JP4158554B2 - スクリーンガンマテーブルの補正機能を有する画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーンガンマテーブルの補正機能を有する画像形成装置に関し、特に、印刷エンジンの経年変化などに対応して行われるスクリーンガンマテーブルの補正工程を簡単化した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ受信装置などの画像形成装置は、供給される画像データを入力して所定の画像処理を行うコントローラと、コントローラが生成する画像再生データに従って画像を形成する印刷エンジンとを有する。画像形成装置の印刷エンジンの特性は、温度、湿度などの環境変化や経時変化により変化する。例えば、同じ入力階調であっても、印刷媒体に形成される濃度が環境の変化や経時変化により薄くなったり、濃くなったりする。或いは、そのような変化が特定の入力階調領域に発生したりする。
【0003】
従って、設計時または工場出荷時において、画像形成装置における入力階調に対する印刷媒体での出力濃度が理想的なリニアな関係に設定されていたとしても、環境変化や経時変化によりそのリニアな関係が崩れてしまい画質の低下を招く。そこで、設計時または工場出荷時の理想的な状態に戻すために、コントローラの入力階調に対する画像再生データの関係(ガンマ特性)を補正する必要がある。
【0004】
通常、このような補正工程では、エンジン内部で感光体ドラムまたは中間転写媒体上に基準パッチ画像を形成し、その光学濃度をセンサーにより読み取り、入力階調値とセンサーにより読み取られた濃度値との関係から、スクリーンガンマテーブルのガンマ特性を補正する。このようなガンマ特性の補正は、基準ガンマーテーブルにより生成された画像再生データによって基準パッチ画像を形成し、その基準ガンマテーブルの特性をセンサーにより読み取られた出力濃度に応じて補正することにより行われる。例えば、センサーにより読み取られた出力濃度が理想的な出力濃度よりも薄ければ、画像再生データがより高くなるようにガンマテーブルを補正する。その場合、基準ガンマテーブルをより高い分解能で作成しておき、センサーで読み取られた出力濃度に応じて基準ガンマテーブルから最適な値を選択して、スクリーン処理するための変換用スクリーンガンマテーブルを生成して補正を行うことが提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−56525号公報、図5など。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スクリーンガンマテーブルは、普通紙やOHPシートなどの印刷媒体毎に、同じ印刷媒体でも写真などのイメージ用スクリーンや文字、グラフィックスなどの文字用スクリーンのようにスクリーン毎に、更に、印刷エンジンにおける着色剤であるトナーの色毎に、それぞれ必要である。従って、従来の方法では、補正工程において、上記複数の印刷媒体毎に、複数のスクリーン毎に、及び、複数の色毎に、それぞれパッチ画像の生成、センサーによる出力濃度の読み取り、及び補正ガンマテーブルの生成といった一連の補正工程を行う必要があり、補正工程に長時間を要している。更に、上記複数の印刷媒体毎に、複数のスクリーン毎に、及び、複数の色毎に、それぞれ補正ガンマテーブルを生成する必要があり、一方で、かかる補正ガンマテーブルは電源オフになっても保持されるように、例えば不揮発性メモリに記憶する必要があるが、複数の補正ガンマテーブルを記憶するために大容量の不揮発性メモリを必要とする。
【0007】
更に、印刷エンジン内で生成されるパッチ画像は、8ビット256階調の入力階調に対して離散的な数個の階調値の画像からなる。数個の階調値パターンのセンサー読み取り値(出力濃度値)から、それら数個の階調値間の入力階調値に対するセンサー読み取り値を近似して補正ガンマテーブルを生成する。従って、印刷エンジンの特性が階調値に対してノンリニアに変化が生じた場合は、精度良く補正を行うことができない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、補正処理時間を短縮した画像形成装置を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の別の目的は、補正ガンマテーブルの容量を減らすことができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の別の目的は、高精度に補正ガンマテーブルを生成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面は、画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンとを有する画像形成装置において、前記スクリーン処理部は前記入力階調に対する画像再生データの変換テーブルとして複数の変換用スクリーンガンマテーブルを有し、前記印刷エンジンは前記画像再生データに対する印刷媒体上の画像の出力濃度についてのエンジン特性を有する。そして、画像形成装置は、共通のエンジン特性に対する複数の基準スクリーンガンマテーブルと、前記複数の基準スクリーンガンマテーブルのうち代表する基準スクリーンガンマテーブルに従って生成されたパッチ画像の出力濃度に応じて、前記基準スクリーンガンマテーブルと変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す補正ガンマテーブルを生成する補正ガンマテーブル生成手段と、当該補正ガンマテーブルに従って前記複数の基準スクリーンガンマテーブルから前記複数の変換用スクリーンガンマテーブルを生成する変換用スクリーンガンマテーブル生成手段とを有する。
【0012】
