JP4140002B2 - 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗料、インキなどのコーティング剤や接着剤としては、高分子の有機溶剤溶液が主に用いられていたが、近年、大気汚染をはじめとする公害の防止、消防法上の規制、労働条件の安全性や衛生面などが考慮され、水溶性高分子や高分子のエマルジョンといったものへの置換が切望されている。当該水溶性高分子としては、柔軟性に特徴を有する水性ポリウレタン樹脂が考えられるが、当該水性ポリウレタン樹脂は、プラスチックに対する密着性が不十分であり、また、高温下または低温下での安定性が不十分であるという欠点があった。プラスチックへの密着性を向上させるべく、ポリエチレンオキサイド構成単位とペンダントアニオン性基を有したポリウレタン樹脂が提案されている(特許文献1参照)が、当該水性ポリウレタン樹脂によっても、高温下または低温下での安定性は十分とはいえなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−346012号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、水性ポリウレタン樹脂特有の柔軟性を有し、高温下および低温下での安定性が良好で、かつポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ナイロン、ポリエステルなどのプラスチックに対してもすぐれた密着性を有する水性ポリウレタン樹脂を含有する印刷インキ用バインダーを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討を行なったところ、特定のヒドロキシカルボン酸類を反応させた水性ポリウレタン樹脂を用いることにより、前記課題を悉く解決しうることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0006】
すなわち、本発明は、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類およびビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを付加して得られたグリコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であるポリオール(以下、高分子量ポリオールという)、水酸基およびカルボキシル基をそれぞれ一つずつ有する脂肪族炭化水素化合物、ポリイソシアネート化合物および必要に応じて鎖伸長剤を反応させて得られる水性ポリウレタン樹脂を含有する印刷インキ用バインダー;当該印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる水性ポリウレタン樹脂の構成成分である、水酸基およびカルボキシル基をそれぞれ一つずつ有する脂肪族炭化水素化合物(以下、ヒドロキシカルボン酸類という)としては、特に制限されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシオレイン酸などがあげられる。これらヒドロキシカルボン酸類は単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、フィルムに対する密着性が良好であり、入手が容易であることから、12−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
【0008】
高分子量ポリオールとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体または共重合体等のポリエーテルポリオール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類またはn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物やダイマー酸などとを脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオール類;環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類;その他ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを付加して得られたグリコール類があげられる。これら高分子量ポリオール類は単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0009】
前記ポリイソシアネート化合物の代表例としては、たとえばジイソシアネート化合物があげられる。前記ジイソシアネート化合物の具体例としては、たとえばメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸が有するカルボキシル基をイソシアネート基に置き換えたダイマージイソシアネートなどの鎖状脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの環状脂肪族ジイソシアネート;4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネートなどのジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネートなどのテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;リジンジイソシアネートなどのアミノ酸ジイソシアネートなどがあげられる。これらのジイソシアネート化合物をはじめとする前記ポリイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。これらのジイソシアネート化合物の中では、鎖状脂肪族ジイソシアネートおよび環状脂肪族ジイソシアネートを用いることにより耐候性を向上させることができる。
【0010】
