JP4145517B2 - X線システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者用テーブルと、X線源及び放射線受信器を有し患者のX線画像を形成する機能を担う放射線モジュールとを含むX線システムに関わる。
【0002】
【従来の技術】
患者の略全ての臓器がX線検査を受け得ることが公知である。様々な方法がこの目的のために公知であり、このような方法は、例えば、断層撮影法、末梢及び静止の心血管撮影法、静脈造影法等を含む。単一の画像の捕捉と動きの撮像、つまり、コヒーレント画像シーケンスの形成の間でも区別がつけられる。この幅広い可能性は、一般的に、又は好ましくは、これらのタイプの検査夫々のために考えられる対応する幅広い種類のX線システムにおいて反映される。検査のタイプに依存して、検査されるべき臓器の撮像に適切な患者の姿勢又は位置は、患者用テーブルを用いて実現されなくてはならず、放射線モジュールを対応する画像捕捉位置に移動させることも可能でなくてはならない。最後に、放射線モジュールは、画像捕捉のタイプに適切でなくてはならない。
【0003】
一般的に、全てのタイプのX線検査が病院で行われなくてはならないため、異なるX線システムが要求され、このようなシステムは重要な費用係数となる。
【0004】
比較的高価であるがその小型化並びに従来の画像変換器の場合よりも簡単な(ディジタル)画像処理のため重要な利点を提供する新しいフラット検出器の展開によりX線システムの費用が上昇したことで問題は悪化した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、著しく多い数の異なるX線検査のために一般に使用され得る前述の種類のX線システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、このようなフラット検出器の高い費用にも関わらず非常に経済的に動作し得るX線システムを提供することで新しいフラット検出器又はR&F(X線撮影法&X線透視法)ディジタルシステムの所望の適用法を容易化することを更なる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、患者用テーブルと、X線源及び放射線受信器を含む放射線モジュールとを有するX線システムを用いて実現され、放射線モジュールは患者用テーブルに取り付けられ、X線源及び放射線受信が互いに面するようにして上に取り付けられるキャリヤを含み、上記キャリヤは、X線源が患者用テーブル面の上の位置から下の位置(オーバーテーブル技法)へ、X線受信器がテーブル面の下の位置から上の位置(アンダーテーブル技法)へと夫々反対側の位置へ移動され得るように旋回可能である。
【0008】
この解決策は、本発明によるX線システムが撮像されるべき臓器のタイプ、及び、実行されるべき検査に従って簡単に調節され得、従って、公知のシステムによって実施できる数よりも著しく多い数の幾つかの異なる検査のために一般的に使用され得、例えば、斜め照射を伴う画像露光も可能である点で特別な利点を有する。
【0009】
従属項は、本発明の有利な更なる実施例に関連する。
【0010】
請求項2及び3記載の実施例は、比較的簡単に組み立てられ、調節され得るコンパクトな構造ユニットの利点を提供する。
【0011】
請求項5及び6記載の実施例は、X線源及びX線受信器の調節可能性を更に高める。略全てのタイプのX線検査を含む一連の適用法は、請求項4、8、及び、9記載の実施例によって実現されるように患者用テーブルの調節可能性と組み合わされて特に実現される。
【0012】
最後に、請求項7記載の実施例は、特に横からの検査の場合に、X線源及び放射線受信器の別々の最適な調節を可能にする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の更なる詳細、特徴、及び、利点は、図面を参照して提供される好ましい実施例の以下の説明から明らかになる。
【0014】
本発明によるX線システムは、患者用テーブルと放射線モジュールとからなる。
【0015】
