JP4134340B2 - 建物の防蟻構造及びその建物 - Google Patents

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Description

本発明は、シロアリが建物の床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造及びその建物に関するものである。
従来のこの種の技術としては、布基礎構造を有する建築物の床下地盤から床下構造体の壁面蟻道や隙間蟻道等を経て建築物構造体に至るシロアリの侵入経路を遮断するシロアリの侵入防止方法であって、非可食性で耐蟻性能を有する粘稠物質からなる侵入阻止材料を充填し区画してなる防蟻層を前記侵入経路の隙間開口部又は侵入エリア等に形成することによって、シロアリの侵入を阻止するシロアリの侵入防止方法等が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、前記粘稠物質に非可食性で耐蟻性能を有する補強骨材等を配合してなる防蟻シーリング材等も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−61310号公報(請求項1,請求項11,請求項17,段落〔0029〕,段落〔0041〕,段落〔0043〕,段落〔0044〕)
しかしながら、上記のようなシロアリの侵入防止方法や防蟻シーリング材に使用される粘稠物質としては、耐蟻性能を有するものは見当たらず、これら侵入防止方法や防蟻シーリング材の実施が極めて困難であるという問題点がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、簡単に実施できる建物の防蟻構造及びその建物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1の建物の防蟻構造は、建物の基礎の立ち上がり部と、前記建物の床下地盤上に施工されたコンクリート体との打継部をシロアリが通過して前記建物の床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造であって、前記シロアリに対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材に、前記シロアリの分泌物に耐性でかつ前記シロアリに対する耐食害性を有する高硬度粒子を互いの間隔が前記シロアリの頭部横断面の最大直線寸法の1.5倍以下となるように分散させた防蟻シーリング材で前記打継部を閉塞したものである。
請求項2の建物の防蟻構造においては、前記打継部において前記立ち上がり部と前記コンクリート体とが当接(「2以上の部材が突き当てた状態において面又は線で接すること」を意味する。以下同じ。)している。
請求項3の建物の防蟻構造は、建物の床下地盤上に隣接して施工されたコンクリート体同士の打継部をシロアリが通過して前記建物の床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造であって、前記シロアリに対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材に、前記シロアリの分泌物に耐性でかつ前記シロアリに対する耐食害性を有する高硬度粒子を互いの間隔が前記シロアリの頭部横断面の最大直線寸法の1.5倍以下となるように分散させた防蟻シーリング材で前記打継部を閉塞したものである。
請求項4の建物の防蟻構造においては、前記打継部において前記コンクリート体同士が当接している。
請求項5の建物の防蟻構造においては、前記打継部が隙間である。
請求項6の建物の防蟻構造は、前記コンクリート体の前記打継部に面する上縁に、前記打継部に沿って延びる切欠部を設けたものである。
請求項7の建物の防蟻構造は、建物の床下地盤上に施工されたコンクリート体と、このコンクリート体を貫通する配管との継ぎ目をシロアリが通過して前記建物の床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造であって、前記シロアリに対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材に、前記シロアリの分泌物に耐性でかつ前記シロアリに対する耐食害性を有する高硬度粒子を互いの間隔が前記シロアリの頭部横断面の最大直線寸法の1.5倍以下となるように分散させた防蟻シーリング材で前記継ぎ目を閉塞したものである。
請求項8の建物の防蟻構造においては、前記継ぎ目において前記コンクリート体と前記配管とが当接している。
請求項9の建物の防蟻構造においては、前記継ぎ目が隙間である。
請求項10の建物の防蟻構造は、前記コンクリート体の前記継ぎ目に面する上縁に、前記継ぎ目に沿って延びる切欠部を設けたものである。
請求項11の建物の防蟻構造においては、前記防蟻シーリング材における前記高硬度粒子同士の間隔が前記最大直線寸法の1/2以下である。
請求項12の建物の防蟻構造においては、前記防蟻シーリング材における前記高硬度粒子の体積率が30〜60%である。
請求項13の建物の防蟻構造においては、前記高硬度粒子の粒径〔「粒子のサイズ(最大直線寸法)」を意味する。以下同じ。〕が1680μmより小さい(「全粒子の粒径が1680μmより小さいこと」を意味する。以下同じ。)と共に、その最多粒径(「質量百分率で表した粒径分布において最大の質量百分率を占める粒子の粒径」を意味する。以下同じ。)が140μmより大きくかつ1190μmより小さい。
