図5は、本発明の実施形態による液晶プロジェクタなどの投射型表示装置の光学ボックス200A、Bの概略平面図である。より具体的には、図5(A)は、光源から色分離合成光学系までの光軸(一点鎖線)が折り曲げミラー232Aによって偏向している光学ボックス200Aを示している。図5(B)は、光源から色分離合成光学系までの光軸(一点鎖線)が直線状(ストレート)である光学ボックス200Bを示している。
液晶プロジェクタの光学部品は、光学ボックスに位置決め、保持されている。光学ボックスの剛性によって、光学部品の相対的な位置精度はある程度担保されている。本実施例では、光学ボックス200A、Bは、熱硬化性樹脂などにより一体的に成型されているが、複数の保持部が別々に形成されて接着剤やボルトなどの固定手段によって固定されてもよい。
光学ボックスを、光源を保持する第1保持部、照明光学系を保持する第2保持部、光変調素子と色合成光学系を保持する第3保持部から構成した場合を考える。すると、各保持部の重量が異なることからL字状の光学ボックスは捩れ易く、ストレート形状の光学ボックスは撓み易くなる。第1保持部と第2保持部が保持する光学部品は、それぞれ、第3保持部が保持する光学部品よりも重い傾向にある。
従来から光学ボックスは投射型表示装置の外装(投射型表示装置の外部から見える筐体)に固定されているため、光学ボックスの変形を外装の剛性、強度を高めることによって防止することも考えられる。しかし、この場合、外装が変形した場合に光学ボックスが変形してしまうという問題が発生するため、光学ボックスの剛性を外装の剛性よりも高くすべきである。本実施例では、外装を熱可塑性樹脂から構成している。
また、光学ボックスにおいて、発熱が起こる部品、液晶パネルやランプ、偏光変換素子等は冷却されるが、高輝度化に伴って冷却効率を高める必要が生じ、冷却風が吹き出す吹き出し口と冷却対象物までの精度が要求される。
図5(A)に示す光学ボックス200Aは、第1保持部210Aと、第2保持部220Aと、第3保持部230Aと、第4保持部240Aと、を有する。本実施形態では、これらの保持部は略矩形の中空部である空間(又は領域)201Aを形成するが、中空部は形成されなくてもよい。もちろん、空間201Aの形状は限定されない。第3保持部230Aと第4保持部240Aは空間201Aに関して互いに反対側に配置されている。本実施例は、第4保持部240Aによって第1保持部210Aと第2保持部220Aを直接接続し、光学ボックス200Aの剛性を従来よりも高め、変形しにくくしている。
第1保持部210Aは、光変調素子(画像表示素子)としての液晶パネルを照明する光を発する光源を保持する。光源は、ランプ、LEDなどを含むが、本実施例では、ランプである。第2保持部220Aは、液晶パネル、色分離合成光学系を保持する。第3保持部230Aは、照明光学系を保持する。第4保持部240Aは、冷却ファン250Aと260Aを保持する。
なお、ファンは、ブロワなど名称が異なる他の送風機(冷却手段)を含む。また、第1保持部〜第4保持部における「保持」は、支持、固定、収納などを含む概念であり、保持される部材(被保持部材)は対応する保持部の内部に設けられていてもよいし、一部または全部が外部に露出していてもよい。
第1保持部210A、第2保持部220A、第3保持部230Aは中空形状であり、天板が取り外し可能に構成されている。光源、照明光学系、色分離合成光学系などは、天板を外して光学ボックスに挿入及び取り外し可能になっているが、光学素子が側方から着脱可能に構成されてもよい。また、本実施例の第4保持部240Aは、中実構造であるが、中空構造であってもよい。また、本実施例では、光学ボックス200Aは単一の樹脂より射出成型または3Dプリントされている。しかしながら、第1保持部210A、第2保持部220A及び第3保持部230Aを同一の樹脂材料から構成し、第4保持部240Aをそれよりも剛性(硬度)が高い樹脂材料から構成してもよい。例えば、金属部材をインサート成型したり、二色成型にしたり、材料にフィラーを加えたりするなどしてもよい。これについては、後述する実施例2において更に説明する。
第1保持部210Aと第2保持部220Aは第3保持部230Aによって結合されており、第3保持部230Aは、第1保持部210Aと第2保持部220Aを接続(固定)する第1接続部として機能する。第1保持部210A、第2保持部220A、第3保持部230Aの形状は特に限定されない。例えば、第1保持部210Aと第2保持部220Aの形状は直方体形状であり、第3保持部230Aは、図5(A)に示すようなL字状であって光軸と垂直な方向の断面形状は矩形形状であってもよい。このとき、第1保持部210Aの第1面に第3保持部230Aの一端が結合され、第2保持部220Aの第1面に第3保持部230Aの他端が結合されている。
第4保持部240Aは、第1保持部210Aと第2保持部220Aを接続(固定)する第2接続部として機能し、外装とは別に設けられている。第4保持部240Aにより、成型時の捩れ、光学ボックス200Aの外装への取付け時の捩れ、発熱による捩れを防止することができる。これにより、高輝度化のために光源出力が増加しても、光源から照射される光が、光変調素子の入射光軸からずれることが抑制され、投射される画像の画質を維持することができる。
