JP2009241218A - 測定子の調整方法、測定子の角度検出方法、測定子による検出結果の補正方法、及びネジ溝検出装置を備えた工作機械 - Google Patents

測定子の調整方法、測定子の角度検出方法、測定子による検出結果の補正方法、及びネジ溝検出装置を備えた工作機械 Download PDF

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Abstract

【課題】ワーク回転軸に交差する方向に測定子を移動させる機構において、測定子の移動方向(案内方向)が正確にワーク回転軸に交差するように調整する測定子の調整方法、測定子の移動方向の正確な角度を求める角度検出方法、当該測定子による検出結果の補正方法、及び当該測定子を用いたネジ溝検出装置を備えた工作機械を提供する。
【解決手段】複数の異なる径の円筒部Tnを同心軸上に有し、各円筒部には同心軸と平行な方向に形成されているととともに同心軸を通る1つの平面上に位置するように形成された基準溝Mnを有するマスターワークMWを回転軸回りに保持し、測定子83を基準溝に向けて移動させて基準溝に測定子が当たるように調整したマスターワークの回転角度を、少なくとも2つ以上の円筒部の基準溝に対して求め、2つ以上の基準溝に対してマスターワークにおける同一の回転角度にて測定子が当たるように、案内手段の案内方向ANを調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、所定の回転軸回りに回転可能に保持した少なくとも一部に円筒部を有するワークに対して、前記回転軸に交差する方向から前記円筒部に測定子を接触させる測定子の調整方法、当該測定子を案内する案内手段と所定の基準面との角度検出方法、当該測定子による検出結果の補正方法、及び当該測定子を用いたネジ溝検出装置を備えた工作機械に関する。
従来より、円筒状のワークの少なくとも一部の円筒面にネジ溝を形成する場合、まず、ワーリング等の粗加工を行ってネジ溝の概略形状を形成した後、粗加工したネジ溝を仕上げ研削している。従って、仕上げ研削を行う場合、砥石(加工工具)の位置を、ネジ溝位置の正面に割り出す必要があり、ネジ溝の位置を正確に測定する必要がある。
そこで、特許文献1に記載された従来技術では、測定子を加工工具(この場合、砥石)の支持台に連結して一体化し、ネジ軸が形成されたワークを挟んで砥石と反対側に測定子を配置し、加工工具の加工点から半リード遅れた位置のネジ溝に測定子を接触させて、ネジ軸の位置を測定している。
特開平1−295713号公報
特許文献1に記載された従来技術では、測定子位置決め用1軸テーブルに沿って測定子を移動させて、測定子をワークのネジ溝に接触させている。ここで、測定子の移動軌跡の延長先がワーク回転軸と正確に交差するように測定子を移動させなければ正確なネジ溝の位置を測定することはできない。しかし、引用文献1には、測定子の移動軌跡の延長先が、ワーク回転軸と正確に交差するように調整する具体的な方法について記載されていない。
また、特許文献1では、ワークに接触する接触子を2組の平行板バネで保持している。接触子をワークに押し付けて一方の組の平行板バネを湾曲させた場合(円弧移動させた場合)では、接触子の鉛直方向の位置が僅かにずれ、ワーク回転軸と正確に交差する位置からずれるので、ネジ溝の位置を正確に測定できない可能性がある。同様に他方の組の平行板バネをネジ溝のリード方向(軸方向)に湾曲させた場合(円弧移動させた場合)、やはり接触子の鉛直方向の位置が僅かにずれ、ワーク回転軸と正確に交差する位置からずれるので、ネジ溝の位置を正確に測定できない可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ワーク回転軸に交差する方向に測定子を移動させる機構において、測定子の移動方向(案内方向)が正確にワーク回転軸に交差するように調整する測定子の調整方法(いわゆるセンタ出し方法)、測定子の移動方向の正確な角度を求める角度検出方法(いわゆる基準出し方法)、当該測定子による検出結果の補正方法、及び当該測定子を用いたネジ溝検出装置を備えた工作機械を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの測定子の調整方法である。
請求項1に記載の測定子の調整方法は、所定の回転軸回りに回転可能に保持した少なくとも一部に円筒部を有するワークに対して、前記回転軸に交差する方向から前記円筒部に測定子を接触させる測定子の調整方法であって、前記測定子を、前記回転軸にほぼ交差するとともに方向を微調整可能な案内方向に進退移動が可能な案内手段に取り付ける。
また、少なくとも複数の異なる径の円筒部を同心軸上に有し、各円筒部の円筒面には前記同心軸と平行な方向に形成されているととともに前記同心軸を通る1つの平面上に位置するように形成された基準溝を有するマスターワークを、前記回転軸と前記同心軸とが一致するように前記回転軸回りに保持し、前記測定子と前記基準溝とが対向するように前記マスターワークの回転角度を設定する。
そして、前記マスターワークの中から選択した円筒部の基準溝と前記測定子とが対向するように、前記回転軸と平行な方向に、前記マスターワークに対して前記測定子を相対的に移動させた後、前記案内手段を用いて前記測定子を前記基準溝に向けて移動させて前記基準溝に前記測定子が当たるように調整した前記マスターワークの回転角度を、少なくとも2つ以上の円筒部の基準溝に対して求め、少なくとも2つ以上の円筒部の基準溝に対して、前記マスターワークにおける同一の回転角度にて前記測定子が当たるように、前記案内手段の案内方向を調整する、測定子の調整方法である。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの測定子の角度検出方法である。