請求項14の建物の防蟻構造においては、前記高硬度粒子が珪砂である。
請求項15の建物の防蟻構造においては、前記粘弾性シーリング材が変成シリコーン系シーリング材である。
また、請求項16の建物は、請求項1乃至15のいずれか記載の防蟻構造を有するものである。
請求項1、請求項3、請求項7、及び請求項16の発明によれば、防蟻シーリング材で打継部又は継ぎ目を閉塞しているので、シロアリが打継部又は継ぎ目を通過して床下へ侵入するのを阻止でき、建物の軸組や床組等をシロアリによる食害から保護できる。また、防蟻シーリング材に含まれる粘弾性シーリング材としては、シロアリに対する耐食害性を有さないものを使用できるので、防蟻シーリング材を簡単に調製できると共に、シロアリが床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造やその防蟻構造を有する建物を簡単に実施できる。更に、防蟻シーリング材は、粘弾性を有しているので、コンクリート体や立ち上がり部が伸縮した場合でも破断や剥離することなくそれに追従できる。
請求項6、請求項10、及び請求項16の発明によれば、コンクリート体の打継部又は継ぎ目に面する上縁に、打継部又は継ぎ目に沿って延びる切欠部を設けているので、防蟻シーリング材の粘度が低い(流動性が高い)場合でも切欠部に防蟻シーリング材が溜まり、多量の防蟻シーリング材を打継部又は継ぎ目に充填しても防蟻シーリング材が防湿コンクリート上へ流出しない。そのため、打継部又は継ぎ目のシールを確実に行える。また、防蟻シーリング材が打継部又は継ぎ目を流下するのに時間がかかる場合でも多量の防蟻シーリング材を充填しておくことができるので、シールが途切れるおそれがなく、施工性も良好である。
請求項2、請求項4、請求項8、及び請求項16の発明によれば、打継部において立ち上がり部とコンクリート体、打継部においてコンクリート体同士、又は、継ぎ目においてコンクリート体と配管とが当接しているので、防蟻シーリング材を打継部の上部又は内側、継ぎ目の上部等に塗布し易い。
請求項5、請求項9、及び請求項16の発明によれば、打継部又は継ぎ目が隙間であるので、防蟻シーリング材を打継部内や継ぎ目内に充填し易い。
請求項11及び請求項16の発明によれば、防蟻シーリング材における高硬度粒子同士の間隔が前記最大直線寸法の1/2以下であるので、シロアリが打継部を通過して床下へ侵入するのを確実に阻止できる。
請求項12及び請求項16の発明によれば、防蟻シーリング材における高硬度粒子の体積率が30〜60%であり、適度な粘度(流動性)、混練性、及び付着強さを有する防蟻シーリング材を調製できるので、施工性を向上できる。
請求項13及び請求項16の発明によれば、高硬度粒子の粒径が1680μmより小さいと共に、その最多粒径が140μmより大きくかつ1190μmより小さいので、適度な粘度(流動性)、混練性、及び付着強さを有する防蟻シーリング材を調製でき、そのため施工性を向上できる。また、防蟻シーリング材における高硬度粒子は、シロアリによって粘弾性シーリング材から引き剥がされにくい。
請求項14及び請求項16の発明によれば、高硬度粒子が安価な珪砂であるので、防蟻シーリング材のコストダウンを図ることができる。
請求項15及び請求項16の発明によれば、前記粘弾性シーリング材が変成シリコーン系シーリング材であるので、防蟻シーリング材のコンクリート等に対する付着強さを向上できる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、図1乃至図3に示すように、例えば、建物Aの布基礎(基礎)1の立ち上がり部2,3と、建物Aの床下地盤4上に施工された防湿コンクリート(コンクリート体)5との打継部6を図4のようなシロアリ7が通過して建物Aの床下8へ侵入するのを防止するものであって、防蟻シーリング材9を打継部6に充填することにより打継部6を閉塞(シール)したものである。
布基礎1は、図1及び図2に示すように、建物Aの外周部分及びその内方に施工されており、外周部分の立ち上がり部2及びベース部10、あるいは、内方の立ち上がり部3及びベース部10から横断面が例えば逆T字状に形成されている。ベース部10の下には、この実施形態のような砕石層11等を施工することもできる。
防湿コンクリート5は、建物Aの床下地盤4上に施工されている。防湿コンクリート5の内部には、ワイヤーメッシュ又は鉄筋等を埋設しておいてもよい。また、防湿コンクリート5と床下地盤4の間には、防湿シート等を敷設することもできる。なお、コンクリート体は防湿コンクリート5に限定されるものではなく、その他に例えば、土間コンクリート(土間床)や後述するべた基礎の基礎スラブ等であってもよい。また、この実施形態においては、床下8が床下空間となるように防湿コンクリート5を低い位置に施工しているが、これに限定されるものではなく、防湿コンクリート5等のコンクリート体と床下地盤4の間に盛土や目つぶし砂利等を介在させて、床下8が床下空間とならないようにコンクリート体をより高い位置に施工してもよい。
打継部6は、図1乃至図3に示すように、防湿コンクリート5の打設後の伸縮(「乾燥収縮や温度変化による膨張・収縮等」を意味する。以下同じ。)により立ち上がり部2,3と防湿コンクリート5との間に生じた隙間となっており、この打継部6には防蟻シーリング材9が充填されている。なお、隙間としての打継部6は、防湿コンクリート5等のコンクリート体の打設前に型枠、目地材等を用いてあらかじめ形成しておいてもよい。