即ち、第4保持部240Aが第1保持部210Aと第2保持部220Aを接続(固定)するので、液晶パネルの照明領域の(本来照明すべき領域からの)ずれ量を最小に抑え、照明領域の大きさを最小にし、照明効率を上げることが可能となる。結果的に高輝度かつ静音で、さらに高品位な画像を投射することが可能な液晶プロジェクタを実現することができる。
第4保持部240AはL字状を有し、光軸と垂直な方向の断面形状は矩形形状であってもよい。例えば、第1保持部210Aの第1面に垂直な第2面に第4保持部240Aの一端が結合され、第2保持部220Aの第1面に垂直な第2面に第4保持部240Aの他端が結合されていてもよい。
冷却ファン250Aは、位置決め手段252A、254Aを介して第4保持部240Aの第1保持部210Aに近い端部の近傍に固定されている。位置決め手段252A、254Aは、冷却ファン250Aと第4保持部240Aの位置決めを行う。例えば、位置決め手段252A、254Aは、冷却ファン250Aと第4保持部240Aの一方に設けられた突起部(リブ)と、冷却ファン250Aと第4保持部240Aの他方に設けられた該突起部が挿入される挿入孔と、から構成される。位置決め手段252A、254Aは固定手段を兼ねていてもよい。例えば、冷却ファン250Aと第4保持部240Aに貫通孔を有するフランジ部を設け、貫通孔同士を位置合わせするようにフランジ部を合わせてボルトで固定してもよい。冷却ファン260Aは、位置決め手段262A、264Aを介して第4保持部240Aの第2保持部220Aに近い端部の近傍に固定されている。位置決め手段262A、264Aも位置決め手段252A、254Aと同様の構成をとることができる。
256Aは、冷却ファン250Aからの冷却風257Aを第1保持部210Aに伝えるダクトである。266Aは、冷却ファン260Aからの冷却風267Aを第2保持部220Aに伝えるダクトである。第1保持部210Aはダクト256Aを更に保持し、第2保持部220Aはダクト266Aを更に保持する。
冷却ファンは従来、外装に固定されており、外装は光学ボックスよりも剛性が低かったので、外装の変形の影響を受けて冷却方向が変わるなど冷却効率が低下する可能性があった。また、一般に、冷却ファンの振動は固定される部材の剛性に依存する。
本実施例では、冷却ファン250A、260Aは、外装よりも剛性が高い第4保持部240Aに固定されているので、冷却効率を維持し、振動を抑えることができる。また、冷却ファン250A、260Aと冷却対象である光学部材との距離を短くすることによって、冷却手段の大型化による投射型表示装置の大型化やコストアップを防止すると共に、静音化も図ることができる。
図5(B)に示す光学ボックス200Bは、第1保持部210Bと、第2保持部220Bと、第3保持部230Bと、2つの第4保持部240B1、B2と、を有する。本実施形態では、これらの保持部は2つの略矩形の中空部である空間(又は領域)201B1、B2を形成するが、中空部は形成されなくてもよい。もちろん空間201B1、B2の形状は限定されない。第3保持部230Bと第4保持部240B1は空間201B1に関して反対側に配置されている。第3保持部230Bと第4保持部240B2は空間201B2に関して互いに反対側に配置されている。第1保持部210B、第2保持部220Bおよび第3保持部230Bは縦列状に配置されている。
2つの第4保持部240B1、B2は、第1保持部210B、第2保持部220B、第3保持部230Bの両側に配置される。これにより、冷却ファンの高精度な位置決めと光学ボックスの補強が同時に実施できる。即ち、本実施例は、第4保持部240B1、B2によって第1保持部210Bと第2保持部220Bを直接接続し、光学ボックス200Bの剛性を従来よりも高め、変形しにくくしている。もちろん、本発明は、1つの第4保持部を片側に配置した場合にも適用することができる。
第1保持部210Bは光源ランプを保持する。第2保持部220Bは液晶パネル、色分離合成光学系を保持する。第3保持部230Bは照明光学系を保持する。第4保持部240B1は冷却ファン250Bを保持し、第4保持部240B2は冷却ファン260Bを保持する。保持、ファンの概念は上述した通りである。
第1保持部210B、第2保持部220B、第3保持部230Bは中空形状である。光源、照明光学系、色分離合成光学系などは、天板を外して光学ボックスに挿入及び取り外し可能になっているが、光学素子が側方から着脱可能に構成されてもよい。また、本実施例の第4保持部240B1、B2は、中実構造であるが、中空構造であってもよい。第1保持部210B、第2保持部220B及び第3保持部230Bを同一の樹脂材料から構成し、第4保持部240B1、B2をそれよりも剛性(硬度)が高い樹脂材料から構成してもよい点は上述した通りである。
第1保持部210Bと第2保持部220Bは第3保持部230Bによって結合されており、第2保持部230Bは、第1保持部210Bと第2保持部220Bを接続(固定)する第1接続部として機能する。第1保持部210A、第2保持部220A、第3保持部230Aの形状は特に限定されないが、直方体形状であってもよい。このとき、第1保持部210Bの第1面に第3保持部230Bの一端が結合され、第2保持部220Bの第1面に第3保持部220Bの他端が結合されている。
