JP2006140859A - 画像形成装置、及び画像形成装置の補正プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】階調特性の悪化を防いで高精度なスクリーンガンマテーブルの補正を行うこと。
【解決手段】画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンと、を有する画像形成装置において、前記スクリーン処理部は、補正ガンマテーブルと、前記印刷エンジンの露光レベルごとに変換用スクリーンガンマテーブル及び基準スクリーンガンマテーブルとを有し、前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記入力階調に対する前記画像再生データの変換テーブルであって、前記基準スクリーンガンマテーブルは前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成するためのテーブルであり、前記補正ガンマテーブルは前記印刷エンジン内に形成される基準画像の出力濃度に基づいて前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用のスクリーンガンマテーブルを生成するための関係を示すテーブルである、
ことを特徴としている。
【選択図】図11
【解決手段】画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンと、を有する画像形成装置において、前記スクリーン処理部は、補正ガンマテーブルと、前記印刷エンジンの露光レベルごとに変換用スクリーンガンマテーブル及び基準スクリーンガンマテーブルとを有し、前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記入力階調に対する前記画像再生データの変換テーブルであって、前記基準スクリーンガンマテーブルは前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成するためのテーブルであり、前記補正ガンマテーブルは前記印刷エンジン内に形成される基準画像の出力濃度に基づいて前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用のスクリーンガンマテーブルを生成するための関係を示すテーブルである、
ことを特徴としている。
【選択図】図11
Description
本発明は、スクリーンガンマテーブルの補正機能を有する画像形成装置に関する。詳しくは、印刷エンジンの経時変化などに対応して行われるスクリーンガンマテーブルの補正を露光レベルに応じて行う画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ受信装置などの画像形成装置は、入力された画像データに対して所定の画像処理を行うコントローラと、コントローラが生成する画像データに従って印刷媒体に画像を形成する印刷エンジンとから構成される。このような画像形成装置では、画像データの入力階調と印刷媒体における出力濃度とが本来理想的なリニアな関係(入力階調と出力濃度とが一致する関係)にあるべきである。
しかし、印刷エンジンの特性によりそのリニアな関係が崩れてしまう場合がある。同じ入力階調でも、印刷エンジンによっては、出力濃度が濃くなったり、薄くなったりする。そこで、従来から設計時または工場出荷時において入力階調に対する出力濃度の関係がリニアな関係になるように、印刷エンジンのエンジン特性に応じて、コントローラの入力階調に対する画像再生データの関係(ガンマ特性)を予め設定していた。
ところが、印刷エンジンは、湿度、温度などの経時変化や環境変化により、その特性が変化する。そのため、工場出荷時または設計時の理想的なリニアな関係に戻すため、ガンマ特性を補正する必要があった。
通常、このような補正を行うには、エンジン内部の感光体ドラムや中間転写媒体上に基準パッチ画像を形成し、その濃度をセンサーにより読み取り、入力階調値とセンサーで読み取られた濃度値との関係から、スクリーンガンマテーブルのガンマ特性を補正する。例えば、センサーにより読み取られた出力濃度が理想的な出力濃度より薄ければ、画像再生データがより高くなるようにスクリーンガンマテーブルを補正する。
このようなスクリーンガンマテーブルの補正に関し、従来では、基準パッチ画像を形成するための基準ガンマテーブルをより高い分解能で作成しておき、センサーで読み取られた出力濃度に応じて基準ガンマテーブルから最適な値を選択し、スクリーン処理するための変換用スクリーンガンマテーブルを生成して補正を行うものが提案されている(例えば、以下の特許文献1)。
