JP2908222B2 - 安全装置を備えるパワーウインド装置 - Google Patents

安全装置を備えるパワーウインド装置

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JP2908222B2
JP2908222B2 JP5342855A JP34285593A JP2908222B2 JP 2908222 B2 JP2908222 B2 JP 2908222B2 JP 5342855 A JP5342855 A JP 5342855A JP 34285593 A JP34285593 A JP 34285593A JP 2908222 B2 JP2908222 B2 JP 2908222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車両に適用さ
れてウインドをモータ等の駆動源によって開閉動作させ
るパワーウインド装置に関し、特にウインドガラスとサ
ッシとの間に手や頭等を挟み込んだ状態を検出して安全
制御動作を行う安全装置を備えるパワーウインド装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にパワーウインド装置はモータ等に
よってウインドガラスを開閉動作させるため、ウインド
ガラスとサッシの間に乗員の手や頭等を挟み込む事故を
起こすことがある。このため、従来からウインドガラス
とサッシとの間に異物を挟み込んだ状態を検出し、その
際にウインドの開閉動作を停止させ、或いは積極的にウ
インドを開動作させる等して事故を未然に防止するため
の安全装置を備えたパワーウインド装置が提案されてい
る。既に、本出願人も複数のパワーウインド装置の提案
を行っており、自動車の安全対策の上で優れた効果を得
ているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のパワーウインド装置において最も重要とされること
は、異物の挟み込みを検出する基準値が、自動車が実際
に置かれている状況によって微妙に変動されることであ
り、したがって完璧な安全動作を確保するためにはこの
基準値の微妙な変動を補償することが必要とされる。こ
のため、本発明者は、この基準値の変動について種々の
実験を繰り返すとともに、その変動の要因について詳細
な検討を加え、自動車のあらゆる状況における基準値の
変動を解明し、優れたパワーウインド装置の開発を行っ
てきた。したがって、本発明の目的は、自動車のあらゆ
る状況においても、異物の挟み込みを迅速に検出して適
格な安全動作を行うことを可能にした安全装置を備える
パワーウインド装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のパワーウインド
装置は、ウインドの開閉動作の速度を基準値と比較して
異物の挟み込みを検出する手段と、前記ウインドの全開
から全閉までの移動位置を検出する第1の位置検出手段
と、前記ウインドの全閉近傍領域の移動位置を検出する
第2の位置検出手段と、前記第1及び第2の位置検出手
段での位置検出に基づいて前記ウインドの移動範囲を複
数の領域に分割し、ウインドの現在位置がいずれの領域
に属するかを検出する手段と、駆動源の駆動電圧および
ウインド近傍の温度をそれぞれ検出する手段と、ウイン
ドの現在位置が属する領域、駆動源の駆動電圧、ウイン
ド近傍の温度に応じて異物の挟み込み基準値を調整する
手段と、前記挟み込みを検出したときに前記ウインドを
所定量だけ開方向に移動する安全制御動作を行う手段と
を備え、前記第2の位置検出手段で検出されるウインド
移動位置が、ランチャンネル領域の全閉側の所要領域内
にあるときには前記安全制御動作を行う手段の動作を停
止させることを特徴とする。
【0005】
【作用】この構成によれば、実際にウインドが閉動作さ
れる際に、自動車の置かれている状況に応じて変動され
る基準値の変動に追従して異物挟み込みを行うことがで
き、自動車のあらゆる状況での安全動作を確保すること
が可能となる。また、ウインド全閉近傍の位置を検出す
る第2の位置検出手段が、ランチャンネル領域の全閉側
の所要領域であることを検出したときには安全制御動作
を停止し、自動車の置かれている状況の変化にかかわら
ず、ウインドを確実に全閉することを可能とする。
【0006】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明が適用されるパワーウインド装置の模
式的な構成図であり、自動車のウインドの下側車体内に
ウインド開閉機構1が設けられる。このウインド開閉機
構1は、上下方向に延設されたレール2を有し、このレ
ールにはスライダ3を上下に摺動可能に保持している。
このスライダ3にはワイヤ4が連結され、ワイヤ4はレ
ール2の上下端に配設されたプーリ5に巻き掛けられ、
更にレールの略中間位置に固定支持されたパワーウイン
ド駆動部6に設けたプーリに巻き掛けられる。
【0007】このパワーウインド駆動部6には後述する
ようにプーリを駆動するモータ9が設けられており、こ
のモータ9が駆動されたときに駆動プーリ10によりワ
イヤ4を回動させ、スライダ3が上下移動される。ま
た、このスライダ3にはウインドガラス7が取着され、
スライダ3と共に上下移動されたときにサッシで画成さ
