JP2004334159A - 光学装置の製造方法、光学部品位置決め治具、光学装置の製造装置、光学部品用筐体、光学部品、光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光学装置の製造方法、光学部品位置決め治具、光学装置の製造装置、光学部品用筐体、光学部品、光学装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストの低減を図れ、容易に製造できる光学装置の製造方法、光学部品位置決め治具、光学装置の製造装置、光学部品用筐体、光学部品、光学装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】光学ユニットの製造装置100は、複数の光学部品を保持する複数の保持部を有し、複数の光学部品の設計上の所定位置に配置される光学部品位置決め治具300と、光学部品位置決め治具300の一部が光学部品用筐体に形成された開口に挿通可能な状態で光学部品用筐体を保持する光学部品用筐体保持部としての載置台200とを備えている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置の製造方法、光学部品位置決め治具、光学装置の製造装置、光学部品用筐体、光学部品、光学装置、およびプロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を、画像情報に応じて光変調装置で変調して光学像を形成し、該光学像を拡大投写するプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このプロジェクタは、光源から射出された光束を光変調装置の画像形成領域に重畳させるレンズ、光源から射出された光束を3つの色光(R,G,B)に分離するダイクロイックミラー、および光源から射出された光束を光変調装置に導光する反射ミラー等の光学部品と、これら光学部品を光源から射出される光束の照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とで構成される光学装置を備えている。
この光学部品用筐体は、射出成型等の成型により製造される合成樹脂製の成型品であり、内側面には各光学部品と係合する溝が形成されている。
そして、この光学装置を製造する際には、光学部品用筐体の溝に係合するように、各光学部品を上方からスライドさせて収納配置することで実施される。すなわち、光学部品用筐体の内側面に形成された溝が光学部品の外形位置基準となっている。
特開2002−31843号公報
しかしながら、上述した光学装置の製造方法では、光学部品用筐体に対する光学部品の収納配置を容易に実施可能とするが、光学部品用筐体の内側面に形成する溝を高精度に形成する必要がある。このため、光学部品用筐体の成型に用いられる金型を複雑な形状でかつ、高精度に製造する必要があり、光学部品用筐体の製造コストが増加してしまい、ひいては光学装置の製造コストが増加してしまう、という問題がある。
本発明の目的は、製造コストの低減を図れ、容易に製造できる光学装置の製造方法、光学部品位置決め治具、光学装置の製造装置、光学部品用筐体、光学部品、光学装置、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の光学装置の製造方法は、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置の製造方法であって、前記光学部品用筐体は、前記複数の光学部品を収納する容器状の筐体本体と、前記筐体本体の開口部分を閉塞する蓋状部材とを備えて構成され、前記筐体本体の底面には、内部に向けて貫通する複数の孔が形成され、位置決め治具の一部が前記複数の孔に挿通するように前記筐体本体を所定位置に設置する光学部品用筐体設置工程と、前記複数の光学部品を前記筐体本体の開口部分を介して該筐体本体内部に収納し、前記複数の開口部に挿通される前記位置決め治具を用いて前記複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする光学部品位置決め工程と、前記光学部品位置決め工程にて位置決めされた前記複数の光学部品を前記筐体本体に対して位置固定する光学部品位置固定工程とを備えていることを特徴とする。
ここで、光学部品用筐体を構成する筐体本体および蓋状部材としては、例えば、従来と同様に射出成型等の成型により製造される合成樹脂製の成型品としてもよく、また、板金加工により形成してもよい。
本発明では、光学部品用筐体を構成する筐体本体の底面には、内部に向けて貫通する複数の孔が形成されている。そして、光学装置の製造方法としては、光学部品用筐体設置工程にて筐体本体を移動させて該筐体本体の底面に形成された複数の孔に位置決め治具の一部が挿通するように筐体本体を所定位置に設置する。また、光学部品位置決め工程にて複数の光学部品を移動させて筐体本体の開口部分を介して該筐体本体内部に収納し、筐体本体の底面に形成された複数の開口部に挿通される位置決め治具を用いて複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする。そして、光学部品位置決め工程にて筐体本体に対して複数の光学部品を位置固定する。このことにより、光学装置を容易に製造できる。
また、複数の光学部品が位置決め治具により設計上の所定位置に位置決めされるので、光学部品用筐体は、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする合成樹脂製の成型品である従来の光学部品用筐体と比較して、それほど高い精度は要求されない。したがって、光学部品用筐体の製造コストを低減でき、ひいては光学装置の製造コストを低減できる。
さらに、光学部品用筐体設置工程を光学部品位置決め工程の前に実施するので、光学部品位置決め工程の後に光学部品用筐体設置工程を実施する構成に比較して、光学部品用筐体設置工程において、位置決めされた光学部品への光学部品用筐体の干渉により光学部品に位置ずれが生じることを回避できる。
本発明の光学装置の製造方法は、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置の製造方法であって、前記光学部品用筐体は、内部に向けて貫通する少なくとも1つの開口を有し、位置決め治具を用いて前記複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする光学部品位置決め工程と、前記光学部品位置決め工程にて位置決めされた前記複数の光学部品が前記開口を介して内部に収納されるように前記光学部品用筐体を前記複数の光学部品に対する所定位置に設置する光学部品用筐体設置工程と、前記光学部品位置決め工程にて位置決めされた前記複数の光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定する光学部品位置固定工程とを備えていることを特徴とする。
ここで、光学部品用筐体としては、少なくとも1つの開口を有する構成であればよく、例えば、容器状の形状を有する構成、複数の開口を有する中空状の形状を有する構成等を採用できる。
本発明では、光学装置の製造方法としては、光学部品位置決め工程にて位置決め治具を用いて複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする。また、光学部品用筐体設置工程にて光学部品用筐体を移動させて該光学部品用筐体の開口を介して位置決めされた複数の光学部品が内部に挿入するように光学部品用筐体を複数の光学部品に対する所定位置に設置する。そして、光学部品位置決め工程にて筐体本体に対して複数の光学部品を位置固定する。このことにより、光学装置を容易に製造できる。
また、上記同様に、複数の光学部品が位置決め治具により設計上の所定位置に位置決めされるので、光学部品用筐体は、従来の光学部品用筐体と比較して、それほど高い精度は要求されない。さらに、光学部品用筐体は、少なくとも1つの開口を有する構成とすればよい。したがって、光学部品用筐体の製造コストをさらに低減でき、ひいては光学装置の製造コストをさらに低減できる。
本発明の光学装置の製造方法では、前記光学部品位置決め工程は、前記位置決め治具を用いて前記複数の光学部品を設計上の所定位置で支持させる光学部品支持手順と、前記光学部品支持手順にて支持された前記複数の光学部品に対して光束を照射し、前記複数の光学部品を介した光学像を光学像検出装置で検出する光学像検出手順と、前記光学像検出手順にて検出された光学像に基づいて、前記位置決め治具を操作して前記複数の光学部品のうちのいずれかの光学部品を位置調整する光学部品位置調整手順とを備えていることが好ましい。
ここで、光学像検出装置としては、例えば、複数の光学部品を介した光学像を直接、検出する構成としてもよく、また、複数の光学部品を介した光学像をスクリーン上に拡大投写し、このスクリーン上に投影された光学像を検出する構成としてもよい。また、光学像検出装置としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を採用できる。
本発明によれば、光学部品位置決め工程は、光学部品支持手順を備えているので、複数の光学部品を位置決め治具に支持させることで、複数の光学部品を設計上の所定位置に容易に位置付けることができる。また、光学部品位置決め工程は、光学像検出手順を備えているので、光学像検出手順にて検出された光学像から複数の光学部品が設計上の所定位置に位置付けられているか否かを判定できる。さらに、光学部品位置決め工程は、光学部品位置調整手順を備えているので、複数の光学部品が設計上の所定位置に位置付けられていない場合、または、複数の光学部品のうち、位置調整を必要とする光学部品がある場合等に、光学像検出手順にて検出された光学像に基づいて、位置決め治具を操作して光学部品を位置調整できる。したがって、光学部品を高精度に位置決めできる。
本発明の光学装置の製造方法では、前記位置決め治具は、該位置決め治具を駆動する治具駆動部と、この治具駆動部を制御する制御部とにより駆動制御され、前記光学部品位置調整手順は、前記光学像検出手順にて検出された光学像を前記制御部が取り込んで画像信号に変換する画像取込ステップと、前記画像取込ステップにて変換された画像信号から前記制御部が輝度値を取得する輝度値取得ステップと、前記輝度値取得ステップにて取得された輝度値に基づいて前記制御部が前記光学部品の位置調整量を算出する位置調整量算出ステップと、前記位置調整量算出ステップにて算出された位置調整量に基づいて前記制御部が前記治具駆動部を制御して前記位置決め治具を駆動させることで前記光学部品を位置調整する位置調整ステップとを備えていることが好ましい。
ここで、制御部としては、例えば、制御プログラムを読み込んで実行するCPU(Central Processing Unit)、および光学像検出装置から出力された信号を入力し、画像信号に変換するビデオキャプチャボード等を備えたPC(Personal Computer)を採用できる。また、光学部品位置調整手順における各ステップは、制御部に実行させるためのプログラムとしても構成できる。
本発明では、光学部品位置調整手順は、画像取込ステップ、輝度値取得ステップ、位置調整量算出ステップ、および位置調整ステップを備え、制御部による位置決め治具の駆動制御により光学部品の位置調整が実施される。このことにより、光学像検出装置にて検出された光学像を目視にて手動で位置決め治具を操作して光学部品の位置調整を実施する場合と比較して、光学部品をさらに高精度に位置決めできる。
本発明の光学装置の製造方法では、前記光学部品位置調整手順は、前記制御部が前記治具駆動部を制御して前記位置決め治具を駆動させることで前記光学部品を移動させ、前記光学部品を介した光学像の照明領域を移動させる照明領域移動ステップと、前記輝度値取得ステップにて取得した輝度値に基づいて前記制御部が前記照明領域移動ステップにて移動された照明領域の境界点を取得する境界点取得ステップとを備え、前記位置調整量算出ステップは、前記境界点取得ステップにて取得した照明領域の境界点に基づいて前記制御部が前記光学部品の位置調整量を算出することが好ましい。
本発明では、光学部品位置調整手順は、画像取込ステップ、輝度値取得ステップ、位置調整量算出ステップ、および位置調整ステップの他、照明領域移動ステップおよび境界点取得ステップを備える。そして、位置調整量算出ステップでは、境界点取得ステップにて取得した照明領域の境界点に基づいて制御部が光学部品の位置調整量を算出する。このことにより、照明領域の境界位置を取得することで複数の光学部品の相対位置のずれを容易に認識でき、高精度な光学部品の位置決めを可能とする。
本発明の光学装置の製造方法では、前記光学部品用筐体は、前記光学部品と当接する支持部を有し、前記光学部品と前記支持部との間には、光硬化型接着剤または熱硬化型接着剤が充填され、前記光学部品位置固定工程は、前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を硬化させて前記光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定することが好ましい。
ここで、光硬化型接着剤または熱硬化型接着剤は、光学部品位置決め工程の際に、予め塗布しておいてもよく、光学部品位置決め工程および光学部品用筐体設置工程が終了した後に塗布してもよい。
また、支持部としては、光学部品用筐体を構成する側面を採用してもよく、光学部品用筐体を構成する側面とは別体である部材を採用してもよい。
本発明によれば、光学部品位置固定工程では、光学部品と支持部との間に充填された光硬化型接着剤または熱硬化型接着剤を硬化させて光学部品を光学部品用筐体に対して位置固定するので、光学部品を位置決めした後、容易にかつ迅速に位置固定を実施できる。
本発明の光学装置の製造方法では、前記光学部品と当接する前記支持部の当接部には、溝部が形成され、前記光学部品位置固定工程は、前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を前記溝部に注入して前記光学部品と前記支持部との間に前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を充填し、さらに前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を硬化させて前記光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定することが好ましい。
ここで、溝部としては、例えば、支持部の上端部から下端部にかけて貫通するように形成する構成を採用できる。また、溝部としては、上記の構成の他、例えば、支持部の上端部から下端部近傍にかけて形成する構成、支持部の下端部から上端部近傍にかけて形成する構成等、すなわち、支持部の上端部から下端部にかけて貫通しないように形成する構成を採用できる。
本発明では、光学部品位置固定工程では、接着剤を溝部に注入して光学部品と支持部との間に接着剤を充填する。そして、この接着剤を硬化させて光学部品を光学部品用筐体に対して位置固定する。このことにより、光学部品と支持部との間に接着剤を塗布(注入)する作業が容易に実施でき、光学部品を位置決めした後、さらに容易にかつ迅速に位置固定を実施できる。
また、この光学部品位置固定工程により、光学部品に不要に接着剤が付着することを回避できる。
さらに、この光学部品位置固定工程は、例えば光学部品用筐体の製造誤差により支持部と光学部品との間の隙間が狭くなった場合でも、容易に光学部品を光学部品用筐体に対して位置固定できる。
また、本発明の光学装置の製造方法では、前記光学部品用筐体は、前記光学部品が当接される当接部と、該光学部品を前記当接部に固定する固定治具が挿入される治具挿入孔と、この治具挿入孔に形成され、前記固定治具に当接されるかしめ片とを有し、前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具を前記治具挿入孔に挿入して前記かしめ片に当接させ、前記光学部品位置決め工程にて前記当接部に位置決めされた前記光学部品に、該かしめ片を当接させて、前記光学部品用筐体に対して該光学部品をかしめ固定することが好ましい。
ここで、光学部品用筐体は、射出成形等の成形により製造される合成樹脂製の成型品を採用することができる。
本発明では、光学部品は、固定治具および光学部品用筐体に形成されたかしめ片によるかしめ固定によって行うので、かしめ片を光学部品用筐体の成型時に形成することができる。したがって、光学部品を光学部品用筐体に対して位置固定する部品点数を削減することができるとともに、光学装置の製造工程を簡易にし、作業性を向上することができる。また、接着剤を用いないので、光学部品に不要に接着剤が付着することを防ぐようにする必要がなく、光学部品の固定作業を容易に行うことができる。
本発明の光学装置の製造方法では、前記かしめ片は、前記光学部品用筐体の照明光軸に沿って前記治具挿入孔に形成され、前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具が前記かしめ片と当接され、該固定治具が照明光軸に沿って移動して該かしめ片を折り曲げ、該かしめ片が、前記光学部品の前記支持部に当接される面と反対側の面に当接して、該光学部品を該光学部品用筐体に対して位置固定することことが好ましい。
本発明では、光学部品用筐体外部から孔を介して挿通される固定治具がかしめ片を折り曲げ、この折り曲げられたかしめ片と支持部が、光学部品を挟み込んで固定する。これによれば、上述の光学部品位置決め工程において用いられる位置決め治具とは別に設けられた固定治具を、かしめ片が形成された孔に挿入し、かしめ片が光学部品に当接するように固定治具を移動させるだけで、光学部品を光学部品用筐体に位置固定できる。したがって、光学部品の位置固定を簡易化し、かつ、精度良く行うことができる。
本発明の光学装置の製造方法では、前記かしめ片は、前記治具挿入孔に複数形成され、前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具が、それぞれの前記かしめ片を前記光学部品の中心に向かって傾斜させ、傾斜した該かしめ片が該光学部品に当接して、該光学部品を該光学部品収納用筐体に対して位置固定することが好ましい。
ここで、かしめ片により位置固定される光学部品は、該光学部品の側面のうち、かしめ片に対向し、かしめ片が当接される端面に略直交する外周端面は、屈曲または円弧状に形成されたものを採用することができる。
本発明では、かしめ片が、光学部品の中心に向かって傾斜して光学部品を位置固定するので、かしめ片が光学部品の外周端面の形状に合わせて光学部品を押さえつけることとなる。また、かしめ片は、治具挿入孔に複数形成されているので、光学部品に対して複数の方向から、かしめ片による固定が行われる。したがって、光学部品が、固定後に不意に動くことを防ぐことができる。
本発明の光学装置の製造方法では、前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具から発生する熱または超音波により前記かしめ片を前記光学部品に圧着させ、該光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定することが好ましい。
本発明では、固定治具から発生する熱または超音波により、かしめ片を一部溶融させ、この状態のかしめ片を光学部品に当接させることにより、かしめ片を光学部品に圧着させることができる。これにより、支持部およびかしめ片により、光学部品に対して内向きの圧力を加えることができる。したがって、光学部品に対する固定力を向上することができる。
本発明の光学部品位置決め治具は、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置を製造するために、前記光学部品を前記光学部品用筐体内の所定位置に位置決めする光学部品位置決め治具であって、前記複数の光学部品を保持する複数の保持部を備え、前記複数の保持部は、前記複数の光学部品の設計上の所定位置に配置されることを特徴とする。
本発明では、光学部品位置決め治具は、保持部を備え、該保持部が光学部品を保持することで、複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする。このことにより、光学部品用筐体は、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする合成樹脂製の成型品である従来の光学部品用筐体と比較して、それほど高い精度は要求されない。したがって、光学部品用筐体の製造コストを低減でき、ひいては光学装置の製造コストを低減できる。
本発明の光学部品位置決め治具では、前記複数の保持部の少なくともいずれかは、前記光学部品の外周端部と当接し、該光学部品の外形位置基準面となる支持面を有していることが好ましい。
本発明によれば、複数の保持部の少なくともいずれかが光学部品の外形位置基準面となる支持面を有しているので、光学部品の外周を支持面に当接することで、容易に光学部品の位置決めを実施できる。
本発明の光学部品位置決め治具では、前記支持面には、前記光学部品の外周端部を吸着可能とする吸気用孔が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、支持面には、吸気用孔が形成されているので、吸気用孔を介して吸気することで光学部品の外周端部を支持面に確実に当接させることができ、光学部品を高精度に位置決めできる。
また、例えば、光学部品位置決め治具が、光学部品の上方から該光学部品を保持する場合には、吸気用孔を介して吸気することで光学部品を確実に保持できる。
本発明の光学部品位置決め治具では、前記複数の保持部の少なくともいずれかの位置を変更し、該保持部にて保持された光学部品の姿勢を調整する姿勢調整部を備えていることが好ましい。
本発明によれば、光学部品位置決め治具は、姿勢調整部を備えているので、複数の光学部品が設計上の所定位置に位置付けられていない場合、または、複数の光学部品のうち、位置調整を必要とする光学部品がある場合等に、姿勢調整部を操作して光学部品の位置調整を実施できる。
本発明の光学装置の製造装置は、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置を製造する光学装置の製造装置であって、前記光学部品用筐体は、内部に向けて貫通する少なくとも1つの開口を有し、上述した光学部品位置決め治具と、前記光学部品位置決め治具の一部が前記開口に挿通可能な状態で前記光学部品用筐体を保持する光学部品用筐体保持部とを備えていることを特徴とする。
ここで、光学部品用筐体としては、上述したように、少なくとも1つの開口を有する構成であればよく、例えば、容器状の形状を有する構成、複数の開口を有する中空状の形状を有する構成等を採用できる。
本発明によれば、光学装置の製造装置は、上述した光学部品位置決め治具と、光学部品用筐体保持部とを備えているので、上述した光学装置の製造方法または光学部品位置決め治具と略同様の作用・効果を享受できる。
本発明の光学装置の製造装置では、前記光学装置に光束を導入する光束照射装置と、前記光束照射装置から射出され、前記複数の光学部品を介した光学像を検出する光学像検出装置とを備えていることが好ましい。
ここで、光束照射装置としては、光学装置が搭載される光学機器内の光源装置と略同様の構成を採用できる。
また、光学像検出装置としては、上述したように、複数の光学部品を介した光学像を直接、検出する構成、スクリーン上に投影された光学像を検出する構成等を採用できる。また、光学像検出装置としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を採用できる。
本発明では、光学装置の製造装置が、光束照射装置を備えていることにより、例えば光学機器内の光源装置を用いる必要がなくなる。すなわち、光学機器において、光源装置を駆動させための電源およびランプ駆動回路を使用する必要がなく、電源およびランプ駆動回路の駆動時における該電源、ランプ駆動回路、および光源装置を冷却する冷却機構を使用する必要もなくなる。
また、光学像検出装置の検出感度に応じて、光束照射装置の照度を調整することで、光学像検出装置にて適切に光学像を検出できる。