また、共通の印刷エンジン特性に対して作成された複数の基準スクリーンガンマテーブルのうち代表する基準スクリーンガンマテーブルによりパッチ画像を生成することで、スクリーンガンマテーブルの補正工程、とくにパッチ画像形成、出力濃度検出、補正ガンマテーブルの生成の工程を短縮することも提案されている(例えば、以下の特許文献2)。
更に、パッチ画像の検出された濃度間隔を他の領域よりも多く取ることで、優れた階調性の画像を得るようにしたものも提案されている(例えば、以下の特許文献3、特許文献4)。
特開2000−56525号公報、図5など
特願2003−52404号、図9など
特開平7−264411号公報
特開平8−76527号公報
しかしながら、上述のようにスクリーンガンマテーブルを補正するにしても、基準パッチ画像をセンサーで検出すると、例えば入力階調の低濃度領域や高濃度領域において入力階調の増加分よりも大幅にセンサーの出力濃度が高くなる場合がある。入力階調と出力濃度との関係が理想的なリニアな関係となるように、この出力濃度に対応してスクリーンガンマテーブルを補正することになるが、出力濃度の大幅な増加によりこの領域では、ガンマ特性が他の領域と比較して大きく変化する。そのため、却ってスクリーンガンマテーブルの階調特性が落ち、補正の精度が低下することがあった。
そこで、本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものでその目的は、階調特性の悪化を防いで高精度なスクリーンガンマテーブルの補正を行うことにある。
上記目的を達成するために本発明は、画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンと、を有する画像形成装置において、前記スクリーン処理部は、補正ガンマテーブルと、前記印刷エンジンの露光レベルごとに変換用スクリーンガンマテーブル及び基準スクリーンガンマテーブルとを有し、前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記入力階調に対する前記画像再生データの変換テーブルであって、前記基準スクリーンガンマテーブルは前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成するためのテーブルであり、前記補正ガンマテーブルは前記印刷エンジン内に形成される基準画像の出力濃度に基づいて前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用のスクリーンガンマテーブルを生成するための関係を示すテーブルである、ことを特徴とする。これにより、例えば、印刷エンジン内の露光レベルに応じた基準画像により補正ガンマテーブルが生成されるため、生成された変換用スクリーンガンマテーブルの階調特性は悪化することはなく、画像形成装置における入力階調に対する出力濃度は設計等の際のリニアな特性に戻される。また、露光レベルに応じた基準スクリーンガンマテーブルを用いているため露光レベルに応じた高精度の変換用スクリーンガンマテーブルの補正を行うことができる。
また、本発明は上記画像形成装置において、更に、前記印刷エンジンの露光レベルに応じた変換用スクリーンガンマテーブルにより前記基準画像を生成する基準画像生成手段、を有することを特徴とする。これにより、例えば、生成された基準画像は露光レベルに応じた変換用スクリーンガンマテーブルを用いているため、その後生成される変換用スクリーンガンマテーブルは階調特性が悪化することはない。
更に、本発明は上記画像形成装置において、前記補正ガンマテーブルを生成する補正ガンマテーブル生成手段と、前記補正ガンマテーブル生成手段で生成された前記補正ガンマテーブルにしたがって前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成する変換用スクリーンガンマテーブル生成手段と、を有することを特徴とする。
更に、本発明は上記画像形成装置において、前記補正ガンマテーブル生成手段は、前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成することで前記入力階調と前記出力濃度とがリニアな関係となるように、前記補正ガンマテーブルを生成する、ことを特徴としている。これにより、例えば、生成された補正ガンマテーブルにより基準スクリーンガンマテーブルから変換用スクリーンガンマテーブルを生成すると、入力階調に対する印刷エンジンの出力濃度の関係がリニアな関係となる。
更に、本発明は上記画像形成装置において、前記補正ガンマテーブル生成手段は、前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成することで前記入力階調と前記出力濃度とが前記画像形成装置の設計の際または工場出荷の際に設定した関係となるように、前記補正ガンマテーブルを生成する、ことを特徴とする。これにより、例えば、入力階調に対する印刷エンジンの出力濃度の関係が設計の際等に設定した関係に戻される。
