以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の通信端末装置であるファクシミリ装置1の電気的構成について説明する。図1は本発明の第1実施例におけるファクシミリ装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図2は、このファクシミリ装置1における、半導体化DAA33を備える回線I/F部15の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ファクシミリ装置1には、CPU11と、ROM12と、RAM13と、EEPROM28と、画像メモリ14と、回線I/F部15と、モデム16と、バッファ17と、スキャナ18と、符号化部19と、復号化部20と、プリンタ21と、ナンバーディスプレイ設定のオン又はオフを切り替えるND設定ボタン22a及び呼出信号の受信時においても呼出音が鳴動されないように設定する無鳴動ボタン22bを備える操作パネル22と、LCD23と、アンプ24とが設けられており、これらはバスライン30を介して互いに接続されている。
回線I/F部15は回線制御を行うためのものであり、ファクシミリ装置1はこの回線I/F部15を介して電話回線31に接続されている。回線I/F部15は、交換機27から送信される呼出信号や、CAR信号や、発信者識別情報(CallerID)などを含むモデム信号(相手側装置番号情報)を受信すると共に、操作パネル22上のキーの操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機27へ送信する。
なお、回線I/F部15は、図2を参照して後述する半導体化DAA33を備えると共に端子T1、T2(図2参照)を介して、外付け電話26と接続されている。
CPU11は、回線I/F部15を介して送受信される各種信号に従って、バスライン30により接続された各部を制御し、ファクシミリ動作、即ち、データ通信を実行するものである。なお、CPU11は、タイマ(非図示)を内蔵しており、所定のタイミングからの経過時間を計時可能に構成されている。
ROM12は、このファクシミリ装置1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、図3〜図7のフローチャートに示す各処理を実行するプログラムは、このROM12内に格納されている。
RAM13は、ファクシミリ装置1の各動作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、ND設定フラグ13aと、鳴動不許可フラグ13bと、初期化済みフラグ13cと、初期検出フラグ13dと、CAR信号検出フラグ13eと、呼出信号検出フラグ13fと、鳴動許可フラグ13gと、鳴動保留フラグ13hと、保留時検出フラグ13iと、鳴動要求フラグ13jと、鳴動停止要求フラグ13kと、緊急フラグ13lと、鳴動中フラグ13mと、開始時刻メモリ13nとを備えている。
ND設定フラグ13aは、ファクシミリ装置1のナンバーディスプレイ設定がユーザによってオンに設定されたか否かを示すフラグである。ナンバーディスプレイ設定は、操作パネル22のND設定ボタン22aがオンに設定されることによってオンに設定されるので、ND設定フラグ13aは、操作パネル22のND設定ボタン22aがオンに設定されるとオンされる。一方で、ND設定フラグ13aは、ND設定ボタン22aがオフに設定されるとオフされる。
鳴動不許可フラグ13bは、ファクシミリ装置1が呼出信号の受信によっても呼出音を鳴動しない設定にされているか否かを示すフラグである。ファクシミリ装置1は、操作パネル22の無鳴動ボタン22bをオンに設定することによって、呼出信号を受信しても呼出音が鳴動されないように設定される。従って、操作パネル22の無鳴動ボタン22bがオンに設定されると、鳴動不許可フラグ13bがオンされる。一方で、鳴動不許可フラグ13bは、無鳴動ボタン22bがオフに設定されるとオフされる。
初期化済みフラグ13cは、各種フラグ13d〜13lが初期化されたか否かを示すフラグであり、電源投入後に各種フラグ13d〜13lが初期化されるとオンされる。この初期化済みフラグ13cは、電話回線31が閉結されたか、又は、相手側装置が呼出を終了したかのいずれかが確認された場合にオフされる。
初期検出フラグ13dは、ファクシミリ装置1における鳴動禁止期間が開始されたか否かを示すフラグである。この初期検出フラグ13dは、待機状態にあるファクシミリ装置1のリング検出回路39(図2参照)が、呼出信号やCAR信号などの各種信号を検出した場合にオンされ、鳴動禁止期間の終了に伴ってオフされる。
CAR信号検出フラグ13eは、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されている待機状態のファクシミリ装置1が、CAR信号及びモデム信号の受信中であるか否かを示すフラグである。このCAR信号検出フラグ13eは、CAR信号の受信開始が検出されるとオンされ、モデム信号の受信後に電話回線31が開放されるとオフされる。
呼出信号検出フラグ13fは、鳴動禁止期間が明けた後のファクシミリ装置1が、交換機27から電話回線31を介して送信される呼出信号をリング検出回路39(図2参照)により検出したか否かを示すフラグであり、呼出信号の検出中はオンを示し、呼出信号が検出されない間はオフを示す。
鳴動許可フラグ13gは、鳴動禁止期間が明けたことを示すフラグである。この鳴動許可フラグ13gは、鳴動禁止期間の終了に伴ってオンされ、相手側装置との通信のために電話回線31が閉結されるとオフされる。
鳴動保留フラグ13hは、ファクシミリ装置1が鳴動保留期間にあるか否かを示すフラグである。なお、「鳴動保留期間」とは、鳴動禁止期間が明けた後に中途半端な鳴動がされるのを回避するために一時的に呼出音の鳴動を保留(禁止)する期間である。この鳴動保留フラグ13gは、鳴動禁止期間の終了に伴ってオンされ、鳴動保留期間が明けるか、連続的にオンが継続される呼出信号に応答して電話回線31が閉結されるとオフされる。
保留時検出フラグ13iは、鳴動保留期間にあるファクシミリ装置1のリング検出回路39(図2参照)が、呼出信号を検出したか否かを示すフラグであり、鳴動保留期間において最初に呼出信号が確認された場合にオンされ、次に不検出期間が開始された場合、又は、連続的にオンが継続される呼出信号が検出されるとオフされる。
鳴動要求フラグ13jは、鳴動保留期間の明けた後に受信した呼出信号に基づいて呼出音の鳴動を行うか否かを示すフラグである。この鳴動要求フラグ13jは、(1)鳴動保留期間の明けた後に検出された呼出信号の受信期間が、予め規定されている第1所定時間(例えば、本実施例では90ms)を超えたことが確認された場合、又は、(2)鳴動保留期間の明けた後に検出された呼出信号の受信期間が、予め規定されている第2所定時間(例えば、本実施例では1500ms)を超えたことが確認された場合にオンされる。そして、呼出音の鳴動が開始された場合又は呼出音が鳴動中であることが確認された場合にオフされる。
鳴動停止要求フラグ13kは、呼出音の鳴動を停止するか否かを示すフラグである。この鳴動停止要求フラグ13kは、呼出信号の不検出期間が、予め規定されている第1所定時間(例えば、本実施例では90ms)に渡って確認された場合にオンされる。そして、呼出音の鳴動が停止された場合又は呼出音の鳴動の停止中、あるいは、相手側装置との通信のために電話回線31が閉結された場合にオフされる。
緊急フラグ13lは、交換機27から受信した呼出信号が、連続的にオンが継続される呼出信号であるか否かを示すフラグである。この緊急フラグ13lは、鳴動保留期間の明けた後に検出された呼出信号の受信期間が、予め規定されている第2所定時間(例えば、本実施例では1500ms)を超えたことが確認された場合にオンされる。そして、呼出信号の不検出期間が、予め規定されている第1所定時間(例えば、本実施例では90ms)に渡って検出された場合か、相手側装置との通信のために電話回線31が閉結された場合にオフされる。