さらに、光学像検出装置として、複数の光学部品を介した光学像を直接、検出する構成とすれば、スクリーン上に投影された光学像を検出する構成に比較して、スクリーンを不要とし、製造装置の小型化を図れる。
本発明の光学装置の製造装置では、前記光学部品位置決め治具は、前記光学部品を位置調整可能に構成され、前記光学部品位置決め治具を駆動する治具駆動部と、前記治具駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記光学像検出装置で検出された画像を取り込んで画像信号に変換する画像取込部と、前記画像取込部から出力された画像信号に基づいて画像の輝度値を取得する輝度値取得部と、前記輝度値取得部にて取得された輝度値に基づいて前記光学部品の位置調整量を算出する演算処理部とを備えていることが好ましい。
ここで、制御部としては、例えば、制御プログラムを読み込んで実行するCPU(Central Processing Unit)等を備えたPC(Personal Computer)を採用できる。また、画像取込部としては、撮像部から出力された信号を入力し、PC用の画像信号に変換するビデオキャプチャボード等を採用できる。
本発明では、画像取込部が光学像検出装置で検出された画像を取り込んで画像信号に変換する。輝度値取得部が画像取込部を介して取り込まれた画像信号から画像の輝度値を取得する。演算処理部が輝度値取得部にて取得された輝度値に基づいて光学部品の位置調整量を算出する。そして、制御部は、演算処理部にて算出された位置調整量に基づいて、光学部品位置決め治具を駆動制御して光学部品の位置調整を実施する。このことにより、光学部品の位置調整を目視にて実施する場合と比較して、目視による調整精度の曖昧さを解消し、光学部品を光学部品用筐体に対して適切に位置決めできる。
本発明の光学装置の製造装置では、前記制御部は、前記治具駆動部を制御して前記光学部品位置決め治具を駆動させることで前記光学部品を移動させて前記光学部品を介した光学像の照明領域を移動し、前記輝度値取得部にて取得された輝度値に基づいて前記照明領域の境界点を取得する境界点取得部を備え、前記演算処理部は、前記境界点取得部にて取得された照明領域の境界点に基づいて前記光学部品の位置調整量を算出することが好ましい。
本発明によれば、制御部は、光学部品位置決め治具を駆動制御することで光学部品を移動させ、光学部品を介した光学像の照明領域を移動させる。そして、光学像検出装置に該照明領域の端部画像を検出させる。この後、境界点取得部は、輝度値取得部にて取得された輝度値に基づいて照明領域の境界点を取得する。そして、演算処理部は、境界点取得部にて取得された照明領域の境界点に基づいて光学部品の位置調整量を算出する。このことにより、照明領域の境界位置を取得することで複数の光学部品の相対位置のずれを容易に認識でき、高精度な光学部品の位置決めを可能とする。
本発明の光学装置の製造装置では、前記光学部品位置決め治具は、前記光学部品を下方から保持可能に構成され、前記光学部品用筐体保持部は、前記光学部品位置決め治具を載置固定するとともに、前記光学部品用筐体を載置する載置面を有していることが好ましい。
本発明では、光学部品位置決め治具は、光学部品を下方から保持可能に構成される。また、光学部品用筐体保持部は、光学部品位置決め治具を載置固定するとともに光学部品用筐体を載置する載置面を有して構成される。このことにより、複数の光学部品および光学部品用筐体を光学部品の製造装置に対して上方から容易に設置でき、光学装置の製造をさらに容易に実施できる。
本発明の光学装置の製造装置では、前記載置面には、前記光学部品用筐体を前記複数の光学部品に対する所定位置に位置決めする位置決め部が形成されていることが好ましい。
本発明では、載置面には、光学部品用筐体を設置する際の位置決め部が形成されている。このことにより、光学部品用筐体を複数の光学部品に対する所定位置に適切に設置でき、光学装置を高精度に製造できる。
本発明の光学部品用筐体は、内部に光源から射出される光束の照明光軸が設定され、この照明光軸上の所定位置に複数の光学部品を収納配置する光学部品用筐体であって、前記複数の光学部品を収納する容器状の筐体本体と、この筐体本体の開口部分を閉塞する蓋状部材とを備え、前記筐体本体の底面には、前記複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする位置決め治具の一部を挿通可能とする複数の孔が形成されていることを特徴とする。
ここで、光学部品用筐体としては、例えば、板金加工により形成してもよく、BMC(Bulk Molding Compound)等により形成してもよい。
本発明では、光学部品用筐体は、筐体本体および蓋状部材を備え、筐体本体の底面には複数の孔が形成されている。このことにより、筐体本体の底面に形成された複数の孔を介して位置決め治具の一部が挿通可能となり、位置決め治具による複数の光学部品の位置決めが実施可能となる。したがって、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする合成樹脂製の成型品である従来の光学部品用筐体と比較して、それほど高い精度は要求されず、光学部品用筐体の製造コストを低減でき、ひいては光学装置の製造コストを低減できる。
本発明の光学部品用筐体では、前記筐体本体は、前記光学部品が当接される当接部と、該光学部品に対応する位置に形成され、該光学部品を前記当接部に固定する固定治具の一部を挿通可能とする治具挿入孔と、前記治具挿入孔に照明光軸に沿って形成され、前記固定治具に当接されるかしめ片とを含んで構成され、前記かしめ片は、該かしめ片に当接する前記固定治具の挿入により、前記位置決め治具により位置決めされた前記光学部品側に傾斜して、該光学部品に当接され、該光学部品をかしめ固定することが好ましい。
ここで、光学部品用筐体は、射出成形等による合成樹脂製の成形品を採用することができる。
本発明では、かしめ片が光学部品用筐体に形成されているので、光学部品を固定する部材を新たに設ける必要がない。ここで、従来では、光学部品用筐体の収納される光学部品のうち、その収納に調整を要しない光学部品については、板ばね等を介して固定していたが、本発明では、そのような部材を設ける必要がない。したがって、部品点数を削減することができる。また、光学部品用筐体への光学部品の固定をかしめ固定にて行うので、樹脂枠を使用して直接接着する場合に比べ、光学部品に接着剤等を塗布する手間や、光学部品に不要な接着剤が付着するのを防いだりする手間を省略することができる。さらに、接着剤が硬化する時間を待つ必要が無いので、光学部品の取付作業時間を短縮することができる。したがって、光学部品用筐体の製造工程および光学装置の製造工程を簡素化することができる。
本発明の光学部品は、上述の光学部品用筐体に収納される光学部品であって、前記光学部品用筐体の照明光軸に沿って延びる一対の側壁と対向する光学部品の外周端面は、中間が外側に凸状に屈曲していることを特徴とする。
本発明では、光学部品用筐体の孔に複数のかしめ片が形成されている場合において、光学部品の屈曲に合わせてかしめ片が光学部品に当接されることにより、固定した光学部品が動くことを防ぐことができる。すなわち、屈曲の無い光学部品をかしめ片によりかしめ固定した場合、光学部品は一方向から押さえられることとなるので、他の方向に光学部品が動く場合がある。しかしながら、本発明では、光学部品の外周端面を凸状に屈曲して形成したことにより、その屈曲点より中心線に近い部位で当接されるかしめ片により光学部品が固定されるので、光学部品の他の方向への動きも抑えることができる。したがって、安定して光学部品を固定することができる。
また、本発明の光学部品は、上述の光学部品用筐体に収納される光学部品であって、前記光学部品用筐体の照明光軸に沿って延びる一対の側壁と対向する光学部品の外周端面は、それぞれ中心の異なる円弧状に形成されていることを特徴とする。
この場合、それぞれの円弧の中心は、異なってさえいればよい。
本発明では、光学部品用筐体の孔に複数のかしめ片が形成されている場合において、かしめ片が、それぞれの円弧状部分の頂点を除いた部分を固定すると、上述の外周端面が凸状に屈曲して形成された光学部品の場合と同様に、光学部品の移動を抑えるだけでなく、光学部品自体の回転も抑えることができる。したがって、光学部品を一層安定して固定することができる。
本発明の光学装置は、上述した光学装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、光学装置は、上述した光学装置の製造方法により製造されるので、上述した光学装置の製造方法と同様の作用・効果を享受できる。
また、複数の光学部品が設計上の所定位置に適切に配置された光学装置となり、光学装置は、良好な光学像を形成できる。
本発明のプロジェクタは、光源と、この光源から射出された光束を画像情報に応じて光学像を形成する上述した光学装置と、この光学装置にて形成された光学像を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学装置の製造方法により製造された光学装置を備えているので、上述した光学装置の製造方法と同様の作用・効果を享受できる。
また、プロジェクタは、容易に製造され、製造コストの低減された光学装置を備えているので、該プロジェクタを製造するにあたって、プロジェクタ自体も容易に製造でき、製造コストの低減を図れる。
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)プロジェクタの構造
図1は、本実施形態に係る光学部品用筐体を備えたプロジェクタ1の構造を示す斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、平面視L字状の光学装置としての光学ユニット2と、この光学ユニット2の一端と接続する投写光学装置としての投写レンズ3とを備えている。
なお、具体的な図示は省略したが、プロジェクタ1は、光学ユニット2および投写レンズ3の他、光学ユニット2に光束を導入する光源装置、外部から供給された電力をプロジェクタ1の構成部材に提供する電源ユニット、光学ユニット2の後述する液晶パネルを駆動制御する制御基板、プロジェクタ1の構成部材に冷却空気を送風する冷却ファンを有する冷却ユニット等を備えて構成される。
光学ユニット2は、図示しない制御基板による制御の下、外部からの画像情報に応じて光学像を形成する。この光学ユニット2は、具体的には後述するが、図1に示すように、容器状に形成された筐体本体としての下ライトガイド25Aおよびこの下ライトガイド25Aの開口部分を閉塞する蓋状部材としての上ライトガイド25Bを有する光学部品用筐体としてのライトガイド25と、このライトガイド25内に収納配置される複数の光学部品とを備えている。
投写レンズ3は、図1に示すように、光学ユニット2の一端とフランジ3Aを介して接続し、光学ユニット2により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投写する。この投写レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、複数のレンズの相対位置を変更可能なレバー3Bを備え、投写像のフォーカス調整、および倍率調整可能に構成されている。
(2)光学ユニット2の構造
(2-1)光学ユニット2の光学系の構成
図2は、光学ユニット2の内部構造を示す斜視図である。具体的に、図2は、図1における光学ユニット2の上ライトガイド25Bを取り外した図である。図3は、光学ユニット2の光学系を説明するための図である。
ライトガイド25内に収納される複数の光学部品は、図2に示すように、インテグレータ照明光学系21と、色分離光学系22と、リレー光学系23と、光変調装置および色合成光学装置を一体化した電気光学装置24とで構成されている。そして、図3に示すように、これら光学部品には、光学ユニット2の平面L字状の他端側に設置される光源装置4から光束が導入される。
光源装置4は、図3に示すように、放射光源としての光源ランプ41、リフレクタ42等で構成される。そして、光源ランプ41から射出された放射状の光束は、リフレクタ42で反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。この光源ランプ41としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等を採用できる。また、リフレクタ42としては、例えば、放物面鏡、楕円面鏡等を採用できる。
インテグレータ照明光学系21は、光源装置4から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系21は、図2または図3に示すように、第1レンズアレイ211、第2レンズアレイ212、偏光変換素子213、および重畳レンズ214を備えて構成される。
第1レンズアレイ211は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源装置4(図3)から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ212は、第1レンズアレイ211と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ212は、重畳レンズ214とともに、第1レンズアレイ211の各小レンズの像を電気光学装置24の後述する液晶パネルの画像形成領域に結像させる機能を有する。
偏光変換素子213は、第2レンズアレイ212からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置24での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子213によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ214によって最終的に電気光学装置24の後述する液晶パネルの画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置4からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子213を用いることにより、光源装置4から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、電気光学装置24における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子213は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系22は、2枚のダイクロイックミラー221,222と、反射ミラー223とを備える。インテグレータ照明光学系21から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー221,222により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系23は、入射側レンズ231と、リレーレンズ233と、反射ミラー232,234とを備えている。このリレー光学系23は、色分離光学系22で分離された色光である青色光を電気光学装置24の後述する液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系22のダイクロイックミラー221では、インテグレータ照明光学系21から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー221によって反射した赤色光は、反射ミラー223で反射し、フィールドレンズ224を通って、赤色用の液晶パネル241R(図3)に到達する。このフィールドレンズ224は、第2レンズアレイ212から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル241G,241B(図3)の光入射側に設けられたフィールドレンズ224も同様である。
また、ダイクロイックミラー221を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー222によって反射し、フィールドレンズ224を通って、緑色光用の液晶パネル241G(図3)に到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー222を透過してリレー光学系23を通り、さらにフィールドレンズ224を通って、青色光用の液晶パネル241B(図3)に到達する。
なお、青色光にリレー光学系23が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ231に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ224に伝えるためである。なお、リレー光学系23には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置24は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この電気光学装置24は,図3に示すように、色分離光学系22で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板242と、各入射側偏光板242の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル241R,241G,241Bおよび射出側偏光板243と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム244とを備える。
液晶パネル241R,241G,241Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。そして、この液晶パネル241R,241G,241Bは、入射側偏光板242を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。なお、この液晶パネル241R,241G,241Bは、該液晶パネル241R,241G,241Bの画像形成領域となる開口を有する図示しない保持枠により収納保持されている。
入射側偏光板242は、色分離光学系22で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
また、射出側偏光板243も、入射側偏光板242と略同様に構成され、液晶パネル241R,241G,241Bから射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板242における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
クロスダイクロイックプリズム244は、射出側偏光板243から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム244には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
このクロスダイクロイックプリズム244は、図示しない台座上に固定され、さらに、液晶パネル241R,241G,241B、および射出側偏光板243とともに、一体的にユニット化されている。また、この台座の下面には、下ライトガイド25Aに対する図示しない位置決め突起が形成されている。
なお、電気光学装置24としては、液晶パネル241R,241G,241B、入射側偏光板242、射出側偏光板243、およびクロスダイクロイックプリズム244の他、入射側偏光板242と射出側偏光板243の間に、液晶パネル241R,241G,241Bで形成された光学像の視野角を補正する視野角補正板を配置する構成を採用してもよい。このような視野角補正板を配置することで、投写画像の視野角が拡大され、かつ投写画像のコントラストが向上する。
(2-2)ライトガイド25の構造
ライトガイド25は、図1または図2に示すように、上述した光学部品21,22,23,24が収納される下ライトガイド25Aと、この下ライトガイド25Aの上面の開口部分を塞ぐ上ライトガイド25Bと、光学部品214,223,232〜234を下ライトガイド25Aの所定位置に固定する支持部としての固定部材25Cとを備える。
図4は、下ライトガイド25Aを上方から見た斜視図である。図5は、下ライトガイド25Aを下方から見た斜視図である。
下ライトガイド25Aは、アルミニウムの平板を板金加工することにより形成されたものであり、図1ないし図5に示すように、光学部品21,22,23,24(図2、図3)が収納される部品収納部251と、投写レンズ3が設置される投写レンズ設置部252とを備える。
部品収納部251は、図4または図5に示すように、絞り加工により容器状に形成されて上方側が開口されている。そして、この部品収納部251の一端側に、投写レンズ設置部252が設けられ、他端側には、光源装置4から射出される光束を導入するための開口251Hが形成されている。
この部品収納部251において、側面には、図4に示すように、光学部品211〜214,221,222,231,233(図2、図3)の位置に応じて、該側面の一部が部品収納部251の内側に切り起こされ、複数の孔251Aが形成されている。この切り起こされた側面の一部は、光学部品212〜214,221,222,231,233の外周を支持する支持部251Bとして機能する。また、側面には、光学部品223,232,234(図2、図3)の位置に応じて、内部に向けて貫通する円形状の複数の孔251Cが形成されている。
この部品収納部251において、底面には、図5に示すように、後述する製造装置を構成する光学部品位置決め治具の一部を挿通可能とする複数の孔251Dと、液晶パネル241R,241G,241B、射出側偏光板243、クロスダイクロイックプリズム244、および図示しない台座が一体化されたユニットを位置決め固定するための位置決め孔251Eとが形成されている。これら複数の孔251Dのうち、位置決め孔251Eの近傍に設けられた孔251Dは、図4に示すように、底面の一部が切り起こされて形成されたものであり、切り起こされた底面の一部は、光学部品221,222,224,231,233,242の外周を支持する支持部251Fとして機能する。また、この部品収納部251において、底面の裏面には、図5に示すように、後述する製造装置の所定位置に下ライトガイド25Aを設置するための4つの位置決め孔251Gが形成されている。
また、この部品収納部251において、図示は省略するが、上端部分には、ねじ溝を有する複数のバーリング孔が形成されている。
投写レンズ設置部252は、図4または図5に示すように、部品収納部251における一端側の側面が前方側に延出するように曲げ加工等により形成されたものであり、フランジ3Aを介して投写レンズ3を左右両側から支持する。この投写レンズ設置部252には、投写レンズ3を固定するためのねじ孔252Aが形成され、該ねじ孔252Aを介して、図示しない固定ねじを投写レンズ3のフランジ3Aに形成された図示しないねじ孔に螺合することで、投写レンズ設置部252に投写レンズ3が設置される。
上ライトガイド25Bは、上述した下ライトガイド25Aと同様に、アルミニウムの平板を板金加工により形成したものであり、下ライトガイド25Aの上端部分と接続する。この上ライトガイド25Bは、図1に示すように、平面視F字状に形成され、下ライトガイド25Aの部品収納部251に収納された電気光学装置24の上方側を開口し、その他の部品収納部251の開口部分を塞ぐ。また、この上ライトガイド25Bには、図示は省略するが、複数の孔が形成され、この孔と下ライトガイド25Aに形成された図示しないバーリング孔とを介してねじ等により下ライトガイド25Aに対して上ライトガイド25Bが固定される。
ここで、上述の下ライトガイド25Aの部品収納部251の内面、および上ライトガイド25Bの下面には、ブラックアルマイト処理が施されている。
固定部材25Cは、図1または図2に示すように、重畳レンズ214、リレーレンズ233を下ライトガイド25Aの所定位置に固定する第1固定部材253と、反射ミラー223,232,234を下ライトガイド25Aの所定位置に固定する第2固定部材254とを備えている。