シロアリ7とは、ゴキブリに近縁の社会生活をする不完全変態の昆虫であって、シロアリ目(等翅類)Isopteraの総称である。このシロアリ7は、図4に示すように、非変形性の堅い頭部7aを有する一方、比較的柔らかくて弱い体部7bを有している。このようなシロアリ7としては、ヤマトシロアリやイエシロアリ等が挙げられる。
防蟻シーリング材9は、シロアリ7に対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材に、シロアリ7の分泌物に耐性でかつシロアリ7に対する耐食害性を有する高硬度粒子を互いの間隔がシロアリ7の頭部7a横断面の最大直線寸法Hの1.5倍(1.5H)以下となるように分散させたものである。
前記粘弾性シーリング材は、コンクリート等に対する付着(接着)力やコンクリートの伸縮に対する追従性等を有する粘弾性のシーリング材であり、シロアリ7に対する耐食害性(耐蟻性)を有さないものである。なお、ここでいうところの「耐食害性(耐蟻性)を有さない」とは、シロアリ7が食い破る(噛み破る)ことにより貫通孔(蟻道)を形成可能なことをいう。このような粘弾性シーリング材としては、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、アクリル系、ブチルゴム系、油性系等の各種のシーリング材を採用できる。これらのうち、変成シリコーン系シーリング材を用いた場合は、防蟻シーリング材9のコンクリート等に対する付着強さを向上できるという利点がある。
変成シリコーン系シーリング材に含まれる重合体(硬化性組成物)としては、水酸基又は加水分解性基が結合したケイ素原子を含みかつシロキサン結合を形成可能な少なくとも1個のケイ素原子含有基(反応性ケイ素基)を有するオキシアルキレン重合体が好ましい。このオキシアルキレン重合体は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、あるいは、直鎖状物と分枝状物の混合物であってもよい。また、前記オキシアルキレン重合体は、官能基を有するオキシアルキレン重合体に前記ケイ素原子含有基を導入することによって得るのが好ましい。
官能基を有するオキシアルキレン重合体は、アルカリ金属の水酸化物の存在下、ポリオール等の活性水素化合物を開始剤としてアルキレンオキシドを重合すること等によって得ることができる。この方法では、水酸基を末端に有するオキシアルキレン重合体を得ることができる。また、特公昭46−27250号公報、特公昭59−15336号公報、特開平3−72527号公報、特開平11−60723号公報、及び特開平11−60724号公報等に記載された亜鉛へキサシアノコバルテート等の複合金属シアン化物錯体やフォスファゼンを重合触媒とし、ポリオール等の活性水素化合物を開始剤としてアルキレンオキシドを重合することによっても水酸基を末端に有するオキシアルキレン重合体を得ることができる。
なお、前記ケイ素原子含有基を有するオキシアルキレン重合体には、オキシアルキレン単量体単位以外の単量体単位等が含まれていてもよいが、オキシアルキレン単量体単位が50重量%以上、好ましくは80重量%以上存在するのが望ましい。
また、前記ケイ素原子含有基を有するオキシアルキレン重合体のMw/Mn〔分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比)〕が1.60未満、更には1.50以下、特には1.40以下と小さい場合は、粘度が同じ分子量の重合体よりも低くなるので、シーリング材や接着剤等に使用したときには押出性や塗工性等の作業性が良好となる。一方、Mw/Mnが1.60以上、更には1.71以上、1.73以上、1.75以上、特には1.80以上と大きい場合は、硬化物の破断強度が同じ分子量の重合体の硬化物よりも向上する。更に、前記ケイ素原子含有基を有するオキシアルキレン重合体が複合金属シアン化物錯体触媒を用いて重合したものであれば、硬化物が耐酸性等の耐薬品性に優れるという利点がある。
高硬度粒子は、デュロメーター(ショアD)硬さが50以上の高硬度の粒子であり、ギ酸等のシロアリ7の分泌物に耐性でかつシロアリ7が噛み砕くことができない耐食害性のものである。このような高硬度粒子としては、珪砂・ガラスビーズ・酸化アルミニウム(アルミナ)粒子・酸化チタン(チタニア)粒子等のセラミック粒子、アクリル樹脂粒子・ポリカーボネート粒子・ポリアミド粒子・硬質塩化ビニル樹脂粒子等の合成樹脂粒子、鉄鋼粒子等の金属粒子等が挙げられる。これらのうち、珪砂を用いた場合は、安価であるので、防蟻シーリング材9のコストダウンを図ることができるという利点がある。また、高硬度粒子の形状は特に限定されるものではなく、不定形、球状、中空状等の各種の形状のものを採用できる。
この高硬度粒子は、互いの間隔がシロアリ7の頭部7a横断面の最大直線寸法Hの1.5倍以下となるように粘弾性シーリング材に分散している。前記最大直線寸法Hは、イエシロアリの働きアリで1.1〜1.25mm程度、ヤマトシロアリの働きアリで1.0〜1.2mm程度であるので、ヤマトシロアリが生息する地域では、シロアリ7の床下8への侵入を確実に阻止するために、高硬度粒子同士の間隔は1.5mm程度以下、好ましくは1.3mm程度以下、より好ましくは1.0mm程度以下、更に好ましくは0.5mm程度以下としておくのが望ましい。
