JPH06137029A - 安全装置付パワーウインド装置 - Google Patents

安全装置付パワーウインド装置

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JPH06137029A
JPH06137029A JP4305855A JP30585592A JPH06137029A JP H06137029 A JPH06137029 A JP H06137029A JP 4305855 A JP4305855 A JP 4305855A JP 30585592 A JP30585592 A JP 30585592A JP H06137029 A JPH06137029 A JP H06137029A
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motor
temperature
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JP4305855A
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Hitoshi Takeda
仁志 武田
Keiichi Tajima
計一 田島
Toru Nakayama
徹 中山
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Koito Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Koito Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウインドにおける手や首等の挟み込みを検出
し、これに対応して安全動作を行う安全装置付パワーウ
インド装置を、環境温度の変化に関わらず、正確な挟み
込み検出及び安全動作を行うようにする。 【構成】 車両のウインド1をモータ9により開閉動作
させ、かつモータの回転速度の変化を検出することでウ
インドにおける挟み込みを検出し(56,57)、その
際にウインドの閉動作を停止させて安全動作を実行する
安全装置付パワーウインド装置において、環境温度と密
接な関係のあるモータ温度を検出する温度センサ14を
設け、検出した温度に応じて挟み込みを検出するための
モータ回転速度の基準値を変更し(60,61)、温度
変化にかかわらず常に正確にウインドの挟み込みを検出
することを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車両に適用さ
れてウインドをモータ等の駆動源によって開閉動作させ
るパワーウインド装置に関し、特にウインドガラスとサ
ッシとの間に手や頭等を挟み込んだ状態を検出して安全
制御動作を行う安全装置付きのパワーウインド装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にパワーウインド装置はモータ等の
駆動源によってウインドガラス(窓ガラス)を開閉動作
させる構成とされており、例えば図2に示す構成がとら
れている。同図は模式的な構成図であり、ウインドガラ
スの開閉機構2は自動車のウインドの下側車体内に上下
方向にレール3が延設され、このレールにスライダ4を
上下に摺動可能に保持している。スライダ4にはワイヤ
5が連結され、ワイヤ5はレール3の上下端にそれぞれ
配設されたプーリ6に巻き掛けられてモータ9を有する
パワーウインド駆動部7に連結され、この駆動部7に設
けたモータが駆動されたときにワイヤ5を介してスライ
ダ4が上下移動される。又、スライダ4にはウインドガ
ラス1が取着され、スライダ4と共に上下移動されたと
きにサッシ(窓枠)8で画成されるウインド空間を開閉
する。
【0003】このようなパワーウインド装置はウインド
ガラスを駆動力によって開閉動作させているため、ウイ
ンドガラスとサッシの間に乗員の手や頭等を挟み込む事
故を起こすことがある。このため、従来からウインドガ
ラスとサッシとの間に異物を挟み込んだ状態を検出し、
その際にウインドガラスの開閉動作を停止させ、或いは
ウインドガラスを強制的に開動作させる等して事故を未
然に防止するための安全装置が提案されている。例え
ば、この安全装置として駆動部に設けたモータの駆動電
流を検出する手段を設けておき、ウインドガラスが異物
を挟み込んだ際のモータ負荷の増大に伴うモータ駆動電
流の増加を検出することで異物の挟み込みを検出する。
そして、異物の挟み込みを検出したときには、ウインド
ガラスを前記したような安全制御を行うことで、異物を
ウインドガラスとサッシとの挟み込みから解放させるよ
うにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなパワーウイ
ンド安全装置における異物の挟み込み検出方法では、モ
ータ駆動電流の増大を待って異物の挟み込みを検出して
いるが、実際には挟み込みが生じてからモータ駆動電流
が増大するまでの間に多少の時間がかかるため、挟み込
みが生じてから安全制御を行うまでの応答が遅くなると
いう問題がある。このため、例えば首を挟み込んだよう
な場合には、挟まれた人がしばらくの間苦しい思いをす
ることになり、安全対策として充分なものとは言えなく
なる。このようなことから、ウインドガラスの実際の開
閉動作状態を監視し、ウインドが全閉状態以外の領域で
閉動作が停止されたときを挟み込みとして検出すること
が考えられる。この検出方法では、ウインドの開閉動作
と密接な関係があるモータの回転速度を検出し、この回
転速度を基準値と比較することで回転速度の低下を検出
し、これを挟み込みとして検出することができるため、
安全制御を迅速に行うことが可能となる。
【0005】しかしながら、環境温度や環境湿度等のよ
うなパワーウインドに対する環境条件が様々に変動され
る状況では、これに応じてモータの回転速度も変動され
ることがあるため、挟み込みを検出するための基準を一
定の値に固定すると、適切な挟み込みを検出することが
難しくなり、このことが高性能な安全装置付パワーウイ
ンド装置を実現する上での障害になっている。本発明の
目的は、環境状況に対応して適切な挟み込みの検出を可
能とした高性能な安全装置付パワーウインド装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両のウイン
ドを駆動源により開閉動作させ、かつウインドにおける
挟み込みを検出したときにその閉動作を停止させる安全
装置付パワーウインド装置において、環境温度を検出す
る温度検出手段を設け、検出した温度に応じて前記駆動
源の動作を制御する構成とする。例えば、ウインドの開
閉速度を検出する手段と、検出された速度を基準値と比
較してウインドの挟み込みを検出する手段と、挟み込み
を検出したときにウインドの閉動作を停止させる手段
と、ウインドの環境温度を検出する温度検出手段と、検
出された温度に応じて前記挟み込み検出手段の基準値を
変更する手段とを備える。また、パワーウインド装置の
駆動源としてのモータの温度を環境温度として検出する
温度センサを有し、この温度センサをモータと制御回路
構体とを一体に収納するパワーウインド駆動部のハウジ
ング内に内装する。
【0007】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。本実施例では、図2に示したパワーウインド装置に
本発明が適用された例を示している。ここで、パワーウ
インド駆動部7は、駆動源としてのモータ9の回転力で
前記ワイヤ5を回動させ、ウインドガラス1を上下移動
させる。例えば、モータ9を正転させたときにウインド
ガラス1を上動してウインドを閉じ、逆転させたときに
下動させてウインドを開く。
【0008】前記パワーウインド駆動部7の内部構成を
図1に示す。同図において、ハウジング11は金属材等
で形成されており、複数箇所には車両の車体に固定する
ためのネジ挿通穴12が設けられ、かつその側面一部に
設けた開口部13にはモータ9が取着される。このモー
タ9は円筒状をしたモータケース15の中心位置に、一
端部をモータケース15に他端部をハウジング11にそ
れぞれスラスト軸受16で軸支した回転軸17を有し、
この回転軸17には鉄芯とコイルで構成されるロータ1
8を取着している。又、モータケース15の内周面には
マグネットで構成されるステータ19を取着している。
更に、前記回転軸17には整流片20を設けた円筒状の
カラー21を固定し、これには前記ハウジング11の開
口部13にネジ止め等により取着した円板状基板22に
支持させた導電ブラシ23を摺接させている。又、前記
回転軸17の他端部にはウォームギヤ24を一体形成し
ている。
【0009】前記ハウジング11内には、前記ウォーム
ギヤ24に噛合されて伝動機構を構成する大径のウォー
ムホイール25が軸支持され、このウォームホイール2
5には大径のプーリ26が一体に設けられている。この
プーリ26には図2に示したパワーウインドのワイヤ5
が巻き掛けられる。又、ハウジング11の他の箇所には
回路基板27がネジ28によって内装支持されており、
この回路基板27には前記モータ9の回転を制御する制
御回路が構築されて制御回路構体29を構成している。
この制御回路構体29を構成する部品としては、ワンチ