更に、本発明は上記画像形成装置において、前記基準スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能は、前記変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能より高い、ことを特徴としている。これにより、例えば、精度の高い変換用スクリーンガンマテーブルの生成を行うことができる。
また、上記目的を達成するために本発明は、複数の露光レベルを有し、画素の入力階調に対して再生画像データに基づいて印刷媒体上に画像を形成する画像形成装置において、前記画素の入力階調を再生画像データに変換する変換用スクリーンガンマテーブルと、前記画像形成装置内の露光レベルに応じた前記変換用スクリーンガンマテーブルから、基準画像を形成する基準画像形成手段と、形成された前記基準画像の出力濃度に基づいて前記変換用スクリーンテーブルを補正する補正手段と、を備え、前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記露光レベルに応じて複数有することを特徴とする。これにより、例えば、印刷エンジン内の露光レベルに応じた変換用スクリーンガンマテーブルを用いて基準画像が生成され、その出力濃度に応じて変換用スクリーンガンマテーブルが補正されるため、補正された変換用スクリーンガンマテーブルの階調特性は悪化することはなく、画像形成装置における入力階調に対する出力濃度は設計等の際のリニアな特性に戻される。
更に、上記目的を達成するために本発明は、画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンとを有し、更に、前記スクリーン処理部には、前記印刷エンジンの露光レベルごとに変換用スクリーンガンマテーブル及び基準スクリーンガンマテーブルと、補正ガンマテーブルとを有する画像処理装置の補正プログラムにおいて、前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記入力階調に対する前記画像再生データの変換テーブルであり、前記基準スクリーンガンマテーブルは前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成するためのテーブルであって、当該補正プログラムは、前記印刷エンジンの露光レベルに応じた変換用スクリーンテーブルから基準画像を生成する基準画像生成処理と、生成された前記基準画像の出力濃度に基づいて、前記基準スクリーンガンマテーブルと前記変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す前記補正ガンマテーブルを生成する補正ガンマテーブル生成処理と、生成された前記補正ガンマテーブルにしたがって、前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成する変換用スクリーンテーブル生成処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。これにより、例えば、生成された変換用スクリーンテーブルは階調特性が悪化することなく、画像形成装置の入力階調に対する出力濃度の関係が設計の際等のリニアな関係に戻される。また、露光レベルに応じた高精度の変換用スクリーンガンマテーブルの補正を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明が適用される画像形成装置の一例を示す図である。画像形成装置としてプリンタ20を例にして以下説明する。
図1に示すように、プリンタ20はプリンタコントローラ30と印刷エンジン50とから略構成され、ホストコンピュータ10と接続される。
プリンタコントローラ30は、コントローラ30内の各部を制御するためのCPU31と、ホストコンピュータ10にインストールされたプリンタドライバ12からの印刷データを受信してプリンタ20のトナーの色空間に変換して各画素所定の階調値からなる画像データS32を出力する入力ユニット32と、その画像データS32が格納される画像メモリ33と、画像メモリ33からの画像データS32をハーフトーン処理するスクリーン処理部34と、スクリーン処理部34により生成された面積率に対応する画像再生データS34を駆動パルスデータに変換するパルス幅変調部35と、を有する。
