以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るプロジェクターの光学系の構造を示す図である。図2は、光学ユニットの構造を示す斜視図である。図1、図2を用いて、プロジェクター1の光学系および光学ユニット4の構成および動作を説明する。
なお、本実施形態を説明する図面(図1、図2、および以降で説明する図3〜図9)において、リレーレンズ433を透過する照明光軸Lの方向をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸としたXYZ直交座標系で示し、光束の進む方向を+X方向、+X方向からみて右方向を+Y方向、+X方向からみて上方向を+Z方向とする。
プロジェクター1は、光学ユニット4を有して構成されている。光学ユニット4は、光源装置411から射出された光束を画像信号に基づいて変調して光学像を形成し、投写レンズ3を介して投写対象面としてのスクリーン上に投写画像を形成するものである。光学ユニット4の光学系は、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学変調装置と、色合成光学系とを有して構成されている。また、光学変調装置と色合成光学系とは一体化した光学装置44として構成されている。
光学ユニット4は、前記光学系41,42,43を構成する各光学部品を収容して固定する光学用筐体45を備えている。詳細には、光学用筐体45は、光学系41,42,43を構成する各光学部品を収容する光学部品収容部451と、光源装置411を収容する光源収容部452とで構成される。また、光学用筐体45は、上収容筐体45Aと、下収容筐体45Bとで構成され、光学部品収容部451および光源収容部452に相当する光学部品は、この上収容筐体45Aと下収容筐体45Bとにより、上下方向から挟まれる形態で所定の位置に収容されている。そして、上収容筐体45Aおよび下収容筐体45Bは、ねじ固定されてユニット化され、プロジェクター1の下筐体ケース(図示省略)に固定ねじで固定されている。
光学系の構成と動作を説明する。
インテグレータ照明光学系41は、光源装置411から射出された光束を照明光軸Lに直交する面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414、および重畳レンズ415を備えて構成される。
光源装置411は、光束を射出する光源としての光源ランプ411A、リフレクター411B、リフレクター411Bの光束射出面側を覆う防爆ガラス411C、および光源ランプ411Aとリフレクター411Bと防爆ガラス411Cとを収容して固定する光源用筐体411Dを備えて構成されている。
光源ランプ411Aから射出された放射状の光束は、リフレクター411Bで反射されて略平行光束とされ、後段へ射出される。本実施形態では、光源ランプ411Aとして、高圧水銀ランプを用い、リフレクター411Bとして、放物面鏡を用いている。なお、光源ランプ411Aとしては、高圧水銀ランプに限られず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプなどを用いてもよい。また、リフレクター411Bとして放物面鏡を用いているが、これに限られず、楕円面鏡からなるリフレクターの光束射出面側に平行化凹レンズを配置した構成を用いてもよい。
第1レンズアレイ412は、照明光軸L方向から見て略矩形形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411Aから射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸L方向に射出する。第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有する。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する光学変調装置(液晶パネル441)上に結像させる機能を有する。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率を高めている。詳細には、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって光学装置44の後述する液晶パネル441上に略重畳される。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備える。インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー421,422により赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432,435とを備えている。このリレー光学系43は、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネル441まで導く機能を有している。
