JP4157721B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパークプラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパークプラグの主体金具には、ねじ加工により外周面にシリンダヘッドにねじ込むためのねじ部が形成されている。
【0003】
ところで、最近の自動車用エンジンにおいては、排気ガス規制が強化されるに伴い、混合気もリーン領域のものが多く使用されるようになってきている(いわゆるリーンバーンエンジン)。図14に示すように、大抵のエンジンでは、スパークプラグ200の主体金具30に形成されたガスシール部GSのガスケット座面SとシリンダヘッドSHのガスケット支持面RとでガスケットGを挟み込みながら、主体金具30に形成されたねじ部34がシリンダヘッドSHにねじ込まれる。これにより、スパークプラグ200はシリンダヘッドSHにガスシール性を保持しつつ固定される。ここで、リーンの混合気は燃料混合比率が低いため、スパークプラグ200の燃焼室K内における接地電極33の方向によっては、燃焼室K内での圧縮行程において発生するスワール流SW(混合気流)に対して火花放電ギャップgが接地電極33の陰になり、点火ミスを生じることがある。そのため、このようなエンジンにおいては、接地電極33が点火に最適な位置となるように要望され、主体金具30のねじ部34のシリンダヘッドSHに対するねじ込み終了の角度位置が指定されていることがある。このことは、ねじ部34の加工時にねじ加工の開始位置が指定されることを意味している。
【0004】
従来、スパークプラグ200の接地電極33が点火に最適な位置となるように、主体金具30となるワークWへのねじ加工の開始位置を周方向において位置決めするには、たとえばポジショニング転造によるねじ加工が行われていた。このポジショニング転造とは、図16に示す通り、所定位置にセットされたワークWにダイス400を寄り付かせ、ワークWの外周面にねじ加工を行う方法である。図16に示す例は3ダイス式であるが、2ダイスでも同じことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにしてポジショニング転造を行う場合、ダイスに対するワークの初期位置が極めて重要である。スパークプラグをシリンダヘッドに所定量ねじ込んだ際、たとえば規定位置から±30°以内に接地電極を位置させる場合には、転造軸方向におけるダイスとワークとの相対位置決めを±0.05mm以内の精度で行わなければならない。市販の転造装置には、ダイスの回転をサーボアクチュエータにより精密に制御するものもあるが、ワーク自体の位置決め精度を向上させるものではない。ワークの初期位置がバラつくようでは、正確なねじ切り開始位置の実現など到底望めるはずもない。そのため、スパークプラグの製造現場において、ポジショニング転造の加工精度を高めるための具体的な方法が切望されている。
【0006】
本発明の課題は、ねじ切り開始位置を正確に定めることのできるスパークプラグの製造方法、具体的には主体金具となるワークにポジショニング転造を行う際の加工精度を高める方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するために本発明のスパークプラグの製造方法は、
被ねじ加工部の先端側に周方向基準マーク、基端側に径方向に膨出したガスシール部が形成されたスパークプラグの主体金具となる軸状のワークを転造加工して、ガスシール部に対する所定位置および周方向基準マークに対する所定角度位置からねじ形成する工程を含むスパークプラグの製造方法において、
転造加工を行う複数のダイスの回転軸線の間に、該回転軸線と平行なワーク移動軸線を仮想して、そのワーク移動軸線上にワーク準備位置を定め、
周方向基準マークがワーク移動軸線周りにおける特定方向を向くようにワークをワーク準備位置に配置したのち、その特定方向を維持しつつ、ワークをワーク移動軸線に沿って一定距離移動させて、ダイスとガスシール部とのワーク移動軸線方向における最短距離が特定距離を示すように、被ねじ加工部を複数のダイスの加工面に面する位置に配置し、
その後、前記特定距離を維持しつつ、周方向基準マークとダイス上に定められたダイス基準位置とを所定の回転角度位置関係に維持した状態でワークとダイスとを相対接近させ、被ねじ加工部を転造することを特徴とする。
【0008】
上記本発明の方法は、転造を行う場所とは別の場所に一旦ワークを配置しておき、そこからダイス−ダイス間の所定位置までの搬送を、極めて単純な経路のみで行うようにしたものである。その搬送の際において、ワークを軸線周りに回転させないことも大切である。具体的にまず、ダイス−ダイス間の所定位置にワークが配置されている状態を仮想し、そのワークの仮想外形をダイスの回転軸線と平行な方向に一定距離移動させることにより、転写された仮想空間をワーク準備位置として設定する。そのワーク準備位置にワークをセットすれば、あとはワークを一軸方向に一定距離移動させるだけで、ダイス−ダイス間の所定位置にワークがセットされることとなる。
【0009】
複数経路を経たり、多次元の搬送を繰り返したりすることは、精度低下につながる。本発明の方法のように、単純な動きのみでワークの供給を行うようにすれば、±0.05mm以内の位置決め精度も困難ではない。したがって、極めて高精度のポジショニング転造を行えるようになる。また、ワーク準備位置からダイス−ダイス間の所定位置へのワークの供給は、シリンダ機構などの1次元の駆動系で実現できるため、設備費用も極力おさえることができる。また、ダイスの近傍で位置決め作業を行わずに済むので、装置の取り回しも容易である。