第1固定部材253は、下ライトガイド25Aの側面に形成された孔251Aに挿通される四角柱状の部材であり、紫外線光を透過する合成樹脂(アクリル材)から構成されている。また、この第1固定部材253において、四角柱状の一方の端面には、図示しない断面略V字状の溝部が形成されている。そして、これら第1固定部材253は、下ライトガイド25Aの側面に形成された孔251Aを介して、図示しない溝部が重畳レンズ214またはリレーレンズ233の外周端部に当接することでこれら光学部品214,233を左右方向から挟持する。この際、第1固定部材253と下ライトガイド25Aの孔251Aとの間、および第1固定部材253の図示しない溝部と光学部品214,233の外周端部との間には、紫外線硬化型接着剤が充填され、該接着剤を硬化させることで光学部品214,233がライトガイド25に対して保持固定される。
第2固定部材254は、紫外線光を透過する合成樹脂(アクリル材)から構成され、矩形枠体254Aと、この矩形枠体254Aの一方の端面の四隅部分から該端面に直交して突出する円柱状の4つのピン(図示省略)とを備えている。そして、この第2固定部材254は、下ライトガイド25Aの側面に形成された孔251Cを介して、図示しないピンが挿通され、該ピンの先端が反射ミラー223,232,234の反射面の裏面に当接する。この際、図示しないピンと反射ミラー223,232,234の反射面の裏面との間、および図示しないピンの外周と孔251Cとの間には、紫外線硬化型接着剤が充填され、該接着剤を硬化させることで反射ミラー223,232,234がライトガイド25に対して保持固定される。
なお、第1固定部材253、および第2固定部材254は、アクリル材の他、紫外線光を透過する他の合成樹脂で構成してもよく、その他、光学ガラス、水晶、サファイア、石英等にて構成してもよい。
(3)光学ユニット2の製造装置の構造
図6は、本実施形態に係る光学ユニット2の製造装置100の概略構成を示す全体斜視図である。以下に、製造装置100の構造を説明する。
製造装置100は、ライトガイド25(図1)に対する所定位置に光学部品21,22,23,24を位置決めして固定する装置である。この製造装置100は、図6に示すように、光学部品用筐体保持部としての載置台200と、光学部品位置決め治具300と、光学像検出装置400と、ここでは図示しない光束照射装置としての調整用光源装置500および制御装置600とを備えている。
(3-1)載置台200の構造
載置台200は、光学ユニット2(図1)、光学部品位置決め治具300、光学像検出装置400、および調整用光源装置500を載置固定する。この載置台200は、図6に示すように、第1載置台210と、第2載置台220と、第3載置台230とを備える。
第1載置台210は、四隅に脚部210Aを有するテーブル状に形成され、載置面としての上面210Bにて光学部品位置決め治具300および第2載置台220を載置固定する。なお、図示は略すが、この第1載置台210の下方には、制御装置600により駆動制御される真空ポンプ、および紫外線照射装置等が設置される。
第2載置台220は、第1載置台210と同様に、四隅に脚部220Aを有するテーブル状に形成され、載置面としての上面220Bにて光学ユニット2の下ライトガイド25Aおよび調整用光源装置500を載置する。この第2載置台220は、複数の開口220Cを有し、該複数の開口220Cに、第1載置台210上に載置固定された光学部品位置決め治具300の一部が挿通された状態で第1載置台210上に載置固定される。
この第2載置台220において、上面220Bには、光学ユニット2の下ライトガイド25Aを所定位置に載置するための位置決め部としての位置決め突起220Dが形成されている。そして、この位置決め突起220Dと、上述した下ライトガイド25Aの底面に形成された位置決め孔251G(図5)とが係合することで下ライトガイド25Aを所定位置に載置する。
また、この第2載置台220において、上面220Bには、調整用光源装置500を所定位置に設置するための矩形枠状の光源装置設置部220Eが形成されている。この光源装置設置部220Eには、付勢部220Fが取り付けられ、この付勢部220Fにより、調整用光源装置500を光源装置設置部220Eに付勢固定する。
第3載置台230は、第2載置台220と接続し、上面にて光学像検出装置400を載置する。この第3載置台230は、一端側が第2載置台220の下面に固定され、他端側が脚部230Aにて支持されている。
(3-2)光学部品位置決め治具300の構造
図7は、本実施形態に係る光学部品位置決め治具300の概略構成を示す斜視図である。
光学部品位置決め治具300は、第1載置台210上において、光学部品21,22,23の設計上の所定位置に設置され、光学部品21,22,23を支持するとともに、光軸を有する光学部品211〜214,223,233の位置調整を実施する。この光学部品位置決め治具300は、類似した構造から、図7に示すように、光学部品211〜213、221〜223,232,234の位置決めを実施する第1位置決め治具310と、光学部品214,224,231,233の位置決めを実施する第2位置決め治具320と、光学部品242の位置決めを実施する第3位置決め治具330とに大別できる。なお、以下では、光源装置4(図3)から射出される光束の照明光軸をZ軸とし、このZ軸に直交する方向をX軸およびY軸とするXYZ直交座標系を用いて光学部品位置決め治具300を説明する。
(3-2-1)第1位置決め治具310の構造
図8は、第1位置決め治具310の構造を示す斜視図である。なお、上述したように、第1レンズアレイ211、第2レンズアレイ212、偏光変換素子213、ダイクロイックミラー221,222、反射ミラー223,232,234の位置決めを実施する第1位置決め治具310は、構造が類似しているため、以下では、第2レンズアレイ212の位置決めを実施する第1位置決め治具310について説明する。第2レンズアレイ212以外の光学部品211,212,221〜223,232,234の位置決めを実施する第1位置決め治具310も略同様の構造を有するものとする。
第1位置決め治具310は、図8に示すように、基部311と、Z軸移動部312と、X軸移動部313と、第1光学部品支持部314とを備えている。
基部311は、平面視略コ字状の形状を有し、平面視略コ字状の端面が第1載置台210上における第2レンズアレイ212に対応する位置に固定される。また、基部311において、平面視コ字状内側には、コ字状端縁に沿ってZ軸移動部312と係合する図示しない係合溝が形成されている。
Z軸移動部312は、基部311のコ字状端縁と直交する略直方体状の形状を有し、基部311に形成された図示しない係合溝と係合し、基部311に対してZ軸方向に移動自在に構成される。また、このZ軸移動部312は、X軸移動部313のレールとしての機能も有する。
X軸移動部313は、基部311のコ字状端縁に沿って延びる平面視T字状の形状を有し、下面には、Z軸移動部312と係合する図示しない係合溝が形成され、Z軸移動部312に対してX軸方向に移動自在に構成される。
第1光学部品支持部314は、X軸移動部313のX軸方向に延びる端面と接続し、該端面からY軸方向に延びるように形成され、第2レンズアレイ212を支持する。この第1光学部品支持部314は、図8に示すように、基部315と、移動部316と、保持部としての第1ホルダ317とを備えている。
基部315は、平面視略コ字状の形状を有し、平面視略コ字状の端面がX軸移動部313のX軸方向に延びる端面に固定されている。また、この基部315において、平面視コ字状内側には、Y軸方向に沿って移動部316と係合する図示しない係合溝が形成されている。
移動部316は、基部315のコ字状内側からY軸方向に延びる平面視T字状の形状を有し、基部315に形成された図示しない係合溝と係合して基部315に対してY軸方向に移動自在でありかつ、Y軸を中心とした回転方向に回動自在に構成される。
すなわち、本発明に係る姿勢調整部は、Z軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316に相当する。
図9は、第1ホルダ317における光学部品の保持構造を示す図である。
第1ホルダ317は、平面視コ字状の形状を有し、平面視コ字状の基端部分が移動部316の+Y軸方向端面に固定され、平面視コ字状の先端部分にて第2レンズアレイ212を支持する。この第1ホルダ317における先端部分には、図9に示すように、第2レンズアレイ212の下面を支持する第1支持面317Aと、第2レンズアレイ212の側面を支持する第2支持面317Bと、第2レンズアレイ212の光束入射端面を支持する第3支持面317Cとが形成されている。そして、これら第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cは、第2レンズアレイ212の外形位置基準面として構成されている。
ここで、第1ホルダ317の内部には、図9に示すように、平面視コ字状の端縁に沿って吸気用孔としての導通孔317Dが形成され、導通孔317Dの一端が3本に分岐して第3支持面317Cに接続し、他端が第1ホルダ317の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、第2レンズアレイ212を第3支持面317Cに吸着可能とする。このように吸着することで第1ホルダ317にて第2レンズアレイ212が保持される。
上述した第1位置決め治具310において、Z軸移動部312、X軸移動部313、移動部316には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、Z軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316が適宜、移動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作によりZ軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316を適宜、移動させてもよい。
(3-2-2)第2位置決め治具320の構造
図10は、第2位置決め治具320の構造を示す斜視図である。なお、上述したように、重畳レンズ214、フィールドレンズ224、入射側レンズ231、およびリレーレンズ233の位置決めを実施する第2位置決め治具320は、構造が類似しているため、以下では、リレーレンズ233の位置決めを実施する第2位置決め治具320について説明する。リレーレンズ233以外の光学部品214,224,231の位置決めを実施する第2位置決め治具も略同様の構造を有するものとする。
第2位置決め治具320は、図10に示すように、上述した第1位置決め治具310の基部311、Z軸移動部312、およびX軸移動部313と略同様の構造を有する基部321、Z軸移動部322、およびX軸移動部323の他、第2光学部品支持部324を備えている。なお、基部321、Z軸移動部322、およびX軸移動部323の構造は、前述の第1位置決め治具310の基部311、Z軸移動部312、およびX軸移動部313と略同様の構造であり、説明を省略する。
第2光学部品支持部324は、X軸移動部323のX軸方向に延びる端面と接続し、該端面からY軸方向に延びるように形成され、リレーレンズ233を支持する。この第2光学部品支持部324は、図10に示すように、基部325と、保持部としての第2ホルダ326とを備えている。
基部325は、平面視略コ字状の形状を有し、平面視略コ字状の端面がX軸移動部323のX軸方向に延びる端面に固定されている。また、基部325において、平面視略コ字状内側には、Y軸方向に沿って第2ホルダ326と係合する図示しない係合溝が形成されている。
第2ホルダ326は、基部325のコ字状内側からY軸方向に延びる略直方体状の形状を有し、先端部分にてリレーレンズ233を保持するとともに、基部325に形成された図示しない係合溝と係合して基部325に対してY軸方向に移動自在に構成される。
すなわち、本発明に係る姿勢調整部は、Z軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326に相当する。
この第2ホルダ326は、図10に示すように、第1支持部材327と、第2支持部材328とを備え、これら第1支持部材327および第2支持部材が一体化して構成されている。
第1支持部材327は、略直方体状の形状を有し、第2支持部材328に対向する端面は、+Y軸方向端部側に向けて厚み寸法が小さくなるテーパ状に形成されている。そして、このテーパ状に形成された部分が、リレーレンズ233の光束射出側端面を支持する第1支持面327Aとして機能する。
第2支持部材328は、略直方体状の形状を有し、第1支持部材327に対向する端面は、+Y軸方向端部側にリレーレンズ233の外周形状に対応する凹部が形成されている。そして、この凹部が、リレーレンズ233の光束入射側端面を支持する第2支持面328Aとして機能する。
図11は、第2ホルダ326における光学部品の保持構造を示す図である。
第2ホルダ326の第2支持部材328の内部には、図11(A)に示すように、Y軸方向に沿って2本の吸気用孔としての導通孔328Bが並行に形成されている。また、この導通孔328Bは、図11(B)に示すように、一端が2本に分岐して第2支持面328Aに接続し、他端が第2支持部材328の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、リレーレンズ233を第2支持面328Aに吸着可能とする。このように吸着することで、第2ホルダ326にてリレーレンズ233が保持される。
上述した第2位置決め治具320において、Z軸移動部322、X軸移動部323、第2ホルダ326には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、Z軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326が適宜、移動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作によりZ軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326を適宜、移動させてもよい。
(3-2-3)第3位置決め治具330の構造
図12は、第3位置決め治具330の構造を示す斜視図である。
第3位置決め治具330は、入射側偏光板242の位置決めを実施する。すなわち、この第3位置決め治具330は、第1載置台210において、3つの入射側偏光板242に対応する位置に、それぞれ設置されている。この第3位置決め治具330は、図12に示すように、基部331と、第3光学部品支持部332とを備えている。
基部331は、側面視L字状の形状を有する板体であり、一方の端部が第1載置台210上における入射側偏光板242に対応する位置に固定され、他方の端部がX軸方向に延びるように構成されている。また、この基部331において、他方の端部には、第3光学部品支持部332にて保持する入射側偏光板242の中心位置を中心とした円弧状の図示しない係合溝が形成され、第3光学部品支持部332と係合する。
第3光学部品支持部332は、入射側偏光板242を保持するとともに、基部331の図示しない係合溝と係合し、基部331に対してZ軸を中心として回動自在に構成される。この第3光学部品支持部332は、図12に示すように、姿勢調整部としての回動部333と、保持部としての第3ホルダ334とを備えている。
回動部333は、X軸方向に延びる略直方体状に形成され、基部331に形成された図示しない円弧状の係合溝に対応する図示しない係合部を有している。そして、この回動部333は、基部331との係合状態を変更することで、基部331に対して第3ホルダ334にて保持する入射側偏光板242の中心位置を中心として回動自在に構成される。
第3ホルダ334は、平面視コ字状の形状を有し、平面視コ字状の基端部分が回動部333の+Y軸方向端面に固定され、平面視コ字状の先端部分にて入射側偏光板242を支持する。
この第3ホルダ334の構造は、上述した第1位置決め治具310の第1ホルダ317と略同様の構造であり、図示は略すが、第1ホルダ317の第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cに対応する第1支持面、第2支持面、および第3支持面を有している。
また、第3ホルダ334の内部には、図示は略すが、第1ホルダ317と同様に、吸気用孔としての導通孔が形成され、導通孔の一端が3本に分岐して第3支持面に接続し、他端が第3ホルダ334の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、入射側偏光板242を第3支持面に吸着可能とする。このように吸着することで、第3ホルダ334にて入射側偏光板242を保持する。
上述した第3位置決め治具330において、回動部333には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、回動部333が適宜、回動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作により回動部333を適宜、回動させてもよい。
(3-3)光学像検出装置400の構造
図13は、光学像検出装置400の構造を示す模式図である。
光学像検出装置400は、上述した第3載置台230上に設置され、後述する調整用光源装置500から射出され光学ユニット2を介した光学像を検出する。この光学像検出装置400は、図13に示すように、集光レンズ410と、撮像部420とを備えている。
集光レンズ410は、複数のレンズ群から構成され、光学ユニット2のクロスダイクロイックプリズム244(図3)の光束射出端面から射出される光学像、すなわち、光学ユニット2の各液晶パネル241R,241G,241Bにて形成された光学像を光学像検出装置400内部に集光する。
撮像部420は、集光レンズ410のバックフォーカス位置に形成された画像平面421と、この画像平面421上の画像を赤、青、緑の3色に分解するダイクロイックプリズム422と、このダイクロイックプリズム422の光束射出端面に設置され、射出されるそれぞれの色光が結像する3つのCCD423とを備えている。
なお、撮像部420としては、このような構成に限らず、例えば図14に示す構成を採用してもよい。具体的に、ダイクロイックプリズム422は、3体のプリズムから構成される。これら3体の間には、青色光反射膜および緑色光反射膜が形成されている。これにより、3体のプリズムに入射した光束は、R,G,Bの各色光に分解される。また、ここでは、3体のプリズムの間に青色光反射膜および緑色光反射膜が形成されているが、これに限らず、その他、青色光反射膜および赤色光反射膜、または、赤色光反射膜および緑色光反射膜が形成されている構成を採用してもよい。
そして、3つのCCD423は、制御装置600と電気的に接続されており、該CCD423で撮像された色光毎の画像信号(R,G,B信号)は、制御装置600に出力される。
(3-4)調整用光源装置500の構造
調整用光源装置500は、図20を参照すると、上述したプロジェクタ1の光源装置4と同様に、図示しない光源ランプおよびリフレクタとから構成され、第2載置台220上に形成された光源装置設置部220Eに設置される。そして、この調整用光源装置500は、第1載置台210の下方に設置される図示しない電源装置、および光源駆動回路からケーブルを介して供給される電力により、第2載置台220上に設置される光学ユニット2内に光束を照射する。
(3-5)制御装置600による制御構造
図15は、制御装置600による制御構造を模式的に示したブロック図である。
制御装置600は、CPU(Central Processing Unit)およびハードディスクを備えたコンピュータで構成され、種々のプログラムを実行して製造装置100全体を制御する。この制御装置600は、図15に示すように、操作部610と、表示部620と、制御部630とを備えている。
操作部610は、例えば、キーボードおよびマウス等で入力操作される図示しない各種操作ボタンを有している。この操作ボタン等の入力操作を実施することにより、制御装置600を適宜動作させるとともに、例えば、表示部620に表示される情報に対して、制御装置600の動作内容の設定等が実施される。そして、作業者による操作部610の入力操作により、操作部610から適宜所定の操作信号を制御部630に出力する。
なお、この操作部610としては、操作ボタンの入力操作に限らず、例えば、タッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作等により、各種条件を設定入力する構成としてもできる。
表示部620は、制御部630に制御され、所定の画像を表示する。例えば、制御部630にて処理された画像の表示、または、操作部610の入力操作により、制御部630の後述するメモリに格納する情報を設定入力、または更新する際、制御部630から出力されるメモリ内のデータを適宜表示させる。この表示部620は、例えば、液晶や有機EL(electroluminescence)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)等が用いられる。
制御部630は、CPUを制御するOS(Operating System)上に展開されるプログラムとして構成され、操作部610からの操作信号の入力に応じて光学像検出装置400で撮像された画像を取り込んで画像処理を実施し、処理した画像に基づいて光学部品位置決め治具300を駆動制御する。この制御部630は、図15に示すように、画像取込部631と、画像処理部632と、駆動制御部633と、メモリ634とを備えている。
画像取込部631は、例えば、ビデオキャプチャボード等で構成され、光学像検出装置400の3つのCCD423から出力されるR,G,B信号を入力し、入力したR,G,B信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する。
画像処理部632は、画像取込部631から出力される画像信号を読み込み、読み込んだ画像信号に対応する画像の画像処理を実施し、所定の信号を駆動制御部633に出力する。この画像処理部632は、図15に示すように、輝度値取得部632Aと、輝度値変化曲線取得部632Bと、近似直線算出部632Cと、境界点取得部632Dと、演算処理部632Eとを備えている。
輝度値取得部632Aは、読み込んだ画像信号に対応する画像の輝度値を取得し、この取得した輝度値とこの輝度値に対応する座標値(平面位置(X,Y))とを関連付けてメモリ634に格納する。
輝度値変化曲線取得部632Bは、メモリ634に格納された情報を読み出し、読み出した座標値に応じて、所定の直線上(X方向またはY方向)における輝度値の変化を表す輝度値変化曲線を取得する。
近似直線算出部632Cは、輝度値変化曲線取得部632Bにて取得された輝度値変化曲線から輝度値の変化部分の近似直線を算出する。
境界点取得部632Dは、近似直線算出部632Cにて算出された近似直線に基づいて、読み込んだ画像信号に対応する画像に含まれる照明領域の境界点、および、読み込んだ画像信号に対応する画像に含まれる各液晶パネル241R,241G,241Bの画像形成領域の境界点を取得する。そして、取得した境界点をメモリ634に格納する。
演算処理部632Eは、メモリ634に格納された情報を読み出し、読み出した境界点(照明領域、画像形成領域)または輝度値に基づいて、各光学部品の位置調整量を算出する。そして、算出した位置調整量を所定の信号に変換して駆動制御部633に出力する。
駆動制御部633は、所定の制御プログラム、および画像処理部632から出力される信号に応じて、治具駆動部300Aに制御信号を出力し、治具駆動部300Aに光学部品位置決め治具300を駆動させる。
メモリ634は、所定の制御プログラムを格納するとともに、画像処理部632から出力される情報を格納する。
(4)光学ユニット2の製造方法
次に、上述した製造装置100による光学ユニット2の製造方法を図6、図15、および図16を参照して説明する。
図16は、光学ユニット2の製造方法を説明するフローチャートである。