鳴動中フラグ13mは、ファクシミリ装置1が呼出音を鳴動中であるか否かを示すフラグであり、後述する鳴動開始処理(図7参照)により呼出音の鳴動が開始されるとオンされる。一方で、後述する呼出信号検出処理(図6参照)において、呼出信号の不検出期間が、予め規定されている第1所定時間(例えば、本実施例では90ms)に渡って検出された場合、又は、相手側装置との通信のために電話回線31が閉結された場合にオフされる。
開始時刻メモリ13nは、(1)ファクシミリ装置1における鳴動禁止期間の開始時刻、(2)呼出信号の検出の開始時間、又は(3)呼出信号の不検出期間の開始時間のいずれかを記憶するメモリである。
EEPROM28は書換可能な不揮発性のメモリであり、呼出メロディテーブル28aと、呼出メロディ設定メモリ28bと、ベル音メモリ28cとを備えている。呼出メロディテーブル28aは、呼出音として使用可能なメロディ(以下、「呼出メロディ」と称する)を複数種類記憶できるテーブルである。
呼出メロディ設定メモリ28bは、呼出メロディテーブル28aに記憶される複数種類の呼出メロディの中から、呼出音として設定された1つの呼出メロディを記憶するメモリである。なお、ユーザによる操作パネル22の所定の操作によって呼出メロディテーブル28aに記憶される呼出メロディの中から選択された1つの呼出メロディが、呼出メロディ設定メモリ28bに呼出音として記憶される。
ベル音メモリ28cは、初期設定として呼出音に設定されているベル音を記憶するメモリである。よって、ユーザによって呼出メロディが設定されていない場合、即ち、呼出メロディ設定メモリ28bに呼出メロディが呼出音として記憶されていない場合には、呼出信号が受信されると、このベル音メモリ28cに記憶されているベル音が鳴動する。
また、このベル音メモリ28cは、ファクシミリ装置1が、警察や消防などからのコールバックのように連続的にオンが継続される呼出信号の受信をした場合に、呼出メロディ設定メモリ28bに記憶される呼出メロディに優先させて鳴動される特定呼出音を記憶するメモリでもある。即ち、ファクシミリ装置1が、連続的にオンが継続される呼出信号を受信した場合には、呼出メロディ設定メモリ28bに記憶される呼出メロディに代えて、このベル音メモリ28cに記憶されるベル音が鳴動する。
画像メモリ14は、通信履歴、画像データ及び印刷のためのビットイメージを記憶するためのメモリであり、安価な大容量メモリであるダイナミックRAM(DRAM)により構成されている。受信された画像データは、一旦画像メモリ14に記憶され、プリンタ21によって記録紙に印刷された後に、この画像メモリ14から消去される。また、スキャナ18によって読み取られた画像データも、この画像メモリ14に記憶される。
モデム16は、画情報及び通信データを変調及び復調して伝送すると共に伝送制御用の各種手順信号を送受信するためのものである。バッファ17は、相手側装置との間で送受信される符号化された画情報を含むデータを一時的に記憶するためのものである。
スキャナ18は、原稿挿入口に挿入された原稿を画像データとして読み取るためのものであり、原稿搬送用モータを備えている。符号化部19は、スキャナ18により読み取られた画像データの符号化を行うものである。復号化部20は、バッファ17または画像メモリ14に記憶された画像データを読み出して、これを復号化するものであり、復号化されたデータは、プリンタ21により記録紙に印刷される。
プリンタ21は、インクジェット方式のプリンタで構成され、記録紙を搬送する記録紙用搬送モータと、印字ヘッドを搭載したキャリッジを移動させるキャリッジモータと、記録紙へインクを吐出する印字ヘッドとを備えている。アンプ24は、そのアンプ24に接続されたスピーカ25を鳴動して、呼出音や音声を出力するためのものである。
このように構成されたファクシミリ装置1は、回線I/F部15を介して、電話回線31に接続されている。この電話回線31は、本ファクシミリ装置1の交換機27に接続され、この交換機27は、電話回線32を介して、他の交換機に接続されている。なお、他の交換機は、更に、電話回線を介して相手側装置や転送先となる他の装置に接続されている。
図2に示すように、半導体化DAA33は、主に、回線終端、回線側との絶縁、ハイブリット、リンギング検出等の機能を持っている。そして、半導体化DAA33とモデム16との間には、半導体化DAA33とモデム16とを直流的に絶縁し、かつ、データや信号などを伝達する絶縁部としての絶縁部35が介在している。
なお、半導体化DAA33には、後述するように、FAXデータのA/D変換、D/A変換を行うCODEC40が設けられているため、絶縁部35は、デジタル伝達となる。よって、かかる絶縁部35には、高絶縁のコンデンサーが一般的に用いられる。
回線I/F部15には、半導体化DAA33の外、TEL→FAX切換のためCML(Connect MODEM to Line)リレー36、整流器37、及び、直流ループカット用コンデンサ38a、38b、38c、38d等が設けられている。なお、端子L1,L2は回線網側への接続端子であり、端子T1,T2は外付け電話26側への接続端子である(図1参照)。
CMLリレー36は、待機時には、図2に示すように、外付け電話26(端子T2)側にオンにされており、FAX通信が始まると、混線を防止するべく、CPU11よりCMLリレー制御信号をオフにして回線網を外付け電話26から切り離す。
整流器37は、回線網の直流ループ電流の極性を一方向へ整流するものである。半導体化DAA33の電源は、トランス45を通して供給されるが、整流器37で整流されることにより、電話回線31の電圧極性に関係なく一定極性の電圧とされている。
半導体化DAA33は、図2に示すように、電圧検出回路34、ハイブリッドネットワーク44、リング検出回路39、及び、CODEC40等を備えている。電圧検出回路34は、整流器37により整流されて半導体DAA33に供給される電源の電圧値を検出するものであり、図2に示すように、整流器37とハイブリッドネットワーク44と結ぶ接続線とCODEC40とにそれぞれ接続されている。電圧検出回路34による検出結果は、半導体化DAA33から、モデム16を介して、CPU11へ出力される。
ハイブリットネットワーク44は、回線網の開放および閉結を行うためのものであり、電話回線31からのFAXデータを送信/受信データに分離する2線−4線変換回路,送信データの受信経路への回り込みを抑制するキャンセラー回路,及びフィルタ回路等から構成される。このハイブリッドネットワーク44には、図2に示すように、回線網、CODEC40、シリアルI/F41及びグランドが接続されている。なお、CODEC40との間には、送信アンプ42が介在している。
CODEC40は、回線網からのモデム信号検出部として構成されると共に、FAX受信データ及び送信データのA/D変換及びD/A変換を行うためのものである。このCODEC40には、図2に示すように、回線網、外付け電話26、電圧検出回路34、ハイブリッドネットワーク44及びシリアルI/F41が、送信アンプ42又はトーンアンプ43を介して、接続されている。
なお、送信アンプ42は、送信データのゲイン調整を行うためのものである。また、トーンアンプ43は差動型の増幅器であり、電話回線31の端子L1,L2に対し、差動入力になっており、モデム信号受信部を構成する。
CODEC40に電話回線31又は外付け電話26からモデム信号が到来すると、トーンアンプ43→CODEC40→シリアルI/F41→絶縁部35→モデム16の順に流れ、CODEC40から送信される検出信号がCPU11により検出される。
リング検出回路39は、回線網からの呼出信号を検出する呼出信号検出部として構成される部位であり、図2に示すように、回線網、外付け電話26及びシリアルI/F41に接続されている。リング検出回路39に電話回線31から呼出信号やCAR信号が到来すると、それと同じサイクルで、リング検出回路39→シリアルI/F41→絶縁部35のコンデンサ35aを通り、リング検出信号がL(ローレベル)からH(ハイレベル)へ(又は、その逆へ)変化することにより、モデム16を介して、CPU11により検出される。
