JP4133530B2 - 間仕切パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内を仕切る間仕切パネルに係わり、特に左右の支柱間に固定した矩形枠に取り付けられるパネル材の美観性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
間仕切パネルは、例えば、特許文献1および特許文献2に示されるように公知である。
【0003】
特許文献1に開示された間仕切パネルは、1枚のパネル基材を、枠体の内周面における前後方向中央に形成した凹溝に嵌め込むか、2枚のパネル基材を、枠体の前後両面に形成した凹溝に嵌め込んで、二重のパネル構造にしている。
【0004】
特許文献2に開示された間仕切パネルは、枠体の前後両面の片側のみに形成した凹溝に、パネル基材を嵌め込んで形成されている。
【0005】
また、特許文献1には、ガラスパネル基材の外周角縁部を面取りし、この面取り部を、框部材の突壁に形成した断面三角形状の突条により噛込み保持して、ガラスパネル基材のパネル面と突壁の端面とを、同一平面上に位置するようにした障子ユニットの構造が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
実開平5−73118号公報(図1、図2、図7、図8)
【特許文献2】
実開平5−73117号公報(図1、図2)
【特許文献1】
特開平6−229075号公報(図1、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した特許文献1および特許文献2における間仕切パネルでは、いずれも枠体に形成した凹溝にパネル基材を接着剤やガスケット等を介在して嵌め込んでいる。そのため、枠体とパネル基材との間には段差が生じ、フラット感に乏しいばかりでなく、ホコリ溜まりとなって美観を損なうことがある。
【0008】
特許文献1の障子ユニットでは、互いに対向するガラスパネル基材の面取り部と突条の傾斜面とが、同一角度で平行になっているとともに、両傾斜面間に形成される隙間に接着剤を介在させている。そのため、ガラスパネル基材と突壁の突条との間には、接着剤が露出し、外観性を低下させるという問題がある。
【0009】
本発明は、パネル材を構成する外枠材とパネル基材におけるパネル面との間に段差を生じないようにするとともに、接着剤等の露出という問題についても解決することによって、美観の向上を図った間仕切パネルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右の支柱間に矩形枠を固定し、この矩形枠の前後両面に、外枠材の前後方向の外側端部に形成した保持部に、パネル基材の外周角縁部を噛込み保持させて形成した1対のパネル材を取り付けるとともに、前記パネル基材の外周角縁部と前記保持部の噛込み角縁部とを左右方向に互いにオーバーラップして対向する傾斜面に面取りし、この互いに対向する両傾斜面を、外側に向けて交差する異なる傾斜角度に形成して、パネル基材におけるパネル面と、外枠材における外側端面とを同一平面上に位置させた間仕切パネルとする。
【0011】
)上記(1)項において、前記パネル基材の外周角縁部における傾斜面を、前記保持部の噛込み角縁部における傾斜面の先端部で直接挟み込んで保持する。
【0012】
)上記(1)または(2)項において、前記パネル基材と前記外枠材の保持部との間に緩衝材を介在させたものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態における間仕切パネルによる室内の間仕切状態を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示す間仕切パネルの要部を分解して示す斜視図である。図3は、図1におけるIII−III線矢視方向から見た拡大縦断面図である。図4は、図1におけるIV−IV線矢視方向から見たパネル材同士の接合状態を示す要部拡大縦断面図である。図5は、図1におけるV−V線矢視方向から見た間仕切パネル同士の連結状態を示す拡大横断面図である。図6は、外枠材によるガラスパネル基材の保持状態を示す要部拡大断面図である。なお、図3において、紙面の右側を「前方」、左側を「後方」として、以下に説明する。
【0014】
本発明の間仕切パネル(10)は、図3に示すように、オフィス等の部屋(1)の天井部(2)に配設した天レール(3)と、床面(4)に敷設した地レール(5)との間に設けられている。この間仕切パネル(10)を、隣り合う間仕切パネル(10)と共に、支柱(以下、これを「スタッド」という)(6)を介して、部屋(1)の左右方向に連結することにより、図1に示すような部屋(1)の間仕切りが行われる。
【0015】
間仕切パネル(10)は、図2に示すように、左右の支柱(6)(6)間に、上下1対の横フレーム(12)(13)、および左右1対の側フレーム(14)(14)により枠組みされて形成された複数の矩形枠(11)(11)を上下方向に積み重ねて固定し、これらの各矩形枠(11)の前後両面に、外枠材(20)の外側端部にパネル基材(19)を保持させた1対のパネル材(18)を取り付けることにより形成されている。