【0010】
より好適な態様においては、ワーク移動軸線方向においてガスシール部のダイス側端と、ダイスの加工面のガスシール側端との距離が{X+h}(X,h:正の実数)となる位置にワーク準備位置を定め、そのワーク準備位置にワークを配置したのち、ワークをワーク移動軸線方向に沿って距離Xだけ移動させる。このようにすれば、ワーク準備位置に配置されたワークは、ワーク移動軸線方向へ距離Xだけ移動させることとなる。
【0011】
同じく課題を解決するために本発明の第二方法は、
転造加工を行う複数のダイスの回転軸線の間に、該回転軸線と平行なワーク移動軸線を仮想して、周方向基準マークがワーク移動軸線周りにおける特定方向を向くようにワークをワーク移動軸線上に配置したのち、
その特定方向を維持しつつ、ワークをワーク移動軸線に沿って必要量移動させて、ダイスとガスシール部とのワーク移動軸線方向における最短距離が特定距離を示すように、被ねじ加工部を複数のダイスの加工面に面する位置に配置し、
その後、前記特定距離を維持しつつ、周方向基準マークとダイス上に定められたダイス基準位置とを所定の回転角度位置関係に維持した状態でワークとダイスとを相対接近させ、被ねじ加工部を転造することを特徴とする。
【0012】
この方法においても、一軸方向のみの搬送動作で、ダイス−ダイス間の所定位置にワークを供給する点については同様である。異なるのは、ワークの位置を測定するためのセンサ、その測定結果から必要移動量を算出する計算機、算出された量だけワークを搬送できるサーボアクチュエータなど、フィードバック系の制御装置が必要となる点である。ワークの搬送を、サーボアクチュエータに頼らざるを得ないので、前述した方法の方がコストパフォーマンスは高い。しかし、いずれの方法も、高精度のポジショニング転造の実現に寄与することはもちろんであり、製品ごとのねじ切り開始位置にバラツキを生じさせないという目的は達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図1は、ねじ転造装置の基本的構成を示すブロック図である。このねじ転造装置100は、ダイス7A,7Bを回転させる回転駆動部2、ダイス7A,7BをワークWの周方向に寄り付かせる寄り付き駆動部3、回転駆動部2および寄り付き駆動部3にねじ転造のための制御指令を発する制御部4等から構成される。そして、制御部4と回転駆動部2の一部とによって回転制御機構6が構成されている。
【0014】
軸状の形態を有するワークWは、スパークプラグ200の主体金具30となるものであり、その先端側外周面部が被ねじ加工部W0とされている。被ねじ加工部W0のさらに先端側には、周方向基準マークである接地電極33が溶接接合される一方、基端側(後端側)にはガスシール部GSが隣接形成されている。接地電極33は、折り曲げていない直棒状である。このようなワークWは、該ワークWに形成された軸孔35にワークホルダ11が後端側から挿入され、ガスシール部GSよりも先端側が、ダイス7Aとダイス7Bとの間に位置するように配置される。ワークホルダ11に保持されたワークWは、該ワークホルダ11と一体に軸線O’周りの回転が許容されている。ワークWの軸線O’は、ダイス7A,7Bの回転軸線OA,OBと平行に設定される。ワークホルダ11は、ワークWを保持する先端部11aが、コレットチャックやマンドレル型ストッパにより構成されている。なお、ワークWに関していえば、スパークプラグ200として完成された際に、火花放電ギャップgが位置する側を先端側(または下側)、これと反対側を後端側(または上側)とする。
【0015】
また、ワークホルダ11がねじ転造装置100内の所定位置にセットされたことを検出するワークセットセンサ12(たとえばリミットスイッチ等の接触式センサ、光電センサ・近接スイッチ等の非接触式センサ、または画像解析等のソフトウェア処理用撮像手段等)がダイス7A、7Bに隣接して設けられている。
【0016】
次にねじ転造用丸ダイス7A,7Bが固定された2本のダイス回転軸26A,26Bには、回転式の第一アクチュエータ21A,21B(たとえば電気式サーボモータ、油圧式サーボモータ等;サーボアクチュエータ)が設けられている。第一アクチュエータ21A,21Bの駆動力は、駆動軸23A,23Bおよびウォームとウォームホイール25A,25B等を経てダイス回転軸26A,26Bにそれぞれ伝達され、これによりねじ転造用丸ダイス7A,7Bが互いに同方向にほぼ同一回転数で回転駆動される。2個のねじ転造用丸ダイス7A,7Bの加工面27a,27bには、多条のねじがそれぞれ形成されている。また、ワークWは、ダイス7A,7Bの加工面27a,27bの凹凸が外周面に押圧されることで、それらダイス7A,7Bとは回転方向が逆となるように回転され、被ねじ加工部W0におねじが形成される。駆動軸23A,23Bには、第一アクチュエータ21A,21Bの回転角度位置を検出するエンコーダ28A,28B(回転センサ)が設けられ、これにより第一アクチュエータ21A,21Bは、所定の回転角度位置で正確に回転停止する機能(定位置回転停止機能)を有する。
【0017】