シリアルI/F41は、リング検出回路39からのリング検出信号やCODEC40からのFAX受信データ等を、絶縁部35のコンデンサ35bに対しシリアルデータに一本化する一方、回線網の閉結および開放を半導体化DAA33に行わせるための制御信号およびCODEC40へのFAX送信データに対し、絶縁部35のコンデンサ35aからのシリアル信号をそれぞれに分離するためのものである。
次に、図3〜図7を参照して、上記のように構成されたファクシミリ装置1により実行される呼出音の鳴動制御に関する処理について説明する。図3は、ファクシミリ装置1で実行される呼出音鳴動メイン処理を示すフローチャートである。この呼出音鳴動メイン処理は、ファクシミリ装置1の設定に応じた呼出音を鳴動させる処理であり、特に、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されている場合には、交換機27から送信された連続的にオンが継続される呼出信号の受信を確実に検出するための処理である。なお、この呼出音鳴動メイン処理は、ファクシミリ装置1の主要な動作を実行させるメイン処理(非図示)のプログラムに従って、所定時間(例えば、10ms)毎に呼び出されることによって起動し、実行される処理である。
この呼出音鳴動メイン処理では、まず、初期化済みフラグ13cがオンであるかを確認する(S1)。S1の処理により確認した結果、初期化済みフラグ13cがオフであれば(S1:No)、S2の処理を行い、各種フラグの初期設定を行う。
具体的には、S2では、初期化済みフラグ13cをオンとすると共に、ND設定フラグ13a、鳴動不許可フラグ13b、初期検出フラグ13d、CAR信号検出フラグ13e、呼出信号検出フラグ13f、鳴動許可フラグ13g、鳴動保留フラグ13h、保留時検出フラグ13i、鳴動要求フラグ13j、鳴動停止要求フラグ13k、緊急フラグ13l、鳴動中フラグ13mをそれぞれオフとする。
S2の処理後、S3の処理へ移行する。また、S1の処理により確認した結果、初期化済みフラグ13cがオンであれば(S1:Yes)、既に各種フラグの初期化が実行されているので、S2の処理をスキップし、S3の処理へ移行する。
S3では、無鳴動ボタン22bがオンされているかを確認する。S3の処理により確認した結果、無鳴動ボタン22bがオンされている場合には(S3:Yes)、鳴動不許可フラグ13bをオンとし(S4)、一方で、無鳴動ボタン22bがオフされている場合には(S3:No)、鳴動不許可フラグ13bをオフとする(S13)。
S4又はS13の処理後、ND設定ボタン22aがオンされているかを確認し(S5)、ND設定ボタン22aがオンされている場合には(S5:Yes)、ND設定フラグ13aをオンとし(S6)、一方で、ND設定ボタン22aがオフされている場合には(S5:No)、ND設定フラグ13aをオフとする(S14)。
S6又はS14の処理後、ND設定フラグ13aがオンであるかを確認する(S7)。S7の処理により確認した結果、ND設定フラグ13aがオンであれば(S7:Yes)、ナンバーディスプレイ設定がオンされている場合における呼出信号に応じた呼出音の鳴動制御を行うND設定時呼出音鳴動制御処理(S8)を実行する。なお、このND設定時呼出音鳴動制御処理(S8)における具体的処理については、図4を参照して後述する。
一方で、S7の処理により確認した結果、ND設定フラグ13aがオフであれば(S7:No)、ナンバーディスプレイ設定がオフされている場合における呼出信号に応じた呼出音の鳴動制御を行うND非設定時呼出音鳴動制御処理(S15)を実行する。
このND非設定時呼出音鳴動制御処理(S15)は、リング検出回路39によって、呼出信号の受信開始が検出されると、呼出音の鳴動が開始され、一方で、呼出信号の受信終了に伴って呼出信号が受信されなくなると、呼出音の鳴動が停止されるように制御される処理である。なお、このND非設定時呼出音鳴動制御処理(S15)は、本発明の要旨ではないので、具体的処理の説明は省略する。
S8又はS15の処理後、電話回線31が閉結されたか、又は、相手側装置が呼出を終了したかを確認する(S9)。なお、このS9の処理で確認される「電話回線31の閉結」は、呼出信号に応じて鳴動される呼出音に応答して、電話回線31,32などを介して相手側装置との通信を開始するために、ユーザによる外付け電話26のフックアップなどの操作によってなされる閉結である。また、相手側装置が呼出を終了したか否かについては、呼出信号の不検出期間が十分に長く検出された場合に相手側装置が呼出を終了したと判断する。本実施例では、後述する呼出信号検出処理(図6)におけるS617の処理により開始時刻メモリ13nに記憶された呼出信号の不検出期間の開始時刻から、所定時間(例えば、6000ms)経過した場合に、相手側装置が呼出を終了したと判断するものとする。
S9の処理により確認した結果、電話回線31が閉結された場合、又は、相手側装置が呼出を終了した場合には(S9:Yes)、呼出音の鳴動を停止し(S10)、初期化済みフラグ13cをオフし(S11)、各処理として、例えば、極性の反転処理などを実行し(S12)、この呼出音鳴動メイン処理を終了する。
一方で、S9の処理により確認した結果、電話回線31が閉結されていない場合、又は、相手側装置が呼出を終了していない場合には(S9:No)、S10,S11の処理をスキップして、各処理(S12)を実行し、この呼出音鳴動メイン処理を終了する。
次に、図4のフローチャートを参照して、上述したND設定時鳴動制御処理(S8)について説明する。このND設定時鳴動制御処理(S8)では、まず、鳴動許可フラグ13gがオンであるかを確認する(S401)。S401の処理により確認した結果、鳴動許可フラグ13gがオンである、即ち、ファクシミリ装置1における鳴動禁止期間が明けている場合には(S401:Yes)、図5を参照して後述する呼出音鳴動処理(S418)を実行し、このND設定時鳴動制御処理(S8)を終了する。
一方で、S401の処理により確認した結果、鳴動許可フラグ13gがオフである場合、即ち、ファクシミリ装置1が待機状態にあるか又は鳴動禁止期間にある場合には(S401:No)、初期検出フラグ13dがオンであるかを確認する(S402)。
S402の処理により確認した結果、初期検出フラグ13dがオフである、即ち、ファクシミリ装置1が待機状態にある場合には(S402:No)、リング検出回路39により呼出信号やCAR信号などの信号が検出されたかを確認する(S413)。
S413の処理により確認した結果、リング検出回路39による信号の検出がなければ(S413:No)、このND設定時鳴動制御処理(S8)を終了する。
一方で、S413の処理により確認した結果、リング検出回路39により信号が検出されると(S413:Yes)、初期検出フラグ13dをオンし(S414)、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻を、開始時刻メモリ13nに記憶する(S415)。
S415の処理後、S413において検出された信号がCAR信号であるかを確認し(S416)、CAR信号であれば(S416:Yes)、CAR信号検出フラグ13eをオンし(S417)、このND設定時鳴動制御処理(S8)を終了する。
一方で、S416の処理により確認した結果、リング検出回路39により検出された信号がCAR信号でなければ(S416:No)、検出された信号の受信に応じた処理などの各処理(S412)を実行し、このND設定時鳴動制御処理(S8)を終了する。
また、S402の処理により確認した結果、初期検出フラグ13dがオンである、即ち、ファクシミリ装置1が鳴動禁止期間にある場合には(S402:Yes)、CAR信号検出フラグ13eがオンであるか、即ち、CAR信号及びモデム信号の受信中であるかを確認する(S403)。
