JP4156401B2 - 車両用自動開閉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置に関し、特に、ラックアンドピニオン式のスライド機構を有するものに適用して有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の車両には、ドア、バックドア等、車両に開閉自在に装着された開閉部材が随所に設けられている。特に、ワゴン車やワンボックス車等では、車両の後端部にバックドアを設けて車両後方からの荷物の積み下ろし等を容易に行い得るようにしたものが多く見受けられる。通常、このようなバックドアは、回転支点を略水平として車両ルーフの後端部に固定されたヒンジを介して車両に装着されて、ヒンジの回転支点を中心として上下方向に開閉するようになっている。この場合、バックドアは車両上方に大きく跳ね上げられることになるため、リフトゲートやリヤハッチなどとも呼ばれている。
【0003】
ところが、このようなバックドアは大型で重い場合が多いため、特に、女性や子供ではその開閉を容易に行うことが困難な場合があった。特に、全開状態となったときにはバックドアは上方に大きく跳ね上げられることになるため、その開閉はさらに困難なものとなっていた。
【0004】
そこで、ワンボックス車等のファミリーユースが増加している状況の下、女性や子供でも容易に開閉できるようにバックドアの自動開閉装置を搭載した車両が登場し、増加する傾向にある。また、自動開閉装置を設置すれば運転席からバックドアを遠隔操作できるため、この利便性からも自動開閉装置の取り付け要請は少なくない。
【0005】
従来の自動開閉装置としては、例えば、車両のピラーやルーフ部の内部に配置されたラックアンドピニオン式のアクチュエータユニットにより一端がバックドアに連結された連結ロッドを駆動してバックドアを開閉するようにしたものが知られている。この場合、アクチュエータユニットには車両に固定された環状のチャンネルとチャンネルに直線往復動自在に装着された棒状のラックバーとを有するスライド機構が設けられており、連結ロッドの他端はラックバーに揺動自在に連結されている。ラックバーは鋼材を切削加工することにより形成されており、その側部にはラックギヤが設けられている。このラックギヤは電動モータにより回転駆動される出力ピニオンギヤに噛み合わされており、出力ピニオンギヤが回転することによりラックバーはチャンネルに沿って直線往復動されるようになっている。そして、ラックバーの変位が連結ロッドを介してバックドアに伝達されることによりバックドアの開閉動作が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、ラックアンドピニオン式のアクチュエータユニットには、アウターラックをガイドレールの外側に配置した所謂アウターラック式のスライド機構を有するものが知られている。この場合、アウターラックは鋼材を切削加工することにより断面略Cの字形状に形成されており、ガイドレールの外側に直線往復動自在に装着されている。そして、アウターラックにおいてもその側部にはラックギヤが設けられており、このラックギヤに出力ピニオンギヤが噛み合わされるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−253241号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような自動開閉装置では、ラックバーやアウターラックは鋼材を切削加工して形成されているので、その側部に設けれるラックギヤも歯切り等の切削加工により形成されるようになっている。そのため、ラックギヤの加工には多数の工数が必要となり、その製造コストを増加させていた。
【0009】
また、アウターラックは、ガイドレールと係合される係合溝が切削加工により形成されており、この係合溝が形成されたスライダ部においてガイドレールに装着されるようになっている。しかし、この係合溝はアンダーカット形状とされるため、その加工には多数の工数が必要となり、その製造コストをさらに増加させていた。
【0010】
さらに、スライダ部は少なくともラックギヤが形成される範囲で連続して形成されることになるため、アウターラックの重量は重くなり、この自動開閉装置の軽量化の妨げとなっていた。
【0011】
