JP4140534B2 - A/d変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力電圧とランプ波形電圧とを比較することによりA/D変換を実行するA/D変換装置に関する。
二重積分型のA/D変換器は、入力電圧を一定時間だけ積分した後入力電圧に替えて基準電圧を積分し、積分器の出力電圧が初期電圧に戻るまでの時間を測定することによりA/D変換値を得るようになっている。特許文献1に記載されたA/D変換器は、被測定電圧に応じた電圧と予め設定された既知の設定電圧とを積分器の出力変化量が等しくなるように積分した場合の両積分時間の比に基づいて、被測定電圧をデジタル値に変換するようになっている。積分時間の計測手段は、複数連結された反転回路によりパルス信号を順次反転して伝搬する遅延回路を有し、予め定められた複数の反転回路から順次出力されるパルス信号の位相差時間を分解能として、積分時間を符号化するようになっている。
特開平10−4353号公報
二重積分型のA/D変換器は、アナログ部の回路構成が比較的簡単である。近年の半導体の微細加工プロセスにおいて、アナログ部のレイアウトサイズを小さくできることはコスト面で有利である。また、従来問題となっていた変換時間が遅いという問題に対しても、上記特許文献1に記載のA/D変換器を用いると、その計測手段の工夫により変換時間を短縮することが可能となる。
A/D変換器は、通常、複数のアナログ信号の中からマルチプレクサにより選択された信号を順次A/D変換するようになっている。従来の二重積分型のA/D変換器は、ある決まった初期電圧例えば0Vから積分動作を開始し、変換が正規に終了した場合には積分電圧は初期電圧に戻るようになっている。しかし、ある入力信号の変換中に、優先度の高い他のアナログ信号についてA/D変換の割り込みが発生した時には、積分電圧は初期電圧とは異なる電圧となっているため、積分コンデンサの電荷を初期化する初期化処理を実行しなければならず、その初期化に時間を要していた。その結果、変換時間の更なる短縮が難しく、逆に初期化時間を短くすると精度が低下する問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、精度を維持しつつ変換時間の更なる短縮が可能なA/D変換装置を提供することにある。
請求項1に記載した手段によれば、電圧−時間変換回路は、第1の基準電圧、第2の基準電圧および変換対象である入力電圧のうちから1つを選択可能に構成され、その選択された電圧とランプ波形電圧とを比較する1つのコンパレータを備え、ランプ波形電圧の1周期の期間中に、コンパレータの出力信号に基づいて第1の基準電圧、入力電圧、第2の基準電圧を順に選択し、各選択状態に対応して第1の基準電圧に応じた時間、入力電圧に応じた時間および第2の基準電圧に応じた時間を生成する。すなわち、一定の傾きで増加または減少するランプ波形電圧と第1の基準電圧、第2の基準電圧および変換対象である入力電圧とをそれぞれ比較することにより、基準時刻からランプ波形電圧と第1の基準電圧とが所定の関係(例えば等しい関係、以下同様)になるまでの時間、基準時刻からランプ波形電圧と第2の基準電圧とが所定の関係になるまでの時間および基準時刻からランプ波形電圧と入力電圧とが所定の関係になるまでの時間を生成する。
符号化回路は、生成された上記3つの時間を、例えば共通の単位時間との比に応じた符号データに変換する。演算回路は、第1、第2の基準電圧に対する符号データと第1、第2の基準電圧に対して予め決められたA/D変換値とから定まる変換特性(例えば符号データとA/D変換値との一次関数)に、入力電圧に対する符号データを当てはめることにより、入力電圧のA/D変換値を演算する。
本手段によれば、ある信号のA/D変換が終了した時、または、A/D変換途中において優先度の高い他の信号のA/D変換の割り込みが発生した時、一定の傾きで増加するランプ波形電圧を、第1の基準電圧、第2の基準電圧および入力電圧のうちの最小電圧よりも低い電圧にまで初期化すればよく、従来の二重積分型のA/D変換器のように初期電圧(例えば0V)まで完全に初期化する必要がない。ランプ波形電圧が一定の傾きで減少する場合には、第1の基準電圧、第2の基準電圧および入力電圧のうちの最大電圧よりも高い電圧にまで初期化すればよい。
その理由は、ランプ波形電圧の初期電圧は、電圧−時間変換回路で生成される第1の基準電圧に応じた時間、第2の基準電圧に応じた時間および入力電圧に応じた時間に共通に含まれるオフセット時間として関与し、そのオフセット時間は演算回路で変換特性を得る際に除かれるからである。これにより、A/D変換が正常に終了した場合のみならず、A/D変換が途中で終了して新たなA/D変換を開始するような場合においても、変換精度を低下させることなく、ランプ波形電圧の初期化に要する時間ひいては変換時間を短縮することができる。
請求項2に記載した手段によれば、電圧−時間変換回路への入力電圧の電圧範囲を高電位側と低電位側とから第1、第2の基準電圧で挟み込む電圧関係となる。これにより、演算回路において、入力電圧範囲の高低両端側における基準電圧の符号データとA/D変換値とから変換特性をより高精度に求めることができ、入力電圧に対してより高精度のA/D変換値を得ることができる。