先ず、作業者は、制御装置600の操作部610を操作し、製造する光学ユニット2の仕様に応じた所定のプログラムを呼び出す。制御装置600の駆動制御部633は、メモリ634に格納されたプログラムを読み出し、光学部品位置決め治具300を設計上の所定位置に移動させる旨の制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aにより図示しないパルスモータが駆動し、第1位置決め治具310におけるZ軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316、第2位置決め治具320におけるZ軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326、第3位置決め治具330における回動部333が移動し、光学部品位置決め治具300が設計上の所定位置に配置される(処理S1)。
次に、製造装置100の第2載置台220に下ライトガイド25Aを設置する(処理S2:光学部品用筐体設置工程)。
具体的に、作業者は、下ライトガイド25Aを移動させ、第2載置台220の上面から突出する光学部品位置決め治具300の一部を下ライトガイド25Aの底面に形成された孔251Dに挿通する。さらに、下ライトガイド25Aの底面に形成された位置決め孔251Gに第2載置台220の上面に形成された位置決め突起220Dを係合させて下ライトガイド25Aを第2載置台220の所定位置に設置する。
(4-1)調整を不要とする光学部品の位置決め固定
処理S2の後、位置調整を不要とする光学部品211,221,222,224,231,232,234を下ライトガイド25Aに対する所定位置に位置決め固定する(処理S3)。具体的には、図17に示すフローチャートにしたがって実施される。
先ず、作業者は、第1レンズアレイ211、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231の外周部分に紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S31)。
そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第1レンズアレイ211、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231と、反射ミラー232,234とをそれぞれ対応する光学部品位置決め治具300に設置する(処理S32:光学部品支持手順)。
図18は、光学部品位置決め治具300への光学部品の設置方法を説明するための図である。この図18は、第1位置決め治具310の第1ホルダ317に対する反射ミラー232の設置方法を示している。なお、その他の第1レンズアレイ211、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、入射側レンズ231、反射ミラー234も略同様に光学部品位置決め治具300に設置することができ、説明を省略する。
具体的に、作業者は、図18(A)に示すように、反射ミラー232の外周端部を、対応する第1位置決め治具310の第1ホルダ317の第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cに当接するように反射ミラー232を第1ホルダ317に設置する。この際、作業者は、製造装置100の操作部610を操作し、図示しない真空ポンプを駆動させる旨の操作信号が制御部630に出力される。制御部630は、操作信号を入力すると、図示しない真空ポンプを駆動し、第1位置決め治具310における導通孔317Dを吸気させる。そして、反射ミラー232は、図18(B)に示すように、第1ホルダ317の第3支持面317Cに吸着され、第1ホルダ317に保持される。
この状態では、第1レンズアレイ211、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、入射側レンズ231、および反射ミラー232,234は、下ライトガイド25Aに対する設計上の所定位置に位置決めされた状態である。また、第1レンズアレイ211、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231の外周部分は、塗布された紫外線硬化型接着剤を介して、下ライトガイド25Aにおける部品収納部251の支持部251B、251F(図4)に当接する。
処理S32の後、第2固定部材254における図示しないピンの先端、および該ピンの外周に紫外線硬化型接着剤を塗布する。そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第2固定部材254の図示しないピンを下ライトガイド25Aの側面に形成された孔251C(図4、図5)を介して挿通し、該ピンの先端を反射ミラー232,234の反射面の裏面に当接する(処理S33)。
なお、上述した処理S31〜S33が、本発明に係る光学部品位置決め工程に相当する。
以上のように、位置調整を不要とする光学部品211,221,222,224,231,232,234の位置決めを実施した後、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、光学部品211,221,222,224,231,232,234を下ライトガイド25Aに固定する(処理S34:光学部品位置固定工程)。
具体的に、作業者は、製造装置100の操作部610を操作し、図示しない紫外線照射装置を駆動させる旨の操作信号が制御部630に出力される。制御部630は、操作信号を入力すると、図示しない紫外線照射装置を駆動する。そして、下ライトガイド25Aの上方から、第1レンズアレイ211、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、および入射側レンズ231のそれぞれの外周部分と、部品収納部251の各支持部251B、251F(図4)との間に充填された紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化する。また、下ライトガイド25Aの側方から第2固定部材254に向けて紫外線を照射する。照射された紫外線は、矩形枠体254Aを透過するとともに、図示しないピンも透過し、該ピンの外周と孔251Cとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化し、さらに、該ピンの先端と反射ミラー232,234の反射面の裏面との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。以上のようにして、位置調整を不要とする光学部品211,221,222,224,231,232,234が下ライトガイド25Aに固定される。
(4-2)調整を必要とする光学部品の位置決め固定
処理S3の後、位置調整を必要とする光学部品212〜214,223、233、242を下ライトガイド25Aに対する所定位置に位置決め固定する(処理S4)。具体的には、図19に示すフローチャートにしたがって実施される。
先ず、作業者は、液晶パネル241R,241G,241B、射出側偏光板243、クロスダイクロイックプリズム244、および図示しない台座が一体化されたユニットを、該台座に形成された位置決め突起を下ライトガイド25Aの底面に形成された位置決め孔251Eに嵌合し、図示しないねじ等により下ライトガイド25Aに位置決め固定する(処理S41)。
処理S41の後、作業者は、第2レンズアレイ212、偏光変換素子213、および入射側偏光板242の外周部分に紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S42)。
そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第2レンズアレイ212、偏光変換素子213、および入射側偏光板242と、重畳レンズ214、リレーレンズ233、および反射ミラー223とをそれぞれ対応する光学部品位置決め治具300に設置する(処理S43:光学部品支持手順)。ここで、第2レンズアレイ212、偏光変換素子213、および入射側偏光板242の外周部分は、塗布された紫外線硬化型接着剤を介して、下ライトガイド25Aにおける部品収納部251の支持部251B、251F(図4)に当接する。これら光学部品212〜214,233,242の光学部品位置決め治具300への設置方法は、上述した処理S32と略同様に実施でき、説明を省略する。
処理S43の後、第1固定部材253における図示しない溝部および外周のそれぞれに紫外線硬化型接着剤を塗布する。そして、紫外線硬化型接着剤が塗布された第1固定部材253を下ライトガイド25Aの側面に形成された孔251Cに挿通し、図示しない溝部を重畳レンズ214およびリレーレンズ233の各左右の外周部分に当接する。また、上述した処理S33と同様に、紫外線硬化型接着剤を塗布した第2固定部材254を反射ミラー223に設置する(処理S44)。
以上のような工程の後、全ての光学部品21,22,23,24が下ライトガイド25Aの設計上の所定位置に設置(仮位置決め)される。
図20は、製造装置100に下ライトガイド25Aおよび光学部品21,22,23,24が設置された状態を示す図である。
次に、作業者は、制御装置600の操作部610を操作し、光学部品212〜214,233,242を位置調整する所定のプログラムを呼び出す。そして、制御装置600は、メモリ634に格納された所定のプログラムを読み出し、以下に示すように位置調整を実施する。
先ず、制御装置600は、調整用光源装置500の光源ランプを点灯させて、光学ユニット2内に光束を導入させる(処理S45)。また、制御装置600は、光学像検出装置400を駆動させ、光学ユニット2に導入され液晶パネル241R,241G,241Bにて形成される光学像を検出させる(処理S46:光学像検出手順)。そして、光学像検出装置400にて光学像を検出させると、該光学像検出装置400の3つのCCD423にて撮像された画像が赤、緑、青の3色に分解されて、R,G,B信号として制御部630に出力される。制御装置600の画像取込部631は、3つのR,G,B信号を入力し、これらR,G,B信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する。画像処理部632は、入力する画像信号に基づいて撮像画像を形成する。
図21は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。この図21において、700は撮像画像を示し、701は液晶パネル241R,241G,241Bの画像形成領域を示し、702(702R,702G,702B)は光学部品を介して各液晶パネル241R,241G,241Bに到達する照明領域を示している。
実際には、図21に示す各照明領域702R,702G,702Bの相対位置の位置ずれにより表示影が生じる場合や、照明領域702の照度分布が不均一になる場合がある。これは、光学部品211〜214,223,233の相対位置の位置ずれにより生じる。以下では、撮像画像700に基づいて、光学部品211〜214,223,233の相対位置を最適な位置に調整する。
(4-2-1)第2レンズアレイ212および偏光変換素子213の位置調整
処理S46の後、制御装置600は、G色光用CCD423G(図13、図14)にて撮像された光学像に基づいて、第2レンズアレイ212および偏光変換素子213の位置調整を実施する(処理S47:光学部品位置調整手順)。具体的には、図22に示すフローチャートにしたがって実施する。
先ず、制御装置600の駆動制御部633は、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、重畳レンズ214を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323および第2ホルダ326を移動させ、重畳レンズ214をX方向およびY方向に所定量だけ移動させる(処理S471:照明領域移動ステップ)。この際、重畳レンズ214の移動に伴って、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、重畳レンズ214を把持する第1固定部材253も追従する。
そして、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のG色光用CCD423Gから出力されるG信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S472:画像取込ステップ)。
図23は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S471において、重畳レンズ214をX方向およびY方向に所定量だけ移動させた結果、図23に示すように、照明領域702Gが移動し、該照明領域702Gの左上角部分が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
次に、制御装置600の輝度値取得部632Aは、ステップS472において画像取込部631が取り込んだ撮像画像700の輝度値を0〜255の256階調に分けて取得し、この取得した輝度値とこの輝度値に対応する座標値(平面位置(X,Y))とを関連付けてメモリ634に格納する(処理S473:輝度値取得ステップ)。
処理S473の後、制御装置600の輝度値変化曲線取得部632Bは、メモリ634に格納された情報を読み出し、所定のX座標上、およびY座標上における輝度値の変化を表す輝度値変化曲線を取得する(処理S474)。
具体的に、図24は、輝度値変化曲線取得部632Bによる輝度値変化曲線の取得方法の一例を示す図である。
輝度値変化曲線取得部632Bは、例えば図24(A)に示すように、所定のX座標(Y座標)の走査線800X(800Y)上における輝度値(階調)およびこの輝度値に対応する座標値をメモリ634から読み出す。そして、輝度値変化曲線取得部632Bは、図24(B)に示すように、縦軸を対応する輝度値の階調として、横軸を走査線800X(800Y)上の座標値としてプロットし、輝度値変化曲線900X(900Y)を取得する。
ここで、図24(B)では、輝度値変化曲線900X(900Y)の説明を簡略化するために、図24(A)に示すXB(YB)の位置を基点とし、画像形成領域701の右側端部(下側端部)の手前までの輝度値変化曲線900X(900Y)を示す。
輝度値変化曲線900X(900Y)は、図24(B)に示すように、照明領域702Gの境界部分において、照明領域702Gの外側から内側に向かって、クランク状またはS字状に取得される。なお、図24(B)では省略したが、図24(A)に示すXA(YA)〜XB(YB)にかけて取得された輝度値変化曲線および図24(A)に示す画像形成領域701の内側から外側にかけて取得された輝度値変化曲線も、同様に、画像形成領域701の境界部分において、クランク状になっているものとする。
処理S474の後、制御装置600の近似直線算出部632Cは、輝度値変化曲線取得部632Bにて取得した輝度値変化曲線900X,900Yにおける輝度値の変化部分を直線として近似し、この近似直線を算出する(処理S475)。
図25は、図24(B)における輝度値変化曲線900X(900Y)の一部を拡大して示す図である。具体的に、図25は、近似直線算出部632Cによる近似直線の算出方法の一例を示す図である。
近似直線算出部632Cは、例えば図25に示すように、予め設定された基準となる輝度基準値の輝度基準直線Y1と、輝度値変化曲線900X(900Y)との交点Aの座標を取得する。また、近似直線算出部632Cは、輝度値変化曲線900X(900Y)上において、交点Aの前後で所定座標X(Y)だけ離れた点B,Cを取得する。そして、近似直線算出部632Cは、取得した点B,C間の輝度値変化部分を直線として近似し、この変化部分近似直線901を算出する。
なお、図25は、図24(B)と同様に、図24(A)に示すXB(YB)の位置を基点とし、画像形成領域701の右側端部(下側端部)の手前までの輝度値変化曲線900X(900Y)を示しており、図24(A)に示すXA(YA)〜XB(YB)にかけて取得された輝度値変化曲線、および図24(A)に示す画像形成領域701の内側から外側にかけて取得された輝度値変化曲線における近似直線も同様に算出するものとする。
処理S475の後、制御装置600の境界点取得部632Dは、照明領域702Gの境界点、および画像形成領域701の境界点を取得する(処理S476:境界点取得ステップ)。そして、境界点取得部632Dは、取得した境界点をメモリ634に格納する。
具体的に、図25は、境界点取得部632Dによる境界点の取得方法の一例を示す図である。
境界点取得部632Dは、処理S483にて算出された変化部分近似直線901と255階調線Y2との交点Gを取得する。また、境界点取得部632Dは、取得した交点Gから照明領域702Gの中心側へ所定座標値X(Y方向の境界点を取得する場合には所定座標値Y)だけシフトした座標値における照明領域702G上の基準となる点Eを取得する。さらに、境界点取得部632Dは、撮像画像700の略中心となる照明領域702G上の点Fを取得する。さらにまた、境界点取得部632Dは、取得した点E,F間の照明領域702Gを直線として近似し、この照明領域近似直線902を算出する。そして、境界点取得部632Dは、処理S483にて算出された変化部分近似直線901と、算出した照明領域近似直線902との交点Hを取得する。このようにして取得された交点Hが照明領域702Gの境界点(X方向またはY方向)である。
なお、画像形成領域701では、境界点として左側端部および上側端部の境界点を取得し、他の境界点として重畳レンズ214を移動してから右側端部および下側端部の境界点を取得する。この画像形成領域701の境界点の取得では、上記交点Gを取得する際に、255階調線Y2よりも低い階調線を用いるだけが異なるのみであり、その他は、上記の照明領域の境界点である交点Hと同様に取得でき、説明を省略する。
また、画像形成領域701の境界点を取得するために、処理S473〜S476の処理を実施しているが、予め設計上の画像形成領域701の位置を設定しておき、すなわち、予め画像形成領域701の境界点を設定しておいてもよい。このような構成では、処理S473〜S476における画像形成領域701に関する処理を省略できる。
処理S476の後、制御装置600の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Gの境界点を読み出し、この読み出した境界点に基づいて、第2レンズアレイ212の位置調整量を算出する(処理S477:位置調整量算出ステップ)。そして、演算処理部632Eは、算出した位置調整量をメモリ634に格納する。具体的には、演算処理部632Eは、例えば以下に示すように位置調整量を算出する。
演算処理部632Eは、読み出したX方向およびY方向の境界点と、予め設定された設計上の最適なX方向およびY方向の境界位置とを比較し、設計上の最適な境界位置に対するX方向およびY方向の偏差を算出する。ここで、処理S476にて算出した境界点と、設計上の最適な境界位置とで偏差が生じるのは、第1レンズアレイ211に対する所定位置から第2レンズアレイ212がずれているために生じる。すなわち、算出したX方向およびY方向の偏差は、第2レンズアレイ212のX方向位置調整量、およびY方向位置調整量に相当する。
処理S477の後、駆動制御部633は、メモリ634に格納された第2レンズアレイ212のX方向位置調整量、Y方向位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量だけ第2レンズアレイ212をX方向およびY方向に移動する旨の制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、入力した制御信号に基づいて、図示しないパルスモータを駆動させ、第2レンズアレイ212を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323および第2ホルダ326を移動させ、処理S485にて算出された位置調整量だけ第2レンズアレイ212をX方向およびY方向に移動させる(処理S478:位置調整ステップ)。
次に、制御装置600の制御部630は、偏光変換素子213の位置調整を以下に示すように実施する(処理S479)。
先ず、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のG色光用CCD423Gから出力されるG信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(ステップS479A:画像取込ステップ)。
図26は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
次に、制御装置600の輝度値取得部632Aは、ステップS479Aにおいて画像取込部631が取り込んだ撮像画像700のうち、図26に示す所定の領域703内の輝度値を取得する(処理S479B:輝度値取得ステップ)。そして、輝度値取得部632Aは、取得した輝度値をメモリ634に格納する。
処理S479Bの後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された輝度値を読み出し、平均化して偏光変換素子213を保持する第1位置決め治具310におけるX軸移動部313のX軸方向の位置に関連付けてメモリ634に格納する(処理S479C)。
制御装置600の制御部630は、メモリ634に格納された輝度値から、上記処理S479A〜S479Cが所定回数実施されたかどうかを判定する(処理S479D)。ここで、「No」と判定した場合には、制御部630の駆動制御部633は、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、第1位置決め治具310のX軸移動部313を移動させ、偏光変換素子213をX軸方向に所定量移動させる(処理S479E)。そしてまた、上記処理S479A〜S479Cを実施する。
以上のように、制御部630は、治具駆動部300Aを制御して偏光変換素子213を保持する第1位置決め治具310のX軸移動部313を移動させ、偏光変換素子213をX軸方向に所定量移動させて、所定の領域703における輝度値を取得するという操作を所定回数繰り返し実施させる。
このような操作により、図27に示すように、偏光変換素子213のX軸方向位置と輝度値との関係を取得できる。
一方、処理S479Dにおいて、「Yes」と判定した場合には、すなわち、上記操作が所定回数実施されると、制御部630の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された偏光変換素子213のX軸方向位置に対応した輝度値を読み出し、偏光変換素子213のX軸方向位置に対して、輝度値のピーク位置を算出する(処理S479F)。すなわち、この算出されたピーク位置が、第1レンズアレイ211および第2レンズアレイ212に対する偏光変換素子213の最適位置となる。
処理S479Fの後、演算処理部632Eは、偏光変換素子213を保持する第1位置決め治具310のX軸移動部313の現在のX軸方向位置と、算出したピーク位置との偏差を算出する(処理S479G:位置調整量算出ステップ)。そして、この偏差をメモリ634に格納する。すなわち、算出した偏差が、偏光変換素子213の位置調整量に相当する。
処理S479Gの後、駆動制御部633は、メモリ634に格納された偏差に基づいて、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、偏光変換素子213を保持する第1位置決め治具310のX軸移動部313を移動させ、偏光変換素子213を最適位置に移動させる(処理S479H:位置調整ステップ)。
以上の処理S47を実施することで、照明領域702における照度分布が均一化される。
(4-2-2)重畳レンズ214の位置調整
処理S47において、第2レンズアレイ212および偏光変換素子213の位置調整を実施した後、制御装置600は、G色光用CCD423G(図13、図14)にて撮像された光学像に基づいて、重畳レンズ214の位置調整を実施する(処理S48:光学部品位置調整手順)。具体的には、図28に示すフローチャートにしたがって実施する。