図3に示すように、各矩形枠(11)の最上段の上側横フレーム(12)は、前記天レール(3)に組み付けられ、最下段の下側横フレーム(13)は、前記地レール(5)に組み付けられている。
【0016】
上下の各矩形枠(11)同士は、図4に示すように、下部矩形枠(11)の上側横フレーム(12)上に、上部矩形枠(11)の下側横フレーム(13)を積載することにより組み付けられている。
【0017】
図5に示すように、矩形枠(11)を構成する左右の各側フレーム(14)(14)の前後方向の中央部には、ボルト挿通孔(15)が左右方向に貫通して形成されている。このボルト挿通孔(15)には、前記スタッド(6)に貫通して設けられたボルト挿通孔(7)が対向するように位置している。これらのボルト挿通孔(15)(7)には、ボルト(8)が挿通され、このボルト(8)にナット(9)を螺合することにより、スタッド(6)への各矩形枠(11)の固定と共に、隣り合う間仕切パネル(10)(10)の矩形枠(11)を共締めすることにより、両者の連結がなされている。
【0018】
前記スタッド(6)は、アルミニウムからなる中空構造を有し、かつ間仕切パネル(10)の前後方向の厚さと同一幅寸法に形成されている。これにより、スタッド(6)自体の強度を向上させ、かつ間仕切パネル(10)(10)のパネル面とスタッド(6)の前後方向における端面(6a)とが、同一平面上に位置するようにしてある。
【0019】
矩形枠(11)の内周面(11a)における前後には、1対の連設片(16)(16)がボルト挿通孔(15)を間に存在させて左右方向の外側に向けて突出して形成されており、これらの連設片(16)(16)の外側に隣接して、凹部(17)(17)が形成されている。各凹部(17)には、後述するように、矩形枠(11)の前後両面に背中合わせの状態でそれぞれ嵌め込まれるパネル材(18)(18)が、取り外し自在に係着されている。
【0020】
パネル材(18)は、ガラスパネル基材(19)と外枠材(20)とで構成されている。外枠材(20)は、例えばアルミニウムあるいは合成樹脂により製作されているとともに、図6に示すように、前後方向における外側端に形成された断面コ字形状の保持部(21)と、この保持部(21)に内側に向けて一体に連設して形成された基部(22)とを備えている。保持部(21)には、ガラスパネル基材(19)の外周端部(19a)が嵌め込まれ、これにより、ガラスパネル基材(19)の外周端部(19a)を噛込み保持している。
【0021】
ガラスパネル基材(19)の外周角縁部(19a)と、外枠材(20)の保持部(21)における噛込み角縁部(21a)とは、それぞれ対向する傾斜面に面取りされ、これらの傾斜面は、左右方向にオーバーラップするように形成されている。これら互いに対向する傾斜面は、前後方向に対する傾斜角度について、ガラスパネル基材(19)における外周角縁部(19b)の傾斜角度(θ1)が、保持部(21)における噛込み角縁部(21a)の傾斜角度(θ2)よりも小さくなるようにして、外側に向けて交差するような異なる角度に形成されている。
このようにして、ガラスパネル基材(19)におけるパネル面(19c)と、外枠材(20)における外側端面(21b)とが同一平面になるようにするとともに、ガラスパネル基材(19)の外周角縁部(19b)を、保持部(21)の噛込み角縁部(21a)の先端部(21c)で直接挟み込むようにして、これら両者間に隙間が生ずることを防止している。
【0022】
前記基部(22)は、図5に示すように、外枠材(20)の外周面(20a)を形成するとともに、内側端部(22a)に至るに従って、漸次、矩形枠(11)の内周面(11a)から離間する方向に傾斜する傾斜面として形成されている。このようにして生じた外枠材(20)の外周面(20a)と、矩形枠(11)の内周面(11a)との間の空間を、各矩形枠(11)のスタッド(6)への固定時における、ボルト(8)およびナット(9)の占有空間として確保するとともに、ボルト(8)およびナット(9)の外部への露出を防止するように隠蔽している。
【0023】
矩形枠(11)の前後両面にそれぞれ嵌め込まれる各パネル材(18)の外枠材(20)は、各基部(22)の内側端部(22a)が、矩形枠(11)の前後方向の中央部において背中合わせの状態で互いに当接するようになっている。
【0024】
外枠材(20)の基部(22)には、左右方向の外側に向けて係止片(23a)が突出して形成されており、この係止片(23a)は、矩形枠(11)の内周面(11a)に、左右方向の内側に向けて形成された連設片(16)に、前後方向の外側から係止されている。この係止によって、各パネル材(18)を矩形枠(11)に安定して位置決めすることができる。
【0025】
外枠材(20)の基部(22)には、保持部(21)と係止片(23a)との間に左右方向の外側向きに止着片(23b)が設けられており、この止着片(23b)には、頭部(24a)が円弧状に曲成された板バネ等の弾性舌片(24)が、止めネジ(25)により止着されている。この弾性舌片(24)の頭部(24a)は、矩形枠(11)の内周面(11a)に形成した前記凹部(17)に弾性的に係合し、パネル材(18)を取外し自在に係着している。