第4保持部240B1、B2は、それぞれ第1保持部210Bと第2保持部220Bを接続(固定)する第2接続部として機能し、外装とは別に設けられている。第4保持部240B1、B2により、光学ボックス200Bの成型時の捩れ、外装への取付け時の捩れ、発熱による捩れを防止することができる。これにより、高輝度化のために光源出力が増加しても、光源から照射される光が、光変調素子の入射光軸からずれることが抑制され、投射される画像の画質を維持することができる。
即ち、第4保持部240B1、B2が第1保持部210Bと第2保持部220Bを接続(固定)するので、液晶パネルの照明領域の(本来照明すべき領域からの)ずれ量を最小に抑え、照明領域の大きさを最小にし、照明効率を上げることが可能となる。結果的に高輝度で静穏に高品位な画像を投射することが可能な液晶プロジェクタを実現することができる。
第4保持部240B1はU字形状を有し、第4保持部240B2はU字形状を有し、光軸と垂直な方向の断面形状は矩形形状であってもよい。例えば、第1保持部210Bの第1面に垂直な第2面に第4保持部240B1の一端が結合され、第2保持部220Bの第1面に垂直な第2面に第4保持部240B2の他端が結合されている。図5(B)では、第1保持部210Bの第2面と第2保持部220Bの第2面は、重量バランスのために光軸に関して互いに反対側に設けられている。
冷却ファン250Bは、位置決め手段252B、254Bを介して第4保持部240B1の第1保持部210Bに近い端部の近傍に固定されている。冷却ファン260Bは、位置決め手段262B、264Bを介して第4保持部240B2の第2保持部220Bに近い端部の近傍に固定されている。位置決め手段の例については上述したものと同様である。256Bは、冷却ファン250Bからの冷却風257Bを第1保持部210Bに伝えるダクトである。266Bは、冷却ファン260Bからの冷却風267Bを第2保持部220Bに伝えるダクトである。第1保持部210Bはダクト256Bを更に保持し、第2保持部220Bはダクト266Bを更に保持する。
本実施例では、冷却ファン250B、260Bは、外装よりも剛性が高い第4保持部240B1、B2に固定されているので、冷却効率を維持し、振動を抑えることができる。また、冷却ファン250B、260Bと冷却対象である光学部材との距離を短くすることによって、冷却手段の大型化による投射型表示装置の大型化やコストアップを防止すると共に、静音化も図ることができる。
第4保持部は、光源、照明光学系、液晶パネル、色分離合成光学系とは異なる部材を保持してもよいが、何ら部材を保持せずに単に第1保持部と第2保持部を接続するだけでもよい。また、第4保持部が保持する部品は、冷却ファンに限定されない。第4保持部は、位置精度が要求される部材を保持する場合は、その位置決め手段を有してもよい。
図6は、光学ボックス200Cの概略平面図である。光学ボックス200Cは、光学ボックス200Aと、第4保持部240Aが保持する部材において異なる。第2保持部220Aは、液晶パネル、色分離合成光学系を保持するが、図6は、第2保持部220Aが保持する緑(G)の色光用の液晶パネル222Gを示している。液晶パネル222Gには、フレキシブル基板(FPC)226の一端が接続され、FPC226の他端は、液晶パネル222Gを駆動する駆動基板270Aに接続されている。
図6は、第4保持部240Aが、冷却ファン250Aと駆動基板270Aを保持している様子も示している。もちろん、第4保持部240Aは冷却ファン260Aを更に保持してもよい。駆動基板270Aは、位置決め手段272A、274Aを介して、第4保持部240Aに固定されている。
駆動基板270Aは、液晶パネル222Gに対する位置敏感度が高い部材である。FPC226の硬度が高い場合、接続する基板の位置決め精度が低下する。駆動基板270Aが、矢印224に示すように、液晶パネル222Gに対してずれると、液晶パネル222Gの光学系に対するパネル保持部(図示せず)に応力集中が発生する。応力集中により、パネル保持部が弾性変形し、液晶パネル222Gの光軸に対する位置ズレが発生する。結果として、他の色光(BとR)用の液晶パネルとの相対位置ずれが発生し、投影画像が劣化する。よって、駆動基板270Aを精度良く剛性の高い第4保持部240Aに保持することにより、液晶パネル222Gに対して駆動基板270Aの位置ズレを無くし、より画質の良い液晶プロジェクタを実現することができる。
本実施例によれば、第4保持部が第1保持部と第2保持部を一体に連結するので光学ボックスが補強され、光学ボックスの成形時の硬化による歪み、光学ボックスを外装に取り付ける場合の歪み、光源が点灯された時に生じる熱で発生する歪みを抑えることができる。これにより、照明光が液晶パネルの入射光軸に一致する精度が高くなり、照明効率を上げることができる。この結果、本発明は、高輝度で高品質な画像を投射できる投射型表示装置を提供することができる。また、第4保持部に冷却ファンや基板などを位置決め、固定することで、冷却対象物への冷却精度を向上することができる。これにより、冷却対象物である光学部品の寿命を確保しつつ、液晶プロジェクタの静音化を可能にする。なお、本発明は、第4保持部が第3保持部や投射レンズを収納する筐体などの他の保持部材と更に接続されることを除外するものではない。また、光変調素子は、反射型に限定されず透過型であってもよい。また、マイクロミラーを用いた表示パネルを用いた光学系の場合でも同様の効果を得ることが可能である。