本発明の目的は、車両用自動開閉装置の製造コストを低減することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、車両用自動開閉装置を軽量化することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、電動モータに回転駆動される出力ピニオンギヤを有する駆動手段と、鋼板を打抜き加工して形成されるとともに前記出力ピニオンギヤと噛み合うラックギヤが設けられ、連結ロッドを介して前記開閉部材に連結されたラック部材と、前記ラック部材に固定され、前記車両に取り付けられたガイド部材に沿って往復動自在のスライド部材とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、電動モータに回転駆動される出力ピニオンギヤを有する駆動手段と、軸方向に沿って曲がる折り曲げ部を有する断面L字形状に形成されるとともに前記出力ピニオンギヤと噛み合うラックギヤが設けられ、連結ロッドを介して前記開閉部材に連結されたラック部材と、前記ラック部材に固定され、前記車両に取り付けられたガイド部材に沿って往復動自在のスライド部材とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の車両用自動開閉装置は、鋼板を打抜き加工したものを折り曲げて前記ラック部材を形成したことを特徴とする。
【0016】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記スライド部材を前記折り曲げ部により位置決めしたことを特徴とする。
【0017】
本発明の車両用自動開閉装置は、アルミニウム材料を押出し加工して前記スライド部材を形成したことを特徴とする。
【0018】
本発明の車両用自動開閉装置は、複数個の前記スライド部材を軸方向に所定の間隔を空けて前記ラック部材に固定したことを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記ガイド部材を所定の断面形状で軸方向に延びる形状に形成し、前記スライド部材を前記ガイド部材の外側に直線往復動自在に装着したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施の形態であるパワーバックドア機構を備えた車両の一部であって、バックドアが全閉状態のときを示す側面図であり、図2は図1に示す車両の一部であって、バックドアが全開状態のときを示す側面図である。
【0021】
図1、図2に示すように、車両11の後端部には開閉部材としてのバックドア12が設けられている。バックドア12は車両11のルーフ部13の後端部にその開閉中心軸14aを略水平として取り付けられたヒンジ14を介して車両11に開閉自在に装着されている。そして、バックドア12は、図1に示すように車両11に対して略垂直となる全閉状態と、図2に示すように車両11に対して略水平となる全開状態との間で、開閉中心軸14aを中心とした約90度の範囲で車両11の上下方向に開閉するようになっている。
【0022】
本実施の形態においては、バックドア12は車両11の上下方向に開閉自在とされているが、これに限らず、ヒンジ14をその開閉中心軸14aを略垂直として車両11の側部に取り付けて、バックドア12を車両11に対して横方向に開閉するようにしてもよく、また、その開閉範囲も約90度とは限らず任意の角度に設定してもよい。
【0023】
車両11には、車両用自動開閉装置としてのパワーバックドア機構15が設けられており、このパワーバックドア機構15によりバックドア12を自動的に開閉することができるようになっている。
【0024】
図3は図1、図2に示すパワーバックドア機構の詳細を示す断面図であり、このパワーバックドア機構15は連結ロッド16とアクチュエータユニット17とを有している。
【0025】
連結ロッド16は鋼材で形成されたロッド部16aと、それぞれロッド部16aの両端に設けられたピロボール部16b,16cとを備えている。そして、一方のピロボール部16bは開閉中心軸14aから所定距離離れた位置にてバックドア12に延設された湾曲状のアーム18の先端部にスタッド20により固定されている。つまり、連結ロッド16の一端はピロボール部16bによりバックドア12に回動自在に連結されており、この連結ロッド16の他端を車両11の前後方向に駆動することによりバックドア12を開閉することができるようになっている。
【0026】
アクチュエータユニット17は車両11のルーフ部13の内部に配置されており、連結ロッド16の他端は車室内の天井トリム21に形成された開口部21aからルーフ部13の内部に挿通されてこのアクチュエータユニット17に連結されている。そして、連結ロッド16はこのアクチュエータユニット17により車両前後方向に駆動されるようになっている。なお、開口部21aと連結ロッド16およびアーム18との摺動部については、ゴム等の弾性部材で形成されたダストカバー等を取り付けるようにしてもよい。
【0027】
図4は図3に示すアクチュエータユニットの詳細を示す正面図であり、図5は図4におけるA−A線に沿う断面図である。
【0028】