前記ヒドロキシカルボン酸類と高分子量ポリオールとの使用割合(ヒドロキシカルボン酸類/高分子量ポリオール)は重量比で、1/99〜20/80程度であることが好ましく、2/98〜15/85であることがより好ましい。該ヒドロキシカルボン酸類の使用量が当該数値範囲の下限値に満たない場合には、各種プラスチックフィルムに対する密着性に優れるという当該発明の効果が充分に発揮されにくくなり、また当該数値範囲の上限を超える場合は、最終的に得られる水性ポリウレタン樹脂の高分子量化が困難になり、皮膜強度や耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
【0011】
また、本発明では必要に応じて鎖伸長剤を使用することができる。鎖伸長剤の具体例としては、たとえば前記高分子量ポリオールの項で示した低分子グリコール類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジアミンなどのアミン;2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなどの分子内に水酸基を有するジアミン;ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に置き換えたダイマージアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジドなどがあげられる。これらの鎖伸長剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。これらの鎖伸長剤の中では、水に対する分散性を向上させる目的で、ポリウレタン樹脂にイオン性官能基を付与するために、イオン性官能基を有する鎖伸長剤を用いることができる。イオン性官能基としては、特に制限されないが、例えば、4級アミノ塩基やカルボン酸塩基などがあげられる。具体例として、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−イソプロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、N−オレイルジエタノールアミン、N−ステアリルジエタノールアミン、エトキシ化椰子油アミン、N−アリルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、N−プロピルジイソプロパノールアミン、N−ブチルジイソプロパノールアミン、ジメチルジエトキシヒドラジン、プロポキシメチルジエタノールアミン、N−(3−アミノプロピル)−N−メチルエタノールアミン、N,N´−ビス(オキシエチル)プロピレンジアミン、ジエタノールアミノアセトアミド、ジエタノールアミノプロピオンアミド、N,N−ビス(オキシメチル)セミカルバジドなどのアルコキシ化鎖状脂肪族アミン;N−シクロヘキシルジイソプロパノールアミンなどのアルコキシ化環状脂肪族アミン;N,N−ジエトキシアニリン、N,N−ジエトキシトルイジン、N,N−ジエトキシ−1−アミノピリジン、N,N´−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N、N´−ジエチルヘキサヒドロ−p−フェニレンジアミン、N,N´−ビス(オキシエチル)フェニルセミカルバジドなどのアルコキシ化芳香族アミン;N,N´−ジエトキシピペラジン、N−2−ヒドロキシエチルピペラジンなどのアルコキシ化複素環アミン;N−メチル−N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミン、N−(3−アミノプロピル)−N,N´−ジメチルエチレンジアミン、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)−N,N´−ジメチルエチレンジアミン、2−メチル−2−[(N,N−ジメチルアミノ)メチル]プロパン−1,3−ジオールなどの鎖状脂肪族アミン;2,6−ジアミノピリジン、p,p´−ビス−アミノメチルジベンジルメチルアミンなどの芳香族アミン;N,N´−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジンなどの複素環アミンなどがあげられる。なお、前記鎖伸長剤の有する塩基性窒素は、前記鎖伸長剤を水に分散させる前、または前記鎖伸長剤を水に分散させたあとで、塩化物イオン、硫酸塩イオン、有機物カルボン酸のアニオンなどの4級化剤を用いて4級化される。
【0012】
前記カルボキシル基を有する鎖伸長剤は、カルボン酸塩基を、えられるポリウレタンに導入する際に用いられ、その具体例としては、たとえばグリセリン酸、ジオキシマレイン酸、ジオキシフマル酸、酒石酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、4,4−ジ(ヒドロキシフェニル)吉草酸、4,4−ジ(ヒドロキシフェニル)酪酸などの脂肪族カルボン酸;2,6−ジオキシ安息香酸などの芳香族カルボン酸などがあげられる。また、かかる鎖伸長剤の有するカルボキシル基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;アンモニア;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミンやN−エチルジエタノールアミンをはじめとするN−アルキルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンやN,N−ジエチルエタノールアミンをはじめとするN,N−ジアルキルエタノールアミンなどの3級アミンなどの中和剤を用いて中和される。また、かかる鎖伸長剤は、前記重合成分を水に分散させる前に用いてもよく、前記重合成分を水に分散させたあとに用いてもよい。
【0013】
前記鎖伸長剤の配合量は、特に限定はないが、えられる水性ポリウレタン樹脂から形成される皮膜の柔軟性および強靭性を両立させるという観点から、前記重合成分の0.1〜20重量%程度、好ましくは1〜15重量%となるように調整することが望ましい。
【0014】