照明光学系と色分離合成光学系を構成する光学素子は、光学ボックス内に形成される空間を介して、光学ボックスに対して着脱されてもよい。図7(A)は、かかる光学素子の例として色選択性位相差板228を使用した例を示す平面図であり、図7(B)は、その側面図である。図7は、第2保持部220Aが投射レンズ鏡筒229(の少なくとも一部)を保持している様子も示している。ここでいう色選択性位相差板228は、光源からの光を光変調素子に導くための光学素子の一つ、言い換えれば光源から光変調素子までの光路上に設けられた光学素子の一つである。具体的には、第1の波長の光は偏光方向を維持し、第1の波長の光とは波長が異なる第2の波長の光の偏光方向を変換する光学素子である。
色選択性位相差板228がプラスチック材料で構成される場合、液晶プロジェクタの連続的使用によっては温度、光により樹脂成分が分解し、光の透過率(または明るさ)が低下するおそれがある。このため、色選択性位相差板228を定期的に交換する必要がある。光学ボックスに配置された色選択性位相差板228を取り出す場合、一旦、第2保持部220Aに設けられた第1の開口部300Aを介して色選択性位相差板228を空間201Aに引き出す。その後、外装202に設けられた第2の開口部300Bから色選択性位相差板228を取り出す(図7(B))。
つまり、第1の開口部300Aは色選択性位相差228を第2保持部220Aから取り出すための開口部であり、第2の開口部300Bは色選択性位相差228を投射型表示装置から取り出すための開口部である。なお、第2の開口部300Bは必ずしも必要ではなく、例えば外装202を取り外した状態で第1の開口部300Aを介して色選択性位相差228を投射型表示装置から取り外せる構成であってもよい。さらに、外装202に設けられた第2の開口部300Bを開閉可能なカバー部材を設けてもよい。
これにより、光学ボックスに隣接してインターフェース基板204(映像を入出力するためのコネクタが配置された基板)等が配置された場合であっても容易に色選択性位相差板228が着脱することができる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1の投射型表示装置の分解斜視図である。
同図において、1は光源ランプ、2は光源ランプ1を保持するランプホルダ、3は防爆ガラス、4はガラス押さえである。αは光源ランプ1からの光を入射する照明光学系、βは照明光学系αからの出射光を入射するRGBの3色用の液晶パネルを備えた色分離合成光学系である。5は色分離合成光学系βからの出射光を入射して不図示のスクリーン(被投射面)に画像を投射する投射レンズ鏡筒であり、投射レンズ鏡筒5内には投射光学系が保持されている。6は光源ランプ1、照明光学系α、色分離合成光学系βを保持すると共に投射レンズ鏡筒5が固定される光学ボックスである。
7は光学ボックス6の蓋(天板)、8は電源である、9は電源フィルタである。10は電源8と合体し、光源ランプ1を点灯するためのバラスト電源、11は電源8からの電力により液晶パネルの駆動、及び光源ランプ1の点灯指令を送るための回路基板(制御手段)である。12A、Bは外装キャビネットに設けた吸気口21aから空気を吸い込むことで色分離合成光学系β内の光学素子を冷却するための冷却ファンである。13は冷却ファン12A、Bによる風を色分離合成光学系β内の光学素子に送るためのRGBダクトAである。
14は光源ランプ1に冷却風を吹き付けて冷却するための冷却ファンである。15、16は冷却ファン14を保持しつつ冷却風をランプに送るためのダクトA、Bである。17は外装キャビネットに設けた吸気口21bから空気を吸い込むことで電源8とバラスト電源10に冷却風を吹き付けて冷却する冷却ファンである。18は排気ファンであり、排気ファン18は冷却ファン14による光源ランプ1を通過した後の熱風を排出する。
21は光学ボックス6等を保持する外装キャビネットの外装ケース下部であり、22は外装キャビネットの蓋(外装ケース上部)である。23、24はそれぞれ側板であり、側板24には上述した排気口が形成されている。25は各種信号を取り込むコネクタが搭載されるインターフェース基板、26は側板23の内側に取り付けられたインターフェース補強板である。
28はランプ蓋であり、ランプ蓋28は外装キャビネットの底面に着脱自在に設けられており、不図示のビスにより固定されている。30は吸気口21aの外側に取り付けられる不図示のフィルタを押えるRGB吸気プレートである。
31は色分離合成光学系βを保持するプリズムベースであり、投射レンズ(投射光学系)の取り付け部にはシフト機構が搭載されている。32は、冷却ファン12A、Bからの冷却風を導くためのダクト形状を有するボックスサイドカバーである。33はボックスサイドカバー32と合わせることでダクトを形成するためのRGBダクトBである。34は液晶パネルから出ているFPCが接続され、回路基板11に接続されるRGB基板、35はRGB基板34に電気ノイズが入り込まないようにするためのRGB基板カバーである。
