JP4140732B2 - 車両用通信装置 - Google Patents
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Description
そこで、利用者が車両から離れるときに、携帯機を車両内に置き忘れた場合には、その状態を利用者に報知することが必要となる。つまり、携帯機が車両内にあるのか車両外にあるのかを判定する機能が要求されている。
また、LF帯アンテナからの放射電波の所定磁界強度内に携帯機が存在するときに、携帯機が反応するように設計されており、指定したLF帯アンテナに対する携帯機からの応答により、携帯機の存在を車載器が判定するようになっている。
RFIDに関する技術としては、無線タグ、ICタグ、RFタグ、IDタグなど、様々の名称で呼ばれているものがある。
RFIDシステムは、典型的にはRFタグおよびリーダライタにより構成され、両者が通信可能範囲内に存在する場合に、リーダライタからRFタグに電波を放射すると、RFタグから固有のタグIDが発信され、リーダライタは、タグIDを受信することにより、RFタグの存在情報とタグIDによる位置情報とを得るように構成されている。
すなわち、車載器は、アンテナを介して電力放射エリアに電波を放射し、電力放射エリア内のRFタグは、電波の受信電力を用いて、それぞれの固有IDを近傍のID到達可能エリアに発信し、ID到達可能エリア内の携帯機は、RFタグからの固有IDを受信して車載器に送信する。以下、車載器は、携帯機がどの固有IDを受信したかにより、携帯機がどのRFタグの近傍に存在するかを判定し、携帯機が車両の内側に存在するのかまたは外側に存在するのかを判定することになる。
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用通信装置を平面的に示す構成図である。
図1において、車両1の周辺部の適切な複数箇所には、複数のRFタグ2a〜2fが設置されている。
RFタグ2a〜2fは、図示した例(6個)に限らず、必要に応じて任意数だけ設置され得る。
車載器4に接続されたアンテナ3は、各RFタグ2a〜2fの存在領域のみに電波を放射するために、鋭い指向性を有し、たとえば車両1内のほぼ中央部に配置されている。
携帯機5は、通常は車両1の利用者(運転者)に所持されており、タグIDを受信する受信回路と、受信したタグIDを車載器4に送信する送信回路とを有している。
これにより、携帯機5は、複数のRFタグ2a〜2fの少なくとも1つが発信するタグIDを受信した場合に、受信したタグIDを送信するように構成されている。
複数のRFタグ2a〜2fの各々は、アンテナ3から放射された電波の受信に応答して、電力を発生して自身が保有しているタグIDを発信する。
携帯機5は、複数のRFタグ2a〜2fの少なくとも1つが発信するタグIDを受信した場合に、受信したタグIDを車載器4に送信する。
すなわち、携帯機5がRFタグ2a〜2fのうちのどのRFタグの固有IDを受信したかで、携帯機5がどのRFタグの近くに存在するかが分かるので、車載器は携帯機5から受信したタグIDにより携帯機の位置を判定できる。
また、使用されるRFタグ2a〜2fの周波数特性は、900[MHz]付近、または、2.45[GHz]付近のものが適しているが、必ずしもこれらの周波数に限定されるものではなく、高周波帯域であればよい。
さらに、アンテナ3および車載器4は、RFタグ2a〜2fの周波数特性に応じて設計される。
図2において、アンテナ3は、鋭い指向性を有する電力供給用の電波として、ビーム幅(半値幅)の狭い複数のビーム6a、6b、6c、・・・を放射する。ここでは、便宜的に、3つのビーム6a、6b、6cのみを示しているが、RFタグ2a〜2fの数に応じた数のビームが放射される。
アンテナ3は、独立したビーム6a、6b、6c、・・・を個別に放射する複数のアンテナにより構成されてもよい。
また、アンテナ3は、メインビーム以外にサイドローブを利用した構成とし、たとえばアンテナ3から遠い距離に位置するRFタグに対してはメインビームを放射し、アンテナ3から近い距離に位置するRFタグに対しては、サイドローブを放射するように構成されてもよい。
図3において、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
車載器4からアンテナ3を介して放射される各ビーム6a〜6fの方向は、各RFタグ2a〜2fの存在位置の方向と一致している。
まず、アンテナ3は、車載器4により駆動制御されて、すべてのRFタグ2a〜2fの設置方向に対応した複数のビーム6a〜6fからなる電波を一斉に放射する。
このとき、複数のビーム6a〜6fがサイドローブを利用して放射される場合には、メインビーム(ビーム6bまたは6e)は、アンテナ3からの距離が比較的大きいRFタグ2bまたはRFタグ2eに向けられる。
また、サイドローブは、アンテナ3の近傍に位置するRFタグ2a、2c、2d、2fに向けられる。
車載器4のアンテナ3から電波を受信したRFタグ2a〜2fは、近傍領域(電力放射エリアよりも狭い範囲)のID到達可能エリアに、各RFタグ2a〜2fが保有するそれぞれのタグIDを発信する。
最後に、車載器4は、携帯機5が送信したタグIDを受信し、携帯機5がどのタグIDを受信したかに基づいて、携帯機5がどのRFタグの近傍に存在するかを判定することができる。
したがって、アンテナ3から電波を放射しても、携帯機5からタグIDが受信されない場合には、携帯機5が車両1の外側に位置していることを判定することができる。
以上の機能を有するアンテナ3としては、たとえば、ロトマンレンズアンテナや、複数の素子で構成されるセクタアンテナなどが適用可能であるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