【0026】
ガラスパネル基材(19)と外枠材(20)の保持部(21)との間の互いの当接面には、図6に示すように、緩衝材(26)(27)を介在させてある。これらの緩衝材(26)(27)により、ガラスパネル基材(19)への振動の伝播による異音の発生および傷付きを防止することができるとともに、遮音性の向上を図ることができる。
【0027】
なお、前記した実施形態においては、パネル材(18)におけるパネル基材(19)としてガラスパネル基材を例に説明したが、例えば、クロスパネル、スチールパネルあるいはツキ板パネル等のパネル基材にも適用できることは云うまでもない。
【0028】
【発明の効果】
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
(1) 請求項1記載の発明によれば、パネル材のパネル面を、パネル基材の外周角縁部と保持部の噛込み角縁部とを、左右方向に互いにオーバーラップして対向する傾斜面に面取りすることにより、それらの間の段差を吸収して、パネル基材におけるパネル面と、外枠材における外側端面とを、容易に同一平面となるようにすることができるため、パネル面のフラット感を高めることができるとともに、さらに、前記オーバーラップにより、接着剤を用いることなく、パネル基材が保持部から離脱することを防止することができるため、接着剤が露出することもなく、美観性の向上を図ることができる。
また、パネル基材の外周角縁部と保持部の噛込み角縁部とにおける互いに対向する両傾斜面を、外側に向けて交差するような異なる角度に形成することにより、従前のようなパネル基材と保持部との間の隙間を極力小さくすることができ、パネル面の外観性を高めることができる。
【0029】
) 請求項記載の発明によれば、パネル基材の外周角縁部における傾斜面を、保持部の噛込み角縁部における傾斜面の先端部で直接挟み込んで保持することにより、従前のようなパネル基材と保持部との間の隙間をなくすことができ、パネル面の外観性を高めることができる。
【0030】
) 請求項記載の発明によれば、緩衝材の介在により、パネル基材への振動の伝播による異音の発生および傷付きを防止することができるとともに、遮音性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における間仕切パネルによる室内の間仕切状態を概略的に示す斜視図である。
【図2】 図1に示す間仕切パネルの要部を分解して示す斜視図である。
【図3】 図1におけるIII−III線矢視方向から見た拡大縦断面図である。
【図4】 図1におけるIV−IV線矢視方向から見た間仕切パネルを構成するパネル材同士の接合状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図5】 図1におけるV−V線矢視方向から見た間仕切パネル同士の連結状態を示す拡大横断面図である。
【図6】 外枠材によるガラスパネル基材の保持状態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
(1) 部屋
(2) 天井部
(3) 天レール
(4) 床面
(5) 地レール
(6) 支柱(スタッド)
(6a) 端面
(7) ボルト挿通孔
(8) ボルト
(9) ナット
(10) 間仕切パネル
(11) 矩形枠
(11a) 内周面
(12) 上側横フレーム
(13) 下側横フレーム
(14) 側フレーム
(15) ボルト挿通孔
(16) 連設片
(17) 凹部
(18) パネル材
(19) ガラスパネル基材
(19a) 外周端部
(19b) 外周角縁部(傾斜面)
(19c) 外側ガラス面
(20) 外枠材
(20a) 外周面
(21) 保持部
(21a) 噛込み角縁部(傾斜面)
(21b) 外側端面
(21c) 先端部
(22) 基部
(22a) 内側端部
(23a) 係止片
(23b) 止着片
(24) 弾性舌片
(24a) 頭部
(25) 止めネジ
(26) 緩衝材
(27) 緩衝材
(θ1) 傾斜角度
(θ2) 傾斜角度

Claims (3)

  1. 左右の支柱間に矩形枠を固定し、この矩形枠の前後両面に、外枠材の前後方向の外側端部に形成した保持部に、パネル基材の外周角縁部を噛込み保持させて形成した1対のパネル材を取り付けるとともに、前記パネル基材の外周角縁部と前記保持部の噛込み角縁部とを左右方向に互いにオーバーラップして対向する傾斜面に面取りし、この互いに対向する両傾斜面を、外側に向けて交差する異なる傾斜角度に形成して、パネル基材におけるパネル面と、外枠材における外側端面とを同一平面上に位置させたことを特徴とする間仕切パネル。
  2. 前記パネル基材の外周角縁部における傾斜面を、前記保持部の噛込み角縁部における傾斜面の先端部で直接挟み込んで保持したことを特徴とする請求項1記載の間仕切パネル。
  3. 前記パネル基材と前記外枠材の保持部との間に緩衝材を介在させたことを特徴とする請求項1または2記載の間仕切パネル。
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