なお、色分離光学系42のダイクロイックミラー421は、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、緑色光成分と赤色光成分とを透過させ、青色光成分を反射させる。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ419を通って、青色光用の液晶パネル441に到達する。このフィールドレンズ419は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。赤色光および緑色光用の液晶パネル441の光束入射側に設けられたフィールドレンズ419も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうち、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ419を通って、緑色光用の液晶パネル441に到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、更にフィールドレンズ419を通って、赤色光用の液晶パネル441に到達する。
なお、赤色光にリレー光学系43を用いているのは、赤色光の光路長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散などによる光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのままフィールドレンズ419に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
光学装置44は、入射された光束を画像信号に基づいて変調し、カラー画像を形成する。この光学装置44は、色分離光学系42で分離された各色光が入射される光学素子としての3つの入射側偏光板442(赤色光用を赤色光用入射側偏光板442R、緑色光用を緑色光用入射側偏光板442G、青色光用を青色光用入射側偏光板442Bとする)を備える。また、各入射側偏光板442の後段に設置される光学変調装置としての3つの液晶パネル441(赤色光用を赤色光用液晶パネル441R、緑色光用を緑色光用液晶パネル441G、青色光用を青色光用液晶パネル441Bとする)を備える。また、各液晶パネル441の後段に設置される3つの射出側偏光板443(赤色光用を赤色光用射出側偏光板443R、緑色光用を緑色光用射出側偏光板443G、青色光用を青色光用射出側偏光板443Bとする)と1つの色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム445とを備える。
液晶パネル441(441R,441G,441B)は、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。この液晶パネル441は、入射側偏光板442を介して入射する光束を画像信号に基づいて変調して射出する。
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板442における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
クロスダイクロイックプリズム445は、射出側偏光板443から射出され、色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム445には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。クロスダイクロイックプリズム445によって合成された色光は、投写レンズ3の方向に射出される。そして、クロスダイクロイックプリズム445から射出された光学像(映像光)はカラー画像として、投写レンズ3により拡大され、スクリーンに投写される。
上述した液晶パネル441(441R,441G,441B)、射出側偏光板443(443R,443G,443B)は、固定部材を介在してクロスダイクロイックプリズム445に固定されて光学装置44を構成する。光学装置44(液晶パネル441、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム445)は、固定枠体48に固定される構造となる。なお、光学装置44が備える入射側偏光板442は、前述した光学部品収容部451側に固定される。
上述したように構成される光学ユニット4において、下収容筐体45Bの所定位置に収容される重畳レンズ415、リレーレンズ433、入射側偏光板442などに対して光軸調整(位置調整)を行うことで、スクリーンに投写される光学像のコントラストなどを向上させている。以降では、光軸調整を行う光学部品の中で、リレーレンズ433を取り上げ、リレーレンズ433に対して位置調整を行うための光学部品用フレームと、位置調整を行うための調整治具および位置調整方法に関して説明を行う。
図3は、本実施形態の光学部品用フレームにリレーレンズを固定したレンズ保持装置を示す斜視図である。図4は、本実施形態のレンズ保持装置を光学用筐体に収容した状態を光学用筐体の底面側から見た部分斜視図である。なお、図4は、図2で示す光学ユニット4を光学用筐体45の底面45B3側から見た部分斜視図でもある。
図3、図4を参照して、レンズ保持装置2の構成を説明する。
レンズ保持装置2は、図3に示すように、光学部品用フレームとしてのレンズフレーム20と、リレーレンズ433とから構成され、レンズフレーム20にリレーレンズ433を保持して固定させたものである。
