JP2590031Y2 - 安全装置付パワーウインド装置 - Google Patents

安全装置付パワーウインド装置

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JP2590031Y2
JP2590031Y2 JP1993054950U JP5495093U JP2590031Y2 JP 2590031 Y2 JP2590031 Y2 JP 2590031Y2 JP 1993054950 U JP1993054950 U JP 1993054950U JP 5495093 U JP5495093 U JP 5495093U JP 2590031 Y2 JP2590031 Y2 JP 2590031Y2
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仁志 武田
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徹 中山
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は自動車等の車両に適用さ
れ、ウインドをモータ等によって開閉動作させるパワー
ウインド装置に関し、特にウインドにおける手や頭の挟
み込みに対する安全制御動作を行う安全装置付パワーウ
インド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パワーウインド装置はモータ等
の駆動源によってウインドを開閉動作させるため、ウイ
ンドガラスとサッシとの間に手や頭を挟み込む事故が生
じることがある。このため、このような挟み込みを検出
してウインドの閉動作を停止させ、或いはウインドを開
動作させることで挟み込みに対する安全制御動作を行う
安全装置を備えたものが提案されている。本考案者も既
に種々の方式、構成のものを提案している。このパワー
ウインド装置では、挟み込みの検出として、ウインドの
開閉速度と相関のあるモータの回転速度を測定し、この
速度が一定の基準値よりも低下されたとき、即ち挟み込
みによってウインド及びモータに加えられる負荷が増大
して回転速度が低下されたときを挟み込みとして検出す
る方式が用いられる。
【0003】ところが、このような検出方式では、モー
タの回転速度を検出するための手段が必要となり、この
手段として電磁方式や光学方式等が適用されているが、
いずれも構造が複雑でかつ高価であり、しかも自動車等
のように振動、衝撃が加わり易い装置にこの種の回転検
出手段を適用したときには、その検出精度の信頼性が低
下されるおそれもある。
【0004】また、ウインドにおける挟み込みをモータ
の回転速度に基づいてのみ行うと、ウインドが全閉に近
い状態となってウインドガラスがサッシに設けたウェザ
ーストリップに当接したときに、ウェザーストリップと
の摩擦抵抗によってモータ回転速度が低下されるため、
これを挟み込みとして誤検出し易く、その結果ウインド
の閉動作が停止され、ウインドが全閉されなくなること
がある。例えば、図10に示すような断面構造のウェザ
ーストリップWSをサッシSSに取着しているウインド
では、ウインドの全閉位置よりも約15mm程度手前か
らウインドガラス7の上縁がウェザーストリップWSの
リップ部WLに接触されるため、この接触状態が生じる
領域(これをランチャンネル領域と称する)においてウ
インドの閉動作に抵抗が生じ、モータ回転速度が低下さ
れ、誤検出が生じ易くなる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】この誤検出を避けるた
めに、モータの回転数に基づいてウインド位置を認識
し、このウインド位置に応じて安全制御を行ない、或い
は解除するように構成したものが提案されている。しか
しながら、モータ回転数を検出する手段も比較的に構造
が複雑でかつ高価になるとともに、実際のパワーウイン
ド装置では、モータの回転力をギヤ機構,ワイヤ・プー
リ機構等を介してウインドガラスに伝達しているため、
ギヤ機構に設けたダンパーが原因とされる回転方向の捩
れや、ワイヤの伸び、プーリの摩耗等によってモータ回
転数とウインド開閉位置との間にずれが生じ、前記した
