JP4140177B2 - 気化式加湿機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化式加湿機の制御装置に関し、特に気化エレメントを除菌するときの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
気化式加湿機は、気化エレメントを水で濡らして、そこに送風ファンで発生した風を当てて加湿を行うものであるため、長く使用しているうちに、その気化エレメントに雑菌やカビなどが付着して繁殖してしまうという不具合が生じることがあった。
このため、気化式加湿器の気化エレメントについては、定期的に熱水を掛けるなどをして除菌処理を行う必要がある。
【0003】
そこで、従来は図8に示すような気化式加湿機が提案されている。
図8において、1は気化式加湿機の本体、2はこの本体1内下部に設けられた水槽、3はこの水槽2内の水に下部が浸るように配設された吸水性を有する気化エレメント、4は水槽2内の水を加熱するヒータ、5は水タンク、6は送風ファン、7は吸入口、8は吐出口である。
図9は従来の気化式加湿機の制御ブロック図であり、9はマイクロコンピュータ、10はマイクロコンピュータ9内に備えられている判定手段、11は運転スイッチ、12は湿度設定スイッチ、13は表示手段である。
上記構成からなる従来の気化式加湿装置において、通常の加湿をする場合は、水槽2内に水を入れ、運転スイッチ11をオンすることで、マイクロコンピュータ9は運転スイッチ11のオン信号を判定手段10で判断し、送風ファン6をオンして吸入口7から外気を吸い込み、気化エレメント3を通して吐出口8より外部に放出する。一方、前記気化エレメント3はその吸水性により水槽2内の水を吸い上げて水で濡れているので、気化エレメント3を通過した空気は湿気を帯び、湿気を帯びた空気が室内に放出されて加湿が行われる。加湿量をアップさせたいときは、マイクロコンピュータ9によって送風ファン6の回転数をアップさせたり,ヒータ4をオンして水槽2内の水を加熱し、温水を気化エレメント3に供給するようにする。このとき、表示手段13で設定湿度や現在湿度、及び連続加湿運転や省エネ運転などの運転情報が表示される。
また、気化エレメント3の除菌は、加湿運転の途中や加湿運転の終了時に、マイクロコンピュータ9が自動的にヒータ4に通電して水槽2内の水を加熱して熱水にし、この熱水を気化エレメント3が吸い上げることで、気化エレメント3の除菌が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の気化式加湿機は、上述したように、加湿運転の途中や加湿運転の終了時に、マイクロコンピュータ9がヒータ4に自動的に通電して加熱した熱水を気化エレメント3に供給して除菌運転を行ってはいるが、表示手段13では設定湿度や現在湿度、及び連続加湿運転や省エネ運転などの加湿運転に関する情報のみを表示ランプ等で表示しているだけであり、使用者は除菌作業が確実に行われているのかどうかよくわからず、不安であった。また、ヒータ4に通電されて水槽2内の水温が高くなっている場合に、加湿運転のためなのか、それとも除菌運転のためなのか、まったく区別が付かないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、除菌作業が確実に行われているのかが分かり、かつ加湿運転中と除菌運転中との区別が付いて、使用者が安心して使用できる加湿機の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による気化式加湿機の制御装置は、運転スイッチ、送風ファン、気化エレメント、水槽内の水を加熱するヒータ、水槽内の水温を検出する温度センサ、加湿機の運転情報を表示する表示手段、加湿機の運転を制御するマイクロコンピュータを備え、運転スイッチにより上記マイクロコンピュータによって加湿運転と除菌運転を制御するものにおいて、上記マイクロコンピュータは、前記除菌運転時であって、且つ、前記温度センサによって検出された水槽内の水温が所定値よりも高い場合に、上記表示手段で除菌運転中であることを表示させるようにしたものである。
【0007】
また、上記マイクロコンピュータは、運転スイッチのオンから所定時間間隔で加湿運転と除菌運転とを繰り返すように制御し、前記除菌運転時であって、且つ、前記温度センサの検出値が所定値よりも高い場合に、表示手段で除菌運転中であることを表示させるようにしたものである。
【0008】
また、上記マイクロコンピュータは、表示手段が除菌運転中であることを表示させているときは、送風ファンの回転を停止させるように制御するものである。
【0009】
さらに、上記除菌運転を単独動作として選択できる除菌スイッチを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の実施の形態1を示す気化式加湿機の構成図、図2はこの実施の形態1における制御装置の主要ブロック図、図3はこの実施の形態1における気化式加湿機の要部正面図、図4はこの実施の形態1におけるマイクロコンピュータに記憶された動作プログラムを示すフローチャートである。
【0011】