上記のように構成された防蟻シーリング材9は、シーリング材用のノズルを有する容器にいれておき、この容器を装着したシーリング材充填用の充填ガン等を使用して打継部6に充填等すればよい。あるいは、防蟻シーリング材9をチューブに封入しておき、このチューブの一端等を切断してしぼり出した防蟻シーリング材9をヘラ等で塗布等してもよい。充填等の前には、必要箇所にあらかじめ適宜のプライマー等を塗布しておいてもよい。なお、この実施形態においては、打継部6の上下方向の全体に渡って防蟻シーリング材9を充填しているが、これに限定されるものではなく、シールが途切れなければ打継部6の一部だけに充填してもよい。また、防蟻シーリング材9の粘度が比較的高い(流動性が比較的低い)場合は、図5に示すように、打継部6の上部を閉塞するように塗布等してもよい。更に、防蟻シーリング材9は、防湿コンクリート5等のコンクリート体を打設する前に立ち上がり部2,3側に塗布しておいたり、あるいは、図6のようにコンクリート体等が伸縮するまでに打継部6の上部に塗布しておいたりすることもできる。即ち、打継部6において立ち上がり部2,3とコンクリート体とが当接していれば、防蟻シーリング材9を打継部6の上部等に塗布し易いという利点がある。また、打継部6が図3や図5のような隙間であれば、防蟻シーリング材9を打継部6内に充填し易いという利点がある。いずれにしても、防蟻シーリング材9は、粘弾性を有しているので、コンクリート体や立ち上がり部2,3が伸縮した場合でも破断や剥離することなくそれに追従できる。
このように、立ち上がり部2,3と防湿コンクリート5との打継部6を防蟻シーリング材9で閉塞しておけば、仮にシロアリ7が防蟻シーリング材9を食い破ろうとしたときでも、高硬度粒子同士の間隔が前記最大直線寸法Hの1.5倍以下であるためにシロアリ7は高硬度粒子同士の間を通り抜けることができないか又は通り抜けるのを嫌う。そのため、シロアリ7が床下地盤4から打継部6を通過して床下8へ侵入するのを阻止でき、建物Aの軸組Bや床組C等をシロアリ7による食害から保護できる。特に、防蟻シーリング材9における高硬度粒子同士の間隔が前記最大直線寸法Hの1.3倍(1.3H)以下、好ましくは最大直線寸法H以下、より好ましくは最大直線寸法Hの1/2(H/2)以下となるようにしておけば、より効果的である。また、防蟻シーリング材9に含まれる粘弾性シーリング材としては、シロアリ7に対する耐食害性を有さないものを使用できるので、防蟻シーリング材9を簡単に調製できると共に、シロアリ7が床下8へ侵入するのを防止する建物Aの防蟻構造やその防蟻構造を有する建物Aを簡単に実施できるという利点がある。
なお、高硬度粒子は、防蟻シーリング材9がシロアリ7によって食い破られないように(貫通孔を形成されないように)その粒径に応じて充分な量を配合しておけばよいが、防蟻シーリング材9における高硬度粒子の体積率が30〜60%、好ましくは30〜50%、より好ましくは35〜45%、更に好ましくは35〜40%である場合は、適度な粘度(流動性)、混練性、及び付着強さを有する防蟻シーリング材9を調製できるので、施工性を向上できるという利点がある。
また、高硬度粒子の粒径が1680μmより小さいと共に、その最多粒径が好ましくは140μm(より好ましくは149μm)より大きくかつ1190μmより小さい場合、即ち、高硬度粒子の粒径及び最多粒径が、珪砂4号〔420μm(35メッシュ)<粒径<1680μm(10メッシュ),840μm(20メッシュ)<最多粒径<1190μm(14メッシュ)〕、珪砂5号〔210μm(65メッシュ)<粒径<1190μm(14メッシュ),420μm(35メッシュ)<最多粒径<590μm(28メッシュ)〕、珪砂6号〔53μm(270メッシュ)<粒径<590μm(28メッシュ),297μm(48メッシュ)<最多粒径<420μm(35メッシュ)〕、及び、珪砂7号〔粒径<420μm(35メッシュ),149μm(100メッシュ)<最多粒径<210μm(65メッシュ)〕のうちのいずれか1種の粒径・最多粒径又は複数種の混合物の粒径・最多粒径に相当する場合も、上記と同様の理由から施工性を向上できると共に、防蟻シーリング材9における高硬度粒子がシロアリ7によって粘弾性シーリング材から引き剥がされにくいという利点がある。
ここで、高硬度粒子の粒径が1680μmより小さいと共に、その最多粒径が74μmより大きくかつ140μm以下(より好ましくは149μm以下)である場合、即ち、高硬度粒子の粒径・最多粒径が珪砂8号〔粒径<297μm(48メッシュ),53μm(270メッシュ)<最多粒径<74μm(200メッシュ)〕と珪砂7号〔粒径<420μm(35メッシュ),149μm(100メッシュ)<最多粒径<210μm(65メッシュ)〕との間に相当する場合も上記の利点があるが、この場合、最多粒径が好ましくは88μmより大きくかつ140μm以下(より好ましくは149μm以下)、より好ましくは105μmより大きくかつ140μm以下(より好ましくは149μm以下)、更に好ましくは125μmより大きくかつ140μm以下(より好ましくは149μm以下)となるようにしておくのが望ましい。但し、上記のように140μm(より好ましくは149μm)<最多粒径<1190μmとなるようにしておくのがより好適である。一方、高硬度粒子の最多粒径が74μm以下である場合は防蟻シーリング材9における高硬度粒子がシロアリ7によって粘弾性シーリング材から引き剥がされ易く、1190μm以上である場合は高硬度粒子同士の間隔を前記最大直線寸法Hの1.5倍以下となるようにするのが難しいので、いずれも望ましくない。