リレーレンズ433は、略円形状のレンズであって、上側部分と下側部分とが左右方向にカットされている。一方、光学部品用フレームとしてのレンズフレーム20は、略矩形状をなすフレーム本体21を備えて形成されている。フレーム本体21には、リレーレンズ433の外周形状に沿って保持部22が形成されている。本実施形態では、この保持部22にリレーレンズ433を挿入した後、保持部22に形成される溶着用の突起(図示省略)を用いて溶着を行うことにより、リレーレンズ433を保持部22に固定している。
また、フレーム本体21には、左右側面から−Y方向、+Y方向に突出し、それぞれの上部に角錐形状で凹形状に形成される注入口261を有する固定部26が形成されている。固定部26は、レンズ保持装置2の位置調整後に、レンズ保持装置2を下収容筐体45Bに固定する場合に使用される。また、フレーム本体21には、左右側面で、固定部26の設置される部位に比べて下部となる部位に、係合部23が形成されている。係合部23は、詳細には、左右側面から−Y方向、+Y方向に突出する一対の突起部231を有して形成されている。係合部23は、後述する位置調整治具300(図7)のレンズ保持片316,317の爪部316A,317Aと係合する。
レンズ保持装置2は、図2に示すように、下収容筐体45Bに形成される一対のレンズ保持装置固定溝45B1に、レンズ保持装置2(レンズフレーム20)の固定部26を挿入することで収容される。なお、レンズ保持装置固定溝45B1の下方向には、図4に示すように、下収容筐体45Bの底面45B3を貫通する一対の係合用孔45B2が形成されている。そして、レンズ保持装置2を、レンズ保持装置固定溝45B1を基準に下収容筐体45Bに挿入した場合、フレーム本体21に形成される係合部23(突起部231)が、この係合用孔45B2から露出する状態となる。
なお、レンズ保持装置固定溝45B1および係合用孔45B2は、レンズ保持装置2の位置調整による固定部26や係合部23の移動を許容する隙間が確保されている。また、この係合用孔45B2を介して、後述する位置調整治具300のレンズ保持片316,317が係合部23(突起部231)と係合可能となる。
レンズ保持装置2の光軸調整が終了した場合、ディスペンサー(図示省略)などにより、固定用の接着剤が固定部26の注入口261から注入される。これにより、固定部26とレンズ保持装置固定溝45B1とが固定されることで、レンズ保持装置2が、下収容筐体45Bに固定される。
なお、図2では、上収容筐体45Aを図示省略しているが、上収容筐体45Aは、下収容筐体45Bの平面形状と略同様の形状を有し、下収容筐体45Bの所定の位置に挿入された光学部品を覆うように、下収容筐体45Bの上部に載置され、下収容筐体45Bにねじ止めされることにより、収容する光学部品を挟持して固定する。
また、この上収容筐体45Aにおいて、位置調整が必要な光学部品(重畳レンズ415、リレーレンズ433など)の固定用溝(レンズ保持装置固定溝45B1など)に相対する部位には、開口部(レンズ保持装置固定開口部45A1(図7)など)が設置されており、この開口部を介して固定用の接着剤を固定用溝に注入することが可能となっている。
次に、位置調整治具装置100に関して説明する。
図5は、本実施形態に係る位置調整治具装置の概略平面図である。図6は、位置調整治具装置の概略側面図である。図7は、レンズ保持装置を位置調整する位置調整治具の側面図である。図8は、図7における位置調整治具を他方向から見た側面図である。図9は、図7、図8における位置調整治具の初期位置を示す側面図である。なお、本実施形態では、レンズ保持装置2(リレーレンズ433)の位置調整を行う位置調整治具装置100(位置調整治具300)に関して説明を行う。また、図5、図6では、重畳レンズ415の位置調整を行う位置調整治具、および入射側偏光板442の位置調整を行う位置調整治具は、図示を省略している。
図5、図6を参照して、位置調整治具装置100の構成および動作を説明する。
位置調整治具装置100は、矩形状のベース基板101と、ベース基板101の四隅でベース基板101の下方に設置される脚部102とを有して構成されている。また、位置調整治具装置100は、レンズ保持装置2(リレーレンズ433)の位置調整を行う位置調整治具300、重畳レンズ415の位置調整を行う位置調整治具、および入射側偏光板442の位置調整を行う位置調整治具を備えている。
ベース基板101には、光学ユニット4を上面側に載置して固定する固定部103が、2箇所設置されている。詳細には、固定部103は、光学ユニット4を載置する場合の基準ピン(図示省略)および固定用ねじ孔(図示省略)がそれぞれの個所に設置されている。光学ユニット4の下収容筐体45Bに形成される基準孔(図示省略)を基準ピンに案内して挿入し、その後光学ユニット4の下収容筐体45Bに形成されるねじ孔(図示省略)を介して固定用ねじ孔に固定ねじ(図示省略)を螺合させることで、光学ユニット4をベース基板101の上面の所定位置に載置して固定している。
また、ベース基板101には、位置調整治具300を設置するための調整治具用孔104が形成されており、この調整治具用孔104を介して、図6に示すように、位置調整治具300がベース基板101の下面側から設置される。なお、位置調整治具300は、ベース基板101の所定の位置に形成されたねじ孔(図示省略)を介して所定位置にねじ止めされて固定される。
