報を読み出し、読み出した境界点(照明領域、画像形成領域)または輝度値に基づいて、各光学部品の位置調整量を算出する。そして、算出した位置調整量を所定の信号に変換して駆動制御部633に出力する。
駆動制御部633は、所定の制御プログラム、および画像処理部632から出力される信号に応じて、治具駆動部300Aに制御信号を出力し、治具駆動部300Aに光学部品位置決め治具300を駆動させる。
メモリ634は、所定の制御プログラムを格納するとともに、画像処理部632から出力される情報を格納する。
(2−5)光学ユニットの製造方法
次に、上述した製造装置100による光学ユニット2の製造方法を図19、図28、および図29を参照して説明する。
第1の実施の形態では、容器状部材25Aに光学部品212〜215,221〜223,231〜234をすべて収納した後、これらの位置調整を行っていたが、本実施の形態では、一部の光学部品については位置調整が不要となっている。
図29は、光学ユニット2の製造方法を説明するフローチャートである。
先ず、作業者は、制御装置600の操作部610を操作し、製造する光学ユニット2の仕様に応じた所定のプログラムを呼び出す。制御装置600の駆動制御部633は、メモリ634に格納されたプログラムを読み出し、光学部品位置決め治具300を設計上の所定位置に移動させる旨の制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aにより図示しないパルスモータが駆動し、第1位置決め治具310におけるZ軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316、第2位置決め治具320におけるZ軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326、第3位置決め治具330における回動部333が移動し、光学部品位置決め治具300が設計上の所定位置に配置される(処理S10)。
次に、製造装置100の第2載置台220に容器状部材25Aを設置する(処理S20)。
具体的に、作業者は、容器状部材25Aを移動させ、第2載置台220の上面から突出する光学部品位置決め治具300の一部を容器状部材25Aの底面に形成された孔251Dに挿通する。さらに、容器状部材25Aの底面に形成された位置決め孔251Gに第2載置台220の上面に形成された位置決め突起220Dを係合させて容器状部材25Aを第2載置台220の所定位置に設置する。
(2−5−1)位置調整が不要な光学部品の位置決め固定
処理S20の後、位置調整を不要とする光学部品212,221,222,224,231,232,234を容器状部材25Aに対する所定位置に位置決め固定する(処理S30)。具体的には、図30に示すフローチャートにしたがって実施される。
先ず、作業者は、第1レンズアレイ212、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231の外周部分に紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S310)。
処理S310は、光学部品212,221,222,224,231についてのみ必要な工程である。反射ミラー232,234については、処理S310が不要である。
そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第1レンズアレイ212、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231と、紫外線硬化型接着剤が塗布されていない反射ミラー232,234とをそれぞれ対応する光学部品位置決め治具300に設置する(処理S320)。
図31は、光学部品位置決め治具300への光学部品の設置方法を説明するための図である。この図31は、第1位置決め治具310の第1ホルダ317に対する反射ミラー232の設置方法を示している。なお、その他の第1レンズアレイ212、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、入射側レンズ231、反射ミラー234も略同様に光学部品位置決め治具300に設置することができ、説明を省略する。
具体的に、作業者は、図31(A)に示すように、反射ミラー232の外周端部が対応する第1位置決め治具310の第1ホルダ317の第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cに当接するように反射ミラー232を第1ホルダ317に設置する。この際、作業者は、製造装置100の操作部610を操作し、図示しない真空ポンプを駆動させる旨の操作信号が制御部630に出力される。制御部630は、操作信号を入力すると、図示しない真空ポンプを駆動し、第1位置決め治具310における導通孔317Dを吸気させる。そして、反射ミラー232は、図31(B)に示すように、第1ホルダ317の第3支持面317Cに吸着され、第1ホルダ317に保持される。
この状態では、第1レンズアレイ212、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、入射側レンズ231、および反射ミラー232,234は、容器状部材25Aに対する設計上の所定位置に位置決めされた状態である。また、第1レンズアレイ212、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231の外周部分は、塗布された紫外線硬化型接着剤を介して、容器状部材25Aにおける部品収納部251の支持部251I,251B、251F(図16、図17)に当接する。
処理S320の後、第3位置決め部材253Cにおける図示しないピンの先端、および該ピンの外周に紫外線硬化型接着剤を塗布する。そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第3位置決め部材253Cの図示しないピンを容器状部材25Aの側面に形成された孔251C(図17、図18)を介して挿通し、該ピンの先端を反射ミラー232,234の反射面の裏面に当接する(処理S330)。
処理S330は、反射ミラー232,234の位置決め工程にのみ必要な工程である。その他の光学部品212,221,222,224,231については、処理S330が不要である。
以上のように、位置調整を不要とする光学部品212,221,222,224,231,232,234の位置決めを実施した後、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、光学部品212,221,222,224,231,232,234を容器状部材25Aに固定する(処理S340)。
具体的に、作業者は、製造装置100の操作部610を操作し、図示しない紫外線照射装置を駆動させる旨の操作信号が制御部630に出力される。制御部630は、操作信号を入力すると、図示しない紫外線照射装置を駆動する。そして、容器状部材25Aの上方から、第1レンズアレイ212、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231のそれぞれの外周部分と、部品収納部251の各支持部251I,251B,251F(図16、図17)との間に充填された紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化する。また、容器状部材25Aの側方から第3位置決め部材253Cに向けて紫外線を照射する。照射された紫外線は、板体253C1(図15)を透過するとともに、図示しないピンも透過し、該ピンの外周と孔251Cとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化し、さらに、該ピンの先端と反射ミラー232,234の反射面の裏面との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。以上のようにして、位置調整を不要とする光学部品212,221,222,224,231,232,234が容器状部材25Aに固定される。
(2−5−2)位置調整が必要な光学部品の位置決め固定
処理S30の後、位置調整を必要とする光学部品213〜215,223、233、242を容器状部材25Aに対する所定位置に位置決め固定する(処理S40)。具体的には、図32に示すフローチャートにしたがって実施される。
先ず、作業者は、プリズムユニットを、該台座に形成された位置決め突起を容器状部材25Aの底面に形成された位置決め孔251Eに嵌合し、図示しないねじ等により容器状部材25Aに位置決め固定する(処理S410)。
処理S410の後、作業者は、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、および入射側偏光板242の外周部分に紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S420)。処理S420は、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、入射側偏光板242についてのみ必要な工程である。重畳レンズ215、反射ミラー223、リレーレンズ233については、処理S420が不要である。
そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、および入射側偏光板242と、紫外線硬化型接着剤が塗布されていない重畳レンズ215、リレーレンズ233、および反射ミラー223とをそれぞれ対応する光学部品位置決め治具300に設置する(処理S430)。ここで、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、および入射側偏光板242の外周部分は、塗布された紫外線硬化型接着剤を介して、容器状部材25Aにおける部品収納部251の支持部251B、251F(図16、図17)に当接する。これら光学部品213〜215,233,242の光学部品位置決め治具300への設置方法は、上述した処理S320と略同様に実施でき、説明を省略する。
処理S430の後、第1位置決め部材253Aにおける図示しない溝部および外周のそれぞれに紫外線硬化型接着剤を塗布する。そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第1位置決め部材253Aを容器状部材25Aの側面に形成された孔251Aに挿通し、図示しない溝部を重畳レンズ215およびリレーレンズ233の各左右の外周部分に当接する。また、上述した処理S330と同様に、紫外線硬化型接着剤を塗布した第3位置決め部材253Cを反射ミラー223に設置する(処理S440)。処理S440は、重畳レンズ215、リレーレンズ233、反射ミラー223の位置決め工程にのみ必要な工程である。第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、入射側偏光板242については、処理S440が不要である。
