JP3815981B2 - パワーウインド装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワーウインド装置に関し、特に、ウインドに異物を挟み込んだ時にウインドの開閉動作を停止又は反対方向に動作させるための挟み込みを検知する制御部を備えたパワーウインド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車に用いられ、ウインドを駆動部で開閉するパワーウインド装置において、ウインド開閉時に、ウインドに異物を挟み込んだときに、駆動部に過負荷をかけないため、及び、挟み込んだものを保護するために、ウインドに挟み込みがあったかないかを判定し、挟み込みがあった時は直ちに駆動部を停止または反対方向に動作させるための制御部を備えたパワーウインド装置が提案されている。
【0003】
このような従来のパワーウインド装置は、図7に構成を示すように、ウインドを開閉するための正逆動作可能な駆動部(以下「モータ」という。)11、モータ11に電源を供給する電源供給部12、複数のスイッチを有し、手動操作によりウインドの開閉のための信号となる電圧を出力する操作スイッチ部13、操作スイッチ部13の操作に応じてモータ11の回転をモータ電源供給部12を介して制御する制御部14(以下「CPU」という。)、モータ11の回転に対応してパルスを発生するパルス発生部15、ウインドが全閉状態に近くなったことを検知するリミットスイッチ16を備えている。
【0004】
そして、操作スイッチ部13の、いずれかのスイッチ(13a、13b、13c、13d)が操作されると、操作されたスイッチに対応した信号がCPU14の入力端子(P02、P03、P04)に入力され、CPU14は、入力された信号に応じて出力端子(P05、P06)から信号を電源供給部12に出力し、モータ電源供給部12は、入力された信号に対応してモータ11に電源を供給することで、モータ11が正/逆回転し、ウインドが開/閉するように構成されている。
【0005】
次に、図2は、このパワーウインド装置を車両のドアに装着した場合の、ドアの構成を示している。
ドア31は、ウインド開口部を有するドア本体とウインド32とによって構成されている。そして、ドア本体の上部は、ドアサッシュ33とゴムライニング34が設けられ、ゴムライニング34は、例えば、6mmの長さとなっている。ここで、ウインド32が上昇し(閉じ)、全閉状態に近くなるとゴムライニング34によって、トルクの急激な変化を吸収することでウインド32やモータ11を保護すると共に、ウインド32とドアサッシュ33の間を密着させている。
また、ドア本体の内部には、ゴムライニング34の下端から所定距離(通常4mm程度)下のところまでウインド32の上端が上昇したことを検知するリミットスイッチ16が設けられている。このリミットスイッチ16がスイッチングしてウインド32が上記位置に到ったことを検知した後は、ウインド32の上端とゴムライニング34の下端との隙間が、人の指が入らないほど狭い範囲(4mm)であり、挟み込みの検知は不要なので、挟み込みの検知をオフするようになっている。
【0006】
そして、図3は、このパワーウインド装置において、ウインドの全移動領域を36のブロックに分割した場合の、各ブロックに設定される、パルスの発生数、モータトルク値の代表値、モータトルク値の変動を許容する許容値、代表値と許容値とを加算した挟み込みと判定する判定値の一例を示す特性図であり、縦軸はモータ11が出力するモータトルク値(N)、横軸はパルス発生部15の発生するパルスの発生数(左端がウインド全開位置、右端が全閉位置)を示していて、この全開位置、全閉位置は、リミットスイッチ16が検知した時のウインド32の位置を基準にしている。なお、各設定値は予め設定されCPU14内の記憶部14bに記憶されている。
そして、モータ11が出力するモータトルク値は、ウインドの駆動メカの経年変化や外界環境によって変化するので、各ブロックの代表値は、最新の状態におけるモータトルク値を常に測定し、その測定値に応じ代表値を再度設定する(以下「学習」という。)ようになっている。
【0007】
以上の構成において、モータ11が回転すると、パルス発生部15は、モータ11の回転に連動しパルスを発生し、CPU14の入力端子P07に出力する。
このときCPU14は、入力されたパルスの発生間隔に要した時間を計測し、計測した時間からモータトルク値を検出するとともに、入力されたパルスの発生数を計数し、発生数からウインド32がどのブロックに属するかを決定する。