請求項3に記載した手段によれば、第1の基準電圧は、入力電圧の電圧範囲よりも所定の余裕電圧だけ低い電圧に設定されており、第2の基準電圧は、入力電圧の電圧範囲よりも所定の余裕電圧だけ高い電圧に設定されている。この余裕電圧は、例えば電圧−時間変換回路や符号化回路の内部処理に要する時間に基づいて決めればよい。これにより、基準電圧と入力電圧とが接近していることによる電圧−時間変換回路や符号化回路における誤動作を確実に防止することができる。
請求項4に記載した手段によれば、A/D変換装置の外部からの入力電圧は、入力変換回路によりその電圧範囲が狭められて電圧−時間変換回路に与えられる。一般に、外部からの入力電圧の電圧範囲と、電圧−時間変換回路が変換可能な電圧範囲とは同じであることが多い(例えば0Vから5Vの電圧範囲)。入力変換回路を設けると、上述のように基準電圧と入力電圧との間に余裕電圧を設定した場合でも、電圧−時間変換回路において、基準電圧を変換可能とするために外部からの入力電圧の電圧範囲を制限する必要がなく、外部から入力される全電圧範囲についてA/D変換値を得ることができる。
請求項5に記載した手段によれば、入力変換回路は、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスの特性を持つ入力バッファ回路とサンプル・ホールド回路とを備えているので、出力インピーダンスが比較的高い外部装置からの電圧、変動の比較的大きい電圧であっても、高精度の変換が可能となる。
請求項6に記載した手段によれば、請求項1と同様の作用、効果を得ることができる。また、3つ以上の基準電圧を用いることにより、2つの基準電圧を用いた場合よりも高精度のA/D変換値を得ることができる。
請求項7に記載した手段によれば、補正用基準電圧を入力電圧としてA/D変換したときのA/D変換値と補正用基準電圧に対して予定されているA/D変換値との差(オフセット誤差)が得られ、これを用いて入力電圧についてオフセット補正を行うことができる。本手段は、入力バッファ回路やサンプル・ホールド回路などオフセット電圧が生ずる虞のある回路を追加した場合などに特に有用である。補正用基準電圧は複数用いてもよく、オフセット誤差が入力電圧に依存する場合には、入力電圧に応じてオフセット補正値を変えてもよい。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図10を参照しながら説明する。
図1は、mビットの分解能を持つA/D変換器の全体構成を示すブロック図である。このA/D変換器1(A/D変換装置に相当)は、例えば自動車に搭載される電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)で用いられる制御用ICに内蔵されており、各種センサ等(外部)から入力される複数の電圧Vch0〜Vchkのうちアナログマルチプレクサ2により選択された入力電圧VinをA/D変換するようになっている。制御用ICはCMOSプロセスにより製造されており、当該制御用ICにはCPUやメモリなどのデジタル回路、種々のアナログ回路、電源回路なども搭載されている。
A/D変換器1は、入力変換回路3、ランプ波形発生回路4、電圧−時間変換回路5、符号化回路6および正規化演算回路7から構成されている。これらの回路は、電源線8、9から電源電圧VDD(例えば5V)の供給を受けて動作するようになっている。以下、これらマルチプレクサ2およびA/D変換器1を構成する各回路の構成について詳しく説明する。
図2は、マルチプレクサ2の回路構成を示している。各チャンネルの入力線に与えられる入力電圧Vch0、Vch1、…、Vchkは、それぞれアナログスイッチ10(0)、10(1)、…、10(k)を介して共通の入力線11に与えられるようになっている。各チャンネルのアナログスイッチ10(0)、10(1)、…、10(k)は、それぞれCPU等から与えられる選択信号Sel(k:0)と当該信号をインバータ12(0)、12(1)、…、12(k)により反転した選択信号とによりオンオフ制御されるようになっている。
図3は、入力変換回路3の回路構成を示している。電源線8と9との間に抵抗R1とR2とが直列に接続されており、抵抗R1とR2との共通接続点と上記入力線11との間には抵抗R3が接続されている。上記共通接続点の電圧が、電圧−時間変換回路5に対して与えられる入力電圧Vin1となる。抵抗R1〜R3の抵抗値(符号と同じくR1〜R3で表す)は、次の(1)式の関係を有している。
R1=R2=2・R3 …(1)
図4は、一定の傾きで増加するランプ波形電圧V1を発生するランプ波形発生回路4の回路構成を示している。電源線8と9との間には、トランジスタQ1、抵抗R4およびトランジスタQ3並びにトランジスタQ2およびコンデンサC1がそれぞれ直列に接続されている。トランジスタQ1とQ2とはカレントミラー回路を構成しており、トランジスタQ2のドレインとコンデンサC1との共通接続点からランプ波形電圧V1が出力されるようになっている。コンデンサC1には放電用のトランジスタQ4が並列に接続されており、トランジスタQ3のゲートにはA/D変換の開始/終了を制御するための信号PAが与えられ、トランジスタQ4のゲートにはインバータ13を介して信号PAの反転信号が与えられている。
