JP4153714B2 - ヒンジ構造 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、開閉機構に用いられるヒンジ構造に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
ヒンジ構造を用いた開閉機構において、相対的に開閉運動する一方を本体部材、他方を回動部材とすると、本体部材に形成された本体側筒状部と回動部材に形成された回動側筒状部とを同一軸線上に位置させ、これらの本体側筒状部と回動側筒状部とに跨らせて金属軸部材を挿通する構造が一般に採用されている。
【0003】
このタイプの開閉機構においては、小型化のために本体部材側と回動部材側の筒状部径を小さくすること、及び回動部材の回動抵抗(荷重)をできるだけ安定させることが望まれている。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、安定した回動抵抗が得られるヒンジ構造を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、本体部材に形成された本体側筒状部と;回動部材に形成された、本体側筒状部と同一軸線上に位置する回動側筒状部と;この本体側筒状部と回動側筒状部とに跨らせて挿通する軸部を有し、本体側筒状部に回り止め固定される金属軸部材と;を備えたヒンジ構造において、回動側筒状部の内面は、軸方向から見た形状が非円形形状をなし、この非円形内面の回動側筒状部内に相対回動が規制されて挿入される摩擦部材を有し、この摩擦部材は、中空の略多角柱状をなしその各辺部が金属軸部材の軸部に向かって突出する湾曲形状をなす板ばね部材からなり、それぞれの湾曲形状部が、金属軸部材の軸部に対してその軸線と平行な接触領域で摩擦接触することを特徴としている。
【0013】
本発明のヒンジ構造は、各種開閉機構一般に適用できるが、具体的な適用例を上げると、本体側筒状部をデジタルカメラの本体部材に設け、回動側筒状部を、該デジタルカメラのディスプレイ部材に設けたデジタルカメラがある。
【0014】
【発明の実施形態】
本実施形態は、図3、図4に示すように、本発明のヒンジ構造をデジタルカメラの本体10と、このカメラ本体10に開閉可能に枢着するディスプレイ部材20とのヒンジ構造に適用した実施形態である。カメラ本体10とディスプレイ部材20は一方が他方に対して相対的に回動する関係であり、便宜上、カメラ本体10を本体部材、ディスプレイ部材20を回動部材とする。
【0015】
図1、図2に単体形状を示す回動部材20は、LCDパネル21と合成樹脂製ケーシング22とを有し、ケーシング22の側部に一体に、一対の回動側筒状部23が間隔をおいて同一軸線上に突出形成されている。
【0016】
一方、本体部材10の合成樹脂製のケーシング11の側部には、図5に明らかなように、回動部材20の一対の回動側筒状部23の上下に位置する一対の本体側筒状部12が一体に突出形成されている。この本体部材10側の本体側筒状部12と、回動部材20側の回動側筒状部23とは同一軸線上に揃えられ、本体側筒状部12と回動側筒状部23に渡らせて金属軸部材30を挿通することにより、回動部材20が本体部材10に開閉可能に枢着される。なお、本体側筒状部12、回動側筒状部23及び金属軸部材30は、上下対称に設けられている。すなわち、本体側筒状部12と回動側筒状部23は一つずつが対をなし、図3、図4の上方の本体側筒状部12と回動側筒状部23には上方から、下方の本体側筒状部12と回動側筒状部23には下方から、それぞれ別の金属軸部材30が挿入されるが、対称性から、以下の説明及び図では、一方(上方)のみを説明する。
【0017】
回動部材20の回動側筒状部23には、金属軸部材30を挿通する前に、図1、図2、図6に示すように、摩擦部材40が挿入される。摩擦部材40は、中空の略三角柱状に曲折形成した板ばね部材からなっている。より詳細には、三角形の各辺部40aが内方に向かって突出する湾曲形状をなしていて、該摩擦部材40内に金属軸部材30の軸部30aを挿入したとき、各辺部40aが弾性変形して摩擦接触する。回動側筒状部23の筒状部形状は、この摩擦部材40の形状に対応する略断面三角形穴23aであって、摩擦部材40を回り止めするとともに、辺部40aが軸部30aによって弾性変形したときには、コーナ部またはエッジ部40bが強く密着して遊びがとられる。一方、本体側筒状部12の軸穴12bは金属軸部材30の軸部30aと略同一径の円形断面穴である。
【0018】