そして、CPU14は、決定されたブロックにおける記憶部14bに記憶された代表値を読み出し、代表値に所定の許容値を加算して判定値を求め、判定値と検出されたモータトルク値(以降、単にトルク値と言う)とを比較し、トルク値が判定値よりも大きいときには、ウインド32に異物の挟み込みが発生したと判断してモータ11を停止または反転させ、トルク値が判定値よりも小さいときには、学習機能により代表値、判定値を再度設定するようになっていた。
ここで、リミットスイッチ16がスイッチングしたときは、それ以降上記の挟み込みの判定は行わず、学習だけを行うようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなパワーウインド装置では、このリミットスイッチ16はウインドの全閉位置を基準にして全開方向へ4mmの位置でスイッチングするように取り付けられており、4mmの位置を保持するため、リミットスイッチ16の位置がウインドの全閉位置にいつも一致するように設けられている。従って、ウインド32の絶対位置(ドアサッシュ33との位置)との関係では、スイッチング位置が変化することがある。例えば、バッテリの電圧が高いときには、モータ11の発生するトルクが大きいために、全閉状態でウインド32の上端がドアサッシュ33にめり込み、そのときにリミットスイッチ16の位置も移動するので、スイッチング位置も連動して全閉方向に移動してしまい、その後にウインド32を下降(開く)してもリミットスイッチ16のスイッチング位置は元には戻らないようになっていた。
【0009】
そのために、リミットスイッチ16のスイッチング位置が全閉位置の方に移動した場合には、通常ならリミットスイッチ16がウインド32を検知するので、挟み込みの判断をしない範囲(通常はゴムライニング34の荷担から4mm)であっても、リミットスイッチ16がスイッチングしないために挟み込みの比較を行う。そして、リミットスイッチ16のスイッチング位置がずれる前に学習された比較的低いブロックの代表値をもとに判定値が設定されており、また、トルク値は全閉近くでは急激に上昇するために、トルク値の方が判定値よりも大きくなり、挟み込みが発生していないのに挟み込みがあったと誤判定され、ウインド32の動作が停止したり反転したりする誤動作が起きるという問題があった。
【0010】
ここで、図8は、ウインド32の全閉に近い状態のトルク値の特性図であり、縦軸は、トルク値(N)、横軸はパルス発生数(ブロック境界)、実線(曲線)はトルク値の実測値、一点鎖線(曲線)はリミットスイッチ16のスイッチング位置が全閉方向に移動したときのトルク値、横実線はそのブロックにおける学習した代表値、横点線はこのブロックにおける学習した代表値に許容値を加算した判定値を示している。
図8に円で示すように、リミットスイッチ32のスイッチング点の直前(左側)において、リミットスイッチ16のスイッチング点が全閉方向に移動したときのトルク値(一点鎖線)は判定値(横点線)を上回り、この範囲では、CPU14は、検出したトルク値が判定値よりも大きいために、挟み込みがあったと誤判定し、ウインド32を停止させたり反転させたりしていた。
【0011】
本発明は、この課題を解決するもので、その目的は、リミットスイッチがウインドを検知する位置が全閉方向に移動したとしても、挟み込みが発生していないのに挟み込みが発生したと判断してウインドの動作が停止したり反転したりする、誤動作が起こりにくいパワーウインド装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のパワーウインド装置は、車のウインドを開閉するための駆動部と、前記駆動部の動作に対応してパルスを発生するパルス発生部と、前記パルスの発生間隔から前記駆動部の出力するトルク値を検出するトルク値検出手段と、前記ウインドの全移動範囲を複数のブロックに分割した場合の各ブロック毎の前記トルク値の代表値を記憶するトルク値記憶手段と、前記検出したトルク値に基づいて、前記ウインドの属するブロックにおける前記トルク値の代表値再設定し前記トルク値記憶手段に記憶させるトルク値学習手段と、前記パルスの発生時における前記トルク値と前記ウインドの属するブロックの代表値に所定の許容値を加えた判定値とを前記パルスの発生毎に比較して、前記トルク値が前記判定値よりも大きい時に挟み込みと判定するとともに前記駆動部を停止または反対方向に動作させる制御部と、前記ウインドが全閉状態に近づいたことを検知してオフからオンに切り替わるリミットスイッチとを備え、前記制御部は、現在のブロックの次のブロックが前記リミットスイッチがオンする領域である場合に、次のブロックの前記代表値を1.2倍以上とした補正代表値を用いて補正判定値を求め、現在のブロックの判定値と前記求めた補正判定値とを直線で結んた直線近似判定値を設定し、前記パルスの発生時における前記トルク値が前記直線近似判定値を上回ったときに挟み込みと判定するようにした。