第2実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、図7に示すように、例えば、第1実施形態において、防湿コンクリート5の打継部6に面する上縁5aに、打継部6に沿って延びる切欠部21を設けたものである。
切欠部21は、横断面が例えば矩形状となるように設けられている。この切欠部21は、例えば、防湿コンクリート5等のコンクリート体の打設時に、切欠部21と略同じ横断面形状の木材や合成樹脂等からなる棒状又は管状等のスペーサを前記上縁5aに相当する位置に立ち上がり部2(3)に当接するように埋設しておき、コンクリート体の硬化後にそのスペーサをコンクリート体から脱離等することにより設けることができる。この場合、スペーサの表面には、コンクリート体から脱離し易いように、あらかじめ離型剤を塗布等しておいてもよい。
なお、切欠部21の深さや幅等は、防蟻シーリング材9が充分に溜まるように、いずれも10mm程度以上が望ましいが、横断面形状は特に限定されるものではなく、図8に示す三角形状、図9に示す扇形状、図10に示す逆台形状、図11に示す、図10のような逆台形状の切欠部21の下方に図8のような三角形状の切欠部21を連続して配置したような多角形状等であってもよい。
このように、防湿コンクリート5の打継部6に面する上縁5aに切欠部21を設けておけば、防蟻シーリング材9の粘度が低い(流動性が高い)場合でも切欠部21に防蟻シーリング材9が溜まり、多量の防蟻シーリング材9を打継部6に充填しても防蟻シーリング材9が防湿コンクリート5上へ流出しないので、打継部6のシールを確実に行えるという利点がある。また、防蟻シーリング材9が打継部6を流下するのに時間がかかる場合でも多量の防蟻シーリング材9を充填しておくことができるので、シールが途切れるおそれがなく、施工性も良好であるという利点がある。
第3実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、図12及び図13に示すように、例えば、建物Aのべた基礎(基礎)31の立ち上がり部32と、建物Aの床下地盤4上に施工されたべた基礎31の基礎スラブ(コンクリート体)35との打継部36をシロアリ7が通過して建物Aの床下8へ侵入するのを防止するものであって、第1実施形態と同様の防蟻シーリング材9で打継部36を閉塞したものである。
べた基礎31は、建物Aの床下地盤4上に施工された基礎スラブ35と、この基礎スラブ35の外周部分に立設された立ち上がり部32とを備えている。打継部36は、立ち上がり部32の打設後の伸縮により立ち上がり部32と基礎スラブ35との間に生じた隙間となっており、この打継部36の例えば内側には防蟻シーリング材9が塗布されている。この場合も、塗布の前には、必要箇所にあらかじめ適宜のプライマー等を塗布しておいてもよい。なお、防蟻シーリング材9は、打継部36の外側に塗布等することもできる。更に、防蟻シーリング材9は、立ち上がり部32を打設する前に基礎スラブ35側に塗布しておいたり、あるいは、図14のように立ち上がり部32等が伸縮するまでに打継部36の内側又は外側に塗布しておいたりすることもできる。即ち、打継部36において立ち上がり部32と基礎スラブ35等のコンクリート体とが当接していれば、防蟻シーリング材9を打継部36の内側等に塗布し易いという利点がある。また、打継部36が図13のような隙間であれば、防蟻シーリング材9を打継部36内に充填し易いという利点がある。いずれにしても、防蟻シーリング材9は、粘弾性を有しているので、立ち上がり部32やコンクリート体が伸縮した場合でも破断や剥離することなくそれに追従できる。更に、隙間としての打継部36は、立ち上がり部32の打設前に型枠、目地材等を用いてあらかじめ形成しておいてもよい。
このように、立ち上がり部32と基礎スラブ35との打継部36を防蟻シーリング材9で閉塞しておけば、第1実施形態と同様の理由から、床下地盤4から基礎スラブ35を登る等してきたシロアリ7が打継部36を通過して床下8へ侵入するのを阻止でき、建物Aの軸組Bや床組C等をシロアリ7による食害から保護できる。その他の利点は第1実施形態と同様である。また、防蟻シーリング材9、高硬度粒子、及び粘弾性シーリング材については、既述の各種の構成を採用できる。
第4実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、図15及び図16に示すように、例えば、第1実施形態において、防湿コンクリート5と、この防湿コンクリート5を貫通する配管41との継ぎ目46をシロアリ7が通過して建物Aの床下8へ侵入するのを防止するものであって、第1実施形態と同様の防蟻シーリング材9を継ぎ目46に充填することにより継ぎ目46を閉塞したものである。
配管41は、防湿コンクリート5を例えば垂直方向に貫通している。継ぎ目46は、防湿コンクリート5の打設後の伸縮により配管41と防湿コンクリート5との間に生じた隙間となっており、この継ぎ目46には防蟻シーリング材9が充填されている。なお、この実施形態においては、継ぎ目46の上下方向の全体に渡って防蟻シーリング材9を充填しているが、これに限定されるものではなく、第1実施形態と同様、シールが途切れなければ継ぎ目46の一部だけに充填してもよい。また、防蟻シーリング材9の粘度が比較的高い(流動性が比較的低い)場合は、図17に示すように、継ぎ目46の上部を閉塞するように塗布等してもよい。更に、配管41が貫通するコンクリート体は防湿コンクリート5に限定されるものではなく、その他に例えば、第3実施形態の基礎スラブ35等であってもよい。また、防蟻シーリング材9は、防湿コンクリート5や基礎スラブ35等のコンクリート体を打設する前に配管41側に塗布しておいたり、あるいは、図18のようにコンクリート体が伸縮するまでに打継部46の上部に塗布しておいたりすることもできる。即ち、継ぎ目46において配管41とコンクリート体とが当接していれば、防蟻シーリング材9を継ぎ目46の上部等に塗布し易いという利点がある。また、継ぎ目46が図16や図17のような隙間であれば、防蟻シーリング材9を継ぎ目46内に充填し易いという利点がある。いずれにしても、防蟻シーリング材9は、粘弾性を有しているので、コンクリート体が伸縮した場合でも破断や剥離することなくそれに追従できる。更に、隙間としての継ぎ目46は、コンクリート体の打設前に型枠、目地材等を用いてあらかじめ形成しておいてもよい。