図5は、電圧−時間変換回路5の回路構成を示している。この電圧−時間変換回路5には、本発明でいう基準電圧生成回路も含まれている。その基準電圧生成回路14において、電源線8と9との間に抵抗R5、R6、R7が直列に接続されており、抵抗R5とR6との共通接続点、抵抗R6とR7との共通接続点にそれぞれ基準電圧Vref2、Vref1(第2、第1の基準電圧に相当)が生成されるようになっている。基準電圧Vref1は、後述するように入力電圧Vin1の電圧範囲よりも所定の余裕電圧だけ低い電圧に設定されており、基準電圧Vref2は、入力電圧Vin1の電圧範囲よりも所定の余裕電圧だけ高い電圧に設定されている。
電圧−時間変換回路5は、上述のランプ波形電圧V1と基準電圧Vref1、入力電圧Vin1および基準電圧Vref2をそれぞれ比較して、基準電圧Vref1、入力電圧Vin1および基準電圧Vref2のそれぞれの電圧に応じた時間を規定するPBパルス信号を生成するものである。基準電圧Vref1、入力電圧Vin1、基準電圧Vref2は、それぞれ電圧選択用のアナログスイッチ15、16、17を介してコンパレータ18の反転入力端子に与えられるようになっており、コンパレータ18の非反転入力端子には上述のランプ波形電圧V1が与えられるようになっている。
コンパレータ18の出力端子には、ワンショットパルス発生回路19が接続されている。このワンショットパルス発生回路19は、コンパレータ18の出力信号がLレベル(0V)からHレベル(VDD)に変化した時に幅狭のHレベルパルスを発生するものである。以下の説明において、PBパルス信号に現れるこのワンショットパルスをPBパルスと称す。
Dフリップフロップ20のクロック端子Cにはコンパレータ18の出力端子が接続されており、データ端子Dには電源線8が接続されている。また、出力端子Qからはインバータ21、22を介してPBパルス信号が出力されるようになっており、その出力端子Qは、奇数個のインバータが直列接続されてなる遅延回路23を介してANDゲート24の一入力端子に接続されている。このANDゲート24の他方の入力端子には信号PAが与えられており、その出力端子はDフリップフロップ20のリセット端子RBに接続されている。
選択制御回路25は、上記アナログスイッチ15、16、17の何れか一つのみを順次オンさせるように制御するものである。この選択制御回路25は、2つのDフリップフロップ26、27を備えており、アナログスイッチ15、16、17に対しそれぞれNORゲート28、29、30から選択信号S0、S1、S2を出力するようになっている。これらの選択信号S0、S1、S2は、それぞれ直接およびインバータ31、32、33を介してアナログスイッチ15、16、17に与えられている。
Dフリップフロップ26、27のリセット端子RBには信号PAが与えられており、クロック端子CにはDフリップフロップ20の出力信号が与えられている。Dフリップフロップ26の出力端子Qは、直接NORゲート28の入力端子に接続されており、また、インバータ34を介してNORゲート29、30の入力端子に接続されている。さらに、ANDゲート35を介してDフリップフロップ27のデータ端子Dにも接続されている。一方、Dフリップフロップ27の出力端子は、直接NORゲート28、29の入力端子に接続されており、インバータ36を介してNORゲート30の入力端子、ANDゲート35の入力端子およびDフリップフロップ26のデータ端子Dに接続されている。
図6は、符号化回路6の回路構成を示している。この符号化回路6は、信号PAがHレベルとなった時点からPBパルスの発生までの時間T1、T2、T3(それぞれ基準電圧Vref1、入力電圧Vin1、基準電圧Vref2に対応する時間:図10参照)を、それぞれ共通の単位時間(インバータ(図示せず)の遅延時間Td)との比に応じた符号データTA1、TA2、TA3に変換するものであり、パルス位相差符号化回路37、レジスタ38およびレジスタ39が縦続接続された構成となっている。図中のTD1〜TD3は、これら回路の出力データに付した名称である。
パルス位相差符号化回路37は、特開平03−220814号公報、特開平06−216721号公報、特開平07−183800号公報、特開平07−283722号公報などに開示されているものであり、例えば、連結された複数の遅延素子(インバータ)の所定の連結点から遅延信号を出力する遅延回路と、PBパルスが入力されるごとに遅延信号を出力した遅延素子の連結位置を表わすデジタルデータを生成するデジタルデータ生成回路と、これらデジタルデータに基づいて信号PAとPBパルスとの位相差に応じた2進符号データを演算するする演算回路とを備えて構成されている。PBパルスを入力する毎に、パルス位相差符号化回路37から出力される符号データは、順次レジスタ38、39に送られて保持されるようになっている。
図1に示す正規化演算回路7(演算回路に相当)は、基準電圧Vref1、Vref2の符号データTA1、TA3と基準電圧Vref1、Vref2に対して予め決められたA/D変換値Lf1、Lf2とから変換特性を求め、その変換特性に入力電圧Vin1に対する符号データTA2を当てはめることにより入力電圧Vin1つまり入力電圧VinのA/D変換値を演算するようになっている。この正規化演算回路7は、クロック信号CLK、リセット信号RESBおよびPBパルス信号を入力として動作する論理回路(ハードウェア)であるが、制御用ICに内蔵されたCPUによりソフトウェア処理する構成としてもよい。