寄り付き駆動部3には、ダイス回転軸26A,26Bが各々軸支された2個の軸ケース32A,32Bが配置されている。これら軸ケース32A,32Bには、往復動式(たとえば流体圧シリンダ)または回動式(たとえば電気モータ、油圧式モータ)の第二アクチュエータ31が設けられる。第二アクチュエータ31は、各軸ケース32A,32Bごとに連動して、または軸ケース32A,32Bをカム等を介して一斉に、各軸心(回転軸線OA,OB)を内側方向に移動させる。これにより、ダイス7A,7BとワークWとが相対接近する。なお、本明細書では、ねじ転造のためダイス7A,7Bの加工面27a,27bがワークWに接近することを”寄り付き”、ダイス7A,7Bの加工面27a,27bがワークWの被ねじ加工部W0に接触することを”食い付き”という。
【0018】
制御部4は、I/Oポート94とこれに接続されたCPU91、ROM92、RAM93等からなるマイクロプロセッサおよび記憶装置等により構成されており、ROM92には制御プログラム92aが格納されている。そしてI/Oポート94の出力側には、回転駆動部2の第一アクチュエータ21A、21Bがそのアクチュエータを駆動するためのサーボ駆動ユニット20A,20Bを介して接続され、また寄り付き駆動部3の第二アクチュエータ31がそのアクチュエータを駆動するためのサーボ駆動ユニット90を介して接続されている。一方、I/Oポート94の入力側には、ワークセットセンサ12と、エンコーダ28A,28Bとが接続されている。
【0019】
このような制御部4と、前述した回転駆動部2のうちの第一アクチュエータ21A,21B、エンコーダ28A,28B等とによって、回転制御機構6が形成されている。この回転制御機構6は、いわゆるサーボ系と称されるフィードバック制御系の一類型であり、エンコーダ28A,28Bによって第一アクチュエータ21A,21Bの回転角度位置を検出し、制御部4からの指令に基づき第一アクチュエータ21A,21Bが所定の回転角度位置で停止する。これによって、ワークWの周方向基準マークに対して、ダイス7A,7Bの基準位置を所定の回転角度位置に設定することができる。また、ダイス7A,7Bを所望の位置で精密に停止させることもできる。なお、ワークWの周方向基準位置とダイス7A,7Bの基準位置との所定の回転角度位置関係についての詳細は後述する。
【0020】
上記のようなねじ転造装置100を用いてポジショニング転造を行う場合、ダイス7A−ダイス7B間に設定される所定位置に、ワークWを正確に供給することが重要である。以下、その方法について具体的に説明する。
【0021】
(第一形態)
図2は、ワークホルダ11にワークWを装着する過程、図3は、ワークホルダ11が連結されたワーク供給装置300によりダイス7A,7B間の所定位置にワークWを供給する過程をそれぞれ示す模式図である。図2−▲1▼に示すように、まず、ワーク供給装置300は、リニアガイド50が形成された固定ベース40を備える。固定ベース40は、リニアガイド50の伸延方向が、ねじ転造装置100のダイス7A,7Bの回転軸線OA,OBと平行となるように、ダイス7A,7Bに対して固定配置される。移動ベース41は、モータやエアシリンダなどのアクチュエータを含むスライド機構を有し(図示せず)、固定ベース40上をリニアガイド50に沿って移動する。移動ベース41上には、固定ベース40と同様のリニアガイド49が、ねじ転造装置100のダイス7A,7Bの回転軸線OA,OBと平行となるように設けられている。そして、該移動ベース41と同様のスライド機構を備えるワーク供給部48と補助部47とが、リニアガイド49に沿って移動可能に移動ベース41上に配置されている。
【0022】
固定ベース40において、リニアガイド50の伸延方向には、移動ベース41の移動を制限するストッパ43,45が設けられている。同様に、移動ベース41において、リニアガイド49の伸延方向には、ワーク供給部48の移動を制限するストッパ44が設けられている。これらストッパ群43,44,45の配置位置は、ダイス7A,7Bに対して極めて厳密に設定される。詳細は後述する。
【0023】
ワーク供給部48には、棒状のワークホルダ11がベアリング等を介して回転可能に設けられている。ワークホルダ11の回転軸は、ワーク供給部48のスライド方向と平行に設定される。このワークホルダ11の先端部11aは、ワークWを保持するチャックを構成している。一方、ダイス7A,7Bの回転軸線OA,OBと平行、かつ該回転軸線OA,OBの間に仮想的に設定されるワーク移動軸線O上には、ワーク準備位置WAが定められる。すなわち、ワーク準備位置WAにワークWが配置された際には、ワークホルダ11の回転軸、ワークWの軸線O’およびワーク移動軸線Oが互いに一致することとなる。具体的に、ワーク準備位置WAは、ワーク移動軸線O方向においてワークWのガスシール部GSのダイス側端Sと、ダイス7A,7Bの加工面27a,27bのガスシール側端7p,7qとの距離が{X+h}(X,h:正の実数)となる位置に定められる。すなわち、上記ガスシール側端7p,7qは、回転軸線OA,OB方向においてワーク供給時にワークWが接近してくる側となる。
【0024】
上記に規定された距離{X+h}のうち、ワーク準備位置WAに配置されたワークWが実際に移動される距離は”X”である。図15の左図に示すように、”h”は、ワークWがダイス7A,7B間の所定位置に供給された際の、ワークWにおけるガスシール部GSのダイス側端S(=ガスケット座面S)と、ダイス7A,7Bの加工面27a,27bのガスシール側端7p,7qとのワーク移動軸線O方向における距離を表す。このように、ねじ加工部W0を転造する際には、ガスケットGの高さを考慮してシリンダヘッドSHの座面Rとガスケット座面Sとの間の隙間hを決定する。なお、ガスケットを使用しないコニカルシートタイプのスパークプラグにおいては、図15の右図に示すように、テーパ面S’のダイス側端Pを、隙間hを設定する際の基準にすればよい。