このように、防湿コンクリート5と配管41との継ぎ目46を防蟻シーリング材9で閉塞しておけば、第1実施形態と同様の理由から、シロアリ7が床下地盤4から継ぎ目46を通過して床下8へ侵入するのを阻止でき、建物Aの軸組Bや床組C等をシロアリ7による食害から保護できる。その他の利点は第1実施形態と同様である。また、防蟻シーリング材9、高硬度粒子、及び粘弾性シーリング材についても、既述の各種の構成を採用できる。
第5実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、図19に示すように、例えば、第4実施形態において、防湿コンクリート5の継ぎ目46に面する上縁5aに、継ぎ目46に沿って延びる第2実施形態と同様の切欠部51を設けたものである。
切欠部51は、横断面が例えば矩形状となるように設けられている。この切欠部51は、第2実施形態と同様、例えば、防湿コンクリート5等のコンクリート体の打設時に、切欠部51と略同じ横断面形状の木材や合成樹脂等からなる棒状又は管状等でかつ平面視がリング状の分解可能なスペーサを前記上縁5aに相当する位置に配管41に当接するように埋設しておき、コンクリート体の硬化後にそのスペーサをコンクリート体から脱離等することにより設けることができる。この場合も、スペーサの表面には、コンクリート体から脱離し易いように、あらかじめ離型剤を塗布等しておいてもよい。
このように、防湿コンクリート5の継ぎ目46に面する上縁5aに切欠部51を設けておけば、第2実施形態と同様の利点がある。また、切欠部51については、既述の各種の構成を採用できる。
第6実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、図20に示すように、例えば、第1実施形態において、床下地盤4上に隣接して施工された防湿コンクリート5同士の打継部66をシロアリ7が通過して建物Aの床下8へ侵入するのを防止するものであって、第1実施形態と同様の防蟻シーリング材9を打継部66に充填することにより打継部66を閉塞したものである。
防湿コンクリート5は、床下地盤4上に順に打設することにより隣接して施工されている。打継部66は、少なくともいずれか一方の防湿コンクリート5の打設後の伸縮により防湿コンクリート5同士の間に生じた隙間となっており、この打継部66には防蟻シーリング材9が充填されている。なお、この実施形態においては、打継部66の上下方向の全体に渡って防蟻シーリング材9を充填しているが、これに限定されるものではなく、第1実施形態と同様、シールが途切れなければ打継部66の一部だけに充填してもよい。また、防蟻シーリング材9の粘度が比較的高い(流動性が比較的低い)場合は、図21に示すように、打継部66の上部を閉塞するように塗布等してもよい。更に、コンクリート体は防湿コンクリート5に限定されるものではなく、その他に例えば、第3実施形態の基礎スラブ35等であってもよい。また、防蟻シーリング材9は、前記一方の防湿コンクリート5等、後から施工される一方のコンクリート体を打設する前に、先に施工された他方のコンクリート体側に塗布しておいたり、あるいは、図22のようにコンクリート体が伸縮するまでに打継部66の上部に塗布しておいたりすることもできる。即ち、打継部66においてコンクリート体同士が当接していれば、防蟻シーリング材9を打継部66の上部等に塗布し易いという利点がある。また、打継部66が図20や図21のような隙間であれば、防蟻シーリング材9を打継部66内に充填し易いという利点がある。いずれにしても、防蟻シーリング材9は、粘弾性を有しているので、コンクリート体が伸縮した場合でも破断や剥離することなくそれに追従できる。更に、隙間としての打継部66は、防湿コンクリート5等のコンクリート体の打設前に型枠、目地材等を用いてあらかじめ形成しておいてもよい。
このように、隣接する防湿コンクリート5同士の打継部66を防蟻シーリング材9で閉塞しておけば、第1実施形態と同様の理由から、シロアリ7が床下地盤4から打継部66を通過して床下8へ侵入するのを阻止でき、建物Aの軸組Bや床組C等をシロアリ7による食害から保護できる。その他の利点は第1実施形態と同様である。また、防蟻シーリング材9、高硬度粒子、及び粘弾性シーリング材についても、既述の各種の構成を採用できる。
第7実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、図23に示すように、例えば、第6実施形態において、後から施工される一方の防湿コンクリート5の打継部66に面する上縁5aに、打継部66に沿って延びる第2実施形態と同様の切欠部71を設けたものである。
切欠部71は、横断面が例えば矩形状となるように設けられている。この切欠部71は、第2実施形態と同様の方法で設けることができる。