以上のような工程の後、全ての光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242およびプリズムユニットが容器状部材25Aの設計上の所定位置に設置(仮位置決め)される。
図33は、製造装置100に容器状部材25A、光学系21,22,23を構成する各種光学部品のうち、光源装置211を除く光学部品、およびプリズムユニットが設置された状態を示す図である。
次に、作業者は、制御装置600の操作部610を操作し、光学部品213〜215,233,242を位置調整する所定のプログラムを呼び出す。そして、制御装置600は、メモリ634に格納された所定のプログラムを読み出し、以下に示すように位置調整を実施する。
先ず、制御装置600は、調整用光源装置500の光源ランプを点灯させて、光学ユニット2内に光束を導入させる(処理S450)。また、制御装置600は、光学像検出装置400を駆動させ、光学ユニット2に導入され液晶パネル241R,241G,241Bにて形成される光学像を検出させる(処理S460)。そして、光学像検出装置400にて光学像を検出させると、該光学像検出装置400の3つのCCD423R,423G,423Bにて撮像された画像が赤、緑、青の3色に分解されて、R,G,B信号として制御部630に出力される。制御装置600の画像取込部631は、3つのR,G,B信号を入力し、これらR,G,B信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する。画像処理部632は、入力する画像信号に基づいて撮像画像を形成する。
図34は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。この図34において、700は撮像画像を示し、701は液晶パネル241R,241G,241Bの画像形成領域を示し、702(702R,702G,702B)は光学部品を介して各液晶パネル241R,241G,241Bに到達する照明領域を示している。
実際には、図34に示す各照明領域702R,702G,702Gに表示影が生じる場合や、照明領域702の照度分布が不均一になる場合がある。これは、光学部品212〜215,223,233の相対的な位置のずれにより生じる。以下では、撮像画像700に基づいて、光学部品212〜215,223,233の相対位置を最適な位置に調整する。
(i)第2レンズアレイおよび偏光変換素子の位置調整
処理S460の後、制御装置600は、G色光用CCD423G(図27、図28)にて撮像された光学像に基づいて、第2レンズアレイ213および偏光変換素子214の位置調整を実施する(処理S470)。具体的には、図35に示すフローチャートにしたがって実施する。
先ず、制御装置600の駆動制御部633は、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、重畳レンズ215を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323および第2ホルダ326を移動させ、重畳レンズ215をX方向およびY方向に所定量だけ移動させる(処理S471)。この際、重畳レンズ215の移動に伴って、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、重畳レンズ215を把持する第1位置決め部材253Aも追従する。
そして、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のG色光用CCD423Gから出力されるG信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S472)。
図36は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S471において、重畳レンズ215をX方向およびY方向に所定量だけ移動させた結果、図36に示すように、照明領域702Gが移動し、該照明領域702Gの左上角部分が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
次に、制御装置600の輝度値取得部632Aは、処理S472において画像取込部631が取り込んだ撮像画像700の輝度値を0〜255の256階調に分けて取得し、この取得した輝度値とこの輝度値に対応する座標値(平面位置(X,Y))とを関連付けてメモリ634に格納する(処理S473)。
処理S473の後、制御装置600の輝度値変化曲線取得部632Bは、メモリ634に格納された情報を読み出し、所定のX座標上、およびY座標上における輝度値の変化を表す輝度値変化曲線を取得する(処理S474)。
具体的に、図37は、輝度値変化曲線取得部632Bによる輝度値変化曲線の取得方法の一例を示す図である。
輝度値変化曲線取得部632Bは、例えば図37(A)に示すように、所定のX座標(Y座標)の走査線800X(800Y)上における輝度値(階調)およびこの輝度値に対応する座標値をメモリ634から読み出す。そして、輝度値変化曲線取得部632Bは、図37(B)に示すように、縦軸を対応する輝度値の階調として、横軸を走査線800X(800Y)上の座標値としてプロットし、輝度値変化曲線900X(900Y)を取得する。
ここで、図37(B)では、輝度値変化曲線900X(900Y)の説明を簡略化するために、図37(A)に示すXB(YB)の位置を基点とし、画像形成領域701の右側端部(下側端部)の手前までの輝度値変化曲線900X(900Y)を示す。
輝度値変化曲線900X(900Y)は、図37(B)に示すように、照明領域702Gの境界部分において、照明領域702Gの外側から内側に向かって、クランク状またはS字状に取得される。なお、図37(B)では省略したが、図37(A)に示すXA(YA)〜XB(YB)にかけて取得された輝度値変化曲線および図37(A)に示す画像形成領域701の内側から外側にかけて取得された輝度値変化曲線も、同様に、画像形成領域701の境界部分において、クランク状になっているものとする。
処理S474の後、制御装置600の近似直線算出部632Cは、輝度値変化曲線取得部632Bにて取得した輝度値変化曲線900X,900Yにおける輝度値の変化部分を直線として近似し、この近似直線を算出する(処理S475)。
図38は、図37(B)における輝度値変化曲線900X(900Y)の一部を拡大して示す図である。具体的に、図38は、近似直線算出部632Cによる近似直線の算出方法の一例を示す図であり、また、境界点取得部632Dによる境界点の取得方法の一例を示す図である。
近似直線算出部632Cは、例えば図38に示すように、予め設定された基準となる輝度基準値の輝度基準直線Y1と、輝度値変化曲線900X(900Y)との交点Aの座標を取得する。また、近似直線算出部632Cは、輝度値変化曲線900X(900Y)上において、交点Aの前後で所定座標X(Y)だけ離れた点B,Cを取得する。そして、近似直線算出部632Cは、取得した点B,C間の輝度値変化部分を直線として近似し、この変化部分近似直線901を算出する。
なお、図38は、図37(B)と同様に、図37(A)に示すXB(YB)の位置を基点とし、画像形成領域701の右側端部(下側端部)の手前までの輝度値変化曲線900X(900Y)を示しており、図37(A)に示すXA(YA)〜XB(YB)にかけて取得された輝度値変化曲線、および図37(A)に示す画像形成領域701の内側から外側にかけて取得された輝度値変化曲線における近似直線も同様に算出するものとする。
処理S475の後、制御装置600の境界点取得部632Dは、照明領域702Gの境界点、および画像形成領域701の境界点を取得する(処理S476)。そして、境界点取得部632Dは、取得した境界点をメモリ634に格納する。
境界点取得部632Dは、処理S483にて算出された変化部分近似直線901と255階調線Y2との交点Gを取得する。また、境界点取得部632Dは、取得した交点Gから照明領域702Gの中心側へ所定座標値X(Y方向の境界点を取得する場合には所定座標値Y)だけシフトした座標値における照明領域702G上の基準となる点Eを取得する。さらに、境界点取得部632Dは、撮像画像700の略中心となる照明領域702G上の点Fを取得する。さらにまた、境界点取得部632Dは、取得した点E,F間の照明領域702Gを直線として近似し、この照明領域近似直線902を算出する。そして、境界点取得部632Dは、処理S483にて算出された変化部分近似直線901と、算出した照明領域近似直線902との交点Hを取得する。このようにして取得された交点Hが照明領域702Gの境界点(X方向またはY方向)である。
なお、画像形成領域701では、境界点として左側端部および上側端部の境界点を取得し、他の境界点として重畳レンズ215を移動してから右側端部および下側端部の境界点を取得する。この画像形成領域701の境界点の取得では、上記交点Gを取得する際に、255階調線Y2よりも低い階調線を用いるだけが異なるのみであり、その他は、上記の照明領域の境界点Hと同様に取得でき、説明を省略する。
また、画像形成領域701の境界点を取得するために、処理S473〜S476の処理を実施しているが、予め設計上の画像形成領域701の位置を設定しておき、すなわち、予め画像形成領域701の境界点を設定しておいてもよい。このような構成では、処理S473〜S476における画像形成領域701に関する処理を省略できる。
処理S476の後、制御装置600の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Gの境界点を読み出し、この読み出した境界点に基づいて、第2レンズアレイ213の位置調整量を算出する(処理S477)。そして、演算処理部632Eは、算出した位置調整量をメモリ634に格納する。具体的には、演算処理部632Eは、例えば以下に示すように位置調整量を算出する。
演算処理部632Eは、読み出したX方向およびY方向の境界点と、予め設定された設計上の最適なX方向およびY方向の境界位置とを比較し、設計上の最適な境界位置に対するX方向およびY方向の偏差を算出する。ここで、処理S476にて算出した境界点と、設計上の最適な境界位置とで偏差が生じるのは、第1レンズアレイ212に対する所定位置から第2レンズアレイ213がずれているために生じる。すなわち、算出したX方向およびY方向の偏差は、第2レンズアレイ213のX方向位置調整量、およびY方向位置調整量に相当する。