ップマイクロコンピュータ30やモータ9の電流路を切
り替えるリレースイッチ31があり、前記回路基板27
に一体的に搭載される。また、この回路基板27上に
は、パワーウインド装置の環境温度、即ちパワーウイン
ド駆動部の温度、ここでは前記モータの温度を検出する
サーミスタ等の温度センサ14が搭載される。更に、ハ
ウジング11の一部にはコネクタ32が構成され、図外
の外部コネクタと嵌合することで外部の各種スイッチや
電源等と制御回路構体29との電気接続が行われる。
【0010】更に、前記ハウジング11の開口部位置の
回転軸17には、円環状をしたマグネットセンサ33が
固定される。このマグネットセンサ33は前記モータ1
4の整流片20を支持しているカラー21を利用して回
転軸17に一体的に支持させている。又、このハウジン
グ11の開口部13に取着した前記円板状基板22に
は、前記導電ブラシ23と反対側の面に2個のホール素
子34(34a,34b)を搭載している。これらホー
ル素子34は前記マグネットセンサ33の円周2箇所に
おいて、両者間に90度の円周角を画成するように配置
しており、回転軸17と共に回転されるマグネットセン
サ33の磁極を感知してパルス信号を発生でき、このパ
ルス信号を利用することで回転軸17の回転速度等を検
出するセンサ手段として構成される。尚、この円板状基
板22と前記制御回路構体29の回路基板27とはジャ
ンパー線35等により相互に電気接続を行っている。
【0011】この構成のパワーウインド駆動部7は、コ
ネクタ32を通して外部電源が供給されると、モータ9
が駆動される。このモータ9の駆動により回転軸17が
軸転され、ウォーム24とウォームギヤ25との噛合に
よりプーリ26を回転させ、ワイヤ5を回動してウイン
ドガラス1を開閉動作させる。又、この回転軸17が回
転されると、これに固定したマグネットセンサ33も一
体的に回転され、これに伴ってホール素子34からそれ
ぞれパルス信号が発生される。すると、制御回路構体2
9のマイクロコンピュータ30は、このパルス信号に基
づいてモータ9の回転方向や回転速度等を検出し、更に
ウインドガラス1の開閉状態等を検出した上でリレース
イッチ31を制御し、モータ9の回転を制御し、結果と
してウインドガラスを所要の開閉動作させることにな
る。
【0012】図3は本発明の安全装置の全体構成を示す
ブロック回路図である。前記パワーウインド駆動部7は
コントロールユニット40に接続され、これを介して車
載電源41、機能スイッチ42等に接続される。前記コ
ントロールユニット40は前記マイクロコンピュータ3
0を主体に構成されており、前記パルス発生手段11と
してのホール素子34a,34bをセンサ入力回路43
を介して接続し、入力されるパルス信号に基づいてモー
タ9の回転速度や回転方向等を検出することができる。
又、駆動源としてのモータ9をリレースイッチ44を介
して車載電源41に接続し、かつこのリレースイッチを
リレー出力回路46を介して前記マイクロコンピュータ
30に接続しており、マイクロコンピュータ30の制御
によってリレースイッチ44を切替えることでモータ9
を正転、或いは逆転させることができる。又、前記マイ
クロコンピュータ30にはスイッチ入力回路47を介し
て機能スイッチ42が接続され、ウインドの自動・手動
の切替、及びウインドの開・閉の切替の機能選択が行わ
れる。更に、車載電源41は定電圧源48及びA/Dコ
ンバータ49を介してマイクロコンピュータ30に接続
される。
【0013】このマイクロコンピュータ30の機能ブロ
ック図を図4に示す。なお、図3と同一部分には同一符
号を付してある。図4において、マイクロコンピュータ
内にはウインドの開閉状態から安全制御領域を検出する
ための系と、異物の挟み込みを検出するための系が設け
られる。即ち、安全制御領域を検出するための系に設け
られたウインドの開閉動作方向を検出する手段51は、
前記一対のホール素子34a,34bから出力されるパ
ルス信号を2値化してこれを2ビットの信号とし、この
2ビットの信号値が変化する周期性を検出することで、
モータ9の回転方向を検出でき、更にこれに伴うウイン
ドの開閉動作方向を検出することができる。
【0014】ウインドガラス1の位置を検出するウイン
ド開閉位置検出手段52は、例えばアップダウンカウン
タで構成し、ウインドが全閉状態でのカウント値を0に
初期設定した上で、モータが正転したときのパルス信号
を負方向にカウントし、モータが逆転したときのパルス
信号を正方向にカウントすることで、そのカウント値に
よってウインドの開閉位置を検出する。安全制御領域判
別手段53は、ウインド開閉位置検出手段52の出力に