このように、一方の防湿コンクリート5の打継部66に面する上縁5aに切欠部71を設けておけば、第2実施形態と同様の利点がある。また、切欠部71については、他方の防湿コンクリート5の打継部66に面する上縁5aにも設けておくことができると共に、既述の各種の構成を採用できる。
以上のように、第1〜第7実施形態の技術及びそれらの変形例は、新築建物の他、既築建物にも適用できる。また、打継部6,36,66や継ぎ目46は、建物Aの建築当初から隙間であってもよいし、経年後に隙間となってもよい。あるいは、立ち上がり部2,332とコンクリート体、コンクリート体同士、若しくはコンクリート体と配管41が、建物Aの建築当初から打継部6,36,66や継ぎ目46において当接していてもよいし、経年後に当接した状態を保持していてもよい。
次に、この発明の実施例について説明する。
シロアリに対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材としては、建築用シーリング材〔商品名「ハマタイト・スーパーワンLM」,横浜ゴム株式会社製,変成シリコーン系,1液の低モジュラスタイプ,外観:ペースト,比重:1.41,押出性:7(秒,5℃),最大引張応力:59(N/cm2)〕を用いた。高硬度粒子としては、珪砂4号(実施例1)〔商品名「パール珪砂4号」,東海リテック株式会社製,最高級土岐産,420μm(35メッシュ)<粒径<1680μm(10メッシュ),840μm(20メッシュ)<最多粒径<1190μm(14メッシュ)〕を用いた。防蟻シーリング材における高硬度粒子の体積率は40%とした。
具体的には、前記粘弾性シーリング材と40%(体積率)の高硬度粒子とを5分間混練して防蟻シーリング材を調製した。得られた防蟻シーリング材を室内防蟻性試験(社団法人日本木材保存協会規格 第17号 貫通防止性能試験に準拠,シロアリ種:ヤマトシロアリ)に供し、防蟻シーリング材に対するシロアリによる穿孔最大長さ(mm)を測定した。その結果を表1に示す。また、防蟻シーリング材の断面を撮影した光学顕微鏡写真から、高硬度粒子同士の最大間隔(mm)を測定した。その結果も表1に示す。
Figure 0004134340
高硬度粒子として珪砂5号〔商品名「パール珪砂5号」,東海リテック株式会社製,最高級土岐産,210μm(65メッシュ)<粒径<1190μm(14メッシュ),420μm(35メッシュ)<最多粒径<590μm(28メッシュ)〕を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
高硬度粒子として珪砂6号〔商品名「パール珪砂6号」,東海リテック株式会社製,最高級土岐産,53μm(270メッシュ)<粒径<590μm(28メッシュ),297μm(48メッシュ)<最多粒径<420μm(35メッシュ)〕を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
高硬度粒子として珪砂7号〔商品名「パール珪砂7号」,東海リテック株式会社製,最高級土岐産,粒径<420μm(35メッシュ),149μm(100メッシュ)<最多粒径<210μm(65メッシュ)〕を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1と同様の粘弾性シーリング材に高硬度粒子を分散させない他は、実施例1と同様にして粘弾性シーリング材に対するシロアリによる穿孔最大長さ(mm)を測定した。その結果を表2に示す。
〔比較例2〕
高硬度粒子として珪砂3号〔商品名「パール珪砂3号」,東海リテック株式会社製,最高級土岐産,590μm(28メッシュ)<粒径,1190μm(14メッシュ)<最多粒径<1680μm(10メッシュ)〕を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った(高硬度粒子の体積率:40%)。その結果を表2に示す。
Figure 0004134340
本発明は、シロアリが建物の床下地盤から床下へ侵入するのを防止する防蟻構造として有用であり、特に、簡単に実施できる建物の防蟻構造及びその建物に好適である。
第1実施形態に係る建物の外周部分における防蟻構造を示す概略縦断面図。 図1の建物の内方における防蟻構造を示す概略縦断面図。 図1又は図2の立ち上がり部と防湿コンクリートとの打継部付近の要部拡大縦断面図。 (a)はシロアリの平面図、(b)は(a)のY−Y線断面図。 防蟻シーリング材を打継部の上部に塗布した例を示す要部拡大縦断面図。 打継部において立ち上がり部と防湿コンクリートとが当接している例を示す要部拡大縦断面図。 第2実施形態に係る建物の外周部分又は内方における防蟻構造を示す要部拡大縦断面図。 切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面図。 切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面図。 切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面図。 切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面図。 第3実施形態に係る建物の防蟻構造を示す概略縦断面図。 図12の立ち上がり部と基礎スラブとの打継部付近の要部拡大縦断面図。 打継部において立ち上がり部と基礎スラブとが当接している例を示す要部拡大縦断面図。 第4実施形態に係る建物の防蟻構造を示す概略縦断面図。 図15の配管と防湿コンクリートとの継ぎ目付近の要部拡大縦断面図。 防蟻シーリング材を継ぎ目の上部に塗布した例を示す要部拡大縦断面図。 継ぎ目において防湿コンクリートと配管とが当接している例を示す要部拡大縦断面図。 第5実施形態に係る建物の防蟻構造を示す要部拡大縦断面図。 第6実施形態に係る建物の防蟻構造を示す要部拡大縦断面図。 防蟻シーリング材を打継部の上部に塗布した例を示す要部拡大縦断面図。 打継部において防湿コンクリート同士が当接している例を示す要部拡大縦断面図。 第7実施形態に係る建物の防蟻構造を示す要部拡大縦断面図。