また、プリンタコントローラ30には、変換用のスクリーンガンマテーブル36と、リファレンス(基準)スクリーンガンマテーブル38、及び補正ガンマテーブル39を有する。このスクリーンガンマテーブル36は、印刷エンジン50の経時変化や環境変化に対応して補正される。この補正はCPU31の制御により行われ、基準となるリファレンススクリーンガンマテーブル38から補正ガンマテーブル39に従ってスクリーンガンマテーブル36が補正される。なお、この補正制御は補正プログラム用メモリ40に補正プログラムが格納されCPU31によって読み出されて実行される。また、これらのテーブル36、38、39は、プリンタ20の電源を切ってもその内容を記憶保持されるよう不揮発性メモリに記憶される。本発明の特徴部分は、このスクリーンガンマテーブル36とリファレンススクリーンガンマテーブル38とにあって、印刷エンジン50の露光レベルごとにそれぞれのテーブル36、38が存在する。その詳細は後述する。
印刷エンジン50は、エンジン50内の各部を制御するエンジンコントローラ51と、エンジンコントローラ51の制御によりレーザー光線を発光するレーザーダイオード52と、レーザーダイオード52からのレーザー光線の照射により潜像が形成されてトナーの付着によりその潜像が現像される感光体ドラム53と、ドラム53上に形成された基準画像(基準パッチ画像)54の出力濃度を検出するセンサー55と、を有する。なお、パッチ画像54は感光体ドラム53上に形成された画像が一旦転写される中間転写体に形成され、センサー55が中間転写体上のパッチ画像54の出力濃度を検出するようにしてもよい。
図2は、スクリーン処理部34の構成図である。スクリーン処理部34はテーブル選択手段341を有する。テーブル選択手段341には画素の位置座標(x、y)と、その画素の画像の種類や印刷媒体に対応するスクリーンを指定する属性データXとが入力され、スクリーンガンマテーブル36内のいずれかのテーブルを選択するための選択信号を出力する。この選択信号に基づいて、複数種類(図2の例では128種類)のテーブルのうちからいずれかが選択される。そして、スクリーン処理部34は選択されたテーブルから入力階調値S32に対応する出力値を選択し、この出力値が画像再生データS34として出力される。なお、画像再生データS34は、その画素内に形成されるドット面積の面積率である。
図3、図4は、テーブル選択手段341とスクリーンガンマテーブル36との関係を示す図である。図3は解像度優先スクリーンに対応する例であり、図4は階調優先スクリーンに対応する例である。一般に、解像度優先スクリーンは文字やグラフィックスなどの画像に適し、階調優先スクリーンはイメージなどの画像に適している。
テーブル選択手段341には、属性データXに応じて複数のパターンマトリックスを有し、この例では、属性データがX1のとき比較的小さなマトリックス(網点セル)が選択され(図3)、属性データがX2のとき比較的大きな網点セルが選択される(図4)。網点セルは、図3の例では5つの画素から構成され、図4の例では12個の画素から構成される。各セル内の値はその画素位置で選択されるべきスクリーンガンマテーブル36のテーブル番号を示す。例えば、図3の例では、ある画素P0に対してテーブル番号「4」が選択される。これにより、入力階調値S32に対応する面積の網点を形成するための画像再生データS34が生成される。
図5は、スクリーンガンマ特性と印刷エンジンのエンジン特性との関係を示す図である。この図において第1象限における縦軸、横軸はともに画像再生データ(面積率)S34を示し、第2象限では縦軸は面積率S34、横軸は印刷媒体上に形成される画像の出力濃度ODを示す。また、第3象限の縦軸は入力階調値S32、横軸は出力濃度ODを示し、第4象限の縦軸は入力階調値S32、横軸は面積率S34を示す。
理想的な画像形成では、第3象限に示すように入力階調値S32と出力濃度ODとがリニアな関係(入力階調値S32と一致した出力濃度ODが得られる関係)にあることが望ましい。プリンタ20で各部の設計が容易になるからである。しかし、実際には、印刷エンジン50は第2象限に示されるとおり画像再生データの面積率S34に対してノンリニアな出力濃度特性C1を有する。図5の例では、面積率S34の低い領域では再生される画像の出力濃度ODが低くなっている。例えば、感光体ドラム53上に現像されるトナーの付着特性が悪いためである。
このようなエンジン特性C1のもとで入力階調値S32と出力濃度ODとの間で、理想的なリニアな特性Cxを得るためには、入力階調値S32と画像再生データの面積率S34との間に、第4象限に示すガンマ特性C3を与える必要がある。つまり、ある入力階調値Ixを、ガンマ特性C3のスクリーンガンマテーブルに基づいて面積率ADxの画像再生データS34に変換し、その面積率ADxの画像再生データS34を印刷エンジン50に与えることで、入力階調値Ixとリニアな関係の出力濃度ODxの画像を生成することができる。
ここで、経時変化や環境変化で印刷エンジン50のエンジン特性がC1からC4に変化した場合を考える。かかる場合、入力階調値S32と出力濃度ODとの間でリニアな関係を保つためには、第4象限のスクリーンガンマテーブルのガンマ特性をC3からC5に補正する必要がある。