より、ウインドが全開状態から完全に閉じる直前の状態
までの領域を判別し、この領域でのみ安全制御が行われ
るようにする。即ち、後述するように、ウインドが完全
に閉じる直前の状態は、ウインドガラス1がサッシ8に
接触してその接触抵抗によって異物を挟んだ状態と似た
状態になるため、この際の誤検出を回避するためのもの
である。ここでは、ウインドの全開閉工程のうち、開側
の約90%の領域を安全制御領域としている。この安全
制御領域判別手段53の出力の一部はアンドゲート54
の一方の入力端に入力され、他の一部は動作指令手段5
5に入力される。
【0015】一方、異物の挟み込みを検出する系には絶
対速度検出手段や相対速度検出手段等が設けられる。絶
対速度検出手段56は、スイッチオンから次のパルス信
号の立ち上がりまでの間、又はパルス信号の立ち上がり
の間隔時間を検出することで、ウインドガラスを開閉動
作させるモータの回転速度、即ち開閉速度が予め設定さ
れた基準の速度よりも大きいか否かを比較する。そし
て、第1挟み込み検出手段57は、この絶対速度が基準
の速度よりも遅くなったときに異物を挟み込んだ状態で
あることを検出する。ここでは、モータ9の回転速度が
20mS/回転、以下となったときに挟み込み状態であ
ることを検出するようにしている。又、相対速度検出手
段58は、連続するパルス信号の間隔時間を検出し、各
間隔時間の相対比からモータの開閉動作の速度の変化、
即ち相対速度を検出する。そして、第2挟み込み検出手
段59は、この相対速度が一定の値よりも低下したとき
に異物を挟み込んだ状態であることを検出する。ここで
は相対速度が10%以上低下したときに挟み込み状態で
あることを検出するようにしている。
【0016】前記第1挟み込み検出手段57には、その
基準値を設定し、かつ変更する基準値設定部60が接続
される。この基準値設定部60は、本実施例では前記し
た20mSを基準値として設定する一方、この基準値設
定部60にはモータ特性推定部61が接続され、このモ
ータ特性推定部61からの信号によりその設定基準値が
変更できるようになっている。前記モータ特性推定部6
1には、前記パワーウインド駆動部7内に設けた温度セ
ンサ14と、この温度センサ14によって検出した温度
を記憶する温度データメモリ66と、モータ9の動作時
間を計測するタイマ67が接続されており、かつその内
部には、後述するようなモータ温度情報等に対する絶対
速度の基準値の相関特性が予め記憶されている。
【0017】そして、モータ特性推定部61は、前記温
度センサ14によって検出されたモータの温度情報を環
境温度として温度データメモリ66に記憶し、この記憶
された温度或いは、検出された温度と、モータ9の動作
間隔時間と、前記絶対速度検出手段56で検出された絶
対速度情報とに基づいてモータ9の現在の回転状態を推
定し、この推定結果に基づいて基準値設定信号を前記基
準値設定部60に出力し、第1挟み込み検出手段57の
基準値を変更するように構成される。また、本実施例で
はモータ9に供給される駆動電圧を検出する電圧検出手
段62が設けられており、検出した駆動電圧を前記モー
タ特性推定部61に送出させている。この場合、モータ
特性推定部61に記憶される相関特性には、モータ電圧
の情報も合わせて記憶される。
【0018】更に、前記第1及び第2の各挟み込み検出
手段57,59の出力はオアゲート63の各入力端に入
力され、このオアゲート63の出力は前記アンドゲート
54の他方の入力端に入力される。このアンドゲート5
4の出力は安全制御動作指令手段64に入力され、安全
制御動作指令手段64は、挟み込み検出信号が入力され
たときに動作指令手段55を制御して安全制御動作を行
わせる。ここでは、ウインドガラスをその時の開閉位置
から12cmだけ開く方向に動作させる制御を行わせ
る。このマイクロコンピュータ30に対して、前記動作
指令手段55には機能スイッチ42からの信号が入力さ
れてモータ9を正転或いは逆転動作させることができる
のはいうまでもない。また、動作指令手段55の出力は
リレースイッチを含むモータ駆動回路65を介してモー
タ9の回転を制御する。
【0019】このような構成の安全装置の動作を図5の
フローチャートを併用して説明する。スイッチ42がオ
ンされると、このオン時点を検出する(S1)(ステッ
プ1,以下同様)。モータ9の回転に伴ってパルス発生
手段34の各ホール素子34a,34bからそれぞれパ
ルス信号がマイクロコンピュータ30に入力される。ス
イッチオンを検出した後(S1)、1番目(n=1)の
パルス信号の立ち上がりを検出する迄の間は絶対速度検
出手段56は基準速度の20msを経過したか否かを検