請求項2に記載の測定子の角度検出方法は、所定の回転軸回りに回転可能に保持した少なくとも一部に円筒部を有するワークに対して、前記回転軸に交差する案内方向に進退移動が可能な案内手段に取り付けて前記円筒部に接触させる測定子の角度検出方法である。
また、少なくとも一部に円筒部を有し、前記円筒部の一部には当該円筒部の軸に平行な平面部が形成され、前記円筒部の円筒面には前記円筒部の軸に平行な基準溝が形成されたマスターワークを、前記回転軸と前記円筒部の軸とが一致するように前記回転軸回りに保持し、前記円筒部の軸から前記平面部に下ろした垂線と、前記円筒部の軸から前記基準溝に下ろした垂線と、が成す角度を配置角度として、前記回転軸に平行となるように予め設定した基準面と、前記マスターワークの平面部とが平行になるように、前記マスターワークの回転角度を調整して初期角度とする。
そして、前記測定子を前記案内方向に移動させた場合に前記測定子が前記基準溝に当たるように調整した前記マスターワークにおける前記初期角度からの回転角度と、前記配置角度と、に基づいて前記基準面に対する前記案内方向の角度を検出する、測定子の角度検出方法である。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの測定子による検出結果の補正方法である。
請求項3に記載の測定子による検出結果の補正方法は、少なくとも複数の異なる径の円筒部を同心軸上に有し、各円筒部の円筒面には前記同心軸と平行な方向に形成されているとともに前記同心軸を通る同一平面上に位置するように形成された基準溝を有し、少なくとも1つの前記円筒部の一部には、前記同心軸に平行な平面部が形成されたマスターワークを用いる。
前記同心軸から前記平面部に下ろした垂線と、前記同心軸から前記基準溝に下ろした垂線と、が成す角度を配置角度として、請求項1に記載された測定子の調整方法を用いて前記案内手段の案内方向を調整した後、請求項2に記載された測定子の角度検出方法を用いて検出した、前記基準面に対する前記案内方向の角度に基づいて、前記測定子を用いて検出した検出結果を補正する、測定子による検出結果の補正方法である。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのネジ溝検出装置を備えた工作機械である。
請求項4に記載のネジ溝検出装置を備えた工作機械は、所定の回転軸回りに回転可能に保持したワークの少なくとも一部の円筒面に形成されたネジ溝の位置を検出するネジ溝検出装置を備えた工作機械であって、前記ネジ溝に接触させる測定子と、前記測定子が前記回転軸に平行なリード方向に往復移動可能となるように保持するフローティング手段と、前記回転軸に交差する前記案内方向に前記測定子を付勢する付勢手段と、前記測定子における前記リード方向の位置を検出可能なリード側位置検出手段と、前記測定子における前記案内方向の位置を検出可能な径側位置検出手段と、前記測定子を前記回転軸にほぼ交差する案内方向に進退移動可能であるとともに、前記案内方向が微調整可能な案内手段と、前記ネジ溝を研削する加工工具と、を備える。
そして、請求項1に記載の測定子の調整方法を用いて前記案内手段の案内方向を調整した後、前記測定子を前記回転軸に交差するように前記ワークのネジ溝に押し付け、前記径側位置検出手段を用いて前記測定子が前記ネジ溝に入ったことを検出し、前記リード側位置検出手段を用いて前記測定子における前記リード方向の位置を検出して、前記ネジ溝の位置を検出する。
更に、前記ワークを所定角度回転させた後の前記測定子の前記リード方向の位置を検出し、前記所定角度に対する前記測定子の前記リード方向の移動量に基づいて、前記ネジ溝のピッチを求め、請求項2に記載の測定子の角度検出方法を用いて検出した前記基準面に対する前記案内方向の角度と、求めた前記ネジ溝のピッチとに基づいて、検出した前記ネジ溝の位置を補正する。
そして、補正したネジ溝の位置に、前記ワークに対して前記基準面と平行な方向に相対的に移動可能な加工工具を位置決めして前記ネジ溝の研削を行う、ネジ溝検出装置を備えた工作機械である。
請求項1に記載の測定子の調整方法によれば、基準溝が形成された異なる径の複数の円筒部を同軸上に有するマスターワークを用いることで、測定子を移動する案内方向がワーク回転軸に交差するように、より正確に、且つより容易に微調整できるようになり、便利である。
また、請求項2に記載の測定子の角度検出方法によれば、基準溝と平面部が形成された円筒部を有するマスターワークを用いることで、予め設定された基準面(ワーク回転軸に平行)に対する案内方向(測定子の移動方向)の角度を、より正確に、且つより容易に検出することができる。
また、請求項3に記載の測定子による検出結果の補正方法によれば、予め設定された基準面(ワーク回転軸に平行)に対して、より正確に、且つより容易にワーク回転軸に交差するように調整することが可能であり、また、調整した測定子の案内方向の角度を、より正確に、且つより容易に検出することができる。
そして、例えば、測定子でネジ溝のリード方向の位置(ワーク回転軸の軸線方向の位置)を測定してネジ溝を研削する場合、基準面と案内方向との角度と、ネジ溝のピッチに基づいて、研削個所におけるリード方向の位置を補正(検出結果を補正)することで、加工個所におけるネジ溝のリード方向の位置を、より正確に求めることができる。
また、請求項4に記載のネジ溝検出装置を備えた工作機械によれば、測定子の案内方向をワーク回転軸に交差するように、より正確に、且つより容易に調整することができ、更に、基準面に対する測定子の案内方向の角度を、より正確に、且つより容易に検出することができる。
そして、基準面内の位置に加工点を有する加工工具を用いて、ネジ溝を研削する際、測定子を用いてネジ溝のリード方向の位置(ワーク回転軸の軸線方向の位置)とピッチを測定し、ネジ溝の位置と、ネジ溝のピッチと、基準面と案内方向との角度と、に基づいて、加工工具を位置決めすべきネジ溝の位置(リード方向の位置)を、より正確に求めることができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1(A)は、ネジ溝検出装置80を備えた工作機械1の一実施の形態の概略外観図(平面図)を示しており、図1(B)は当該工作機械1(この場合、ネジ研削盤)の概略外観図(側面図)の例を示している。なお、図1(B)では、ワークWと接触子83と砥石22の位置関係を説明するために、主軸装置30R、30L等を省略している。