位置調整治具300は、図6〜図9に示すように、保持機構部310と、この保持機構部310を直交する2方向(Y軸方向およびZ軸方向)への移動を可能とする調整機構部350とを備える。
保持機構部310は、図6〜図9に示すように、レンズ保持装置2を保持または離脱させるためのものである。保持機構部310は、ベース基板101にねじ止めされた基台311と、この基台311の−Z側(下側)に軸受け312を介して取り付けられたクランク状の基材313と、この基材313の−X側面に軸受け314を介して取り付けられた保持具本体315とを備えている。
なお、軸受け312,314は、1方向移動を可能とする軸受けである。軸受け312は、基台311側に固定される固定部312Aと、基材313側に固定される可動部312Bとで構成されている。また、軸受け314は、基材313側に固定される固定部314Aと、保持具本体315側に固定される可動部314Bとで構成されている。
保持具本体315は、図7に示すように、同一形状金属製で互いに対向するように配置された調整用係合部としての2つのレンズ保持片316,317と、これらのレンズ保持片316,317同士を接近、離間させる方向(Y軸方向)に移動可能とさせる保持片移動機構部318とを備える。
レンズ保持片316,317は、ベース基板101から上面側(+Z方向)に突出する部材であって、略L字状に形成され、その角部には、移動(回動)の際に回動中心となる支軸316B,317Bに支持されている。また、レンズ保持片316,317の先端部分には、一対の爪部316A,317Aがそれぞれ−Y方向または+Y方向に尖って形成されている。
一対の爪部316A,317Aは、後述する保持片移動機構部318(可動部324)の、中心部材319に対する+Z方向への移動により、図7の2点鎖線で示すように、支軸316B,317Bに支持され、レンズ保持片316が反時計回りに回転し、レンズ保持片317が時計回りに回転することにより、爪部316A,317A同士が離れて離間状態となり、レンズ保持装置2(レンズフレーム20)の一対の突起部231との係合が外れるようになっている。
一方、一対の爪部316A,317Aは、後述する保持片移動機構部318(可動部324)の、中心部材319に対する−Z方向への移動により、図7の実線で示すように、支軸316B,317Bに支持され、レンズ保持片316が時計回りに回転し、レンズ保持片317が反時計回りに回転することにより、爪部316A,317A同士が接近して接近状態となり、レンズ保持装置2(レンズフレーム20)の一対の突起部231にそれぞれ係合するようになっている。
保持片移動機構部318は、図8に示すように、Z軸方向に沿って延びるとともに、基材313に軸受け314を介して取り付けられた中心部材319と、この中心部材319の−Z側端部にねじ止めされて設けられた固定板320とを備えている。また、保持片移動機構部318は、中心部材319に平行で、−X側に配置された円柱状の軸部材321と、この軸部材321の下端部に取り付けられた板状のつまみ片322と、つまみ片322の上部に位置して中心部材319に固定されると共に軸部材321を貫通させる固定つまみ片323とを備えている。
また、保持片移動機構部318は、軸部材321の上端部に取り付けられた可動部324と、可動部324と固定つまみ片323との間に介装された固定部325および圧縮ばね326と、基材313と中心部材319との−Y側端面の間に跨がって配置された引張りばね327(図7)とを備えている。なお、圧縮ばね326は、軸部材321の外周に沿って、固定部325とつまみ片322との間に設置される。
また、保持片移動機構部318は、図9に示すように、保持具本体315を下方向に下げた状態で固定するロック部330を備えている。ロック部330は、図7〜図9に示すように、基材313の+Y側端面下方でねじ止めされ、−X方向に突起状の受け用突起332を有する受け部331を備えている。また、ロック部330は、中心部材319の+Y側端面に設置される支軸333と、つまみ片322の+Y側端面に設置されるピン334とを備えている。
そして、ロック部330は、支軸333に軸支され、ピン334に載った形態で、受け部331に相対して+X方向に突起状の引掛け用突起336を有して略J字状に形成された引掛け部335を備えている。また、ロック部330は、支軸333に設置されて、中心部材319と引掛け部335とに掛け渡されたねじりばね337を備えている。
中心部材319は、直方体状の部材であって、その下端部には、固定板320を介して、後述するZ方向マイクロメーター351のロッド351Bの先端部分が固定されている。軸部材321は、つまみ片322側の動作を可動部324側に伝える部材であって、Z軸に沿って移動可能となっている。つまみ片322は、使用者が固定つまみ片323を支えにして指などを掛けて上方向(+Z方向)に操作することにより、Z軸に沿って軸部材321を移動させることが可能な部材である。