図6は、印刷エンジン特性の経時変化とスクリーンガンマ特性の補正を説明するための図である。図6(A)は工場出荷時(または設計時)の特性を示し、図6(B)は経時変化時の特性を示す。工場出荷時等において印刷エンジン50はエンジン特性C1を有する場合を考える。この場合、上述したように入力階調値S32と出力濃度ODとの間でリニアな特性Cxを得るためには、工場出荷や設計の際にスクリーンガンマテーブル36のガンマ特性C3を図6(A)のように設計すればよい。
次に、図6(B)に示すように、経時変化や環境変化でエンジン特性がC1からC4に変化した場合を考える。かかる場合に、工場出荷等の際に設計したガンマ特性C3のままでは、入力階調値S32と出力濃度ODとの関係を示す特性が出荷時等のCxからCeに変化してしまう。本来の入力階調値S32に対応した出力濃度ODが得られず画質が低下する。そこで、プリンタ20は、工場出荷時等の理想的な特性Cxを維持するために、スクリーンガンマテーブル36のガンマ特性をC3からC5に補正する。
図7は、スクリーンガンマテーブル36の補正例を示す図である。この例では、スクリーンガンマテーブル36は128種類のテーブルを有する。スクリーンガンマテーブル36の縦方向は入力階調値S32を示し、横方向はテーブル番号を示す。各マス目には各テーブル番号において入力階調値S32に対する面積率S34が格納される。
リファレンススクリーンガンマテーブル38は、スクリーンガンマテーブル36の補正を行うための基準となるテーブルである。このテーブル38も入力値(補正テーブル階調値)に対してテーブル番号ごとに面積率S34が格納されるが、入力値が「0」〜「1023」まであり、スクリーンガンマテーブル36より高い分解能(4倍)を有する。従って、スクリーンガンマテーブル36のガンマ特性改善の精度が向上する。
補正ガンマテーブル39は、入力階調S32に対する出力濃度ODの関係を工場出荷等の際に設計した関係(リニアな関係)に戻すためのテーブルである。補正ガンマテーブル39は、スクリーンガンマテーブル36と同じ分解能で、参照すべきリファレンススクリーンガンマテーブル38の補正テーブル階調値が格納される。
補正制御の際は、補正ガンマテーブル39から、リファレンススクリーンガンマテーブル38の補正テーブル階調値を参照する。そして、リファレンススクリーンガンマテーブル38の各テーブル番号の出力値が参照され、これらの値がスクリーンガンマテーブル36に格納される。これにより、スクリーンガンマテーブル36は補正される。
図7の例では、補正ガンマテーブル39の補正テーブル入力階調値「53」に対し「238」が格納されている。そして、リファレンススクリーンガンマテーブル38の補正テーブル階調値「238」を参照し、この「238」に格納されたテーブル番号「0」から「127」までの出力値をスクリーンガンマテーブル36の入力階調値「53」のテーブル番号「0」から「127」までに格納する。また、補正ガンマテーブル39の補正テーブル入力階調値が「123」では「480」が格納されているため、リファレンススクリーンガンマテーブル38の補正テーブル入力階調値「480」を参照する。そして、リファレンススクリーンガンマテーブル38内の「480」に格納された各出力値を読み出してスクリーンガンマテーブル36の入力階調値「123」の領域に格納する。
従って、スクリーンガンマテーブル36では工場出荷時等に格納された値が補正されるため、例えば上述したようにスクリーンガンマテーブル36のガンマ特性がC3からC5(図6(B))に補正され、入力階調値S32に対する出力濃度ODの関係が工場出荷時等の特性Cxに戻されることになる。
図8は、実際にパッチ画像54を感光体ドラム53上に形成し、その画像54をセンサー55で検出したときの例を示す図である。図8に示すように入力階調値S32が低い低濃度領域(ハイライト部)では出力濃度ODは急激に高く変化する。この図から理解されるように、入力階調値S32に対する出力濃度(センサー濃度)ODとの関係はリニアな関係になっていない。
このような状況で、スクリーンガンマテーブル36の補正について考える。図9は、図8の例におけるスクリーンガンマテーブル36の補正を説明するための図である。上述したように、補正ガンマテーブル39に必要な値を格納することでスクリーンガンマテーブル36の補正が行われる。図8に示すように、入力階調値が「1」のとき、センサー濃度は「28」となっている。従って、図9に示すように補正テーブル入力階調値「28」の領域には「4」が格納される。補正テーブル入力階調値で「28」を参照したのは、センサー濃度ODと入力階調値S32との間でリニアな関係が保たれていれば、センサー濃度ODが「28」となるのは入力階調値「28」のときだからである。また、補正ガンマテーブル39内の「4」は、図8の入力階調値S32「1」に対応する。4倍したのは、リファレンススクリーンガンマテーブル38の分解能が補正ガンマテーブル39の分解能の4倍だからである。