上記本発明の第1の側面によれば、補正工程において、共通の印刷エンジン特性に対して作成された複数の基準スクリーンガンマテーブルのうち代表する基準スクリーンガンマテーブルによって、パッチ画像を生成し、それから検出される出力濃度から印刷エンジンのエンジン特性の変化を検出し、当該変化したエンジン特性に対して入力階調値と画像の出力濃度とが工場出荷時などの理想的な関係になるように補正ガンマテーブルを生成する。そして、その共通の補正ガンマテーブルにしたがって、複数の基準スクリーンガンマテーブルから複数の変換用スクリーンガンマテーブルを一斉に生成する。従って、パッチ画像形成、その出力濃度検出、補正ガンマテーブルの生成を含む一連の補正工程を、代表の基準スクリーンガンマテーブルによって行えばよく、複数の印刷媒体毎、スクリーン毎に繰り返して行う必要がなく、補正工程を短縮することができる。
【0013】
更に、上記第1の側面によれば、複数の変換用スクリーンガンマテーブルに対して共通の補正ガンマテーブルを生成すれば良いので、不揮発性メモリなどに記憶される補正ガンマテーブルのデータ容量を少なくすることができる。
【0014】
上記の第1の側面において、好ましい実施例では、基準スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能が、変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能よりも高いことを特徴とする。つまり、基準スクリーンガンマテーブルを、変換用スクリーンガンマテーブルよりもより高い分解能、つまりより多くの入力階調に対するテーブルにすることで、印刷エンジンの経時変化に対応して、両テーブル間の関係を示す補正ガンマテーブルを生成し、記憶するだけでよい。従って、不揮発性メモリなどに記憶すべき補正ガンマテーブルのデータ量を少なくすることができる。
【0015】
更に、上記の目的を達成するために、本発明の第2の側面は、パッチ画像を変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能によって形成する。即ち、画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンとを有する画像形成装置において、前記スクリーン処理部は前記入力階調に対する画像再生データの変換テーブルとして変換用スクリーンガンマテーブルを有し、前記印刷エンジンは前記画像再生データに対する印刷媒体上の画像の出力濃度についてのエンジン特性を有する。そして、画像形成装置は、変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能に従って前記印刷エンジン内の媒体にパッチ画像を生成するパッチ画像生成手段と、前記入力階調に対するパッチ画像の濃度の関係に基づいて変換用スクリーンガンマテーブルを補正する補正手段とを有する。
【0016】
補正時のパッチ画像を変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能に従って形成するので、全ての入力階調に対するパッチ画像の出力濃度を検出することができる。従って、変換用スクリーンガンマテーブルの全ての入力階調に対する画像再生データを、検出された出力濃度に基づいて直接補正することができ、ノンリニアな特性変化に対しても精度良く補正することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載されたものとその均等物まで及ぶ。
【0018】
図1は、本実施の形態例における画像形成装置の構成図である。画像形成装置としてプリンタを例にして説明する。プリンタ20は、ホストコンピュータ10内にインストールされているプリンタドライバ12から印刷データS12を受信する。プリンタ20は、受信した印刷データを処理して画像再生データS27を生成するプリンタコントローラ22と、その画像再生データS27にしたがって画像を印刷媒体上に形成するプリンタエンジン40とを有する。
【0019】
プリンタコントローラ22は、受信した印刷データS12をビットマップデータに展開し、プリンタのトナーの色空間に変換して、画素の階調値からなる画像データS24を生成する入力ユニット24と、その画像データS24が格納される画像メモリ28と、画像メモリ28から読み出した画像データS24をハーフトーン処理するスクリーン処理部26と、スクリーン処理部26により生成された面積率に対応する画像再生データS26を、エンジン40内のレーザLDの駆動パルスデータS27に変換するパルス幅変調器27とを有する。データS26,S27は共に画像再生データの一種である。
【0020】
スクリーン処理部26は、画像データS24の入力階調値を変換用スクリーンガンマテーブル30に従ってレーザLDの駆動パルス幅に対応する画像再生データS26に変換する。レーザダイオードLDの駆動パルス幅は、画素内に生成されるドット面積率に対応する。このスクリーンガンマテーブル30は、プリンタエンジン40のエンジン特性の経時変化や環境変化に対応して、補正される。この補正により、入力階調S24に対して理想的な、例えばリニアな、出力濃度の画像の形成を維持することができる。後述するとおり、変換用のスクリーンガンマテーブル30は、基準(レファレンス)スクリーンガンマテーブル32をもとにして補正ガンマテーブル34に従って形成される。
【0021】
プリンタコントローラ22は、更に、入力ユニット24やスクリーン処理部26を制御するコンピュータであるCPUを有する。このCPUは、これらの処理ユニット24,26を制御すると共に、変換用のスクリーンガンマテーブル30を、基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル32から、補正ガンマテーブルにしたがって生成する。また、補正プログラムメモリ36には、所定のタイミングで一連の補正工程をCPUに実行させる補正プログラムが格納されている。