S403の処理により確認した結果、CAR信号検出フラグ13eがオンであれば(S403:Yes)、モデム信号受信処理(S405)を実行する。このモデム信号受信処理(S405)では、呼出音鳴動メイン処理(図3参照)の起動毎(例えば、10ms毎)に、所定数(例えば、2個)のCAR信号が受信されたかを確認し、所定数のCAR信号の受信が確認されると、電話回線31の閉結を行い、モデム信号の受信を行う処理である。なお、このモデム信号受信処理(S405)は、本発明の要旨ではないので具体的処理の説明は省略する。
S405の処理後、モデム信号の受信が完了したかを確認し(S406)、モデム信号の受信完了が確認されると(S406:Yes)、電話回線31を開放し(S407)、CAR信号検出フラグ13eをオフする(S408)。
S408の処理後、初期検出フラグ13dをオフし(S409)、鳴動許可フラグ13gをオンし(S410)、鳴動保留フラグ13hをオンし(S411)、このND設定時呼出音鳴動制御処理(S8)を終了する。
一方で、S403の処理により確認した結果、CAR信号検出フラグ13eがオフである場合には(S403:No)、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻と開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻との差が、鳴動禁止期間の限界値として予め規定されている第3所定時間(例えば、700ms)を超えたかを確認し(S404)、第3所定時間を超えていなければ(S404:No)、即ち、CAR信号以外の信号の検出処理やその際に検出された信号の受信に応じた処理などの各処理(S412)を実行し、このND設定時鳴動制御処理(S8)を終了する。
また、S404の処理により確認した結果、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻と開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻との差が、第3所定時間(例えば、700ms)を超えていた場合には(S404:Yes)、S405〜S408の処理をスキップして、S409〜S411の処理を実行し、このND設定時呼出音鳴動制御処理(S8)を終了する。
従って、(1)待機状態にあるファクシミリ装置1がCAR信号を検出した場合には、モデム信号の受信完了に伴って電話回線31が開放されたことによって、また、(2)待機状態にあるファクシミリ装置がCAR信号以外の信号を受信した場合には、その信号受信の検出開始から、鳴動禁止期間の限界値として予め規定されている第3所定時間(例えば、700ms)が経過したことによって、鳴動許可フラグ13gがオンされ、鳴動禁止期間が明けたとされる。
次に、図5のフローチャートを参照して、上述した呼出音鳴動処理(S418)について説明する。この呼出音鳴動処理(S418)では、まず、呼出信号検出処理(S501)を実行する。その詳細は図6を参照して後述するが、この呼出信号検出処理(S501)では、リング検出回路39による呼出信号の受信状況を検出し、その検出結果に応じて、鳴動要求フラグ13j、鳴動停止要求フラグ13kがオンされる。
呼出信号検出処理(S501)の実行後、鳴動要求フラグ13jがオンであるかを確認し(S502)、鳴動要求フラグ13jがオンであれば(S502:Yes)、鳴動中フラグ13mがオンであるかを確認する(S503)。S503の処理により確認した結果、鳴動中フラグ13mがオフであれば(S503:No)、図7を参照して後述する鳴動開始処理(S504)が実行されて、呼出音の鳴動が開始される。そして、鳴動開始処理(S504)の実行後、鳴動要求フラグ13jをオフして(S505)、この呼出音鳴動処理(S418)を終了する。
一方で、S502の処理により確認した結果、鳴動要求フラグ13jがオフであれば(S502:No)、鳴動停止要求フラグ13kがオンであるかを確認する(S506)。S506の処理により確認した結果、鳴動停止要求フラグ13kがオンであれば(S506:Yes)、呼出メロディ設定メモリ28bに呼出メロディが記憶されているか、即ち、鳴動中の呼出音が呼出メロディであるかを確認する(S507)。
S507の処理により確認した結果、呼出メロディ設定メモリ28bに呼出メロディが記憶されていない場合には(S507:No)、鳴動中の呼出音を停止し(S508)、鳴動中フラグ13m及び鳴動停止要求フラグ13kをオフし(S509〜S510)、この呼出音鳴動処理(S418)を終了する。
一方、S507の処理により確認した結果、呼出メロディ設定メモリ28bに呼出メロディが記憶されていれば(S507:Yes)、S508,S509の処理をスキップし、S510の処理へ移行する。
また、S506の処理により確認した結果、鳴動停止要求フラグ13kがオフであれば(S506:No)、S507〜S510の処理をスキップして、この呼出音鳴動処理(S418)を終了する。
次に、図6を参照して、上述した呼出信号検出処理(S501)について説明する。この呼出信号検出処理(S501)では、まず、リング検出回路39により呼出信号が検出されたかを確認する(S601)。
S601の処理により確認した結果、呼出信号が検出されなければ(S601:No)、呼出信号検出フラグ13fがオンであるかを確認する(S612)。S612の処理により確認した結果、呼出信号検出フラグ13fがオンであれば(S612:Yes)、即ち、呼出信号が受信が終了したことに伴って、リング検出回路39における呼出信号の不検出期間が開始された場合であれば、保留時検出フラグ13iがオンであるかを確認する(S613)。
S613の処理により確認した結果、保留時検出フラグ13iがオンであれば(S613:Yes)、鳴動保留フラグ13hをオフし(S614)、保留時検出フラグ13iをオフし(S615)、呼出信号検出フラグ13fをオフする(S616)。
一方で、S613の処理により確認した結果、保留時検出フラグ13iがオフであれば(S613:No)、S614,S615の処理をスキップし、S616の処理へ移行する。
S616の処理後、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻を、開始時刻メモリ13nに記憶する(S617)。S617の処理により、呼出信号の不検出期間の開始時刻が記憶される。S617の処理後、S618の処理へ移行する。
一方で、S612の処理により確認した結果、呼出信号検出フラグ13fがオフであれば(S612:No)、鳴動保留フラグ13hがオンであるかを確認し(S622)。鳴動保留フラグ13hがオンであれば(S622:Yes)、鳴動保留フラグ13hをオフし(S623)、この呼出音信号検出処理(S501)を終了する。
よって、鳴動保留期間中における呼出信号の不検出期間の検出開始が確認されると、S614又はS623の処理により、鳴動保留フラグ13hがオフされる。その結果、次に呼出信号の受信が開始された場合にはその呼出信号に基づいて呼出音が鳴動される。従って、鳴動禁止期間の明けるタイミングと呼出信号の受信が開始されたタイミングとによって生じ得る中途半端な呼出音の鳴動を防止することができる。
また、S622の処理により確認した結果、鳴動保留フラグ13hがオフである場合には(S622:No)、S618の処理へ移行する。S618では、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻と、S617の処理により開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻との差が、第1所定時間を超えたかを確認する。なお、この「第1所定時間」は、(1)受信されていた呼出信号(オンされていた呼出信号)が不検出となった(オフされた)と認定するために予め規定されている値であると共に、(2)間欠的にオンとオフとが繰り返される呼出信号の受信(呼出信号のオン)を認定するために予め規定されている時間であり、本実施例では90msに規定されている。