なお、図9に示すように、保持具本体315がロック部330によりロックされた状態で、上述したつまみ片322を上方向(+Z方向)に操作することにより、ロック部330の引掛け部335の引掛け用突起336が受け部331の受け用突起332との引掛けが解除される。詳細には、つまみ片322を上方向(+Z方向)に操作すると、つまみ片322のピン334に載った状態の引掛け部335が、支軸333を中心に、ねじりばね337の力に抗し、図9において反時計回りに回転を行うことで、ロックが解除される。なお、ロックが解除された場合には、ねじりばね337により、引掛け部335は、図8に示すように、Z軸に沿った状態の位置に戻る。
可動部324は、図7に示すように、中心部材319に対し、Z軸に沿って軸部材321を移動させることに応じて、左右側にそれぞれリンクさせて固定したレンズ保持片316,317を、支軸316B,317Bを中心に回動させるものである。可動部324のZ軸方向への移動によるレンズ保持片316,317の移動は上述した通りである。
固定部325は、中心部材319に固定された直方体状の部材であり、つまみ片322によってロック部330を解除し、中心部材319に対して軸部材321が引き上げられた際に、圧縮ばね326を加圧圧縮する機能を有する。圧縮ばね326は、つまみ片322の操作によって引き上げられた軸部材321を元の位置に戻すように働く部材である。
引張りばね327は、図7、図8に示すように、保持具本体315を上方(+Z方向)に引張るように働く部材である。そして、つまみ片322によってロック部330を解除した際、この引張りばね327により、Z方向マイクロメーター351のロッド351Bの先端部分が基材313の下端部の突起部313Aに当接することで、保持具本体315の上方への移動が抑制され、基材313に対するレンズ保持片316,317の空間的位置が、重力によって−Z方向にずれないように抑制している。
上述したように、保持片移動機構部318は、ロック部330が解除され、保持具本体315が上方(+Z方向)に引き上げられ、Z方向マイクロメーター351のロッド351Bの先端部分が基材313の下端部の突起部313Aに当接して中心部材319の上方への移動が止まる。その後、つまみ片322を+Z方向に押し上げると、軸部材321が従動して+Z方向に押し上げられる。
可動部324は、軸部材321が押し上げられることに従動して押し上げられると共に、レンズ保持片316,317を、支軸316B,317Bを中心に開く方向に回動させる。この状態で、レンズ保持片316,317の爪部316A,317Aを、光学ユニット4内に収容されたレンズ保持装置2のそれぞれの突起部231の位置に合わせる。その後、つまみ片322の押上げを停止する(指を離す)と、圧縮ばね326により、つまみ片322は元の位置に戻ることにより、レンズ保持片316,317の爪部316A,317Aが、それぞれの突起部231に係合して、レンズ保持装置2を確実に保持する。
調整機構部350は、図7〜図9に示すように、リレーレンズ433を、入射光束(照明光軸L)の方向(X軸方向)に互いに直交する2方向としてのY軸方向およびZ軸方向に沿って移動可能とするものである。そのため、調整機構部350は、リレーレンズ433のZ軸方向に沿った移動を可能とするZ方向マイクロメーター351と、Y軸方向に沿った移動を可能とするY方向マイクロメーター352とを備えている。
なお、Y方向マイクロメーター352は、図7〜図9に示すように、保持具本体315を摺動自在とする軸受け312により、保持具本体315のY軸方向への移動を可能とさせ、摺動距離を調整する。また、Y方向マイクロメーター352は、基台311の+Y方向端面でベース基板101に垂直方向(−Z方向)に設置される固定板340に対して、Y方向マイクロメーター352のロッド352Bが−Y方向を向くように、ワッシャーを介してねじ止めされている。
固定板340の下端部には、基材313との間に跨って、引張りばね341が配置されている。Y方向マイクロメーター352のロッド352Bの先端部分は、この引張りばね341により、基材313の+Y側端面に形成した突起部313Bに当接する。これにより、保持具本体315のY方向への移動が抑制され、基材313に対するレンズ保持片316,317の空間的位置が、振動などによってY方向へがたつかないように抑制している。
Z方向マイクロメーター351は、メーターヘッド351Aを回転させることで、Z軸に沿ってロッド351Bを高精度に進退させることができる。つまみ片322によってロック部330を解除し、Z方向マイクロメーター351のロッド351Bの先端部分を基材313の突起部313Aに当接させた後、Z方向マイクロメーター351のメーターヘッド351Aを回転させると、軸受け314を介して、レンズ保持装置2を保持する保持具本体315がZ軸に沿って移動可能となる。つまり、レンズ保持装置2(リレーレンズ433)のZ軸方向に沿った移動が可能となる。
Y方向マイクロメーター352も、メーターヘッド352Aを回転させることで、Y軸に沿ってロッド352Bを高精度に進退させることができる。そして、Y方向マイクロメーター352のメーターヘッド352Aを回転させると、軸受け312を介して、レンズ保持装置2を保持する保持具本体315がY軸に沿って移動可能となる。つまり、レンズ保持装置2(リレーレンズ433)のY軸方向に沿った移動が可能となる。
図10は、位置調整治具装置を用いた光学部品の位置調整方法を示す図である。図10を参照して、位置調整治具装置100(位置調整治具300)を用いた、光学部品(リレーレンズ433)の位置調整方法に関して説明する。