かかる構成とすることにより、ウインドの位置が全閉状態に近づいたときに、リミットスイッチがそれまでのオフ状態からオン状態に切り替わり、それにより制御部は、切り替わった直後のブロックの代表値に1.2以上の所定値を乗算して補正代表値を用いて補正判定値を求め、切り替わる直前のブロックの判定値と前記求めた補正判定値とを直線近似によって結んた直線近似判定値を設定するようにしたので、ウインドの位置が全閉状態に近づいたときのトルク値の変動を吸収することが可能になり、挟み込みが発生していないのに、挟み込みが発生したと誤判定して、ウインドの動作が停止したり移動方向が反転したりする誤動作を起こすことが少なくできる。
【0013】
さらに、本発明は、ブロックの代表値を所定倍する乗算値を好ましくは1.5としている。
かかる構成にすることにより、制御部(CPU)のデータ処理部において実測値を1ビットシフト(2で除算)し、除算結果を3つ加算すれば、1.5倍の計算を行うことができるので、高速処理することが可能な値であり、したがって、制御部(CPU)は補正値を高速計算することができる、または、その計算時に安価な制御部(CPU)を使用することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパワーウインド装置の実施の形態を図1〜図6、及び、図9を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明のパワーウインド装置の実施の形態の構成を示す図である。本発明のパワーウインド装置は、駆動部(以下「モータ」という。)11、モータ11に電源を供給する電源供給部12、操作スイッチ部13、制御部(以下「CPU」という。)14、パルス発生部15、リミットスイッチ16、車載電源端子17、18、19を備えている。
【0016】
モータ11は、車のウインドを開閉させるための正逆回転可能なモータで、図1に示す回路において、上側から下側に電流が流れるとき(UP)は、ウインドを閉じるように回転し、下側から上側に電流が流れるとき(DOWN)は、ウインドを開けるように回転する。
【0017】
電源供給部12は、モータ11に車載電源端子17からの電源を供給するための回路で、リレー20u、20d、スイッチトランジスタ21u、21dを備えている。リレー20u、20dは、それぞれ、可動接点はモータ11の互いに異なる端子に接続され、一方の固定接点は車載電源端子17に接続され、他方の固定接点はグランドに接続されている。また、各々の可動接点は、通常はグランド側の固定接点に接続されているが、リレー20u、20dのコイルに制御電流が流れているときにだけ車載電源端子17側の固定接点に接続される。
トランジスタ21uは、べースがCPU14の出力端子P05に接続され、コレクタがリレー20uのコイルを介して接地され、エミッタが車載電源端子18に接続されている。また、トランジスタ21dは、べースがCPU14の出力端子P06に接続され、コレクタがリレー20dのコイルを介して接地され、エミッタが車載電源端子18に接続されている。
【0018】
操作スイッチ部13は、マニュアルウインド閉スイッチ(UP)13b、マニュアルウインド開スイッチ(Down)13c、オートウインド閉スイッチ(U−AUTO)13a、オートウインド開スイッチ(D−AUTO)13d、を備えている。
マニュアルウインド閉スイッチ13bの可動接点はインバータを介して、CPU14の入力端子P02に接続され、一方の固定接点が車載電源端子19に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。また、マニュアルウインド開スイッチ13cの可動接点は、インバータを介してCPU14の入力端子P03に接続され、一方の固定接点が車載電源端子19に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。