【0022】
印刷エンジン40は、エンジン内の各種部品を制御するエンジンコントローラ42と、レーザダイオードLDと、レーザ光線が照射されて潜像が形成されトナー付着により現像される感光体ドラム44と、感光体ドラム44に形成されたパッチ画像46の出力濃度を検出するセンサー48などを有する。パッチ画像46は、感光体ドラム44上に形成された画像が一旦転写される中間転写媒体上に形成され、その中間転写媒体上のパッチ画像の出力濃度がセンサ48により検出されてもよい。
【0023】
図2は、スクリーン処理部26の構成図である。スクリーン処理部26は、画像メモリ28に格納されている画素の階調値データS24をその画素内に形成するドット面積の面積率である画像再生データS26に変換する。そのために、階調値データに加えて、ビットマップ展開された画素の位置座標(x、y)と、その画素の画像の種類や印刷媒体に対応するスクリーンを指定する属性データXとが入力され、テーブル選択手段261がその位置座標(x、y)と属性データXからスクリーンガンマテーブル30内の変換テーブルを選択する。テーブル選択手段261は、変換テーブル選択信号S261をスクリーンガンマテーブル30に供給し、図2の例では、128種類の変換テーブルからひとつの変換テーブルを選択する。また、スクリーンガンマテーブル30には、入力アドレスとして、8ビットの入力階調データS24が入力され、それにより選択された256階調の入力階調値に対応する変換テーブル内の画像再生データが読み出される。
[複数のスクリーンガンマテーブル]
図3、図4は、テーブル選択手段と変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す図である。図3は、解像度優先スクリーンに対応する属性X1の例、図4は、階調優先スクリーンに対応する属性X2の例である。一般に、解像度優先スクリーンは、文字やグラフィックスなどの画像に適しており、階調優先スクリーンはイメージなどの画像に適している。
【0024】
図3の解像度優先スクリーンの場合は、テーブル選択手段261内のパターンマトリクスが、例えば5つの画素から構成される比較的小さい網点セルに対応する。また、それに伴って、変換用スクリーンガンマテーブル30は、5種類の変換テーブルを有する。変換テーブルは、8ビット、256階調の入力階調データに対する8ビット、256階調の面積率(画像再生データ)のデータであり、図2のスクリーンガンマテーブル30の例では、入力階調データを入力アドレスとし面積率データを記憶データとする高速メモリ、例えばSRAMで構成される。
【0025】
そして、テーブル選択手段261では、画像データS24の画素の位置に対応してパターンマトリクスが参照され、どのテーブル番号のスクリーンガンマテーブルを選択すべきかが決定される。図3の例では、画素P0に対してはテーブル番号「4」が選択され、画素P1に対してはテーブル番号「0」が選択される。図3のスクリーンガンマテーブル30は、テーブル番号が低いものは、低い入力階調の領域でドット面積が最大に成長する変換テーブルを有し、テーブル番号が高いものは、高い入力階調の領域でドット面積が成長を開始する変換テーブルを有する。これにより、入力階調値に対応する面積の網点を形成するための画像再生データS26が生成される。
【0026】
図4は、濃度の階調優先スクリーンである属性X2の例であり、属性X2の場合は、パターンマトリクスが例えば12個の画素からなる網点セルに対応する。網点セルのサイズが大きいことに伴って、画像の濃度階調値の分解能が高くなり、微少な階調を表現する画像を再生することができる。図4の例では、スクリーンガンマテーブル30は、7種類の変換テーブルを有し、パターンマトリクス内のテーブル番号「0」〜「6」に対応する。変換テーブルはセル内の単一の画素に対応するものもあれば、複数の画素に対応するものもある。図4の場合も、テーブル選択手段261において、画像データS24の画素の位置に対応してパターンマトリクスが参照され、どのテーブル番号のスクリーンガンマテーブルを選択すべきかが決定される。つまり、画素P0に対してはテーブル番号「6」が、画素P1に対してはテーブル番号「0」がそれぞれ選択され、その選択されたスクリーンガンマテーブル内の画像再生データ(面積率データ)が出力される。
[スクリーンガンマ特性とエンジン特性]
図5は、スクリーンガンマ特性とエンジン特性の関係を示す図である。理想的な画像形成では、第3象限に示されるとおり、入力階調値S26と紙などの印刷媒体上に形成される画像の出力濃度OD(光学濃度)とがリニアな関係にあることが望ましい。しかしながら、プリンタエンジンは、第2象限に示されるとおり、与えられる画像再生データ(面積率)に対してノンリニアな出力濃度特性C1を有する。つまり、画像再生データの面積率が低い領域では、例えば感光体ドラム上に現像されるトナーの付着特性が悪く、再生される画像の出力濃度ODが低くなる傾向にある。その場合、印刷エンジンは、画像再生データの面積率に対して出力濃度ODは下に凸のエンジン特性C1を有する。
【0027】
かかるエンジン特性C1のもとで入力階調値と出力濃度との間に、理想的なリニアな特性Cxを得るためには、入力階調値と画像再生データの面積率との間に、第4象限に示されるようなガンマ特性C3を与える必要がある。つまり、ある入力階調値Ixを、ガンマ特性C3のスクリーンガンマテーブルに基づいて面積率ADxの画像再生データに変換し、その面積率ADxの画像再生データS26,S27をプリンタエンジンに与えることで、入力階調値Ixにリニアな関係の出力濃度ODxの画像を生成することができる。第1象限の特性C2は、単にX軸の正の面積率をY軸の正の面積率に置き換えるだけのものであり、何らかのデバイスの特性に対応するものではない。
【0028】