位置調整方法は、載置工程P1、係合工程P2、調整工程P3、および固定工程P4を備えている。
載置工程P1は、調整治具装置のベース基板の上面側に光学部品用フレームを収容する筐体を載置する工程である。本実施形態では、位置調整治具装置100のベース基板101の上面側に、光学部品や、位置調整などが必要な光学部品を固定した光学部品用フレーム(本実施形態では、レンズ保持装置2)を収容する光学用筐体45(光学ユニット4)を載置する。
係合工程P2は、載置工程P1で載置された筐体に収容される光学部品用フレームの係合部に、調整治具の調整用係合部を係合させる工程である。本実施形態では、(光学ユニット4)に収容したレンズ保持装置2の係合部23(突起部231)に、位置調整治具300のレンズ保持片316,317の爪部316A,317Aを係合させる。詳細には、レンズ保持装置2の係合部23(突起部231)は、下収容筐体45Bの係合用孔45B2(図4)を介して、レンズ保持装置2の下方向から上がってくる位置調整治具300のレンズ保持片316,317と係合する。
位置調整治具300がレンズ保持装置2を係合して保持する手順を説明する。
最初に、位置調整治具300のつまみ片322によってロック部330を解除する。すると、引張りばね327により、Z方向マイクロメーター351のロッド351Bの先端部分が基材313の突起部313Aに当接するまで、保持具本体315が上方(+Z方向)に、軸受け314を介して移動する。その後、固定つまみ片323を押し上げることにより、中心部材319に対して軸部材321を押し上げ、レンズ保持片316,317を上方に移動させる。
つまみ片322を押し上げることにより、可動部324が動作し、レンズ保持片316,317の爪部316A,317Aが離間する。その後、爪部316A,317Aの位置が、レンズ保持装置2の突起部231の位置に達した状態で、つまみ片322を放す(戻す)ことにより、爪部316A,317Aが接近し、レンズ保持装置2の突起部231と係合し、レンズ保持片316,317がレンズ保持装置2を保持する。
調整工程P3は、係合工程P2で係合した光学部品用フレームに対してベース基板の下面側で調整治具により位置調整を行う工程である。本実施形態では、位置調整治具300のレンズ保持片316,317を、レンズ保持装置2の係合部23(突起部231)に係合させた後、ベース基板101の下面側に設置されている位置調整治具300(調整機構部350)で、レンズ保持装置2の位置調整を行う。
位置調整治具300(調整機構部350)の位置調整方法の手順を概略説明する。
最初に、光学ユニット4の光源装置411を点灯させて、光源装置411から白色光の光束を射出させる。そして、射出された光束は、各光学部品を通過して投写レンズ3を介してスクリーン上に投写画像(図示省略)として投写される。この投写された投写画像は、全面白色の画像ではなく、白色領域と、白色領域の外周部分(上下左右方向)に、色の付いた領域(以降、色光領域と呼称する)を有している。
なお、白色領域は、重畳レンズ415およびリレーレンズ433の光軸が合致して、3色(赤色R、緑色G、青色B)全ての色光が合成されて形成される画像領域である。色光領域は、3色の色光のうちの一部の色光のみで形成される画像領域である。色光領域が現れるのは、重畳レンズ415およびリレーレンズ433との光軸位置がずれており、これらのレンズ415,433位置ズレによる各色光領域の位置ズレの影響がでているからである。
このような位置ズレの影響を抑えることを目的に光軸調整が実施される。すなわち、スクリーン上の投写画像から、色光領域を取り除き、白色領域のみとなるように、位置調整治具装置100を用いて、重畳レンズ415およびリレーレンズ433の位置調整、つまり、レンズ415,433間の光軸調整を行う。
最初に、重畳レンズ415を動かさずに、光束に対するリレーレンズ433の位置が適正となるように調整する。具体的には、左右方向(本実施形態では、Y方向に対応している)の色光領域に対して、色光領域が左右均等の幅となるように、調整機構部350を操作して幅調整を行う。詳細には、調整機構部350のY方向マイクロメーター352のメーターヘッド352Aを回転させ、目視により、色光領域が左右均等の幅となった状態で回転を止める。これにより、リレーレンズ433の左右方向の位置を特定する。
次に、上述した左右方向の色光領域の幅調整の場合と同様に、上下方向の色光領域の幅調整を行う。すなわち、上下方向(本実施形態では、Z方向に対応している)の色光領域に対して、色光領域が上下均等の幅となるように、調整機構部350を操作する。詳細には、調整機構部350のZ方向マイクロメーター351のメーターヘッド351Aを回転させ、目視により、色光領域が上下均等の幅となった状態で回転を止める。これにより、リレーレンズ433の上下方向の位置を特定する。
次に、詳細は省略するが、投写画像から色光領域を除去して、投写画像全体が略白色領域となるように、重畳レンズ415の位置を調整する。すなわち、位置調整治具装置100に設置する本実施形態とほぼ同様に構成される重畳レンズ415用の位置調整治具(図示省略)を操作し、重畳レンズ415を保持する光学部品用フレームを上下方向や左右方向に移動させることで、上下左右方向の色光領域の幅を略ゼロに調整する。
この調整により、調整工程P3が終了する。