ウインドの開閉位置を高精度に検出して安全制御領域を
認識することは困難である。本考案の目的は、モータの
回転速度や回転数を検出するための手段を用いることな
くウインドにおける挟み込みを検出して安全制御動作を
可能にした安全装置付パワーウインド装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、ウインドを開
閉動作させるモータの駆動電流を基準値と比較して挟み
込みを検出する手段と、このウインドの全閉近傍領域の
開閉位置を機械電気的に検出する手段と、検出されたウ
インドの開閉位置に基づいて挟込みの検出基準値を設定
する手段と、前記ウインド開閉位置の検出手段からの出
力に基づいて前記安全制御動作を行う安全制御領域を設
定する手段とを備え、前記安全制御領域の設定手段は、
前記ウインドの全閉位置から開方向に微小寸法の範囲を
前記安全制御領域から除外するとともに、前記ウインド
が前回に全閉されたときのウインド開閉位置の検出値
と、今回全閉されたときの検出値とを比較し、今回の検
出値が前回の検出値よりもウインドの全閉方向に変化さ
れたときに、その変化された検出出力に基づいて前記ウ
インドの全閉位置を更新する構成とする。
【0007】
【実施例】次に、本考案について図面を参照して説明す
る。図1は本考案が適用されるパワーウインド装置の全
体構成図であり、自動車のウインドの下側車体内にウイ
ンド開閉機構1が設けられる。このウインド開閉機構1
は、上下方向に延設されたレール2を有し、このレール
にはスライダ3を上下に摺動可能に保持している。この
スライダ3にはワイヤ4が連結され、ワイヤ4はレール
2の上下端に配設されたプーリ5に巻き掛けられ、更に
レールの略中間位置に固定支持されたパワーウインド駆
動部6に設けたプーリに巻き掛けられる。このパワーウ
インド駆動部6には後述するようにプーリを駆動するモ
ータ9が設けられており、このモータ9が駆動されたと
きに駆動プーリ10によりワイヤ4を回動させ、スライ
ダ3が上下移動される。また、このスライダ3にはウイ
ンドガラス7が取着され、スライダ3と共に上下移動さ
れたときにサッシで画成されるウインド空間を開閉す
る。更に、前記レール2の上端寄りの位置には詳細を後
述するポジションセンサ8が固定され、スライダ3の移
動位置、換言すればウインドの開閉位置を検出する構成
とされている。
【0008】前記ポジションセンサ8はポテンションメ
ータとして構成され、その詳細な説明は省略するが、例
えば抵抗体上で導電片を直線方向に往復摺動させ、その
摺動位置に応じた抵抗値が出力されるように構成され
る。図2に示すように、前記導電片は感知レバー8aに
より抵抗体上で移動できるように構成され、感知レバー
8aの先端部はケースの外方に突出されている。そし
て、このポジションセンサ8は前記レール2の上端部寄
りの位置に固定され、かつ感知レバー8aの先端部がス
ライダ3の移動軌跡に臨ませられている。したがって、
同図に二点鎖線で示すように、レール2上を移動される
スライダ3がウインドの全閉位置近傍にまで移動されて
くると、スライダ3に設けた突片3aに植設した当接ピ
ン3bが感知レバー8aの先端部に接触し、これを押し
て矢印の方向に感知レバー8aを揺動させる。この感知
レバーの8a揺動により導電片が一体的に抵抗体上を移
動され、その抵抗値が変化される。
【0009】そして、図3(a)に示すように、このポ
ジションセンサ8によりバッテリBATの電圧VB を分
圧する回路を構成すれば、ウインドの位置の変化に応じ
てポジションセンサの抵抗値が変化され、この抵抗値の
変化に基づいて分圧された出力電圧VOUT が変化され、
この出力電圧VOUT がウインド位置の検出信号として得
ることが可能になる。そして、ここでは、図3(b)に
示すように、ウインドが閉じられる方向に移動されたと
きに出力電圧VOUT が増大されるように構成される。こ
こで、出力電圧の最大値はバッテリ電圧VB であり、最
小値は0(零)となる。そして、前記スライダ3がポジ
ションセンサ8の感知レバー8aに衝突されないとき、
即ちスライダ3がレール2の下方位置にあってウインド
が所定以上開いた状態にあるときにはポジションセンサ