そして、以下同様にして、入力階調値S32とセンサー濃度ODとの関係から、図9の補正ガンマテーブル39が生成される。このとき、補正ガンマテーブル39において、例えば、補正テーブル入力階調値「0」から「28」までの値は、CPU31により線形補間等が行われ、値が埋められることになる。その後、補正ガンマテーブル39からリファレンススクリーンガンマテーブル38を参照して、スクリーンガンマテーブル36を補正することになる。
ここで、補正されたスクリーンガンマテーブル36に着目する。入力階調S32に対する出力濃度ODの関係がリニアな特性Cxに戻されたにも拘わらず、スクリーンガンマテーブル36の階調数が減少して階調特性が悪化する場合がある。例えば、図9のスクリーンガンマテーブル36の入力階調値「0」から「28」までの領域を見てみる。この領域では、入力階調値S32の階調数は「29」にも拘わらす、リファレンススクリーンガンマテーブル38の補正テーブル階調値は「0」から「4」までの5種類しか(5階調しか)確保されていない。本来、入力階調値S32が「0」から「28」までの29階調あれば、出力値(面積率S34)も29階調あるべきである。しかし、図9の例は、29階調あるべきところ5階調となり、大幅に階調数が減少している。
このような階調数の大幅な減少は、図8に示すように入力階調値S32のハイライト部でセンサー濃度ODが急激に高くなるからである。そして、このように急激にセンサー濃度ODが高くなるのは、レーザーダイオード52から発光されるレーザーの露光レベル(レーザーパワー)が印刷エンジン50内で種々制御されているにも拘わらず、従来のスクリーンガンマテーブル36やリファレンススクリーンガンマテーブル38はこの露光レベルを考慮しておらず、あるいはある特定の露光レベルのみ考慮したテーブル36、38で補正制御が行われているからである。
一般に、露光レベルが高いと感光体ドラム53のうちレーザーが照射した領域は表面電位が下がりやすく、従ってトナーが付着しやすく出力濃度ODが高くなる。一方で、露光レベルは、印刷エンジン50内において、文字などの再現性(細線など)が一定となるように制御される。例えば、露光レベルは印刷エンジン50や、種々の消耗品、環境等の変化に対応して制御される。
そして、印刷エンジン50内で露光レベルが高く制御されているときに、露光レベルを考慮しない(或いは特定の露光レベルのみ考慮した)スクリーンガンマテーブル36を使用してパッチ画像54を形成しそのセンサー濃度ODを検出すると、図8のように急激にセンサー濃度が高くなる。
つまり、設計の際の露光レベルと補正制御の際の露光レベルとが異なっている場合に従来のスクリーンガンマテーブル36、38を用いて補正制御を行うと、補正後のスクリーンガンマテーブル36の階調特性は悪化してしまう。
図10は、入力階調値S32のハイライト部で露光レベルごとにセンサー濃度ODがどのように変化するかを示す図である。この図で、例えば「E=4」とあるのは、補正制御時に「4」段階分露光レベルが変化した場合を示す。この図に示すように、露光レベルの変化が大きいときは露光レベルの変化が小さいときと比較して出力濃度ODは高くなる傾向にある。
ここで、入力階調値S32が「0」から「1」に変化する場合のセンサー濃度ODは、他と比較して極端に高くなっている。これは、種々の理由が考えられるが、例えば、256階調の1階調目はレーザーダイオード52からのレーザーパワーの影響が最も受け易いからである。
また、入力階調値S32のシャドウ部、例えば、階調値が「254」から「255」に変化する場合でも、センサー濃度ODが他と比較して高くなる傾向にある。この理由も種々考えられるが、上述した理由と逆の現象が発生しているからと考えられている。したがって、ハイライト部でスクリーンガンマテーブル36の階調特性が悪化するのと同様に、シャドウ部でも階調特性が悪化する。
かかる階調特性の悪化に対し、本発明では図11に示すように、予め設計の際または工場出荷の際に露光レベルごとにリファレンススクリーンガンマテーブル38とスクリーンガンマテーブル36とを設計し、補正制御の際の露光レベルに合ったスクリーンガンマテーブル36によりパッチ画像54を生成し、露光レベルに合ったリファレンススクリーンガンマテーブル38によりスクリーンガンマテーブル36を補正する。これにより、入力階調値S32に対する出力濃度ODの関係がリニアな関係となるとともに、補正されたスクリーンガンマテーブル36の階調特性を減少させることもなく、高精度の補正制御を行うことができる。
露光レベルの数は、印刷エンジン50により異なる。従って、設計すべきスクリーンガンマテーブル36とリファレンススクリーンガンマテーブル38の数は印刷エンジン50の有する露光レベルの数に応じて設計される。