図5において、一点鎖線で示したエンジン特性C4は、例えば経時変化によりエンジン特性C1が変化した後の特性である。このようにエンジン特性が変化すると、それに伴って、理想的な入力階調値と出力濃度とのリニアな関係を保つためには、第4象限内のスクリーンガンマテーブルのガンマ特性を例えばC5に補正する必要がある。
【0029】
また、図5の一点鎖線は、設計段階でのエンジン特性の変化にも対応する。つまり、長期間にわたるスクリーンの設計段階において、エンジン特性C1に対して例えばガンマ特性C3の階調優先スクリーンを開発した後に、特性変化後のエンジン特性C4に対して例えばガンマ特性C5の解像度優先スクリーンを開発したとする。この場合は、両スクリーンは、異なるエンジン特性C1,C4に対するガンマ特性C3,C5を有する。従って、同じエンジンに対してこれらの両スクリーンを使用してスクリーン処理を行うと、少なくとも何れか一方のスクリーンによる画像の出力濃度は、理想値から離れることになる。その場合は、個別にスクリーンのガンマ特性を補正することで理想的な出力濃度を得ることができる。
[経年変化と補正]
図6は、印刷エンジン特性の経時変化とスクリーンガンマ特性の補正を説明する図である。図6(1)は工場出荷時のエンジン特性の場合を示し、図6(2)は経時変化または環境変化によりエンジン特性が変化した場合を示す。図1、図5で説明したとおり、画像形成装置であるプリンタでは、入力階調値S24がスクリーン処理部26により画素内のドット面積率に対応する画像再生データS26,S27に変換され、その画像再生データから印刷エンジン40が印刷媒体上に画像を形成する。従って、図6(1)に示されるように、印刷エンジン40は画像再生データの面積率と出力濃度との間の関係を示すエンジン特性C1を有する。それに伴って、スクリーン処理部26において、入力階調値S24と面積率との間の関係を示すスクリーンガンマ特性C3を有する。このように、スクリーンガンマ特性C3をエンジン特性C1に対応して設計することで、入力階調に対して理想的な(リニアな)出力濃度特性Cxを得ることができる。
【0030】
次に、図6(2)に示されるとおり、経時変化や環境変化に伴ってエンジン特性がC1からC4に変化したとする。その場合、工場出荷時のスクリーンガンマ特性C3によって変換された面積率データS26,S27では、出力濃度ODが理想的な値からずれてしまう。つまり、入力階調と出力濃度との関係は、理想的な特性Cxから特性Ceに変化してしまう。そこで、プリンタは、補正工程を実行して、理想的な特性Cxを維持できるようにスクリーンガンマテーブルのガンマ特性をC5に補正する。この補正工程では、例えば、基準となるガンマ特性C3により生成した面積率データによりパッチ画像を生成し、そのパッチ画像の出力濃度をセンサにより読み取り、そのセンサ読み取り出力濃度が理想的な特性Cxになるようにスクリーンガンマテーブルのガンマ特性を修正する。
【0031】
図7は、スクリーンガンマテーブルの補正例を示す図である。前述したとおり、複数のスクリーンガンマテーブルがスクリーン処理部により参照される。例えば、階調優先スクリーンと解像度優先スクリーンとが、普通紙とOHPシートなどの異なる印刷媒体毎に分けて設けられる。この場合は、4種類のスクリーンに対してそれぞれガンマテーブルが必要になる。しかも、図3,4で示したとおり、各スクリーンガンマテーブルにおいてもそれぞれ複数個のテーブルが必要である。図3の例では4個のテーブルが、図4の例では7個のテーブルが設けられている。
【0032】
図7には、4種類のスクリーンI、II、III、IVが示されている。それぞれのスクリーンI〜IVは、ハーフトーン処理部にて属性データXにより選択される。前述の特許文献1では、スクリーンガンマテーブルの補正を行うために、基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル32を利用する。変換用スクリーンガンマテーブル30は、入力階調0〜255に対応して面積率の出力値を有するテーブルである。スクリーンIでは、テーブル番号「0」〜「K」のK+1個のテーブルが含まれる。それに対して、レファレンススクリーンガンマテーブル32は、入力階調0〜1023に対応して面積率の出力値を有するテーブルであり、変換用スクリーンガンマテーブル30より高い分解能(4倍)を有する。
【0033】
そして、補正ガンマテーブル34は変換用スクリーンガンマテーブル30と同じ分解能0〜255を有し、レファレンススクリーンガンマテーブル32のどの入力階調のデータを採用するかについてのデータが、それに対応して格納される。つまり、レファレンススクリーンガンマテーブル32のどの入力階調値(0〜1023)のデータが変換用スクリーンガンマテーブル30のデータになるかの情報が、補正ガンマテーブル34に格納される。従って、CPUは、補正ガンマテーブル34を参照して、補正ガンマテーブル34内のデータに対応するレファレンススクリーンガンマテーブル32内の面積率データを、変換用スクリーンガンマテーブル30にダウンロードする。
【0034】
このように高精度、高分解能のレファレンススクリーンガンマテーブル32をあらかじめ作成しておけば、入力階調値0〜255に対してレファレンステーブル内のどの面積率データを採用すれば良いかについてのデータのみを補正ガンマテーブル34に格納すればよく、不揮発性メモリなどに格納される補正ガンマテーブル34のメモリ容量を少なくすることができる。
【0035】
さて、スクリーンIでは、テーブル番号「0」〜「K」のテーブル群を共通の補正ガンマテーブル34にしたがって補正する。例えば、普通紙の階調優先スクリーンに属するテーブル群が、スクリーンIに属する。スクリーンIIでは、テーブル番号「k+1」〜「L」のテーブル群が共通の補正ガンマテーブル34に従って補正される。スクリーンIII、IVにおいても同様である。
【0036】