図1において、1は気化式加湿機の本体、2はこの本体1内下部に設けられた水槽、3はこの水槽2内の水面に触れることなく、その上方に配置された吸水性を有する気化エレメント、4は水槽2内の水を加熱するヒータ、5は水タンク、6は送風ファン、7は吸入口、8は吐出口、14は水槽2内の水温を検出する温度センサ、15は前記吸入口7に対向して配したプレフィルター、16は水槽2内の水を汲み上げる汲上げポンプ、17は水管、18は水管14の先端部分に設けたシャワー口である。
【0012】
図2において、9はマイクロコンピュータ、11は運転スイッチ、12は湿度設定スイッチ、19は加湿運転の各運転モードを切り換える運転切換スイッチ、10はマイクロコンピュータ内に備えられている判定手段、20は同じくマイクロコンピュータ9内に備えられているタイマー手段、14は温度センサ、13は表示手段である。また、図3において、21は設定湿度や現在湿度及び加湿運転の各運転モードやその他の運転情報を表示する表示手段13としての液晶表示部である。
【0013】
次に、上記実施の形態1の動作を図4のフローチャートにより説明する。
運転スイッチ11がオンされると(ステップS1)、マイクロコンピュータ9は、まず加湿運転を行う(ステップS2)。通常の加湿運転時は、ヒータ4、送風ファン6、汲上げポンプ16に通電される。これにより、水槽2内の水は適度の温水(例えば60〜100℃)に加熱されて汲上げポンプ16によって汲み上げられ、水管17を通ってシャワー口18に導かれる。そして、シャワー口18に導かれた温水は分散されて気化エレメント3の上部に供給され、気化エレメント3の上部に供給された温水は、気化エレメント3の上部から下部に向かって流下し、気化エレメント3全体に浸透する。余分に供給された温水は気化エレメント3の下部から滴下して水槽2内に戻る。一方、送風ファン6の運転により吸入口7から室内の乾燥した空気が吸い込まれ、この乾燥した空気が吸水した前記気化エレメント3を通過することにより湿気を帯び、吐出口8から外部に放出されることによって、加湿が行われる。そして、この加湿運転が一定時間(例えば1時間)行われ、運転開始から一定時間が経過すると(ステップS3)、次に、除菌運転に移行する(ステップS4)。
【0014】
この除菌運転時には、送風ファン6の運転をを停止して、ヒータ4と汲上げポンプ16のみを運転する。これにより、ヒータ4は水槽2内の水をあらかじめ設定された所定温度(例えば80℃)まで加熱し、汲上げポンプ16は加熱された熱水を汲み上げて加湿運転時と同じように水管17を介してシャワー口18に送り、気化エレメント3の上部に供給する。そして、熱水は気化エレメント3全体に浸透した後、水槽2内に戻り、再び所定温度に昇温されて汲上げポンプ16で汲み上げられる。そして、除菌作業が終了するまでこの動作をくり返えす。
【0015】
ステップS4で、除菌運転に移行すると、次に、水槽2内の水温を検出している温度センサ14の検出信号をマイクロコンピュータ9が読み込み(ステップS5)、さらに、この読み込んだ温度センサ14の検出値とあらかじめ記憶されている所定値(例えば70℃)と判定手段10で比較判定をし(ステップS6)、所定値より高ければ、気化エレメント3の除菌運転中であることを液晶表示部21で表示する(ステップS7)。そして、除菌運転が所定時間行われて終了すると(ステップS8)、加湿機の全運転を終了する。
【0016】
このように、上記実施の形態1によれば、除菌運転時において、温度センサ14により水槽2内の水温を検出して、水槽2内の水温があらかじめマイクロコンピュータ9に記憶された所定値よりも高い場合は、気化エレメント3の除菌運転中であることを表示手段13としての液晶表示部21で表示するようにしているので、使用者は除菌作業が確実に行われているかどうかが明確に分かり、また、水槽2内の水が加熱されている場合に、加湿運転中なのかそれとも除菌運転中なのかが簡単に区別付くようになり、安心して加湿機を使用することができる。
【0017】
また、除菌運転時には、送風ファン6の回転を停止させるようにしているので、送風によって気化エレメント3に浸透した熱水の温度が下げられるという不具合がなく、効率よく除菌することができ、除菌作業が短時間にできるようになる。
【0018】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図5は本発明の実施の形態2を示すブロック図であり、図6はその動作プログラムを示すフローチャートである。
前述の実施の形態1では、加湿運転が一定時間行われた後に自動的に除菌運転が実行されるものについて説明したが、この実施の形態2では、除菌運転のみを単独に選択できる除菌スイッチを設けたものである。
図5において、22は除菌スイッチである。なお、その他の構成は、図2と同一なので、説明を省略する。
次に、図6のフローチャートにより実施の形態2の動作を説明する。
図4に示す実施の形態1とは、ステップS1とステップS2の間にステップS12が追加されている点で相違している。
【0019】
ステップS12で、除菌スイッチ22がオンの場合は、ステップS2及びステップS3をジャンプしてステップS4に進み、除菌運転に入る。以後の動作は実施の形態1の場合と同じである。
【0020】
従って、この実施の形態2によれば、実施の形態1の効果のほかに、除菌スイッチ22を使用すれば、除菌運転を任意に単独運転できるので、必要なときにいつでも除菌運転が行え、気化エレメント3を常時清潔な状態に保つことができるという効果が得られる。