先ず、制御装置600の駆動制御部633は、所定の制御信号を治具駆動部300Aに出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、重畳レンズ214を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、重畳レンズ214をX方向に所定量XG1(図29(A))だけ移動させる(処理S481:照明領域移動ステップ)。
そして、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のG色光用CCD423Gから出力されるG信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S482:画像取込ステップ)。
図29は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S481において、重畳レンズ214をX方向に所定量XG1だけ移動させた結果、図29(A)の1点鎖線に示すように、照明領域702Gが移動し、該照明領域702Gの右側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
次に、制御装置600の制御部630は、上述した処理S472〜S475と略同様の工程で、照明領域702Gの右側端部における境界点を取得する(処理S483:境界点取得ステップ)。そして、取得した境界点をメモリ634に格納する。
処理S483の後、制御装置600の演算処理部632Eは、メモリ634に格納され、処理S483にて取得された境界点と、予め設定された設計上の最適な境界位置との偏差XG2を算出する(処理S484)。なお、処理S477において、第2レンズアレイ212が位置調整されているので、図29(A)の実線および破線で示す照明領域702Gにおける左側端部の境界点は、予め設定された設計上の最適な境界位置に位置している。
処理S484の後、演算処理部632Eは、処理S481における重畳レンズ214の移動量XG1、および処理S484における偏差XG2に基づいて、図29(A)に示すように、照明領域702GのX方向の幅寸法XGを算出する。また、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された画像形成領域701における左側端部および右側端部における各境界点を読み出し、これら境界点の偏差XA(図29(A))を算出する。この偏差XAは、画像形成領域701のX方向の幅寸法に相当する。そして、演算処理部632Eは、算出した照明領域702Gの幅寸法XG、および画像形成領域701の幅寸法XAに基づいて、照明領域702GのX方向の照明マージンAX(図29(B))を算出する(処理S485)。具体的に、演算処理部632Eは、照明領域702Gの幅寸法XGから画像形成領域701の幅寸法XAを減算し、減算した値を2で割ることで照明マージンAX(図29(B))を算出する。すなわち、照明領域702Gの左右の照明マージンを同一にしている。
処理S485において、照明マージンAXを算出した後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Gの右側端部における境界点、および画像形成領域701の右側端部における境界点を読み出す。また、演算処理部632Eは、読み出した各境界点間の偏差XG3(図29(A))を算出し、この算出した偏差XG3と、処理S485において算出した照明マージンAXとに基づいて、重畳レンズ214のX方向の位置調整量を算出する(処理S486:位置調整量算出ステップ)。そして、演算処理部632Eは、この算出したX方向の位置調整量をメモリ634に格納する。
制御装置600の駆動制御部633は、メモリ634に格納された重畳レンズ214のX方向の位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量に応じた制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、図示しないパルスモータを駆動させ、重畳レンズ214を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、重畳レンズ214をX方向に演算処理部632Eにて算出した位置調整量だけ移動させる(処理S487:位置調整ステップ)。この状態では、図29(B)に示すように、照明領域702Gの左右の照明マージンAXが互いに等しくなる。
以上のように、重畳レンズ214におけるX方向の位置調整を実施した後、重畳レンズ214におけるY方向の位置調整を実施する(処理S488:位置調整ステップ)。
この重畳レンズ214におけるY方向の位置調整は、上述したX方向の位置調整における手順(処理S481〜S487)と略同様に実施できる。
具体的に、図29(C),(D)を参照すると、上述した処理S481と同様に、照明領域702Gの下側端部が画像形成領域701の内側に入るように重畳レンズ214をY方向に所定量YG1だけ移動させる。
また、上述した処理S482〜S484と同様に、照明領域702Gの下側端部における境界点を取得し、この取得した境界点と、予め設定された設計上の最適な境界位置との偏差YG2を算出する。
さらに、上述した処理S485と同様に、重畳レンズ214の移動量YG1、および偏差YG2に基づいて、照明領域702GのY方向の幅寸法YGを算出するとともに、画像形成領域701における下側端部および上側端部における各境界点から画像形成領域701のY方向の幅寸法YAを算出する。そして、算出した照明領域702Gの幅寸法YG、および画像形成領域701の幅寸法YAに基づいて、照明領域702GのY方向の照明マージンAYを算出する
さらにまた、上述した処理S486と同様に、照明領域702Gの下側端部における境界点と、画像形成領域701の下側端部における境界点との偏差YG3、および照明マージンAYに基づいて、重畳レンズ214のY方向の位置調整量を算出する。
そして、上述した処理S487と同様に算出したY方向の位置調整量に基づいて、重畳レンズ214をY方向に位置調整する。
この状態では、図29(D)に示すように、照明領域702Gの左右の照明マージンAXが互いに等しくなるとともに、照明領域702Gの上下の照明マージンAYも互いに等しくなる。
(4-2-3)リレーレンズ233の位置調整
処理S48において、重畳レンズ214の位置調整を実施した後、制御装置600は、B色光用CCD423Bにて撮像された光学像に基づいて、リレーレンズ233の位置調整を実施し、B色光による照明領域を液晶パネル241Bの画像形成領域に対する所定位置に位置付ける(処理S49:光学部品位置調整手順)。具体的には、図30に示すフローチャートにしたがって実施する。
先ず、制御装置600の駆動制御部633は、所定の制御信号を治具駆動部300Aに出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、リレーレンズ233を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ233をX方向に所定量XB1(図31(A))だけ移動させる(処理S491:照明領域移動ステップ)。なお、リレーレンズ233の位置調整に伴って、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、リレーレンズ233を把持する第1固定部材253も追従するものとする。
そして、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400のB色光用CCD423Bから出力されるB信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S492:画像取込ステップ)。
図31は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S491において、リレーレンズ233をX方向に所定量XB1だけ移動させた結果、図31(A)の1点鎖線に示すように、照明領域702Bが移動し、該照明領域702Bの左側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
次に、制御装置600の制御部630は、上述した処理S472〜S475と略同様の工程で、照明領域702Bの左側端部における境界点を取得する(処理S493:境界点取得ステップ)。そして、取得した境界点をメモリ634に格納する。
処理S493の後、制御装置600の制御部630は、メモリ634に格納された情報に基づいて、照明領域702Bの両側端部における境界点を取得したか否かを判定する(処理S494)。
処理S494において、「No」と判定されると、すなわち、照明領域702Bにおける一方の端部の境界点のみを取得していると判定した場合には、処理S491に戻り、制御装置600の駆動制御部633は、上述した移動方向と逆方向にリレーレンズ233を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ233をX方向に所定量XB2(図31(A))だけ移動させる。
そして、処理S492において、制御部630の画像取込部631は、上述したように、光学像検出装置400にて撮像された画像を取り込む。
リレーレンズ233をX方向に所定量XB2だけ移動させた結果、図31(A)の2点鎖線に示すように、照明領域702Bが移動し、該照明領域702Bの右側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
そしてまた、処理S493において、制御装置600の制御部630は、上述したように、照明領域702Bの右側端部における境界点を取得し、取得した境界点をメモリ634に格納する。
一方、処理S494において、「Yes」と判定された場合、すなわち、照明領域702Bにおける両側端部(左右)の境界点を取得したと判定した場合には、制御装置600の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Bの左側端部における境界点、および右側端部における境界点を読み出し、これら境界点間の偏差XB3を算出する(処理S495)。
処理S495の後、演算処理部632Eは、処理S491におけるリレーレンズ233の移動量XB2、および処理S495において算出された偏差XB3に基づいて、図31(A)に示すように、照明領域702BのX方向の幅寸法XBを算出する。また、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された画像形成領域701における左側端部および右側端部における各境界点を読み出し、これら境界点の偏差XA(図31(A))を算出する。この偏差XAは、画像形成領域701のX方向の幅寸法に相当する。そして、演算処理部632Eは、上述した処理S485と同様に、算出した照明領域702Bの幅寸法XB、および画像形成領域701の幅寸法XAに基づいて、照明領域702BのX方向の照明マージンAX(図31(B))を算出する(処理S496)。
処理S496において、照明マージンAXを算出した後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された照明領域702Bの右側端部における境界点、および画像形成領域701の右側端部における境界点を読み出す。また、演算処理部632Eは、読み出した各境界点間の偏差XB4(図31(A))を算出し、この算出した偏差XB4と、処理S496において算出した照明マージンAXとに基づいて、リレーレンズ233のX方向の位置調整量を算出する(処理S497:位置調整量算出ステップ)。そして、演算処理部632Eは、この算出したX方向の位置調整量をメモリ634に格納する。
処理S497の後、制御装置600の駆動制御部633は、メモリ634に格納されたリレーレンズ233のX方向の位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量に応じた制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、図示しないパルスモータを駆動させ、リレーレンズ233を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ233を演算処理部632Eにて算出した位置調整量だけX方向に移動させる(処理S498:位置調整ステップ)。この状態では、図31(B)に示すように、照明領域702Bの左右の照明マージンAXが互いに等しくなる。
以上のように、リレーレンズ233におけるX方向の位置調整を実施した後、リレーレンズ233におけるY方向の位置調整を実施する(処理S499:位置調整ステップ)。このリレーレンズ233におけるY方向の位置調整は、上述したX方向の位置調整における手順(処理S491〜S498)と略同様に実施できる。
具体的に、図31(C),(D)を参照すると、上述した処理S491〜S494と同様に、照明領域702Bの上側端部が画像形成領域701の内側に入るようにリレーレンズ233をY方向に所定量YB1だけ移動させ、照明領域702Bの上側端部における境界点を取得する。また、照明領域702Bの下側端部が画像形成領域701の内側に入るようにリレーレンズ233をY方向に所定量YB2だけ移動させ、照明領域702Bの下側端部における境界点を取得する。
また、上述した処理S495と同様に、照明領域702Bの上側端部および下側端部における各境界点間の偏差YB3を取得する。
さらに、上述した処理S496と同様に、照明領域702BのY方向の幅寸法YBを算出するとともに、画像形成領域701のY方向の幅寸法YAを算出し、幅寸法YB,YAに基づいて、照明領域702BのY方向の照明マージンAYを算出する。
さらにまた、上述した処理S497と同様に、照明領域702Bの下側端部における境界点と、画像形成領域701の下側端部における境界点との間における偏差YB4、および照明領域702BのY方向の照明マージンAYに基づいて、リレーレンズ233のY方向の位置調整量を算出する。
そして、上述した処理S498と同様に、算出したY方向の位置調整量に基づいて、リレーレンズ233をY方向に位置調整する。
この状態では、図31(D)に示すように、照明領域702Bの左右の照明マージンAXが互いに等しくなるとともに、照明領域702Bの上下の照明マージンAYも互いに等しくなり、上述したG色光用の照明領域702GとB色光用の照明領域702Bとが略一致した状態となる。
(4-2-4)反射ミラー223の位置調整
処理S49において、リレーレンズ233の位置調整を実施した後、制御装置600は、R色光用CCD423Rにて撮像された光学像に基づいて、反射ミラー223の位置調整を実施し、R色光による照明領域を液晶パネル241Rの画像形成領域に対する所定位置に位置付ける(処理S50:光学部品位置調整手順)。
なお、反射ミラー223の位置調整は、制御装置600が反射ミラー223を保持する第1位置決め治具310を駆動制御する点、およびR色光の照明領域702R(図21)に基づいて位置調整を実施する点以外は、リレーレンズ233の位置調整と同様に実施でき、説明を省略する。また、反射ミラー223の位置調整に伴って、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、反射ミラー223に当接する第2固定部材254も追従するものとする。
(4-2-5)入射側偏光板242の位置調整
処理S47ないしS50において、重畳レンズ214、リレーレンズ233、および反射ミラー223の位置調整を実施し、G色光、B色光、およびR色光の照明領域を合致させた後、制御装置600は、入射側偏光板242の位置調整を実施する(処理S51:光学部品位置調整手順)。具体的には、図32に示すフローチャートにしたがって実施する。
なお、ここでは、図示しない所定のパターン発生装置を用いて、液晶パネル241R,241G,241Bに全面遮光領域(暗部,黒色)となるようなパターンを発生させ、光学像検出装置400に全面が黒色の撮像画像700を撮像させる。
先ず、制御部630の画像取込部631は、光学像検出装置400から出力されるR,G,B信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部632に出力する(処理S511:画像取込ステップ)。
図33は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置600に取り込んだ画像の一例を示す図である。
次に、制御装置600の輝度値取得部632Aは、各R,G,B色光における撮像画像700の略中央部分の領域704(図33)内の輝度値を取得する(処理S512:輝度値取得ステップ)。そして、輝度値取得部632Aは、取得した各R,G,B色光の輝度値をメモリ634に格納する。
処理S512の後、演算処理部632Eは、メモリ634に格納された各R,G,B色光の輝度値を読み出し、それぞれ平均化する。そして、平均化した輝度値を各R,G,Bに対応する入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333の回転角度位置に関連付けてメモリ634に格納する(処理S513)。
制御装置600の制御部630は、メモリ634に格納された輝度値から、上記処理S511〜S513が所定回数実施されたかどうかを判定する(処理S514)。ここで、「No」と判定した場合には、制御部630の駆動制御部633は、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、第3位置決め治具330の回動部333を回動させ、入射側偏光板242を照明光軸を中心として所定角度回転させる(処理S515)。そしてまた、上記処理S511〜S513を実施する。
以上のように、制御部630は、治具駆動部300Aを制御して入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333を回動させ、入射側偏光板242を所定角度回転させて、所定の領域704における輝度値を取得するという操作を所定回数繰り返し実施させる。
このような操作により、図34に示すように、入射側偏光板242の姿勢位置と撮像画像700の輝度値との関係を取得できる。
一方、処理S523において、「Yes」と判定した場合には、すなわち、上記操作が所定回数実施されると、制御部630の演算処理部632Eは、メモリ634に格納された各R,G,Bに対応する入射側偏光板242の姿勢位置に対応した輝度値を読み出し、各R,G,B毎に入射側偏光板242の姿勢位置に対して、輝度値のピーク位置を算出する(処理S516)。すなわち、この算出されたピーク位置が、液晶パネル241R,241G,241Bおよび射出側偏光板243に対するR,G,B色光用の入射側偏光板242の最適位置となる。
処理S516の後、演算処理部632Eは、各R,G,B色光用の入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333の現在の回転角度位置と、算出した各ピーク位置との偏差を算出する(処理S517:位置調整量算出ステップ)。そして、これら偏差をメモリ634に格納する。すなわち、この算出した偏差が入射側偏光板242の位置調整量に相当する。
処理S517の後、駆動制御部633は、メモリ634に格納された偏差に基づいて、治具駆動部300Aに所定の制御信号を出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、各R,G,B色光用の入射側偏光板242を保持する第3位置決め治具330の回動部333を回動させ、各入射側偏光板242を最適位置に回転させる(処理S518:位置調整ステップ)。
なお、各入射側偏光板242の位置調整において、全ての入射側偏光板242を上記のように略同時に位置調整してもよいし、各偏光板を一つずつ順番に調整してもよい。順番に調整する場合には、その順序は特に限定されない。
また、処理S41〜S51が、本発明に係る光学部品位置決め工程に相当する。
以上のように、位置調整を必要とする光学部品212〜214、223,233の位置決めを実施した後、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、光学部品212〜214、223,233を下ライトガイド25Aに固定する(処理S52:光学部品位置固定工程)。
具体的に、制御装置600は、光学部品212〜214、223,233の位置決めを実施した後、図示しない紫外線照射装置を駆動する。そして、下ライトガイド25Aの上方から、第2レンズアレイ212および偏光変換素子213のそれぞれの外周部分と、部品収納部251の各支持部251B、251F(図4)との間に充填された紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化する。また、下ライトガイド25Aの側方から第1固定部材253に向けて紫外線を照射する。照射された紫外線は、第1固定部材253を透過し、該第1固定部材253の図示しない溝部と重畳レンズ214、リレーレンズ233の各外周部分との間、および第1固定部材253の外周と孔251Aとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。さらに、下ライトガイド25Aの側方から第2固定部材254に向けて紫外線を照射する。照射された紫外線は、矩形枠体254Aを透過するとともに、図示しないピンも透過し、該ピンの外周と孔251Cとの間の紫外線硬化型接着剤を硬化し、さらに、該ピンの先端と反射ミラー223の反射面の裏面との間の紫外線硬化型接着剤を硬化する。
そして、下ライトガイド25Aの部品収納部251に全ての光学部品21,22,23,24が位置決め固定された後、上ライトガイド25Bを下ライトガイド25Aにねじ等により接続することで(処理S5)、光学ユニット2が製造される。
(5)実施形態の効果
(5-1)光学ユニット2の製造方法は、光学部品用筐体設置工程S2にて下ライトガイド25Aを移動させ、該下ライトガイド25Aの底面に形成された孔251Dに光学部品位置決め治具300の一部が挿通するように下ライトガイド25Aを製造装置100の第2載置台220に載置する。また、光学部品位置決め工程S31〜S33、S41〜S51にて光学部品21,22,23,24を移動させて下ライトガイド25Aの上端開口部分を介して下ライトガイド25A内に収納し、該光学部品21,22,23,242を下ライトガイド25Aの孔251Dから突出する第1ホルダ317、第2ホルダ326、第3ホルダ334にそれぞれ保持させる。そして、光学部品位置固定工程S34,S52にて下ライトガイド25Aに対して光学部品21,22,23,242を位置固定する。このことにより、光学ユニット2を容易に製造できる。
(5-2)光学部品位置決め工程S31〜S33、S41〜S51では、光学部品21,22,23が光学部品位置決め治具300により設計上の所定位置に位置決めされるので、ライトガイド25は、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする合成樹脂製の成型品である従来のライトガイドと比較して、それほど高い精度は要求されない。したがって、ライトガイド25の製造コストを低減でき、ひいては光学ユニット2の製造コストを低減できる。
(5-3)光学部品用筐体設置工程S2を光学部品位置決め工程S31〜S33、S41〜S51の前に実施しているので、光学部品21,22,23を位置決めした後に下ライトガイド25Aを設置する構成に比較して、位置決めされた光学部品21,22,23への下ライトガイド25Aの干渉により光学部品21,22,23,242の位置ずれが生じることを回避できる。
(5-4)光学部品21,22,23,242を位置決めする際に、光学部品支持手順S32,S43にて光学部品21,22,23,242を光学部品位置決め治具300の第1ホルダ317、第2ホルダ326、第3ホルダ334にそれぞれ保持させることで、光学部品21,22,23,242を設計上の所定位置に容易に位置付けることができる。