しかしながら、従来の補正工程では、スクリーン毎に、レファレンススクリーンガンマテーブル32を1/4に間引いて生成される基準スクリーンガンマテーブル30を利用してパッチ画像が生成され、そのパッチ画像の出力濃度から補正ガンマテーブル34が求められる。従って、図7の例では、4種類のスクリーンに対して、それぞれ補正工程を実行する必要がある。しかも、各スクリーンにおいて少なくともCMYKの4つの色についてそれぞれ補正工程を繰り返す必要がある。これでは、補正工程が長時間にわたることになり、各スクリーンI〜IVについての補正ガンマテーブル34を記憶する必要があり、不揮発性メモリの容量が大きくなる。
【0037】
このようにスクリーン毎に個別の補正工程を行う理由は、設計段階において、各スクリーンが設計されるエンジン特性が異なることに起因することにある。この点は、本発明者らにより発見された知見である。
[本実施の形態における補正ガンマテーブル]
図8は、設計時における印刷エンジン特性の変化とスクリーンとの関係を示す図である。図8(1)は、あるスクリーン、例えば普通紙の階調優先スクリーンの設計段階での関係を示す。あるエンジン特性C1に対して、入力階調と出力濃度とが理想的なリニアな特性Cxになるように、階調優先スクリーンC3が設計されたとする。つまり、この階調優先スクリーンC3は、エンジン特性C1のエンジンを使用するときに理想的な特性Cxを実現することができる。エンジン特性C1が経時的または環境により変化した場合は、スクリーンC3を補正する必要があることは、前述の通りである。
【0038】
図8(2)は、別のスクリーン、例えば普通紙の解像度優先スクリーンの設計段階での関係を示す。解像度優先スクリーンを設計した時の対象となるエンジン特性が階調優先スクリーン設計時の特性C1と異なる特性C4であったとする。つまり、そのエンジン特性C4に対して理想特性Cxが得られるように解像度優先スクリーンC5が設計されたとする。
【0039】
しかしながら、階調優先スクリーンC3は、エンジン特性C1に対して設計され、解像度優先スクリーンC5は、エンジン特性C4に対して設計されているので、同じエンジン特性C1にこれら設計されたスクリーンC3,C5を使用すると、スクリーンC3を利用した場合は、入力階調値と出力濃度との間には理想的特性Cxを得ることができるものの、スクリーンC5を利用した場合は、前提となるエンジン特性がC4ではなくC5であるので、入力階調値と出力濃度との間は理想的特性Cxにはなりえず、例えば破線の特性Cyになってしまう。
【0040】
このような場合でも、図7に示したとおり、4種類のスクリーン毎にスクリーンガンマテーブルの補正ガンマテーブルを生成することで、それぞれのスクリーンで理想的特性を実現することができる。
【0041】
本実施の形態では、エンジン特性C4に対して設計した解像度優先スクリーンC5を、エンジン特性C1に対するスクリーンC5Rにリバイズ(修正)する。解像度優先スクリーンC5を利用してエンジン特性C1でパッチ画像を形成したときの入力階調と出力階調の関係Cyを参照して、理想的な特性Cxになるように設計済みのスクリーンC5を補正して修正スクリーンC5Rを生成する。この修正工程は、前述の補正工程と同様の考え方に基づく。そして、このように修正された解像度優先スクリーンC5Rが、基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル32に利用される。
【0042】
つまり、本実施の形態では、共通のエンジン特性C1に対して理想的な出力特性Cxを有するように異なるスクリーンC3,C5Rを設計し、そのスクリーンC3、C5Rを、基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル32に格納する。その結果、本実施の形態では、補正工程において、代表となるスクリーンに対してのみ補正工程を実行して共通の補正ガンマテーブルを生成し、その共通の補正ガンマテーブルにしたがって、レファレンススクリーンガンマテーブル32から変換用スクリーンガンマテーブル30を生成(ダウンロード)することができる。レファレンススクリーンガンマテーブル32内の複数のスクリーンが、共通のエンジン特性に対して作成されているので、エンジン特性の変化に対応して、共通の補正ガンマテーブルで補正することが可能になる。
【0043】
図9は、本実施の形態におけるスクリーンガンマテーブルの補正例を示す図である。図7に示した補正例では、4つの異なるスクリーンI〜IVに対してそれぞれ個別に補正ガンマテーブルを設定したが、図9の例では、全てのスクリーンに属するスクリーンガンマテーブル30が、共通の補正ガンマテーブル34により基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル32から一斉に生成される。
【0044】
変換用スクリーンガンマテーブル30は、入力階調値0〜255に対する面積率に対応する画像再生データを格納するテーブル番号「0」〜「127」の合計128個のテーブルを有する。また、基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル32は、入力階調値0〜1023に対する画像再生データを格納するテーブル番号「0」〜「127」の合計128個の基準テーブルを有する。つまり、レファレンススクリーンガンマテーブル32は変換用スクリーンガンマテーブル30の4倍の分解能を有するテーブルである。このレファレンススクリーンガンマテーブル32に含まれる複数種類のスクリーンに対するテーブルは、全て共通のエンジン特性を前提にして設計されている。
【0045】