れるウインド空間を開閉する。前記パワーウインド駆動
部6の駆動源としてのモータ9は、例えば、正転させた
ときにウインドガラスを上動してウインドを閉じ、逆転
させたときに下動させてウインドを開く。
【0008】更に、前記レール2の上端寄りの位置には
ポジションセンサ8が固定され、スライダ3の移動位
置、換言すればウインドの開閉位置を検出する。図2に
示すように、前記ポジションセンサ8はポテンションメ
ータとして構成され、その詳細な説明は省略するが、例
えば抵抗体上で導電片を直線方向に往復摺動させ、その
摺動位置に応じた抵抗値が出力されるように構成され
る。前記導電片は感知レバー8aにより抵抗体上で移動
できるように構成され、感知レバー8aの先端部はケー
スの外方に突出されている。そして、このポジションセ
ンサ8は前記レール2の上端部寄りの位置に固定され、
かつ感知レバー8aの先端部がスライダ3の移動軌跡に
臨ませられている。
【0009】したがって、同図に二点鎖線で示すよう
に、レール2上を移動されるスライダ3がウインドの全
閉位置近傍にまで移動されてくると、スライダ3に設け
た突片3aに植設した当接ピン3bが感知レバー8aの
先端部に接触し、これを押して矢印の方向に感知レバー
8aを揺動させる。この感知レバーの8a揺動により導
電片が一体的に抵抗体上を移動され、その抵抗値が変化
される。
【0010】このため、このポジションセンサ8によ
り、図3(a)に示すように、バッテリBATの電圧V
B を分圧する回路を構成すれば、ウインドの位置の変化
に応じてポジションセンサの抵抗値が変化され、この抵
抗値の変化に基づいて分圧された出力電圧VOUT が変化
され、この出力電圧VOUT がウインド位置の検出信号と
して得ることが可能になる。
【0011】一方、図4に示すように、前記モータ9の
回転軸9aの一部には円形をしたマグネット10が固定
されており、このマグネット10の周囲には円周方向に
90度の異なる角度位置に一対のホール素子11a,1
1bが配置され、これらでパルス信号発生手段11を構
成する。ホール素子11a,11bはマグネット10の
磁極を検出して電流を発生することができるため、モー
タ9の回転に伴ってマグネット10が回転されると、各
ホール素子11a,11bは回転速度に応じた周波数の
パルス信号をそれぞれ出力する。
【0012】図5は本発明のパワーウインド装置の全体
構成を示すブロック回路図である。前記パワーウインド
駆動部6はコントロールユニット20に接続され、これ
を介して車載電源21、機能スイッチ22等に接続され
る。前記コントロールユニット20はマイクロコンピュ
ータ40を主体に構成されており、前記パルス発生手段
11としてのホール素子11a,11bをセンサ入力回
路23を介して接続し、入力されるパルス信号に基づい
てモータ9の回転速度や回転方向等を検出することがで
きる。又、前記モータ9をリレースイッチ24を介して
車載電源21に接続し、かつこのリレースイッチ24を
リレー出力回路26を介して前記マイクロコンピュータ
40に接続しており、マイクロコンピュータ40の制御
によってリレースイッチ24を切替えることでモータ9
を正転、或いは逆転させることができる。
【0013】また、前記機能スイッチ22はスイッチ入
力回路27を介してマイクロコンピュータ40に接続さ
れ、ウインドの自動・手動の切替、及びウインドの開・
閉の切替、ウインドのロック、或いは安全制御動作の解
除、等の機能選択が行われる。更に、車載電源21は定
電圧源28及びA/Dコンバータ29を介してマイクロ
コンピュータ40に接続される。更に、前記ポジション
センサ8はA/Dコンバータ30を介し、かつ前記モー
タ9等のパワーウインド装置の近傍の温度を検出するた
めに設けられた温度センサ31がA/Dコンバータ32
を介してそれぞれマイクロコンピュータ40に接続され
る。
【0014】図6は前記パワーウインド装置の機能ブロ
ック構成図である。マイクロコンピュータ40には、パ
ワーウインド駆動部6のモータ9に付設されたパルス信
号発生手段11からのパルス信号が入力される。このパ
ルス信号発生手段11からは、前記したようにモータ9
の回転速度に応じた周波数のパルス信号が入力される。
【0015】また、マイクロコンピュータ40には前記
機能スイッチ22からの信号が入力されるが、この機能
スイッチ22は、ここではロックスイッチ、アップ・ダ
ウンスイッチ、安全動作解除スイッチ等で構成され、運
転者等がこの機能スイッチ22を操作することで、マイ
クロコンピュータ40はモータ駆動回路33に所要の信
号を出力し、このモータ駆動回路33を介して前記モー
タ9を駆動させ、ウインドのロックやアップ・ダウン、
或いは安全動作の解除を行うようにする。
【0016】更に、このモータ駆動回路33には、モー
タ9に供給する電圧を検出する電圧検出手段34が設け
られる。また、ここでは前記した温度センサ31はモー
タ9に配置され、パワーウインド装置近傍の温度してモ
ータ9の温度を検出する。また、前記パワーウインド駆
動部6の上端部に配置されている前記ポジションセンサ
8からの出力もマイクロコンピュータ40に入力され
る。
【0017】次に、前記マイクロコンピュータ40の機
能構成を説明する。マイクロコンピュータ40には、ウ
インドの開閉動作状態から安全制御領域を検出するため
の系と、異物挟み込みを検出するための系が設けられ