8からの出力電圧は最小レベルとなり、ウインドが全閉
状態に近づいてポジションセンサ8が動作される状態と
されたときに出力電圧VOUT が徐々に増大されるように
構成される。
【0010】図4は前記したウインド開閉機構やポジシ
ョンセンサを含むパワーウインド装置の回路構成図であ
る。同図において、マイクロコンピュータ20は、パワ
ーウインドの駆動源としてのモータ9の駆動電流を検出
する電流検出手段11からの電流値が入力される。ま
た、前記ポジションセンサ8からのウインドの位置検出
信号としての出力電圧が入力される。更に、手操作され
る機能スイッチ12によりウインドの開閉動作が選択さ
れ、その選択信号が入力される。この機能スイッチ12
はウインドをオート或いはマニュアルで開閉動作させる
際に自動車の乗員によって操作される。更に、マイクロ
コンピュータ20からの信号に基づいてモータ駆動回路
13が前記パワーウインド駆動部のモータ9の回転を制
御するように構成され、また、このモータ駆動回路13
に電力を供給するバッテリBATの電圧がマイクロコン
ピュータ20に入力される。
【0011】前記マイクロコンピュータ20には、ウイ
ンドの開閉動作状態から安全制御領域を検出するための
系と、異物挟み込みを検出するための系が設けられる。
安全制御領域を検出するための系においては、前記ポジ
ションセンサ8からの位置検出信号をウインド位置検出
手段21に入力させ、ここでウインドの開閉位置を検出
する。このウインド位置検出手段21は、ポジションセ
ンサ8から出力される電圧VOUT に基づいて、ウインド
の位置を検出する。即ち、図3(b)に示したように、
ポジションセンサ8の動作範囲内において、ウインドの
全閉位置Pxから4mmだけ開いた位置P3を設定し、
かつこの位置Pxよりも更にウインドが開かれた異なる
3つの位置P2,P1,P0をそれぞれ設定する。但
し、ウインドの全閉位置Pxから各位置P3〜P0まで
の寸法をそれぞれL3,L2,L1,L0とする(L3
<L2<L1<L0)。
【0012】そして、これらの位置P3,P2,P1,
P0におけるポジションセンサの各出力電圧V3,V
2,V1,V0をそれぞれ図外の内蔵メモリに記憶させ
ることで、このウインド位置検出手段21では、ポジシ
ョンセンサ8からの出力電圧VOUT を常時検出し、この
検出した電圧を前記電圧V3〜V0と比較することによ
り、ウインド位置を検出することが可能となる。なお、
ウインド全閉位置Pxの出力電圧Vxは、ポジションセ
ンサ8が出力可能な最大電圧、即ちバッテリ電圧VB よ
りも若干低い電圧に設定しておく。
【0013】このウインド位置検出手段21の出力は安
全制御領域判別手段22と、後述する基準値設定手段3
1にそれぞれ入力され、安全制御領域の判別を行う際、
或いは挟み込み検出基準の基準値設定にそれぞれ利用さ
れる。安全制御領域判別手段22は、ウインド位置検出
手段21からの出力により、前記したようにウインドが
全閉状態から微小寸法(4mm)だけ開方向に移動され
た位置P3よりも、ウインドの開方向の位置を全て安全
制御領域として判別する。この4mmの寸法は、図10
に示したように人の指先が挟み込まれることがない、最
小の寸法であり、この寸法位置よりもウインドが閉じ方
向に位置されているときには指先等の挟み込みが生じる
ことはなく、したがって安全制御動作を行う必要がない
寸法である。
【0014】この安全制御領域判別手段22における判
別結果の出力はアンドゲート23の一方の入力端に入力
され、更にこのアンドゲート23を通して安全制御動作
手段24に入力される。また、他の一部は動作指令手段
25に入力される。この動作指令手段25は前記機能ス
イッチ12のスイッチの状態に応じた動作指令をモータ
駆動回路13に出力する。また、前記安全制御動作指令
手段24は、挟込み検出信号が入力されたときに動作指
令手段25を制御して安全制御動作を行わせる。ここで
は、ウインドをその時の開閉位置から12cmだけ開く
方向に動作させる制御を行わせる。
【0015】一方、異物の挟み込み検出の系は、前記電
流検出手段11からの信号を低域ろ波器26を通した信
号を入力し、この信号値を後述する基準値設定手段31
で設定された基準値と比較して挟み込みを検出する挟込
