JP4134197B2 - 車両用開閉体の制御システム - Google Patents
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Description
これにより、誤検知に対するユーザからの修理依頼に対して、誤検知の発生を容易に確認でき、再現性に乏しい現象を起因とする誤検知であっても、修理後の誤検知の発生を抑制することができる。また、第2のしきい値を基準として誤検知の検証を行うことで、カーメーカやスライドルーフメーカが、一定の条件の下で誤検知が生じないことを担保して車両を出荷できる。また、車両の窓ガラスは、ドア周りの部品交換や取り外しの可能性が高いため、部品取り付け後の調整の検証が容易となり、検証作業の作業効率が上昇する。
スライドルーフ3は、図示しないプッシュプルケーブルが後記するモータ4(図3参照)により駆動され、このプッシュプルケーブルが移動することにより、スライド全開位置とスライド全閉位置との間でスライド動作を行い、さらに、スライド全閉位置からスライドルーフ3の後端側を傾動上昇させるチルト動作を行う(図2参照)。
なお、図中矢印にて車両前方と車両後方を示している。
計数手段6は、センサA、Bが出力するパルス情報を用いて、モータ4の回転方向(正転、逆転)を検出し、回転方向とパルス情報に基づいて、スライドルーフ3が機械的にロックされるロック位置を基準としてパルス情報をアップカウントまたはダウンカウントしたパルスカウント値を出力する。計数手段6は制御部7に含んで構成することもできる。
操作スイッチ9は、スライドルーフ3の開閉を選択指示するために操作するスイッチであり、操作スイッチ9をユーザ等が操作すると、この操作に応じた操作信号を制御部7に出力する。
図4は、パルス情報をカウントして得られたパルスカウント値と、スライドルーフ3の位置との対応を説明する図面であり、図4(a)は、パルスカウント値と、スライドルーフ3の位置との対応を示し、図4(b)はセンサA、Bとロータ12との位置関係を示し、図4(c)はセンサA、Bから出力されるパルス情報を示している。
なお、チルト全開位置におけるパルスカウント値(ロ)からスライド全開位置におけるパルスカウント値(ホ)が、スライドルーフ3の通常時の作動範囲(図2(c)に示したスライド動作中の位置)におけるパルスカウント値である。
ここで、計数手段6においてロータ12の正転または逆転を判定する方法を、図4(c)を参照して説明する。4(c)に示すように、センサAが出力するパルス情報が、LレベルからHレベルに立ち上るときにセンサBがLレベル、または、センサAが出力するパルス情報が、HレベルからLレベルに下がるときにセンサBがHレベルであれば正転と判定することができる。また、センサAが出力するパルス情報が、LレベルからHレベルに立ち上るときにセンサBがHレベル、または、センサAが出力するパルス情報が、HレベルからLレベルに下がるときにセンサBがLレベルであれば逆転と判定することができる。これにより、計数手段6は回転方向に応じて、パルス情報をアップカウントまたはダウンカウントしたパルスカウント値を制御部7に出力する。
本実施の形態の制御部7は、モータ4の動作負荷の情報に基づいて、モータ4の動作負荷が所定のしきい値を超えたと判定した場合、所定量だけスライドルーフ3を開方向に移動させ、動作モードをオートモードからマニュアルモードに切り換え、スライドルーフ3の動作を停止させる。これにより、ルーフ開口部2とスライドルーフ3との間に異物が挟まった場合や、スライドルーフ3の動作に過剰な力が必要となる場合等に、モータ4の保護及び安全性を確保することができる。
なお、第2のしきい値は、通常動作モードで用いるしきい値よりも小さい値であれば、任意に設定可能であり、本実施の形態の第2のしきい値は、車両の製造者等が予め決めた基準値である。
[第1実施形態例]
第1の実施形態例では、一般的にはユーザが行わない所定の特殊な操作をすることで、車両用開閉体の制御システムの動作モードを確認動作モードに切り換える。ここでは、サービス工場のサービスマン等が、車両用開閉体の制御システムの挟み込み検知における誤検知に対する対策を施して、スライドルーフ3の動作確認を行う場合を例として説明する。また、図5は本実施形態例における制御部7の動作を説明するフローチャートである。図5を適宜参照しつつ、このときの制御部7の動作を説明する。