処理S477の後、駆動制御部633は、メモリ634に格納された第2レンズアレイ213のX方向位置調整量、Y方向位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量だけ第2レンズアレイ213をX方向およびY方向に移動する旨の制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、入力した制御信号に基づいて、図示しないパルスモータを駆動させ、第2レンズアレイ213を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323および第2ホルダ326を移動させ、処理S485にて算出された位置調整量だけ第2レンズアレイ213をX方向およびY方向に移動させる(処理S478)。
次に、制御装置600の制御部630は、偏光変換素子214の位置調整を以下に示すように実施する(処理S479)。
先ず、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のG色光用CCD423G(図26、図27)から出力されるG信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S479A)。
図39は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
次に、制御装置600の輝度値取得部632Aは、処理S479Aにおいて画像取込部631が取り込んだ撮像画像700のうち、図39に示す所定の領域703内の輝度値を取得する(処理S479B)。そして、輝度値取得部632Aは、取得した輝度値をメモリ634に格納する。
処理S479Bの後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された輝度値を読み出し、平均化して偏光変換素子214を保持する第1位置決め治具310におけるX軸移動部313のX軸方向の位置に関連付けてメモリ634に格納する(処理S479C)。
制御装置600の制御部630は、メモリ634に格納された輝度値から、上記処理S479A〜S479Cが所定回数実施されたかどうかを判定する(処理S479D)。ここで、「No」と判定した場合には、制御部630の駆動制御部633は、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、第1位置決め治具310のX軸移動部313を移動させ、偏光変換素子214をX軸方向に所定量移動させる(処理S479E)。そしてまた、上記処理S479A〜S479Cを実施する。
以上のように、制御部630は、治具駆動部300Aを制御して偏光変換素子214を保持する第1位置決め治具310のX軸移動部313を移動させ、偏光変換素子214をX軸方向に所定量移動させて、所定の領域703における輝度値を取得するという操作を所定回数繰り返し実施させる。
このような操作により、図40に示すように、偏光変換素子214のX軸方向位置と輝度値との関係を取得できる。
一方、処理S479Dにおいて、「Yes」と判定した場合には、すなわち、上記操作が所定回数実施されると、制御部630の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された偏光変換素子214のX軸方向位置に対応した輝度値を読み出し、偏光変換素子214のX軸方向位置に対して、輝度値のピーク位置を算出する(処理S479F)。すなわち、この算出されたピーク位置が、第1レンズアレイ212および第2レンズアレイ213に対する偏光変換素子214の最適位置となる。
処理S479Fの後、演算処理部632Eは、偏光変換素子214を保持する第1位置決め治具310のX軸移動部313の現在のX軸方向位置と、算出したピーク位置との偏差を算出する(処理S479G)。そして、この偏差をメモリ634に格納する。すなわち、算出した偏差が、偏光変換素子214の位置調整量に相当する。
処理S479Gの後、駆動制御部633は、メモリ634に格納された偏差に基づいて、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、偏光変換素子214を保持する第1位置決め治具310のX軸移動部313を移動させ、偏光変換素子214を最適位置に移動させる(処理S479H)。
以上の処理S470を実施することで、照明領域702における照度分布が均一化される。
(ii)重畳レンズの位置調整
処理S470において、第2レンズアレイ213および偏光変換素子214の位置調整を実施した後、制御装置600は、G色光用CCD423G(図26、図27)にて撮像された光学像に基づいて、重畳レンズ215の位置調整を実施する(処理S480)。具体的には、図41に示すフローチャートにしたがって実施する。
先ず、制御装置600の駆動制御部633は、所定の制御信号を治具駆動部300Aに出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、重畳レンズ215を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、重畳レンズ215をX方向に所定量XG1(図42(A)参照)だけ移動させる(処理S481)。
そして、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のG色光用CCD423Gから出力されるG信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S482)。
図42は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S481において、重畳レンズ215をX方向に所定量XG1だけ移動させた結果、図42(A)の1点鎖線に示すように、照明領域702Gが移動し、該照明領域702Gの右側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
次に、制御装置600の制御部630は、上述した処理S472〜S475と略同様の工程で、照明領域702Gの右側端部における境界点を取得する(処理S483)。そして、取得した境界点をメモリ634に格納する。
処理S483の後、制御装置600の演算処理部632Eは、メモリ634に格納され、処理S483にて取得された境界点と、予め設定された設計上の最適な境界位置との偏差XG2を算出する(処理S484)。なお、処理S477において、第2レンズアレイ213が位置調整されているので、図42(A)の実線および破線で示す照明領域702Gにおける左側端部の境界点は、予め設定された設計上の最適な境界位置に位置している。
処理S484の後、演算処理部632Eは、処理S481における重畳レンズ215の移動量XG1、および処理S484における偏差XG2に基づいて、図42(A)に示すように、照明領域702GのX方向の幅寸法XGを算出する。また、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された画像形成領域701における左側端部および右側端部における各境界点を読み出し、これら境界点の偏差XA(図42(A))を算出する。この偏差XAは、画像形成領域701のX方向の幅寸法に相当する。そして、演算処理部632Eは、算出した照明領域702Gの幅寸法XG、および画像形成領域701の幅寸法XAに基づいて、照明領域702GのX方向の照明マージンAX(図42(B))を算出する(処理S485)。具体的に、演算処理部632Eは、照明領域702Gの幅寸法XGから画像形成領域701の幅寸法XAを減算し、減算した値を2で割ることで照明マージンAX(図42(B))を算出する。すなわち、照明領域702Gの左右の照明マージンを同一にしている。
処理S485において、照明マージンAXを算出した後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Gの右側端部における境界点、および画像形成領域701の右側端部における境界点を読み出す。また、演算処理部632Eは、読み出した各境界点間の偏差XG3(図42(A))を算出し、この算出した偏差XG3と、処理S485において算出した照明マージンAXとに基づいて、重畳レンズ215のX方向の位置調整量を算出する(処理S486)。そして、演算処理部632Eは、この算出したX方向の位置調整量をメモリ634に格納する。
制御装置600の駆動制御部633は、メモリ634に格納された重畳レンズ215のX方向の位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量に応じた制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、図示しないパルスモータを駆動させ、重畳レンズ215を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、重畳レンズ215をX方向に演算処理部632Eにて算出した位置調整量だけ移動させる(処理S487)。この状態では、図42(B)に示すように、照明領域702Gの左右の照明マージンAXが互いに等しくなる。
以上のように、重畳レンズ215におけるX方向の位置調整を実施した後、重畳レンズ215におけるY方向の位置調整を実施する(処理S488)。
この重畳レンズ215におけるY方向の位置調整は、上述したX方向の位置調整における手順(処理S481〜S487)と略同様に実施できる。
具体的に、図42(C),(D)を参照すると、上述した処理S481と同様に、照明領域702Gの下側端部が画像形成領域701の内側に入るように重畳レンズ215をY方向に所定量YG1だけ移動させる。
また、上述した処理S482〜S484と同様に、照明領域702Gの下側端部における境界点を取得し、この取得した境界点と、予め設定された設計上の最適な境界位置との偏差YG2を算出する。
さらに、上述した処理S485と同様に、重畳レンズ215の移動量YG1、および偏差YG2に基づいて、照明領域702GのY方向の幅寸法YGを算出するとともに、画像形成領域701における下側端部および上側端部における各境界点から画像形成領域701のY方向の幅寸法YAを算出する。そして、算出した照明領域702Gの幅寸法YG、および画像形成領域701の幅寸法YAに基づいて、照明領域702GのY方向の照明マージンAYを算出する。
さらにまた、上述した処理S486と同様に、照明領域702Gの下側端部における境界点と、画像形成領域701の下側端部における境界点との偏差YG3、および照明マージンAYに基づいて、重畳レンズ215のY方向の位置調整量を算出する。
そして、上述した処理S487と同様に算出したY方向の位置調整量に基づいて、重畳レンズ215をY方向に位置調整する。
この状態では、図42(D)に示すように、照明領域702Gの左右の照明マージンAXが互いに等しくなるとともに、照明領域702Gの上下の照明マージンAYも互いに等しくなる。
(iii)リレーレンズの位置調整
処理S480において、重畳レンズ215の位置調整を実施した後、制御装置600は、B色光用CCD423Bにて撮像された光学像に基づいて、リレーレンズ233の位置調整を実施し、B色光による照明領域を液晶パネル241Bの画像形成領域に対する所定位置に位置付ける(処理S490)。具体的には、図43に示すフローチャートにしたがって実施する。