よって、S618の処理により確認した結果、現在時刻と開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻の差、即ち、呼出信号の不検出期間が開始されてからの時間が、第1所定時間を超えていた場合には(S618:Yes)、オンされていた呼出信号がオフされたと認定され、鳴動停止要求フラグ13kをオンし(S619)、緊急フラグ13l及び鳴動中フラグ13mをオフし(S620,S621)、この呼出信号検出処理(S501)を終了する。その結果として、上述した呼出音鳴動処理(図5参照)におけるS508の処理により、鳴動中の呼出音が停止される。
一方で、S618の処理により確認した結果、現在時刻と開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻の差が第1所定時間以下である場合には、S619〜S621の処理をスキップして、この呼出信号検出処理(S501)を終了する。
また、S601の処理により確認した結果、リング検出回路39により呼出信号が検出された場合には(S601:Yes)、呼出信号検出フラグ13fがオンであるかを確認する(S602)。
S602の処理により確認した結果、呼出信号検出フラグ13fがオフであれば(S602:No)、即ち、呼出信号の受信が開始された場合であれば、呼出信号検出フラグ13fをオンし(S603)、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻を、開始時刻メモリ13nに記憶する(S604)。S604の処理により、呼出信号の受信開始時刻が記憶される。S604の処理後、S605の処理へ移行する。
一方で、S602の処理により確認した結果、呼出信号検出フラグ13fがオンであれば(S602:Yes)、S603,S604の処理をスキップして、S605の処理へ移行する。
S605では、鳴動保留フラグ13hがオンであるか、即ち、ファクシミリ装置1が鳴動保留期間にあるかを確認する。S605の処理により確認した結果、鳴動保留フラグ13hがオフであれば(S605:No)、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻と、S604の処理により開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻との差が、第1所定時間(例えば、90ms)を超えたかを確認する(S611)。即ち、S611では、呼出信号の受信が開始されてからの受信期間が、第1所定時間を超えたかの確認を行う。
S611の処理により確認した結果、呼出信号の受信期間が第1所定時間を超えた場合には(S611:Yes)、間欠的にオンとオフとが繰り返される呼出信号が受信されたと認定され、鳴動要求フラグ13jをオンして(S610)、この呼出信号検出処理(S501)を終了する。その結果として、図7を参照して後述する鳴動開始処理(S504)により、呼出音の鳴動が開始される。
ここで、鳴動保留フラグ13hがオフである場合にリング検出回路39により検出された呼出信号は、交換機27から間欠的に送信される呼出信号である。よって、ファクシミリ装置1は、そのような間欠的な呼出信号に対し、呼出信号が受信開始から第1所定時間経過したことを確認した場合に、呼出信号が受信されたと認識し、鳴動要求フラグ13jをオンすることによって呼出音の鳴動を開始する。
一方で、S611の処理により確認した結果、呼出信号の受信期間が第1所定時間以下である場合には(S611:No)、S609の処理をスキップし、この呼出音信号検出処理(S501)を終了する。
また、S605の処理により確認した結果、鳴動保留フラグ13hがオン、即ち、ファクシミリ装置が鳴動保留期間にある場合には(S605:Yes)、保留時検出フラグ13iをオンする(S606)。
S606の処理後、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻と、S604の処理により開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻との差が、第2所定時間(例えば、1500ms)を超えたかを確認する(S607)。即ち、S607では、鳴動保留期間において受信された呼出信号の受信期間が、第2所定時間を超えたかの確認を行う。
なお、この「第2所定時間」は、鳴動禁止期間の明けた後の鳴動保留期間中に受信されている呼出信号が連続的にオンが継続される呼出信号であると認定するために予め規定されている時間であり、特許請求の範囲における用語「規定受信期間」に対応するものである。この「第2所定時間」は、連続的にオンが継続される呼出信号と、間欠的にオンとオフが繰り返される呼出信号とを区別できるように、間欠的にオンとオフが繰り返される呼出信号におけるオン期間より長い時間に設定される。本実施例では、この第2所定時間を、間欠的にオンとオフとが繰り返される呼出信号における一般的なオン期間の値(約1000ms)に、所定の猶予時間を加算した値として1500msとしている。
S607の処理により確認した結果、鳴動保留期間において受信された呼出信号の受信期間が第2所定時間を超えた場合には(S607:Yes)、緊急フラグ13lをオンし(S608)、保留時検出フラグ13iをオフし(S609)、鳴動要求フラグ13jをオンする(S610)。その結果として、図7を参照して後述する鳴動開始処理(S504)により、呼出音の鳴動が開始される。
従来のファクシミリ装置では、ナンバーディスプレイ設定をオンにした場合に、最初の呼出音の鳴動時に中途半端な鳴動がされないように、鳴動禁止期間が明けた直後のタイミングにおいて受信されている呼出信号を無視し、次に受信される呼出信号の受信開始をトリガとして呼出音の鳴動を開始させるように制御されていた。なお、これは、本実施例のファクシミリ装置1で実行されるS613及びS622の処理に相当する。
しかし、そのように制御されていた従来のファクシミリ装置では、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されていた場合に、連続的にオンが継続される呼出信号を受信したとしても、鳴動開始のトリガを認識できず、その結果として、呼出音が鳴動されなかった。そのため、ユーザは、その呼出信号の受信を認識できず、応答することができなかった。
これに対し、本実施例のファクシミリ装置1では、S607〜S610の処理により、鳴動保留期間において受信された呼出信号の受信期間が第2所定時間を超えた場合に、その呼出信号を連続的にオンが継続される呼出信号であると認定し、その結果として、呼出音の鳴動を開始する。よって、ユーザはその呼出信号の受信を確実に認識することができるのである。即ち、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されている場合であっても、連続的にオンが継続される呼出信号に対して呼出音を確実に鳴動させることができ、その結果として、警察や消防などからのコールバックを初めとする緊急呼出をユーザに確実に認識させることができる。
一方で、S607の処理により確認した結果、鳴動保留期間において受信された呼出信号の受信期間が第2所定時間以下である場合には(S607:No)、S608〜S610の処理をスキップして、この呼出信号検出処理(S501)を終了する。
次に、図7のフローチャートを参照して、上述した鳴動開始処理(S504)について説明する。この鳴動開始処理(S504)ではまず、鳴動不許可フラグ13bがオンであるかを確認する(S701)。S701の処理により確認した結果、鳴動不許可フラグ13bがオフである場合、即ち、呼出信号に応じて呼出音が鳴動されるように設定されている場合には(S701:No)、緊急フラグ13lがオンであるかを確認する(S702)。