【0025】
図2に示すように、ワーク供給装置300は、板状のワーク固定治具60を含む。ワーク準備位置WAへのワークWの配置は、ワーク固定治具60を介して行われる。ワーク固定治具60は、固定ベース40に連結された昇降機構(図示せず)により、ワーク移動軸線Oと直交する方向VDに可動とされる。このワーク固定治具60は、ワーク挿通孔60k(図6参照)を備えるとともに、ダイス7A,7Bのガスシール側端7p,7qからワーク移動軸線O方向に距離{X+h}を有する仮想的な基準面BHと、ワーク挿通孔60kの開口したワーク挿通側面60pとが面一となるように、全体が基準面BHよりもダイス7A,7B側に位置するよう配設される。ワーク固定治具60のワーク挿通孔60kにワークWをセットしたのち、そのワーク固定治具60をワーク移動軸線Oと直交する方向VDに移動させて、ワーク準備位置WAにワークWを供給する仕組みである。このワーク固定治具60は、いわば極めて精度の高いパーツフィーダの役割を果たす。ワーク挿通孔60kにワークWを嵌め込む際には、一般的なパーツフィーダを使用できる。なお、ワーク固定治具60には、光電センサ、近接スイッチ等の非接触センサが近接されている(図示せず)。非接触センサにより、ワークWの有無が確認されるとともに、ワークWの存在が確認されたら、ワーク固定治具60によりワークWがワーク準備位置WAに搬送される。
【0026】
また、本実施形態では、被ねじ加工部W0に隣接形成された接地電極33を、周方向基準マークとして使用するようにしている。そして、その接地電極33を基準にしてワークWをワークWの軸線O’周りに回転させることにより、該ワークWの角度位置を調整する。これにより、位置決めマークをいちいちセンシングする必要がなくなる。
【0027】
図6は、ワークWの軸線O’に平行なワーク固定治具60の断面図(6−1)および軸線O’方向からの平面図(6−2)である。ワーク固定治具60は、板状の形態を有するとともにその板厚方向にワーク挿通孔60kが貫通形成されており、前述したワーク挿通側面60pにガスシール部GSが当接するまで、ワーク挿通孔60kにワークWを挿し込むようになっている。ワーク挿通孔60kにワークWを挿し込んで、ワーク挿通側面60pの反対側(裏面60q側)に突出した接地電極33を挟持する際にワークWを回転させることにより、ワークWを特定方向に向かせる。なお、一般にガスシール部GSのガスケット座面Sは、わずかにテーパ状に形成されている。このため、正確に位置合わせをするためには、基準面BH側のワーク挿通孔60kの開口端部に、ガスケット座面Sのテーパよりも若干大きなテーパを設けるとよい。また、ワーク挿通孔60kの径とワークWの被ねじ加工部W0との径差ができる限り小さくなるように、ワーク挿通孔60kの径の公差を小さくする必要がある。ワーク挿通側面60pは、ワーク移動軸線O方向においてダイス7A,7Bの加工面27a,27bのガスシール側端7p,7qとの距離が厳密に設定・維持される。したがって、ワーク挿通側面60pにガスシール部GSがぴったり着座するように、ワーク固定治具60にワークWをセットすれば、軸線O’方向におけるワークWの位置を、NC制御を行わずともいとも簡単に定めることができる。そして、そのとき一緒に軸線O’周りの角度位置調整を行うので、ワークWを軸線O’周りに回しているときに、軸線O’方向における位置がずれるといった心配もしなくてよい。
【0028】
図7は、軸線O’周りの角度位置調整の方法を示す模式図である。ワーク固定治具60の板厚は、ワーク挿通孔60kにワークWを十分に差し込んだとき、ワーク挿通側面60pの反対側となる裏面60q側から、ワークWの先端に溶接接合された接地電極33が突出するように調整されている。そして、その突出した接地電極33を、チャック52で挟んで保持することにより所定の角度位置まで強制的にワークWを回転させる。チャック52は、ワークWがワークホルダ11に固定されるまで、接地電極33を挟持した状態が維持される。
【0029】
上記のようにして、ワーク固定治具60にワークWを固定したのち、ワーク固定治具60をチャック52と一体的に、ワーク準備位置WAに向けてワーク移動軸線Oに直交する方向VDにまっすぐ下降させる。そして、ワーク固定治具60の邪魔にならないように若干後退させておいたワーク供給部48を、ダイス7A,7Bに近づく方向に前進させる。すると、図2−▲2▼および図8に示すように、ダイス7A,7Bに接近する方向においてワークホルダ11の先端部11aがワークWに形成された軸孔35に挿入される。このとき、ワークホルダ11の先端部11aは、ワークWの軸孔35内における縮径部54にまで達しない位置で停止され、軸孔35の内側からワークWを固定する。すなわち、図2−▲2▼に示すように、ワークホルダ11が固定されたワーク供給部48は、ストッパ44の働きにより前進が停止される。その結果として、図8のように、ワークホルダ11の先端面11pと縮径部54の下端との間に隙間dが残余する。このようにすれば、ワークWがワークホルダ11に押されて、軸線O方向の位置がずれるという不具合が発生しなくなる。
【0030】