先ず、制御装置600の駆動制御部633は、所定の制御信号を治具駆動部300Aに出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、リレーレンズ233を保持する第2位置決め治具620のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ233をX方向に所定量XB1(図44(A))だけ移動させる(処理S491)。なお、リレーレンズ233の位置調整に伴って、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、リレーレンズ233を把持する第1位置決め部材253Aも追従するものとする。
そして、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のB色光用CCD423Bから出力されるB信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S492)。
図44は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S491において、リレーレンズ233をX方向に所定量XB1だけ移動させた結果、図44(A)の1点鎖線に示すように、照明領域702Bが移動し、該照明領域702Bの左側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
次に、制御装置600の制御部630は、上述した処理S472〜S475と略同様の工程で、照明領域702Bの左側端部における境界点を取得する(処理S493)。そして、取得した境界点をメモリ634に格納する。
処理S493の後、制御装置600の制御部630は、メモリ634に格納された情報に基づいて、照明領域702Bの両側端部における境界点を取得したか否かを判定する(処理S494)。
処理S494において、「No」と判定されると、すなわち、照明領域702Bにおける一方の端部の境界点のみを取得していると判定した場合には、処理S491に戻り、制御装置600の駆動制御部633は、上述した移動方向と逆方向にリレーレンズ233を保持する第2位置決め治具620のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ233をX方向に所定量XB2(図44(A))だけ移動させる。
そして、処理S492において、制御部630の画像取込部631は、上述したように、光学像検出装置400にて撮像された画像を取り込む。
リレーレンズ233をX方向に所定量XB2だけ移動させた結果、図44(A)の2点鎖線に示すように、照明領域702Bが移動し、該照明領域702Bの右側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
そしてまた、処理S493において、制御装置600の制御部630は、上述したように、照明領域702Bの右側端部における境界点を取得し、取得した境界点をメモリ634に格納する。
一方、処理S494において、「Yes」と判定された場合、すなわち、照明領域702Bにおける両側端部(左右)の境界点を取得したと判定した場合には、制御装置600の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Bの左側端部における境界点、および右側端部における境界点を読み出し、これら境界点間の偏差XB3を算出する(処理S495)。
処理S495の後、演算処理部632Eは、処理S491におけるリレーレンズ233の移動量XB2、および処理S495において算出された偏差XB3に基づいて、図44(A)に示すように、照明領域702BのX方向の幅寸法XBを算出する。また、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された画像形成領域701における左側端部および右側端部における各境界点を読み出し、これら境界点の偏差XA(図44(A))を算出する。この偏差XAは、画像形成領域701のX方向の幅寸法に相当する。そして、演算処理部632Eは、上述した処理S485と同様に、算出した照明領域702Bの幅寸法XB、および画像形成領域701の幅寸法XAに基づいて、照明領域702BのX方向の照明マージンAX(図44(B))を算出する(処理S496)。
処理S496において、照明マージンAXを算出した後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Bの右側端部における境界点、および画像形成領域701の右側端部における境界点を読み出す。また、演算処理部632Eは、読み出した各境界点間の偏差XB4(図44(A))を算出し、この算出した偏差XB4と、処理S496において算出した照明マージンAXとに基づいて、リレーレンズ233のX方向の位置調整量を算出する(処理S497)。そして、演算処理部632Eは、この算出したX方向の位置調整量をメモリ634に格納する。
処理S497の後、制御装置600の駆動制御部633は、メモリ634に格納されたリレーレンズ233のX方向の位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量に応じた制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、図示しないパルスモータを駆動させ、リレーレンズ233を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ233を演算処理部632Eにて算出した位置調整量だけX方向に移動させる(処理S498)。この状態では、図44(B)に示すように、照明領域702Bの左右の照明マージンAXが互いに等しくなる。
以上のように、リレーレンズ233におけるX方向の位置調整を実施した後、リレーレンズ233におけるY方向の位置調整を実施する(処理S499)。このリレーレンズ233におけるY方向の位置調整は、上述したX方向の位置調整における手順(処理S491〜S498)と略同様に実施できる。
具体的に、図44(C),(D)を参照すると、上述した処理S491〜S494と同様に、照明領域702Bの上側端部が画像形成領域701の内側に入るようにリレーレンズ233をY方向に所定量YB1だけ移動させ、照明領域702Bの上側端部における境界点を取得する。また、照明領域702Bの下側端部が画像形成領域701の内側に入るようにリレーレンズ233をY方向に所定量YB2だけ移動させ、照明領域702Bの下側端部における境界点を取得する。
また、上述した処理S495と同様に、照明領域702Bの上側端部および下側端部における各境界点間の偏差YB3を取得する。
さらに、上述した処理S496と同様に、照明領域702BのY方向の幅寸法YBを算出するとともに、画像形成領域701のY方向の幅寸法YAを算出し、幅寸法YB,YAに基づいて、照明領域702BのY方向の照明マージンAYを算出する。
さらにまた、上述した処理S497と同様に、照明領域702Bの下側端部における境界点と、画像形成領域701の下側端部における境界点との間における偏差YB4、および照明領域702BのY方向の照明マージンAYに基づいて、リレーレンズ233のY方向の位置調整量を算出する。
そして、上述した処理S498と同様に、算出したY方向の位置調整量に基づいて、リレーレンズ233をY方向に位置調整する。
この状態では、図44(D)に示すように、照明領域702Bの左右の照明マージンAXが互いに等しくなるとともに、照明領域702Bの上下の照明マージンAYも互いに等しくなり、上述したG色光用の照明領域702GとB色光用の照明領域702Bとが略一致した状態となる。
(iv)反射ミラーの位置調整
処理S490において、リレーレンズ233の位置調整を実施した後、制御装置600は、R色光用CCD423R(図26、図27)にて撮像された光学像に基づいて、反射ミラー223の位置調整を実施し、R色光による照明領域を液晶パネル241Rの画像形成領域に対する所定位置に位置付ける(処理S500)。
なお、反射ミラー223の位置調整は、制御装置600が反射ミラー223を保持する第1位置決め治具310を駆動制御する点、およびR色光の照明領域702R(図34)に基づいて位置調整を実施する点以外は、リレーレンズ233の位置調整と同様に実施でき、説明を省略する。また、反射ミラー223の位置調整に伴って、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、反射ミラー223に当接する第3位置決め部材253Cも追従するものとする。
(v)入射側偏光板の位置調整
処理S470ないしS500において、重畳レンズ215、リレーレンズ233、および反射ミラー223の位置調整を実施し、G色光、B色光、およびR色光の照明領域を合致させた後、制御装置600は、入射側偏光板242の位置調整を実施する(処理S510)。具体的には、図45に示すフローチャートにしたがって実施する。
なお、ここでは、図示しない所定のパターン発生装置を用いて、液晶パネル241R,241G,241Bに全面遮光領域(暗部,黒色)となるようなパターンを発生させ、光学像検出装置400に全面が黒色の撮像画像700を撮像させる。
先ず、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400から出力されるR,G,B信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S511)。
図46は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
次に、制御装置600の輝度値取得部632Aは、各R,G,B色光における撮像画像700の略中央部分の領域704(図46)内の輝度値を取得する(処理S512)。そして、輝度値取得部632Aは、取得した各R,G,B色光の輝度値をメモリ634に格納する。
処理S512の後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された各R,G,B色光の輝度値を読み出し、それぞれ平均化する。そして、平均化した輝度値を各R,G,Bに対応する入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333の回転角度位置に関連付けてメモリ634に格納する(処理S513)。
制御装置600の制御部630は、メモリ634に格納された輝度値から、上記処理S511〜S513が所定回数実施されたかどうかを判定する(処理S514)。ここで、「No」と判定した場合には、制御部630の駆動制御部633は、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、第2位置決め治具310の回動部333を回動させ、入射側偏光板242を照明光軸を中心として所定角度回転させる(処理S515)。そしてまた、上記処理S511〜S513を実施する。