S702の処理により確認した結果、緊急フラグ13lがオンであれば(S702:Yes)、音量を最大に設定し(S703)、S704の処理へ移行する。一方で、S702の処理により確認した結果、緊急フラグ13lがオフである場合には(S702:No)、S703の処理をスキップして、S704の処理へ移行する。
よって、本実施例のファクシミリ装置1は、S703の処理により、交換機27から送信された連続的にオンが継続される呼出信号を受信すると、呼出音の鳴動時における音量を自動的に最大とする。その結果、警察や消防などからのコールバックのように、ユーザが確実に認識する必要のある緊急呼出の場合において、呼出音が必ず最大音量で鳴動することになるので、ユーザによる呼出音の音量設定にかかわらず、そのような緊急呼出をユーザに確実に認識させることができる。
S704では、呼出メロディ設定メモリ28bに、呼出音として設定された呼出メロディが記憶されているかを確認する。S704の処理により確認した結果、呼出メロディ設定メモリ28bに、呼出音として設定された呼出メロディが記憶されていれば(S704:Yes)、緊急フラグ13lがオンであるかを確認する(S705)。
S705の処理により確認した結果、緊急フラグ13lがオフであれば(S705:No)、呼出メロディ設定メモリ28bに記憶されている呼出メロディの鳴動を開始し(S706)、鳴動中フラグ13mをオンして(S707)、この鳴動開始処理(S504)を終了する。
一方で、S705の処理により確認した結果、緊急フラグ13lがオンであれば(S705:Yes)、ベル音メモリ28cに記憶されているベル音の鳴動を開始し(S708)、鳴動中フラグ13mをオンして(S707)、この鳴動開始処理(S504)を終了する。
よって、本実施例のファクシミリ装置1は、呼出音として呼出メロディが設定されている場合であっても、連続的にオンが継続される呼出信号を受信した場合に、呼出音が、ユーザにとってより認識し易い音声であるベル音に自動的に変更される。その結果、警察や消防などからのコールバックのように、ユーザが確実に認識する必要性の高い緊急呼出の場合において、呼出メロディの代わりにベル音が鳴動されるので、そのような緊急呼出をユーザに確実に認識させることができる。
なお、この場合、上述したS703の処理が予め実行されているので、本実施例のファクシミリ装置1が、連続的にオンが継続される呼出信号を受信した場合には、ベル音メモリ28cに記憶されているベル音が最大音量で鳴動されることになるので、ユーザは緊急呼出をより確実に認識することができる。
また、S704の処理により確認した結果、呼出メロディ設定メモリ28bに、呼出音として設定された呼出メロディが記憶されていなければ(S704:No)、ベル音メモリ28cに記憶されているベル音の鳴動を開始し(S708)、鳴動中フラグ13mをオンして(S707)、この鳴動開始処理(S504)を終了する。
一方で、S701の処理により確認した結果、鳴動不許可フラグ13bがオンである場合、即ち、呼出信号を受信しても呼出音を鳴動しないように設定されている場合には(S701:Yes)、緊急フラグ13lがオンであるかを確認し(S709)、緊急フラグ13lがオンであれば(S709:Yes)、音量を最大に設定する(S703)。
よって、本実施例のファクシミリ装置1は、連続的にオンが継続される呼出信号を受信した場合に、呼出音が鳴動されないように設定されていたとしても、最大の音量で呼出音が鳴動されるころになる。また、この場合、結果的に、上述したS708の処理が行われるので、ベル音メモリ28cに記憶されているベル音が最大音量で鳴動されることになる。従って、警察や消防などからのコールバックのように、ユーザが確実に認識する必要のある緊急呼出の場合において、そのような緊急呼出をユーザに確実に認識させることができる。
また、S709の処理により確認した結果、緊急フラグ13lがオフであれば(S709:No)、S703〜S708の処理をスキップして、この鳴動開始処理(S504)を終了する。
次に、図8を参照して、上記のように制御されるファクシミリ装置1における、ナンバーディスプレイ設定がオンである場合の呼出音鳴動の動作について説明する。図8は、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されたファクシミリ装置1における、呼出信号の受信タイミングと呼出音の鳴動タイミングとを模式的に示すタイミングチャートである。
図8(a)は、待機中のファクシミリ装置1がCAR信号を受信すると共に、間欠的にオンとオフとを繰り返す呼出信号を受信する場合におけるタイミングチャートである。図8(a)に示すように、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されたファクシミリ装置1が、時刻ta1においてCAR信号の受信を検出すると、所定数(例えば、2個)のCAR信号の受信、電話回線31の閉結、モデム信号の受信などを行った後、時刻ta2のタイミングで、電話回線31を開放する。
ファクシミリ装置1は、この時刻ta2のタイミングで鳴動許可フラグ13gをオンし、時刻ta2以降、呼出信号に応じた呼出音の鳴動が許可される(鳴動禁止期間が明ける)。ただし、このタイミングで鳴動保留フラグ13hがオンされるので、鳴動保留フラグ13hがオフされるまでは呼出信号の受信を検出しても、呼出音の鳴動は保留される。
モデム信号を受信した場合、時刻ta2の次のタイミング(時刻ta3)で呼出音鳴動メイン処理が起動された際には、呼出信号は検出されないので、このタイミングで鳴動保留フラグ13hがオフされる。よって、時刻ta3以降、呼出信号に応じて呼出音が鳴動する。
時刻ta4において、呼出信号の受信開始が検出されると、この時刻からの経過時間(受信期間)が計測され、時刻ta4から第1所定時間であるT1ms(本実施例では、90ms)後の時刻ta5において、鳴動要求フラグ13jがオンされ、その結果として、設定に応じた呼出音(ベル音又は呼出メロディ)での鳴動が開始される。
続いて、時刻ta6において、受信中の呼出信号の受信終了が検出されると、この時刻からの経過時間(受信期間)が計測される。そして、呼出メロディ設定メモリ28bに呼出メロディが記憶されていない場合、即ち、呼出音がベル音に設定されている場合には、時刻ta6から第1所定時間であるT1ms(本実施例では、90ms)後の時刻ta7において、鳴動要求フラグ13jがオフされて、その結果、呼出音(ベル音)の鳴動が停止される。
呼出音がベル音に設定されている場合には、さらに、時刻ta8における呼出信号の検出からT1ms後の時刻ta9において、再度、鳴動要求フラグ13jがオンされるので、呼出音の鳴動が開始される。
一方で、呼出音の設定が呼出メロディである場合には、時刻時刻ta5において呼出メロディの鳴動が開始すると、相手側装置との通信のために電話回線31が閉結されるまでは、鳴動停止要求フラグ13kがオンされても無視されるので、時刻ta7においても呼出メロディの鳴動は停止されない。
図8(b)及び図8(c)は、いずれも、待機中のファクシミリ装置1が間欠的にオンとオフとが繰り返される呼出信号を受信する場合におけるタイミングチャートである。図8(b)及び図8(c)に示すように、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されたファクシミリ装置1が、時刻t1において呼出信号の受信を検出した場合には、時刻t1から第3所定時間(本実施例では、700ms)後の時刻t2において、鳴動許可フラグ13gがオンされる。
よって、時刻t2以降、呼出信号に応じた呼出音の鳴動が許可される(鳴動禁止期間が明ける)。ただし、このタイミングで鳴動保留フラグ13hがオンされるので、鳴動保留フラグ13hがオフされるまでは呼出信号の受信を検出しても、呼出音の鳴動は保留される。
ここで、図8(b)に示すように、時刻t2の次のタイミング、即ち、時刻tb3で呼出音鳴動メイン処理が起動された際に、呼出信号が検出されなかった場合には、このタイミングで鳴動保留フラグ13hがオフされる。よって、時刻tb3以降、呼出信号に応じて呼出音が鳴動される。