次に、本実施形態の作用について図7ないし図10も参照しながら説明する。
図7は、信号PAとランプ波形電圧V1の波形を示している。マルチプレクサ2に選択信号Sel(k:0)が与えられてA/D変換の対象チャンネルが選択されるとともに、信号PAがLレベル(0V)からHレベル(VDD)になると、ランプ波形電圧V1が初期電圧(例えば0V)から一定の傾きで上昇を開始し、A/D変換器1は当該選択チャンネルの入力電圧VinについてA/D変換を開始する。
A/D変換中、図4に示すランプ波形発生回路4では、トランジスタQ3がオン、トランジスタQ4がオフとなり、電源電圧VDDと抵抗R4とにより定まる電流i1に等しい一定電流i2がコンデンサC1に流れ込む。コンデンサC1の初期電荷が0である場合、ランプ波形電圧V1は、信号PAがLレベルからHレベルに変化した時からの経過時間をtとして、次の(2)式で表わすことができる。
V1=(i2/C1)×t …(2)
ランプ波形電圧V1が電源電圧VDDまで達してA/D変換が完了した時(図7におけるta、tc)、またはA/D変換の途中で他チャンネルのA/D変換の開始を指令する割り込み信号が入力された時(tb)、信号PAはHレベルからLレベルになり、A/D変換器1はA/D変換を終了する。この場合、ランプ波形発生回路4では、トランジスタQ3がオフ、トランジスタQ4がオンとなり、コンデンサC1への充電電流i2が0となり、トランジスタQ4を通してコンデンサC1の電荷が急速に放電してランプ波形電圧V1は0Vになる。
後述するように、本発明ではランプ波形電圧V1を0Vまで完全に初期化する必要はなく、少なくとも基準電圧Vref1よりも低い電圧にまで初期化すれば、次のA/D変換を開始することができる。従って、図7および図8では時刻ta、tbの後に休止期間があるが、ランプ波形電圧V1が基準電圧Vref1よりも低い電圧にまで低下した時点で、次のA/D変換を開始してもよい。
図8は、電圧−時間変換回路5の各部の信号波形を示している。この図8は、上から順に、信号PA、コンパレータ18の出力信号P1、Dフリップフロップ20の出力信号P2、遅延回路23の出力信号P3、Dフリップフロップ20のリセット信号P4、選択信号S0、S1、S2を示している。また、図9は、1回のA/D変換について、ランプ波形電圧V1、PBパルス信号、信号PA、選択信号S0、S1、S2を示している。なお、図8における信号P2、P3、P4のパルス幅は、見易くするためにやや誇張して描かれており、それに伴ってパルス発生タイミングも図9と若干ずれたものとなっている。
それでは、これら図8、図9を参照しながら図5に示す電圧−時間変換回路5の動作を説明する。信号PAがLレベルの状態において、Dフリップフロップ20、26、27はともにリセットされ、選択信号S0、S1、S2のうちS0のみがHレベルとなっている。従って、アナログスイッチ15がオン、アナログスイッチ16、17がオフとなり、コンパレータ18は、ランプ波形電圧V1と基準電圧Vref1とを比較する。
信号PAがLレベルからHレベルになると、Dフリップフロップ20、26、27のリセットは直ちに解除される。やがて、ランプ波形電圧V1が基準電圧Vref1に達すると(時刻t1)、コンパレータ18の出力信号P1、Dフリップフロップ20の出力信号P2およびPBパルス信号がHレベルとなる。選択制御回路25では、信号P2をクロックとしてDフリップフロップ26、27の出力信号がそれぞれHレベル、Lレベルとなり、選択信号S0、S2がLレベル、選択信号S1がHレベルとなる。このとき、アナログスイッチ16がオン、アナログスイッチ15、17がオフとなり、コンパレータ18は、ランプ波形電圧V1と入力電圧Vin1とを比較するようになる。
一方、ワンショットパルス発生回路19では、信号P2がHレベルとなった時刻t1から遅延回路23の遅延時間Tcだけ遅れてリセット信号P4がLレベルとなり、Dフリップフロップ20がリセットされ、PBパルス信号がLレベルに戻される。そして、さらに遅延時間Tcだけ遅れてリセット信号P4がHレベルとなり、Dフリップフロップ20のリセット状態が解除される。
その後、ランプ波形電圧V1が入力電圧Vin1に達すると(時刻t2)、基準電圧Vref1との比較の場合と同様にPBパルス信号が一時的にHレベルとなる。そして、選択制御回路25では、Dフリップフロップ26、27の出力信号がともにHレベルとなり、選択信号S0、S1がLレベル、選択信号S2がHレベルとなる。その結果、アナログスイッチ17がオン、アナログスイッチ15、16がオフとなり、コンパレータ18は、ランプ波形電圧V1と基準電圧Vref2とを比較するようになる。さらに、ランプ波形電圧V1が上昇して入力電圧Vref2に達すると(時刻t3)、同様にしてPBパルス信号にワンショットパルスが発生し、選択制御回路25では、選択信号S1、S2がLレベル、選択信号S0がHレベルとなる。
すなわち、信号PAがLレベルからHレベルになった時点(時刻t0)からワンショットのPBパルスが発生する時点(時刻t1、t2、t3)までの時間T1、T2、T3は、それぞれ基準電圧Vref1、入力電圧Vin1、基準電圧Vref2に比例した時間となっている。この場合、時刻t0は、時間T1、T2、T3全ての基準時刻であって、少なくともT1>0となる時刻であればよい、従って、ランプ波形電圧V1が上昇を開始する初期電圧は0Vである必要はなく、少なくとも基準電圧Vref1よりも低い電圧であればよい。