以上のように、制御部630は、治具駆動部300Aを制御して入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333を回動させ、入射側偏光板242を所定角度回転させて、所定の領域704における輝度値を取得するという操作を所定回数繰り返し実施させる。
このような操作により、図47に示すように、入射側偏光板242の姿勢位置と撮像画像700の輝度値との関係を取得できる。
一方、処理S523において、「Yes」と判定した場合には、すなわち、上記操作が所定回数実施されると、制御部630の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された各R,G,Bに対応する入射側偏光板242の姿勢位置に対応した輝度値を読み出し、各R,G,B毎に入射側偏光板242の姿勢位置に対して、輝度値のピーク位置を算出する(処理S516)。すなわち、この算出されたピーク位置が、液晶パネル241R,241G,241Bおよび射出側偏光板243に対するR,G,B色光用の入射側偏光板242の最適位置となる。
処理S516の後、演算処理部632Eは、各R,G,B色光用の入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333の現在の回転角度位置と、算出した各ピーク位置との偏差を算出する(処理S517)。そして、これら偏差をメモリ634に格納する。すなわち、この算出した偏差が入射側偏光板242の位置調整量に相当する。
処理S517の後、駆動制御部633は、メモリ634に格納された偏差に基づいて、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、各R,G,B色光用の入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333を回動させ、各入射側偏光板242を最適位置に回転させる(処理S518)。
なお、各入射側偏光板242の位置調整において、全ての入射側偏光板242を上記のように略同時に位置調整してもよいし、各偏光板を一つずつ順番に調整してもよい。順番に調整する場合には、その順序は特に限定されない。
以上のように、位置調整を必要とする光学部品213〜215、223,233の位置決めを実施した後、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、光学部品213〜215,223,233を容器状部材25Aに固定する(処理S520)。
具体的に、制御装置600は、光学部品213〜215,223,233の位置決めを実施した後、図示しない紫外線照射装置を駆動する。そして、容器状部材25Aの上方から、第2レンズアレイ213および偏光変換素子214のそれぞれの外周部分と、部品収納部251の各支持部251B,251F(図16、図17)との間に充填された紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化する。また、容器状部材25Aの側方から第1位置決め部材253Aに向けて紫外線を照射する。照射された紫外線は、第1位置決め部材253Aを透過し、該第1位置決め部材253Aの図示しない溝部と重畳レンズ215、リレーレンズ233の各外周部分との間、および第1位置決め部材253Aの外周と孔251Aとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。さらに、容器状部材25Aの側方から第3位置決め部材253Cに向けて紫外線を照射する。照射された紫外線は、板体253C1(図15)を透過するとともに、図示しないピンも透過し、該ピンの外周と孔251Cとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化し、さらに、該ピンの先端と反射ミラー223の反射面の裏面との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。
そして、容器状部材25Aの部品収納部251に全ての光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242およびプリズムユニットが位置決め固定された後、蓋状部材25Bを容器状部材25Aにねじ等により接続することで(処理S50)、光学ユニット2が製造される。
(2−6)第2の実施の形態の効果
上述した第2の実施の形態によれば、以下のような効果がある。
(2−6−1)光学系21,22,23のうち、光源装置211を除く一部の光学部品212〜214,221,222,224,231,242は、光学部品位置決め治具300により光源装置211から射出される光束の照明光軸上の所定位置に位置決めされた状態で、容器状部材25Aの内側面に形成された各支持部251I,251B,251Fに固着される。このため、一部の光学部品212〜214,221,222,224,231,242用の各支持部251I,251B,251Fにそれほど高い製造精度は要求されない。また、他の光学部品215,223,232〜234は、光学部品位置決め治具300により光源装置211から射出される光束の照明光軸上の所定位置に位置決めされた状態で、容器状部材25Aの外部から孔251A,251Cを介して内部に挿通される第1位置決め部材253Aおよび第3位置決め部材253Cにて容器状部材25A内の所定位置に位置決め固定される。したがって、従来のように、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする光学部品用筐体と比較して、光学部品用筐体25を容易に製造できるとともに、製造コストを低減できる。
(2−6−2)容器状部材25Aおよび蓋状部材25Bは、アルミニウムから構成されているので、光学系21,22,23や電気光学装置24で発生する熱を光学部品用筐体25へと放熱させることができ、光学部品の冷却効率を向上できる。また、光学部品用筐体25の強度を維持できる。
(2−6−3)一部の光学部品212〜214,221,222,224,231,242が各支持部251I,251B,251Fに直接固着され、他の光学部品215,223,232〜234が第1位置決め部材253Aおよび第3位置決め部材2513にて容器状部材25A内に位置決め固定されるので、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を保持する保持枠等の部材を省略でき、光学ユニット2を製造するにあたって、光学ユニット2の製造コストを低減できる。
(2−6−4)比較的高い位置決め精度を必要とする光学部品215,223のみに第1位置決め部材253Aを使用しているので、第1位置決め部材253Aを必要最低限の個数で構成でき、部材の省略から光学部品用筐体25の軽量化および製造コストの低減を図れる。また、光学ユニット2を製造するにあたって、第1位置決め部材253Aの設置工数を低減でき、光学ユニット2を迅速に製造できるとともに光学ユニット2の製造コストの低減を図れる。
(2−6−5)また、第1位置決め部材253Aの一方の端面には溝部253A1が形成され、この溝部253A1が光学部品215,233の外周端部を把持するように当接するので、第1位置決め部材253Aによる光学部品215,233の位置決めを容易に、かつ正確に実施できる。さらに、このような第1位置決め部材253Aにより、光学部品用筐体25に対して光学部品215,233を位置ずれなく良好に固定しておくことができる。
(2−6−6)さらに、第3位置決め部材253Cにより、反射ミラー223,232,234が容器状部材25Aに対して固定されるので、光学部品用筐体25に対する反射ミラー223,232,234の固定状態も良好に維持することができる。また、反射ミラー223,232,234を交換等する際でも、4つのピンが板体253C1により一体化されているので、4つのピンを一つずつ取り外す煩雑な作業をすることなく、板体253C1により4つのピンを一括して取り外すことができ、反射ミラー223,232,234のリワーク性を向上できる。
(2−7)第2の実施の形態の変形
本実施の形態では、光学部品用筐体25は、容器状部材25Aおよび蓋状部材25Bを有し、容器状部材25Aの底面に、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする複数の孔251Dが形成されていたが、これに限らない。光学部品用筐体25としては、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする開口を少なくとも1つ有する構成であればよく、その開口は、容器状部材25Aの側面や、蓋状部材25Bに設けられていてもよい。また、光学部品用筐体25は、容器状部材25Aと蓋状部材25Bを一体化した中空状の構成であってもよい。この場合は、天面または底面に、光学部品位置決め治具300の一部、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242、およびプリズムユニットを挿通可能とする複数の孔を形成すればよい。
本実施の形態では、紫外線硬化型接着剤を用いて光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を固定していたが、これに限らず、熱硬化型接着剤を用いてもよい。また、接着剤は、紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤に限らない。位置調整が必要な光学部品213〜215,223,233,242の固定に用いられる接着剤は、光学部品213〜215,223,233,242の位置調整の工程(処理S450〜S510)において、接着剤の表面張力によって、光学部品213〜215,223,233,242と、位置決め部材253A,253Cとが移動できるようなものであればよい。位置調整が不要な光学部品212,221,222,224,231,232,234の固定に用いられる接着剤は、これらの位置決め固定の際、接着剤が乾燥しないようなものであればよい。
また、本実施の形態では、予め接着剤を塗布した光学部品を治具に設置したり(処理S310,S420,S430)、予め接着剤を塗布した位置決め部材253A,253Cを設置したり(処理S330,S440)していたが、光学部品の位置調整(処理S450〜S510)の直前に接着剤を塗布するようにしてもよい。このようにすれば、接着剤の表面張力や乾燥に対する配慮が不要となる。よって、接着剤の選択の余地が広がり、例えば瞬間接着剤の利用も可能となる。瞬間接着剤を利用すれば、光学部品の固定(処理S340,S520)が接着剤の塗布とともに可能となるので、製造工程を短縮することも可能となる。
(3)第3の実施の形態
