JP4582213B2 - 光学装置およびプロジェクタ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のプロジェクタでは、光学装置は、各色光ごとに設けられる3つの反射型光変調装置である液晶パネルと、三角柱状に形成されて所定の一面に液晶パネルが取り付けられる3つの取付部材(支持部材)と、各液晶パネルによって変調された各色光を合成して画像光を形成する立方体状のクロスダイクロイックプリズムとを備えている。液晶パネルが取り付けられた3つの取付部材および投射レンズは、立方体状のクロスダイクロイックプリズムが有する4つの各側面にそれぞれ近接配置される。
そして、特許文献1に記載のプロジェクタでは、取付部材に対してパネル支持板を介して液晶パネルを取り付ける構成を採用し、取付部材とパネル支持板との間に液晶パネルの位置調整を行うための構造を設けている。すなわち、クロスダイクロイックプリズムに対して固定された取付部材に対して、冶具を用いて液晶パネルを移動させることで液晶パネルの位置調整を行っている。
また、レンズ支持部により色合成光学装置に投射レンズを一体化させることができるので、色合成光学装置に一体化させた投射レンズを介して拡大投射された投射画像を確認しながら反射型光変調装置の位置調整を行うことができ、正確に位置調整を行うことができる。
ここで、係合突起部が例えばピンにより構成され、係合受け部が、前記ピンが遊嵌状態で挿入される孔により構成され、ピンの延長方向に沿って取付部材を動かすことで反射型光変調装置の位置調整を行う場合、反射型光変調装置や反射型偏光板が取り付けられて重量のある取付部材を、ピンにより支持するために、ピンを大型化させなければならず、これに伴って孔も大型化させなければならないので、光学装置が大型化してしまうという問題がある。
これに対し、本発明によれば、係合突起部を係合受け部内に位置付け、係合受け部の延長方向に沿って取付部材を動かすことで反射型光変調装置の位置調整を行うとともに、一対の腕部により取付部材を保持する構成としたので、ピンに比べて小さな腕部によって取付部材を保持することができ、小型化できる。
本発明によれば、取付部材と調整部材との間に隙間が形成されているので、取付部材に冷却風が送られる場合、当該冷却風が前記隙間に入り込むこととなる。そのため、取付部材の調整部材に対向する面に、例えば熱に比較的弱い透過型の偏光板などの光学素子が配置された場合には、前記冷却風により当該光学素子を冷却でき、当該光学素子の熱劣化を抑えることができる。
本発明によれば、挿入用溝は第2方向に対して傾斜しているので、反射型光変調装置のアライメント調整において取付部材や調整部材を第2方向に移動させる際に、係合突起部が挿入用溝を介して係合受け部から外れてしまうことを防止できる。
本発明によれば、前述の光学装置を備えているので、前述と同様の効果を奏することができる。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、本実施形態のプロジェクタ1の構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調してカラー画像(画像光)を形成し、このカラー画像をスクリーン(図示略)上に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、ケース2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4とを備える。
なお、図1において、具体的な図示は省略したが、ケース2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部の各構成部材を冷却する冷却ファン等を備えた冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、およびプロジェクタ1内部の各構成部材を制御する制御装置等が配置されるものとする。
投射レンズ3は、複数のレンズを組み合わせた組レンズとして構成され、光学ユニット4にて形成されたカラー画像をスクリーン上に拡大投射する。
光源装置41は、図1に示すように、光源ランプ411、リフレクタ412、UV−IRフィルタ413等を備える。光源ランプ411から射出された光束は、リフレクタ412によって射出方向が揃えられ、UV−IRフィルタ413を介して照明光学装置42に向けて射出される。なお、UV−IRフィルタ413は、紫外領域および赤外領域の光束を吸収または反射し、その他の光束を透過するものである。
具体的に、照明光学装置42から射出された複数の部分光束は、クロスダイクロイックミラー431に入射し、青色光成分がB光反射ダイクロイックミラー431Aにて反射し、緑色光成分と赤色光成分とがGR光反射ダイクロイックミラー431Bにて反射し、青色光成分と緑色光成分および赤色光成分とに分離される。