(5-5)光学ユニット2の製造方法は、調整を不要とする光学部品211,221,222,224,231,232,234と、調整を必要とする光学部品212〜214,223,233,242とに分けて、下ライトガイド25Aに対して位置決めおよび位置固定を実施する。このことにより、位置調整を必要とする最低限の部材のみを位置調整でき、光学ユニット2の製造を容易にかつ、迅速に実施できる。
(5-6)調整を必要とする光学部品の位置決め固定S4において、光学像検出手順S46が実施されるので、光学像検出装置400にて検出された光学像から調整を必要とする光学部品212〜214,223,233,242が設計上の所定位置に位置付けられているか否かを判定できる。また、光学部品位置調整手順S47〜S51が実施されるので、光学部品212〜214,223,233,242が設計上の所定位置に位置付けられていない場合に、光学像検出手順S46にて検出された光学像に基づいて、光学部品位置決め治具300を操作して光学部品212〜214,223,233,242を位置調整できる。したがって、光学部品21,22,23,242を高精度に位置決めできる。
(5-7)光学部品位置調整手順S47〜S51では、画像取込ステップS472,S479A,S482,S492,S511、輝度値取得ステップS473,S479B,S512、位置調整量算出ステップS477,S479G,S486,S497,S517、位置調整ステップS478,S479H,S487,S488,S498,S499,S518が実施され、制御装置600の制御部630による光学部品位置決め治具300の駆動制御により光学部品212〜214,223,233,242が位置調整される。このことにより、光学像検出装置400にて検出された光学像を目視にて手動で光学部品位置決め治具300を操作して光学部品の位置調整を実施する場合と比較して、光学部品21,22,23,242をさらに高精度に位置決めできる。
(5-8)光学部品位置調整手順S47〜S50では、さらに、照明領域移動ステップS471,S481,S491と、境界点取得ステップS476,S483,S493が実施され、位置調整量算出ステップS477,S486,S497では、境界点取得ステップS476,S483,S493にて取得した照明領域702の境界点に基づいて制御部630の演算処理部632Eが光学部品212,214,223,233の位置調整量を算出する。このことにより、照明領域702の境界位置を取得することで光学部品211〜214,223,233の相対位置のずれを容易に認識でき、光学部品21,22,23,242を高精度に位置決めできる。
(5-9)光学部品位置固定工程S34、S52では、光学部品21,22,23,242と、支持部251B,251Fおよび支持部として機能する固定部材25Cとの間、および、固定部材25Cと孔251Aとの間に充填された紫外線硬化型接着剤を硬化させて光学部品21,22,23,242を下ライトガイド25Aに対して位置固定するので、光学部品21,22,23,242を位置決めした後、容易にかつ迅速に位置固定を実施できる。
(5-10)光学部品214,223,233は、下ライトガイド25Aに対して固定部材25Cにて位置固定されるので、これら光学部品214,223,233の位置固定を強化し、照明領域702R,702G,702Bの位置ずれを回避でき、光学像に生じる表示影を除去できる。
(5-11)光学部品位置決め治具300は、第1ホルダ317を有する第1位置決め治具310、第2ホルダ326を有する第2位置決め治具320、第3ホルダ334を有する第3位置決め治具330で構成され、第1載置台210における光学部品21,22,23,242の設計上の所定位置に載置固定される。このことにより、ライトガイド25を高精度に製造しなくてもよく、ライトガイド25の製造コストを低減でき、ひいては光学ユニット2の製造コストを低減できる。
(5-12)光学部品位置決め治具300を構成する第1ホルダ317、第2ホルダ326、および第3ホルダ334は、光学部品21,22,23,242の外形位置基準面となる第1支持面317A,327A、第2支持面317B,328A、第3支持面317Cを有しているので、光学部品21,22,23,242の外周をこれら支持面317A,317B,317C,327A,328Aに当接することで、容易に光学部品21,22,23,242の位置決めを実施できる。
(5-13)光学部品位置決め治具300を構成する第1ホルダ317、第2ホルダ326、および第3ホルダ334の内部には、それぞれ導通孔317D,328Bが形成されている。そして、これら導通孔317D,328Bの一端は、それぞれ第3支持面317Cおよび第2支持面328Aに接続する。このことにより、導通孔317D,328Bを真空ポンプにて吸気することで、光学部品21,22,23,242の外周端部をそれぞれ第3支持面317Cおよび第2支持面328Aに当接させることができ、光学部品21,22,23,242を高精度に位置決めできる。
(5-14)第1位置決め治具310は、Z軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316を有し、第2位置決め治具320は、Z軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326を有し、第2位置決め治具330は、回動部333を有している。このことにより、これら姿勢調整部312,313,316,322,323,326,333を操作して調整を必要とする光学部品212〜214,223,233,242の位置調整を容易に実施できる。
(5-15)光学部品位置決め治具300は、姿勢調整部312,313,316,322,323,326,333を有していることにより、製造対象となる光学ユニット2の設計の仕様に応じて、第1ホルダ317、第2ホルダ326、および第3ホルダ334を適切な位置に配置できる。したがって、種々の光学ユニットの製造に使用できる。
(5-16)光学ユニット2の製造装置100は、光学像検出装置400を備えている。そして、光学像検出装置400は、調整用光源装置500から射出され、光学ユニット2内の光学部品21,22,23,24にて形成された光学像を直接、検出する。このことにより、光学部品21,22,23,24にて形成された光学像をスクリーン上に拡大投写して、スクリーン上に投影された光学像を検出する構成に比較して、製造装置100を小型化できる。また、スクリーンを不要とすることにより、製造装置100を安価に製造できる。
(5-17)製造装置100は、調整用光源装置500を備えていることにより、プロジェクタ1内の光源装置4を用いる必要がなくなる。すなわち、プロジェクタ1に具備される、光源装置4を駆動させるための電源およびランプ駆動回路を使用する必要がなく、電源およびランプ駆動回路の駆動時における該電源、ランプ駆動回路、および光源装置を冷却する冷却機構を使用する必要もなくなる。また、光学像検出装置400の検出感度に応じて、調整用光源装置500の照度を調整できるので、光学像検出装置400にて適切に光学像を検出できる。
(5-18)光学部品位置決め治具300を構成する第1ホルダ317、第2ホルダ326、および第3ホルダ334は、光学部品21,22,23,242をそれぞれ下方から保持可能に構成される。また、載置台200は、第1載置台210の上面210Bにて光学部品位置決め治具300を載置固定するとともに、第2載置台220の上面220Bにて光学ユニット2の下ライトガイド25Aを載置する。このことにより、光学部品21,22,23,24および下ライトガイド25Aを製造装置100に対して上方から容易に設置でき、光学ユニット2の製造をさらに容易に実施できる。
(5-19)第2載置台220の上面220Bには、下ライトガイド25Aを所定位置に載置するための位置決め突起220Dが形成されている。そして、この位置決め突起220Dと、下ライトガイド25Aの底面に形成された位置決め孔251Gとが係合することで下ライトガイド25Aが第2載置台220の所定位置に載置される。このことにより、下ライトガイド25Aを光学部品21,22,23,24に対する所定位置に適切に設置でき、光学ユニット2を高精度に製造できる。
(5-20)ライトガイド25は、下ライトガイド25Aと、上ライトガイド25Bとを有し、下ライトガイド25Aの底面には、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする複数の孔251Dが形成されている。このことにより、下ライトガイド25Aの底面に形成された複数の孔251Dを介して光学部品位置決め治具300の一部が挿通可能となり、光学部品位置決め治具300による光学部品21,22,23,242の位置決めが実施可能となる。したがって、ライトガイド25を高精度に製造しなくてもよく、ライトガイド25の製造コストを低減でき、ひいては光学ユニット2の製造コストを低減できる。
(5-21)光学ユニット2は、製造装置100により上述した製造方法で製造されるので、光学部品21,22,23,24がライトガイド25に対して設計上の所定位置に適切に配置され、良好な光学像を形成できる。
(5-22)プロジェクタ1は、容易に製造され、製造コストの低減された光学ユニット2を備えているので、該プロジェクタ1を製造するにあたって、プロジェクタ1自体も容易に製造でき、製造コストの低減を図れる。また、プロジェクタ1は、良好な光学像を形成できる光学ユニット2を備えているので、光源装置4および投写レンズ3により良好な光学像を投影できる。
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面を基に説明する。第2実施形態において示す光学ユニットの製造方法は、第1実施形態で示した光学ユニットの製造方法と略同じであり、第2実施形態において示すプロジェクタは、第1実施形態に示したプロジェクタと略同じ構成を備えている。しかしながら、第2実施形態では、光学ユニットの製造方法における光学部品を光学部品用筐体に固定する方法と、光学部品および光学部品用筐体の構造とにおいて、第1実施形態との相違点を有する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図35は、第2実施形態に係るプロジェクタの光学ユニット2の光学系および下ライトガイド25Dを示す部分断面図である。また、図36は、下ライトガイド25Dを上方から見た斜視図である。
図35および図36に示すように、下ライトガイド25Dは、射出成形等による合成樹脂製の成形品とされており、この下ライトガイド25Dには、光学部品21、22、23、24が収納される部品収納部25D1と、この部品収納部25D1の一端側に形成され、投写レンズ3が設置される投写レンズ設置部252とが形成されている。
部品収納部25D1は、第1実施形態で示した下ライトガイド25Aの部品収納部251と略同じ構造を有しているが、第1レンズアレイ211、第2レンズアレイ212、偏光変換素子213および重畳レンズ214を固定する部分の構造が異なる。
すなわち、部品収納部25D1の両側面には、第1レンズアレイ211を固定する第1レンズアレイ固定部25D2と、第2レンズアレイ212を固定する第2レンズアレイ固定部25D3と、重畳レンズ214を固定する重畳レンズ固定部25D4とが、それぞれ形成されている。
第1レンズアレイ固定部25D2は、当接部25D21、治具挿入孔25D22およびかしめ片25D23とから構成されている。
当接部25D21は、第1レンズアレイ211の両端を支持し、部品収納部25D1の底面から起立して、下ライトガイド25Dと一体的に形成されている。
治具挿入孔25D22は、部品収納部25D1の側面に、第1レンズアレイ211に対応する位置に形成され、第1レンズアレイ211を固定する際に用いられる後述する固定治具5(図38)が挿通可能に形成されている。この治具挿入孔25D22には、第1レンズアレイ211をかしめ固定するためのかしめ片25D23(図35においては、破線で示す)が形成されている。このかしめ片25D23は、治具挿入孔25D22の内側面に一体的に、かつ、ライトガイド25の照明光軸に沿って形成されている。
なお、第2レンズアレイ固定部25D3についても、第2レンズアレイ211を支持する当接部25D31、部品収納部25D1の第2レンズアレイ211に対応する位置に形成された治具挿入孔25D32、およびこれら治具挿入孔25D32に形成され第2レンズアレイ211をかしめ固定するかしめ片25D33を備えて構成されている。また、重畳レンズ固定部25D4についても、同様に、当接部25D41、治具挿入孔25D42およびかしめ片25D43が形成されている。
ここで、図示を略したが、第1レンズアレイ固定部25D2および第2レンズアレイ固定部25D3に形成されたかしめ片25D23および25D33は、治具挿入孔25D22および25D32の部品収納部25D1における内側に形成されている。これに対し、重畳レンズ固定部25D4に形成されたかしめ片25D43は、治具挿入孔25D42の部品収納部25D1における外側に形成されている。
図37は、第2実施形態に係る光学ユニット2の製造方法のうち、位置調整を不要とする光学部品の固定方法を説明するフローチャートである。
第2実施形態に係る光学装置の製造方法は、第1実施形態の光学装置の製造方法と同様に、処理S1〜S5を経て行われる。この製造方法においても、固定に際して位置調整を不要とする光学部品は処理S3で固定処理がされるが、第1レンズアレイ211の固定処理において、第1実施形態と異なる。
具体的に、作業者は、位置調整を不要とする光学部品の外周部分に紫外線硬化型接着剤を塗布する(処理S31A)。ここで、位置調整を不要とする光学部品である第1レンズアレイ211、ダイクロイックミラー221,222、3つのフィールドレンズ224、入射側レンズ231および反射ミラー232,234のうち、第1レンズアレイ211および反射ミラー232,234については、紫外線硬化型接着剤を塗布しない。
そして、これら光学部品211、221、222、224、231、232、234を、それぞれ対応する光学部品位置決め治具300に設置する(処理S32:光学部品支持手順)。
処理S32の後、第1レンズアレイ211を部品収納部25D1にかしめ固定する(処理S35)。
具体的に、作業者は、第1レンズアレイ211が設置された第1位置決め治具310を駆動させ、第1レンズアレイ211の光束入射面を下ライトガイド25Dの部品収納部25D1に形成された当接部25D21に当接させる。この後、部品収納部25D1の側面に形成された治具挿入孔25D22から、部品収納部25D1内部に向かって固定治具を挿入し、治具挿入孔25D22に形成されたかしめ片25D23の先端に固定治具を当接させた状態で、かしめ片25D23の基端側に向かって移動させることでかしめ固定する。
図38は、部品収納部25D1への第1レンズアレイ211のかしめ固定方法を説明するための図である。このうち、図38(A)は、第1レンズアレイ211を設置する前を示す図であり、図38(B)は、設置した後を示す図である。また、図39は、第1レンズアレイ211を設置した後の部品収納部を示す断面図である。
上述のように、下ライトガイド25Dの部品収納部25D1には、第1レンズアレイ固定部25D2が形成されている。この第1レンズアレイ固定部25D2は、部品収納部25D1と一体的に形成され、第1レンズアレイ211が当接される当接部25D21と、固定治具が挿通される治具挿入孔25D22と、第1レンズアレイ211をかしめ固定するかしめ片25D23とを備えて構成されている。
図38(A)に示すように、かしめ片25D23は、部品収納部25D1に沿って、治具挿入孔25D22と一体的に形成されている。このかしめ片25D23は、部品収納部25D1の略半分の厚さ寸法を有しており、治具挿入孔25D22の内部側に形成されている。また、かしめ片25D23の先端側は、部品収納部25D1の外側に向かって傾斜した傾斜部25D24が形成されている。
ここで、固定治具5には、先端部分が突出し、基端に向かうにしたがって厚さ寸法が大きくなるように傾斜した傾斜部51が形成されている。この傾斜部51は、かしめ片25D23の傾斜部25D24の形成角度と略一致するように形成され、傾斜部25D24に当接される。
第1レンズアレイ211をかしめ固定する処理S35は、以下のように行う。
図38(A)に示すように、固定治具5の先端に形成された傾斜部51を、部品収納部25D1外側から矢印A方向に治具挿入孔25D22に挿入し、かしめ片25D23の傾斜部25D24に当接させる。この後、固定治具5をかしめ片25D23の基端側、すなわち、矢印B方向に移動させると、かしめ片25D23が、固定治具5の傾斜部25D24の傾斜に沿って、当接部25D21に光束入射面が位置決めされた第1レンズアレイ211に向かって傾斜する。この後さらに、固定治具5を矢印B方向に移動させ、かしめ片25D23を、第1レンズアレイ211の光束射出面に当接させる。このとき、固定治具5の先端から熱または超音波を発生させ、かしめ片25D23の一部を溶融させつつ、かしめ片25D23を第1レンズアレイ211に当接させる。その後、熱または超音波の発生を止め、かしめ片25D23が固化した後、かしめ片25D23から固定治具5を離間させる。この処理を、図39に示すように、略矩形に形成された第1レンズアレイ211の両側面に対して行う。これにより、図38(B)および図39に示すように、第1レンズアレイ211は、当接部25D21およびかしめ片25D23により、部品収納部25D1にかしめ固定される。
なお、上述した処理S35も、本発明の光学部品位置固定工程に相当する。
処理S35の後、図37に示すように、第1実施形態で示した処理S33およびS34を行い、第1レンズアレイ211を除いた各光学部品221,222,224,231,232,234を位置決め固定する。これにより、固定に際して位置調整が不要な光学部品211,221,222,224,231,232,234が位置決め固定される。
図40は、第2レンズアレイ212および重畳レンズ214をはじめとする、固定に際して位置調整を必要とする光学部品の位置決め固定の処理(処理S4)を説明するフローチャートである。この処理工程において、処理S41〜S52は、第1実施形態で示した処理と略同じであり、また、第2レンズアレイ212および重畳レンズ214をかしめ固定する処理S47AおよびS48Aは、上述の第1レンズアレイ211をかしめ固定する処理S35と略同じであるので、説明を省略する。
なお、上述した処理S47A,S48Aも、本発明の光学部品位置固定工程に相当する。
図41は、部品収納部25D1にかしめ固定された第2レンズアレイ212および重畳レンズ214を示す図である。このうち、図41(A)には、第2レンズアレイ212を示し、図41(B)には、重畳レンズ214を示している。
図41(A)および図41(B)に示すように、上述の処理S47AおよびS48Aにより、略矩形状の第2レンズアレイ212および重畳レンズ214は、当接部25D31と、治具挿入孔25D32と、かしめ片25D33とから構成される第2レンズアレイ固定部25D3、および、当接部25D41と、治具挿入孔25D42と、かしめ片25D43とから構成される重畳レンズ固定部25D4により、部品収納部25D1に固定される。この際、第2レンズアレイ212では、上述の第1レンズアレイ211の場合と異なり、光束入射面が当接部25D31に当接され、光束射出面にかしめ片25D33が当接される。
したがって、本発明の第2実施形態によれば、上述の(5-4)、(5-6)〜(5-8)および(5-11)〜(5-22)と略同じ効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
(6-1)光学ユニット2の製造は、光学部品用筐体設置工程S2にて下ライトガイド25Dを移動させ、該下ライトガイド25Dの底面に形成された孔251Dに光学部品位置決め治具300の一部が挿通するように下ライトガイド25Dを製造装置100の第2載置台220に載置する。また、光学部品位置決め工程S31A,S32,S33,S41〜S51にて光学部品21,22,23,24を移動させて下ライトガイド25Dの上端開口部分を介して下ライトガイド25A内に収納し、該光学部品21,22,23,242を下ライトガイド25Dの孔251Dから突出する第1ホルダ317、第2ホルダ326、第3ホルダ334にそれぞれ保持させる。そして、光学部品位置固定工程S35,S34,S52にて下ライトガイド25Dに対して光学部品21,22,23,242を位置固定する。このことにより、光学ユニット2を容易に製造できる。
(6-2)光学部品位置決め工程S31A,S32,S33、S41〜S51では、光学部品21,22,23が光学部品位置決め治具300により設計上の所定位置に位置決めされるので、ライトガイド25は、内部に外形位置基準面を有し、高精度な製造を必要とする合成樹脂製の成型品である従来のライトガイドと比較して、それほど高い精度は要求されない。したがって、ライトガイド25の製造コストを低減でき、ひいては光学ユニット2の製造コストを低減できる。
(6-3)光学部品用筐体設置工程S2を光学部品位置決め工程S31A,S32,S33、S41〜S51の前に実施しているので、光学部品21,22,23を位置決めした後に下ライトガイド25Dを設置する構成に比較して、位置決めされた光学部品21,22,23への下ライトガイド25Dの干渉により光学部品21,22,23,242の位置ずれが生じることを回避できる。
(6-4)光学ユニット2の製造方法は、調整を不要とする光学部品211,221,222,224,231,232,234と、調整を必要とする光学部品212〜214,223,233,242とに分けて、下ライトガイド25Dに対して位置決めおよび位置固定を実施する。このことにより、位置調整を必要とする最低限の部材のみを位置調整でき、光学ユニット2の製造を容易にかつ、迅速に実施できる。
(6-5)光学部品位置固定工程S35,S34,S47A,S48A,S52のうち、S35,S47A,S48Aでは、光学部品211,212,214を第1レンズアレイ固定部25D2、第2レンズアレイ固定部25D3、重畳レンズ固定部25D4でかしめ固定する。ここで、かしめ固定に供せられるかしめ片25D23,25D33,25D43は、部品収納部25D1に一体的に形成されているので、これらの光学部品211,212,214を固定する部品点数を削減することができる。また、接着剤を用いないので、これら光学部品211,212,214に接着剤が不要に付着することを考慮しなくてよいので、固定作業を簡易化することができる。
(6-6)光学部品位置固定工程S35,S34,S47A,S48A,S52のうち、S34,S52では、光学部品211,212,214を除く光学部品21,22,23,242を紫外線硬化型接着剤で固定するので、光学部品の位置調整後、容易にかつ迅速に位置固定を実施できる。
(6-7)光学部品位置決め治具300を構成する第1ホルダ317、第2ホルダ326、および第3ホルダ334は、光学部品21,22,23,242をそれぞれ下方から保持可能に構成される。また、載置台200は、第1載置台210の上面210Bにて光学部品位置決め治具300を載置固定するとともに、第2載置台220の上面220Bにて光学ユニット2の下ライトガイド25Dを載置する。このことにより、光学部品21,22,23,24および下ライトガイド25Dを製造装置100に対して上方から容易に設置でき、光学ユニット2の製造をさらに容易に実施できる。
(6-8)第2載置台220の上面220Bには、下ライトガイド25Dを所定位置に載置するための位置決め突起220Dが形成されている。そして、この位置決め突起220Dと、下ライトガイド25Dの底面に形成された位置決め孔251Gとが係合することで下ライトガイド25Dが第2載置台220の所定位置に載置される。このことにより、下ライトガイド25Dを光学部品21,22,23,24に対する所定位置に適切に設置でき、光学ユニット2を高精度に製造できる。
(6-9)ライトガイド25は、下ライトガイド25Dと、上ライトガイド25Bとを有し、下ライトガイド25Dの底面には、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする複数の孔251Dが形成されている。このことにより、下ライトガイド25Dの底面に形成された複数の孔251Dを介して光学部品位置決め治具300の一部が挿通可能となり、光学部品位置決め治具300による光学部品21,22,23,242の位置決めが実施可能となる。したがって、ライトガイド25を高精度に製造しなくてもよく、ライトガイド25の製造コストを低減でき、ひいては光学ユニット2の製造コストを低減できる。