図4、図5に示すように、アクチュエータユニット17はバックドア12を開閉するための駆動力を発生する駆動手段としての駆動ユニット22と駆動ユニット22の作動を制御する制御ユニット23および駆動ユニット22の出力を直線往復運動に変換するスライド機構24を有している。
【0029】
駆動ユニット22は電動モータ25と電磁クラッチ26および減速機構27とを有しており、電動モータ25の出力は電磁クラッチ26を介してクラッチ出力軸28から出力されるようになっている。この電磁クラッチ26としては従来から知られた所謂摩擦式の電磁クラッチが用いられており、電動モータ25の出力がクラッチ出力軸28に伝達される動力伝達状態と電動モータ25とクラッチ出力軸28とを遮断する動力遮断状態とに切り換えられるようになっている。
【0030】
減速機構27はギヤケース31内に収容されており、クラッチ出力軸28の回転はこの減速機構27により減速されて出力ピニオン軸32に伝達されるようになっている。減速機構27はクラッチ出力軸28に固定された小径スパーギヤ33を有しており、電磁クラッチ26が動力伝達状態となったときには電動モータ25の出力は小径スパーギヤ33に伝達される。なお、符号34はクラッチ出力軸28をギヤケース31に回転自在に支持するボールベアリングである。出力ピニオン軸32はボールベアリング35,36によりギヤケース31内に回転自在に支持されており、この出力ピニオン軸32には小径スパーギヤ33と噛み合う大径スパーギヤ37が固定されている。これにより、クラッチ出力軸28の回転は減速して出力ピニオン軸32に伝達されるようになっている。
【0031】
出力ピニオン軸32には出力ピニオンギヤ38が固定されており、出力ピニオンギヤ38は出力ピニオン軸32と一体的に回転するようになっている。つまり、出力ピニオンギヤ38は電磁クラッチ26、クラッチ出力軸28、小径スパーギヤ33、大径スパーギヤ37および出力ピニオン軸32とを介して電動モータ25により回転駆動されるようになっている。
【0032】
制御ユニット24は制御信号を演算する図示しないマイクロプロセッサと、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納される図示しないROMと、一時的にデータを格納する図示しないRAMなどを有しており、給電ライン41を介して電動モータ25と電磁クラッチ26に接続されるとともに車室内等に設けられた図示しないバックドア開閉スイッチや車両に搭載されたバッテリ等に接続されている。そして、この制御ユニット23は開閉スイッチからの指令に応じて電動モータ25や電磁クラッチ26の作動を制御するようになっている。
【0033】
スライド機構24はガイド部材としてのレールブラケット42とアウターラック43とを有しており、アウターラック43がレールブラケット42に形成されたレール部44の外側に装着された所謂アウターラック式となっている。
【0034】
レールブラケット42は、所定の形状のダイスと心金とを用いてアルミニウム材料(例えば、JIS A6063)を押出し加工することにより所定の断面形状にて軸方向に延びた形状に形成されており、その軸心には軸方向に延びる中空部45が形成されている。また、レールブラケット42には駆動ユニット固定部46,47が設けられており、駆動ユニット22は出力ピニオンギヤ38がレール部44の略中間に位置するようにねじ部材48,49により駆動ユニット固定部46,47に固定されている。さらに、この駆動ユニット固定部46,47とギヤケース31には取付けブラケット51を介してねじ部材52,53により制御ユニット23が固定されている。
【0035】
そして、レールブラケット42はそれぞれ車両側固定部54,55に固定された固定ブラケット56,57を介して、軸方向を車両前後方向として車両11のルーフ部13に固定されている。
【0036】
レール部44はレールブラケット42の車両上方側に形成されており、その両側部にそれぞれ断面V字形状となるガイド溝61,62が形成された断面略X字形状となっている。また、レールブラケット42の長手方向の両端部にはキャップ63,64が固定されており、レールブラケット42の両端部の切削面を保護するとともにアウターラック43のレール部44からの抜けを防止するようになっている。さらに、レールブラケット42の車両下方側の両側部には2本の油受け溝65,66が形成されており、これらの油受け溝65,66の両端部はキャップ63,64により閉塞されている。これにより、油受け溝65,66に流入した潤滑油等はこの油受け溝65,66に貯まるようになっている。
【0037】
図6は図4に示すアウターラックの分解斜視図であり、アウターラック43はラック部材67と3つのスライド部材68とを有している。
【0038】