そして、補正ガンマテーブル34は、変換用テーブル30と同じ入力階調値0〜255に対してどのレファレンススクリーンガンマテーブル32のデータを選択すべきかを示すデータ(選択データ番号)を有する。図9の例では、補正ガンマテーブル34には、入力階調値「53」に対する選択データ番号「238」が、入力階調値「123」に対する選択データ番号「480」が、入力階調値「191」に対する選択データ番号「718」がそれぞれ格納されている。そして、この補正ガンマテーブル34を参照することで、高精度のレファレンススクリーンガンマテーブル32内のデータ番号「238」「480」「718」に対応する128個の出力データが、変換用スクリーンガンマテーブル30の入力階調値「53」「123」「191」に対応する出力データとして選択される。
【0046】
レファレンススクリーンガンマテーブル32は、変換用テーブル30の4倍の精度を有する。従って、設計段階で生成されたレファレンススクリーンガンマテーブル32に対して1/4に間引いたデータが、変換用テーブル30のデータとして採用される。つまり、補正ガンマテーブル34は、最初は0,3,7...1019,1023と、レファレンススクリーンガンマテーブル32の10ビットのデータ番号の上位8ビットにより特定されるデータ番号が最初の補正ガンマテーブル34に格納される。
【0047】
そして、その後、経時変化や環境変化でエンジン特性が変化した場合、例えば出力濃度がより高くなる方向にエンジン特性が変化すれば、補正ガンマテーブル34は、最初のデータ番号よりより低いデータ番号に補正され、それに伴って、面積率をより小さくするデータが変換用スクリーンガンマテーブル30に格納される。
【0048】
以上のように、本実施の形態では、基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル34が、共通のエンジン特性に対して設計された複数のスクリーンに属する複数のスクリーンガンマテーブルを有する。そして、この基準テーブルのうち、代表する基準テーブルに従ってパッチ画像を生成し、その出力濃度特性から、共通の補正ガンマテーブルを作成する。そして、共通の補正ガンマテーブル34に従って、レファレンススクリーンガンマテーブル32から変換用スクリーンガンマテーブル30が生成される。
【0049】
図10は、本実施の形態における補正手順を示すフローチャート図である。図11のグラフ図を参照しながら補正手順を説明する。図1に示したエンジンコントローラ42は、所定のタイミングで補正手順のトリガー信号をプリンタコントローラ22内のCPUに送信すると、CPUは補正プログラム36を実行する。この補正プログラム36の補正手順が図10のフローチャートに示される。
【0050】
最初に、複数のスクリーンのうち代表となるスクリーンで、更に代表となる色、例えば黒、のトナーで、パッチ画像46を感光体ドラム44上に形成する(S100)。このパッチ画像の形成は、CPUがパッチ画像形成用の画像データをスクリーン処理部26に与えることにより行われる。パッチ画像形成用の画像データは、入力階調値0から255までの256種類の階調値を有する。つまり、補正ガンマテーブル34の入力階調値と同じ分解能を有する。この画像データが、スクリーン処理部26にて、代表のスクリーンガンマテーブル32を参照して、画像再生データS26(面積率またはパルス幅データに対応)に変換され、パルス幅変調器27にてパルス幅データS27に変換され、印刷エンジンで感光体44上にパッチ画像が形成される。
【0051】
次に、補正プログラム36により、センサ48によりパッチ画像46が読みとられ、その読みとられたセンサー生値がCPUに供給される。この入力階調値とセンサー生値との関係例が図11(1)に示される。CPUは、センサー生値を正規化して正規化センサー値に変換する(S102)。その結果、パッチ画像の入力階調値と正規化センサー値との関係が図11(2)に示される。この正規化工程では、入力階調値最小をセンサー値最小に、入力階調値最大をセンサー値最大にそれぞれ対応させた。
【0052】
この正規化されたセンサー値は、感光体ドラム44上でのパッチ画像の出力濃度である。従って、CPUは、正規化センサー値を正規化紙上濃度に変換する(S104)。図11(3)は、異なるスクリーンでの黒に対する正規化センサー値と正規化紙上濃度との関係を示す測定値グラフであり、あらかじめ測定により求められ、変換テーブルとしてプリンタコントローラ内部に格納されている。この関係グラフを参照して、正規化センサー値が正規化紙上濃度に変換される。
【0053】
この結果、図11(4)に示される、パッチ画像の入力階調値と正規化紙上濃度との関係が求められる。この正規化紙上濃度は、図6や図8における出力濃度に対応し、図11(4)が図6に示された入力階調と出力濃度との経時変化した特性Ceに対応する。この図11(4)の特性は、入力階調値に対して出力濃度がノンリニアな関係になっていることを示している。
【0054】
そこで、補正プログラムにより、入力階調値に対して紙などの印刷媒体上の出力濃度を理想的なリニアな特性にする補正ガンマテーブルが生成される(S106)。図12は、そのようにして生成された補正ガンマテーブルの一例を示す図である。横軸が8ビット、256階調の補正ガンマテーブルの入力階調値であり、縦軸が10ビット、1024階調のレファレンススクリーンガンマテーブル32のデータ番号である。図12のグラフは、図11(4)の特性曲線をリニアな特性直線で折り返した特性曲線である。そして、この補正ガンマテーブル例では、図9の例と同じように、入力階調値「53」「123」「191」に対して、データ番号「238」「480」「718」がそれぞれ格納される。
【0055】
図11(4)の入力階調値191に対しては、濃度が191よりも高く経時変化しているのに対して、図12の補正ガンマテーブルでは、入力階調値191に対して、その4倍値の764より低いデータ番号「718」が与えられ、それにより変換用スクリーンガンマテーブル30の出力データがより低い面積率データに修正されている。逆に、図11(4)の入力階調値53に対しては、濃度が53より低く経時変化しているのに対して、図12の補正ガンマテーブルでは、入力階調値53に対して、その4倍値の212よりも高いデータ番号「238」が与えられ、変換用スクリーンガンマテーブル30の出力データがより高い面積率データに修正されている。