図2(A)は、図1に示す投射型表示装置の光学構成を示す上面図、図2(B)は、その側面図である。71は、液晶パネルの長辺方向の光路、70は、液晶パネルの短辺方向の光路を示している。
光源ランプ1は、連続スペクトルで白色光を発光する発光管41と、発光管41からの光を所定の方向に集光するリフレクタ42を有する。
照明光学系αは、第1〜第4のシリンダアレイ43a〜d、紫外線吸収フィルタ44、偏光変換素子45、フロントコンプレッサ46、全反射ミラー47、カラーフィルタ50、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49を有する。
第1のシリンダアレイ43aは、水平方向(光源ランプ1からの光の進行方向における水平方向)において屈折力を有するレンズアレイで構成される。第2のシリンダアレイ43bは、第1のシリンダアレイ43aの個々のレンズに対応したレンズアレイで構成される。偏光変換素子45は、無偏光光を所定の偏光光に揃える。フロントコンプレッサ46は、垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されている。全反射ミラー47は、光軸を88度変換するための全反射ミラーである。第3のシリンダアレイ43cは、垂直方向(光源ランプ1からの光の進行方向における垂直方向)において屈折力を有するレンズアレイで構成されている。第4のシリンダアレイ43dは、第3のシリンダアレイ43cの個々のレンズに対応したレンズアレイで構成される。カラーフィルタ50は色座標をある値に調整するために特定波長域の色をランプに戻す。リアコンプレッサ49は垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成される。
色分離合成光学系βは、ダイクロイックミラー58、複数の偏光板、複数の偏光ビームスプリッタ(PBS)、複数の液晶パネル、複数の1/4波長板、トリミングフィルタ64A、色選択性位相差板65、ダイクロイックプリズム69を有する。
ダイクロイックミラー58は、青(B)と赤(R)の波長領域の光(色光)を反射し、緑(G)の波長領域の色光を透過する。G用の入射側偏光板59は、透明基板に偏光素子を貼着することによって構成され、P偏光光のみを透過する。第1のPBS60は、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する偏光分離面を有する。R用の液晶パネル(反射型液晶表示素子)61R、G用の液晶パネル61G、B用の液晶パネル61Bは、それぞれ入射した光を反射すると共に入力信号に応じて画像変調する光変調素子である。R用の1/4波長板62R、G用の1/4波長板62G、B用の1/4波長板62Bは、それぞれ、入射光に位相差90度を与え、直線偏光を円偏光に変換する。
トリミングフィルタ64aは、Rの色純度を高めるためにオレンジ光を光源ランプ1に戻し、RB用の入射側偏光板64bは、透明基板に偏光素子を貼着することによって構成され、P偏光のみを透過する。色選択性位相差板65は、R光の偏光方向を90度変換し、B光の偏光方向は変換しない。第2のPBS66は、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離面を有する。B用の出射側偏光板68Bは、B光のS偏光のみを整流する。G用の出射側偏光板68GはS偏光のみを透過させる。ダイクロイックプリズム69は、RB光を透過し、G光を反射する。
ここで、P偏光とS偏光を以下のように定義する。偏光変換素子45は、P偏光をS偏光に変換するが、P偏光とS偏光は偏光変換素子45を基準として述べている。ダイクロイックミラー58に入射する光はPBS60、66基準で考えるのでP偏光光が入射するものとする。偏光変換素子45から射出された光はS偏光だが、同じS偏光光であってダイクロイックミラー58に入射する光をP偏光光として本実施例では定義する。
次に、光学的な作用について説明する。
発光管41から発した光は、そのリフレクタ42により所定の方向に集光される。リフレクタ42は、放物面形状を有し、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸に平行な光束となる。但し、発光管41からの光源は、理想的な点光源ではなく有限の大きさを有しているので、集光する光束には放物面の対称軸に平行でない光の成分も含まれている。これらの光束は、第1のシリンダアレイ43aに入射する。第1のシリンダアレイ43aに入射した光束はそれぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割、集光される(垂直方向に帯状の複数の光束)。その後、紫外線吸収フィルタ44を介して、第2のシリンダアレイ43bを経て、複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)を偏光変換素子45の近傍に形成する。