パッチ画像54は、補正制御時の露光レベルに応じたスクリーンガンマテーブル36により生成する。そのため、パッチ画像54のセンサー濃度ODは図8や図10に示すように極端に変化することがない。したがって、設計時には印刷エンジン50の有する全ての露光レベルに対応したスクリーンガンマテーブル36(とリファレンススクリーンガンマテーブル38)を設計する必要がある。また、補正制御時において、印刷エンジン50に経時変化や環境変化があった場合は、この変化に対応したセンサー濃度ODを得る。露光レベルを考慮したスクリーンガンマテーブル36によりパッチ画像54が形成されるからである。よって、その後の補正制御で補正したスクリーンガンマテーブル36の階調特性も悪化することがない。
また、リファレンススクリーンガンマテーブル38についても露光レベルごとに異なる。これは、露光レベルに応じた高精度の補正制御を行うためである。
このような構成で、CPU31が実行する補正制御の動作について説明する。図12は、その動作のフローチャートを示す。まず、CPU31はメモリ40から補正プログラムを読み出すことで処理が開始される(S100)。次いで、CPU31は露光レベルを検出する(S101)。露光レベルの制御は印刷エンジン50内で行われるため、CPU31は、例えば、エンジンコントローラ51からの情報によって露光レベルを検出する。
次いで、CPU31は検出した露光レベルに対応するスクリーンガンマテーブル36を使用してパッチ画像54を形成する(S102)。パッチ画像用の基準となるテーブルを使用してパッチ画像を形成する。
次いで、CPU31は、パッチ画像54をセンサー55で読み取り、センサー濃度ODを検出する(S103)。そして、CPU31は、入力階調値S32に対する出力濃度ODの関係をリニアな特性にするよう、補正ガンマテーブル39を作成する(S104)。その後、CPU31は、検出した露光レベルに対応するリファレンススクリーンガンマテーブル38を決定して(S105)、作成した補正ガンマテーブル39からそのリファレンススクリーンガンマテーブル38を参照してスクリーンガンマテーブル36を補正する(S106)。そして、以上の処理をCMYKすべての色に対して行うことで(S107)、補正手順が終了する(S108)。
上述した例では、補正制御をプリンタコントローラ30で行うとして説明した。これ以外にも、例えば、ホストコンピュータ10で行うようにしてもよい。この場合、各テーブル36、38、39もホストコンピュータ10内のメモリに格納され、プリンタドライバ12によって補正制御を行う。かかる場合も、印刷エンジン50の有する露光レベルに応じたスクリーンガンマテーブル36とリファレンススクリーンガンマテーブル38とを有し、上述した例と同様の作用効果を奏する。
10 ホストコンピュータ、20 プリンタ(画像形成装置)、30 プリンタコントローラ、31 CPU、34 スクリーン処理部、36 スクリーンガンマテーブル、38 リファレンススクリーンガンマテーブル、39 補正ガンマテーブル、50 印刷エンジン、53 感光体ドラム、54 パッチ画像
Claims (8)
- 画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンと、を有する画像形成装置において、
前記スクリーン処理部は、補正ガンマテーブルと、前記印刷エンジンの露光レベルごとに変換用スクリーンガンマテーブル及び基準スクリーンガンマテーブルとを有し、
前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記入力階調に対する前記画像再生データの変換テーブルであって、前記基準スクリーンガンマテーブルは前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成するためのテーブルであり、前記補正ガンマテーブルは前記印刷エンジン内に形成される基準画像の出力濃度に基づいて前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用のスクリーンガンマテーブルを生成するための関係を示すテーブルである、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、更に、
前記印刷エンジンの露光レベルに応じた変換用スクリーンガンマテーブルにより前記基準画像を生成する基準画像生成手段、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、更に、
前記補正ガンマテーブルを生成する補正ガンマテーブル生成手段と、
前記補正ガンマテーブル生成手段で生成された前記補正ガンマテーブルにしたがって、前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成する変換用スクリーンガンマテーブル生成手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3記載の画像形成装置において、