さらに、オートウインド閉スイッチ13a、オートウインド開スイッチ13dは、それぞれ、一端が接地され、他端がCPU14の入力端子P04に接続されている。
【0019】
CPU14は、入出力用の複数の端子を有し、入力用端子(P02、P03、P04)には、操作スイッチ部13からの信号となる電圧が印加され、出力用端子(P05、P06)から、トランジスタ21u、21dのベースに各トランジスタをオン/オフさせるための信号となる電圧を出力する。また、入力端子P07は、パルス発生部15に接続されるとともに、パルス発生部15の発生するパルスが入力され、入力端子P08は、リミットスイッチ16に接続されている。また、CPU14は、内部にデータ処理部14a、記憶部14bを有している。データ処理部14aには、パルス発生部15の発生間隔からモータ11の出力するトルク値に近似するトルク値を検出するトルク値検出手段と、検出したトルク値に基づいて、ウインドの属するブロックにおけるトルクの代表値を再設定しトルク値記憶手段に記憶させるトルク値学習手段とがプログラムとして格納されている。また、前記記憶部14bには、各ブロック毎のトルクの代表値を記憶するトルク値記憶手段が含まれている。
【0020】
パルス発生部15は、例えば、モータ11の回転軸に取り付けられたギアの山を利用するものなどで、モータ11の回転に連動し、例えば、モータ11の1回転に1回パルスを発生し、CPU14に出力する。
リミットスイッチ16は、ウインドが全閉状態から所定の位置(通常はゴムライニング34の荷担から4mm)に到ったことをスイッチングにより検知し、CPU14に信号を出力する。
車載電源端子17、18、19はそれぞれ、車載電源の正の電極(+Vb)に接続され、車載電源を各部に供給している。
【0021】
以上の構成において、マニュアルウインド閉スイッチ13bを操作し、可動接点を車載電源端子19側にすると、車載電源端子19からの電圧が信号となりマニュアルウインド閉スイッチ13bとインバータとを介してCPU14の入力端子P02に入力される。次に、CPU14は、トランジスタ21uをオンさせるための信号を出力端子P05から出力する。そうすると、トランジスタ21uはオンとなり、車載電源端子18からの電流が、エミッタ、コレクタを通してリレー20uのコイルに流れ、リレー20uの可動接点が車載電源端子17側に切り替わり、車載電源端子17からの電圧が、モータ11にウインドを閉じるように印加され、ウインドが閉じて行く。
ここで、オートウインド閉スイッチ13aが操作されると、接地電圧が信号となりCPU14の入力端子P04に入力され、この時は、マニュアルウインド閉スイッチ13bの操作を止めても、CPU14はトランジスタ21uをオンさせるための信号を出力端子P05から出力し続け、他のスイッチが操作されるかウインドが全閉状態になるまで、ウインドは閉じ続ける。
また、オートウインド閉スイッチ13aを操作せずに、マニュアルウインド閉スイッチ13bの操作を止めた場合は、可動接点が車載電源端子19から離れ、接地電圧がインバータを介してCPU14の入力端子P02に入力される。次に、CPU14は、トランジスタ21uをオフさせるための信号を出力端子P05に出力する。そうすると、トランジスタ21uはオフとなり、リレー20uのコイルに制御電流が流れなくなり、リレー20uの可動接点が接地側に切り替わり、モータ11に電圧が印加されなくなり、モータ11の回転が止まり、ウインドが停止する。
【0022】
同様に、マニュアルウインド開スイッチ13cを操作し、可動接点を車載電源端子19側にすると、車載電源端子19からの電圧が信号となりマニュアルウインド開スイッチ13cとインバータとを介してCPU14の入力端子P03に入力される。次に、CPU14は、トランジスタ21dをオンさせるための信号を出力端子P06から出力する。そうすると、トランジスタ21dは、オンとなり、車載電源端子18からの電流が、エミッタ、コレクタを通してリレー20uのコイルに流れ、リレー20dの可動接点が車載電源端子17側に切り替わり、車載電源端子17からの電圧が、モータ11にウインドを開けるように印加され、ウインドが開いて行く。
ここで、オートウインド開スイッチ13dが操作されると、接地電圧が信号となりCPU14の入力端子P05に入力され、この時は、マニュアルウインド開スイッチ13cの操作を止めても、CPU14は、トランジスタ21dをオンさせるための信号を出力端子P06から出力し続け、他のスイッチが操作されるかウインドが全開状態になるまで、ウインドは開き続ける。