また、図2(A)及び(B)は、主軸装置30L、30Rを用いてワークWを支持する様子を示している。
なお、全ての図面において、X軸、Y軸、Z軸は直交しており、Y軸は鉛直上方を示しており、Z軸はワーク回転軸CWと平行な水平方向を示しており、X軸はZ軸に直交する水平方向を示している。
●[工作機械1の構成(図1、図2)]
図1(A)、(B)、及び図2(A)、(B)に示すように、工作機械1には、主軸装置30L、30Rが対向配置されており、主軸装置30LはリニアガイドGLに沿ってZ軸方向(工作物回転軸の軸線方向)に移動可能であり、主軸装置30RはリニアガイドGRに沿ってZ軸方向に移動可能である。
制御手段50(制御装置)は、主軸装置30L、30R用のZ軸方向駆動モータ30LM、30RMに駆動信号を出力し、検出手段30LE、30RE(エンコーダ等)からの検出信号を取り込み、主軸装置30L、30RのZ軸方向における位置及び移動速度等を制御可能である。例えば図2(A)及び(B)に示すように、Z軸方向駆動モータ30LM(30RM)は、ボールネジBL(BR)を回転させ、当該ボールネジBL(BR)にナット等で嵌合されたアームCL(CR)を移動させ、アームCL(CR)に接続された主軸装置30L(30R)を移動させる。
また、工作機械1には、リニアガイドGZに沿ってZ軸方向に移動可能な砥石台10が載置されている。そして、砥石台10の上には、リニアガイドGXに沿って砥石台10に対してX軸方向に移動可能な砥石テーブル20が載置されている。また、砥石テーブル20には、砥石駆動モータ21及び砥石22(加工工具に相当)が設けられている。
制御手段50は、砥石台10用のZ軸方向駆動モータ10Mに駆動信号を出力し、検出手段10E(エンコーダ等)からの検出信号を取り込み、砥石台10のZ軸方向における位置及び移動速度等を制御可能である。また同様に、制御手段50は、砥石テーブル20用のX軸方向駆動モータ20Mに駆動信号を出力し、検出手段20Eからの検出信号を取り込み、砥石テーブル20のX軸方向における位置及び移動速度等を制御可能であり、砥石駆動モータ21に駆動信号を出力し、砥石22の回転を制御可能である。なお、砥石駆動モータ21に検出手段を設ければ、砥石22の回転速度を制御可能である。
また、図1(A)に示す工作機械1の例では、主軸装置30Lに砥石22を成形するツルーイング装置60が設けられている。
また、工作機械1には、少なくとも一部に円筒部を有するワークWの少なくとも一部の円筒面に形成されたネジ部Kのネジ溝に当接させる接触子83(測定子に相当)と、接触子83を保持する保持手段81と、保持手段81をワーク回転軸CWに直交する方向に移動可能な検出体移動手段82(案内手段に相当)とで構成されたネジ溝検出装置80が、支持体84上に設けられている(図1(B)参照)。
なお、図1(B)に示す例では、ワーク回転軸CWと砥石回転軸CTとは同一水平面(XZ平面である基準面STM)上に設定されており、接触子83は、砥石22が接触するワークWのほぼ反対側の位置に設けられており、基準面STMに対して角度θにてワーク回転軸CWに直交するように配置されている。
このため、接触子83にて検出したネジ溝位置(Z軸方向の位置)を、角度θに基づいて補正したZ軸方向の位置(例えば、角度θが150度の場合、ネジ溝のピッチ(間隔)の150度/360度を加えた位置(または減算した位置))が、砥石22と対向するネジ溝の位置となる(あるいは、ネジ溝位置を検出後、ワークWを角度θだけ回転させて検出した面を砥石22に対向させる)。
なお、「ネジ溝の位置」とは、「ネジ溝の中心の位置」を指す。
また、図1(C)にワークWの外観の例を示す。本実施の形態にて説明する工作機械1が対象とするワークWは、ワークWの少なくとも一部の円筒面にネジ溝が形成されたワークWを対象とする。図1(C)は、上記の対象内容に合致するEPS(Electric Power Steering)のステアリングロッドの外観を示しており、当該ステアリングロッドは、ネジ溝が形成されたネジ部Kの他にも、ラック&ピニオンの構造におけるラック部KR(円筒面の一部を平面状にして、ピニオンギアが嵌合する溝が形成された形状)が形成されている。
主軸装置30Lは、主軸台31Lと、ワーク回転軸回りに回転するスピンドル部32Lと、スピンドル部32Lと一体となって回転するとともに挿入されたワークWの円筒面を支持可能なチャック爪34Lを備えたチャック部33Lとで構成されている。また、スピンドル部32Lとチャック部33Lは、同軸上に(ワーク回転軸上に)設けられており、ワークWをZ軸方向に挿入可能な径を有する穴部が形成されている。制御手段50は、チャック爪34Lの開閉を制御可能であり、スピンドル部32Lの回転を制御可能である。また、主軸装置30R、主軸台31R、スピンドル部32R、チャック部33R、チャック爪34Rについては、上記に説明した主軸装置30Lと同様であるので説明を省略する。
ここで、図1(C)に示すワークWの場合、ネジ部Kの両端の近傍を支持しようとすると、ラック部KRの部位の支持が必要となる。しかし、ラック部KRの面をチャック爪34Lまたは34Rで支持(把持)するのは適切でない。チャック爪34Lまたは34Rで支持(把持)する場合、ラック部KRの面を回避してワークWの円筒面を支持することが好ましい。
そこで、図1(C)に示すように、ワークWの端面には、ワークWの回転角度を特定可能な位置決め溝WMが形成されている(例えば、ラック部KRの面と平行な方向に位置決め溝WMが形成されている)。なお、位置決め溝WMは、少なくとも一方の端面に形成されていればよい。