偏光変換素子45は、偏光分離面と反射面と1/2波長板とからなり、複数の光束は、その列に対応した偏光分離面に入射し、透過するP偏光成分の光と反射するS偏光成分の光に分割される。反射されたS偏光成分の光は反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に出射する。一方、透過したP偏光成分の光は、1/2波長板を透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向が揃った光として出射する。偏光変換された複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)は、偏光変換素子45を出射した後、フロントコンプレッサ46を介して、全反射ミラー47にて88度反射し、第3のシリンダアレイ43cに入射する。第3のシリンダアレイ43cに入射した光束は、それぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割、集光され(水平方向に帯状の複数の光束)、第4のシリンダアレイ43dを経て、複数の光束(水平方向に帯状の複数の光束)となる。その後、光束は、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49に至る。
ここで、フロントコンプレッサ46、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49の光学的作用の関係で、複数の光束は矩形形状の像が重なった形で矩形の均一な照明領域が形成される。この照明領域に後述の液晶パネル61R、61G、61Bを配置する。次に、偏光変換素子45によりS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー58に入射する。なお、ダイクロイックミラー58は、B(430〜495nm)とR(590〜650nm)の光は反射し、G(505〜580nm)の光は透過する。
次に、G光の光路について説明する。
ダイクロイックミラー58を透過したG光は入射側偏光板59に入射する。なお、G光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光(偏光変換素子45基準の場合はS偏光)となっている。そして、G光は、入射側偏光板59から出射した後、第1のPBS60に対してP偏光として入射して偏光分離面で透過して、液晶パネル61Gへと至る。液晶パネル61Gにおいては、G光が画像変調されて反射される。
画像変調されたGの反射光のうちP偏光成分は、再び第1のPBS60の偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたGの反射光のうちS偏光成分は、第1のPBS60の偏光分離面で反射され、投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。このとき、全ての偏光成分をP偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1のPBS60と液晶パネル61Gとの間に設けられた1/4波長板62Gの遅相軸を所定の方向に調整する。これにより、第1のPBS60と液晶パネル61Gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。第1のPBS60から出射したG光は、第3のPBS69に対してS偏光として入射し、ダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面でG光を反射して投射レンズ鏡筒5へと至る。
一方、ダイクロイックミラー58を反射したRとBの光は、トリミングフィルタ64aに入射する。RとBの光はダイクロイックミラー58によって分離された後もP偏光となっている。そしてRとBの光は、トリミングフィルタ64aでオレンジ光をカットされた後、入射側偏光板64bから出射し、色選択性位相差板65に入射する。色選択性位相差板65は、R光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりR光はS偏光として、B光はP偏光として第2のPBS66に入射する。S偏光として第2のPBS66に入射したR光は、第2のPBS66の偏光分離面で反射され、液晶パネル61Rへと至る。また、P偏光として第2のPBS66に入射したB光は、第2のPBS66の偏光分離面を透過して液晶パネル61Bへと至る。
液晶パネル61Rに入射したR光は画像変調されて反射される。画像変調されたRの反射光のうちS偏光成分は、再び第2のPBS66の偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたRの反射光のうちP偏光成分は第2のPBS66の偏光分離面を透過して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
液晶パネル61Bに入射したB光は画像変調されて反射される。画像変調されたBの反射光のうちP偏光成分は、再び第2のPBS66の偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたBの反射光のうちS偏光成分は第2のPBS66の偏光分離面で反射して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。このとき、第2のPBS66と液晶パネル61R,61Bの間に設けられた1/4波長板62R,62Bの遅相軸を調整することにより、Gの場合と同じようにR,Bそれぞれの黒表示の調整を行うことができる。