出する(S2)。20msを検出したときには、第1挟
み込み検出手段57はモータの開閉動作の絶対速度が基
準速度よりも遅く、異物を挟み込んでいると検出し、絶
対速度フラグを立てる(S3)。
【0020】一方、1番目のパルス信号の立ち上がりを
検出すると(S4)、相対速度検出手段58は相対速度
を検出しようとするが、この時点ではn+1≧3でない
ため(S5)、未だ相対速度は検出されない。2番目の
パルス信号の立ち上がりを検出した場合も同じである。
そして、3番目のパルス信号の立ち上がりを検出する
と、1番目のパルス信号の立ち上がりから2番目のパル
ス信号の立ち上がりまでの時間と、2番目から3番目の
パルス信号の立ち上がりまでの時間との比(t2−t1
/t3 −t2 )をとり、これをモータの開閉動作の相対
速度として検出する(S6)。そして、第2挟み込み検
出手段59は検出した相対速度が10%以上低下してい
るか否かを判断し(S7)、低下している場合には相対
速度フラグを立てる(S8)。以下、同様にn番目(n
+1≧3)のパルス信号の立ち上がりを検出する毎に、
パルス間の時間比(tn −tn-1 /tn+1 −tn )をと
って(S6)相対速度を検出し、相対速度の低下を判断
する(S6)。
【0021】又、開閉方向検出手段51は各ホール素子
34a,34bのパルス信号を使用してモータ9の回転
方向、即ちウインドの開閉方向を検出する(S9)。そ
して、ウインド開閉位置検出手段52では、この開閉方
向からモータが正転であるか否かが判断でき(S1
0)、正転のときにはカウンタのカウント値を−1し
(S11)、逆転のときにはカウント値を+1する(S
12)。次いで、安全制御領域判別手段53は、カウン
タの値からウインドガラスが安全制御領域内にあるか否
かを判別する(S13)。安全制御領域内でないときに
はスタートに戻る。又、安全制御領域内にあるときに
は、信号をアンドゲート54に出力する。
【0022】一方、絶対速度と相対速度のそれぞれの検
出信号はオアゲート63を通してアンドゲート54に入
力され、安全制御領域判別手段53の信号によってアン
ドゲート54を通して安全制御動作指令手段64に入力
される。安全制御動作指令手段64は、絶対速度フラグ
が立っているか(S14)、及び相対速度フラグが立っ
ているか(S15)の判断を順次行い、いずれか一方の
フラグが立っているときには、異物を挟み込んでいるも
のとして動作指令手段55を動作させ、安全制御動作を
実行する(S16)。この安全制御動作に際しては、マ
イクロコンピュータ30がリレー出力回路46を介して
リレースイッチ44を切り替えること、即ちモータ駆動
回路65を制御することで、モータ9への通電極性が反
転され、モータが逆転されてウインドガラスを所定量
(12cm)だけ開く方向に動作させた上で停止させ
る。これにより、挟み込みが解除され、安全が確保され
る。
【0023】図6にウインドの全開から全閉までのモー
タの開閉動作の絶対速度の変化の一例を示す。ウインド
の開動作の初期ではパワーウインド駆動部7におけるバ
ックラッシュにより絶対速度は大きいが、バックラッシ
ュの終了と同時に加わる負荷により一端絶対速度は低下
される。その後、比較的に短い時間で所定の速度状態と
なり、略この速度で閉動作が継続される。そして、全閉
状態の直前でウインドガラスとサッシのウェザーストリ
ップ等との接触により負荷が増え始め、絶対速度が低下
され、ウインドガラスがサッシに衝突される全閉状態で
絶対速度が0となる。
【0024】ここで、自動車の環境温度変化によってモ
ータや駆動部における潤滑油としてのグリースの粘性が
変化され、或いはウェザーストリップのゴム弾性が変化
されると、モータの基準となる絶対速度が変化され、ウ
インドが閉じる近傍の状態ではウインドガラスとウェザ
ーストリップとの弾接による絶対速度の低下度合いが変
化される。図6にはその状態が示されており、モータに
供給される駆動電圧を一定(13V)としたときに、モ
ータ温度が−40℃,+20℃,+85℃の各場合にお
ける絶対速度の変化を、基準となる絶対速度に対する変
化率で示している。これから判るように、温度が低くな
ると一般的に絶対速度が低くなる。特に、ウインドが全
閉に近い状態となってサッシに接触される状態では、そ
の現象が顕著なものとなる。したがって、温度の変化に
もかかわらず第1挟み込み検出手段57の基準値を一定
にしておくと、温度が高い場合には基準値に対するモー
タの実際の速度が相対的に高くなり、挟み込みの検出感
度が鈍くなり、挟み込みに検出遅れが生じ易い。逆に温
度が低い場合には基準値とモータ速度との差が小さくな