また、クロスダイクロイックミラー431にて分離された緑色光および赤色光は、反射ミラー434で反射した後、G光反射ダイクロイックミラー432に入射する。G光反射ダイクロイックミラー432に入射した緑色光および赤色光のうち、緑色光は、G光反射ダイクロイックミラー432によって反射し、光学装置44を構成する後述するワイヤグリッド441Gに入射する。一方、赤色光は、G光反射ダイクロイックミラー432を透過して、光学装置44を構成する後述するワイヤグリッド441Rに入射する。
なお、光学装置44は、3つのワイヤグリッド441、3つの反射型光変調装置442、クロスダイクロイックプリズム443、および3つの偏光板444の他、後述するヘッド体445、取付部材446、および調整部材447を備えるものであり、詳細な構成については後述する。
図2は、光学装置44を上方から見た斜視図、図3は、光学装置44を下方から見た図である。
光学装置44は、3つのワイヤグリッド441、3つの反射型光変調装置442、クロスダイクロイックプリズム443、および3つの偏光板444の他、図2および図3に示すように、支持構造体としてのヘッド体445、3つの取付部材446(各色光側の取付部材を446R,446G,446Bとする)、および3つの調整部材447(各色光側の調整部材を447R,447G,447Bとする)を備える。
係合溝4466は、クロスダイクロイックプリズム443の光束入射側端面4431に直交する第1方向(光束入射側端面4431に入射する光束の中心軸)に沿って形成されている。
挿入用溝4467は、第1方向に直交する第2方向に沿って形成され、係合溝4466に接続されている。この挿入用溝4467は、係合溝4466側から外端側に向かって、光束入射側端面4431から離れる側に僅かに傾斜している。
調整部材447は、クロスダイクロイックプリズム443の光束入射側端面4431に接着により取り付けられ、詳しくは後述するが、取付部材446のクロスダイクロイックプリズム443に対する位置決めを行い、ひいては、取付部材446に取り付けられた反射型光変調装置442のクロスダイクロイックプリズム443に対する位置決めを行う。
本体4471は、矩形に形成され、クロスダイクロイックプリズム443の光束入射側端面4431に紫外線硬化型の接着剤により取り付けられる。この本体4471には、偏光板444を透過した光束をクロスダイクロイックプリズム443に入射させるための開口4471Aが形成されている。
以上のような構成により、係止爪4472Bを挿入用溝4467に合わせた状態で、取付部材446を一対の腕部4472間に差し込むことで、係止爪4472Bが挿入用溝4467を介して係合溝4466内に位置付けられ、調整部材447に対して取付部材446が取り付けられる。
最初にヘッド体445に、投射レンズ3およびクロスダイクロイックプリズム443を固定して一体化する。また、ワイヤグリッド441、反射型光変調装置442、および偏光板444を取付部材446で固定する。次に、クロスダイクロイックプリズム443に、紫外線硬化型の接着剤が塗布された調整部材447と取付部材446とを、取付部材446が調整部材447に取り付けられた状態で、冶具で取付部材446を保持しながら設置する。取付部材446を冶具で保持すればよいので、冶具をヘッド体445と干渉しない位置に配置可能である。その後、フォーカス調整およびアライメント調整を冶具を用いて行う。
以上のような本実施形態のプロジェクタ1によれば、以下の効果を奏することができる。
調整部材447には係止爪4472Bが設けられ、取付部材446には、係止爪4472Bが遊嵌状態で挿入される係合溝4466が設けられているので、取付部材446を動かすことで、反射型光変調装置442の位置調整を行うことができる。従って、取付部材446およびクロスダイクロイックプリズム443周りの余裕のあるスペースに冶具を設置して、反射型光変調装置442の位置調整を行うことができるので、ヘッド体445と反射型光変調装置442との狭い隙間に冶具を挿入する必要があった従来に比べ、容易に反射型光変調装置442の位置調整を行うことができる。なお、反射型光変調装置442の位置調整を行った後に、係合溝4466と係止爪4472Bとを接着固定することで、取付部材446を光束射出側端面に対して固定することができる。
また、レンズ支持部4451Bによりクロスダイクロイックプリズム443に投射レンズ3を一体化させることができるので、クロスダイクロイックプリズム443に一体化させた投射レンズ3を介して拡大投射された投射画像を確認しながら反射型光変調装置442の位置調整を行うことができ、正確に位置調整を行うことができる。