こうして1つの光束に合成され、第2のPBS66から出射したRとBの投射光のうちB光は、出射側偏光板68Bで検光されてダイクロイックプリズム69に入射する。また、R光はP偏光のまま出射側偏光板68Bをそのまま透過し、ダイクロイックプリズム69に入射する。
なお、出射側偏光板68Bで検光されることにより、Bの投射光は第2のPBS66と液晶パネル61B、1/4波長板62Bを通ることによって生じた無効な成分をカットされた光となる。ダイクロイックプリズム69に入射したRとBの投射光はダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面を透過し、該ダイクロイック膜面にて反射したG光と合成されて投射レンズ鏡筒5に至る。
合成されたRGBの投射光は、投射光学系によって被投射面に拡大投影される。
以上説明した光路は、液晶パネルが白表示の場合であるため、以下に液晶パネルが黒表示の場合での光路を説明する。
まず、G光の光路について説明する。
ダイクロイックミラー58を透過したG光のP偏光光は入射側偏光板59に入射し、その後、第1のPBS60に入射して偏光分離面で透過され、液晶パネル61Gへと至る。しかし、液晶パネル61Gが黒表示のため、G光は画像変調されないまま反射される。従って、液晶パネル61Gで反射された後もG光はP偏光光のままであるため、再び第1のPBS60の偏光分離面で透過し、入射側偏光板59を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
次に、R光とB光の光路について説明する。
ダイクロイックミラー58を反射したR光とB光のP偏光光は、入射側偏光板64bに入射する。そして、R光とB光は、入射側偏光板64bから出射した後、色選択性位相差板65に入射する。色選択性位相差板65は、R光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これにより、R光はS偏光として、B光はP偏光として第2のPBS66に入射する。S偏光として第2のPBS66に入射したR光は、第2のPBS66の偏光分離面で反射され、液晶パネル61Rへと至る。
P偏光として第2のPBS66に入射したB光は、第2のPBS66の偏光分離面を透過して液晶パネル61Bへと至る。液晶パネル61Rは黒表示であるため、液晶パネル61Rに入射したR光は画像変調されないまま反射される。液晶パネル61Rで反射された後もR光はS偏光光のままであるため、再び第1のPBS60の偏光分離面で反射し、入射側偏光板64Bを通過して光源側に戻され、投射光から除去されるため、黒表示となる。
液晶パネル61Bに入射したB光は液晶パネル61Bが黒表示であるため、画像変調されないまま反射される。液晶パネル61Bで反射された後もB光はP偏光光のままであるため、再び第1のPBS60の偏光分離面を透過し、色選択性位相差板65により、P偏光に変換され、入射側偏光板64Bを透過して光源側に戻されて投射光から除去される。パネル短辺方向はPBSの入射角度特性があるため、光線角度が小さく(光学系の明るさを示すFナンバーは大に)設定され、パネル長辺方向は光源ランプ1の光をより多く取り込むため、光線角度は大きく(Fナンバーは小に)なるように設定されている。
図3(A)は、光学ボックス103の構成を示す平面図であり、図3(B)は、その側面図である。
プリズムユニット102とランプユニット104は、光学ボックス103内に配置され、光学ボックス103は外装105の底面に固定される。一般的には、外装105に取り付け用のタップが切られたボスが複数配置されており、光学ボックス103の外周部に設けられたフランジ部103Aとボスをビス等で締結する。図3は、外装105に光学ボックス103が取り付けられた状態を示している。重量物であるランプユニット104は光源ユニットであり、プリズムユニット102は最終的に映像を投影するユニットであるので、光学ボックス103のL字の端部にそれぞれ配置されている。
ランプユニット104とプリズムユニット102の重量によって、光学ボックス103を側面から見ると、L字状の折れ曲がり部には外装105に近い側の底面には引っ張り応力、外装から遠い上面には圧縮応力が発生する傾向にある。この応力はランプユニット104とプリズムユニット102の重量が重ければ重い程大きくなる。この応力により、光学ボックス103の側面側の曲がりが生じる。
外装105を基準に考えると、光学ボックス103内でプリズムユニット102とランプユニット104が他の光学部品と相対的に位置変動することで、光軸ズレが発生する可能性がある。つまり、ランプユニット104から出射された光が通常よりもずれた位置でプリズムユニット102に入射されることになる。
光学ボックス103内で光軸がシフト、傾き方向にずれることで、液晶パネルに到達する照明光の位置ずれが発生する。照明光の位置ずれが発生すると、液晶パネルへの照明光のケラレが発生し、画質が劣化する可能性がある。実際には、画面の一部が暗くなる現象が発生する。光学ボックス103のL字部分の折れ曲がりに対する強度は重要となる。よって、光学ボックス103内で光軸倒れ、シフトが発生しないように、光学ボックス103の強度を増す必要がある。