患者用テーブルは、基板11及び上方向に延在する2つの横のブレース12、13を有するU字形状のフレーム1を本質的に含む。2つのブレースは、矢印Aに従って入れ子式に延長可能であり、従って、フレーム1の高さを例えば、約740乃至1220mmの間の範囲で調節可能にさせる。
【0016】
横のブレース12、13の2つの上端では、テーブル面3が旋回可能となるようピボット2(一つを図示する)を用いて支承される。寸法は、テーブル面の縦方向に対して垂直方向に延在する水平方向の第1の軸(矢印B)の回りでテーブル面が図1に示す水平の位置から前に約90度傾けられ、後ろに約45度傾けられ得るよう選択される。テーブル面3は、患者を支持する支持板31、及び、縦方向(矢印C)に約+/−300mmシフトされ、横方向(矢印D)に約+/−80mmシフトされ得るようにして支持板13を上で案内するフレーム32を有する。キャリッジ34(破線によって図示する)はフレーム32上で案内され、放射線モジュールはテーブル面3の縦方向に、つまり矢印Eで示す方向に約400乃至700mm移動され得る上記キャリッジ上に取り付けられる。
【0017】
放射線モジュールは、旋回可能なキャリヤ4、5を有し、X線源6及び放射線受信器7(例えば、画像インテンシファイア又は散乱線除去グリッドを有するディジタルフラット検出器)は上記キャリヤの反対側の端に取り付けられる。キャリヤは、テーブル面3の平面に対して本質的に平行に延在する第1のアーム4を含み、第1のアームの第1の端はテーブル面3の横方向、つまり、矢印Fで示す方向に約160乃至320mm移動され得るようにして(従って放射線モジュール全体が移動され得るようにして)キャリッジ34で支承される。テーブル面3の縦方向にキャリッジ34が可動であるため、放射線モジュール全体もこの方向(矢印E)に移動され得る。
【0018】
更に、第1のアーム4の第1の端は、図1に示す位置から右へ約180度の角で旋回され得るようテーブル面3に対して垂直方向である第2の軸の回りで、矢印Gに従って、旋回可能となるようキャリッジ34上で支承される。
【0019】
第2のアーム5(図1では、垂直方向に延在して図示する)は、ピボット53を用いて第1のアーム4の第2の端に旋回式に取り付けられ、この第2のアームはテーブル面の平面に対して垂直な平面において本質的に延在し、矢印Hに従って、つまり、テーブル面3の平面に対して垂直に延在する平面において第1のアーム4の縦方向(第3の軸)の回りで約+/−180度の角で旋回され得る。
【0020】
第2のアーム5は、図1を参照するに図の上部分に示す第1の上セクション51、第2の下セクション52、並びに、これら2つのセクションが上に取り付けられ、案内され、矢印I及びJで示すように夫々の長手軸方向において一方が他方の中に入れ子式に移動され得るように構成されるピボット53を含む。第1のセクション51は約800mmの長さまで、第2のセクション52は約600mmの長さまで、ピボット53に対して移動され得ることが好ましい。
【0021】
X線システムのこの構成は、いわゆるオーバーテーブル技法及びいわゆるアンダーテーブル技法を使用する一方で操作するに好適である。つまり、X線源6はテーブル3の上の位置から、放射線受信器7はテーブル3の下の位置から、第1のアーム4を90度にわたって旋回させ、第2のアーム5を180度にわたって旋回させることで夫々の反対側の位置、つまり、テーブルの下の位置(オーバーテーブル技法)及びテーブルの上の位置(アンダーテーブル技法)へ夫々旋回され得る。これは、数度にわたって第2のアーム5を旋回させることで検査されるべき域の斜め照射が実施される、斜め画像の形成を可能にする。更に、テーブルの隣での自由な露光も2つのアームを適当に旋回させることで実施され得る。
【0022】
図1において上部分に示される第2のアーム5の第1のセクション51の端は、(矢印Hに従う)第3の軸に対して本質的に平行に延在する面にある本質的にL字形状の第1のキャリヤセクション54に接合される。X線源6は、この第1のキャリヤセクション54の自由リム541の方向、つまり、矢印Lの方向に摺動可能となるように案内される。更に、X線源6は、第3の軸に対して平行に延在する第4の軸の回りで旋回、つまり、例えば、+/−18度の角で(矢印Kに従って)旋回され得るよう旋回可能に取り付けられる。
【0023】