なお、本実施の形態では、図2(A)及び(B)に示すように、仮受け台73、74上に載置したワークWにおけるラック部KRの側の端面を主軸装置30R側に挿入し、ラック部KRと反対側の端面を主軸装置30Lに挿入している。従って、チャック部33Lで支持するワークWの部位は、円周上のどの位置を支持しても円筒面であるので、チャック爪34Lが3つ爪のチャック部33Lを用いることが好ましい(図示省略)。また、チャック爪33Rで支持するワークWの部位は、円周上にラック部KRが有るため、これを回避して円筒部を支持できるように、チャック爪34Rが2つ爪のチャック部33Rを用いることが好ましい(図示省略)。
なお、仮受け台73、74に載置されたワークWをチャック部33L、33Rにて保持すると、ワークWは仮受け台73、74から僅かに浮き上がる。
また、図2(A)及び(B)に示すように、位置決め溝WMが形成された端面が挿入されるスピンドル部32Rの穴部には、位置決め溝WMに嵌合してZ軸方向に移動可能であるとともにスピンドル部32Rと一体となって回転する嵌合部材35Rが設けられている。嵌合部材35Rは、弾性部材(図示省略)にてワークWの側(位置決め溝WMに嵌合する方向)に付勢されており当該弾性部材は、制御手段50からの制御信号によってスピンドル部32R内においてZ軸方向に移動可能な調整部材(図示省略)に設けられている。
また、位置決め溝WMが形成されていない端面が挿入されるスピンドル部32Lの穴部には、ワークWの端面が当接する当接部材35Lと、Z軸方向に移動可能で当接部材35LのZ軸方向の位置を制御する調整部材(図示省略)が設けられている。
上記の説明では、ワークWの位置決め溝WMをラック部KRの側の端面のみに形成した例を説明したが、位置決め溝WMをワークWの両端面に形成してもよい。その場合、スピンドル部32L内の当接部材35Lを嵌合部材35Rと同様の部材とすればよい。
●[ネジ溝検出装置80の構成(図3)]
次に図3を用いて、ネジ溝検出装置80の構成について説明する。なお、図3(A)及び(B)は構成を説明するための模式図(平面図)であり、実際のネジ溝検出装置80の外観を示すものではない。ネジ溝検出装置80の実際の概略側面図は図3(C)の例に示す外観であり、検出体移動手段82は保持ベース81Bの下に配置されている。
ネジ溝検出装置80は、少なくとも測定対象のネジ溝WNに接触させる接触子83(測定子に相当)と、接触子83がワーク回転軸CWに平行なリード方向(Z軸方向)において基準線STZから往復移動可能となるように保持されるフローティング手段と、ワーク回転軸CWに直交する径方向に接触子83を付勢する付勢手段とを備えている。なお、基準線STZについては後述する。
ここで、フローティング手段は、図3(A)に示すように、接触子83を保持した保持体81Aのリード方向の移動を案内する2本のガイド81Gと、ガイド81Gのほぼ中央に保持体81Aを維持する弾性部材81BR、81BLにて構成されている。これにより、保持体81A(接触子83)は、接触子83が何も接触していない場合における位置から、ガイド81Gに沿って、保持ベース81Bに対してリード方向に往復移動することが可能である。
また、付勢手段は、保持体81Aに対して径方向(ワーク回転軸CWに直交する方向)に移動可能となるように保持された接触子83を径方向に付勢する弾性部材81BBにて構成されている。
また、接触子83の先端には、ネジ溝WNの幅に収まる径の球状部材が固定されており、ネジ溝WNに入った場合、ネジ溝WNの中心に案内される構成を有している。
また、保持手段81は、上記のフローティング手段と、付勢手段と、更に、リード側センサ81SR、81SL(リード側位置検出手段に相当)と、径側センサ81SB(径側位置検出手段に相当)とを備えている。
リード側センサは、第1リード側センサ81SRと、第2リード側センサ81SLとの2個で構成されている。第1リード側センサ81SRは接触子83に対してリード方向の一方の側(この場合、右側)の保持ベース81Bに固定されており、第2リード側センサ81SLは接触子83に対してリード方向の他方の側(この場合、左側)の保持ベース81Bに固定されている。
第1リード側センサ81SRは、例えば非接触式センサであり、保持体81Aまでの距離(この場合、左方向への距離)を検出可能である。
第2リード側センサ81SLは、例えば非接触式センサであり、保持体81Aまでの距離(この場合、右方向への距離)を検出可能である。
本実施の形態では、対向配置した2個のリード側センサ81SR、81SLの間に接触子83(保持体81A)を配置し、第1リード側センサ81SRからの検出信号と、第2リード側センサ81SLからの検出信号との比を用いて、第1リード側センサ81SRと第2リード側センサ81SLの間における、どの位置に接触子83が位置しているかを求める。
例えば、距離が大きくなるにつれて検出信号の出力が大きくなる特性の場合において、第1リード側センサ81SRから測定対象までの距離がL1、検出信号の出力がm1、第2リード側センサ81SLから測定対象までの距離がL2、検出信号の出力がm2であったとする。この場合、m1:m2=L1:L2の式が成立し、またL1+L2は所定距離であるので、これらの式を用いて、距離L1、L2を求めることができる。この場合、比を用いることで、温度ドリフト等によりm1及びm2が大きくなる方向に、または小さくなる方向にずれても誤差を相殺できるので、1個のリード側センサを用いた場合よりも、小さな誤差で接触子83のリード側の位置を検出することができる。
なお、本実施の形態では、第1リード側センサ81SRと第2リード側センサ81SLのリード方向の中間位置に基準点を設け、当該基準点を通るX軸に平行な基準線STZを設定している。制御手段50は、この基準点の位置(X座標、Y座標、Z座標)を認識しており、当該基準点を通る基準線STZから接触子83までのZ軸方向の距離を求めて、ネジ溝の位置を求める。