る。安全制御領域を検出するための系は、前記パルス発
生手段11から出力されるパルス信号の周期性を検出し
てモータ9の回転方向を検出することでウインドの開閉
方向を検出するウインド開閉方向検出手段41を有す
る。また、このウインドの開閉方向検出手段41の信号
に基づいてウインドの開閉位置を検出するウインド開閉
位置検出手段42が設けられる。また、安全制御領域判
別手段43は、ウインド開閉位置検出手段42の出力に
より、ウインドの開閉位置に対応して設けた安全制御領
域を判別し、この領域でのみ安全制御動作が行われるよ
うにする。
【0018】この安全制御領域判別手段43の出力の一
部はアンドゲート44の一方の入力端に入力され、他の
一部は動作指令手段45に入力される。この動作指令手
段45には前記機能スイッチ22からの信号が入力さ
れ、この信号に基づいてモータ駆動回路33を制御し、
モータ9を正転或いは逆転動作させてウインドを開閉動
作させる。
【0019】一方、異物の挟み込み検出の系は、前記パ
ルス発生手段11からの信号の間隔時間を検出してモー
タ9の回転速度を検出する絶対速度検出手段46と、検
出された速度を基準値と比較してその速度の低下を検出
することで異物の挟み込みを検出する第1挟み込み検出
手段47を有する。また、これと並列に、前記パルス信
号の間隔時間の相対比からウインドの開閉動作の速度の
変化、即ち相対速度を検出する相対速度検出手段48
と、検出された速度を基準値と比較してその速度の低下
を検出することで異物の挟み込みを検出する第2挟み込
み検出手段49を有する。
【0020】これら第1及び第2の各挟み込み検出手段
47、49の出力はオアゲート50を通して前記アンド
ゲート44の他方の入力端に入力される。又、アンドゲ
ート44の出力は安全制御動作指令手段51に入力さ
れ、この安全制御動作指令手段51は、挟み込み検出信
号が入力されたときに前記動作指令手段45を制御して
安全制御動作を行わせる。ここでは、ウインドガラスを
その時の開閉位置から12cmだけ開く方向に動作させ
る制御を行わせる。さらに、前記オアゲート50の出力
をその入力とするリセット手段52を設けており、この
リセット手段52により前記安全制御領域判別手段43
の判別基準を補正するように構成される。
【0021】また、前記第1挟み込み検出手段47に
は、その基準値を設定し、かつ変更する基準値設定手段
53が接続される。この基準値設定手段53は、例えば
速度20mSを基準値として設定される。この基準値設
定手段53にはモータ特性推定手段54が接続され、こ
のモータ特性推定手段54からの信号によりその設定基
準値が変更できるようになっている。即ち、モータ特性
推定手段54は、前記温度センサ31によって検出され
たモータ9の温度情報と、モータ駆動回路33からのモ
ータ駆動電圧とに基づいてモータ9の現在の回転状態を
推定し、この推定結果に基づいて基準値設定信号を前記
基準値設定手段53に出力し、第1挟み込み検出手段4
7の基準値を変更するように構成される。
【0022】さらに、バックラッシュ検出手段55が設
けられており、絶対速度検出手段46で検出した絶対速
度から、この絶対速度が所定速度を越えた時点と、再び
速度が所定速度よりも低下された時点とを検出し、これ
らの時点間をバックラッシュ状態として検出する。タイ
マ56は前記バックラッシュ状態が終了された時点、即
ち絶対速度が所定速度より小さくなったことを検出した
時点から一定の時間を計測する。このタイマ56が一定
の時間を計測している間は、タイマ56からの信号によ
り第2挟み込み検出手段49はその挟み込み検出の基準
値を変更させる。ここでは、バックラッシュ検出手段5
5からの信号に基づいて第2挟み込み検出手段49はそ
の基準値をマイナス無限大とし、タイマ56からの信号
に基づいて相対速度の10%低下の基準値に対し、20
%の速度低下となるように基準値を変更する。
【0023】前記した各構成のうち主要部を詳細に説明
する。前記ウインド開閉方向検出手段41は、一対のホ
ール素子11a,11bから出力されるパルス信号を2
値化してこれを2ビットの信号とし、この2ビットの信
号値が変化する周期性を検出することで、モータ9の回
転方向を検出でき、更にこれに伴うウインドの開閉動作
方向を検出することができる。例えば、2ビット信号値
が「2,3,1,0」と変化する場合を正転とし、
「1,3,2,0」と変化する場合を逆転とする。
【0024】前記ウインド開閉位置検出手段42は、例
えばアップダウンカウンタで構成し、ウインドが全閉状
態でのカウント値を“0”に初期設定した上で、モータ
が正転したときのパルス信号を負方向にカウントし、モ
ータが逆転したときのパルス信号を正方向にカウントす
ることで、そのカウント値によってウインドの開閉位置
を検出する。また、このウインド開閉位置検出手段42
には、前記ボジションセンサ8からの信号が入力され、
このポジションセンサ8で検出できる範囲のウインドの
移動位置をポジションセンサ8からの検出電圧に基づい
て検出する。
【0025】前記安全制御領域判別手段43は、ウイン
ド開閉位置検出手段42の出力により、ウインドが全開
状態から完全に閉じる直前の状態までの領域を判別し、
この領域でのみ安全制御が行われるようにする。この場
合、ウインド開閉位置検出手段から出力されるカウント