ラック部材67は所定の板厚の鋼板を打抜き加工することにより形成されており、その外形形状は一方の長辺側の側端部に所定の範囲でラックギヤ71が形成された略長方形状となっている。つまり、ラック部材67の外形形状は打抜き加工による切り取り形状となっており、ラックギヤ71も打抜き加工により形成される。
【0039】
このラックギヤ71は出力ピニオンギヤ38に噛み合い可能な寸法とされており、その形状精度を確保するために、打抜き加工としてはプレス機械等を用いたファインブランク製法が用いられている。また、ラック部材67を形成するために用いられる鋼板は、出力ピニオンギヤ38から加えられる出力にラックギヤ71が耐え得るように所定の板厚のものが用いられており、本実施の形態の場合では5mmの板厚のものが用いられている。
【0040】
また、ラック部材67の他方の長辺側の側部は曲げ加工により軸方向つまり長手方向に沿って略垂直に折り曲げられている。これにより、ラック部材67は、図5に示すようにラックギヤ71が形成される主体部72に対して略垂直となる折り曲げ部73を有する断面L字形状に形成されている。
【0041】
一方、スライド部材68は、所定の形状のダイスと心金とを用いてアルミニウム材料(例えば、JIS A6063)を押出し加工することにより係合部68a,68bを有する断面Cの字形状にて軸方向に延びた形状に形成されており、その軸方向の長さ寸法はラック部材67より十分に短くされている。そして、スライド部材68は、ラック部材67の主体部72の略中央部と軸方向の両端部とにそれぞれねじ部材74により固定されている。つまり、ラック部材67には3つのスライド部材68が互いに軸方向に所定の間隔を開けて固定されている。このとき、3つのスライド部材はそれぞれ軸方向をラック部材の軸方向と一致するように配置されている。
【0042】
また、スライド部材68の一方の側部には直方体形状の突起部68cが形成されており、スライド部材68はその側部を折り曲げ部73に当接されるとともに折り曲げ部73に形成された係合孔73aに突起部68cを嵌合させた状態で固定されるようになっている。この係合孔73aは折り曲げ部73の略中央部と軸方向の両端部とに3つ設けられており、それぞれの係合孔73aには対応するスライド部材68の突起部68cが嵌合される。したがって、スライド部材68は折り曲げ部73により位置決めされることになり、また、突起部68cが係合孔73aに嵌合することによりラック部材67とスライド部材68との固定強度が向上されるようになっている。
【0043】
スライド部材68は係合部68a,68bをレール部44のガイド溝61,62に係合させることによりレールブラケット42の外側に直線往復動自在に装着されている。また、係合部68a,68bにはそれぞれ摺動シュー75a,75bが装着されており、この摺動シュー75a,75bがガイド溝61,62と係合部68a,68bとの間に配置されることによりスライド部材68とレール部44との摩擦が低減され、スライド部材68は滑らかに往復動することができるようになっている。
【0044】
このような構造により、アウターラック43は車両前方側となる閉側ストローク端と車両後方側となる開側ストローク端との間でレール部44に沿って直線往復動自在となっている。
【0045】
このように、このパワーバックドア機構15では、アウターラック43はラックギヤ71が形成されるラック部材67とスライド部材68とを別体とされているので、それぞれの部材の加工方法や設計の自由度が向上することになり、このパワーバックドア機構を軽量化、低コスト化することができる。
【0046】
そして、このパワーバックドア機構15では、ラック部材67を鋼板を打抜き加工することにより形成するようにしたので、ラックギヤ71を形成するための加工工数を削減して、このパワーバックドア機構15の製造コストを低減させることができる。
【0047】
また、ラック部材67を主体部72に対して軸方向に沿って垂直に曲がる折り曲げ部73を有する断面L字形状に形成したので、鋼板により形成されたラック部材67の剛性を向上させることができる。
【0048】
さらに、このパワーバックドア機構15では、スライド部材68をアルミニウム材料を押出し加工することにより形成するようにしたので、その加工工数を低減するとともにその重量を軽量化することができる。したがって、このパワーバックドア機構15の製造コストを低減するとともに、このパワーバックドア機構15を軽量化することができる。
【0049】
さらに、3つのスライド部材68を軸方向に所定の間隔を開けてラック部材67に固定するようにしたので、必要な部分にのみスライド部材68を設置することができ、このパワーバックドア機構15を軽量化することができる。
【0050】