前記補正ガンマテーブル生成手段は、前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成することで前記入力階調と前記出力濃度とがリニアな関係となるように、前記補正ガンマテーブルを生成する、ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3記載の画像形成装置において、
前記補正ガンマテーブル生成手段は、前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成することで前記入力階調と前記出力濃度とが前記画像形成装置の設計の際または工場出荷の際に設定した関係となるように、前記補正ガンマテーブルを生成する、ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記基準スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能は、前記変換用スクリーンガンマテーブルの入力階調の分解能より高い、ことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の露光レベルを有し、画素の入力階調に対する再生画像データに基づいて印刷媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記画素の入力階調を再生画像データに変換する変換用スクリーンガンマテーブルと、
前記画像形成装置内の露光レベルに応じた前記変換用スクリーンガンマテーブルから、基準画像を形成する基準画像形成手段と、
形成された前記基準画像の出力濃度に基づいて前記変換用スクリーンテーブルを補正する補正手段と、
を備え、前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記露光レベルに応じて複数有することを特徴とする画像形成装置。 - 画素の入力階調に対して画像再生データを出力するスクリーン処理部と、前記画像再生データに従って印刷媒体上に画像を形成する印刷エンジンとを有し、更に、前記スクリーン処理部には、補正ガンマテーブルと、前記印刷エンジンの露光レベルごとに変換用スクリーンガンマテーブル及び基準スクリーンガンマテーブルとを有する画像処理装置の補正プログラムにおいて、
前記変換用スクリーンガンマテーブルは前記入力階調に対する前記画像再生データの変換テーブルであり、前記基準スクリーンガンマテーブルは前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成するためのテーブルであって、
当該補正プログラムは、
前記印刷エンジンの露光レベルに応じた変換用スクリーンテーブルから基準画像を生成する基準画像生成処理と、
生成された前記基準画像の出力濃度に基づいて、前記基準スクリーンガンマテーブルと前記変換用スクリーンガンマテーブルとの関係を示す前記補正ガンマテーブルを生成する補正ガンマテーブル生成処理と、
生成された前記補正ガンマテーブルにしたがって、前記露光レベルに応じた前記基準スクリーンガンマテーブルから前記変換用スクリーンガンマテーブルを生成する変換用スクリーンテーブル生成処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像形成装置の補正プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004329975A JP2006140859A (ja) | 2004-11-15 | 2004-11-15 | 画像形成装置、及び画像形成装置の補正プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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ID=36621332
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8625162B2 (en) | 2010-06-28 | 2014-01-07 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image processing apparatus and image forming apparatus with a toner density correction function |
-
2004
- 2004-11-15 JP JP2004329975A patent/JP2006140859A/ja active Pending
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