【0021】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図7は本発明の実施の形態3を示すフローチャートである。
前述した実施の形態1では、加湿運転が一定時間行われた後に自動的に除菌運転が実行されるものについて説明したが、この実施の形態3では、除菌運転が終了すると、また加湿運転に戻り、運転スイッチ11がオフされるまで加湿運転と除菌運転を所定時間毎に繰り返すように構成したものである。
【0022】
また、図7のフローチャートにおいて、ステップS8の除菌運転の終了すると、ステップS1の運転スイッチ11のオン・オフ判定に戻るようにループを構成している。このため、運転スイッチ11がオフされるまでは、加湿運転と除菌運転を交互に繰り返す。
従って、この実施の形態3によれば、実施の形態1の効果のほかに、いつも気化エレメント3が除菌された状態の下で連続加湿を行うことができる。
【0023】
なお、上記実施の形態1〜3において、ステップS3のタイマー手段20により計時する一定時間としては、加湿能力にもよるが、通常の場合、例えば1時間程度に設定するのがよい。また、実施の形態3のように、加湿運転と除菌運転とを繰り返す場合は、初回の一定時間と繰り返し時の一定時間の値を変更してもよく、例えば、初回は1時間程度に設定し、2回目以降は3〜4時間程度に設定してもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1によれば、除菌運転時において、水槽内の水温を検出する温度センサの検出値が所定値より高い場合に、表示手段により除菌運転中を表示するように構成したので、除菌作業が確実に行われているかが分かり、かつ運転スイッチオン時の加湿運転と除菌運転との区別が簡単に付き、使用者は安心して加湿機を使用することができる。
【0025】
また、本発明の請求項2によれば、上記請求項1の効果のほかに、運転スイッチのオン後、所定時間間隔で加湿運転と除菌運転を繰り返し行うように構成したので、いつも気化エレメントが除菌された状態の下で加湿することができ、気化エレメントを清潔に保つことができる。
【0026】
また、本発明の請求項3によれば、上記請求項1の効果のほかに、除菌運転中は、送風ファンの運転を停止させるようにしたので、気化エレメントに浸透させた熱水の温度を下げるようなことがなく、効率よく除菌することができ、除菌作業を短時間にできるようになる。
【0027】
さらに、本発明の請求項4によれば、上記請求項1の効果のほかに、除菌運転を単独で選択できる除菌スイッチを設けたので、除菌運転を必要なときにいつでも行うことができ、気化エレメントをいつも清潔な状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気化式加湿機の実施の形態1を示す構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1を示す制御装置の主要ブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態1を示す気化式加湿機の要部正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態2を示す制御装置の主要ブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態2を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態3を示すフローチャートである。
【図8】 従来の気化式加湿機を示す構成図である。
【図9】 従来の気化式加湿機の制御装置の主要ブロック図である。
【符号の説明】
1 加湿機本体、2 水槽、3 気化エレメント、4 ヒータ、5 水タンク、6 送風ファン、9 マイクロコンピュータ、10 判定手段、11 運転スイッチ、13 表示手段、14 温度センサ、20 タイマー手段、21 液晶表示部、22 除菌スイッチ。
Claims (4)
- 運転スイッチ、送風ファン、気化エレメント、水槽内の水を加熱するヒータ、水槽内の水温を検出する温度センサ、加湿機の運転情報を表示する表示手段、加湿機の運転を制御するマイクロコンピュータを備え、運転スイッチにより上記マイクロコンピュータによって加湿運転と除菌運転を制御するものにおいて、
上記マイクロコンピュータは、前記除菌運転時であって、且つ、前記温度センサによって検出された水槽内の水温が所定値よりも高い場合に、上記表示手段で除菌運転中であることを表示させるようにしたことを特徴とする気化式加湿機の制御装置。 - 上記マイクロコンピュータは、運転スイッチのオンから所定時間間隔で加湿運転と除菌運転を繰り返すように制御し、前記除菌運転時であって、且つ、前記温度センサの検出値が所定値よりも高い場合に、上記表示手段で除菌運転中であることを表示させることを特徴とする請求項1記載の気化式加湿機の制御装置。
- 上記マイクロコンピュータは、表示手段で除菌運転中を表示させているときは、送風ファンの運転を停止させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の気化式加湿機の制御装置。
- 上記除菌運転を単独で選択できる除菌スイッチを備えたことを特徴とする請求項1記載の気化式加湿機の制御装置。
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