値に基づいてウインド位置を4つの領域に判別するよう
に、安全制御領域判別手段43内には各領域に対応する
カウント値が予め記憶されている。ここでは、図7のよ
うに、ウインドの全閉位置を基準とし、全閉位置よりも
開放側に200mm以上の開放領域を第1領域とし、2
0mm以上200mm未満までを第2領域とし、4mm
以上20mm未満までを第3領域とし、4mm未満を第
4領域としている。
【0026】ここで、図8に示すように、第1領域はウ
インドガラス7の上縁と、サッシSSに取着されている
ウェザーストリップWSとの間隔が充分に大きくて人間
の頭や手を挟むことが実際には有り得ない領域であり、
逆に第4領域ではウインド上縁とサッシとの間隔が極め
て小さいために人間の指先程度の細いものを挟み込むお
それがない領域でる。したがって、これらの第1領域と
第4領域は安全制御領域から除外させている。一方、前
記第2及び第3領域は挟み込みが実際に生じる領域であ
るため、安全制御領域として規定される。但し、第2領
域はウインドガラス7の上縁とウェザーストリップWS
とが接触されることはなく、第3領域はウインドガラス
の上縁がウェザーストリップWSのリップ部WL等に接
触されるランチャンネル領域であるため、後述するよう
に挟み込みを検出する際の基準値を変えるためにこれら
の領域を区別したものである。
【0027】前記絶対速度検出手段46は、スイッチオ
ンから次のパルス信号の立ち上がりまでの間、またはパ
ルス信号の立ち上がりの間隔時間を検出することで、ウ
インドガラスを開閉動作させるモータ9の回転速度、即
ち開閉速度が予め設定された基準の速度よりも大きいか
否かを比較する。そして、第1挟み込み検出手段47
は、この絶対速度が基準の速度よりも遅くなったときに
異物を挟み込んだ状態であることを検出する。ここで
は、前記したようにモータ9の回転速度が20ms/回
転、以下となったときに挟み込み状態であることを検出
するようにしている。
【0028】前記相対速度検出手段48は、連続するパ
ルス信号の間隔時間を検出し、各間隔時間の相対比から
モータ9の回転速度の変化、即ち相対速度を検出する。
そして、第2挟み込み検出手段49は、この相対速度が
一定の値よりも低下したときに異物を挟み込んだ状態で
あることを検出する。ここでは前記したように相対速度
が10%以上低下したときに挟み込み状態であることを
検出するようにしている。
【0029】次に、以上の構成のパワーウインド装置に
おける安全動作を説明する。機能スイッチ22が操作さ
れてウインドを閉じる信号がマイクロコンピュータ40
に入力されると、動作指令手段45からの指令により、
モータ駆動回路33を介してモータ9が正回転され、ウ
インドを閉動作させる。このとき、モータ9の回転に伴
ってパルス発生手段11の各ホール素子11a,11b
からそれぞれパルス信号がマイクロコンピュータ40に
入力される。
【0030】そして、このパルス信号により、ウインド
開閉方向検出手段41はモータ9の回転方向、即ちウイ
ンドの開閉方向を検出する。そして、ウインド開閉位置
検出手段42では、この開閉方向からモータ9が正転で
あるか否かを判断し、“0”に初期設定されているカウ
ント値を正転のときには−1し、逆転のときには+1す
る。次いで、安全制御領域判別手段43は、カウンタの
値を予め設定されているカウント値と比較することで、
ウインドが第1〜第4のいずれの領域にあるか否かを判
別する。そして、ウインドが第2領域および第3領域の
安全制御領域内にあるときには、信号をアンドゲート4
4に出力する。
【0031】一方、前記パルス信号に基づいて、絶対速
度検出手段46は絶対速度を検出し、第1挟み込み検出
手段47はこの絶対速度を基準値と比較する。また、こ
れと同時に相対速度検出手段48は相対速度を検出し、
第2挟み込み検出手段49はこの相対速度を基準値と比
較する。これにより、いずれか一方の速度が基準値より
も低下された場合に、第1及び第2の挟み込み検出手段
47,49のいずれかが挟み込みを検出する。
【0032】そして、この第1または第2の挟み込み検
出手段47,49からの挟み込み検出信号はオアゲート
50を通してアンドゲート44に入力され、安全制御領
域判別手段43からも信号が入力されたときに、アンド
ゲート44を通して安全制御動作指令手段51に入力さ
れる。安全制御動作指令手段51は、この挟み込み信号
を受けて動作指令手段45を動作させ、安全制御動作を
実行する。この安全制御動作に際しては、図5に示した
ようにマイクロコンピュータ40がリレー出力回路26
を介してリレースイッチ24を切り替えること、即ちモ
ータ駆動回路33を制御することで、モータ9への通電
極性が反転され、モータが逆転されてウインドガラスを
所定量(12cm)だけ開く方向に動作させた上で停止
させる。これにより、挟み込みが解除され、安全が確保
される。
【0033】なお、挟み込みに際してウインドの開閉動
作の絶対速度と相対速度とを併用することで、次のよう
な利点がある。即ち、基準となる絶対速度を緩く設定す
ることにより、複数の車両毎に異なる絶対速度における
誤検出を防止、かつ一方で検出感度が低下されることが
あっても、異物を挟み込んだときの急峻な速度変化、即
ち相対速度の検出により瞬時に挟み込みを検出できる。
一方、柔らかいものを挟み込んだときのような場合には