固定工程P4は、調整工程P3で位置調整された光学部品用フレームの上方向または横方向から光学部品用フレームの固定部を筐体に固定させる工程である。本実施形態では、調整工程P3が終了したレンズ保持装置2の固定部26を、レンズ保持装置2を収容する下収容筐体45Bのレンズ保持装置固定溝45B1に固定する。
レンズ保持装置2の固定方法を説明する。
レンズ保持装置2は、光学ユニット4に収容されている。詳細には、下収容筐体45Bのレンズ保持装置固定溝45B1にレンズ保持装置2の固定部26を挿入して、その上部には、上収容筐体45Aが覆っている(図5〜図7)。また、固定は、レンズ保持装置2が位置調整治具300により位置調整されて保持された状態のまま行う。詳細には、レンズ保持装置2の係合部23と、位置調整治具300のレンズ保持片316,317とが係合した状態のまま固定を行う。
レンズ保持装置2の固定は、接着剤を充填したディスペンサー(図示省略)を用いて行う。詳細には、ディスペンサーのニードル(図示省略)を上収容筐体45Aの上部から、レンズ保持装置固定開口部45A1に挿入し、下収容筐体45Bのレンズ保持装置固定溝45B1内に位置するレンズ保持装置2の固定部26の注入口261に宛がい、接着剤を注入することで行う。これにより、レンズ保持装置2の固定部26が下収容筐体45Bのレンズ保持装置固定溝45B1内に固定される。なお、説明は省略するが、重畳レンズ415に対しても同様にして固定する。
なお、接着剤は、本実施形態では、α−シアノアクリレートモノマーを主成分とする瞬間系接着剤を塗布し、その後、この瞬間系接着剤によって、透明な重畳レンズ415、リレーレンズ433が白く濁らないように、また、接着剤の硬化促進のために、図示しないプライマーを塗布する。このようにして、重畳レンズ415、リレーレンズ433を、下収容筐体45Bの所定位置に固定する。
なお、その後、所定のテストパターンを介してスクリーン上に投影された投写画像を目視で検出しながら、位置調整治具装置100に設置された入射側偏光板442用の位置調整治具(図示省略)により、液晶パネル441に対する入射側偏光板442R,442G,442Bの向きを変化させて位置調整を行う。位置調整を行った後には、入射側偏光板442R,442G,442Bを下収容筐体45Bの所定位置に接着固定する。なお、入射側偏光板442の詳細な位置調整は、特開2003−75696号公報で開示される位置調整方法と略同様となる。
最後に、上述した係合工程P2と逆の手順により、レンズ保持装置2の係合部23(突起部231)に係合した位置調整治具300のレンズ保持片316,317の爪部316A,317Aの係合を外す。詳細には、位置調整治具300のつまみ片322を押し上げることにより、可動部324を上方に移動させ、爪部316A,317Aを離間させ、突起部231の係合を外す。次に、固定つまみ片323を押し下げて、再度、つまみ片322を押して、ロック部330によりロックし、図9に示す初期位置とする。
なお、重畳レンズ415や、入射側偏光板442の位置調整治具(図示省略)も略同様にして係合を外す。その後、光学ユニット4を位置調整治具装置100から外すことにより、光学ユニット4の光学部品(リレーレンズ433、重畳レンズ415、および入射側偏光板442)に対する位置調整作業が完了する。
上述した実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学部品用フレームとしてのレンズフレーム20によれば、フレーム本体21に保持部22と係合部23と固定部26とを有しており、係合部23は、固定部26の設置される部位に比べて下部に設置されている。そのため、位置調整を行う場合には、位置調整治具300は、固定部26に比べて下部に設置される係合部23に対して、レンズフレーム20の下方向から係合させて行うことができる。そして、位置調整終了後に、固定部26を下収容筐体45Bのレンズ保持装置固定溝45B1へ固定する場合には、レンズフレーム20の上方向から行うことができ、位置調整作業と固定作業とを下側と上側に分けて行える。そのため、従来のように、調整終了後の調整治具にぶつからないように、調整治具を避けながら固定することが必要なくなるため、固定作業を効率的に行うことができる。従って、固定作業の効率化向上を図れる構造のレンズフレーム20を実現できる。
(2)本実施形態のプロジェクター1によれば、リレーレンズ433を保持するレンズフレーム20の固定作業の効率化向上を図れる構造のプロジェクター1を実現できる。
(3)本実施形態の位置調整治具装置100によれば、ベース基板101の上面側に光学部品としてのリレーレンズ433を保持する光学部品用フレームとしてのレンズフレーム20を収容した光学用筐体45を載置して固定し、ベース基板101の下面側にレンズフレーム20を光学調整する位置調整治具300を設置する。なお、従来の調整治具装置は、治具台(ベース基板)に載置された収容筐体(フレームが収容されている)の上部に、位置調整用の調整治具が設置された調整治具装置を、更に設置し、フレームの上方からフレームの係合部に係合させていた。これに対し、本実施形態の位置調整治具装置100は、位置調整治具300の調整用係合部としての保持具本体315を下方から上方に移動させてリレーレンズ433の係合部23に、レンズ保持片316,317を係合させる。この構造により、位置調整治具装置100での位置調整は、ベース基板101の下面側で行い、位置調整終了後に、レンズフレーム20の固定部26に対して、固定部26の上方から固定することができる。従って、固定作業の効率化向上を図れる構造の位置調整治具装置100を実現できる。また、従来のように2段構えの治具構造の調整装置も必要なくなり、簡易な構造の位置調整治具装置100を実現できる。