なお、ステップS101の判定において、制御部7が、エンジンスイッチはオン位置ではないと判定した場合は、オン位置となるまで待機し、また、ステップS103の判定においてスライドルーフ3が全開ではないと判定した場合は、通常のしきい値を用いて挟み込み検知を行う通常動作モードで動作する(ステップS109)。
なお、ステップS105の判定において、制御部7が、エンジンスイッチがオン位置になった時点で、スライドルーフ3が開操作されなかったと判定した場合は、通常動作モードで動作する(ステップS109)。
このとき、制御部7は、操作スイッチ9から入力される操作信号により、スライドルーフ3の動作操作がされたと判定して(ステップS111で‘Yes’)、この入力された操作信号に基づいて、スライドルーフ3は、動作操作に応じた動作を行う(ステップS113)。
なお、ステップS111の判定において、制御部7がスライドルーフ3の動作操作がなされなかったと判定した場合は、後記するステップS115に進む。ここでは、予め設定した所定時間内に、スライドルーフ3の動作操作がなされなかった場合を、動作操作がなされなかったと判定する。
なお、ステップS115の判定において、制御部7がエンジンスイッチはオン位置にあると判定した場合は、ステップS111に戻って、サービスマンの動作操作を受け付ける。このとき、車両用開閉体の制御システムの動作モードは、確認動作モードのままであり、エンジンスイッチがオフ位置になるまで(ステップS115で‘No’となるまで)、動作モードが通常動作モードに切り換わることがない。
また、ユーザがスライドルーフ3を動作させる場合は、開閉体の制御システムは通常動作モードで動作し、確認動作モードにおける第2のしきい値よりも大きなしきい値を用いて挟み込み検知を行うため、誤検知の可能性が低くなる。
次に、本実施の形態に係る第2の実施形態例では、車両用開閉体の制御システムの制御部7に、車載ネットワークを介して接続された診断機13から切換コマンドを入力することで、車両用開閉体の制御システムを確認動作モードに切り換える。ここでは、第1実施形態例と同様に、サービス工場のサービスマンが、車両用開閉体の制御システムの挟み込み検知における誤検知に対する対策を施して、スライドルーフ3の動作確認を行う場合を例として説明する。また、図6は本実施形態例における制御部7の動作を説明するフローチャートである。図6を適宜参照しつつ、このときの制御部7の動作を説明する。
なお、ステップS203の判定において、制御部7が切換コマンドを取得しなかったと判定した場合は、通常のしきい値を用いて挟み込み検知を行う通常動作モードで動作する(ステップS207)。ここでは、予め設定した所定時間内に切換コマンドを取得しなかった場合を、切換コマンドを取得しなかったと判定する。または、スライドルーフ3の動作操作がなされる(後記するステップS209)までに、切換コマンドを取得しなかった場合を、切換コマンドを取得しなかったと判定してもよい。
このとき、制御部7は、操作スイッチ9から入力される操作信号により、スライドルーフ3の動作操作がされたと判定して(ステップS209で‘Yes’)、この入力された操作信号に基づいて、スライドルーフ3は、動作操作に応じた動作を行う(ステップS211)。
なお、ステップS209の判定において、制御部7がスライドルーフ3の動作操作がなされなかったと判定した場合は、後記するステップS213に進む。ここでは、予め設定した所定時間内に、スライドルーフ3の動作操作がなされなかった場合を、動作操作がなされなかったと判定する。
なお、ステップS213の判定において、制御部7がエンジンスイッチはオン位置にあると判定した場合は、ステップS203に戻って、診断機13からの切換コマンドの取得を待つ。このとき、車両用開閉体の制御システムの動作モードは、ステップS203の判定次第で確認動作モードまたは通常動作モードに切り換わる。
また、第1実施形態例と同様に、ユーザがスライドルーフ3を動作させる場合は、開閉体の制御システムは通常動作モードで動作し、確認動作モードにおける挟み込み検知における第2のしきい値よりも大きなしきい値を用いて挟み込み検知を行うため、誤検知の可能性が低くなる。