相対速度による検出は困難であるが、この際には絶対速
度が大きく変化されるため、瞬時に挟み込みを検出する
ことができる。これにより、異物の挟み込みを高感度に
しかも瞬時に検出することが可能となり、安全制御動作
を迅速化し、安全性を改善することが可能となる。
【0034】ここで、図9(a)にウインドの全開から
全閉までのモータ9における絶対速度変化を示す。これ
から判るように、モータ9の始動時にはパワーウインド
駆動部6における各部に生じるバックラッシュにより、
絶対速度が急激に増大する現象が生じる。そして、この
直後、バックラッシュが解消されるとモータ9の負荷が
急激に増大するため、絶対速度は急激に低下され、しか
る上で絶対速度が略一定となる。したがって、絶対速度
に一定の基準値Vrを設け、検出した絶対速度と基準速
度とを比較することで、バックラッシュ時における絶対
速度の増大を検出し、これをバックラッシュ状態として
検出している。
【0035】即ち、図9(b)を併せて参照すると、バ
ックラッシュ検出手段55は、絶対速度検出手段46で
検出した絶対速度から、この絶対速度が所定速度を越え
た時点t1と、再び速度が所定速度よりも低下された時
点t2とを検出し、これらの時点間をバックラッシュ状
態として検出する。タイマ56は前記バックラッシュ状
態が終了された時点、即ち絶対速度が所定速度より小さ
くなったことを検出した時点t2から一定の時間Δtを
計測する。このタイマ56が一定の時間Δtを計測して
いる間は、タイマ56からの信号により第2挟み込み検
出手段49はその挟み込み検出の基準値を変更させる。
【0036】ここでは、バックラッシュ検出手段55か
らの信号に基づいて第2挟み込み検出手段49はその基
準値をマイナス無限大とし、タイマ56からの信号に基
づいて相対速度の10%低下の基準値に対し、20%の
速度低下となるように基準値を変更する。これにより、
バックラッシュ時における速度の変動に伴って異物を検
出したとする誤信号が出力され、安全制御動作が行われ
ることが防止される。なお、この場合には、実際に異物
を挟み込む恐れは殆ど無いため、安全制御動作を停止し
ても問題はない。
【0037】ここで、自動車の環境温度変化によってモ
ータや駆動部における潤滑油としてのグリースの粘性が
変化され、或いはウェザーストリップのゴム弾性が変化
されると、モータの基準となる絶対速度が変化され、ウ
インドが閉じる近傍の状態ではウインドガラスとウェザ
ーストリップとの弾接による絶対速度の低下度合いが変
化される。図10にはその状態が示されており、モータ
に供給される駆動電圧を一定(13V)としたときに、
モータ温度が−40℃,+20℃,+85℃の各場合に
おける絶対速度の変化を、基準となる絶対速度に対する
変化率で示している。これから判るように、温度が低く
なると一般的に絶対速度が低くなる。特に、ウインドが
全閉に近い状態となってサッシに接触される状態では、
その現象が顕著なものとなる。
【0038】したがって、温度の変化にもかかわらず第
1挟み込み検出手段47の基準値を一定にしておくと、
温度が高い場合には基準値に対するモータの実際の速度
が相対的に高くなり、挟み込みの検出感度が鈍くなり、
挟み込みに検出遅れが生じ易い。逆に温度が低い場合に
は基準値とモータ速度との差が小さくなり、モータ速度
のばらつきによって挟み込みが生じていないのに挟み込
みとして検出し、ウインドが閉まらなくなることが生じ
る。
【0039】そこで、環境温度と密接な関係があるモー
タ9の温度を温度センサ31で検出してこれを環境温度
とし、この環境温度に基づいてモータ特性推定手段54
がモータ9の回転速度状態を推定する。この推定に際し
ては、予めモータ特性推定手段54内に記憶されている
環境温度と絶対速度基準値との相関特性に基づいて好適
な基準値を読み出し、これを基準値設定信号として基準
値設定手段53に送出する。すると、基準値設定手段5
3は入力される基準値設定信号の値と現在の基準値とを
比較し、その差に基づいて第1挟み込み検出手段47の
基準値を変更する。同図には、前記した各温度に対する
それぞれの設定基準値を示している。この例では、モー
タ9の温度が、+85℃,+20℃,−40℃と温度が
低下するのに伴ってそれぞれ一点鎖線,二点鎖線、三点
鎖線で示すように、絶対速度の基準値を低下させてい
る。特に、第3領域としてウインドガラスの上縁がサッ
シのウェザーストリップに接触するランチャンネル領域
では、各温度における基準値の差が大きくなるように設
定されている。
【0040】この基準値の変更動作は、先ず、電圧検出
手段34によりモータの絶対速度に大きな影響を与える
モータ駆動電圧Vを検出し、次いで、温度センサ31に
よりモータ温度T1を検出する。続いて、絶対速度検出
手段41により現在のモータ絶対速度vを検出する。そ
して、前記したモータ駆動電圧V、モータ温度T1、モ
ータ絶対速度vの各情報はモータ特性推定手段54に入
力され、ここでモータ回転状態の推定が行われ、基準値
を設定する。即ち、モータ駆動電圧Vはモータの絶対速
度に関係するため、基準電圧と検出された駆動電圧との
差と、検出された現在のモータ絶対速度vとに基づいて
絶対速度の変動を予め補正する。その上で、検出された
モータ温度T1と、モータ特性推定手段54に予め記憶
されている相関特性に基づいて、その環境温度に対応す