最後に、X線源6のコリメータは、矢印Mに従ってX線源の中心放射線の軸の回りで、つまり、約+/−45度の角で旋回され得る。結果として、X線ビームによって照射される域は、回転され得、又は、検査されるべき域だけの専用の放射線が可能となる一方で全ての他の域がマスクされるようにして形状が変化され得る。
【0024】
図1の下部分に示す第2のアーム5の第2のセクション52の端には、第3の軸に対して本質的に平行な面において延在する本質的にL字形状の第2のキャリヤセクション55が取り付けられる。放射線受信器7は、上記第2のキャリヤセクション55の自由リム551上に取り付けられ、上記放射線受信器は上記リムの方向、つまり、矢印Nの方向に摺動可能である。
【0025】
L字形状のキャリヤセクション54、55も、X線源6が矢印Lに従って一方の方向に移動され、放射線受信器7が反対の方向に矢印Nに従って移動される一方でX線源6が矢印Kに従って第4の軸の回りで同時に旋回されることで常に放射線受信器に向けられるとき、断層撮影画像の捕捉(「レイヤ撮像技法」)を可能にする。
【0026】
L字形状のキャリヤセクション54、55も最適な横の画像(「横テーブル技法」)の形成、つまり、テーブルをわたる横方向の画像の形成を可能にし、図1に示す放射線モジュールの位置から始まり、最初にアーム4が(後方で)右に90度旋回され、その後第2のアーム5が時計回りに90度旋回される。テーブル上での放射線コーンの高さは、X線源6並びに放射線受信器7を夫々の自由リム541、551の方向に移動させることで調節され得る。
【0027】
最後に、公知の方法でブッキーモジュール(グリッドドロワー)が更なる放射線受信器(図示せず)としてテーブル面の下に設けられてもよく、このモジュールは矢印Oの方向に移動され得、写真の単一画像を捕捉するために公知の方法で使用される。
【0028】
矢印A乃至矢印Oを参照して説明したX線システムの全ての動きは、適当な電気モータ及び駆動ユニットを用いて好ましくは実現される。
【0029】
この幾何学的形状及び説明した調節機構は、それらの性質及び範囲のため、最も幅広い種類の方法を用いて略全ての臓器、例えば、泌尿器科及び砕石術における検査に好適な一般的なX線システムを形成する。
【0030】
更に、システムは、テーブル面3の下で案内されるブッキーモジュールを用いて写真の単一画像を捕捉し、並びに、動的画像、つまり、動画像を捕捉することに好適である。第2のアーム5の第2のキャリヤセクション55上に配置される放射線受信器7は、公知の画像変換器又はディジタルフラット検出器或いは放射線学及び透視検査(R&F)のためのディジタルシステムのいずれかである。フラット検出器は、1秒当たり数画像まで捕捉することに好適であるため、本発明によるX線システムにおいて特に有利に使用され、それによりブッキーモジュールは不要になる。このようなシステムの一般的な有用性のため、このような検出器の比較的高い価格はもはや以前ほど決定的な費用係数ではない。
【0031】
本発明によるX線システムの更なる利点は、モジュール構造を有し、ビルディング・ブリック原理に従って組み立ての異なる段において動作し得ることによる点である。最も簡単なバージョンでは、X線システムは、泌尿器検査のために使用される。この場合、テーブル面3の高さを矢印Aに従って垂直方向に調節し、矢印Bに従ってテーブル面を旋回させることだけが必要であり、放射線モジュールに関しては、矢印E及びFに従ってテーブルの縦方向及び横方向に第1のアーム4を動かすことだけが必要である。
【0032】
泌尿器検査の幾らか拡げられたバージョンでは、例えば、ブッキーモジュールはテーブル面3の下に配置され、支持板31は矢印C及びDに従って縦方向及び横方向にフレーム32上で移動可能である。
【0033】
砕石術のための検査がX線システムを用いて同時に行われるとき、矢印Hに従って第3の軸の回りで第2のアームを旋回させ、矢印Iに従ってX線源6を移動させ、矢印Jに従って放射線受信器7を移動させることも追加的に必要となる。この適用法のために、上板31は、縦方向及び横方向に摺動可能となるようフレーム32上に配置されることが好ましく、従って、患者は相応じて位置決めされる。
【0034】