ここで、基準電圧Vref1、Vref2の設定方法を説明する。上述したように、ワンショットパルス発生回路19は、コンパレータ18の出力信号P1(アップエッジ)を受け付けてTc幅のPBパルス信号を出力した後、再び出力信号P1を受け付け可能となるまでにTα(=2・Tc)のリセット復帰時間を必要とする。このため、基準電圧Vref1と入力電圧Vin1との間および入力電圧Vin1と基準電圧Vref2との間には、それぞれランプ波形電圧V1の傾きと関係して、リセット復帰時間Tαを確保できるだけの余裕電圧を必要とする。入力電圧Vin1の最小電圧、最大電圧をそれぞれVin1(min)、Vin1(max)とすれば、以下の(3)式と(4)式を満たす必要がある。
Tα<(Vin1(min)−Vref1)/(i2/C1) …(3)
Tα<(Vref2−Vin1(max))/(i2/C1) …(4)
この余裕電圧が必要となるため、外部からの入力電圧Vin(0VからVDDの範囲の電圧)をそのまま入力電圧Vin1として電圧−時間変換回路5に与えると、基準電圧Vref1を負の電圧、基準電圧Vref2を5Vを超える電圧に設定する必要が生じ、電圧−時間変換回路5に電源を供給する上で不都合となる。そこで、入力変換回路3を用いて入力電圧Vinの電圧範囲を狭め、それを電圧−時間変換回路5に与えるようにしている。入力電圧VinとVin1との関係は、次の(5)式となる。
Vin=2×Vin1−VDD/2 …(5)
さて、一例としてA/D変換時間が5μs、電源電圧VDDが5Vの場合、上述した(2)式により例えばi2=10μA、C1=10pFに設定することとなる。また、入力電圧Vinの電圧範囲が0V〜5Vの場合、入力電圧Vin1の電圧範囲は(5)式により1.25V〜3.75Vとなる。リセット復帰時間Tαを300nsとすれば、このTαの間におけるランプ波形電圧V1の電圧変化量は、10μA/10pF×300ns=0.3Vとなる。従って、リセット復帰時間Tαのみを考慮すれば、基準電圧Vref1<(1.25V−0.3V)、基準電圧Vref2>(3.75V+0.3V)とすればよい。
さらに、工程ばらつきとして、電流i2のばらつきが10%、コンデンサC1の静電容量のばらつきが15%、リセット復帰時間Tαのばらつきが30%とすれば、Tαの間におけるランプ波形電圧V1の電圧変化量は、10μA×(1+0.1)/10pF(1−0.15)×300ns(1+0.3)=0.505Vとなる。従って、工程のばらつきまで考慮すれば、基準電圧Vref1<(1.25V−0.505V)、基準電圧Vref2>(3.75V+0.505V)とする必要がある。本実施形態では、基準電圧Vref1を0.5V(=0.1×VDD)、基準電圧Vref2を4.5V(=0.9×VDD)に設定している。
図10は、符号化回路6のタイミングチャートを示している。符号化回路6は、PBパルスを入力すると、信号PAがHレベルとなった時点から当該PBパルスまでの時間T1、T2、T3をそれぞれ符号データTA1、TA2、TA3に変換する。符号データは、PBパルスが与えられるごとにレジスタ38、39に順にシフトされ、最終的にレジスタ39の出力データTD1が符号データTA1となり、レジスタ38の出力データTD2が符号データTA2となり、パルス位相差符号化回路37の出力データTD3が符号データTA3となる。なお、A/D変換器1のビット数をmとしたとき、入力電圧Vin1に対する符号データTA2の最大値と最小値との差は、2m以上必要である。
符号化回路6から符号データTA1、TA2、TA3が出力されると、正規化演算回路7は、A/D変換のビット数に合わせた正規化演算を行って、入力電圧Vinに対するA/D変換値を求める。
まず、電源電圧VDDの下で0VからVDDの電圧範囲の電圧Vinが入力される場合、mビットのA/D変換値の最小分解能VLSBは次の(6)式となる。
VLSB=VDD/2m …(6)
(5)式および(6)式を用いて、基準電圧Vref1(=0.1×VDD)、Vref2(=0.9×VDD)のA/D変換値(予め決められたA/D変換値)を求めると、次の(7)式、(8)式に示すLf1、Lf2となる。
Lf1=(2×Vref1−VDD/2)/VLSB=(−0.3×VDD)/VLSB …(7)
Lf2=(2×Vref2−VDD/2)/VLSB=(1.3×VDD)/VLSB …(8)
ランプ波形電圧V1が0Vから上昇を開始する場合、パルス位相差符号化回路37の時間分解能をTdとすれば、符号データTA1、TA2、TA3は、次の(9)式、(10)式、(11)式で表わすことができる。
TA1=T1/Td=(Vref1/(i2/C1))/Td …(9)
TA2=T2/Td=(Vin1/(i2/C1))/Td …(10)
TA3=T3/Td=(Vref2/(i2/C1))/Td …(11)
正規化演算回路7は、基準電圧Vref1、Vref2のA/D変換値Lf1、Lf2と符号データTA1、TA3とに基づいて、A/D変換値Yと符号データXとを関係付ける(12)で示す一次関数を求める。
Y=a・X+b …(12)