前記第1、第2の実施の形態では、光学部品用筐体25を構成する容器状部材25Aおよび蓋状部材25Bは、アルミニウム等の平板を板金加工することにより形成されていたが、これに限らず、射出成型等による成型により形成される合成樹脂製、Mg合金、Al合金等の成型品から構成してもよい。
先に説明した第1、第2の実施の形態のような形状の光学部品用筐体25を成型品によって構成してもよい。しかし、成型の場合は板金加工に比べて形状の自由度が比較的高いため、例えば、以下に説明するような形状も考えられる。
具体的に、図48は、本実施形態に係る合成樹脂製の成型品である光学部品用筐体25を構成する容器状部材25A1を上方側から見た斜視図である。
容器状部材25A1は、第1、第2の実施の形態で説明した容器状部材25Aの構造と略同様であり、同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。図示は省略するが、容器状部材25A1の底面の裏面には、第2の実施の形態で説明した容器状部材25Aの位置決め孔251Gと同様の位置決め孔が形成されているものとする。なお、図示は省略するが、蓋状部材も、第1、第2の実施の形態で説明した蓋状部材25Bの構造と略同様である。
容器状部材25A1には、光学部品212〜214,221,222,224,231,242に対応して支持部251B1,251Iが形成されている。そして、これら支持部251B1,251Iが、第2の実施の形態で説明した支持部251B,251F,251Iと同様に、光学部品と当接し、該光学部品を支持する部材として機能する。なお、光学部品215,223,232〜234は、図示は省略するが、第2の実施の形態で説明した構成と同様に、第1位置決め部材253Aおよび第3位置決め部材253Cにて支持できる。
これら支持部251B1,251Iにおいて、光学部品212〜214,221,222,224,231,242と当接する当接面には、溝部251Mが形成されている。
図49は、支持部251B1に形成された溝部251Mを示す図である。具体的に、図49は、図48の一部を拡大した図である。
この溝部251Mは、支持部251B1の上端部から下端部にかけて貫通するように支持部251B1に形成されている。
図50は、光学部品が支持部251B1に支持されている状態を示す平面図である。なお、図50では、光学部品のうち、第2レンズアレイ213が支持部251B1に支持されている状態を上方から見ている図である。
図51は、この容器状部材25A1に対して、位置調整が不要な光学部品212,221,222,224,231,232,234を位置決め固定する方法を説明するフローチャートである。図51に示した方法では、先ず、図30を用いて説明した処理S310の工程を省き、処理S320と同様の工程でこれらの光学部品に紫外線硬化型接着剤を塗布することなく光学部品位置決め治具300に設置してこれらの光学部品を位置決めする(処理S320’)。そして、紫外線硬化型接着剤を支持部251B1,251Iの上端部側から溝部251Mに注入し、これらの光学部品と支持部251B1,251Iとの間に充填する(処理S310’)。さらに、第3位置決め部材253Cを設置する(処理S330)。最後に、紫外線を照射して、これらの光学部品を容器状部材25A1に対して位置決め固定する(処理S340)。
また、図52は、位置調整を必要とする光学部品213〜215,223,233,242を容器状部材25A1に対して位置決め固定する方法を説明するフローチャートである。図52に示した方法では、先ず、図32を用いて説明した処理S410と同様の工程で、プリズムユニットを位置決め固定し(処理S410)、処理S420の工程を省いて、処理S430と同様の工程でこれらの光学部品に紫外線硬化型接着剤を塗布することなく光学部品位置決め治具300に設置してこれらの光学部品を位置決めする(処理S430’)。そして、紫外線硬化型接着剤を支持部251B1の上端部側から溝部251Mに注入し、これらの光学部品と支持部251B1との間に充填する(処理S420’)。さらに、第1位置決め部材253A、第3位置決め部材253Cを設置する(処理S440)。その後、図52では一部省略しているが、図32を用いて説明した処理S450〜S510と同様の工程で、各光学部品の位置調整を行う。最後に、紫外線を照射して、これらの光学部品を容器状部材25A1に対して位置決め固定する(処理S520)。
このような構造の光学部品用筐体を用いることにより、光学部品と支持部251B1との間に接着剤を注入する作業が容易に実施でき、光学部品を位置決めした後、容易にかつ迅速に位置固定を実施できる。また、光学部品に不要に接着剤が付着することを回避できる。さらに、例えば、容器状部材25A1の製造誤差により支持部251B1,251Iと光学部品との間の隙間が狭くなった場合でも、容易に光学部品を容器状部材25A1に対して位置固定できる。
なお、溝部251Mとしては、支持部251B1の上端部から下端部にかけて貫通するように形成する構成の他、例えば、図53、図54に示す構成も採用できる。
具体的に、図53では、溝部251M1は、支持部251B1の上端部から下端部近傍にかけて該支持部251B1に形成されている。すなわち、溝部251M1は、支持部251B1の上端部から下端部まで貫通していない。このような構成では、処理S310’,S420’において、接着剤を溝部251M1に注入した際に、容器状部材25A1の下方側から接着剤が漏れることを回避できる。
また、図54では、溝部251M2は、支持部251B1の下端部から上端部近傍にかけて該支持部251B1に形成されている。すなわち、溝部251M2は、支持部251B1の下端部から上端部まで貫通していない。例えば、容器状部材25A1の上端部開口部分が下方に位置するように製造装置100における光学部品用筐体保持部にて容器状部材25A1を保持する構成とした場合、処理S310’,S420’において、接着剤を下端部側から溝部251M2に注入した際に、容器状部材25A1の上端部開口部分から接着剤が漏れることを回避できる。
本実施の形態では、光学部品用筐体25は、容器状部材25A1および蓋状部材を有し、容器状部材25A1の底面に、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする複数の孔251Dが形成されていたが、これに限らない。光学部品用筐体25としては、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする開口を少なくとも1つ有する構成であればよく、その開口は、容器状部材25A1の側面や、蓋状部材に設けられていてもよい。また、光学部品用筐体25は、容器状部材25A1と蓋状部材とを一体化した中空状の構成であってもよい。この場合は、天面または底面に、光学部品位置決め治具300の一部、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242、およびプリズムユニットを挿通可能とする複数の孔を形成すればよい。
本実施の形態では、紫外線硬化型接着剤を用いて光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を固定していたが、これに限らず、熱硬化型接着剤を用いてもよい。また、接着剤は、紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤に限らない。位置調整が必要な光学部品213〜215,223,233,242の固定に用いられる接着剤は、光学部品213〜215,223,233,242の位置調整の工程(処理S450〜S510)において、接着剤の表面張力によって、光学部品213〜215,223,233,242と、位置決め部材253A,253Cとが移動できるようなものであればよい。位置調整が不要な光学部品212,221,222,224,231,232,234の固定に用いられる接着剤は、これらの位置決め固定の際、接着剤が乾燥しないようなものであればよい。
また、本実施の形態では、接着剤を溝部251M,251M1,252M2に注入(処理S310’,S420’)した後、予め接着剤を塗布した位置決め部材253A,253Cを設置して(処理S330,S440)、最後に接着剤を硬化させて(処理S340,S520)、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を位置決め固定していた。また、光学部品の位置調整(処理S450〜S510)は、予め接着剤が塗布された状態で行われていた。しかしながら、光学部品や位置決め部材の設置、光学部品の位置調整を、接着剤を塗布しない状態で行い、光学部品を固定する工程(処理S340、S520)の直前に接着剤を塗布するようにしてもよい。このようにすれば、接着剤の表面張力や乾燥に対する配慮が不要となる。よって、接着剤の選択の余地が広がり、例えば瞬間接着剤の利用も可能となる。瞬間接着剤を利用すれば、光学部品の固定(処理S340,S520)が接着剤の塗布とともに可能となるので、製造工程を短縮することも可能となる。
(4)第4の実施の形態
前記第1、第2の実施の形態では、容器状部材25A内に固定されるすべての光学部品もしくはその一部が位置決め部材253A,253B,253Cによって容器状部材25Aに固定されていたが、これに限らない。例えば、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242の全てを容器状部材25Aに直接、位置固定する構成を採用してもよい。このような構成では、例えば、以下に示すような容器状部材の構造を採用できる。なお、蓋状部材の構造は、第1、第2の実施の形態で説明した蓋状部材25Bの構造と同様のものとする。
図55,56は、本実施形態に係る板金加工により形成した光学部品用筐体を構成する容器状部材25Aを上方側から見た斜視図である。
容器状部材25A2は、上述した容器状部材25Aの構造と略同様であり、同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
容器状部材25A2における光学部品215,221,222,233に対応する側面および支持部251Fには、図55または図56に示すように、側面視略L字状の支持部251B2が、例えば溶接等により固着されている。そして、この支持部251B2が、第2の実施の形態で説明した支持部251B,251F,251Iと同様に、光学部品を支持する部材として機能する。なお、このような構成に限らず、上述した支持部251B,251Fと同様に、容器状部材25A2の側面または底面を切り起こし、この切り起こした側面または底面の一部を支持部251B2として機能させる構成としてもよい。
また、容器状部材25A2における光学部品223,232,234に対応する側面には、第1、第2の実施の形態で説明した孔251Cは形成されず、光学部品223,232,234は、側面に直接固定される。