る基準値を読み出し、基準値設定信号を送出する。
【0041】これにより、この基準値設定信号を受けた
基準値設定手段54は相当する基準値を第1挟み込み検
出手段47に設定する。例えば、第1挟み込み検出手段
47における絶対速度の基準としての20mSの時間
を、温度が高い場合にはこれよりも短くし、温度が低い
場合にはこれよりも長くする。したがって、モータ9の
変化によりモータの絶対速度が変化されるような状況に
なった場合でも、これに対応して挟み込みの検出基準値
が変更されるため、ウインドの挟み込みをモータの絶対
速度に基づいて正確に検出することが可能となり、適切
な安全動作が実行される。
【0042】また、モータ9の相対速度に基づいて挟み
込みを検出する第2挟み込み検出手段49の基準値を設
定するように構成してもよい。図11は相対速度の特性
を示す図であり、絶対速度の特性に準じて3種類の温度
における相対速度の変化状態を示している。また、絶対
速度と相対速度の両方の挟み込み検出手段に適用するこ
とで、より高精度の挟み込み検出が可能となる。或い
は、ウインドガラスの移動速度や移動量を直接検出して
挟み込みを検出するものにおいても、その基準値を温度
変化によって設定することができる。
【0043】あるいは、モータ9に供給される駆動電圧
が変動されている場合、例えば自動車においてエアコン
やその他の電気機器を車載電源で使用して駆動電圧が変
動される場合には、これに伴ってモータ9のトルクが変
化されるため、モータの回転の絶対速度にばらつきが生
じる。図12にはその状態が示されており、モータ温度
を一定(+20℃)としたとき(モータは温度変化によ
ってもトルクが変化されるため)に、モータの駆動電圧
が15V,13V,9Vの各場合における絶対速度の変
化を示している。これから判るように、駆動電圧が低く
なると一般的に絶対速度が低くなる。
【0044】したがって、駆動電圧の変動にもかかわら
ず第1挟み込み検出手段47の基準値を一定にしておく
と、駆動電圧が高い場合には基準値に対するモータの実
際の速度が相対的に高くなり、挟み込みの検出感度が鈍
くなり、挟み込みに検出遅れが生じ易い。逆に駆動電圧
が低い場合には基準値とモータ速度との差が小さくな
り、モータ速度のばらつきによって挟み込みが生じてい
ないのに挟み込みとして検出してしまい、ウインドが閉
まらなくなることが生じる。
【0045】そこで、モータ9の駆動電圧を検出する電
圧検出手段31からの検出電圧に基づいてモータ特性推
定手段54ではモータ9の回転速度状態を判定し、この
判定結果に基づいて基準値設定手段53では、第1挟み
込み検出手段47の基準値を変更する。同図には、前記
した各駆動電圧に対するそれぞれの設定基準値を示して
いる。この例では、15V,13V,9Vと電圧が低下
するのに伴ってそれぞれ一点鎖線,二点鎖線、三点鎖線
で示すように、絶対速度の基準値を低下させている。例
えば、前記した例と同様に、第1挟み込み検出手段47
における絶対速度の基準としての20mSの時間を、駆
動電圧が高い場合にはこれよりも短くし、駆動電圧が低
い場合にはこれよりも長くする。したがって、駆動電圧
の変動によりモータの絶対速度が変化されるような状況
になった場合でも、これに対応して挟み込みの検出基準
値が変更されるため、ウインドの挟み込みをモータの絶
対速度に基づいて正確に検出することが可能となり、適
切な安全動作が実行される。
【0046】なお、この場合には第2挟み込み検出手段
29の基準値を変更するように構成してもよい。即ち、
図13は駆動電圧が15V,13V,9Vと変動された
ときの相対速度の変化を示している。このように、モー
タ回転の相対速度に対してもそれぞれ異なる駆動電圧に
対応して基準値を異なる値に設定することで、駆動電圧
の変動に伴ってモータのトルクが変化された場合でも、
好適な挟み込みの検出が可能となる。
【0047】さらに、ウインドの全閉位置にずれが生じ
た場合、即ち、温度変化によるパワーウインド駆動部の
ワイヤに伸びが生じたり、サッシュが軟らかくなってウ
インドが更に閉方向に移動される等のように、種々の理
由によってパワーウインド駆動部とウインドとの間に位
置ずれが生じたような場合には、ウインドの全閉位置
と、安全制御領域判別手段43におけるカウンタの初期
値“0”との対応にずれが生じ、安全制御領域を正確に
判別することができなくなる。
【0048】そこで、第1及び第2の挟み込み検出手段
47,49が共に基準値以下となってウインドが全閉状
態を検出した際に、リセット手段52により安全制御領
域判別手段43のカウンタの値を“0”にリセットす
る。したがって、以後はこのカウンタ値“0”を全閉位
置とすることで、正確な安全制御動作が可能となる。こ
のように、ウインドの全閉位置を実際に合わせて補正す
ることで、ウインドの全閉位置が実際のウインドの全閉
位置よりも上側にずれることがなくなり、ランチャンネ
ルの一部を第3領域として安全制御領域として認識する
ことが可能となる。これにより、ウインドガラスがラン
チャンネル領域に達したときにこれを挟み込みとして誤
検出してウインドが全閉されなくなることはない。
【0049】また、ウインドにおける挟み込みをウイン
ドの絶対速度及び相対速度に基づいて行うと、ウインド
が全閉に近い状態となってウインドガラスがサッシに設