【0056】
図13は、上記の補正工程における補正ガンマテーブルの生成方法を示す図である。第1象限には、パッチ画像の入力階調値と正規化されたセンサー値との関係グラフが示され、図11(2)のグラフと同じである。また、第2象限には、正規化センサー値と正規化紙上濃度との関係グラフが示され、これは図11(3)のグラフと同じであるが、X軸とY軸とが逆になっている。第1象限と第2象限のグラフから、パッチ画像の入力階調値に対する印刷媒体上での出力濃度を知ることができる。この例では、入力階調値140に対して出力濃度は115とやや薄いエンジン特性になっている。
【0057】
図13の第3象限は、正規化紙上濃度と補正後入力階調値との理想的なリニア特性を示すものであり、このリニア特性により、補正後の入力階調値を求めることができる。そして、第4象限には、X軸にレファレンススクリーンガンマテーブルのテーブル番号(1024個)が、Y軸に補正後の入力階調値がそれぞれ示され、両者の関係を有する補正ガンマテーブルが示される。つまり、入力階調値140に対応するレファレンススクリーンガンマテーブルのテーブル番号560に対しては、補正後入力階調値が115に対応する。従って、補正ガンマテーブル34には、入力階調値115には、テーブル番号560が格納される。また、図から理解できるように、入力階調値140に対しては、テーブル番号540より大きい約720が与えられる。つまり、出力濃度が薄くなるようにエンジン特性が変化していたので、補正ガンマテーブルでは、より高いテーブル番号が与えられ、出力濃度特性を理想的なリニアな特性になるように補正が加えられている。
【0058】
図10の補正工程に戻ると、黒色に対する補正ガンマテーブル34が生成されると、他のCMYの色に対する補正ガンマテーブルも生成される。つまり、CMYKの少なくとも4色それぞれに対して、工程S100〜S106が繰り返し実行され、それぞれの補正ガンマテーブル34が生成される。
【0059】
図10の補正工程は、所定の時間間隔、電源オン時、プリンタエラー後の復帰時、トナーカートリッジの取り替え時などの所定のタイミングで実行される。そして、生成された補正ガンマテーブル34は、不揮発性メモリに格納される。また、プリンタコントローラ22では、CPUが、スクリーン処理を行う前に、補正ガンマテーブル34を参照して、ROMなどに格納されているレファレンススクリーンガンマテーブル32の補正ガンマテーブルで選択されているデータ番号のデータを、変換用スクリーンガンマテーブル30にダウンロードする。そして、スクリーン処理部26が、このダウンロードにより生成された変換用スクリーンガンマテーブル30を参照して、入力階調値S24に対する画像再生データS26を出力する。画像再生データS24は、画素に形成されるドットの面積率に対応するデータであり、パルス幅変調器27によりパルス幅データS27に変換される。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態では、共通の印刷エンジン特性に対して作成されている複数のスクリーンのレファレンススクリーンガンマテーブルのうち、代表のスクリーンを利用してパッチ画像を生成し、補正ガンマテーブルを生成する。そして、その補正ガンマテーブルにしたがって、レファレンススクリーンガンマテーブル32のデータを変換用スクリーンガンマテーブル30にダウンロードすることで、理想的な特性の出力濃度の画像を形成することができる。
【0061】
但し、図9に示したような高い分解能のレファレンススクリーンガンマテーブル32を利用すれば、単にデータ番号のデータをダウンロードするだけでよいので、上記のような乗算工数を節約することができる。
【0062】
別の変型例として、上記の実施の形態では、共通のエンジン特性に対してあらかじめ形成しておいた基準となるレファレンススクリーンガンマテーブル32をROMに格納し、それと補正ガンマテーブルから、変換用のスクリーンガンマテーブル30を生成している。それ以外に、補正工程の度に、プリンタコントローラ内の不揮発性メモリに、補正ガンマテーブルとレファレンススクリーンガンマテーブルから生成された補正後の変換用スクリーンガンマテーブルを格納するようにしてもよい。即ち、工場出荷時においては、共通のエンジン特性に対してあらかじめ作成されたレファレンススクリーンガンマテーブルを不揮発性メモリ内に格納し、補正工程のたびに、補正後のスクリーンガンマテーブルを求めて不揮発性メモリに上書きしてもよい。その場合でも、補正工程は代表するスクリーンに対してのみ行われ、代表スクリーンに対して生成された補正ガンマテーブルを利用して、全てのスクリーンに対するスクリーンガンマテーブルを一斉に補正し、不揮発性メモリに格納するので、補正工程を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例における画像形成装置の構成図である。
【図2】スクリーン処理部の構成図である。
【図3】テーブル選択手段と変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す図である。
【図4】テーブル選択手段と変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す図である。
【図5】スクリーンガンマ特性とエンジン特性の関係を示す図である。
【図6】印刷エンジン特性の経時変化とスクリーンガンマ特性の補正を説明する図である。
【図7】スクリーンガンマテーブルの補正例を示す図である。
【図8】設計時における印刷エンジン特性の変化とスクリーンとの関係を示す図である。
【図9】本実施の形態におけるスクリーンガンマテーブルの補正例を示す図である。