検出手段27を有する。この挟込検出手段27には、機
能スイッチ12によりウインドを閉じるスイッチがオン
されてから所定の時間を検出する第1タイマ28が接続
される。また、モータが始動された後、前記電流検出手
段11からの電流値が予め設定されたバックラッシュ電
流値を下から上に向けて通過したときを検出するバック
ラッシュ検出手段29と、このバックラッシュを検出し
た後に所定の時間を検出する第2タイマ30とが直列接
続される。
【0016】また、挟込検出手段27は前記電流検出手
段11からの電流値を取込み、これを基準値設定手段3
1で設定された基準電流値Ithと比較し、平均値が基準
電流値よりも大きいときに挟込みを検出するように構成
される。この挟込検出手段27の出力は前記アンドゲー
ト23の他方の入力端に入力される。前記挟込検出手段
27に接続される基準値設定手段31は、前記第2タイ
マ30からの出力と、前記電流検出手段11からの電流
値が入力され、これに加えて前記バッテリBATの電圧
を検出する電圧検出手段32からの検出電圧が入力され
る。この基準値設定手段31は、クロック33からの時
間信号を参照信号として入力し、前記第2タイマ30で
測定した時間S2の時間が経過した後に、予め設定され
た数Nだけ電流検出手段11からの検出電流値をサンプ
リングし、サンプリングされたN個の電流値の平均を演
算する。そして、この平均値を標準基準電流値I0とし
て設定する。
【0017】また、この基準値設定手段31には、モー
タ9のロック電流値IL とウインド全閉近傍時における
特殊基準電流値Ixが予め設定されたメモリが内蔵され
ており、電圧検出手段32で検出された前記バッテリB
ATの電圧VB が入力されたときに、このバッテリ電圧
値VB と前記サンプリング及び演算の結果から求められ
た標準基準電流値I0とで、前記ロック電流値IL と特
殊基準電流値Ixとを出力するように構成される。ロッ
ク電流値とは、ウインドが全閉状態となって負荷が増大
したときの電流値である。この場合、詳細は後述する
が、前記ロック電流値IL はモータの始動時と、ウイン
ド全閉直近時、即ち前記ウインド位置検出手段21が検
出するウインドの開閉位置L3よりもウインドが閉じら
れる領域時に採用される。また、ウインド全閉近傍時に
おける特殊基準電流値Ixは、ウインドの前記した位置
P3〜P0の間で採用され、更にP0〜P1,P1〜P
2,P2〜P3の各間でそれぞれ特殊基準電流値Ixが
変化され、各間における特殊基準電流値I1,I2,I
3が階段状に増加されるように設定されている。
【0018】このような構成のパワーウインド装置の動
作を図5の信号波形図と、図6のフローチャートに基づ
いて説明する。機能スイッチ12のウインド閉スイッチ
をオンしてモータ9が回転を開始すると、電流検出手段
11がモータ9の駆動電流IM の検出を開始する(ステ
ップS10)。このモータ9の回転に伴ってウインド開
閉機構1によりウインドが閉方向に動作される。そし
て、電流検出手段11で検出されるモータの駆動電流I
M は、初期時にはウインドの静負荷により大電流が流
れ、その後はパワーウインド駆動部6 に内蔵されている
ダンパ等によりバックラッシュが生じて急速に電流が低
減される。したがって、この間の時間S1を第1タイマ
で計測し、この間は挟込検出手段27での挟込みの検出
を停止させる(S11)。この間、挟込検出手段27で
はロック電流値IL が設定されているか否かを判定し
(S12)、設定されていない場合には、電圧検出手段
32がバッテリ電圧VB を検出し(S13)、この検出
された電圧により基準値設定手段31はロック電流値I
L を設定する(S14)。そして、モータ9を正転方向
(ウインド閉方向)に連続駆動させる(S15)。
【0019】次いで、前記時間S1の間におけるバック
ラッシュの経過後に再び負荷が増大されるため電流が増
大する。この直後は未だに電流が不安定なため、電流検
出手段11で検出される電流値を先に設定されたロック
電流値IL とのみ比較し、電流値がこのロック電流値を
越えたときのみ挟み込みがあったと判定し(S16)、
モータの反転による安全制御動作を実行させる(S1
7)。即ち、この安全制御動作では、安全制御動作指令