(6-10)光学部品211,212,214のかしめ固定は、かしめ片25D23,25D33,25D43が形成された治具挿入孔25D22,25D32,25D42に固定治具5を挿入し、かしめ片25D23,25D33,25D43が光学部品211,212,214に当接するように、固定治具5をかしめ片25D23,25D33,25D43の基端側に移動させることによって実施される。これによれば、光学部品211,212,214の部品収納部25D1への固定を、固定治具5の移動だけで実施することができる。したがって、光学部品211,212,214の位置固定を簡易に、かつ、精度良く行うことができる。
(6-11)下ライトガイド25Dは、合成樹脂製の成形品であり、第1レンズアレイ固定部25D2、第2レンズアレイ固定部25D3および重畳レンズ固定部25D4は、下ライトガイド25Dと一体的に形成されているので、第1レンズアレイ211、第2レンズアレイ212および重畳レンズ214の固定に際しての部品点数を削減することができる。したがって、光学部品の位置固定に関する部品点数を削減することができるとともに、光学装置の製造工程を簡素化することができる。
(6-12)固定治具5は、第1レンズアレイ固定部25D2のかしめ片25D23の第1レンズアレイ211への当接の際に、熱または超音波を発生させて、かしめ片25D23を一部融解させる。これによれば、かしめ片25D23を第1レンズアレイ211に圧着させて、第1レンズアレイ211に内向きの力を加えて固定することができる。したがって、第1レンズアレイ固定部25D2の固定力を向上することができ、第1レンズアレイ211を安定して固定することができる。
なお、第2レンズアレイ固定部25D3による第2レンズアレイ212の固定、および、重畳レンズ固定部25D4による重畳レンズ214の固定においても、同様の効果を奏することができる。
〔3.第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図面を基に説明する。第3実施形態において示す光学ユニットの製造方法は、第2実施形態で示した光学ユニットの製造方法と略同じであり、第3実施形態において示すプロジェクタは、第2実施形態に示したプロジェクタと略同じ構成を備えている。しかしながら、第3実施形態では、固定治具が挿入される孔にかしめ片が複数形成されている点、およびこれらかしめ片によりかしめ固定される光学部品の形状において、第2実施形態と相違点を有する。
図42は、第1レンズアレイ211A、第2レンズアレイ212Aおよび重畳レンズ214Aのかしめ固定後の状態を示す図である。このうち、図42(A)は、第1レンズアレイ211Aを示し、図42(B)は、第2レンズアレイ212Aを示し、図42(C)は、重畳レンズ214Aが示されている。
図42(A)に示すように、第1レンズアレイ211Aは、略六角形状に形成され、部品収納部25D1の照明光軸に沿って延びる一対の側壁、すなわち、第1レンズアレイ固定部25D2の治具挿入孔25D22が形成された一対の側壁に対向する外周端面211A1が、その略中央部分で凸状に屈曲して形成されている。
また、この第1レンズアレイ211Aを挟むように、部品収納部25D1の両側壁に、第1レンズアレイ固定部25D2が形成されている。これら第1レンズアレイ固定部25D2には、当接部25D21、治具挿入孔25D22およびかしめ片25D23が、部品収納部25D1と一体的に形成され、かしめ片25D23は、それぞれの治具挿入孔25D22に2つ形成されている。これらかしめ片25D23が、上述の処理S35において、図示しない固定治具5により第1レンズアレイ211Aに当接されることにより、第1レンズアレイ211Aは、部品収納部25D1に固定される。
ここで、それぞれのかしめ片25D23は、第1レンズアレイ211Aの外周端面211A1の屈曲点L1を挟み、かつ、屈曲点L1から離れた位置に当接される。すなわち、かしめ片25D23の内側の側面と、第1レンズアレイ211Aの外周端面211A1との接点を点M1とすると、この点M1から、第1レンズアレイ211Aの中心線N1までの長さ寸法は、屈曲点L1から、中心線N1までの長さ寸法よりも短いとされている。
図42(B)に示すように、第2レンズアレイ212Aは、第1レンズアレイ211Aと同様に、略六角形状を有し、部品収納部25D1の側壁に対向する両外周端面212A1が、略中央部分で凸状に屈曲して形成されている。
また、第2レンズアレイ固定部25D3についても、第1レンズアレイ固定部25D2と同様に、第2レンズアレイ212Aを挟むように部品収納部25D1に形成され、これら第2レンズアレイ固定部25D3には、当接部25D31、治具挿入孔25D32、および2つのかしめ片25D33が形成されている。
なお、第2レンズアレイ固定部25D3の2つのかしめ片25D33による第2レンズアレイ212Aの部品収納部25D1への固定、および、かしめ片25D33の第2レンズアレイ212Aへの当接については、第1レンズアレイ固定部25D3および第1レンズアレイ212Aの場合と同様であるので、説明を省略する。
図42(C)に示すように、重畳レンズ214Aは、略長円形状を有しており、その略円形状に形成され、部品収納部25D1の側壁に対向する両外周端面214A1は、略中央部分で凸状に屈曲して形成されている。
また、重畳レンズ214Aを挟むように、部品収納部25D1の側壁には、重畳レンズ固定部25D4が形成されている。これら重畳レンズ固定部25D4には、当接部25D41、治具挿入孔25D42およびかしめ片25D43が形成されている。なお、かしめ片25D43は、第1レンズアレイ固定部25D2および第2レンズアレイ固定部25D3のかしめ片25D23,25D33と同様に、1つの治具挿入孔25D42に2つ形成されている。
なお、重畳レンズ固定部25D4の2つのかしめ片25D43による重畳レンズ214Aの部品収納部25D1への固定、および、かしめ片25D43の重畳レンズ214Aへの当接については、上述の第1レンズアレイ固定部25D3および第1レンズアレイ212Aの場合と同様であるので、説明を省略する。
したがって、本発明の第2実施形態によれば、上述の(5-4)、(5-6)〜(5-8)、(5-11)〜(5-22)および(6-1)〜(6-12)と略同じ効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
部品収納部25D1の側壁に対向する第1レンズアレイ211Aの外周端面211A1は、その略中央で凸状に屈曲して形成されている。また、第1レンズアレイ固定部25D2に形成されたかしめ片25D23は、それぞれの治具挿入孔25D22に2つ形成されている。これによれば、2つのかしめ片25D23と、第1レンズアレイ211Aの外周端面211A1との当接点M1が、外周端面211A1の屈曲点L1より、第1レンズアレイ211Aの中心線N1に近接することとなる。したがって、4箇所で外周端面211A1に当接するかしめ片25D23が、第1レンズアレイ211Aの照明光軸の直交方向に対する移動、および、照明光軸を中心軸とする回転を抑えることとなるので、第1レンズアレイ211Aを安定して部品収納部25D1に位置固定することができる。
なお、第2レンズアレイ212Aおよび第2レンズアレイ固定部25D3と、重畳レンズ214Aおよび重畳レンズ固定部25D4とにおいても、第1レンズアレイ211Aおよび第1レンズアレイ固定部25D2と略同様の構成であるので、略同じ効果を奏することができる。
〔4.第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を図面を基に説明する。第4実施形態において示す光学ユニットの製造方法は、第3実施形態で示した光学ユニットの製造方法と略同じであり、第4実施形態において示すプロジェクタは、第3実施形態に示したプロジェクタと略同じ構成を備えている。しかしながら、第4実施形態では、かしめ片が光学部品に傾斜する方向、およびこれらかしめ片によりかしめ固定される光学部品の形状において、第3実施形態と相違点を有する。
図43は、第1レンズアレイ211B、第2レンズアレイ212Bおよび重畳レンズ214Bのかしめ固定後の状態を示す図である。このうち、図43(A)は、第1レンズアレイ211Bを示し、図43(B)は、第2レンズアレイ212Bを示し、図43(C)は、重畳レンズ214Bが示されている。
図43(A)に示すように、第1レンズアレイ211Bは、部品収納部25D1の側壁に対向する両外周端面211B1が、それぞれ中心を異にする円弧状に形成されている。また、第1レンズアレイ固定部25D2が、部品収納部25D1に、第1レンズアレイ211Bを挟むように、2つのかしめ片25D23を含んで形成されている。
ここで、第1レンズアレイ固定部25D2による第1レンズアレイ211Bの固定は、略L字状に形成された図示しない固定治具の当接・移動により、2つのかしめ片25D23が、第1レンズアレイ211Bの略中央に向かって傾斜して当接されることによって実施される。すなわち、略L字状に形成された固定治具の一辺の内側に相当する部分に、一方のかしめ片25D23が当接され、また、他方の辺の内側に相当する部分に、他方のかしめ片25D23が当接される。この固定治具の移動により、それぞれのかしめ片25D23は、第1レンズアレイ211Bの略中央に向かって傾斜し、当接される。このとき、それぞれのかしめ片25D23は、外周端面211B1において、最も突出した点L2を挟むようにして第1レンズアレイ211Bに当接される。これにより、かしめ片25D23の内側側面と外周端面211B1との当接点M2は、第1レンズアレイ211Bの中心線N2からの距離が、点L2よりも短くなる。
図43(B)および図43(C)に示すように、第2レンズアレイ212Bおよび重畳レンズ214Bは、第1レンズアレイ211Bと同様に、部品収納部25D1の側壁に対向する両外周端面212B1、214B1が、それぞれ中心を異にする円弧状に形成されている。また、同様に、第2レンズアレイ固定部25D3および重畳レンズ固定部25D4が、部品収納部25D1に、第2レンズアレイ212Bおよび重畳レンズ214Bを挟むように、2つのかしめ片25D33、25D43を含んで形成されている。
なお、第2レンズアレイ固定部25D3および重畳レンズ固定部25D4の2つのかしめ片25D33,25D43による第2レンズアレイ212Bおよび重畳レンズ214Bの部品収納部25D1への固定、および、かしめ片25D33,25D43の第2レンズアレイ212Bおよび重畳レンズ214Bへの当接については、第1レンズアレイ固定部25D3および第1レンズアレイ212Bの場合と同様であるので、説明を省略する。
したがって、本発明の第2実施形態によれば、上述の(5-4)、(5-6)〜(5-8)、(5-11)〜(5-22)および(6-1)〜(6-12)と略同じ効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
部品収納部25D1の側壁に対向する第1レンズアレイ211Bの外周端面211B1は、それぞれ中心を異にする円弧状に形成されている。また、第1レンズアレイ固定部25D2には、かしめ片25D23が、それぞれの治具挿入孔25D22に2つ形成されている。さらに、これらのかしめ片25D23は、図示しない固定治具により、第1レンズアレイ211Bの略中央に向かって傾斜して、第1レンズアレイ211Bに当接される。これによれば、2つのかしめ片25D23と、第1レンズアレイ211Bの外周端面211B1との当接点M1は、側面211B1における最も突出した点L2より、第1レンズアレイ211Bの中心線N2に近いこととなる。したがって、4箇所で側面211B1に当接するかしめ片25D23が、第1レンズアレイ211Aの照明光軸の直交方向に対する移動を制限し、さらに、照明光軸を中心軸とする回転を抑えることとなるので、第1レンズアレイ211Bを安定して部品収納部25D1に位置固定することができる。
なお、第2レンズアレイ212Bおよび第2レンズアレイ固定部25D3と、重畳レンズ214Bおよび重畳レンズ固定部25D4とにおいても、第1レンズアレイ211Bおよび第1レンズアレイ固定部25D2と略同様の構成であるので、略同じ効果を奏することができる。
〔5.実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記各実施形態では、ライトガイド25は、下ライトガイド25Aまたは25Dと、上ライトガイド25Bとを有し、下ライトガイド25A,25Dの底面には、光学部品位置決め治具300の一部を挿通可能とする複数の孔251Dが形成されていたが、これに限らない。例えば、ライトガイドとしては、少なくとも1つの開口を有する構成であればよく、下ライトガイド25A,25Dの底面に複数の孔251Dを形成しない容器状の構成、下ライトガイド25Aまたは25Dと、上ライトガイド25Bとを一体化し、天面または底面に複数の孔を形成した中空状の構成等を採用できる。このようなライトガイドを用いた光学ユニットの製造方法としては、以下のような方法を採用できる。
図44は、光学ユニット2の製造方法の変形例を示す図である。
先ず、図44に示すように、光学部品位置決め工程にて製造装置100の光学部品位置決め治具300を用いて光学部品21,22,23,242を設計上の所定位置に位置決めする。この後、ライトガイドが上述した容器状の構成であれば、光学部品用筐体設置工程にて、ライトガイドを移動させて該ライトガイドの下ライトガイドの上端開口部分を介して位置決めされた光学部品21,22,23,242が内部に収納されるように下ライトガイドを光学部品21,22,23,242に対する所定位置に設置する。また、ライトガイドが上述した中空状の構成であれば、光学部品用筐体設置工程にて、ライトガイドを移動させて該ライトガイドに形成された複数の孔を介して位置決めされた光学部品21,22,23,242が内部に収納されるようにライトガイドを光学部品21,22,23,242に対する所定位置に設置する。そして、光学部品位置決め工程にて下ライトガイドに対して光学部品21,22,23,242を位置固定する。
このような構成では、ライトガイドは、少なくとも1つの開口を有する構成とすればよく、ライトガイドの製造コストをさらに低減でき、ひいては光学ユニットの製造コストをさらに低減できる。
前記各実施形態では、光学部品位置決め工程S31(S31A)〜S33、S41〜S51を実施する際、光学像検出装置400が光学部品21,22,23,24を介した光学像を直接、検出していたが、これに限らない。例えば、光学像検出装置400にて検出した光学像をモニタ等に出力し、モニタに表示された光学像を目視にて確認しながら、光学部品の位置調整を実施してもよい。また、例えば、製造装置100がスクリーンを具備した構成とし、光学部品21,22,23,24を介した光学像を投写レンズ3にて拡大投写し、スクリーン上に投影する構成を採用してもよい。このスクリーンを具備した構成では、例えば、以下に示すように光学ユニット2を製造できる。
図45、図46は、光学ユニット2の製造方法の変形例を示す図である。
上述した図19の処理S44まで実施した後、図45に示すように、投写レンズ3を下ライトガイド25Aにおける投写レンズ設置部252に位置決め固定する。なお、光学部品用筐体設置工程S2の後に、予め投写レンズ設置部252に投写レンズ3を位置決め固定してもよい。
この後、上述した図19の処理S45にて調整用光源装置500から光束を照射させ、図46に示すように、光学部品21,22,23,24にて形成した光学像を投写レンズ3を介して拡大投写し、スクリーン101上に投影する。そして、スクリーン101の裏面側から光学像検出装置400にてスクリーン101上の投影像を検出し、上述した図19に示す処理S46〜S52および処理S5を実施する。なお、スクリーン101上に光学像を投影した後、投影された光学像を目視にて確認しながら、光学部品位置決め治具300を操作し、調整を必要とする光学部品212〜214,223,233,242の位置調整を実施してもよい。
前記第1実施形態では、光学部品位置固定工程S34、S52において、紫外線硬化型接着剤を用いて光学部品21,22,23,242を下ライトガイド25Aに位置固定していたが、これに限らず、熱硬化型接着剤を用いて位置固定する構成を採用してもよい。また、これら接着剤は、光学部品の位置決め、および、下ライトガイド25Aの製造装置100への設置の後に塗布してもよい。
前記第1実施形態では、光学部品214,223,232〜234は、支持部として機能する固定部材25Cにて下ライトガイド25Aに固定されていたが、これに限らない。例えば、光学部品21,22,23,24の全てを下ライトガイド25Aに直接、位置固定する構成を採用してもよい。このような構成では、例えば、以下に示すような下ライトガイドの構造を採用できる。なお、上ライトガイドの構造は、上述した上ライトガイド25Bの構造と同様のものとする。
図47,48は、下ライトガイド25Aの変形例を示す図である。
下ライトガイド250は、上述した下ライトガイド25Aの構造と略同様であり、同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
下ライトガイド250における光学部品214,221,222,233に対応する側面および支持部251Fには、図47または図48に示すように、側面視略L字状の支持部250Aが、例えば溶接等により固着されている。そして、この支持部250Aが、上述した支持部251B,251Fと同様に、光学部品を支持する部材として機能する。なお、このような構成に限らず、上述した支持部251B,251Fと同様に、下ライトガイド25Aの側面または底面を切り起こし、この切り起こした側面または底面の一部を支持部250Aとして機能させる構成としてもよい。
また、下ライトガイド250における光学部品223,232,234に対応する側面には、上述した孔251Cは形成されず、光学部品223,232,234は、側面に直接固定される。
このような構成とすれば、ライトガイド25は、固定部材25Cを不要とし、ライトガイド25の軽量化を図れ、ひいては光学ユニット2の軽量化を図れる。
前記各実施形態では、光学部品位置決め治具300は、光学部品21,22,23,242を下方から保持する構成としたが、これに限らず、上方から保持する構成としてもよい。すなわち、第2載置台220にて下ライトガイド25A,25Dを下方から支持するとともに、光学部品位置決め治具にて光学部品21,22,23,242を上方から保持する構成とする。また、光学部品用筐体保持部を、下ライトガイド25A,25Dを下方から保持する第2載置台220として構成したが、これに限らず、下ライトガイド25A,25Dを上方から保持する構成としてもよい。すなわち、下ライトガイド25A,25Dを上方から保持するとともに、光学部品位置決め治具にて光学部品21,22,23,242を下方から保持する構成とする。
前記各実施形態では、第1位置決め治具310は、姿勢調整部として、Z軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316を有し、第2位置決め治具320は、姿勢調整部として、Z軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326を有し、第3位置決め治具330は、姿勢調整部として回動部333を有する構成を説明したが、これに限らない。すなわち、光学部品位置決め治具300は、調整を必要とする光学部品212〜214,223,233,242のみを調整可能に構成されていればよく、調整を不要とする光学部品211,221,222,224,231,232,234に対応する光学部品位置決め治具300は、姿勢調整部を有しない構成としてもよい。
また、第1位置決め治具310、第2位置決め治具320、および第3位置決め治具における光学部品の姿勢調整機構は、上述した実施形態に限らない。その他の姿勢調整構造を採用してもよい。
前記第1実施形態では、ライトガイド25を構成する下ライトガイド25Aおよび上ライトガイド25Bは、アルミニウム等の平板を板金加工により形成されていたが、これに限らず、射出成型等による成型により形成される合成樹脂製、Mg合金、Al合金等の成型品から構成してもよい。
具体的に、図49は、下ライトガイド25Aの変形例を示す図である。具体的には、合成樹脂製の成型品で構成したライトガイド25における下ライトガイド350を上方側から見た斜視図である。
下ライトガイド350は、上述した下ライトガイド25Aの構造と略同様であり、同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。図示は省略するが、下ライトガイド350の底面の裏面には、上述した下ライトガイド25Aの位置決め孔251Gと同様の位置決め孔が形成されているものとする。
下ライトガイド350には、光学部品211〜213,221,222,224,231,242に対応して支持部350Aが形成されている。そして、この支持部350Aが、上述した支持部251B,251Fと同様に、光学部品と当接し、該光学部品を支持する部材として機能する。なお、光学部品214,223,232〜234は、図示は省略するが、上述した構成と同様に、固定部材25Cにて支持できる。
この支持部350Aにおいて、光学部品211〜213,221,222,224,231,242と当接する当接面には、溝部351が形成されている。
図50は、支持部350Aに形成された溝部351を示す図である。具体的に、図50は、図49の一部を拡大した図である。
この溝部351は、支持部350Aの上端部から下端部にかけて貫通するように支持部350Aに形成されている。
図51は、光学部品が支持部350Aに支持されている状態を示す平面図である。なお、図51では、光学部品のうち、第1レンズアレイ212が支持部350Aに支持されている状態を上方から見ている図である。
そして、光学部品211〜213,221,222,224,231,242を下ライトガイド350に対して位置決め固定する方法としては、上述した光学部品位置決め工程S31〜S33,S41〜S51と略同様の工程にて、光学部品を位置決めした後、光学部品位置固定工程S34,S52において、例えば、図51に示すように、紫外線硬化型接着剤または熱硬化型接着剤を支持部350Aの上端部側から溝部351に注入し、光学部品(第1レンズアレイ212)と支持部350Aとの間に充填する。そして、紫外線を照射、またはホットエア等により接着剤を硬化させて光学部品(第1レンズアレイ212)を下ライトガイド350に対して位置決め固定する。
このような位置決め固定では、光学部品と支持部350Aとの間に接着剤を注入する作業が容易に実施でき、光学部品を位置決めした後、容易にかつ迅速に位置固定を実施できる。また、光学部品に不要に接着剤が付着することを回避できる。さらに、例えば、下ライトガイド350の製造誤差により支持部350Aと光学部品との間の隙間が狭くなった場合でも、容易に光学部品を下ライトガイド350に対して位置固定できる。
なお、溝部351としては、支持部350Aの上端部から下端部にかけて貫通するように形成する構成の他、例えば、図52、図53に示す構成も採用できる。
具体的に、図52では、溝部351Aは、支持部350Aの上端部から下端部近傍にかけて該支持部350Aに形成されている。すなわち、溝部351Aは、支持部350Aの上端部から下端部まで貫通していない。このような構成では、光学部品位置固定工程S34,S52において、接着剤を溝部351Aに注入した際に、下ライトガイド350の下方側から接着剤が漏れることを回避できる。
また、図53では、溝部351Bは、支持部350Aの下端部から上端部近傍にかけて該支持部350Aに形成されている。すなわち、溝部351Bは、支持部350Aの下端部から上端部まで貫通していない。例えば、下ライトガイド350の上端部開口部分が下方に位置するように製造装置100における光学部品用筐体保持部にて下ライトガイド350を保持する構成とした場合、光学部品位置固定工程S34,S52において、接着剤を下端部側から溝部351Bに注入した際に、下ライトガイド350の上端部開口部分から接着剤が漏れることを回避できる。