また、径側センサ81SBは、例えば非接触式のセンサであり、保持体81Aの後方に固定され、接触子83の端面までの距離(図3(B)の例では、X軸方向の距離Lx)を検出可能である。
そして図3の例に示すネジ溝検出装置80は、更に、保持手段81をワーク回転軸CWに直交する方向に移動可能な検出体移動手段82(案内手段に相当)と、制御手段(この場合、制御手段50(図1(A)参照))とを備えている。
図3に示す例では、検出体移動手段82はシリンダとピストン82Aとで構成されており、保持手段81をワーク回転軸CWから最も遠ざかる位置(図3(A)に示す位置)、または保持手段81をワーク回転軸CWに最も近接する位置(図3(B)に示す位置)のいずれかの位置に移動可能である。
制御手段50は、図3(A)に示す位置と図3(B)に示す位置における前記基準点の位置を認識しており、更に、接触子83のX軸方向の長さも認識している。従って、径側センサ81SBから接触子83の端面までの距離Lxを求めることで、接触子83の先端部におけるX軸方向の位置を認識可能であり、接触子83の先端のX軸方向の位置に基づいて、接触子83がネジ溝WNに入ったか否かを判定することが可能である。例えば判定閾値をΔxに設定し、ネジ溝に入った場合の距離Lxの理論値が距離K1であるとする。この場合、制御手段50は、測定した距離が距離K1±Δx以内であるとき、接触子83がネジ溝WNに入ったと判定する。
以上の構成により、ネジ溝検出装置80をコンパクトに収めることができ、図1(A)及び(B)に示すように、工作機械1への搭載も容易である。
以上に説明したネジ溝検出装置80の接触子83を、図3(C)に示すように、案内方向ANに沿って、ワーク回転軸CWに直交するように移動させるのであるが、ワーク回転軸CWに直交する方向に案内方向ANが一致するように調整する必要がある。
図3(C)に示すように、ネジ溝検出装置80は、案内方向ANの方向を微調整可能な調整手段84F、84Rを備えており、以下、案内方向ANがワーク回転軸CWに直交するように調整する調整方法等を順に説明する。
●[案内方向ANをワーク回転軸CWに直交するように調整する調整方法(図4)]
以下の説明では、図4(A)に示すマスターワークMWを用いて、接触子83の案内方向ANをワーク回転軸CWに直交する方向と一致するように調整する方法(いわゆるセンタ出し方法)について説明する。
図4(A)に示すマスターワークMWは、少なくとも複数の円筒部Tn(図4(A)の例ではT1〜T3)を同心軸ZM1上に有し、各円筒部の円筒面には同心軸ZM1と平行な方向に基準溝Mn(図4(A)の例ではM1〜M3)が形成されている。また、各基準溝Mnは、同心軸ZM1を通る1つの平面HM上に位置するように形成されている。
なお、基準溝の幅及び深さは、例えば数μm〜数10μm程度であり、接触子83の先端が入る大きさに設定されている。
従って、図4(B)に示すように、同心軸ZM1と平行な方向からマスターワークMWを見た場合、各基準溝Mn(この場合、M1〜M3)は、同心軸ZM1を通る直線上に並んでいる。
次に図4(B)を用いて調整手順について説明する。なお、本調整手順の説明は、図1(A)及び(B)に示す工作機械1を例として説明する。
以下、図4(B)を用いて、接触子83の実際の案内方向AN(real)を、ワーク回転軸CWに直交する理想的な案内方向AN(typ)に調整する調整方法について説明する。
まず、ワーク回転軸CWと同心軸ZM1が一致するように、マスターワークMWを保持する。図1に示す工作機械1では、主軸装置30Lと30RにてマスターワークMWを支持する。
次に、マスターワークMWの基準溝M1(円筒部T1)と接触子83とが対向するように、マスターワークMWと接触子83とをワーク回転軸CWに平行な方向に相対的に移動させる。図1の工作機械1の場合は、主軸装置30Lと30RにてマスターワークMWをZ軸方向に沿って移動させる。
次に、接触子83を案内方向AN(real)に沿って前進させて、接触子83がマスターワークMWの円筒部T1に接触したとき、接触子83の先端が基準溝M1に当たる(入る)ようにマスターワークMWをワーク回転軸CW回りに回転させ、基準溝M1に当たった(入った)ときのマスターワークMWの回転角度θm1を求める。
次に、マスターワークMWの基準溝M2(円筒部T2)と接触子83とが対向するように、マスターワークMWと接触子83とをワーク回転軸CWに平行な方向に相対的に移動させる。
そして、接触子83を案内方向AN(real)に沿って前進させて、接触子83がマスターワークMWの円筒部T2に接触したとき、接触子83の先端が基準溝M2に当たる(入る)ようにマスターワークMWをワーク回転軸CW回りに回転させ、基準溝M2に当たった(入った)ときのマスターワークMWの回転角度θm2を求める。
同様にして、接触子83の先端が基準溝M3に当たる(入る)ようにマスターワークMWを回転させた回転角度θm3を求める。
少なくとも2つ以上の基準溝に対し、接触子83が当たる(入る)それぞれの回転角度を求め、この角度と各円筒部の径とから、案内方向AN(real)がどちらの方向に、どれだけずれているかを算出することができる。
ネジ溝検出装置80は、支持体84との間に調整手段84F、84Rとを備えており、作業者は、算出した案内方向AN(real)のずれに応じて、微調整手段84F、84Rを調整する。そして、作業者は、基準溝M1の場合の回転角度θm1と、基準溝M2の場合の回転角度θm2と、基準溝M3の場合の回転角度θm3とが一致するまで調整する。これにより、案内方向ANをワーク回転軸CWに直交する方向に、より正確に、且つより容易に調整することができる。
●[案内方向ANと基準面STMとの角度の検出方法(図5、図6)]
以下の説明では、図5(A)に示すマスターワークMWを用いて、接触子83の案内方向ANと、所定の基準面STMとの角度を検出する方法(いわゆる基準出し方法)について説明する。なお、本実施の形態では、所定の基準面STMを、ワーク回転軸CWを含むとともに砥石22(加工工具)の移動軸であるX軸とZ軸に平行な面に設定している。