手段24から動作指令手段25に信号を出力してモータ
駆動回路13を制御し、モータ9を反転方向(ウインド
開方向)に駆動し、前記したようにウインドを12cm
だけ開いて停止させる。これにより、挟み込まれた手や
指等をウインドから外すことが可能となる。
【0020】そして、検出電流IM が予め設定されたバ
ックラッシュ電圧を下から上に向けて通過したことをバ
ックラッシュ検出手段29が検出すると(S18)、第
2タイマ30が時間S2を計測する(S19)。通常で
は、この時間S2を経過すると、電流値が安定される状
態となる。すると、基準値設定手段31では、電流検出
手段11からの電流値IM のサンプリングを開始し、N
個の電流値をサンプリングする(S20〜S22)。そ
して、N個の電流値の平均値を求め(S23)、この平
均値を標準基準電流値I0として設定する(S24)。
【0021】次いで、ウインド位置検出手段21は、前
記したようにポジションセンサ8からの出力電圧VOUT
に基づいてウインド位置Pを検出する。即ち、ウインド
が十分に開いた状態のときには、ポジションセンサ8の
感知レバー8aがスライダ3によって操作されることが
ないため、ポジションセンサ8の出力電圧は最小値0で
あり、これによりウインドが安全制御を行う領域である
ことを検出する。一方、ウインドが全閉近傍の状態まで
閉じられてきたときには、スライダ3がポジションセン
サ8の感知レバー8aにより動作されるため、その抵抗
値が変化され、ポジションセンサ8からはスライダの移
動量に対応した図3(b)のような出力電圧VOUT が出
力される。このため、ウインド位置検出手段21は、こ
の出力電圧に基づいてウインドの位置検出を行う。
【0022】ここで、ウインド位置Pの検出はウインド
の閉方向から順次行っており、ポジションセンサ8から
の出力電圧VOUT と、メモリに設定されている電圧V0
〜V3との比較により、ウインド位置Pが位置P3より
も閉じた位置(ウインド位置P<L3)にあるか否か
(S25)、P3とP2の間の位置(L3<ウインド位
置P<L2)か(S26)、P2とP1の間の位置(L
2<ウインド位置P<L1)か(S27)、P1とP0
の間の位置(L1<ウインド位置P<L0)か(S2
8)を順次検出する。
【0023】そして、ウインド位置PがL3よりも小さ
いときには、ウインドが全閉状態から4mm以内で開い
た状態にあり、挟み込みが生じるおそれがないため、安
全制御領域判別手段22から安全動作指令手段24に対
して信号が出力されず、したがって安全制御動作が行わ
れることはない。また、この状態であることは直接動作
指令手段25に出力されており、このときに検出電流値
IM がロック電流値IL を越えたときには、ウインドが
ウェザーストリップに接触して負荷が増大した状態、即
ち全閉状態であると判断でき、動作指令手段25はモー
タ駆動回路13に対して信号を出力してモータ9の回転
を停止させる(S29,S30)。これにより、ウイン
ドが全閉状態のときに安全制御動作が行われてウインド
が全閉されなくなることが未然に防止される。
【0024】一方、ウインド位置PがL0よりも大きい
とき、即ちウインドがウェザーストリップのランチャン
ネル領域内に存在していない開状態のときには、ステッ
プS24で設定された標準基準電流値I0に係数Rを掛
けた値(I0×R)(例えばR=1.05)をその際の
基準電流値Ithとして設定し(S31)、以後この基準
電流値Ithに基づいて挟込検出手段27が検出電流値I
M との比較を行って挟み込みの検出を行う(S32)。
したがって、安全制御領域判別手段22からの信号と、
挟込検出手段27における挟込検出の信号が共に出力さ
れたときに、安全制御動作指令手段24から動作指令手
段25に信号が出力され、モータ駆動回路13を動作さ
せて前記したような安全制御動作が行われる。
【0025】また、ウインド位置がL3とL2の間、L
2とL1の間、L1とL0の間のときには、予めメモリ
に設定されている特殊基準電流値Ixに従って図3
(c)のように、それぞれにおける特殊基準電流値をI
3,I2,I1を各基準電流値Ithとして設定する(S
33〜S35)。そして、このL3〜L0の間では、検