けたウェザーストリップに当接したときに、ウェザース
トリップとの摩擦抵抗によってモータ回転速度が低下さ
れるため、これを挟み込みとして誤検出し易く、その結
果ウインドの閉動作が停止され、ウインドが全閉されな
くなることがある。例えば、図8に示したようなウェザ
ーストリップWSを有するウインドでは、ウインドの全
閉位置よりも約20mm程度手前からウインドガラス7
の上縁がウェザーストリップWSのリップ部WLに接触
されるため、このランチャンネル領域においてウインド
の閉動作に抵抗が生じ、モータ回転速度が低下され、誤
検出が生じ易くなる。
【0050】そこで、前記ポジションセンサ8で図3
(a)に示したような回路を構成することで、ボジショ
ンセンサ8の出力電圧の最大値をバッテリ電圧VB と
し、最小値を0(零)とし、この出力電圧をウインドの
位置に対応して出力させることが可能となる。つまり、
図2に示したようにパワーウインド駆動部6のスライダ
3がポジションセンサ8の感知レバー8aに衝突されな
いとき、即ちスライダ3がレール2の下方位置にあって
ウインドが所定以上開いた状態にあるときにはポジショ
ンセンサ8からの出力電圧は最小レベルとなり、ウイン
ドが全閉状態に近づいてポジションセンサ8が動作され
る状態とされたときに出力電圧VOUT が徐々に増大され
る。
【0051】そして、このボジションセンサの出力によ
り、ウインド位置検出手段42ではランチャンネル領
域、即ち第3領域におけるウインドの開閉位置を高精度
に検出する。即ち、図3(b)に示したように、ポジシ
ョンセンサ8の動作範囲内において、ウインドの全閉位
置Pxから4mmだけ開いた位置、即ち第4領域を設定
するに際しては、出力電圧に基づいて高精度に検出する
ことが可能となる。即ち、ウインド位置検出手段42
は、前記したようにポジションセンサ8からの出力電圧
VOUT に基づいてウインド位置Pを検出する。即ち、ウ
インドが十分に開いた状態のときには、ポジションセン
サ8の感知レバー8aがスライダ3によって操作される
ことがないため、ポジションセンサ8の出力電圧は最小
値0であり、これによりウインドが安全制御を行う領域
であることを検出する。
【0052】一方、ウインドが全閉近傍の状態まで閉じ
られてきたときには、スライダ3がポジションセンサ8
の感知レバー8aにより動作されるため、その抵抗値が
変化され、ポジションセンサ8からはスライダの移動量
に対応した図3(b)のような出力電圧VOUT が出力さ
れる。このため、ウインド位置検出手段42は、この出
力電圧に基づいてウインドの位置検出を行う。なお、実
際には前記したように、ウェザーストリップの劣化等に
よりウインドの全閉位置が上側にずれることがあるの
で、ウインド全閉位置Pxの出力電圧Vxは、ポジショ
ンセンサ8が出力可能な最大電圧、即ちバッテリ電圧V
B よりも若干低い電圧に設定しておく。そして、ウイン
ドが最初に設定されていた全閉位置よりも更に閉方向に
移動されたとき、即ちポジションセンサの出力電圧が設
定された電圧Vxよりも高くなったときには、この高く
なった電圧VOUT を改めて全閉位置の電圧Vxとし、以
後この更新された電圧を全閉位置の電圧とする。
【0053】そして、ウインド位置PがL1(P1)よ
りも小さい位置にあるときには、ウインドが全閉状態か
ら4mm以内で開いた第4領域にあり、挟み込みが生じ
るおそれがないため、安全制御領域判別手段43から安
全動作指令手段45に対して信号が出力されず、したが
って安全制御動作が行われることはない。また、この第
4領域であることは動作指令手段45に出力されてお
り、このときに挟み込みを検出したときには、実際には
挟み込みは生じないものであるから、ウインドが全閉位
置であると判断でき、動作指令手段45はモータ駆動回
路33に対して信号を出力してモータ9の回転を停止さ
せる。これにより、ウインドが全閉状態のときに安全制
御動作が行われてウインドが全閉されなくなることが未
然に防止される。
【0054】一方、ウインド位置PがL0よりも大きい
位置にあるときにはウインドがウェザーストリップのラ
ンチャンネル領域内に存在していない第2領域であると
判断でき、この領域では前記したような通常の安全制御
動作が行われる。また、ウインド位置PがL0(P0)
以下でL1(P1)よりも大きいときには、ウインドガ
ラスの上縁がウェザーストリップに接触されるランチャ
ンネル領域にある第3領域であると判断でき、このとき
にはウインドガラスとウェザーストリップとの摩擦によ
り絶対速度が低下されることになるため、安全制御領域
判別手段43から基準値設定手段53に信号か出力さ
れ、これにより基準値設定手段53は第1挟み込み検出
手段47における基準値を低下させる。これにより、こ
の第3領域での挟み込みの誤検出を防止することができ
る。
【0055】なお、第1領域と第4領域において、絶対
速度検出手段46によりモータ9の回転速度が0または
これに近い値が検出されたとき、即ちモータがブロッキ
ング状態となったときには、モータ9への通電を停止さ
せるようにしている。これは、第1領域では挟み込みが
生じるおそれがないのにモータ9がブロッキング状態と
なったのは、何らかの異常が生じたためと判断できるた
め、異常を拡大しないように速やかにモータ9を停止さ
せる。また、第4領域では、ウインド位置検出手段42