ラック部材67の折り曲げ部73のねじ孔73bには連結ロッド16の他端つまり他方のピロボール部16cがスタッド76により固定されている。つまり、アウターラック43は連結ロッド16を介してバックドア12に連結されており、アウターラック43が車両前後方向に移動することにより生じる変位は連結ロッド16を介してバックドア12に伝達されるようになっている。
【0051】
したがって、アウターラック43をレール部44に沿って車両前後方向に直線往復動させることにより、バックドア12の開閉動作が行われる。このとき、アウターラック43の位置が閉側ストローク端となったときにはバックドア12は全閉状態とされ、開側ストローク端となったときにはバックドア12は全開状態とされるようになっている。なお、本実施の形態においては、連結ロッド16はラック部材67の折り曲げ部73に連結されているが、これに限らず、スライド部材68に連結するようにしてもよい。この場合、スライド部材68はラック部材67に固定されているので、連結ロッド16はスライド部材68を介してラック部材67に連結されることになる。
【0052】
ラック部材67に形成されたラックギヤ71は駆動ユニット22の出力ピニオンギヤ38に噛み合わされており、電動モータ25が作動するとアウターラック43はレール部44に沿って駆動されることになる。そして、その移動方向は電動モータ25の作動方向に応じて開方向と閉方向とに切り換えられる。つまり、アウターラック43は駆動ユニット22に駆動されて、閉側ストローク端と開側ストローク端との間で往復動されるようになっている。
【0053】
次に、このような構造のパワーバックドア機構15の作動について説明する。
【0054】
まず、図1に示すように、バックドア12が全閉状態となっているときにバックドア開閉スイッチが開側に投入されると電磁クラッチ26が動力伝達状態に切り換えられるとともに電動モータ25が開方向に作動を開始し、出力ピニオンギヤ38が回転駆動されてアウターラック43は閉側ストローク端から開側ストローク端に向かって移動することになる。そして、このアウターラック43の変位が連結ロッド16を介してバックドア12に伝達されてバックドア12は開方向へ作動し、アウターラック43が開側ストローク端に達したときにバックドア12は図2に示すように全開状態となる。
【0055】
一方、バックドア12が全開状態となっているときにバックドア開閉スイッチが閉側に投入されると、電磁クラッチ26が動力伝達状態に切り換えられるとともに電動モータ25が閉方向に作動して、アウターラック43は開側ストローク端から閉側ストローク端に向かって移動することになる。そして、このアウターラック43の変位が連結ロッド16を介してバックドア12に伝達されてバックドア12は閉方向へ作動し、アウターラック43が閉側ストローク端に達したときにバックドア12は図1に示すように全閉状態となる。
【0056】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、開閉部材は車両11の後端部に装着されたバックドア12とされているが、これに限らず、車両11に設けられている開閉部材であれば他の開閉部材に適用してもよい。
【0057】
また、前記実施の形態においては、スライド機構24はアウターラック式となっているが、これに限らず、断面環状に形成されたガイド部材の内側に棒状のラック部材を往復動自在に装着したタイプのものとしてもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、ラック部材とスライド部材とをそれぞれ最適な加工方法にて加工することによりその加工工数を低減することができるので、車両用自動開閉装置の製造コストを低減させることができる。
【0059】
また、本発明によれば、ラック部材とスライド部材の設計の自由度が向上されるので、車両用自動開閉装置を軽量化することができる。
【0060】
さらに、本発明によれば、ラック部材を鋼板を打抜き加工することにより安価に製造することができるので、車両用自動開閉装置の製造コストを低減させることができる。
【0061】
さらに、本発明によれば、ラック部材を主体部に対して軸方向に沿って曲がる折り曲げ部を有する断面L字形状に形成したので、鋼板により形成されたラック部材の剛性を向上させることができる。
【0062】
さらに、本発明によれば、スライド部材をアルミニウム材料を押出し加工することにより安価に製造することができるので、この車両用自動開閉装置の製造コストを低減することができる。また、スライド部材を押出し加工する際、予め長尺状に押出し成形したものを必要な長さに切断して使うことができるので、さらに製造コストを低減させることができる。
【0063】