これに対し、本実施形態では、係止爪4472Bを係合溝4466内に位置付け、係合溝4466に沿って取付部材446を動かすことで反射型光変調装置442の位置調整を行うとともに、一対の腕部4472により取付部材446を保持する構成としたので、ピンに比べて小さな腕部によって取付部材446を保持することができ、小型化できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、取付部材446に形成された係合溝4466に、調整部材447の係合爪4472Bを係合させ、取付部材446を係合溝4466に沿って移動させることで、反射型光変調装置442の位置調整を行っていた。しかしながら、調整部材にピンが立設されるとともに、取付部材に前記ピンが遊嵌状態で挿入される孔が形成され、反射型光変調装置の位置調整を、取付部材を前記ピンに挿通し、前記ピンに沿って移動させる事で行ってもよい。反射型光変調装置の位置調整の後は、ピンと孔とを接着等することで、取付部材を調整部材に固定できる。
前記実施形態では、光学素子として、偏光板444を配置していたが、位相差板、光学補償板などの他の光学素子を配置して、取付部材446内部の空間を密閉しても良い。
また、光源装置41を1つのみ用い色分離光学装置43にて3つの色光に分離していたが、色分離光学装置43を省略し、3つの色光をそれぞれ射出する3つの前記固体発光素子を光源装置として構成してもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
Claims (6)
- 複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の反射型光変調装置と、
前記反射型光変調装置に照射される光束および前記反射型光変調装置で変調された光束を偏光分離する複数の反射型偏光板と、
前記複数の反射型光変調装置にて変調され前記複数の反射型偏光板にて偏光分離された光束がそれぞれ入射する複数の光束入射側端面、および光束射出側端面を有し、入射した各光束を合成して画像光を形成し、前記画像光を前記光束射出側端面から射出する色合成光学装置と、
前記光束射出側端面に対向し前記画像光を拡大投射する投射レンズを支持するレンズ支持部を有し、前記投射レンズおよび前記色合成光学装置を一体化する支持構造体と、
前記反射型光変調装置および前記反射型偏光板を支持する複数の取付部材と、
前記取付部材を支持し前記光束入射側端面に固定する複数の調整部材とを備え、
前記取付部材および前記調整部材のいずれか一方には、他方に突出する係合突起部が設けられ、
前記取付部材および前記調整部材のいずれか他方には、前記係合突起部が遊嵌状態で挿入される係合受け部が設けられ、
前記調整部材は、前記光束入射側端面に取り付けられる本体と、前記本体から光束入射側に突出し、前記取付部材を挟持する一対の腕部とを備え、
前記一対の腕部には、他方の前記腕部に向けて突出する前記係合突起部がそれぞれ形成され、
前記取付部材における互いに対向する各側壁部には、前記係合突起部に対応して凹状の前記係合受け部がそれぞれ形成されている
ことを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記複数の反射型光変調装置にて変調され前記複数の反射型偏光板にて偏光分離された光束がそれぞれ入射する複数の光学素子を備え、
前記取付部材は、内部の空間に連通する3つの開口部が形成された中空部材で構成され、
前記3つの開口部は、前記反射型光変調装置、前記反射型偏光板、および前記光学素子にてそれぞれ閉塞されている
ことを特徴とする光学装置。 - 請求項2に記載の光学装置において、
前記取付部材と前記調整部材との間には、隙間が形成されている
ことを特徴とする光学装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
前記取付部材における前記各側壁部には、前記係合受け部に接続し、前記各側壁部に交差する他の側壁部に向けて延びる挿入用溝がそれぞれ形成され、
前記係合突起部は、前記取付部材を前記一対の腕部間に差し込むことで、前記挿入用溝を介して前記係合受け部内に位置付けられる
ことを特徴とする光学装置。 - 請求項4に記載の光学装置において、
前記係合受け部は、前記光束入射側端面に直交する第1方向に沿って延びるように形成され、
前記挿入用溝は、前記第1方向に直交する第2方向に傾斜して延びるように形成されている
ことを特徴とする光学装置。 - 光源装置と、請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学装置と、前記投射レンズとを備えている
ことを特徴とするプロジェクタ。
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