ここで、(7)式、(8)式、(9)式、(11)式より、aは(13)式のように定まり、さらに(8)式、(11)式、(13)式よりbは(14)式のように定まる。
a=(Lf2−Lf1)/(TA3−TA1) …(13)
b=Lf2−a×TA3 …(14)
続いて、次の(15)式によりYを求める。
Y=a・TA2+b …(15)
ここで、四捨五入処理を行うため、(15)式で求めたYに0.5を加えてZとし、そのZについて小数点以下の切り捨てを行う。その結果、Z≦0ならばA/D変換値を0とし、Z≧2m−1ならばA/D変換値を2m−1とし、それ以外のZについては当該ZをそのままA/D変換値とする。これにより、入力電圧Vinに対するA/D変換値AD(m-1:0)が得られる。なお、ここでは、説明のために式を順次展開してA/D変換値を求めたが、論理回路(ハードウェア)により構成された正規化演算回路7では、論理演算の簡単化が図られており、例えば(13)式における(Lf2−Lf1)は予め決められた値であるため、予めメモリに格納しておくことができる。
以上説明したように、本実施形態のA/D変換器1は、一定の傾きで増加するランプ波形電圧V1を生成し、そのランプ波形電圧V1と基準電圧Vref1、入力電圧Vin1および基準電圧Vref2とを比較することにより電圧−時間変換を行う。そして、得られた時間T1、T2、T3を符号化した符号データTA1、TA2、TA3と、基準電圧Vref1、Vref2に対し予め決められたA/D変換値Lf1、Lf2とを用いた正規化処理により、入力電圧Vinに対するA/D変換値AD(m-1:0)を求めることができる。
本A/D変換器1は、A/D変換の度に、入力電圧Vin1と基準電圧Vref1、Vref2とを同じランプ波形電圧V1を用いて電圧−時間変換を行うため、高精度の基準電圧Vref1、Vref2を用いれば、温度変化による素子定数の変化や製造プロセス上の素子定数のばらつき等が存在しても高精度のA/D変換値が得られる。
また、基準電圧Vref1とVref2は、電圧−時間変換回路5への入力電圧Vin1の電圧範囲を低電位側と高電位側とから挟み込むように設定されているため、A/D変換値Yと符号データXとの関係を示す(12)式を求める際、および(15)式により入力電圧Vinに対するA/D変換値Yを演算する際の演算誤差を低減することができる。
基準電圧Vref1と入力電圧Vin1との間および入力電圧Vin1と基準電圧Vref2との間には、それぞれリセット復帰時間Tαを確保できるだけの余裕電圧が確保されているので、電圧−時間変換回路5は、各電圧に対応して確実にPBパルスを生成することができる。そして、外部からの入力電圧Vinの電圧範囲を狭めた電圧Vin1を電圧−時間変換回路5に入力するので、たとえ上述のような余裕電圧を確保しても電圧−時間変換回路5の電源電圧を拡張する必要がない。また、電圧範囲を狭めることにより、コンパレータ18の入力電圧が0V付近またはVDD付近となることを回避でき、コンパレータ18をオフセット電圧の小さい入力電圧範囲内で用いることができる。
信号PAをHレベルにしてA/D変換を開始する際に、ランプ波形電圧V1を基準電圧Vref1よりも低い電圧にまで初期化すればよく、従来の二重積分型のA/D変換器のように初期電圧(0V)まで完全に初期化する必要がない。また、ランプ波形発生回路4において、コンデンサC1の放電は当該コンデンサC1に並列接続されたトランジスタQ4により行われるため、変換精度を低下させることなく、ランプ波形電圧V1の初期化に要する時間ひいてはA/D変換時間を短縮することができる。
さらに、従来の二重積分型のA/D変換器では積分器を構成するためにオペアンプを必要としていたが、本A/D変換器1では積分器に替えてランプ波形発生回路4を設ければよいため、従来のものと比較して回路構成を小さくできる。
アナログスイッチ15、16、17と選択制御回路25とを用いて、コンパレータ18に入力する電圧を順次選択するようになっているので、電圧−時間変換回路5はコンパレータの数を減らすことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図11および図13を参照しながら説明する。
図11は、A/D変換器の全体構成を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付して示している。このA/D変換器40は、図1に示すA/D変換器1に対し、入力バッファ回路、サンプル・ホールド回路およびオフセット補正回路を付加した点が異なっており、それに伴って入力変換回路41、電圧−時間変換回路42および正規化演算回路43の構成が変更されている。オフセット補正回路は、各回路例えば入力バッファ回路やサンプル・ホールド回路で生じるオフセット電圧等の影響を排除するために設けられている。
図12は、入力変換回路41の回路構成を示している。抵抗R1〜R3からなる電圧変換部の構成と抵抗値は、図3に示した入力変換回路3と同じである。入力変換回路41では、入力線11と抵抗R3との間に入力バッファ回路44が設けられており、上記電圧変換部の後段にサンプル・ホールド回路45が設けられている。サンプル・ホールド回路45は、アナログスイッチ46、ホールドコンデンサC3およびバッファ回路47から構成されている。入力バッファ回路44とバッファ回路47は、ともにボルテージフォロアの接続形態を持つオペンアンプにより構成されている。アナログスイッチ46は、制御信号SEと当該信号をインバータ48により反転した制御信号とによりオンオフ制御されるようになっている。