また、オートウインド開スイッチ13dを操作せずに、マニュアルウインド開スイッチ13cの操作を止めた場合は、可動接点が車載電源端子19から離れ、接地電圧がインバータを介してCPU14の入力端子P03に入力される。次に、CPU14は、トランジスタ21dをオフさせるための信号を出力端子P06に出力する。そうすると、トランジスタ21dはオフとなり、リレー20dのコイルに制御電流が流れなくなり、リレー20dの可動接点が接地側に切り替わり、モータ11に電圧が印加されなくなり、モータ11の回転が止まり、ウインドが停止する。
【0023】
以上のような構成と動作によって、操作スイッチ部13の各スイッチの操作に応じて信号がCPU14に出力され、CPU14がモータ電源供給部12を介してモータ11に供給される電源を制御し、モータ11が正/逆回転することで車のウインドが開/閉する。
【0024】
次に、図2は、このパワーウインド装置を車両のドアに装着した場合の、ドアの構成を示している。
ドア31は、ウインド開口部を有するドア本体とウインド32とによって構成されている。そして、ドア本体の上部は、ドアサッシュ33とゴムライニング34が設けられ、ゴムライニング34は、例えば、6mmの長さとなっている。ここで、ウインド32が上昇し(閉じ)、全閉状態に近くなるとゴムライニング34によって、トルクの急激な変化を吸収することでウインド32やモータ11を保護すると共に、ウインド32とドアサッシュ33の間を密着させている。
また、ドア本体の内部には、ゴムライニング34の下端から4mm下のところまでウインド32の上端が上昇したことを検知する前記リミットスイッチ16が設けられている。このリミットスイッチ16がウインド32のこの位置を検知した後、すなわち、ウインド32の上端とゴムライニング34の下端との隙間が、人の指が入らないほど狭い範囲(4mm)においては、挟み込みの検知は不要なので、挟み込みの検知をオフするようになっている。
【0025】
第3図は、このパワーウインド装置における、挟み込み判定のための判定値設定の状態を説明するための図である。縦軸はトルク値(N)、横軸はパルス発生部15の発生するパルスの発生回数(左端がウインド全開位置、右端が全閉位置)、曲線は最新のトルク値の実測値、直線の実線は代表値、点線は判定値を示している。このパワーウインド装置においては、ウインドの全移動領域を、例えば、36のブロックに分割してある。各ブロックにおけるパルスの発生回数は、32パルスずつとなる。そして、それぞれのパルスの発生時点で求められたトルク値の平均値をそのブロックにおけるトルク値の代表値としている。トルク値の変動を許容する所定の許容値を代表値に加算した挟み込みと判定する判定値が各ブロック単位に算出される。
代表値と許容値とは予め設定されトルク値記憶手段によってCPU14内の記憶部14bに記憶されている。
また、挟み込みの検出を行うときにパラメータとして用いられる上記のトルク値は、モータ11の出力するトルク値に近似する値で、このトルク値は、パルス発生部15の発生するパルスの発生間隔などの値を用いて、図9に示す計算式によって求められる。なお、このトルク値は、ウインドの重量やウインドと窓枠との間の摩擦分などを含んでいる。
そして、トルク値は、モータあるいはウインドメカの経年変化や外界環境によって変化するので、各ブロックの代表値は、最新の状態におけるトルク値を常に測定し、その測定値に応じた代表値、判定値を補正し、再度設定する(以下「学習機能」という。)ようになっている。
【0026】
以上の構成において、操作スイッチ部13の操作に応じてモータ11が回転すると、パルス発生部15は、モータ11の回転に連動し、例えば、モータ11の1回転に1回のパルスを発生し、CPU14の入力端子P07に出力する。
このときCPU14は、トルク値検出手段によって、入力されたパルスの発生間隔に要する時間を計測し、計測した時間から図9に示す計算式によってモータトルク値を検出するとともに、入力されたパルスの発生数を計数し、発生数からウインドが図3に示すどのブロックに属するかを特定し、挟み込みの判定を行う。
【0027】
図4は、本発明における判定値の設定方法を説明する図であり、縦軸は、モータトルク値(N)、横軸はパルス発生数(ブロック境界)、実線(曲線)はトルク値の実測値、水平な太実線はブロックにおける学習した代表値A、水平な細実線は補正代表値B、太一点鎖線は判定値C、細一点鎖線は補正判定値D、太点線は直線近似判定値を示している。