においてウインドが全閉状態を検出していないのにもか
かわらず、ウインドが全閉状態になったためと判断で
き、ウインドを全閉させるためにモータ9を停止させ
る。なお、これらいずれの場合も、モータ9がブロッキ
ング状態になってから所定の時間を経過してモータ9を
停止させているが、第4領域においてはウインドを確実
に閉めるためにその所定時間を長目に設定している。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ウインド
の開閉動作の速度を基準値と比較して異物の挟み込みを
検出するとともに、前記ウインドの全開から全閉までの
移動位置を検出する第1の位置検出手段と、前記ウイン
ドの全閉近傍領域の移動位置を検出する第2の位置検出
手段とによる位置検出に基づいて前記ウインドの移動範
囲を複数の領域に分割し、ウインドの現在位置がいずれ
の領域に属するかを検出し、かつ駆動源の駆動電圧およ
びウインド近傍の温度をそれぞれ検出した上で、これら
の検出値に基づいて異物の挟み込み基準値を調整し、挟
み込みを検出したときにウインドを所定量だけ開方向に
移動する安全制御動作を行うように構成し、その上で、
前記第2の位置検出手段で検出されるウインドの移動位
置が、前記ウインドのランチャンネル領域の全閉側の所
要領域内にあるときには前記安全制御動作を行う手段の
動作を停止するように構成しているので、実際にウイン
ドが閉動作される際に、自動車の置かれている状況に応
じて変動される基準値の変動に追従して異物挟み込みを
行うことができ、自動車のあらゆる状況での安全動作を
確保することが可能となる効果がある。また、第2の位
置検出手段がランチャンネル領域の全閉側の所要領域で
あることを検出したときには安全制御動作を停止するた
め、自動車の置かれている状況の変化にかかわらず、ウ
インドを確実に全閉することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパワーウインド装置の概略構成図であ
る。
【図2】図1の要部の拡大斜視図である。
【図3】ボジションセンサの出力特性を示す図である。
【図4】パルス発生手段の概略斜視図である。
【図5】本発明の一実施例のブロック回路図である。
【図6】本発明の一実施例の機能ブロック構成図であ
る。
【図7】ウインドの位置領域を説明するための概念図で
ある。
【図8】ランチャンネル領域(第3,第4領域)を説明
するためのサッシの断面図である。
【図9】バックラッシュとその際の速度変化を示す図で
ある。
【図10】温度変化による絶対速度の変化特性を示す図
である。
【図11】温度変化による相対速度の変化特性を示す図
である。
【図12】モータ駆動電圧変化による絶対速度の変化特
性を示す図である。
【図13】モータ駆動電圧変化による相対速度の変化特
性を示す図である。
【符号の説明】
1 ウインド開閉機構 6 パワーウインド駆動部 8 ポジションセンサ 9 モータ 11 パルス発生手段 22 機能スイッチ 31 温度センサ 33 モータ駆動回路 34 モータ電圧検出手段 40 マイクロコンピュータ 42 ウインド位置検出手段 43 安全制御領域判別手段 45 動作指令手段 46 絶対速度検出手段 47 第1挟み込み検出手段 48 相対速度検出手段 49 第2挟み込み検出手段 52 リセット手段 53 基準値設定手段 54 モータ特定推定部 55 バックラッシュ検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−165682(JP,A) 特開 平7−102851(JP,A) 実開 昭62−203392(JP,U) 実開 平2−83982(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E05F 15/00 - 15/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のウインドをモータ等の駆動源によ
    り開閉動作させるパワーウインド装置において、前記ウ
    インドの開閉動作の速度を基準値と比較して異物の挟み
    込みを検出する手段と、前記ウインドの全開から全閉ま
    での移動位置を検出する第1の位置検出手段と、前記ウ
    インドの全閉近傍領域の移動位置を検出する第2の位置
    検出手段と、前記第1及び第2の位置検出手段での位置
    検出に基づいて前記ウインドの移動範囲を複数の領域に
    分割し、ウインドの現在位置がいずれの領域に属するか
    を検出する手段と、前記駆動源の駆動電圧およびウイン
    ド近傍の温度をそれぞれ検出する手段と、ウインドの現
    在位置が属する領域、駆動源の駆動電圧、ウインド近傍
    の温度に応じて前記異物の挟み込み基準値を調整する手
    段と、前記挟み込みを検出したときに前記ウインドを所
    定量だけ開方向に移動する安全制御動作を行う手段とを
    備え、前記第2の位置検出手段で検出されるウインド移
    動位置が、ランチャンネル領域の全閉側の所要領域内に
    あるときには前記安全制御動作を行う手段の動作を停止
    させることを特徴とする安全装置を備えるパワーウイン
    ド装置。
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