上記のようにワークホルダ11にワークWを固定したら、ワークホルダ回転阻止部42を作動させて、ワークホルダ11がワーク移動軸線O周りに回転しないようにして、ワークWの角度位置を保持する。その後、図2−▲3▼に示すように、チャック52の挟持動作を解除して接地電極33をフリーにし、ワークWがワーク固定治具60から完全に離脱するまでワーク供給部48を後退させる。その後、ワーク固定治具60およびチャック52を元の位置まで上昇させる。
【0031】
次に、ワーク供給部48をストッパ44に前進が阻止されるまで、再び前進させる(図3−▲4▼参照)。するとワークWは、ワーク移動軸線O方向において、ガスシール部GSのダイス側端Sからダイス7A,7Bのガスシール側端7p,7qまでの距離がちょうど{X+h}の位置に再び固定される。その状態を維持しつつ、ワーク供給部48と対向する位置に設けられた補助部47を、ワーク供給部48に接近させる。補助部47には、ワークWの軸孔35に挿入されて転造時においてワークが跳ね飛ぶことを防ぐ支持棒46が、ワークホルダ11との対向位置に設けられている。補助部47が、ワーク供給部48に接近するにともない、その支持棒46がワークホルダ11に保持されたワークWの先端側から軸孔35内に入り込む(図3−▲5▼参照)。
【0032】
そして、移動ベース41を前進させることにより、複数のダイス7A,7Bの間に向けてワークWをまっすぐ一定距離(=X)移動させる。すると、ワーク移動軸線O方向におけるガスシール部GSとダイス7A,7Bとの最短距離は、必ず特定距離h(=隙間h)を示す。移動ベース41は、固定ベース40に設けられたストッパ45に前進が停止されるまでに距離Xだけ、極めて正確に進む。このように、ワークWをワーク移動軸線Oに沿って一軸搬送するワーク供給装置300には、移動距離Xに対応したストッパ群43,44,45が設けられ、該ストッパ群43,44,45によりワークWは、ワーク基準位置WAと、該ワーク基準位置WAから距離Xだけ移動させた位置とで停止される。つまり、ストッパ群43,44,45に強制停止されるまで、各ベース40,41を移動させるだけで、極めて高精度の位置決めが行える。このようにワーク供給装置300は、動作量がフィードバックされないシリンダ機構やモータなどの駆動機構を備えるのみで既述した動作をすべてフォローでき、測定誤差も生じないため、ワークWの加工品質も向上する。
【0033】
(第二形態)
次に、センサの検出結果に基づいてサーボアクチュエータを制御するフィードバック系の駆動機構を備えるワーク供給装置301について説明する。図4−▲1▼に示すように、ワーク供給装置301は、第一形態におけるワーク供給装置300の構成を概ね援用できる。移動ベース70は、固定ベース40のリニアガイド50に沿ってサーボアクチュエータにより駆動される。同様に、ワーク供給部74は、移動ベース70のリニアガイド71に沿ってサーボアクチュエータにより駆動される。以下、具体的にねじ転造装置100へのワークWの供給方法を説明する。
【0034】
まず、ワークホルダ11の先端部11bにワークWを配置する。この際、近接スイッチ等の非接触型のセンサでワークWの有無を確認する。そして、ワークWの存在が確認されたら、接地電極33がワーク移動軸線O周りにおける特定角度を示すようにワークWの角度位置を調整することと、ダイス7A,7BとワークWとの相対位置を測定してその測定結果よりワークWの必要移動量を算出することとを独立に行う。ワークホルダ11へのワークWの供給は、図示しないパーツフィーダ等により行うことができる。ワークホルダ11の先端部11bは、後端側からワークWの軸孔35内に挿通される。図9に示すように、ワークホルダ11の先端部11bには、軸孔35の開口部に着座する鍔状部11tが形成されており、より安定にワークWを保持することが図られている。また、ワークホルダ11の先端部11bは、軸孔35における縮径部54にさしかかる位置までしっかりと挿通される。
【0035】
一方、ダイス7A,7Bに対するワークWの位置測定は、光センサ77,78および変位センサ81のいずれかにより行うことができる。図10は、光センサ77,78によりワークWの位置測定を行う形態を説明する模式図であって、ワーク供給装置301を上方から見た平面図を表している。光センサは、固定ベース40に対して固定的に設けられたビーム出力部78と、同じく検出部77とからなる。すなわち、ビーム出力部78および検出部77は、ダイス7A,7Bにおけるガスシール側端7p,7qに対し、ワーク移動軸線O方向において位置固定されている。図10から理解できるように、本実施形態では2ダイス式のねじ転造装置100を使用している。
【0036】
ビーム出力部78より出力されたブロードなビームLBは、ワークWなどの障害物がその進行経路上に存在しない場合、その全成分が検出部77に検出される。他方、図10および図4−▲3▼に示すように、レーザLBの進行経路とワークWとが重なると、ワークWに遮られない成分のみが検出部77に到達する。検出部77は、検出結果を制御装置(図示せず)に出力する。制御装置においては、入力された検出結果よりワーク移動軸線O方向におけるワークWの位置を特定し、ワーク移動軸線O方向への必要移動量が算出される。そして、算出された必要移動量だけ、サーボアクチュエータによりワークWが搬送される。なお、ダイス7A,7Bに対するワークWの相対位置測定についていえば、ワーク移動軸線O方向におけるガスシール部GSのダイス側端S(ガスケット座面)の位置をセンシングする方法が好適である。ガスシール部GSは、転造を行う際の軸線O方向におけるワークWの基準位置として重要だからである。