図4に示すように、各々のブロックの代表値Aは、例えば、そのブロックにおけるトルク値の実測値の平均値とし、記憶部14bに記憶させる。リミットスイッチ16のスイッチング点の前のブロックにおいては代表値Aに許容値を加算して判定値Cを求め、リミットスイッチ16のスイッチング点の後のブロックにおいては、代表値Aを所定倍、ここでは1.5倍して補正代表値Bを求め、更に補正代表値Bに許容値を加算して補正判定値Dを求める。
リミットスイッチ16のスイッチング点の直前のブロックの前半部、及びそれより先のブロックにおいては、隣り合うブロックの前記代表値Aを記憶分14bから読み出し、許容差を加算して判定値Cを求め、判定値の中央値(ブロックの中央での判定値)を直線で結んで直線近似判定値(図4の太点線)を算出し、最新のトルク値の検出値がこの直線近似判定値を上回ったときに挟み込みが発生したと判定する。
リミットスイッチ16のスイッチング点の直前のブロックの後半部、及びスイッチング点の後(スイッチングON領域)のブロックにおいては、記憶分14bから読み込んだ前記代表値(A)を、例えば、1.5倍したものを補正代表値(B)とし、この補正代表値(B)に所定の許容値を加算し、そのブロックの補正判定値(C)を算出する。
そして、隣り合うブロックにおける判定値の中央値を直線で結んで直線近似判定値を求め、挟み込みの判定は、最新のトルク値の検出値が、この直線近似判定値を上回ったときに挟み込みと判定するようにしている。
【0028】
図5は、このパワーウインド装置の挟み込みの判定方法を示すフローチャートである。
CPU14はパルスを検出すると、データ処理部14aがパルス幅からトルク値を検出し、記憶部14bに記憶させ(S61)、ウインドの位置が現在のブロックの前半部と後半部のいずれにあるかを判定する(S62)。
ステップS62において、ウインドの位置がブロックの前半部にある場合(Yes)、現在のブロックと一つ前のブロックの判定値を用いて直線近似を行う(S63)。ステップS62において、ウインドの位置がブロックの後半部にある場合(No)、次のブロックがリミットスイッチのONの領域かを判断する(S69)。
ステップS69において、次のブロックがリミットスイッチON領域と判断された場合(Yes)、次のブロックの代表値を1.5倍して補正判定値を求め、現在の判定値と直線近似をする(S71)。
ステップS69において、次のブロックがリミットスイッチON領域と判断されなかった場合(No)、現在のブロックと次のブロックの判定値を用いて直線近似する(S70)。
ステップS63,S70,S71で直線近似したのち、パルスのカウントから求められるウインドの位置における直線近似判定値を取得する(S64)。
ステップS65において、検出されたトルク値の方が直線近似判定値よりも大きい時(Yes)は、挟み込みがあったと判定して駆動部を停止又は反対に動作させる(S66)。検出されたトルク値が直線近似判定値よりも小さい時(No)は、挟み込みはなかったと判定する。
【0029】
次に、ステップS67において、発生したパルスがブロックの境界かどうかを判定する。
ステップS67において、ブロックの境界の場合(Yes)は、ステップS61で記憶されていたトルク値によって、前のブロックに対する代表値を再設定し(学習)、記憶部14bに記憶させる(ステップ68)。ブロックの境界でない場合(No)は手順を終了する。
【0030】
ここで、図6は、本発明の上記構成を実施したときのウインド32の全閉に近い位置のトルク値の特性図であり、縦軸は、トルク値(N)、横軸はパルス発生数(ブロック境界)、実線(曲線)はリミットスイッチ16の検知する位置が全閉方向に移動する前のトルクの実測値、一点鎖線(曲線)はリミットスイッチ16の検知する位置が全閉方向に移動した後のトルク値、点線はこのブロックにおける直線近似判定値を示している。
図6に示すように、リミットスイッチ16のスイッチング点の直前(左側)においても、リミットスイッチ16のスイッチング点が全閉方向に移動したときのトルク値は直線近似判定値を下回り、このために、CPU14は、挟み込みがあったと誤判定してウインド32を停止させたり反転させたりすることがなくなっている。
【0031】