図5(A)に示すマスターワークMWは、少なくとも一部に円筒部T4を有し、円筒部T4の一部には円筒部T4の軸ZM2に平行な平面部SMが形成され、円筒部T4の円筒面には軸ZM2に平行な基準溝M4が形成されている。なお、図4(A)に示すマスターワークMWでは、基準溝M4は、軸ZM2を含み平面部SMに平行な平面HM上に形成されている。
また、図5(A)に示すマスターワークMWは、軸ZM2を挟んで対向するように2面の平面部SMを形成した重量バランスの良いマスターワークMWの例を示しているが、平面部SMは一方の側にのみ形成されていてもよい。
次に図5(B)及び(C)を用いて、案内方向ANと基準面STMとの角度θの検出手順について説明する。なお、本検出手順の説明は、図1(A)及び(B)に示す工作機械1を例として説明する。
図1(A)及び(B)に示す工作機械1を用いて、例えばワークWのネジ溝のZ軸方向の位置を、ネジ溝検出装置80の接触子83にて測定した場合、例えば図5(B)に示すように、接触子83で測定したネジ溝の位置は砥石22とワークWの接触点の位置(加工個所)に対して、角度θに相当する分、Z軸方向にずれている。ネジ溝のピッチをPMとすると、PM*θ(度)/360(度)の補正が必要である。また、基準面STMと案内方向ANとの角度θが、ネジ溝位置の精度に大きく影響する。
そこで、以下では、この角度θの、より正確な検出方法について説明する。
まず、ワーク回転軸CWと円筒部T4の軸ZM2が一致するように、マスターワークMWを保持する。図1に示す工作機械1では、主軸装置30Lと30RにてマスターワークMWを支持する。
次に、マスターワークMWの円筒部T4と接触子83とが対向するように、マスターワークMWと接触子83とをワーク回転軸CWに平行な方向に相対的に移動させる。図1の工作機械1の場合は、主軸装置30Lと30RにてマスターワークMWをZ軸方向に沿って移動させる。
次に、マスターワークMWの平面部SMと、予め設定した基準面STMとが平行となるように、マスターワークMWの回転角度を調整し、初期角度とする。例えば、図5(B)に示すように、基準面STMと平行な面内で移動可能な砥石テーブル20にマイクロメータ90等を取り付け、マイクロメータ先端90Aを平面部SM上に配置し、砥石テーブル20をX軸方向及びZ軸方向に移動させながら平面部SMのY軸方向の位置を測定し、測定値が一定となるように、マスターワークMWの回転角度を調節する。なお、図5(C)の例では、基準溝M4は基準面STM上にある。
次に、接触子83を案内方向ANに沿って移動させて、接触子83を円筒部T4に接触させ、接触子83が基準溝M4に当たる(入る)ようにマスターワークMWをワーク回転軸CW回りに回転させ、基準溝M4に当たった(入った)ときのマスターワークMWの回転角度β(初期角度からの回転角度)を求める。
図5(C)に示すように、この場合の案内方向ANと基準面STMとの成す角度θは、180−β(度)と求めることができる。
このように、案内方向ANと基準面STMとの角度を、より正確に、且つより容易に検出することができる。
図5(A)〜(C)の例では、軸ZM2から平面部SMに下ろした垂線と、軸ZM2から基準溝M4に下ろした垂線との成す角度α(配置角度α)が90度の場合であるが、この角度が90度でない場合の例を、次に説明する。
基準溝M4の位置が図6(A)に示す位置である場合、軸ZM2から平面部SMに下ろした垂線と、軸ZM2から基準溝M4に下ろした垂線とが成す角度を配置角度α´(α´≠90度)とする。
上記と同様にして、平面部SMを基準面STMと平行にして初期角度を求めた後、接触子83が基準溝M4に当たる(入る)ようにマスターワークMWをワーク回転軸CW回りに回転させ、マスターワークMWの回転角度β´(初期角度からの回転角度)を求める。
この場合、回転前の状態の図6(A)、及び回転後の状態の図6(B)からわかるように、案内方向ANと基準面STMとの成す角度θは、180−β´+(α´−90)(度)と求めることができる。
また、図6(C)に示すマスターワークMWは、図4(A)に示すマスターワークMWと、図5(A)に示すマスターワークMWとを、1つにしたマスターワークMWの例である。このマスターワークMWを用いれば、接触子83の案内方向ANの調整と、調整した案内方向ANと基準面STMとの角度の検出を行うことが可能である。図6(C)に示すマスターワークMWを用いれば、案内方向ANの調整と、案内方向ANと基準面STMとの角度検出を行うことができるので、マスターワークの交換の手間を省略できるとともに、調整及び検出の精度をより向上させることができる。
●[ネジ溝検出装置80を備えた工作機械1への適用例]
以上に説明したように、接触子83の案内方向ANをワーク回転軸CWに正確に直交するように調整し、案内方向ANと基準面STMとの角度を正確に検出したネジ溝検出装置80を用いて、ワークWの一部の円筒面に形成されたネジ溝WNのZ軸方向の位置を検出する手順を説明する。
制御手段50は、図3(A)に示すように保持手段81をワーク回転軸CWから最も遠ざかる位置から検出体移動手段82に駆動信号を出力し、保持手段81をワーク回転軸CWに向けて(ワークWのネジ溝に向けて)前進させる。
そして、制御手段50は、保持手段81をワーク回転軸CWに最も近接する位置に移動させて接触子83をワークWのネジ部Kに接触させる。ここで、制御手段50は、接触子83がネジ溝WNに入った場合において、径側センサ81SBによって検出されるべき接触子83の端面までの距離Lxを認識している。そして、制御手段50は、径側センサ81SBからの検出信号に基づいて求めた距離が距離K1(ネジ溝に入った場合の理論値)の近傍の値である場合(例えば判定閾値をΔxとした場合、求めた距離が、距離K1±Δx以内の場合)は、接触子83がネジ溝WNに入ったと判定し、距離K1の近傍の値でなく、距離K1−Δxよりも小さい値である場合、接触子83がネジ溝WNに入っていないと判定する。