よって、時刻tb4において、呼出信号の受信開始が検出されると、時刻tb4からT1ms後の時刻tb5において、鳴動要求フラグ13jがオンされ、その結果として、設定に応じた呼出音(ベル音又は呼出メロディ)での鳴動が開始される。
一方で、図8(c)に示すように、時刻t2の次のタイミングで呼出音鳴動メイン処理が起動された際に、呼出信号が検出されたとしても、その時点では鳴動保留フラグ13hがオンされたままであるので、呼出音の鳴動が保留される。
そして、呼出信号の受信が終了する時刻tc3のタイミングで鳴動保留フラグがオフされるので、次に呼出信号の受信を検出する時刻tc4からT1ms後の時刻ta5において、鳴動要求フラグ13jがオンされ、その結果として、設定に応じた呼出音(ベル音又は呼出メロディ)での鳴動が開始される。
なお、図8(b)及び図8(c)において、呼出信号の受信終了のタイミング(時刻tb6及び時刻tc6)及び呼出音の鳴動タイミング(時刻tb7及び時刻tc7)で行われるファクシミリ装置1の動作は、図8(a)における呼出信号の受信終了のタイミング(時刻ta6)及び呼出音の鳴動タイミング(時刻ta7)で行われる動作と同様である。また、呼出音の設定がベル音か呼出メロディか応じて異なる呼出音の鳴動開始及び鳴動終了の動作も、図8(a)で説明した通りである。
図8(d)は、待機中のファクシミリ装置1が連続的にオンが継続される呼出信号を受信した場合におけるタイミングチャートである。図8(d)に示すように、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されたファクシミリ装置1が、時刻t1において呼出信号の受信を検出した場合には、時刻t1から第3所定時間(本実施例では、700ms)後の時刻t2において、鳴動許可フラグ13gをオンする。
よって、時刻t2以降、呼出信号に応じた呼出音の鳴動が許可される(鳴動禁止期間が明ける)。ただし、このタイミングで鳴動保留フラグ13hがオンされるので、鳴動保留フラグ13hがオフされるまでは呼出信号の受信を検出しても、呼出音の鳴動が保留される。
従来のファクシミリ装置1では、ナンバーディスプレイ設定をオンにした場合に連続的にオンが継続される呼出信号を受信しても、鳴動保留フラグ13hをオフするタイミングを得られなかったために、呼出音を鳴動させることができなかった。
本実施例のファクシミリ装置1によれば、図8(d)に示すように、時刻t2から、第2所定時間であるT2ms(本実施例では、1500ms)後の時刻td3において、緊急フラグ13lがオンされて、その結果として、呼出音の鳴動が開始される。その際、呼出音が呼出メロディに設定されていても、ベル音に設定されるので、時刻td3以降、連続したベル音の鳴動がなされる。
なお、上記第1実施例では、ナンバーディスプレイ設定がオンである場合に、連続してオンが継続される呼出信号を検出するための値として用いる第2所定時間を、間欠的にオンとオフとが繰り返される呼出信号における一般的なオン期間(約1000ms)に、所定の猶予時間を加算して得られた値として1500msとした。このように、第2所定時間として規定される時間を1種類の値(上記第1実施例では1500ms)とすることに換えて、複数の候補値の中から最適な第2所定時間を選択した上で設定できるように構成してもよい。
この場合、第2所定時間として設定可能な候補値を複数記憶した第2所定時間テーブル(特許請求の範囲における請求項2に記載される「規定受信期間記憶手段」に対応する)をROM12又はEEPROM28に設けると共に、その第2所定時間テーブルに記憶される値の中から1の値を選択する選択手段(特許請求の範囲における請求項2に記載される「選択手段」に対応する)によってユーザにより選択された値を第2所定時間として記憶する第2所定時間メモリをRAM13又はEEPROM28に設けるように構成すればよい。
ここで、上記の第2所定時間テーブルに記憶させる第2所定時間として設定可能な候補値は、各国の規格に応じた間欠的な呼出信号における1のオン期間に所定の猶予時間(例えば、500ms程度)を加算し、そのまま第2所定時間として使用可能な値であってもよいし、各国の呼出信号の規格に応じた間欠的な呼出信号における1のオン期間の値であってもよい。第2所定時間テーブルに各国の呼出信号の規格に応じたオン時間の値が記憶されている場合には、選択手段により1の値が選択された後、その選択された値に所定の猶予時間(例えば、500ms程度)を演算手段によって加算し、その演算手段による演算結果をRAM13に設けられた第2所定時間メモリに、第2所定時間として記憶するように構成すればよい。
そして、第2所定時間テーブルの中から選択された1の値が第2所定時間として第2所定時間メモリに記憶されると、上述した第1実施例におけるS607の処理において、第2所定時間メモリに記憶された値を用いるように構成すればよい。
このように構成することによって、交換機27から送信される各種信号の規格が異なる各国毎に適した値を第2所定時間として設定することができるので、種々の国において、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されている場合であっても、連続的にオンが継続される呼出信号の受信を確実に検出でき、その結果、呼出音を確実に鳴動できる。
次に、図9のフローチャートを参照して、ファクシミリ装置1の第2実施例について説明する。この第2実施例のファクシミリ装置1は、間欠的な呼出信号における1のオン期間を基準受信時間(基準受信期間)として予め測定し、その測定された基準受信時間に基づいて第2所定時間を決定するものである。なお、第2実施例のファクシミリ装置1では、図9を参照して説明した第2所定時間測定処理が、呼出音鳴動メイン処理の一部として実行される以外は、第1実施例と同じ処理が実行される。この第2実施例において、上記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2実施例のファクシミリ装置1のRAM13は、各種フラグ13a〜13m及び開始時刻メモリ13nに加えて、測定モードフラグ13oと、測定開始フラグ13pと、第2所定時間を得るための測定を行うモード(以下、「測定モード」と称する)における測定開始時刻を記憶する測定開始時刻メモリ13qと、測定モードによる測定結果により得られた第2所定時間を記憶する第2所定時間記憶メモリ13rとを備えている。
測定モードフラグ13oは、測定モードによる測定によって第2所定時間が得られたか否かを示すフラグであり、電源投入後、測定モードによる測定によって得られた第2所定時間が第2所定時間メモリ13rに記憶されるまでオンされているフラグである。この測定モードフラグ13oは、測定によって得られた第2所定時間が第2所定時間メモリ13rに記憶されるとオフされる。なお、測定モードフラグ13oは、ファクシミリ装置1の電源が一旦落とされた後に再度投入された場合や、操作パネル22の一部であるリセットボタン(非図示)の操作によって再起動された場合に再度オンされる。
測定開始フラグ13pは、測定モードフラグ13oがオンである場合、即ち、ファクシミリモードが測定モードにある場合において、基準受信時間の測定が開始されたか否かを示すフラグである。この測定モードフラグ13pは、測定モードにおいて基準受信時間の測定が開始されるとオンされ、測定によって得られた第2所定時間が第2所定時間メモリ13rに記憶され、測定モードが終了するとオフされる。
図9は、本発明の第2実施例のファクシミリ装置1において実行される第2所定時間測定処理を示すフローチャートである。この第2所定時間測定処理は、呼出音鳴動メイン処理(図3参照)における、S2の処理の実行後、又は、S1の処理により初期化済みフラグ13cがオンであることが確認された後であって、S3の処理前に実行される処理である。
この第2所定時間測定処理では、まず、測定モードフラグ13oがオンであるかを確認し(S901)、測定モードフラグ13oがオンであれば(S901:Yes)、リング検出回路39により呼出信号が検出されたかを確認する(S902)。