【0037】
また、光センサ77,78の替わりに変位センサ81を用いることもできる。図11に示すように、変位センサ81は、その変位量測定方向OQがワーク移動軸線O方向と平行となるように設けられ、さらにダイス7A,7Bにおけるガスシール側端7p,7qに対し、ワーク移動軸線O方向において位置固定されている。ワーク移動軸線O方向に沿って移動するワークWに対し、被ねじ加工部W0の通過は許容し、ガスシール部GSの下端Sより後方側の通過は阻止する当て板80が、変位センサ81の検出部81sに接触状態で設けられる。ワークWがダイス7A,7Bに接近する方向に搬送される際、ガスシール部GSのダイス側端Sが当て板80の表面80pに当接して、ワークWが該当て板80を進行方向に強制移動させた場合、当て板80の裏面80qに接触状態で設けられた変位センサ81の検出部81sが変位量測定方向OQに沿って変位される。その際の変位量に基づいて、ワーク移動軸線O方向におけるワークWの位置測定が行われる。あとは、光センサの場合と同様である。
【0038】
また、ワークホルダ11にワークWをセットしたのち、接地電極33がワーク移動軸線O周りにおける特定角度を示すように位置調整を行い、その後でダイス7A,7Bに対するワークWの位置測定を行うこともできる。この順番によれば、接地電極33の角度位置調整を行っている最中に、万が一、ワーク移動軸線O方向においてワークWに位置ズレが生じたとしても、そのズレはフィードバック制御により解消されるので問題にならない。
【0039】
図4および図5に基づいて、ねじ転造装置100へのワークWの搬送手順について説明する。まず、図示しないパーツフィーダによりワークホルダ11にワークWを固定する(図4−▲1▼,▲2▼参照)。次に、ワーク供給部74をチャック52の下方まで移動させるとともに、チャック52を接地電極33に向けて下降させる。そして、図7で説明した要領で接地電極33をチャック52で挟むことにより、所定の角度位置まで強制的にワークWを回転させる。その後すぐにワークホルダ回転阻止部42を作動させて、ワークホルダ11が回転しないようにし、ワークWの角度位置を保持する(図4−▲3▼)。ワークWの角度位置決めが終了したのち、チャック52を接地電極33より離間させて、前述のワークWの位置測定を行う(図5−▲4▼)。そして、補助部47を、ワーク供給部48に接近させ、支持棒46をワークホルダ11に保持されたワークWの先端側から軸孔35内に挿通させる。位置測定の結果より算出された必要移動量だけワークWを、ワーク移動軸線Oに沿って移動させる(図5−▲5▼)。上記必要移動量は、ワーク移動軸線O方向におけるガスシール部GSとダイス7A,7Bとの最短距離がhに等しくなる量である。以上により、ダイス7A,7Bに対するワークWのワーク移動軸線O方向における位置と、ワーク移動軸線O周りの角度位置とが確定され、転造装置100へのワークWの供給が完了する(図5−▲6▼)。
【0040】
以上、説明したように転造装置100へのワークWの供給が完了したら転造工程に移る。転造工程は、図12を用いて説明することができる。まず、ダイス7A,7Bの基準位置T1〜T5を、所定の角度位置に予め移動させておく。その後に、ダイス7A,7BおよびワークWを回転停止状態で相対接近させ、ワークWにダイス7A,7Bが完全に接触してから転造を開始する。回転停止状態で食い付かせることにより、ダイス7A,7BとワークWとが接触した際にズレが生じ難い。なお、上記相対接近は、前述した隙間hを維持しつつ行われる。
【0041】
図12に示すように、ワークWを挟んで2個のダイス7A,7Bが対向配置されている。図1で説明したように、第二アクチュエータ31の往復動または回動にともない、ダイス軸26A,26BがワークWの中心に向かって移動し、ダイス7A,7BはワークWから離間した状態(実線)からワークWに接触する状態(破線)に寄り付く。ダイス7A,7BがワークWに食い付いたら、食い付き信号が出力されるとともに、ワークホルダ回転阻止部42によるワークホルダ11の回転規制が解除され、その後に転造が開始される。本実施形態において、ダイス7A,7Bの直径は、被ねじ加工部W0の直径の5倍に設定されているので、ダイス7A,7BがワークWと接触状態で1回転したとき、両外周面間の滑りがなければ、ワークWは5回転する。つまりダイス7A,7Bが72゜回転するときワークWが1回転する。一方、駆動軸23A,23Bに設けられたエンコーダ28A,28Bが、第一アクチュエータ21A,21Bの回転角度位置を常時検出しており、このことは結果的にダイス7A,7Bの相対的な回転角度位置を検出することになる(図1参照)。
【0042】
図13に示すように、ダイス7A,7Bは5条ねじであり、その端面外周縁にねじ切り開始位置T1〜T5を周方向に等間隔で有する。ダイス7A,7Bにおいて、これらねじ切り開始位置T1〜T5をダイス基準位置として設定することができ、また、ねじ転造加工の際はこれらのT1〜T5がランダムに使用される。
【0043】