符号の説明
A 建物
1 布基礎(基礎)
2,3 立ち上がり部
4 床下地盤
5 防湿コンクリート(コンクリート体)
5a 上縁
6 打継部
7 シロアリ
7a 頭部
8 床下
9 防蟻シーリング材
21 切欠部
31 べた基礎(基礎)
32 立ち上がり部
35 基礎スラブ(コンクリート体)
36 打継部
41 配管
46 継ぎ目
51 切欠部
66 打継部
71 切欠部

Claims (16)

  1. 建物の基礎の立ち上がり部と、前記建物の床下地盤上に施工されたコンクリート体との打継部をシロアリが通過して前記建物の床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造であって、
    前記シロアリに対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材に、前記シロアリの分泌物に耐性でかつ前記シロアリに対する耐食害性を有する高硬度粒子を互いの間隔が前記シロアリの頭部横断面の最大直線寸法の1.5倍以下となるように分散させた防蟻シーリング材で前記打継部を閉塞したことを特徴とする建物の防蟻構造。
  2. 前記打継部において前記立ち上がり部と前記コンクリート体とが当接している請求項1記載の建物の防蟻構造。
  3. 建物の床下地盤上に隣接して施工されたコンクリート体同士の打継部をシロアリが通過して前記建物の床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造であって、
    前記シロアリに対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材に、前記シロアリの分泌物に耐性でかつ前記シロアリに対する耐食害性を有する高硬度粒子を互いの間隔が前記シロアリの頭部横断面の最大直線寸法の1.5倍以下となるように分散させた防蟻シーリング材で前記打継部を閉塞したことを特徴とする建物の防蟻構造。
  4. 前記打継部において前記コンクリート体同士が当接している請求項3記載の建物の防蟻構造。
  5. 前記打継部が隙間である請求項1又は3記載の建物の防蟻構造。
  6. 前記コンクリート体の前記打継部に面する上縁に、前記打継部に沿って延びる切欠部を設けた請求項1乃至5のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  7. 建物の床下地盤上に施工されたコンクリート体と、このコンクリート体を貫通する配管との継ぎ目をシロアリが通過して前記建物の床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造であって、
    前記シロアリに対する耐食害性を有さない粘弾性シーリング材に、前記シロアリの分泌物に耐性でかつ前記シロアリに対する耐食害性を有する高硬度粒子を互いの間隔が前記シロアリの頭部横断面の最大直線寸法の1.5倍以下となるように分散させた防蟻シーリング材で前記継ぎ目を閉塞したことを特徴とする建物の防蟻構造。
  8. 前記継ぎ目において前記コンクリート体と前記配管とが当接している請求項7記載の建物の防蟻構造。
  9. 前記継ぎ目が隙間である請求項7記載の建物の防蟻構造。
  10. 前記コンクリート体の前記継ぎ目に面する上縁に、前記継ぎ目に沿って延びる切欠部を設けた請求項7乃至9のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  11. 前記防蟻シーリング材における前記高硬度粒子同士の間隔が前記最大直線寸法の1/2以下である請求項1乃至10のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  12. 前記防蟻シーリング材における前記高硬度粒子の体積率が30〜60%である請求項1乃至11のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  13. 前記高硬度粒子の粒径が1680μmより小さいと共に、その最多粒径が140μmより大きくかつ1190μmより小さい請求項1乃至12のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  14. 前記高硬度粒子が珪砂である請求項1乃至13のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  15. 前記粘弾性シーリング材が変成シリコーン系シーリング材である請求項1乃至14のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  16. 請求項1乃至15のいずれか記載の防蟻構造を有する建物。


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