り、モータ速度のばらつきによって挟み込みが生じてい
ないのに挟み込みとして検出し、ウインドが閉まらなく
なることが生じる。
【0025】そこで、本実施例では、環境温度と密接な
関係があるモータ9の温度を温度センサ14で検出して
これを環境温度とし、この環境温度に基づいてモータ特
性推定部61がモータの回転速度状態を推定する。この
推定に際しては、予め記憶されている環境温度と絶対速
度基準値との相関特性に基づいて好適な基準値を読み出
し、これを基準値設定信号として基準値設定部60に送
出する。すると、基準値設定部60は入力される基準値
設定信号の値と現在の基準値とを比較し、その差に基づ
いて第1挟み込み検出手段57の基準値を変更する。同
図には、前記した各温度に対するそれぞれの設定基準値
を示している。この例では、+85℃,+20℃,−4
0℃と温度が低下するのに伴ってそれぞれ一点鎖線,二
点鎖線、三点鎖線で示すように、絶対速度の基準値を低
下させている。特に、ウインドガラスがサッシのウェザ
ーストリップに接触する所謂ランチャンネル領域では、
各温度における基準値の差が大きくなるように設定され
ている。
【0026】この動作を図7のフローチャートに示す。
先ず、電圧検出手段62によりモータの絶対速度に大き
な影響を与えるモータ駆動電圧Vを検出する(S2
1)。次いで、温度センサ14によりモータ温度T1を
検出する(S22)。ここで、温度データメモリ66
に、先に検出した温度のデータの有無を判定し(S2
3)、温度データが記憶されていない場合には、検出し
たモータ温度T1を環境温度T2として新たに記憶する
(S24)。続いて、絶対速度検出手段56により現在
のモータ絶対速度vを検出する(S26)。そして、前
記したモータ駆動電圧V、環境温度T2、モータ絶対速
度vの各情報はモータ特性推定部61に入力され、ここ
でモータ回転状態の推定が行われ、基準値を設定する
(S27)。即ち、モータ駆動電圧Vはモータの絶対速
度に関係するため、基準電圧と検出された駆動電圧との
差と、検出された現在のモータ絶対速度vとに基づいて
絶対速度の変動を予め補正する。その上で、検出された
環境温度T2と、モータ特性推定部61に予め記憶され
ている相関特性に基づいて、その環境温度に対応する基
準値を読み出し、基準値設定信号を送出する。これによ
り、この基準値設定信号を受けた基準値設定部60は相
当する基準値を第1挟み込み検出手段57に設定する
(S25)。例えば、図6に示したような特性の場合に
は、第1挟み込み検出手段57における絶対速度の基準
としての20mSの時間を、温度が高い場合にはこれよ
りも短くし、温度が低い場合にはこれよりも長くする。
【0027】一方、ウインドを連続して複数回駆動する
と、モータは発熱するがウインドの環境温度はあまり変
化しない。このとき、モータ温度をそのまま環境温度と
して用いて基準値を設定すると、実際のウインドの開閉
動作特性との間に誤差が生じることになる。そこで、環
境温度データの有無を判定した(S23)後に、動作指
令手段55の信号により動作されるタイマ67の計時出
力に基づいて、モータが30分以上停止しているか否か
を判定する(S25)。そして、モータが30分以上停
止していないときには、検出したモータ温度T1をその
まま環境温度T2として以降の工程(S26,S27)
を実行し、基準値を設定する。また、モータが30分以
上停止しているときには、温度データメモリ66に記憶
されている環境温度T2を現在の環境温度として読み出
し、この環境温度に基づいて以降の工程(S26,S2
7)を実行し、基準値を設定する。つまり、モータが3
0分以内で複数回駆動されたときには、30分前に検出
した温度データを環境温度として用いることで、モータ
発熱によるモータ温度と環境温度との誤差に基づく基準
値設定の誤動作を防止する。
【0028】したがって、環境温度の変化によりモータ
の絶対速度が変化されるような状況になった場合でも、
これに対応して挟み込みの検出基準値が変更されるた
め、ウインドの挟み込みをモータの絶対速度に基づいて
正確に検出することが可能となり、適切な安全動作が実
行される。また、前記実施例では、温度センサ14をパ
ワーウインド駆動部7のハウジング11内に内装した回
路基板27に搭載することで、温度センサ14とマイク
ロコンピュータ30とを接続する外部配線が不要にな
り、かつ、パワーウインド装置全体としても小型化が可
能となる。更に、この温度センサにより検出した温度を
利用して、モータ作動時のモータ温度上昇を認識し、温
度上昇に伴って生じるモータトルクの低下を補正するこ
とも可能である。
【0029】なお、温度センサは外気温を検出するよう