保持手段81をワーク回転軸CWに近接させて接触子83をネジ溝WNに接触させた際、接触子83の先端の移動先にちょうどネジ溝WNがある場合、接触子83はリード方向に移動しない。しかし、移動先にちょうどネジ溝WNがある場合よりも、ずれている場合の方が多い。図3(B)の例は、ネジ溝WNのリード方向の位置が、基準線STZに対して−Δzずれている場合を示している。制御手段50は、リード側センサ81SR、81SLからの検出信号に基づいて、接触子83における基準線STZからの距離(−Δz)を求めることができる。
制御手段50は、工作機械1上における保持手段81の基準点の位置(ワーク回転軸CWに最も近接した図3(B)の状態における基準点の位置(X座標、Y座標、Z座標))を認識している。そして制御手段50は、保持手段81の工作機械1上のZ軸方向の位置、保持手段81に対する基準線STZ(基準点)からのZ軸方向の距離(−Δz)等から、接触子83の先端が接触しているネジ溝WNの工作機械1上におけるZ軸方向の位置を求めることができる。
また、制御手段50が、接触子83がネジ溝WNに入っていないと判定した場合、主軸装置30L、30Rに制御信号を出力し、ワークWをワーク回転軸CW回りに少なくとも1回転させて、接触子83をネジ溝WNに入れに行くようにしてもよい。
以上、本実施の形態にて説明したネジ溝検出装置80は、ネジ溝WNの中心の位置を接触子83を接触させることで直接的に検出するので、ネジ溝WNのリード方向の位置の測定精度が高い。また、ネジ溝と肩部の境界を何往復もしていた従来の検出方法と比較して、非常に短時間にネジ溝の中心の位置を測定可能である。更に、ネジ溝検出装置80はコンパクトに構成することができるので、工作機械1に搭載することが容易である。
以上に説明したネジ溝検出装置80を用いて、ネジ溝WNのリード方向の位置を測定し、更に、主軸装置30R、30LにてワークWを所定角度だけ回転させて、ネジ溝検出装置80にて当該所定角度の回転における接触子83のリード方向の移動距離を測定してネジ溝WNのピッチPMを求める。そして、求めたネジ溝WNのZ軸方向の位置を、ピッチPMと角度θを用いて補正して、砥石22による加工個所のネジ溝のZ軸方向の位置を求める。
更に、求めたネジ溝WNのZ軸方向の位置に、砥石22(加工工具)を位置決めするようにZ軸方向駆動モータ10Mを制御し、砥石22がネジ溝WNに入るようにX軸方向駆動モータ20Mを制御する。
そして、主軸装置30R、30Lを用いてワークWを回転させるとともに、測定したピッチに基づいて、Z軸方向駆動モータ10Mを用いて砥石22をリード方向に移動させて、ネジ溝WNを仕上げ研削する。
なお、本実施の形態の説明では、ワークWに対して砥石22をX軸方向に移動させたが、砥石22に対してワークWをX軸方向に移動させる構成にすることもできる。従って、砥石22はワークWに対して相対的にX軸方向に移動するものである。
同様に、Z軸方向については、ワークWに対して砥石22をZ軸方向に移動させたが、砥石22に対してワークWをZ軸方向に移動させる構成にすることもできる。従って、砥石22はワークWに対して相対的にZ軸方向に移動するものである。
本発明の測定子の調整方法、測定子の角度検出方法、測定子による検出結果の補正方法、及びネジ溝検出装置80を備えた工作機械1は、本実施の形態で説明した手順、処理、外観、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、ワークWの両端部をチャックで保持する構造でなく、一方または両方の端部のセンタで支持する構造であってもよいし、加工工具として、砥石22の代わりにバイト等を用いてもよい。
本実施の形態の説明では、接触子83がワーク回転軸CWに直交する径方向に摺動する例で説明したが、所定の角度でワーク回転軸CWに交差する方向に摺動するように構成してもよい(接触子を付勢する方向も、ワーク回転軸CWに交差する方向に付勢してもよい)。また、案内手段(検出体移動手段82)がワーク回転軸CWに直交する方向に接触子を案内する例を説明したが、所定の角度でワーク回転軸CWに交差する方向に案内するように構成してもよい。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
本実施の形態にて説明した、ネジ溝検出装置80を備えた工作機械1は、研削盤に限定されず、旋盤等、センターワークを使う機械に適用することができる。また、1本の測定子で径を測定する方法、及び工作機械に適用でき、例えば、カム計を測定する工作機械の変位測定子等にも適用することが可能である。
本発明のネジ溝検出装置80を備えた工作機械1の一実施の形態を説明する図、及びワークWの例を説明する図である。 主軸装置30L、30Rを用いてワークWを支持する様子を説明する図である。 ネジ溝検出装置80の構成と動作を説明する図である。 測定子(接触子83)の案内方向ANをワーク回転軸CWに直交させる調整をするためのマスターワークMWの外観、及び調整方法を説明する図である。 測定子(接触子83)の案内方向ANと基準面STMとの角度を検出するためのマスターワークMWの外観、及び角度検出方法を説明する図である。 角度検出方法の他の例、及び図4(A)に示すマスターワークMWと図5(A)に示すマスターワークMWとをまとめたマスターワークMWの例を示す図である。
符号の説明
1 工作機械
2 基台
10 砥石台
10M Z軸方向駆動モータ
30LM、30RM Z軸方向駆動モータ
10E、30LE、30RE 検出手段
20 砥石テーブル
20M X軸方向駆動モータ
20E 検出手段
21 砥石駆動モータ
22 砥石(加工工具)
30L、30R 主軸装置
50 制御手段
60 ツルーイング装置
80 ネジ溝検出装置
81 保持手段
81A 保持体(フローティング手段)