前記イオン性官能基を有する鎖伸長剤を用いる場合の配合量は、特に限定されないが、たとえば前記塩基性窒素を有するポリウレタン樹脂中の塩基性窒素が、該ポリウレタン樹脂の樹脂固形分1gに対して3×10−5〜1.8×10−3グラム当量程度となるように調整することが好ましい。また、前記イオン性官能基を有する鎖伸長剤であるカルボキシル基を有する鎖伸長剤の配合量は、とくに限定はないが、たとえばかかるカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂中のカルボキシル基が、該ポリウレタン樹脂の樹脂固形分1gに対して3×10−5〜1.8×10−3グラム当量程度となるように調整することが好ましい。
【0015】
本発明で用いられる水性ポリウレタン樹脂はこれらの成分を公知の方法により反応させることにより得られる。なお、得られる水性ポリウレタン樹脂の主成分は、ヒドロキシカルボン酸類と高分子量ポリオールの水酸基が、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応し、ウレタン結合を介して結合したものである。なお、得られた水性ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、通常3,000〜1,000,000程度、好ましくは5,000〜100,000である。本発明の水性ポリウレタン樹脂は前記各成分を反応させることにより得られるが、通常は水性ポリウレタン樹脂として単離されず、そのまま水溶液として印刷インキ用バインダーとして用いられる。以下に、それぞれの方法による印刷インキ用バインダーの製造方法について説明する。
【0016】
イオン性官能基を付与させる方法により得られたイオン性官能基を有する水性ポリウレタン樹脂を水に分散させる方法の具体例としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸類、高分子量ポリオールとポリイソシアネート化合物とを、ヒドロキシカルボン酸類および高分子量ポリオールの水酸基に対してポリイソシアネート化合物が有するNCO基が過剰となる条件で共重合させてNCO基を有するプレポリマーを生成させ、かかるプレポリマーを適当な有機溶剤の溶液とし、かかる溶液に前記イオン性官能基を有する鎖伸長剤を含有した鎖伸長剤を加えて反応させ、そののち前記4級化剤または中和剤を用いて4級化または中和し、さらに水に分散させたのちに必要に応じ有機溶剤を除去する方法、ヒドロキシカルボン酸類、高分子量ポリオール、ポリイソシアネート化合物、前記イオン性官能基を有する鎖伸長剤を含有した鎖伸長剤を適当な有機溶剤中で一度に反応させたのち、前記4級化剤または中和剤を用いて4級化または中和を行い、ついで水に分散させてから必要に応じ有機溶剤を除去する方法、ヒドロキシカルボン酸類、高分子量ポリオール、ポリイソシアネート化合物および前記イオン性官能基を有する鎖伸長剤を、ヒドロキシカルボン酸類、高分子量ポリオール、および前記イオン性官能基を有する鎖伸長剤の活性水素基に対して、ポリイソシアネート化合物が有するNCO基が過剰となる条件で適当な有機溶剤中で反応させて分子の末端にNCO基を有するプレポリマーを生成させ、前記4級化剤または中和剤を用いて4級化または中和を行なったのち、水に分散させ、ついで鎖伸長剤を加えて反応させ、そののち必要に応じて有機溶剤を除去する方法などがあげられる。なお、前記有機溶剤としては、とくに限定がなく、通常用いられているものであればよい。かかる有機溶剤の具体例としては、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤;ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、イソプロピルアルコール、エタノールなどのアルコール類;N−メチルピロリドンなどがあげられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0017】
このようにして得られた印刷インキ用バインダーは、顔料などを加えて練肉および分散を行い、必要に応じて本発明で得られるものとは異なる水性ポリウレタン樹脂、水性ポリアミド樹脂、水性アクリル酸エステル系共重合体塩、水性スチレン−マレイン酸系共重合体の塩などの水系樹脂、ブロッキング防止剤や可塑剤などの添加剤を適宜配合することにより、印刷インキ組成物を容易に得ることができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、水性ポリウレタン樹脂特有の柔軟性を有し、高温下および低温下での安定性が良好で、かつポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ナイロンやポリエステルなどのプラスチックに対してすぐれた密着性を有する印刷インキ用バインダーを得ることができる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明の水性ポリウレタン樹脂を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0020】
実施例1
攪拌機、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ジメチロールブタン酸26.4部、ポリプロピレングリコール(旭電化工業(株)製、商品名「アデカポリエーテルP−2000」、数平均分子量2,000)362.0部、12−ヒドロキシステアリン酸36.4部、イソホロンジイソシアネート111.6部を仕込み、85℃にて5時間反応を行い、イソシアネート基含有のウレタンプレポリマー536.4部を得た。このウレタンプレポリマーを70℃まで冷却した。水915.5部、イソプロピルアルコール78.7部、トリエチルアミン30.3部、アジピン酸ジヒドラジド15.3部からなる水溶液中に、攪拌下に前記ウレタンプレポリマーを添加、分散させ、50℃にて3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂水分散液は、樹脂固形分濃度35%、粘度600mPa・s/25℃、pH8.0であり、当該ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は20000であり、また当該ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基は5.4×10−4グラム当量であった。また、ヒドロキシカルボン酸類と高分子量ポリオールとの使用割合(重量比)=36.4/362=0.1である。