さらに、本発明によれば、複数個のスライド部材を軸方向に所定の間隔を空けてラック部材に固定するようにしたので、必要な部分にのみスライド部材を設置することができ、車両用自動開閉装置を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるパワーバックドア機構を備えた車両の一部であって、バックドアが全閉状態のときを示す側面図である。
【図2】図1に示す車両の一部であって、バックドアが全開状態のときを示す側面図である。
【図3】図1、図2に示すパワーバックドア機構の詳細を示す断面図である。
【図4】図3に示すアクチュエータユニットの詳細を示す正面図である。
【図5】図4におけるA−A線に沿う断面図である。
【図6】図4に示すアウターラックの分解斜視図である。
【符号の説明】
11 車両
12 バックドア
13 ルーフ部
14 ヒンジ
14a 開閉中心軸
15 パワーバックドア機構
16 連結ロッド
16a ロッド部
16b,16c ピロボール部
17 アクチュエータユニット
18 アーム
20 スタッド
21 天井トリム
21a 開口部
22 駆動ユニット
23 制御ユニット
24 スライド機構
25 電動モータ
26 電磁クラッチ
27 減速機構
28 クラッチ出力軸
31 ギヤケース
32 出力ピニオン軸
33 小径スパーギヤ
34 ボールベアリング
35,36 ボールベアリング
37 大径スパーギヤ
38 出力ピニオンギヤ
41 給電ライン
42 レールブラケット
43 アウターラック
44 レール部
45 中空部
46,47 駆動ユニット固定部
48,49 ねじ部材
51 取付けブラケット
52,53 ねじ部材
54,55 車両側固定部
56,57 固定ブラケット
61,62 ガイド溝
63,64 キャップ
65,66 油受け溝
67 ラック部材
68 スライド部材
68a,68b 係合部
68c 突起部
71 ラックギヤ
72 主体部
73 折り曲げ部
73a 係合孔
73b ねじ孔
74 ねじ部材
75a,75b 摺動シュー
76 スタッド

Claims (7)

  1. 車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    電動モータに回転駆動される出力ピニオンギヤを有する駆動手段と、
    鋼板を打抜き加工して形成されるとともに前記出力ピニオンギヤと噛み合うラックギヤが設けられ、連結ロッドを介して前記開閉部材に連結されたラック部材と、
    前記ラック部材に固定され、前記車両に取り付けられたガイド部材に沿って往復動自在のスライド部材とを有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  2. 車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    電動モータに回転駆動される出力ピニオンギヤを有する駆動手段と、
    軸方向に沿って曲がる折り曲げ部を有する断面L字形状に形成されるとともに前記出力ピニオンギヤと噛み合うラックギヤが設けられ、連結ロッドを介して前記開閉部材に連結されたラック部材と、
    前記ラック部材に固定され、前記車両に取り付けられたガイド部材に沿って往復動自在のスライド部材とを有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  3. 請求項2記載の車両用自動開閉装置において、鋼板を打抜き加工したものを折り曲げて前記ラック部材を形成したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  4. 請求項2または3記載の車両用自動開閉装置において、前記スライド部材を前記折り曲げ部により位置決めしたことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  5. 請求項1〜4記載の車両用自動開閉装置において、アルミニウム材料を押出し加工して前記スライド部材を形成したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  6. 請求項1〜5記載の車両用自動開閉装置において、複数個の前記スライド部材を軸方向に所定の間隔を空けて前記ラック部材に固定したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  7. 請求項1〜6記載の車両用自動開閉装置において、前記ガイド部材を所定の断面形状で軸方向に延びる形状に形成し、前記スライド部材を前記ガイド部材の外側に直線往復動自在に装着したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
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