図1に示す完全に組み立てられた構造の構成において、矢印Lに従うX線源6の長手軸方向の移動、矢印Lに従うX線源6の第4の軸の回りでの傾き、及び、矢印Nに従う放射線受信器7の長手軸方向の移動は、X線システムを胸用スタンドとして使用することも可能にさせる。
【0035】
放射線モジュール及び患者用テーブルのモジュールの性質は、例えば、後の段において個々の構成要素又は説明した動きのために必要な複数の構成要素を追加又は交換することによって、後の段において拡張された適用範囲にX線システムを適合させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線システムの三次元の図である。
【符号の説明】
1 U字形状のフレーム
2、53 ピボット
3 テーブル面
4 第1のアーム
5 第2のアーム
6 X線源
7 放射線受信器
11 基板
12、13 ブレース
31 支持板
32 フレーム
34 キャリッジ
51 上セクション
52 下セクション
54 第1のキャリヤセクション
55 第2のキャリヤセクション
541、551 自由リム
Claims (9)
- 患者用テーブルと、X線源及び放射線受信器を含む放射線モジュールとを有し、該放射線モジュールは、前記患者用テーブルに取り付けられるキャリヤを含み、前記X線源及び前記放射線受信機は、互いに面し合うよう前記キャリヤ上に取り付けられ、前記キャリヤは、前記X線源及び前記放射線受信機が、前記患者用テーブルのテーブル面の上及び下のそれぞれの位置から前記患者用テーブルの前記テーブル面の下又は上の反対側のそれぞれの位置へ移動され得るよう旋回可能であるX線システムであって、
前記旋回可能なキャリヤは、第1のアームを有し、該第1のアームの第1の端は、前記患者用テーブルの前記テーブル面に対して本質的に垂直に延在する第2の軸について旋回され得るよう、前記患者用テーブルの前記テーブル面のフレームに取り付けられることを特徴とする、
X線システム。 - 第2のアームが、ピボットを手段として前記第1のアームの第2の端に取り付けられ、前記第2のアームは、前記X線源及び前記放射線受信器を具備し、前記患者用テーブル面の平面に対して本質的に垂直に延在する平面において旋回可能であることを特徴とする、請求項1に記載のX線システム。
- 前記患者用テーブル面は、その横方向に延在する第1の軸について傾けられるよう、フレーム上にピボットを手段として支承されることを特徴とする、請求項1に記載のX線システム。
- キャリッジが、前記患者用テーブル面の縦方向に摺動可能となるよう、前記患者用テーブル面の前記フレームに取り付けられ、前記第1のアームは、前記患者用テーブル面の前記横方向に摺動可能となるよう、前記キャリッジ上に支承されることを特徴とする、請求項1に記載のX線システム。
- 前記第2のアームは、第1のセクション及び第2のセクションから構成され、前記第1及び前記第2のセクションは、一方が他方の中に入れ子式に移動され得るよう前記ピボットに取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載のX線システム。
- 前記ピボット上の前記第1及び前記第2のセクションの反対側の端には、第1の本質的にL字形状のキャリヤセクション、及び、第2の本質的にL字形状のキャリヤセクションが配置され、前記各セクションは、前記第2のアームに対して本質的に垂直な平面にあり、前記X線源及び前記放射線受信器は、前記キャリヤセクションの夫々の自由リムの方向に摺動可能となるよう取り付けられることを特徴とする、請求項5に記載のX線システム。
- 前記患者用テーブル面は、支持板及びフレームを有し、前記支持板は、縦方向及び横方向に移動可能となるよう前記フレーム上に取り付けられることを特徴とする、請求項3に記載のX線システム。
- 前記フレームの高さは調節可能であることを特徴とする、請求項3に記載のX線システム。
- 前記放射線モジュール及び前記患者用テーブルは、モジュール構造を有することを特徴とする、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のX線システム。
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