たとえば、図12に示すように、ダイス7Aにおける工具側ねじ切り開始位置T1とワークWの接地電極33とを、対向させる形にて加工を開始する。ダイス7Aの周長は、被ねじ加工部W0の周長の5倍に設定しているため、ダイス7Aの工具側ねじ切り開始位置T1〜T5のそれぞれがワークWと接する際には、接地電極33と対向して接することになる。一定位置にセットされるワークWの接地電極33を基準にして、ワークWとダイス7A,7Bとにおける相対角度位置関係をずらすことにより、ワークWのねじ切り開始位置を変更することができる。たとえば、ダイス7Aの基準位置であるねじ切り開始位置T1を、接地電極33と対向する位置より18°だけ図12において時計回りにワークWとは独立に回転させる。すると、ねじ切り開始位置T1に代わり、位置Aが接地電極33と対向することになる。そして、その状態でダイス7AをワークWに食い付かせて転造を行うと、ダイス7Aにおける工具側ねじ切り開始位置T1〜T5のそれぞれがワークWと接する際には、接地電極33が図12において時計回りに90°ずれた位置にて接することになる。
【0044】
このようにして、接地電極33とねじ切り開始位置T1〜T5のいずれかとの相対角度位置関係を維持ないし調整することにより、ワークWの被ねじ加工部W0において、ワークの補正角度90゜ごとの位相差(ダイス7Aではダイスの補正角度18゜の位相差)A,B,C,Dを有する4種のスパークプラグ用主体金具が得られる。このようにして得られた主体金具30を用いてスパークプラグ200を製造し、その中から最適な点火性能を発揮する位置に接地電極33を有するものを選択して、エンジンのシリンダヘッドに取り付けることができる。なお、ダイス7Aでの18゜の位相差A,B,C,Dは、T1とT2の間のみならず、T2とT3の間等にも同様に形成される。また、ワークWでの周方向の位相角度差は90゜に限らず任意の設定が可能であり、位相差A,B,C,Dが等間隔でなくてもよい。また、本実施形態ではワークWは、転造中においてダイス7A,7Bの押圧力により回転されるようにしたが、ワークWがダイス7A,7Bと同期して回転駆動されるようにしてもよい。
【0045】
以上のようなポジショニング転造によって、ねじ加工の施されたワークWに、絶縁体、中心電極、端子金具およびガスケット等を組付けることにより、スパークプラグが得られる。
【0046】
なお、本明細書の特許請求の範囲において各要件に付与した符号は、添付の図面の対応部分に付された符号を援用して用いたものであるが、あくまでも発明の理解を容易にするために付与したものであり、特許請求の範囲における各構成要件の概念をなんら限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ねじ転造装置の基本的構成を示すブロック図。
【図2】ワークホルダにワークを装着する過程を示す模式図。
【図3】ワークホルダが連結された供給装置により所定位置にワークを供給する過程を示す模式図。
【図4】図2の別形態を示す模式図。
【図5】図3の別形態を示す模式図。
【図6】ワーク固定治具の断面図および軸線方向からの平面図。
【図7】軸線周りの角度位置調整の方法を示す模式図。
【図8】ワークホルダによるワークの固定形態を説明する模式図。
【図9】図8の別形態を説明する模式図。
【図10】光センサによりワークの位置測定を行う形態を説明する模式図。
【図11】変位センサによりワークの位置測定を行う形態を説明する模式図。
【図12】ダイスとワークとの平面的配置関係を示す模式図
【図13】ダイスの斜視図。
【図14】スパークプラグのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図。
【図15】ダイスとワークとの配置関係を表す模式図。
【図16】ポジショニング転造の模式図。
Claims (12)
- 被ねじ加工部(W0)の先端側に周方向基準マーク(33)、基端側に径方向に膨出したガスシール部(GS)が形成されたスパークプラグ(200)の主体金具(30)となる軸状のワーク(W)を転造加工して、前記ガスシール部(GS)に対する所定位置および前記周方向基準マーク(33)に対する所定角度位置からねじ形成する工程を含むスパークプラグ(200)の製造方法において、
前記転造加工を行う複数のダイス(7A,7B)の回転軸線(OA,OB)の間に、該回転軸線(OA,OB)と平行なワーク移動軸線(O)を仮想して、そのワーク移動軸線(O)上にワーク準備位置(WA)を定め、
前記周方向基準マーク(33)が前記ワーク移動軸線(O)周りにおける特定方向を向くように前記ワーク(W)を前記ワーク準備位置(WA)に配置したのち、その特定方向を維持しつつ、前記ワーク(W)を前記ワーク移動軸線(O)に沿って一定距離移動させて、前記ダイス(7A,7B)と前記ガスシール部(GS)との前記ワーク移動軸線(O)方向における最短距離が特定距離を示すように、前記被ねじ加工部(W0)を前記複数のダイス(7A,7B)の加工面(27a,27b)に面する位置に配置し、
その後、前記特定距離を維持しつつ、前記周方向基準マーク(33)と前記ダイス(7A,7B)上に定められたダイス基準位置(T1〜T5)とを所定の回転角度位置関係に維持した状態で、前記ワーク(W)と前記ダイス(7A,7B)とを相対接近させ、前記被ねじ加工部(W0)を転造することを特徴とするスパークプラグ(200)の製造方法。 - 前記周方向基準マーク(33)は、前記被ねじ加工部(W0)に隣接形成された接地電極(33)である請求項1記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ワーク移動軸線(O)方向において前記ガスシール部(GS)の前記ダイス側端(S)と、前記ダイス(7A,7B)の加工面(27a,27b)の前記ガスシール側端(7p,7q)との距離が{X+h}(X,h:正の実数)となる位置に前記ワーク準備位置(WA)を定め、そのワーク準備位置(WA)に前記ワーク(W)を配置したのち、前記ワーク(W)を前記ワーク移動軸線(O)方向に沿って距離Xだけ移動させる請求項1または2記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ダイス(7A,7B)の加工面(27a,27b)の前記ガスシール側端(7p,7q)から前記ワーク移動軸線(O)方向に前記距離{X+h}を有する基準面(BH)を仮想する一方、ワーク挿通孔(60k)が形成されたワーク固定治具(60)を、前記ワーク挿通孔(60k)の開口したワーク挿通側面(60p)が前記基準面(BH)と面一となるように、前記基準面(BH)よりも前記ダイス(7A,7B)側に配設し、前記ワーク挿通孔(60k)に前記ワーク(W)をセットしたのち、前記ワーク固定治具(60)を前記ワーク移動軸線(O)と直交する方向(VD)に移動させて、前記ワーク準備位置(WA)に前記ワーク(W)を供給する請求項3記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ワーク固定治具(60)は、板状の形態を有するとともにその板厚方向に前記ワーク挿通孔(60k)が貫通形成されており、前記ワーク挿通側面(60p)に前記ガスシール部(GS)が当接するまで、前記ワーク(W)を前記先端側から前記ワーク挿通孔(60k)に挿し込み、前記ワーク挿通側面(60p)の反対側に突出した前記周方向基準マーク(33)である前記接地電極(33)を挟持する際に前記ワーク(W)を回転させることにより、前記ワーク(W)を前記特定方向に向かせる請求項4記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ワーク(W)が前記ワーク固定治具(60)に存在するか否かを判別するワーク有無判別センサによって、前記ワーク移動軸線(O)と直交する方向(VD)に移動させる前に前記ワーク(W)の有無を確認する請求項4または5記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ワーク(W)を前記ワーク移動軸線(O)に沿って一軸搬送するワーク供給装置(300)には、移動距離Xに対応したストッパ群(43,44,45)が設けられ、該ストッパ群(43,44,45)により、前記ワーク(W)を前記ワーク準備位置(WA)と、該ワーク準備位置(WA)から距離Xだけ移動させた位置とで停止させる請求項3記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ワーク供給装置(300)は、前記ワーク(W)に形成された軸孔(35)に挿入され、該軸孔(35)の内側から前記ワーク(W)を固定するワークホルダ(11)を備える請求項7記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 被ねじ加工部(W0)の先端側に周方向基準マーク(33)、基端側に径方向に膨出したガスシール部(GS)が形成されたスパークプラグ(200)の主体金具(30)となる軸状のワーク(W)を転造加工して、前記ガスシール部(GS)に対する所定位置および前記周方向基準マーク(33)に対する所定角度位置からねじ形成する工程を含むスパークプラグ(200)の製造方法において、
前記転造加工を行う複数のダイス(7A,7B)の回転軸線(OA,OB)の間に、該回転軸線(OA,OB)と平行なワーク移動軸線(O)を仮想して、前記周方向基準マーク(33)が前記ワーク移動軸線(O)周りにおける特定方向を向くように前記ワーク(W)を前記ワーク移動軸線(O)上に配置したのち、その特定方向を維持しつつ、前記ワーク(W)を前記ワーク移動軸線(O)に沿って必要量移動させて、前記ダイス(7A,7B)と前記ガスシール部(GS)との前記ワーク移動軸線(O)方向における最短距離が特定距離を示すように、前記被ねじ加工部(W0)を前記複数のダイス(7A,7B)の加工面(27a,27b)に面する位置に配置し、
その後、前記特定距離を維持しつつ、前記周方向基準マーク(33)と前記ダイス(7A,7B)上に定められたダイス基準位置(T1〜T5)とを所定の回転角度位置関係に維持した状態で前記ワーク(W)と前記ダイス(7A,7B)とを相対接近させ、前記被ねじ加工部(W0)を転造することを特徴とするスパークプラグ(200)の製造方法。 - 前記ワーク(W)を前記ワーク移動軸線(O)上に配置したのち、前記ダイス(7A,7B)に対する前記ワーク(W)の相対位置を測定し、その測定結果より前記ワーク(W)の必要移動量を算出する請求項9記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ワーク(W)の位置測定は、前記ワーク(W)の前記ワーク移動軸線(O)方向における前記ガスシール部(GS)のダイス側端(S)の位置をセンシングすることである請求項10記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
- 前記ダイス基準位置(T1〜T5)を、所定の角度位置に予め移動させておき、前記ダイス(7A,7B)および前記ワーク(W)を回転停止状態で相対接近させ、前記ワーク(W)に前記ダイス(7A,7B)が接触してから転造を開始する請求項1ないし11のいずれか1項に記載のスパークプラグ(200)の製造方法。
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