図13は、電圧−時間変換回路42の回路構成を示している。この電圧−時間変換回路42に含まれる基準電圧生成回路49(補正用基準電圧生成回路に相当)は、電源線8と9との間に抵抗R5、R8、R9、R7が直列に接続された構成を備えており、抵抗R5とR8との共通接続点、抵抗R8とR9との共通接続点、抵抗R9とR7との共通接続点に、それぞれ基準電圧Vref2、Vref3、Vref1(第2の基準電圧、補正用基準電圧、第1の基準電圧に相当)が生成されるようになっている。抵抗R8とR9との共通接続点には、電源線9との間にコンデンサC2が接続されている(図11参照)。その他の回路部分は、図5に示す電圧−時間変換回路5と同一構成となっている。
図1に示す正規化演算回路43(演算回路、オフセット補正回路に相当)は、第1の実施形態で説明した正規化演算回路7と同様のA/D変換値の演算機能に加え、補正用基準電圧Vref3を入力電圧としてA/D変換したときのA/D変換値とこの補正用基準電圧Vref3に対して予め決められたA/D変換値とに基づいて、オフセット補正を施すようになっている。
このA/D変換器40の基本動作はA/D変換器1と同様であり、以下異なる動作についてのみ説明する。信号PAをHレベルにしてA/D変換を開始するのに先立って、制御信号SEをHレベル(サンプリング)からLレベル(ホールド)にし、サンプリングした入力電圧Vin1をホールドする。このようにサンプル・ホールド回路45を設けることにより、A/D変換中における入力電圧Vinの変動によるA/D変換誤差の発生を防止することができる。また、入力バッファ回路44を設けたので、出力インピーダンスが比較的高いセンサ等からの電圧であっても、高精度の変換が可能となる。
基準電圧生成回路49で生成された補正用基準電圧Vref3をマルチプレクサ2を通して入力したとき、正規化演算回路43は、そのA/D変換値と補正用基準電圧Vref3に対して予め決められたA/D変換値との差(オフセット)を記憶する。そして、それ以降、入力電圧Vinに対して得られたA/D変換値AD(m-1:0)に対し、上記オフセットを用いてオフセット補正を施す。オフセットの原因としては、入力バッファ回路44やバッファ回路47のオフセット電圧等が考えられる。
例えば、A/D変換器40が10ビットの分解能を持つ場合、補正用基準電圧Vref3をVDD/2(=2.5V)に設定する。そして、その補正用基準電圧Vref3のA/D変換値が513であった場合、予定されるA/D変換値512との差(=1)がオフセットとなる。そこで、正規化演算回路43は、符号データTA1、TA2、TA3に基づいて演算したA/D変換値AD(m-1:0)に対しオフセット1を減算して最終的なA/D変換値を求める。補正用基準電圧Vref3を用いたオフセットの獲得は、電源投入時、所定時間ごと、A/D変換ごとなど適宜行えばよい。
本実施形態によれば、入力バッファ回路44やサンプル・ホールド回路45を設けることによる利点に加え、これらの追加回路のオフセット電圧の影響を排除することができるので、第1の実施形態で説明したA/D変換器1よりもさらに高精度のA/D変換器40を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
ランプ波形電圧V1は、一定の傾きで減少する電圧であってもよい。この場合、ランプ波形電圧V1を電源電圧VDDまで完全に初期化する必要はなく、少なくとも基準電圧Vref2よりも高い電圧にまで初期化すれば、次のA/D変換を開始することができる。
準電圧Vref1、入力電圧Vin1、基準電圧Vref2に対する電圧−時間変換の結果を共通のPBパルス信号として出力しているが、別々の信号として出力するように構成してもよい。
基準電圧Vref1、Vref2と入力電圧Vin1とが接近しまたは等しくても、電圧−時間変換回路がそれぞれの電圧に対応した時間(例えばPBパルス)を発生可能な構成である場合には、上述した余裕電圧の確保は必要ない。また、入力電圧Vin1の電圧範囲を低電位側と高電位側とから挟み込むように基準電圧Vref1、Vref2を設定する必要もなく、入力電圧Vin1の電圧範囲内に基準電圧Vref1、Vref2を設定することができる。
また、3つ以上の基準電圧を設定し、各基準電圧に対する符号データと各基準電圧に対して予め決められたA/D変換値とから定まる変換特性に、入力電圧Vin1に対する符号データを当てはめてA/D変換値を演算してもよい。この構成によれば、回路中に非線形要素が入っていた場合において、2つの基準電圧を用いる場合に比べて高精度のA/D変換値を得ることができる。
第1の実施形態において、入力電圧Vinをマルチプレクサ2を介してそのまま電圧−時間変換回路5に入力しても、電圧−時間変換回路5が入力電圧Vinおよび基準電圧Vref1、Vref2についてPBパルスを生成することができる場合には、入力変換回路3を省略してもよい。また、第2の実施形態においては、上述の場合に抵抗R1〜R3からなる電圧変換部を省略してもよい。