前記第2から第4実施形態では、第1レンズアレイ211,211A,211Bは、下ライトガイド25Dの部品収納部25D1の照明光軸に沿って延びる側壁に形成された第1レンズアレイ固定部25D2により、かしめ固定されるとしたが、下ライトガイド25Dの底面および上ライトガイド25Bに第1レンズアレイ固定部を形成して、第1レンズアレイをかしめ固定する構成としてもよい。なお、部品収納部25D1の側壁とすれば、光学部品位置決め治具300が部品収納部25D1底面から挿通されるので、第1レンズアレイのかしめ固定が容易であり、かつ、かしめ固定精度を向上することができる。
なお、第2レンズアレイ212,212A,212Bおよび重畳レンズ214,214A,214Bを固定する第2レンズアレイ固定部25D3および重畳レンズ固定部25D4についても同様である。
前記第2から第4実施形態では、部品収納部25D1にかしめ固定される光学部品は、第1レンズアレイ211,211A,211B、第2レンズアレイ212,212A,212Bおよび重畳レンズ214,214A,214Bとしたが、この他の光学部品をかしめ固定するようにしてもよい。例えば、偏光変換素子213を挙げることができる。
前記第3および第4実施形態では、かしめ固定時およびかしめ固定後の回転抑制のため、第1レンズアレイ211A,211Bの外周端面211A1,211B1を凸状に屈曲または円弧状に形成したが、これに限らず、他の形状としてもよい。例えば、外周端面を内側に曲面状に凹んだ形状としてもよい。このような形状としても、かしめ固定時およびかしめ固定後の第1レンズアレイの移動および回転を規制することができる。
なお、第2レンズアレイおよび重畳レンズについても同様である。
前記第2から第4実施形態では、かしめ片25D23,25D33,25D43は、それぞれの治具挿入孔25D22,25D32,25D42に、1つまたは2つ形成されるとしたが、これ以上であってもよい。なお、治具挿入孔および固定対象である光学部品の寸法を考慮した場合、1つまたは2つのかしめ片とするのが適当である。
前記各実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明の光学装置の製造方法、光学部品位置決め治具、光学装置の製造装置、光学部品用筐体、光学部品および光学装置は、プロジェクタの製造に利用することができ、このようなプロジェクタは、会議、学会、展示会等でのマルチメディアプレゼンテーションに適用される光源装置及びプロジェクタとして利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る光学部品用筐体を備えたプロジェクタの構造を示す斜視図。 前記実施形態における光学ユニットの内部構造を模式的に示す平面図。 前記実施形態における光学ユニットの光学系を説明する図。 前記実施形態における下ライトガイドを上方から見た斜視図。 前記実施形態における下ライトガイドを下方から見た斜視図。 前記実施形態に係る光学ユニットの製造装置の概略構成を示す全体斜視図。 前記実施形態に係る光学部品位置決め治具の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における第1位置決め治具の構造を示す斜視図。 前記実施形態における第1ホルダの光学部品の保持構造を示す図。 前記実施形態における第2位置決め治具の構造を示す斜視図。 前記実施形態における第2ホルダの光学部品の保持構造を示す図。 前記実施形態における第3位置決め治具の構造を示す斜視図。 前記実施形態における光学像検出装置の構造を示す模式図。 前記実施形態における光学像検出装置の変形例を示す図。 前記実施形態における制御装置による制御構造を模式的に示したブロック図。 前記実施形態に係る光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における光学部品位置決め治具への光学部品の設置方法を説明するための図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における製造装置に下ライトガイドおよび光学部品が設置された状態を示す図。 前記実施形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図。 前記実施形態における輝度値変化曲線取得部による輝度値変化曲線の取得方法の一例を示す図。 前記実施形態における輝度値変化曲線の一部を拡大して示す図。 前記実施形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図。 前記実施形態における偏光変換素子のX軸方向位置と輝度値との関係を示すグラフ。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図。 前記実施形態における入射側偏光板の姿勢位置と撮像画像の輝度値との関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る光学ユニットの光学系および下ライトガイドを示す部分断面図。 前記実施形態における下ライトガイドを上方から見た斜視図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 (A)前記実施形態における第1レンズアレイのかしめ固定前の状態を示す断面図。 (B)前記実施形態における第1レンズアレイのかしめ固定後の状態を示す断面図。 前記実施形態における第1レンズアレイのかしめ固定後の状態を示す正面図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法を説明するフローチャート。 (A)前記実施形態における第2レンズアレイのかしめ固定後の状態を示す正面図。 (B)前記実施形態における重畳レンズのかしめ固定後の状態を示す正面図。 (A)本発明の第3実施形態に係る第1レンズアレイのかしめ固定後の状態を示す正面図。 (B)前記実施形態における第2レンズアレイのかしめ固定後の状態を示す正面図。 (C)前記実施形態における重畳レンズのかしめ固定後の状態を示す正面図。 (A)本発明の第4実施形態に係る第1レンズアレイのかしめ固定後の状態を示す正面図。 (B)前記実施形態における第2レンズアレイのかしめ固定後の状態を示す正面図。 (C)前記実施形態における重畳レンズのかしめ固定後の状態を示す正面図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法の変形例を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法の変形例を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの製造方法の変形例を示す図。 前記実施形態における下ライトガイドの変形例を示す図。 前記実施形態における下ライトガイドの変形例を示す図。 前記実施形態における下ライトガイドの変形例を示す図。 図40の一部を拡大した図。 図40の下ライトガイドに光学部品が支持されている状態を示す平面図。 前記実施形態における下ライトガイドの変形例を示す図。 前記実施形態における下ライトガイドの変形例を示す図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、2・・・光学ユニット(光学装置)、3・・・投写レンズ(投写光学装置)、4・・・光源装置、5・・・固定治具、21,22,23,24・・・光学部品、25・・・ライトガイド(光学部品用筐体)、25A,25D・・・下ライトガイド(筐体本体)、25B・・・上ライトガイド(蓋状部材)、25C・・・固定部材(支持部)、200・・・載置台(光学部品用筐体保持部)、211・・・第1レンズアレイ(光学部品)、212・・・第2レンズアレイ(光学部品)、214・・・重畳レンズ(光学部品)、210B,220B・・・上面(載置面)、220D・・・位置決め突起(位置決め部)、251B,251F・・・支持部、251D・・・孔、211A1,211B1,212A1,212B1,214A1,214B1・・・側面、25D21,25D31,25D41・・・当接部、25D22,25D32,25D42・・・治具挿入孔、25D23,25D33,25D43・・・かしめ片、300・・・光学部品位置決め治具、300A・・・治具駆動部、317・・・第1ホルダ(保持部)、326・・・第2ホルダ(保持部)、334・・・第3ホルダ(保持部)、317A,317B,317C,327A,328A・・・支持面、317D,328B・・・導通孔(吸気用孔)、400・・・光学像検出装置、500・・・調整用光源装置(光束照射装置)、630・・・制御部、702,702R,702G,702B・・・照明領域、631・・・画像取込部、632A・・・輝度値取得部、632D・・・境界点取得部、632E・・・演算処理部、S2・・・光学部品用筐体設置工程、S31〜S33,S31A,S41〜S51・・・光学部品位置決め工程、S34,S35,S47A,S48A,S52・・・光学部品位置固定工程、S32,S43・・・光学部品支持手順、S46・・・光学像検出手順、S47〜S51・・・光学部品位置調整手順、S472,S479A,S482,S492,S511・・・画像取込ステップ、S473,S479B,S512・・・輝度値取得ステップ、S477,S479G,S486,S497,S517・・・位置調整量算出ステップ、S478,S479H,S487,S488,S498,S499,S518・・・位置調整ステップ、S471,S482,S491・・・照明領域移動ステップ、S476,S483,S493・・・境界点取得ステップ。

Claims (27)

  1. 光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置の製造方法であって、
    前記光学部品用筐体は、前記複数の光学部品を収納する容器状の筐体本体と、前記筐体本体の開口部分を閉塞する蓋状部材とを備えて構成され、
    前記筐体本体の底面には、内部に向けて貫通する複数の孔が形成され、
    位置決め治具の一部が前記複数の孔に挿通するように、前記筐体本体を所定位置に設置する光学部品用筐体設置工程と、
    前記複数の光学部品を前記筐体本体の開口部分を介して該筐体本体内部に収納し、前記複数の開口部に挿通される前記位置決め治具を用いて前記複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする光学部品位置決め工程と、
    前記光学部品位置決め工程にて位置決めされた前記複数の光学部品を前記筐体本体に対して位置固定する光学部品位置固定工程とを備えていることを特徴とする光学装置の製造方法。
  2. 光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置の製造方法であって、
    前記光学部品用筐体は、内部に向けて貫通する少なくとも1つの開口を有し、
    位置決め治具を用いて前記複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする光学部品位置決め工程と、
    前記光学部品位置決め工程にて位置決めされた前記複数の光学部品が前記開口を介して内部に収納されるように、前記光学部品用筐体を前記複数の光学部品に対する所定位置に設置する光学部品用筐体設置工程と、
    前記光学部品位置決め工程にて位置決めされた前記複数の光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定する光学部品位置固定工程とを備えていることを特徴とする光学装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学装置の製造方法において、
    前記光学部品位置決め工程は、前記位置決め治具を用いて前記複数の光学部品を設計上の所定位置で支持させる光学部品支持手順と、前記光学部品支持手順にて支持された前記複数の光学部品に対して光束を照射し、前記複数の光学部品を介した光学像を光学像検出装置で検出する光学像検出手順と、前記光学像検出手順にて検出された光学像に基づいて、前記位置決め治具を操作して前記複数の光学部品のうちのいずれかの光学部品を位置調整する光学部品位置調整手順とを備えていることを特徴とする光学装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の光学装置の製造方法において、
    前記位置決め治具は、該位置決め治具を駆動する治具駆動部と、この治具駆動部を制御する制御部とにより駆動制御され、
    前記光学部品位置調整手順は、前記光学像検出手順にて検出された光学像を前記制御部が取り込んで画像信号に変換する画像取込ステップと、前記画像取込ステップにて変換された画像信号から前記制御部が輝度値を取得する輝度値取得ステップと、前記輝度値取得ステップにて取得された輝度値に基づいて前記制御部が前記光学部品の位置調整量を算出する位置調整量算出ステップと、前記位置調整量算出ステップにて算出された位置調整量に基づいて前記制御部が前記治具駆動部を制御して前記位置決め治具を駆動させることで前記光学部品を位置調整する位置調整ステップとを備えていることを特徴とする光学装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の光学装置の製造方法において、
    前記光学部品位置調整手順は、前記制御部が前記治具駆動部を制御して前記位置決め治具を駆動させることで前記光学部品を移動させ、前記光学部品を介した光学像の照明領域を移動させる照明領域移動ステップと、前記輝度値取得ステップにて取得した輝度値に基づいて前記制御部が前記照明領域移動ステップにて移動された照明領域の境界点を取得する境界点取得ステップとを備え、
    前記位置調整量算出ステップは、前記境界点取得ステップにて取得した照明領域の境界点に基づいて前記制御部が前記光学部品の位置調整量を算出することを特徴とする光学装置の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学装置の製造方法において、
    前記光学部品用筐体は、前記光学部品と当接する支持部を有し、
    前記光学部品と前記支持部との間には、光硬化型接着剤または熱硬化型接着剤が充填され、
    前記光学部品位置固定工程は、前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を硬化させて前記光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定することを特徴とする光学装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載の光学装置の製造方法において、
    前記光学部品と当接する前記支持部の当接面には、溝部が形成され、
    前記光学部品位置固定工程は、前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を前記溝部に注入して前記光学部品と前記支持部との間に前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を充填し、さらに前記光硬化型接着剤または前記熱硬化型接着剤を硬化させて前記光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定することを特徴とする光学装置の製造方法。
  8. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学装置の製造方法において、
    前記光学部品用筐体は、前記光学部品が当接される当接部と、該光学部品を前記当接部に固定する固定治具が挿入される治具挿入孔と、この治具挿入孔に形成され、前記固定治具に当接されるかしめ片とを有し、
    前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具を前記治具挿入孔に挿入して前記かしめ片に当接させ、前記光学部品位置決め工程にて前記当接部に位置決めされた前記光学部品に、該かしめ片を当接させて、前記光学部品用筐体に対して該光学部品をかしめ固定することを特徴とする光学装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の光学装置の製造方法において、
    前記かしめ片は、前記光学部品用筐体の照明光軸に沿って前記治具挿入孔に形成され、
    前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具が前記かしめ片と当接され、該固定治具が照明光軸に沿って移動して該かしめ片を折り曲げ、該かしめ片が、前記光学部品の前記支持部に当接される面と反対側の面に当接して、該光学部品を該光学部品用筐体に対して位置固定することを特徴とする光学装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の光学装置の製造方法において、
    前記かしめ片は、前記治具挿入孔に複数形成され、
    前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具が、それぞれの前記かしめ片を前記光学部品の中心に向かって傾斜させ、傾斜した該かしめ片が該光学部品に当接して、該光学部品を該光学部品収納用筐体に対して位置固定することを特徴とする光学装置の製造方法。
  11. 請求項9または請求項10に記載の光学装置の製造方法において、
    前記光学部品位置固定工程は、前記固定治具から発生する熱または超音波により前記かしめ片を前記光学部品に圧着させ、該光学部品を前記光学部品用筐体に対して位置固定することを特徴とする光学装置の製造方法。
  12. 光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置を製造するために、前記光学部品を前記光学部品用筐体内の所定位置に位置決めする光学部品位置決め治具であって、
    前記複数の光学部品を保持する複数の保持部を備え、
    前記複数の保持部は、前記複数の光学部品の設計上の所定位置に配置されることを特徴とする光学部品位置決め治具。
  13. 請求項12に記載の光学部品位置決め治具において、
    前記複数の保持部の少なくともいずれかは、前記光学部品の外周端部と当接し、該光学部品の外形位置基準面となる支持面を有していることを特徴とする光学部品位置決め治具。
  14. 請求項13に記載の光学部品位置決め治具において、
    前記支持面には、前記光学部品の外周端部を吸着可能とする吸気用孔が形成されていることを特徴とする光学部品位置決め治具。
  15. 請求項12から請求項14のいずれかに記載の光学部品位置決め治具において、
    前記複数の保持部の少なくともいずれかの位置を変更し、該保持部にて保持された前記光学部品の姿勢を調整する姿勢調整部を備えていることを特徴とする光学部品位置決め治具。
  16. 光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納配置する光学部品用筐体とを備えた光学装置を製造する光学装置の製造装置であって、
    前記光学部品用筐体は、内部に向けて貫通する少なくとも1つの開口を有し、
    請求項12から請求項15のいずれかに記載の光学部品位置決め治具と、
    前記光学部品位置決め治具の一部が前記開口に挿通可能な状態で前記光学部品用筐体を保持する光学部品用筐体保持部とを備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
  17. 請求項16に記載の光学装置の製造装置において、
    前記光学装置に光束を導入する光束照射装置と、
    前記光束照射装置から射出され、前記複数の光学部品を介した光学像を検出する光学像検出装置とを備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
  18. 請求項17に記載の光学装置の製造装置において、
    前記光学部品位置決め治具は、前記光学部品を位置調整可能に構成され、
    前記光学部品位置決め治具を駆動する治具駆動部と、前記治具駆動部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記光学像検出装置で検出された画像を取り込んで画像信号に変換する画像取込部と、前記画像取込部から出力された画像信号に基づいて画像の輝度値を取得する輝度値取得部と、前記輝度値取得部にて取得された輝度値に基づいて前記光学部品の位置調整量を算出する演算処理部とを備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
  19. 請求項18に記載の光学装置の製造装置において、
    前記制御部は、前記治具駆動部を制御して前記光学部品位置決め治具を駆動させることで前記光学部品を移動させて前記光学部品を介した光学像の照明領域を移動し、前記輝度値取得部にて取得された輝度値に基づいて前記照明領域の境界点を取得する境界点取得部を備え、
    前記演算処理部は、前記境界点取得部にて取得された照明領域の境界点に基づいて前記光学部品の位置調整量を算出することを特徴とする光学装置の製造装置。
  20. 請求項16から請求項19のいずれかに記載の光学装置の製造装置において、
    前記光学部品位置決め治具は、前記光学部品を下方から保持可能に構成され、
    前記光学部品用筐体保持部は、前記光学部品位置決め治具を載置固定するとともに、前記光学部品用筐体を載置する載置面を有していることを特徴とする光学装置の製造装置。
  21. 請求項20に記載の光学装置の製造装置において、
    前記載置面には、前記光学部品用筐体を前記複数の光学部品に対する所定位置に位置決めする位置決め部が形成されていることを特徴とする光学装置の製造装置。
  22. 内部に光源から射出される光束の照明光軸が設定され、この照明光軸上の所定位置に複数の光学部品を収納配置する光学部品用筐体であって、
    前記複数の光学部品を収納する容器状の筐体本体と、この筐体本体の開口部分を閉塞する蓋状部材とを備え、
    前記筐体本体の底面には、前記複数の光学部品を設計上の所定位置に位置決めする位置決め治具の一部を挿通可能とする複数の孔が形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。
  23. 請求項22に記載の光学部品用筐体において、
    前記筐体本体は、前記光学部品が当接される当接部と、該光学部品に対応する位置に形成され、該光学部品を前記当接部に固定する固定治具の一部を挿通可能とする治具挿入孔と、前記治具挿入孔に照明光軸に沿って形成され、前記固定治具に当接されるかしめ片とを含んで構成され、
    前記かしめ片は、該かしめ片に当接する前記固定治具の挿入により、前記位置決め治具により位置決めされた前記光学部品側に傾斜して、該光学部品に当接され、該光学部品をかしめ固定することを特徴とする光学部品用筐体。
  24. 請求項23に記載の光学部品用筐体に収納される光学部品であって、
    前記光学部品用筐体の照明光軸に沿って延びる一対の側壁と対向する光学部品の外周端面は、中間が外側に凸状に屈曲していることを特徴とする光学部品。
  25. 請求項23に記載の光学部品用筐体に収納される光学部品であって、
    前記光学部品用筐体の照明光軸に沿って延びる一対の側壁と対向する光学部品の外周端面は、それぞれ中心の異なる円弧状に形成されていることを特徴とする光学部品。
  26. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学装置の製造方法により製造されたことを特徴とする光学装置。
  27. 光源と、この光源から射出された光束を画像情報に応じて光学像を形成する請求項26に記載の光学装置と、この光学装置にて形成された光学像を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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