金属軸部材30は、軸部30aの端部に、径方向に突出する突起30bを有している。この径方向突起30bの幅Xは、図8に示すように、軸部30aの軸径Yより狭い。一方、本体部材10の本体側筒状部12の端部には、この径方向突起30bを嵌合させる回り止め溝12aが形成されている。このように、金属軸部材30の端部に、軸部30aの軸径Yより幅Xの狭い径方向突起30bを設けると、回り止め溝12aの溝幅もこれに対応して小さくなる。このため、本体側筒状部12を細径化してもその肉厚を確保して強度を保持することができ、結果的に本体側筒状部12の径を小さくすることができる。このことは、図8において径方向突起30bの幅Xが軸径Yと同等以上であると仮定すると、本体側筒状部12の溝以外の部分の幅が小さくなり、強度確保が困難になることから理解される。
【0019】
また、図9に示すように、金属軸部材30の径方向突起30bと、本体側筒状部12の回り止め溝12aの底部との少なくとも一方に、径方向突起30bと回り止め溝12aとの間に、軸方向の隙間31を形成する凹部30cまたは12cが形成されている。このように軸方向隙間31を形成することにより、一度挿入した金属軸部材30を引き抜く際の引抜作業が容易になる。
【0020】
以上のヒンジ構造は、組立時には、回動側筒状部23の略断面三角形穴23a内に摩擦部材40を挿入し、回動側筒状部23と本体側筒状部12を同一軸線上に位置させた状態において、本体側筒状部12及び摩擦部材40(回動側筒状部23)に跨らせて金属軸部材30の軸部30aを挿入し、径方向突起30bを本体側筒状部12の回り止め溝12aに嵌合させる。すると摩擦部材40の辺部40aが金属軸部材30の軸部30aによって拡径する方向に弾性変形し、軸部30aとの間で十分な摩擦力を発生させる。このため、回動部材20と本体部材10との間に適当な安定した回動抵抗(荷重)を与えることができる。
【0021】
図7は、摩擦部材40の別の実施形態を示している。同図は中空の略四角柱形状とし、各辺部40cを内方(軸部30a)側に突出する湾曲形状とした摩擦部材40Bを示している。回動側筒状部23側の非円形断面穴は、このような摩擦部材40Bの非円形形状に対応させた形状とする。
【0022】
金属軸部材30の径方向突起30bは、以上の実施形態では、軸部30aの軸心から互いに反対方向に一対を突出させているが、径方向突起30bは最低一個で足り、あるいは3個以上を等角度間隔で設けてもよい。特に2〜4個とすると、金属軸部材30の固定強度と本体側筒状部12の強度確保とをバランスよく達成できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のヒンジ構造によれば、本体側部材と回動側部材の間の回動抵抗(荷重)が安定したヒンジ構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるヒンジ機構を適用したデジタルカメラのディスプレイ部材単体及び摩擦部材の斜視図である。
【図2】 同ディスプレイ部材に摩擦部材を挿入した状態の斜視図である。
【図3】 図1、図2のディスプレイ部材をデジタルカメラ本体に組み合わせた状態及び金属軸部材の斜視図である。
【図4】 同デジタルカメラ本体とディスプレイ部材とを金属軸部材で枢着した状態の斜視図である。
【図5】 デジタルカメラ本体単体の斜視図である。
【図6】 図2のVI矢視平面図である。
【図7】 本発明の別の実施形態を示す、図6に対応する摩擦部材の平面図である。
【図8】 図4のVIII矢視平面図である。
【図9】 (A)、(B)、(C)は、図8のIX‐IX線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10 本体部材(デジタルカメラ本体)
11 ケーシング
12 本体側筒状部
12a 回り止め溝
12b 円形断面穴
20 回動部材(ディスプレイ部材)
21 LCDパネル
22 ケーシング
23 回動側筒状部
23a 略断面三角形穴
30 金属軸部材
30a 軸部
30b 径方向突起
40 40B 摩擦部材
Claims (2)
- 本体部材に形成された本体側筒状部と;
回動部材に形成された、上記本体側筒状部と同一軸線上に位置する回動側筒状部と;
この本体側筒状部と回動側筒状部とに跨らせて挿通する軸部を有し、該本体側筒状部に回り止め固定される金属軸部材と;
を備えたヒンジ構造において、
上記回動側筒状部の内面は、軸方向から見た形状が非円形形状をなし、
この非円形内面の回動側筒状部内に、相対回動が規制されて挿入される摩擦部材を有し、
この摩擦部材は、中空の略多角柱状をなしその各辺部が上記金属軸部材の軸部に向かって突出する湾曲形状をなす板ばね部材からなり、それぞれの湾曲形状部が、金属軸部材の軸部に対してその軸線と平行な接触領域で摩擦接触することを特徴とするヒンジ構造。 - 請求項1記載のヒンジ構造において、本体側筒状部は、デジタルカメラの本体部材に設けられ、回動側筒状部は、該デジタルカメラのディスプレイ部材に設けられているヒンジ構造。
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