このような構成とすれば、光学部品用筐体25は、位置決め部材253A,253B,253Cを不要とし、光学部品用筐体25の軽量化を図れ、ひいては光学ユニット2の軽量化を図れる。
また、本実施の形態の光学ユニット2の製造方法は、位置決め部材253A,253Cを設置する工程(図30の処理S330、図32の処理S440)を省くこと以外は、第2の実施の形態と同様である。本実施の形態では、この工程が省かれるので、第2の実施の形態の製造方法に比べて光学ユニット2の製造工程が短縮できるという効果がある。
なお、本実施形態に係る光学部品用筐体25としては、板金加工により形成したものに限らず、第3の実施の形態で説明した光学部品用筐体25と同様に、射出成型等による成型により形成される合成樹脂製、Mg合金、Al合金等の成型品から構成してもよい。この構成としては、例えば、図57、図58に示す構成を採用できる。
図57、図58は、射出成型等による成型品である光学部品用筐体25を構成する容器状部材25A3における光学部品の保持構造を示す図である。具体的に、図57は、レンズ等の保持構造を説明するための図である。図58は、反射ミラーの保持構造を説明するための図である。
図57に示すように、容器状部材25A3には、第2レンズアレイ213に対応する位置に、該第2レンズアレイ213の対向する側端部を支持する支持部251B3が形成されている。なお、図57では、第2レンズアレイ213を支持する支持部251B3を主に図示しているが、その他の光学部品212,214,215,221〜224,231,233,242に対応する位置にも、支持部251B3が形成されているものとする。
支持部251B3は、容器状部材25A3の底面から側面に沿って立設するとともに、第2レンズアレイ213の光束入射側端面および光束射出側端面の双方を挟んで支持するように断面V字状に形成され、断面V字状の内側面にて第2レンズアレイ213の両側端部を支持する。
この支持部251B3において、その内側面には、第2レンズアレイ213の光束入射側および光束射出側に接着剤注入用の溝部251M3が形成されている。そして、第2レンズアレイ213が光学部品位置決め治具300にて位置決めされた状態で、溝部251M3に紫外線硬化型接着剤を注入することで、支持部251B3に対して第2レンズアレイ213が固着される。
また、図58に示すように、容器状部材25A3には、反射ミラー234に対応する側面に、該側面から突出して、その先端部分にて反射ミラー234の裏面を支持する支持部としての突出部251B4が形成されている。なお、図58では、反射ミラー234を支持する突出部251B4を主に図示しているが、その他の光学部品223,232に対応する位置にも、突出部251B4が形成されているものとする。
突出部251B4は、具体的な図示は省略するが、側面から突出するとともに上下方向に延出し、反射ミラー234の左右両端部近傍をそれぞれ支持するように、並列配置されている。
これら突出部251B4において、その先端部分には、接着剤注入用の溝部251M4がそれぞれ形成されている。そして、反射ミラー234が光学部品位置決め治具300にて位置決めされた状態で、溝部251M4に紫外線硬化型接着剤を注入することで、突出部251B4に対して反射ミラー234が固着される。
なお、これら溝部251M3,251M4としては、第3の実施の形態で説明した溝部251Mと同様に上端部から下端部にかけて貫通する構成としてもよく、あるいは、溝部251M1と同様に上端部から下端部近傍にまで形成され、上端部から下端部まで貫通しない構成としてもよい。
さらに、図58に示すように、反射ミラー234に対応する側面には、2つの突出部251B4を平面的に囲うように枠状の孔251Lが形成されている。この孔251Lは、2つの平面視略L字状の孔251L1により、枠状に形成されている。
上述した構成では、光学ユニット2の製造方法は、位置決め部材253A,253Cを設置する工程(図51の処理S330、図52の処理S440)を省くこと以外は、第3の実施の形態と同様である。このような構成では、この工程が省かれるので、第3の実施の形態の製造方法に比べて光学ユニット2の製造工程が短縮できるという効果がある。
また、支持部251B3が断面V字状に形成され、その内側面に第2レンズアレイ213等の光学部品が固着されるので、第2レンズアレイ213等の光学部品を良好に維持でき、支持部251B3により外力の影響を緩和し、位置ずれなく容器状部材25A3に対して光学部品を位置固定できる。
さらに、突出部251B4の先端部分に反射ミラー234等の光学部品が接着固定された状態では、容器状部材25A3の内側面と反射ミラー234等の光学部品の裏面との間に隙間が形成される。このため、反射ミラー234等の光学部品の交換等を実施する際に、例えば、ドライバ等の先端部分を隙間に挿し込むことで、反射ミラー234等の光学部品を容器状部材25A3から容易に取り外すことができ、反射ミラー234等のリワーク性を向上できる。
さらにまた、支持部251B3および突出部251B4には、接着剤注入用の溝部251M3,251M4が形成されているので、光学部品と支持部251B3および突出部251B4との間に接着剤を注入する作業が容易に実施でき、光学部品を位置決めした後、容易にかつ迅速に位置固定を実施できる。また、光学部品に不要に接着剤が付着することを回避できる。さらに、例えば、容器状部材25A3の製造誤差により支持部251B3および突出部251B4と光学部品との間の隙間が狭くなった場合でも、容易に光学部品を容器状部材25A3に対して位置固定できる。
そして、反射ミラー234等の光学部品に対応する側面には枠状の孔251Lが形成されているので、突出部251B4が形成される内側面の一部を容器状部材25A3から折損しやすい構造となる。このため、接着剤により突出部251B4に接着固定された反射ミラー234等の光学部品を容器状部材25A3から取り外した際、接着剤が溝部251M4に付着している場合であっても、突出部251B4が形成される内側面の一部を折損することで、容器状部材25A3に接着剤が残存することがない。したがって、光学部品用筐体25の再資源化を十分に図れる。
本実施の形態では、光学部品用筐体25は、容器状部材25A2,25A3および蓋状部材を有し、容器状部材25A2,25A3の底面に、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする複数の孔251Dが形成されていたが、これに限らない。光学部品用筐体25としては、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする開口を少なくとも1つ有する構成であればよく、その開口は、容器状部材25A2,25A3の側面や、蓋状部材に設けられていてもよい。また、光学部品用筐体25は、容器状部材25A2,25A3と蓋状部材とを一体化した中空状の構成であってもよい。この場合は、天面または底面に、光学部品位置決め治具300の一部、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242、およびプリズムユニットを挿通可能とする複数の孔を形成すればよい。
本実施の形態では、紫外線硬化型接着剤を用いて光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を固定していたが、これに限らず、熱硬化型接着剤を用いてもよい。また、接着剤は、紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤に限らない。位置調整が必要な光学部品213〜215,223,233,242が移動できるようなものであればよい。位置調整が不要な光学部品212,221,222,224,231,232,234の固定に用いられる接着剤は、これらの位置決め固定の際、接着剤が乾燥しないようなものであればよい。
また、本実施の形態では、予め接着剤を塗布した光学部品を治具に設置(処理S310,S420,S430)していた。また、光学部品の位置調整(処理S450〜S510)は、予め接着剤が塗布された状態で行われていた。しかしながら、光学部品の設置、光学部品の位置調整を、接着剤を塗布しない状態で行い、光学部品を固定する工程(処理S340,S520)の直前に接着剤を塗布するようにしてもよい。このようにすれば、接着剤の表面張力や乾燥に対する配慮が不要となる。よって、接着剤の選択の余地が広がり、例えば瞬間接着剤の利用も可能となる。瞬間接着剤を利用すれば、光学部品の固定(処理S340,S520)が接着剤の塗布とともに可能となるので、製造工程を短縮することも可能となる。
(5)第5の実施の形態
前記第2〜第4の実施の形態では、容器状部材25A,25A1,25A2,25A3を製造装置100に設置した後、光学部品の位置決め固定を行っていたが、光学部品の位置決めを行った後、容器状部材25A,25A1,25A2,25A3を設置してもよい。また、容器状部材25A,25A1,25A2,25A3を製造装置100に設置する際、底面ではなく開口面を第2載置台220側にして設置してもよい。
図59は、第5の実施の形態に係る光学ユニット2の製造方法を説明するフローチャート、図60は、図59の処理S20’の状態を示す図である。第5の実施の形態は、光学ユニット2の製造方法が第2の実施の形態と異なるだけで、その他は第2の実施の形態と同様である。
先ず、図60に示すように、第2の実施の形態に係る製造方法と同様、光学部品位置決め治具300を設計上の位置に配置させる(処理S10)。次に、製造装置100の光学部品位置決め治具300を用いて光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242、およびプリズムユニットを、設計上の所定位置に位置決めする(処理S30’,S40’)。処理S30’は、先に図30を用いて説明した処理S310,S320に相当する工程と、プリズムユニットを製造装置100によって位置決めする工程とを含む。また、処理S40’は、先に図32等を用いて説明した処理S420,S430,S450,S460,S470,S480,S490,S500,S510に相当する。この後、図60に示すように、容器状部材25Aの開口面を第2載置台220側にして設置する(処理S20’)。この工程によって、位置決めされた光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242、およびプリズムユニットは、容器状部材25Aの内部に収納される。さらに、光学部品215,223,232,233,234について、先に説明した処理S330,S440と同じように、第1位置決め部材253Aや第3位置決め部材253Cに紫外線硬化型接着剤を塗布して設置する(処理S41)。そして、紫外線硬化型接着剤を硬化させることによって、容器状部材25Aに対して光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を固定する(処理S42)。最後に、先に説明した処理S500と同じように、蓋状部材25Bを取り付ける。