81BR、81BL 弾性部材(フローティング手段)
81G ガイド(フローティング手段)
81SR 第1リード側センサ(第1リード側位置検出手段)
81SL 第2リード側センサ(第2リード側位置検出手段)
81SB 径側センサ(径側位置検出手段)
81B 保持ベース
81BB 弾性部材(付勢手段)
82 検出体移動手段(案内手段)
83 接触子(測定子)
84F、84G 調整手段
AN 案内方向
MW マスターワーク
T1〜T4 円筒部
M1〜M4 基準溝
SM 平面部
STM 基準面
STZ 基準線
CW ワーク回転軸
W ワーク(工作物)
WN ネジ溝
K ネジ部

Claims (4)

  1. 所定の回転軸回りに回転可能に保持した少なくとも一部に円筒部を有するワークに対して、前記回転軸に交差する方向から前記円筒部に測定子を接触させる測定子の調整方法であって、
    前記測定子を、前記回転軸にほぼ交差するとともに方向を微調整可能な案内方向に進退移動が可能な案内手段に取り付け、
    少なくとも複数の異なる径の円筒部を同心軸上に有し、各円筒部の円筒面には前記同心軸と平行な方向に形成されているととともに前記同心軸を通る1つの平面上に位置するように形成された基準溝を有するマスターワークを、前記回転軸と前記同心軸とが一致するように前記回転軸回りに保持し、
    前記測定子と前記基準溝とが対向するように前記マスターワークの回転角度を設定し、
    前記マスターワークの中から選択した円筒部の基準溝と前記測定子とが対向するように、前記回転軸と平行な方向に、前記マスターワークに対して前記測定子を相対的に移動させた後、前記案内手段を用いて前記測定子を前記基準溝に向けて移動させて前記基準溝に前記測定子が当たるように調整した前記マスターワークの回転角度を、少なくとも2つ以上の円筒部の基準溝に対して求め、
    少なくとも2つ以上の円筒部の基準溝に対して、前記マスターワークにおける同一の回転角度にて前記測定子が当たるように、前記案内手段の案内方向を調整する、
    測定子の調整方法。
  2. 所定の回転軸回りに回転可能に保持した少なくとも一部に円筒部を有するワークに対して、前記回転軸に交差する案内方向に進退移動が可能な案内手段に取り付けて前記円筒部に接触させる測定子の角度検出方法であって、
    少なくとも一部に円筒部を有し、前記円筒部の一部には当該円筒部の軸に平行な平面部が形成され、前記円筒部の円筒面には前記円筒部の軸に平行な基準溝が形成されたマスターワークを、前記回転軸と前記円筒部の軸とが一致するように前記回転軸回りに保持し、
    前記円筒部の軸から前記平面部に下ろした垂線と、前記円筒部の軸から前記基準溝に下ろした垂線と、が成す角度を配置角度として、
    前記回転軸に平行となるように予め設定した基準面と、前記マスターワークの平面部とが平行になるように、前記マスターワークの回転角度を調整して初期角度として、
    前記測定子を前記案内方向に移動させた場合に前記測定子が前記基準溝に当たるように調整した前記マスターワークにおける前記初期角度からの回転角度と、前記配置角度と、に基づいて前記基準面に対する前記案内方向の角度を検出する、
    測定子の角度検出方法。
  3. 少なくとも複数の異なる径の円筒部を同心軸上に有し、各円筒部の円筒面には前記同心軸と平行な方向に形成されているとともに前記同心軸を通る同一平面上に位置するように形成された基準溝を有し、少なくとも1つの前記円筒部の一部には、前記同心軸に平行な平面部が形成されたマスターワークを用い、
    前記同心軸から前記平面部に下ろした垂線と、前記同心軸から前記基準溝に下ろした垂線と、が成す角度を配置角度として、
    請求項1に記載された測定子の調整方法を用いて前記案内手段の案内方向を調整した後、請求項2に記載された測定子の角度検出方法を用いて検出した、前記基準面に対する前記案内方向の角度に基づいて、前記測定子を用いて検出した検出結果を補正する、
    測定子による検出結果の補正方法。
  4. 所定の回転軸回りに回転可能に保持したワークの少なくとも一部の円筒面に形成されたネジ溝の位置を検出するネジ溝検出装置を備えた工作機械であって、
    前記ネジ溝に接触させる測定子と、
    前記測定子が前記回転軸に平行なリード方向に往復移動可能となるように保持するフローティング手段と、
    前記回転軸に交差する前記案内方向に前記測定子を付勢する付勢手段と、
    前記測定子における前記リード方向の位置を検出可能なリード側位置検出手段と、
    前記測定子における前記案内方向の位置を検出可能な径側位置検出手段と、
    前記測定子を前記回転軸にほぼ交差する案内方向に進退移動可能であるとともに、前記案内方向が微調整可能な案内手段と、
    前記ネジ溝を研削する加工工具と、を備え、
    請求項1に記載の測定子の調整方法を用いて前記案内手段の案内方向を調整した後、
    前記測定子を前記回転軸に交差するように前記ワークのネジ溝に押し付け、
    前記径側位置検出手段を用いて前記測定子が前記ネジ溝に入ったことを検出し、
    前記リード側位置検出手段を用いて前記測定子における前記リード方向の位置を検出して、前記ネジ溝の位置を検出し、
    更に、前記ワークを所定角度回転させた後の前記測定子の前記リード方向の位置を検出し、前記所定角度に対する前記測定子の前記リード方向の移動量に基づいて、前記ネジ溝のピッチを求め、
    請求項2に記載の測定子の角度検出方法を用いて検出した前記基準面に対する前記案内方向の角度と、求めた前記ネジ溝のピッチとに基づいて、検出した前記ネジ溝の位置を補正し、
    補正したネジ溝の位置に、前記ワークに対して前記基準面と平行な方向に相対的に移動可能な加工工具を位置決めして前記ネジ溝の研削を行う、
    ネジ溝検出装置を備えた工作機械。

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