また、運転席のパワーウィンドの操作スイッチにおいて所定の操作を行った場合には、運転席を含めて他席すべてのパワーウィンドを確認動作モードに切り換える構成としてもよい。
また、本実施の形態では、診断機13から切換コマンドを入力される度に、確認動作モードに切り換わることとしたが、例えば、一度、切換コマンドを入力されると、エンジンスイッチがオフ位置になるまで、動作モードを切り換えない構成とすることもできる。
また、制御システムが特殊な操作がされたと制御部7が判定して、確認動作モードに切り換える前に、制御部7は、スライド全開位置(図4(a)の(ニ))から全開メカロック位置(図4(a)の(ホ))までスライドルーフ3を移動させ、スライドルーフ3が機械的にロックされるロック位置を、パルスカウント値の基準値として計数手段6に学習させることもできる。
4 モータ
5 パルス発生手段
6 計数手段
7 制御部
8 モータ駆動回路
9 操作スイッチ(SW)
13 診断機
Claims (7)
- 車両の開口部に設置され開閉可能な開閉体と、前記開閉体を開閉するための動力を供給する駆動手段と、前記駆動手段の動作負荷を検出する負荷検出手段と、前記開閉体の位置を把握して、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記車両のエンジンのオン状態に応じたオン信号を出力するエンジンスイッチとを備え、
前記制御手段は、
前記開閉体の動作時に、前記負荷検出手段が検出した前記駆動手段の動作負荷が、所定のしきい値よりも大きいか否かを判定する挟み込み検知を実行し、
通常の挟み込み検知を行って動作する通常動作モードと、前記通常動作モードにおける挟み込み検知で用いるしきい値よりも小さなしきい値である第2のしきい値を用いて挟み込み検知を行って動作する確認動作モードとの切り換えを可能とし、
前記エンジンスイッチからオン信号を取得した時点、又はその時点から所定時間内に、所定の操作に基づく所定の条件を満たすと判定すると、前記確認動作モードに切り換え、
前記確認動作モードに切り換わった後、前記エンジンスイッチからオン信号が取得されなくなった時点で前記通常動作モードに切り換えることを特徴とする車両用開閉体の制御システム。 - 前記開閉体を開閉動作させる操作信号を出力する操作手段をさらに備え、
前記所定の条件は、
前記制御手段が、前記エンジンスイッチから前記オン信号を取得した時点で、前記操作手段から前記操作信号を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体の制御システム。 - 前記所定の条件は、
前記制御手段が、前記エンジンスイッチから前記オン信号を取得した時点で、前記開閉体が全開であると判定するとともに、前記開閉体を開動作させる信号を前記操作信号として取得すること、
を特徴とする請求項2に記載の車両用開閉体の制御システム。 - 前記制御手段には端末機器が通信可能に接続され、
前記所定の条件は、
前記制御手段が、前記エンジンスイッチから前記オン信号を取得した時点から所定時間内に、前記端末機器から所定の信号を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体の制御システム。 - 前記開閉体は、窓ガラス、スライドルーフまたはスライドシェードであること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用開閉体の制御システム。 - 前記開閉体は、複数の窓ガラスであり、
前記窓ガラスを開閉動作させる操作信号を出力し、前記窓ガラスごとに設けられた操作手段とをさらに備え、
前記所定の条件は、
前記制御手段が、前記エンジンスイッチから前記オン位置のポジション信号を取得した時点で、第1の窓ガラスを動作させる前記操作信号と、第2の窓ガラスを動作させる前記操作信号とを同時に取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体の制御システム。 - 前記第1の窓ガラスの動作は開動作であり、前記第2の窓ガラスの動作は閉動作であること、
を特徴とする請求項6に記載の車両用開閉体の制御システム。
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