S902の処理により確認した結果、リング検出回路39により呼出信号が検出された場合には(S902:Yes)、測定開始フラグ13pがオンであるかを確認する(S903)。
S903の処理により確認した結果、測定開始フラグ13pがオフであれば(S903:No)、即ち、未だ基準受信時間の測定が開始されていない場合には、測定開始フラグ13pをオンし(S904)、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻を、測定開始時刻メモリ13qに記憶する(S905)。S905の処理により、基準受信時間の測定が開始された時刻が記憶される。S905の処理後、この第2所定時間測定処理を終了する。
一方で、S903の処理により確認した結果、測定開始フラグ13pがオンであれば(S903:Yes)、測定中であるので、S904,S905の処理をスキップして、この第2所定時間測定処理を終了する。
また、S902の処理により確認した結果、呼出信号が検出されなければ(S902:No)、測定フラグ13pがオンであるかを確認する(S906)。S906の処理により確認した結果、測定開始フラグ13pがオンであれば(S906:Yes)、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻と、S905の処理により測定開始時刻メモリ13qに記憶されている時刻との差が、第4所定時間(例えば、1500ms)を超えたかを確認する(S907)。即ち、S907では、基準受信時間の測定が開始されてからの受信期間が、第4所定時間を超えたかの確認を行う。
S907の処理により確認した結果、基準受信時間の測定が開始されてからの受信期間が第4所定時間以下であれば(S907:No)、これは、交換機27から間欠的にオンとオフが繰り返されて送信される呼出信号のうちの1の呼出信号の受信完了の検出を意味する。
よって、この場合には、測定開始時刻メモリ13qに記憶されている時刻から、CPU11に内蔵されるタイマ(非図示)の示す現在時刻を差し引いて得られる間欠的な呼出信号における1のオン期間、即ち、基準受信時間に、所定の固定値(例えば、500ms)を猶予時間として加え(S908)、S908の処理により得られた値を第2所定時間メモリ13rに記憶する(S909)。
なお、この第2実施例のファクシミリ装置1では、上述した第1実施例におけるS607の処理において、第2所定時間メモリ13rに記憶された値を用いるものとする。なお、第2所定時間メモリ13rに値が記憶されていない場合には、予め規定されている値(例えば、1500ms)を用いるものとする。
従って、ファクシミリ装置1が実際に受信する呼出信号のオン期間に所定の猶予時間を加算した値である第2所定時間を、連続的にオンが継続される呼出信号であるか否かを検出する上での比較基準とする。よって、この第2実施例のファクシミリ装置1では、実際に受信する呼出信号に対する測定によって得られた基準受信時間に基づく第2所定時間を用いるので、国毎に規格の異なる呼出信号に対しても、その呼出信号が、連続的にオンが継続される呼出信号であるか否かを確認するのに最適な値を用いることができる。
また、この場合、比較基準とされる値が、実際に間欠的に受信される呼出信号のオン期間に所定の猶予期間が加算した値を第2所定時間としているので、連続的にオンが継続される呼出信号を、間欠的にオンとオフが繰り返される呼出信号に対して明確に区別することができる。
その結果、種々の国において、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されている場合であっても、連続的にオンが継続される呼出信号の受信を確実に検出でき、呼出音を確実に鳴動できるのである。
S909の処理後、測定モードフラグ13o及び測定開始フラグ13pをオフし(S910,S911)、この第2所定時間測定処理を終了する。
一方で、S907の処理により確認した結果、基準受信時間の測定が開始されてからの受信期間が第4所定時間を超えていれば(S907:Yes)、これは、間欠的にオンとオフとが繰り返される呼出信号ではなく、連続的にオンが継続される呼出信号を計測していることになるので、測定不能となり、S911へ移行して、測定開始フラグ13pをオフした後、この第2所定時間測定処理を終了する。
また、S906の処理により確認した結果、測定開始フラグ13pがオフであれば(S906:No)、S907〜S911の処理をスキップして、この第2所定時間測定処理を終了する。
また、S901の処理により確認した結果、測定モードフラグ13oがオフであれば(S901:No)、S902〜S911の処理をスキップして、この第2所定時間測定処理を終了する。
以上説明したように、第1実施例及び第2実施例のファクシミリ装置1では、リング検出回路39により検出された呼出信号の受信期間が、予め規定された第2所定時間、又は、実際の測定によって取得された基準受信時間に所定の猶予時間を加算して得られた第2所定時間に対して比較され、呼出信号の受信期間が第2所定時間を超えたことが確認された場合に、それをトリガとして呼出音の鳴動が開始される。
よって、ナンバーディスプレイ設定がオンに設定されている場合であっても、警察や消防などからのコールバックのように連続的にオンが継続される呼出信号の受信を確実に検出できるので、呼出音を確実に鳴動させることができ、その結果として、警察や消防などからのコールバックを初めとする緊急呼出をユーザに確実に認識させることができる。
なお、請求項1又は3記載の呼出音鳴動手段としては、図7の鳴動開始処理が該当する。また、請求項1又は3記載の受信期間取得手段としては、図6の呼出信号検出処理におけるS604の処理及びS607の処理における「現在時刻と開始時刻メモリに記憶されている時刻との差をとること」の部分が該当する。また、請求項1又は3記載の比較手段としては、図6の呼出信号検出処理におけるS607の処理が該当する。また、請求項1又は3記載の認定手段としては、図6の呼出信号検出処理におけるS608の処理が該当する。また、請求項1記載の呼出音鳴動開始手段としては、図7の鳴動開始処理におけるS708の処理が該当する。また、請求項3記載の基準受信期間取得手段としては、図9の第2所定時間測定処理が該当する。
また、請求項4記載の呼出音変更手段は、図7の鳴動開始処理におけるS705のYesの分岐処理が該当する。また請求項5記載の鳴動許可変更手段としては、図7の鳴動開始処理におけるS709のYesの分岐処理が該当する。また、請求項6記載の音量変更手段としては、図7の鳴動開始処理におけるS703の処理が該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、開始時刻メモリ13n、測定開始時刻メモリ13qに記憶された時刻と現在時刻との差分を受信期間としたが、これらのメモリ13n,13qに代えて、専用のタイマを設けて受信期間を計測するように構成してもよい。
また、上記実施例では、計測時間(開始時刻メモリ13n又は測定開始時刻メモリ13qに記憶された時刻と現在時刻との差分)が第1〜4所定時間を超えたかを確認するように構成したが、計測時刻が第1〜4所定時間と同等であるかを確認するように構成してもよい。例えば、呼出信号検出処理(図6)におけるS607の処理において、現在時刻と開始時刻メモリ13nに記憶されている時刻との差が同等であることが確認された場合に、S608の処理へ移行し、緊急フラグ13lをオンにするように構成してもよい。
また、上記実施例では、鳴動不許可フラグ13bがオフである場合、即ち、呼出信号の受信に応じて呼出音が鳴動される設定にされている場合に、緊急フラグ13lがオンされると、ユーザにより設定されている音量とは無関係に最大音量で呼出音が鳴動するように構成されるものであったが、例えば、ユーザによる設定音量が所定の閾値以下に設定されていた場合にのみ、緊急呼出時の呼出音の音量を最大音量にするような構成であってもよい。