このような製造方法によっても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。また、本実施の形態のように、容器状部材25Aを製造装置100に設置する際、底面ではなく開口面を第2載置台220側にして設置するようにすれば、光学部品位置決め治具300を挿通させるための孔251Dが不要となる。よって、光学部品用筐体の製造コストをさらに低減でき、ひいては光学ユニットの製造コストをさらに低減できる。
また、開口面を第2載置台220側にして設置しない場合であっても、光学部品用筐体25としては、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする開口を少なくとも1つ有する構成であればよく、その開口は、容器状部材25Aの側面や、蓋状部材25Bに設けられていてもよい。また、光学部品用筐体25は、容器状部材25Aと蓋状部材25Bとを一体化した中空状の構成であってもよい。この場合は、天面または底面に、光学部品位置決め治具300の一部、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242、およびプリズムユニットを挿通可能とする複数の孔を形成すればよい。
本実施の形態では、紫外線硬化型接着剤を用いて光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242を固定していたが、これに限らず、熱硬化型接着剤を用いてもよい。また、接着剤は、紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤に限らない。接着剤は、光学部品212〜215,221〜224,231〜234,242の位置決め固定の際、接着剤が乾燥しないようなものであればよい。
また、本実施の形態では、予め接着剤を塗布した光学部品を治具に設置(処理S310,S420,S430)していた。また、光学部品の位置調整(処理S40’)は、予め接着剤が塗布された状態で行われていた。しかしながら、光学部品の設置、光学部品の位置調整を、接着剤を塗布しない状態で行い、光学部品を固定する工程(処理S420)の直前に接着剤を塗布するようにしてもよい。このようにすれば、接着剤の乾燥に対する配慮が不要となる。よって、接着剤の選択の余地が広がり、例えば瞬間接着剤の利用も可能となる。瞬間接着剤を利用すれば、光学部品の固定(処理S420)が接着剤の塗布とともに可能となるので、製造工程を短縮することも可能となる。
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記各実施の形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施の形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施の形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施の形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
以上のように、本発明の光学部品用筐体は、製造コストの低減を図れ、容易に製造できるので、プレゼンテーションやホームシアター等の分野において利用されるプロジェクタに用いられる光学部品用筐体として有用である。
第1の実施の形態に係る光学部品用筐体を備えたプロジェクタの構造を示す斜視図である。 前記実施の形態における光学ユニットの内部構造を模式的に示す平面図である。 前記実施の形態における容器状部材の構造を示す斜視図である。 前記実施の形態におけるレンズ等の保持構造を説明するための図である。 前記実施の形態におけるダイクロイックミラーの保持構造を説明するための図である。 前記実施の形態における反射ミラーの保持構造を説明するための図である。 前記実施の形態におけるリワーク部材の構造を示す断面図である。 前記実施の形態におけるリワーク部材の構造を示す断面図である。 前記実施の形態におけるリワーク部材の構造を示す断面図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態におけるレンズ等の収納配置方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態におけるダイクロイックミラーの収納配置方法を説明するためのフローチャートである。 前記実施の形態における反射ミラーの収納配置方法を説明するフローチャートである。 第2の実施の形態に係る光学部品用筐体を備えたプロジェクタの構造を示す斜視図である。 前記実施の形態における光学ユニットの蓋状部材を取り外した図である。 前記実施の形態における光学系を説明するための図である。 前記実施の形態における容器状部材を上方から見た斜視図である。 前記実施の形態における容器状部材を下方から見た斜視図である。 前記実施の形態に係る光学ユニットの製造装置の概略構成を示す全体斜視図である。 前記実施の形態に係る光学部品位置決め治具の概略構成を示す斜視図である。 前記実施の形態における第1位置決め治具の構造を示す斜視図である。 前記実施の形態における第1ホルダの光学部品の保持構造を示す図である。 前記実施の形態における第2位置決め治具の構造を示す斜視図である。 前記実施の形態における第2ホルダの光学部品の保持構造を示す図である。 前記実施の形態における第3位置決め治具の構造を示す斜視図である。 前記実施の形態における光学像検出装置の構造を示す模式図である。 前記実施の形態における光学像検出装置の変形例を示す図である。 前記実施の形態における制御装置による制御構造を模式的に示したブロック図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における光学部品位置決め治具への光学部品の設置方法を説明するための図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における製造装置に容器状部材および光学部品が設置された状態を示す図である。 前記実施の形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図である。 前記実施の形態における輝度値変化曲線取得部による輝度値変化曲線の取得方法の一例を示す図である。 前記実施の形態における輝度値変化曲線の一部を拡大した図である。 前記実施の形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するための図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図である。 前記実施の形態における光学ユニットの製造方法を説明するための図である。 第3の実施の形態に係る光学部品用筐体の容器状部材を上方側から見た斜視図である。 図48の一部を拡大した図である。 図48の容器状部材に光学部品が支持されている状態を示す図である。 前記実施の形態における位置調整が不要な光学部品を容器状部材に対して位置決め固定する方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における位置調整を必要とする光学部品を容器状部材に対して位置決め固定する方法を説明するフローチャートである。 前記実施の形態における容器状部材の変形例を示す図である。 前記実施の形態における容器状部材の変形例を示す図である。 第4の実施の形態に係る光学部品用筐体の容器状部材を上方側から見た斜視図である。 前記実施の形態における容器状部材を上方側から見た斜視図である。 前記実施の形態におけるレンズ等の保持構造を示す図である。 前記実施の形態における反射ミラーの保持構造を示す図である。 第5の実施の形態に係る光学ユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 図59の処理S20’の状態を示す図である。

Claims (5)

  1. 内部に光源から射出される光束の照明光軸が設定され、この照明光軸上の所定位置に複数の光学部品を収納配置する光学部品用筐体であって、
    当該光学部品用筐体は、前記複数の光学部品を内部に収納する容器状部材と、前記容器状部材の開口部分を閉塞する蓋状部材とを備え、
    前記容器状部材の互いに対向する内側面には、前記複数の光学部品をそれぞれ支持する複数の支持部が形成され、
    前記容器状部材の底面には、前記複数の支持部に対向する位置にそれぞれ孔が形成され、
    前記複数の光学部品は、位置決め治具の一部が前記開口部分または前記孔を介して前記容器状部材内部に挿通され、前記位置決め治具にて前記光源から射出される光束の照明光軸上の所定位置に位置決めされた後、前記複数の光学部品の一方の面と、前記複数の支持部の一方の面とがそれぞれ固着されて前記複数の支持部にそれぞれ支持され
    前記支持部には、前記光学部品が当接する位置に、前記光学部品を固着させる接着剤を注入するための溝部が形成され
    前記溝部は、前記支持部において、前記開口部分および前記孔のいずれか一方に対向する側端部から、前記開口部分および前記孔のいずれか他方に対向する側端部近傍まで平面視略直線状に形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。
  2. 請求項1に記載の光学部品用筐体であって、
    前記複数の支持部のうち少なくともいずれかの支持部は、前記光学部品の両面を挟んで支持するように断面V字状に形成され、
    前記支持部の内側面と、前記光学部品の両面のうち少なくともいずれか一方の面とが固着されていることを特徴とする光学部品用筐体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学部品用筐体であって、
    前記複数の支持部のうち少なくともいずれかの支持部は、当該光学部品用筐体の内側面から突出するように形成され、突出した先端部分にて前記内側面に沿って配置される光学部品を支持し、
    前記支持部の先端部分と、前記光学部品の一方の面とが固着されていることを特徴とする光学部品用筐体。
  4. 請求項3に記載の光学部品用筐体において、
    当該光学部品用筐体は、合成樹脂製の成型品であり、当該光学部品用筐体の内側面には、前記支持部を平面的に囲うように枠状の孔が形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学部品用筐体と、この光学部品用筐体に収納配置され、画像情報に応じて光学像を形成する複数の光学部品と、これら複数の光学部品にて形成された光学像を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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