【図10】本実施の形態における補正手順を示すフローチャート図である。
【図11】補正手順で利用されるグラフ例を示す図である。
【図12】補正ガンマテーブルの一例を示す図である。
【図13】補正工程における補正ガンマテーブルの生成方法を示す図である。
【符号の説明】
20:プリンタ(画像形成装置)、22:プリンタコントローラ
26:スクリーン処理部、30:変換用スクリーンガンマテーブル
32:レファレンススクリーンガンマテーブル、34:補正ガンマテーブル
40:プリンタエンジン、44:感光体ドラム、46:パッチ画像
Claims (5)
- 画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンとを有する画像形成装置において、
前記スクリーン処理部は、前記入力階調に対する画像再生データの変換テーブルとして複数のスクリーンの種類に対応する複数の変換用スクリーンガンマテーブルを有し、
前記印刷エンジンは前記画像再生データに対する印刷媒体上の画像の出力濃度についてのエンジン特性を有し、
前記画像形成装置は、更に、
前記入力階調から画像再生データに変換するテーブルであって、共通のエンジン特性に対して前記入力階調と前記出力濃度とが理想的な関係を有するように生成された前記複数のスクリーンの種類に対応する複数の基準スクリーンガンマテーブルと、
前記複数の基準スクリーンガンマテーブルのうち代表する基準スクリーンガンマテーブルに従って生成されたパッチ画像の出力濃度に応じて、前記代表する基準スクリーンガンマテーブルとそれに対応する変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す関係データを有する補正ガンマテーブルを生成する補正ガンマテーブル生成手段と、
当該補正ガンマテーブルに従って前記複数の基準スクリーンガンマテーブルから前記複数の変換用スクリーンガンマテーブルをそれぞれ生成する変換用スクリーンガンマテーブル生成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1において、
前記基準スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能が、前記変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能よりも高く、
前記補正ガンマテーブルは、前記変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調に対応して前記基準スクリーンガンマテーブル内のいずれのデータを選択するかのデータを前記関係データとして有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1において、
前記補正ガンマテーブルは、前記変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調それぞれに対応して前記関係データを有することを特徴とする画像形成装置。 - 画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンとを有する画像形成装置において、
前記印刷エンジンは前記画像再生データに対する印刷媒体上の画像の出力濃度についてのエンジン特性を有し、
前記スクリーン処理部は、前記入力階調に対する画像再生データの変換テーブルとして、共通のエンジン特性に対して前記入力階調と前記出力濃度とが理想的な関係を有するように生成または補正された複数のスクリーンの種類に対応する複数の変換用スクリーンガンマテーブルを有し、
前記画像形成装置は、更に、
前記複数の変換用スクリーンガンマテーブルのうち代表する変換用スクリーンガンマテーブルに従って生成されたパッチ画像の出力濃度に応じて、前記代表する変換用スクリーンガンマテーブルとそれに対応する補正後の代表する変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す補正ガンマテーブルを生成し、当該補正ガンマテーブルに従って前記複数の変換用スクリーンガンマテーブルから補正後の複数の変換用スクリーンガンマテーブルをそれぞれ生成する補正スクリーンガンマテーブル生成手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンとを有し、前記スクリーン処理部は、前記入力階調に対する画像再生データの変換テーブルとして複数のスクリーンの種類に対応する複数の変換用スクリーンガンマテーブルを有し、前記印刷エンジンは前記画像再生データに対する印刷媒体上の画像の出力濃度についてのエンジン特性を有し、更に、前記入力階調から画像再生データに変換するテーブルであって、共通のエンジン特性に対して前記入力階調と前記出力濃度とが理想的な関係を有するように生成された前記複数のスクリーンの種類に対応する複数の基準スクリーンガンマテーブルを有する画像形成装置の前記変換用スクリーンガンマテーブルの補正プログラムにおいて、
当該補正プログラムは、
前記複数の基準スクリーンガンマテーブルのうち代表する基準スクリーンガンマテーブルに従って生成されたパッチ画像の出力濃度に応じて、前記代表する基準スクリーンガンマテーブルとそれに対応する変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す補正ガンマテーブルを生成する補正ガンマテーブル生成手順と、
当該補正ガンマテーブルに従って前記複数の基準スクリーンガンマテーブルから前記複数の変換用スクリーンガンマテーブルをそれぞれ生成する変換用スクリーンガンマテーブル生成手順とを、コンピュータに実行させることを特徴とする画像形成装置の補正プログラム。
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