すなわち、RFタグ2a〜2fを動作させるための車載器4のアンテナ3として、半値幅の狭い鋭い指向性を有するアンテナを使用することにより、効率的に電力を使用して省電力化を実現することができる。
なお、上記実施の形態1では、車載器4のアンテナ3からRFタグ2a〜2fに対して同時にビーム6a〜6fを放射したが、RFタグ2a〜2fの各方向に順次にビーム6a〜6fを放射してもよい。
図4および図5はこの発明の実施の形態2に係る車両用通信装置を説明するための図であり、ビーム6a〜6fを順次に放射する場合の説明図および構成図を示している。
図4はこの発明の実施の形態2に適用されるアンテナ3Aの指向性(電波ビームのパターン形状)を模式的に示す説明図である。
図4において、車載器4Aは、アンテナ3Aを介して、1回に少なくとも1本のビームを放射し、たとえば矢印で示す順序で、半値幅の狭い鋭い指向性のビーム6a(破線)、ビーム6b(実線)、ビーム6c(点線)、・・・を放射する。
この場合、車載器4Aおよびアンテナ3Aの少なくとも一方は、ビーム6a、6b、6c、・・・を順次にスキャンする機能を有しており、ビーム6a、6b、6c、・・・の放射方向を、ビーム6aからビーム6bに、続いて、ビーム6bからビーム6cへと変更するようになっている。
また、図4においては、便宜的に3方向のビーム6a、6b、6cのみを示しているが、任意数のビームを形成することができる。さらに、複数のビームずつを同時に放射しながらビームスキャンしてもよい。
図5において、アンテナ3Aは、最初にRFタグ2aの方向にビーム6aの電波を放射し、続いて、一定時間の経過後に、RFタグ2bの方向に指向されたビーム6bの電波を放射する。
以下、同様に、RFタグ2c、2d、2e、2fの方向に、それぞれ、各ビーム6c、6d、6e、6fを順次放射し、すべてのRFタグ2a〜2fに電波を放射する。
このとき、1つのビームを放射してから次のビームを放射するまでの一定時間は、携帯機5が1つのRFタグから固有のタグIDを受信してから、受信したタグIDを車載器4Aに返信するまでに要する時間によりも長くなるように、十分な時間に設定される。
まず、図示したように、携帯機5が車両1の室内に存在した場合、携帯機5は、RFタグ2a〜2fのいずれかから受信したタグIDを車載器4Aに送信する。
これにより、車載器4は、携帯機5がどのタグIDを受信したかに基づいて、携帯機5がどのRFタグの近傍に存在するかを判定することができる。
なお、ここでは、便宜的に、6個のRFタグ2a〜2fを示しているが、RFタグの数は任意に増減可能なことは言うまでもない。
また、RFタグ2a〜2fに時計方向に電波(ビーム6a〜6f)を放射したが、放射順序は任意に設定され得る。
また、複数のビーム6a〜6fをスキャンするアンテナ3Aとして、たとえば、同時に2本ずつのビームをスキャンする構成を適用してもよい。
次に、アンテナ3Aとして、同時に2本ずつのビームをスキャンするように構成した場合について説明する。
続いて、一定時間の経過後に、RFタグ2c、2dに対して、同時に2本のビーム6c、6dを放射する。
以下、同様に、RFタグ2e、2fに対してビーム6e、6fを放射し、すべてのRFタグ2a〜2fを発信動作させる。
また、車載器4Aから同時に放射されるビームは、必ずしも隣り合っているビームである必要はなく、各RFタグ2a〜2fへの電波の放射の順序は、任意に設定され得る。
最後に、携帯機5は、受信したタグIDを車載器4Aに送信し、携帯機4Aは、どのタグIDを受信したかに基づいて、携帯機5がどのRFタグの近傍に存在するのかを判定することができる。
以上のスキャン機能を有するアンテナ3Aとしては、たとえばセクタアンテナ(複数のアンテナ素子で構成される)が適用されるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
また、電子的または機構的なスキャン機能を適用し、電力供給用のビーム6a〜6fを順次に放射することにより、すべてのRFタグ2a〜2fが同時に動作しないように構成したので、RFタグ2a〜2fが同時にタグIDを発信した場合にRFタグ2a〜2fの相互間で生じる干渉を低減することができる。
Claims (3)
- 車両の複数箇所に設置されて固有のタグIDを発信する複数のRFタグと、
前記車両に設置された車載器と、
前記車載器に接続されたアンテナと、
前記複数のRFタグの少なくとも1つが発信するタグIDを受信した場合に、受信したタグIDを送信するように構成された携帯機とを備え、
前記アンテナは、前記複数のRFタグに電波を放射するために、前記複数のRFタグの位置に対応したすべての方向に対して指向性を有し、
前記複数のRFタグの各々は、前記アンテナから放射された電波の受信に応答して、電力を発生して自身が保有しているタグIDを発信し、
前記車載器は、前記アンテナを介して前記複数のRFタグに向けて選択的に前記電波を放射するとともに、前記携帯機からの受信状態および前記携帯機から受信したタグIDに基づいて前記携帯機の位置を判定することを特徴とする車両用通信装置。 - 前記アンテナは、前記複数のRFタグに電波を放射する際に、前記複数のRFタグの位置に対応したすべての方向に対して同時にビームを放射することを特徴とする請求項1に記載の車両用通信装置。
- 前記アンテナは、前記複数のRFタグに電波を放射する際に、前記複数のRFタグの位置に対応した各々の方向に順次にビームを放射することを特徴とする請求項1に記載の車両用通信装置。
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