(4)本実施形態の位置調整方法によれば、光学部品(リレーレンズ433)を保持する光学部品用フレーム(レンズフレーム20)と位置調整治具装置100とを有し、位置調整治具装置100のベース基板101の上面側に光学用筐体45を載置する載置工程P1と、載置工程P1で載置された光学用筐体45に収容されるレンズフレーム20の係合部23に位置調整治具300のレンズ保持片316,317を係合させる係合工程P2と、係合工程P2で係合したレンズフレーム20に対してベース基板101の下面側で位置調整治具300により位置調整を行う調整工程P3と、調整工程P3で位置調整されたレンズフレーム20の上方向からレンズフレーム20の固定部26を光学用筐体45(下収容筐体45B)に固定する固定工程P4と、を備えている。これにより、従来のように、調整工程P3終了後の調整治具にぶつからないように、調整治具を避けながら光学部品用フレームを収容筐体に固定することが必要なくなるため、固定工程P4を効率的に行うことができる。従って、固定工程P4の効率化向上を図れる位置調整方法を実現できる。また、従来は、2段構えの治具構造のため、載置工程P1の次に、調整用の治具をベース基板の上方に載置する工程が必要であったが、必要なくなり、簡易な工程での位置調整方法を実現できる。
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良などを加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)前記実施形態では、特に、位置調整を行う光学部品であるリレーレンズ433を主にして、光学部品用フレーム(レンズフレーム20)、位置調整治具装置100、位置調整方法を説明しているが、重畳レンズ415や、入射側偏光板442に対しても同様に実施でき、同様の効果を奏することができる。
(変形例2)前記実施形態では、リレーレンズ433の位置調整後、重畳レンズ415の位置調整を行っているが、先に重畳レンズ415の位置調整を行ってからリレーレンズ433の位置調整を行っても良い。
(変形例3)前記実施形態のフレーム本体21の形状や、保持部22、係合部23、および固定部26の形状や数量などに関しては、限定されるものではなく、適宜、変更することができる。
(変形例4)前記実施形態のレンズフレーム20において、フレーム本体21の保持部22は、溶着によりリレーレンズ433を保持して固定している。しかし、これに限られず、保持部に適度のつぶし量を設けることで、リレーレンズ433を嵌合して保持してもよい。
(変形例5)前記実施形態の位置調整治具300を用いたリレーレンズ433の位置調整方法において、固定工程P4では、接着剤を用いてレンズ保持装置2の上方向から固定している。しかし、これに限られず、係合部23が固定部26より下部に位置しており、位置調整治具300のレンズ保持片316,317も係合部23の下方向に位置するため、レンズ保持装置2の横方向から固定してもよい。
(変形例6)前記実施形態の位置調整治具300を用いたリレーレンズ433の位置調整方法において、固定工程P4では、接着剤を用いて固定している。しかし、これに限られず、弾性部材(板ばねなど)を用いて、レンズ保持装置2の上方向または横方向から固定することでもよい。
(変形例7)前記実施形態のプロジェクター1は、光源装置411を構成する光源ランプ411Aに放電式ランプを用いているが、これに限られず、光源装置として、LED(Light Emitting Diode)素子やLD(Laser Diode)素子などを用いることができる。
(変形例8)前記実施形態のプロジェクター1は、フロントタイプのプロジェクターとして適用しているが、投写対象面としてのスクリーンを一体で有するリアタイプのプロジェクターにも適用できる。
(変形例9)前記実施形態のプロジェクター1の光学系において、光学変調装置としての液晶パネル441は、透過型の液晶パネルを用いているが、反射型の液晶パネルなど、反射型の光学変調装置を用いることも可能である。
(変形例10)前記実施形態のプロジェクター1の光学系において、光学変調装置としての液晶パネル441を用いている。しかし、これに限らず、一般に、入射光束を画像信号に基づいて変調するものであればよく、マイクロミラー型光学変調装置などを用いてもよい。なお、マイクロミラー型光学変調装置としては、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いることができる。
(変形例11)前記実施形態のプロジェクター1の光学系において、光学変調装置としての液晶パネル441は、赤色光、緑色光、および青色光に対応する3つの液晶パネル441を用いるいわゆる3板方式を採用しているが、これに限らず、単板方式を採用してもよい。また、コントラストを向上させるための液晶パネルを追加して採用してもよい。