プリズムユニット102とランプユニット104の重量によって光学ボックス103の中心部にあたるL字の折れ曲がり部分に応力集中が発生するため、その部分の強度を増す必要がある。一般的に補強するためには光学ボックス103の肉厚を増す等の方法があるが、肉厚を増すことによる光学ボックス103の大型化や、製品の肉厚が偏ることで成型時のヒケ等が発生して成型精度が低下する。本実施例においては、保持部材106によってプリズムユニット102とランプユニット104を連結する。これにより、光学ボックス103は略ロの字形状になり、光学ボックス103の中心部分での断面積が増加し、断面二次モーメントの値は大きくなるため、プリズムユニット102とランプユニット104からの荷重負荷に対して変形量を小さくすることができる。
保持部材106にはファン取付け部107A、Bが設けられており、複数のファンが、例えば、ビス等の取付け手段で取付けられている。また、例えば、シロッコファンの吹き出し口が位置決め可能なダクト108A、Bを保持部材106とプリズムユニット102とランプユニット104のつなぎ目に一体で配置することで、ファンの吹き出し口の位置決め精度が向上する。これにより、冷却風の方向精度、冷却効率が向上する。
従来は、冷却ファンは外装105に固定されている。光学ボックス103の重量の変形や外装の変更によって光学ボックス103の位置が変化すると、光学ボックス内の被冷却物と冷却ファンの相対位置が変動し、冷却風の流れが変化してしまう可能性がある。
図4は、実際に冷却対象物を冷却している様子を示す平面図である。ダクト108A、Bから矢印で示す方向に冷却風が流入、流出しており、冷却風は、例えば、ランプのバルブや液晶パネルを冷却する。バルブに直接に拭き付けられた風による冷却条件によって明るさや寿命が著しく変化するため、冷却風の風向の精度が要求される。冷却ファンとバルブの相対位置変動は冷却性能を低下させる要因となる。一方で、液晶パネル61G,61B,61Rに関しても冷却風の風向に対する温度変化の敏感度は高い。シロッコファンの吹き出し口を位置決め可能なダクト108Bを保持部材106とプリズムユニット102のつなぎ目に一体で配置することで、ファンの吹き出し口の精度アップが可能になる。これにより冷却風の冷却対象物に対する風向の精度をより向上することができる。
光学ボックス103において、保持部材106を、プリズムユニット102とランプユニット104と同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。後者の場合、例えば、金属または樹脂材料を材料内にインサートしたインサート成型により、保持部材106を作成してもよい。これにより、光学ボックス103の中心部の剛性は向上し、変形は、同じ材料で保持部材106を構成した場合よりも小さくなる。
金属の部品をインサート成型する方法としては、光学ボックス103の射出成形時にモールド中に金属部品を位置決め挿入し、その後、樹脂を射出することで一体化させる。もしくは、樹脂の2色成型も選択可能である。ユニット102、104よりも強度の高い樹脂で構成される保持部材106を一旦、射出成形し、次に、ユニット102、104を構成する樹脂を射出することで光学ボックス103の強度を向上させることができる。
金属の部品をインサート成型する場合には、金属の部品に対してファンのビス止め部のネジ形状を形成することができる。一般的に樹脂に設けられた穴形状にセルフタップネジでネジ止めした場合よりも金属部材に予め開けられたタップ形状の方がネジの繰り返し締結に対して耐久回数が多くなる。よって、ファンの故障などによりサービスマンがファンを交換することを想定した場合、金属に対して予め開けられたタップ形状の方が都合がよい。
また、保持されたファンは重量が重いため取り付け部の剛性によっては僅かに変形してとりつけられる可能性がある。従って、剛性の高い取りつけ部に保持されることにより、ファンの吹き出し口の位置決め精度はより高くなり冷却効率を高めることができる。
異なる材料で保持部材106を構成する場合、線膨張係数をユニット102、104のそれと同じか近い材料を選定することが重要である。線膨張係数が著しく異なる場合は、液晶プロジェクタが高温下もしくは低温下で使用した場合にユニット102、104と保持部材106の間での伸縮量が異なることとなり、連結部分に応力集中が発生し、光学ボックス全体の反り、変形が発生する可能性がある。これにより、前述した光軸の傾きやずれ量が変化するため、投影像に影響を及ぼす可能性がある。
保持部材106の線膨張係数とユニット102、104の線膨張係数の差がある場合、保持部材106の金属部分に別途設けた冷却ファンの駆動を制御手段により制御することによって両者の変形量が等しくなるように保持部材106の温度を制御してもよい。この際、保持部材106に設けられたシロッコファンの位置決めダクト形状も金属で構成することで、冷却ファンでダクトが冷却される。これにより、ダクト付近の空気が滞留している場合よりもダクト付近の熱を外側から奪う効果が期待できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。