出電流値IM を前記各特殊基準電流値I1〜I3と比較
して挟込検出手段27での挟込みの検出を行う(S3
2)。このときの安全制御動作も前記した場合と同じで
ある。したがって、このL3〜L0の間では、ウインド
がウェザーストリップのランチャンネル領域に進行して
その負荷が徐々に増加して行くため、これに合わせて特
殊基準電流値I1〜I3を階段状に増加させることで、
このランチャンネル領域における挟み込みを検出するこ
とになる。これにより、ウインドがランチャンネル領域
に達するまで閉じられてウェザーストリップに接触して
モータの負荷が増大し、その電流値が増大されても、基
準電流値はこれに対応して順次増加されるため、このL
3〜L0の間での挟み込みの検出を適切に行うことが可
能となる。
【0026】ここで、ウェザーストリップの疲労や、ウ
インド開閉機構におけるワイヤの弛み等によりウインド
の全閉位置が閉方向に移動されると、ウインド位置とポ
ジションセンサとの間の相対位置にずれが生じ、ポジシ
ョンセンサからの出力電圧による全閉位置の検出に誤差
が生じることになる。このような誤差が生じると、ウイ
ンドが全閉位置から4mm以上開いた状態となっても安
全制御動作が動作されない状態が生じ、全閉近傍位置で
の安全制御が確保できなくなるおそれがある。そのた
め、前記したようにウインドの全閉位置Pxに対する電
圧Vxはバッテリ電圧VB よりも若干低く設定してお
り、ウインドが最初に設定されていた全閉位置よりも更
に閉方向に移動されたとき、即ちポジションセンサの出
力電圧が設定された電圧Vxよりも高くなったときに
は、この高くなった電圧VOUT を改めて全閉位置の電圧
Vxとし、以後この更新された電圧を全閉位置の電圧と
する。
【0027】図7はそのフローチャートであり、ポジシ
ョンセンサ8の出力電圧を検出し(S40)、この電圧
をそれまでの全閉位置の電圧と比較し(S41)、検出
電圧が設定電圧よりも高い場合には、図8に示すよう
に、その高い電圧を新たな全閉位置の電圧に更新し(S
42)、更にこれに合わせて安全制御領域判別手段にお
ける安全制御領域の判別基準を変更する(S43)。し
たがって、以後は更新された電圧に基づいて安全制御領
域の判別基準が更新され、安全制御動作が行われること
になる。これにより、前記したウェザーストリップの疲
労やワイヤの弛み等が原因とされるウインドの全閉位置
の変動に対処できる。
【0028】なお、一般にこの種のパワーウインド装置
では、機能スイッチ12における1回のスイッチ操作で
ウインドを開閉動作させる機能、所謂オート動作と、ス
イッチを連続操作している間だけウインドを開閉動作さ
せる、所謂マニュアル動作とを備えるものが多いが、こ
のオート動作とマニュアル動作の切替えをウインド開閉
スイッチと独立したスイッチで行うと、その分スイッチ
数が増え、かつその結線用のハーネス本数も増えること
になる。そのため、近年ではウインド開閉スイッチの操
作状態を検出してオートとマニュアルを切り替える方式
が提案されており、例えば、0.5秒未満はオート、
0.5秒以上はマニュアルとスイッチの操作継続時間に
基づいて切り替える方式が提案されている。しかしなが
ら、この操作継続時間に基づく切替えでは、特にマニュ
アル操作でウインドを極少しだけ開閉させたいときに、
その短時間の操作をオートとして検出してしまうことが
ある。
【0029】この点、この実施例では、極短い一定時間
の間にスイッチが操作された回数を検出する。例えば、
図9(a)のように、1秒間にスイッチが最低2回操作
されたときをオートとして検出し、図9(b)のように
1秒間に1回だけ操作されたとき、または図9(c)の
ように1秒間継続して操作されたときをそれぞれマニュ
アルとして検出する。このようにすれば、極少しだけウ
インドを開閉したいときに、オートとして検出されてし
まうことが防止できる。
【0030】なお、前記したウインドの開閉動作に伴う
モータの検出電流の特性は一例を示したものであり、モ
ータの種類によっては異なる電流特性を呈するものがあ
る。その場合には、各モータの電流特性に応じて適宜基
準電流値を制御すればよい。また、前記実施例ではラン
チャンネルを3つの領域に区分してそれぞれの基準電流