【0021】
実施例2
攪拌機、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ジメチロールブタン酸26.4部、ポリプロピレングリコール(旭電化工業(株)製、商品名「アデカポリエーテルP−2000」、数平均分子量2,000)362.0部、2−ヒドロキデカン酸14.1部、イソホロンジイソシアネート111.6部を仕込み、85℃にて5時間反応を行い、イソシアネート基含有のウレタンプレポリマー528.8部を得た。このウレタンプレポリマーを70℃まで冷却した。水887.0部、イソプロピルアルコール76.0部、トリエチルアミン25.6部、アジピン酸ジヒドラジド18.2部からなる水溶液中に、攪拌下に前記ウレタンプレポリマーを添加、分散させ、50℃にて3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂水分散液は、樹脂固形分濃度35%、粘度700mPa・s/25℃、pH8.0であり、当該ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は25000であり、また当該ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基は4.7×10−4グラム当量であった。また、ヒドロキシカルボン酸類と高分子量ポリオールとの使用割合(重量比)=14.1/362=0.04である。
【0022】
比較例1
実施例1と同様の反応容器に、ジメチロールブタン酸26.4部、ポリプロピレングリコール(旭電化工業(株)製、商品名「アデカポリエーテルP−2000」、数平均分子量2,000)362.0部、イソプロピルアルコール4.2部、イソホロンジイソシアネート111.6部を仕込み、85℃にて5時間反応を行い、イソシアネート基含有のウレタンプレポリマー504.2部を得た。このウレタンプレポリマーを70℃まで冷却した。水877.0部、イソプロピルアルコール74.6部、トリエチルアミン18.0部、アジピン酸ジヒドラジド17.9部からなる水溶液中に、攪拌下に前記ウレタンプレポリマーを添加、分散させ、50℃にて3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂水分散液は、樹脂固形分濃度35%、粘度400mPa・s/25℃、pH8.0であり、当該ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は25000であり、また当該ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基は3.4×10−4グラム当量であった。
【0023】
実施例1、2および比較例1で得た各ポリウレタン樹脂水分散液について、以下の項目について評価を行った。結果を表1に示す。
【0024】
密着性:各ポリウレタン樹脂水分散液を、コロナ処理を施したポリプロピレンフィルム(OPP)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、及びナイロンフィルム(NY)処理面にバーコーダー(No.4)を使用して塗工した後にヒートガンで1分間乾燥し、ポリウレタン樹脂の塗膜を得た。次いで塗工面に粘着テープを貼り、塗工面に対して垂直方向に引き剥がした時の塗膜の残り具合を目視評価した。
○:全く剥がれなかった。
△:50%以上残った。
×:50%未満残った。
【0025】
低温時および高温時の安定性:下記の組成の混合物をそれぞれペイントシェイカーで練肉し、白色印刷インキを調整した。
二酸化チタン 30部
ポリウレタン樹脂の水分散液 35部
イソプロピルアルコール 15部
イオン交換水 40部
得られた白色印刷インキを、−10℃雰囲気下で二週間静置し、低温時の流動状態を観察した。また得られた白色印刷インキの粘度をザーンカップNo.3(25℃)で測定し、次に40℃雰囲気下で一週間静置後、ザーンカップNo.3(25℃)で再び測定し比較した。
【0026】
【表1】
Figure 0004140002

Claims (4)

  1. ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類およびビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを付加して得られたグリコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であるポリオール、水酸基およびカルボキシル基をそれぞれ一つずつ有する脂肪族炭化水素化合物、ポリイソシアネート化合物および必要に応じて鎖伸長剤を反応させて得られる水性ポリウレタン樹脂を含有する印刷インキ用バインダー。
  2. 水性ポリウレタン樹脂の製造に用いる水酸基およびカルボキシル基をそれぞれ一つずつ有する脂肪族炭化水素化合物とポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類およびビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを付加して得られたグリコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であるポリオールの使用割合が重量比で、1/99〜20/80である請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
  3. 水性ポリウレタン樹脂の製造に用いる水酸基およびカルボキシル基をそれぞれ一つずつ有する脂肪族炭化水素化合物が12−ヒドロキシステアリン酸である請求項1または2に記載の印刷インキ用バインダー。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ組成物。
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