にしてもよく、例えばパワーウインド装置が配設される
ドアパネルの内部や、サッシの一部に配設してもよい。
また、モータ駆動電圧を例えば定電圧回路により一定に
保持することができれば、電圧検出手段を省略してもよ
い。更に、本発明はモータの相対速度に基づいて挟み込
みを検出する第2挟み込み検出手段の基準値を設定する
ように構成することもできる。図8は相対速度の特性を
示す図であり、絶対速度の特性に準じて3種類の温度に
おける相対速度の変化状態を示している。また、絶対速
度と相対速度の両方の挟み込み検出手段に本発明を適用
することで、より高精度の挟み込み検出が可能となる。
或いは、ウインドガラスの移動速度や移動量を直接検出
して挟み込みを検出するものにおいても、その基準値を
温度変化によって設定することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、駆動源に
よりウインドを開閉動作させる安全装置付パワーウイン
ド装置に環境温度を検出する温度検出手段を設け、検出
した温度に応じて駆動源の動作を制御するように構成し
ているので、温度変化によって変動する駆動源の動作を
補正でき、ウインドでの挟み込みを高精度で検出して適
切な安全動作を行うことができる効果がある。また、ウ
インドの開閉速度を基準値と比較してウインドの挟み込
みを検出する安全装置付パワーウインド装置において、
ウインドの環境温度を検出し、この検出温度に応じて挟
み込み検出手段の基準値を変更するように構成している
ので、環境温度変化にかかわらず、確実にウインドでの
挟み込みを検出することができる。更に、パワーウイン
ド装置の駆動源としてのモータの温度を環境温度として
検出する温度センサを、モータを含むパワーウインド駆
動部のハウジング内に内装しているので、配線数が増大
されることがなく、しかもパワーウインド装置全体をコ
ンパクトに構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるパワーウインド駆動部の内部構
造を示す断面図である。
【図2】本発明が適用されるパワーウインドの全体構成
及び安全制御動作領域を示す模式的な構成図である。
【図3】本発明のパワーウインド装置の全体構成のブロ
ック図である。
【図4】図3のパワーウインド装置に用いられるマイク
ロコンピュータの機能ブロック図である。
【図5】本発明の動作を説明するためのフローチャート
である。
【図6】ウインドの開閉動作に伴う絶対速度の変化率を
温度変化に応じて示す特性図である。
【図7】温度検出と、これに伴う基準値の変更動作を示
すフローチャートである。
【図8】ウインドの開閉動作に伴う相対速度の変化率を
温度変化に応じて示す特性図である。
【符号の説明】
1 ウインドガラス 7 パワーウインド駆動部 9 モータ 14 温度センサ 30 マイクロコンピュータ 56 絶対速度検出手段 57 第1挟み込み検出手段 60 基準値設定部 61 モータ特性推定部 62 電圧検出手段 66 温度データメモリ 67 タイマ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のウインドを駆動源により開閉動作
    させ、かつウインドにおける挟み込みを検出したときに
    その閉動作を停止させる安全装置付パワーウインド装置
    において、環境温度を検出する温度検出手段を設け、検
    出した温度に応じて前記駆動源の動作を制御することを
    特徴とする安全装置付パワーウインド装置。
  2. 【請求項2】 ウインドの開閉速度を検出する手段と、
    検出された速度を基準値と比較してウインドの挟み込み
    を検出する手段と、挟み込みを検出したときにウインド
    の閉動作を停止させる手段と、ウインドの環境温度を検
    出する温度検出手段と、検出された温度に応じて前記挟
    み込み検出手段の基準値を変更する手段とを備えること
    を特徴とする請求項1の安全装置付パワーウインド装
    置。
  3. 【請求項3】 パワーウインド装置の駆動源としてのモ
    ータの温度を環境温度として検出する温度センサを有
    し、この温度センサをモータと制御回路構体とを一体に
    収納するパワーウインド駆動部のハウジング内に内装し
    てなる請求項2の安全装置付パワーウインド装置。
JP4305855A 1992-04-21 1992-10-21 安全装置付パワーウインド装置 Pending JPH06137029A (ja)

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