値を階段状に設定しているが、区分数を増加させること
も可能であり、より精度の高い挟み込みの検出を行うこ
とも可能である。
【0031】
【考案の効果】以上説明したように本考案は、ウインド
の開閉位置を機械電気的に検出し、このウインド開閉位
置の検出出力に基づいて安全制御動作を行う安全制御領
域を設定するとともに、検出されたウインドの開閉位置
に基づいて挟込み検出用の基準値を設定し、かつウイン
ドを開閉動作させるモータの駆動電流を基準値と比較し
て挟み込みを検出しているので、挟み込みの検出にモー
タ回転速度や回転数を検出するための複雑でかつ高価な
検出手段が不要となり、構造の簡略化、低価格化を図る
とともに、振動や衝撃が加えられる自動車等に適用した
場合でも高信頼度の検出が可能となる。またウインド
の全閉近傍状態におけるウインドの開閉位置を機械的に
検出して高精度の検出を可能とし、かつウインドが前回
に全閉されたときのウインド開閉位置の検出値と、今回
全閉されたときのウインド開閉位置の検出値とを比較
し、今回の検出値が前回の検出値よりもウインドの全閉
方向に変化されたときに、その変化された検出出力に基
づいてウインドの全閉位置を更新することにより、ウイ
ンド全閉位置が変化されたときには、安全制御領域の更
新を簡単に行うことができ、高精度かつ高信頼度の安全
制御動作を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のパワーウインド装置の全体構成を示す
側面図である。
【図2】ポジションセンサの動作を説明するための図1
の要部の拡大斜視図である。
【図3】ホジションセンサの出力電圧とウインド開閉位
置との関係を示す図である。
【図4】本考案の安全制御動作回路の一実施例のブロッ
ク回路図である。
【図5】本考案の動作を説明するための電流特性図であ
る。
【図6】本考案の動作を説明するためのフローチャート
である。
【図7】本考案の全閉電流値及び安全制御領域の更新動
作を説明するためのフローチャートである。
【図8】全閉電流値の更新動作を説明するための電圧特
性図である。
【図9】パワーウインドのオートとマニュアルの切替動
作を説明するための信号波形図である。
【図10】ウインドにおけるランチャンネル領域を説明
するための断面図である。
【符号の説明】
1 ウインド開閉機構 2 レール 3 スライダ 7 ウインドガラス 8 ポジションセンサ 9 モータ 11 電流検出手段 21 ウインド位置検出手段 22 安全制御領域判別手段 27 挟込検出手段 31 基準値設定手段
フロントページの続き (72)考案者 寺岡 愼次 静岡県清水市北脇500番地 株式会社小 糸製作所静岡工場内 (56)参考文献 特開 昭64−39278(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E05F 15/16 B60J 1/17

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより開閉動作されるウインドの
    挟込みを検出して安全制御動作を行うパワーウインド装
    置において、前記モータの駆動電流を基準値と比較して
    挟み込みを検出する手段と、前記ウインドの全閉近傍領
    域の開閉位置を機械電気的に検出する手段と、検出され
    たウインドの開閉位置に基づいて挟込みの検出基準値を
    設定する手段と、前記ウインド開閉位置の検出手段から
    の出力に基づいて前記安全制御動作を行う安全制御領域
    を設定する手段とを備え、前記安全制御領域の設定手段
    は、前記ウインドの全閉位置から開方向に微小寸法の範
    囲を前記安全制御領域から除外するとともに、前記ウイ
    ンドが前回に全閉されたときのウインド開閉位置の検出
    値と、今回全閉されたときの検出値とを比較し、今回の
    検出値が前回の検出値よりもウインドの全閉方向に変化
    されたときに、その変化された検出出力に基づいて前記
    ウインドの全閉位置を更新することを特徴とする安全装
    置付パワーウインド装置。
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