なお、本実施の形態においては、リミットスイッチ16のスイッチング点以後のブロックの補正判定値は代表値を1.5倍としかつ許容差を加算して求めている。挟み込みの誤判定を少なくするためには1.2倍以上であれば良いが、CPU14のデータ処理部14aにおいては、1.5倍という数字は代表値を1ビットシフト(2で除算)し、ADD(加算)すれば良く、高速に処理することが可能な値であり、したがって、CPU14は補正判定値を高速に計算できる、又は、計算性能は劣るが安価なCPUを使用することが可能となっている。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウインドの位置が全閉状態に近づいたときに、リミットスイッチがそれまでのオフ状態からオン状態に切り替わり、それにより制御部は、切り替わった直後のブロックの代表値に1.2以上の所定値を乗算した補正代表値を用いて補正判定値を求め、切り替わる直前のブロックの判定値と前記求めた補正判定値とを直線近似によって結んた直線近似判定値を設定するようにしているので、ウインドの位置が全閉状態に近づいたときのトルク値の変動を吸収することが可能になり、挟み込みが発生していないのに、挟み込みが発生したと誤判定して、ウインドの動作が停止したり移動方向が反転したりする誤動作を起こすことが少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパワーウインド装置の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】本発明及び従来のパワーウインド装置を車両のドアに装着した場合の、ドアの構成を示す図である。
【図3】本発明及び従来のパワーウインド装置のウインドの全移動領域を複数のブロックに分割した場合の、各ブロック毎の代表値、許容値、判定値の一例を示す特性図である。
【図4】本発明のパワーウインド装置の判定値を設定する方法を示す図である。
【図5】本発明のパワーウインド装置の挟み込みを判定する方法を説明するフローチャートである。
【図6】本発明のパワーウインド装置の、ウインドの全閉に近い位置でのトルク、及び、判定値の一例を示す特性図である。
【図7】従来のパワーウインド装置の実施の形態の構成を示す図である。
【図8】従来のパワーウインド装置の、ウインドの全閉に近い位置でのトルク、代表値判定値の一例を示す特性図である。
【図9】本発明及び従来のパワーウインド装置のモータトルク値を求める計算式を示す図である。
【符号の説明】
11 駆動部(モータ)
14 制御部(CPU)
14a データ処理部(トルク値検出手段、トルク値学習手段)
14b 記憶部(トルク値記憶手段)
15 パルス発生部
16 リミットスイッチ
32 ウインド

Claims (3)

  1. 車のウインドを開閉するための駆動部と、前記駆動部の動作に対応してパルスを発生するパルス発生部と、前記パルスの発生間隔から前記駆動部の出力するトルク値を検出するトルク値検出手段と、前記ウインドの全移動範囲を複数のブロックに分割した場合の各ブロック毎の前記トルク値の代表値を記憶するトルク値記憶手段と、前記検出したトルク値に基づいて、前記ウインドの属するブロックにおける前記トルク値の代表値再設定し前記トルク値記憶手段に記憶させるトルク値学習手段と、前記パルスの発生時における前記トルク値と前記ウインドの属するブロックの代表値に所定の許容値を加えた判定値とを前記パルスの発生毎に比較して、前記トルク値が前記判定値よりも大きい時に挟み込みと判定するとともに前記駆動部を停止または反対方向に動作させる制御部と、前記ウインドが全閉状態に近づいたことを検知してオフからオンに切り替わるリミットスイッチとを備え、前記制御部は、現在のブロックの次のブロックが前記リミットスイッチがオンする領域である場合に、次のブロックの前記代表値を1.2倍以上とした補正代表値を用いて補正判定値を求め、現在のブロックの判定値と前記求めた補正判定値とを直線で結んた直線近似判定値を設定し、前記パルスの発生時における前記トルク値が前記直線近似判定値を上回ったときに挟み込みと判定するようにしたことを特徴とするパワーウインド装置。
  2. 前記補正代表値は、対応する代表値を1.5倍した値であることを特徴とする請求項1に記載のパワーウインド装置。
  3. 前記リミットスイッチがオフからオンに切り替わる切り替え点は、前記ブロックの境界領域に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーウインド装置。
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