第2の実施形態において、入力バッファ回路44またはサンプル・ホールド回路45の何れか一方を省略した回路形態としてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るA/D変換器の全体構成を示すブロック図 マルチプレクサの回路構成を示す図 入力変換回路の構成を示す図 ランプ波形発生回路の構成を示す図 電圧−時間変換回路の構成を示す図 符号化回路の構成を示す図 信号PAとランプ波形電圧V1の波形を示す図 電圧−時間変換回路のタイミングチャート 1回のA/D変換についてランプ波形電圧V1と電圧−時間変換回路の各部の信号波形を示す図 符号化回路のタイミングチャート 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 図3相当図 図5相当図
符号の説明
1、40はA/D変換器(A/D変換装置)、3、41は入力変換回路、4はランプ波形発生回路、5、42は電圧−時間変換回路、6は符号化回路、7は正規化演算回路(演算回路)、14は基準電圧生成回路、43は正規化演算回路(演算回路、オフセット補正回路)、44は入力バッファ回路、45はサンプル・ホールド回路、49は基準電圧生成回路(補正用基準電圧生成回路)である。

Claims (7)

  1. 一定の傾きで増加または減少するランプ波形電圧を発生するランプ波形発生回路と、
    第1の基準電圧と第2の基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    前記第1の基準電圧、前記第2の基準電圧および変換対象である入力電圧のうちから1つを選択可能に構成され、その選択された電圧と前記ランプ波形電圧とを比較する1つのコンパレータを備え、前記ランプ波形電圧の1周期の期間中に、前記コンパレータの出力信号に基づいて前記第1の基準電圧、前記入力電圧、前記第2の基準電圧を順に選択し、各選択状態に対応して前記第1の基準電圧に応じた時間、前記入力電圧に応じた時間および前記第2の基準電圧に応じた時間を生成する電圧−時間変換回路と、
    この電圧−時間変換回路により生成された前記3つの時間をそれぞれ時間に応じた符号データに変換する符号化回路と、
    この符号化回路により変換された前記第1、第2の基準電圧に対する符号データと前記第1、第2の基準電圧に対して予め決められたA/D変換値とから定まる変換特性に、前記符号化回路により変換された前記入力電圧に対する符号データを当てはめることにより、前記入力電圧のA/D変換値を演算する演算回路とを備えて構成されていることを特徴とするA/D変換装置。
  2. 前記第1の基準電圧は、前記電圧−時間変換回路への入力電圧の電圧範囲よりも低い電圧に設定されており、前記第2の基準電圧は、前記電圧−時間変換回路への入力電圧の電圧範囲よりも高い電圧に設定されていることを特徴とする請求項1記載のA/D変換装置。
  3. 前記第1の基準電圧は、前記電圧−時間変換回路への入力電圧の電圧範囲よりも所定の余裕電圧だけ低い電圧に設定されており、前記第2の基準電圧は、前記電圧−時間変換回路への入力電圧の電圧範囲よりも所定の余裕電圧だけ高い電圧に設定されていることを特徴とする請求項2記載のA/D変換装置。
  4. 前記電圧−時間変換回路の前に、当該電圧−時間変換回路への入力電圧の電圧範囲が外部から与えられる入力電圧の電圧範囲に対し狭まるように電圧変換を行う入力変換回路を設けたことを特徴とする請求項2または3記載のA/D変換装置。
  5. 前記入力変換回路は、入力バッファ回路とサンプル・ホールド回路とを備えていることを特徴とする請求項4記載のA/D変換装置。
  6. 一定の傾きで増加または減少するランプ波形電圧を発生するランプ波形発生回路と、
    複数の基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    前記複数の基準電圧および変換対象である入力電圧のうちから1つを選択可能に構成され、その選択された電圧と前記ランプ波形電圧とを比較する1つのコンパレータを備え、前記ランプ波形電圧の1周期の期間中に、前記コンパレータの出力信号に基づいて前記各基準電圧および前記入力電圧を順に選択し、各選択状態に対応して前記各基準電圧に応じた時間および前記入力電圧に応じた時間に応じた時間を生成する電圧−時間変換回路と、
    この電圧−時間変換回路により生成された各時間をそれぞれ時間に応じた符号データに変換する符号化回路と、
    この符号化回路により変換された前記各基準電圧に対する符号データと前記各基準電圧に対して予め決められたA/D変換値とから定まる変換特性に、前記符号化回路により変換された前記入力電圧に対する符号データを当てはめることにより、前記入力電圧のA/D変換値を演算する演算回路とを備えて構成されていることを特徴とするA/D変換装置。
  7. 補正用基準電圧を生成する補正用基準電圧生成回路を備え、
    前記補正用基準電圧を入力電圧としてA/D変換したときのA/D変換値と、前記補正用基準電圧に対して予定されているA/D変換値とに基づいて、前記演算回路から出力されるA/D変換値にオフセット補正を施すオフセット補正回路を設けたことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のA/D変換装置。
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