JP4132565B2 - アイドル運転停止車両における発進クラッチの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、停車時に所定条件下でエンジンを自動的に停止するようにしたアイドル運転停止車両の変速装置に、ベルト式無段変速機構と直列に設ける発進クラッチの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式無段変速機構にエンジンからの動力を油圧作動式摩擦要素を組込んだ前後進切換機構等の動力伝達機構を介して入力するように変速装置を構成した場合、アイドル運転停止車両においては、エンジン停止状態から発進する際、油圧回路の油圧がエンジン停止中に無くなって、動力伝達機構がアウトギア状態になっているため、発進クラッチを早期に係合させると、動力伝達機構が動力を伝達するインギア状態になったときに、車両の駆動輪に急に動力が伝達されてショックが発生する。
【0003】
そこで、かかる不具合を解消するため、エンジン停止状態からの発進時に、動力伝達機構が動力を伝達するインギア状態になったところで、発進クラッチの制御モードを、発進クラッチの係合力を車両のクリープを生ずるクリープ力以下に抑える待機モードから発進クラッチの係合力をクリープ力以上に上昇させる走行モードに切換えることが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ベルト無段変速機構のドライブプーリ及びドリブンプーリには各プーリに設けたシリンダにより側圧を付与するが、エンジン停止状態からの発進時は、動力伝達機構がインギア状態になっても、油圧回路に油が詰め切らず、プーリ側圧が充分に上昇しないことがある。この状態で発進クラッチの制御モードが走行モードに切換えられ、発進クラッチの係合力が急増すると、無段変速機構かかる負荷トルクに対しプーリ側圧が不足して、無段変速機構のベルトとプーリとの間でのスリップを生じ、ベルトの耐久性に悪影響が及ぶ。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、エンジン停止状態からの発進に際してのベルトスリップを防止できるようにしたアイドル運転停止車両における発進クラッチの制御装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明によれば、停車時に所定条件下でエンジンを自動的に停止するようにしたアイドル運転停止車両の変速装置に、エンジンからの動力を油圧作動式摩擦要素を組込んだ動力伝達機構を介して入力するベルト式無段変速機構と直列に設ける発進クラッチの制御装置であって、エンジン停止状態からの発進時に、動力伝達機構が動力を伝達するインギア状態になったところで、発進クラッチの制御モードを、発進クラッチの係合力を車両のクリープを生ずるクリープ力以下に抑える待機モードから発進クラッチの係合力をクリープ力以上に上昇させる走行モードに切換えるものにおいて、走行モードへの切換え時点から所定時間経過するまで、発進クラッチの係合力の上昇速度の上限値を前記所定時間経過後の値よりも低い値にして上昇速度を制限する上昇制限手段を備えている。
【0007】
本発明によれば、発進クラッチの制御モードが走行モードに切換えられ、発進クラッチの係合力がクリープ力以上に上昇させる過程において、当初は発進クラッチの係合力が緩やかに上昇されることになる。そして、プーリ側圧の上昇の応答遅れに合わせて発進クラッチの係合力の上昇速度を制限することにより、ベルトスリップを防止できる。
【0008】
尚、後記する実施形態において、上記所定時間はYTM4、上昇速度の上限値の所定時間経過後と経過前の値は夫々Y△PLMTN、Y△PLMTSであり、上記上昇制限手段に相当するのは図3のS25、S27、S28、S29、S33のステップにおける処理である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は車両の変速装置を示している。この変速装置は、エンジン1にカップリング機構2を介して連結される入力軸3と出力軸4との間に配置したベルト式無段変速機構5と、無段変速機構5の入力側に配置した動力伝達機構たる前後進切換機構6と、無段変速機構5の出力側に配置した油圧クラッチから成る発進クラッチ7とを備えている。
【0010】
無段変速機構5は、入力軸3上に軸支したドライブプーリ50と、出力軸4に回り止めして連結したドリブンプーリ51と、両プーリ50,51間に巻掛けした金属Vベルト52とで構成される。各プーリ50,51は、固定シーブ50a,51aと、固定シーブ50a,51aに対し軸方向に相対移動可能な可動シーブ50b,51bと、可動シーブ50b,51bを固定シーブ50a,51a側に押圧するシリンダ50c,51cとで構成され、両プーリ50,51のシリンダ50c,51cへの供給油圧を適宜制御することにより、ベルト52の滑りを生じない適切なプーリ側圧を発生させると共に両プーリ50,51のプーリ幅を変化させ、ベルト52の巻掛け径を変化させて無段変速を行う。
【0011】
前後進切換機構6は、入力軸3に結合したサンギア60と、ドライブプーリ50に結合したリングギア61と、入力軸3に軸支したキャリア62と、キャリア62に軸支した、サンギア60とリングギア61とに咬合する遊星ギア63と、入力軸3とリングギア61とを連結可能な油圧作動式摩擦要素たる前進クラッチ64と、キャリア62を固定可能な油圧作動式摩擦要素たる後進ブレーキ65とを備える遊星ギア機構で構成されている。前進クラッチ64が係合されると、リングギア61が入力軸3と一体に回転し、ドライブプーリ50は入力軸3と同方向(前進方向)に駆動される。また、後進ブレーキ65が係合されると、リングギア61がサンギア60とは逆の方向に回転され、ドライブプーリ50は入力軸3とは逆方向(後進方向)に駆動される。前進クラッチ64と後進ブレーキ65とが共に解放されると、前後進切換機構6を介しての動力伝達が断たれる。
【0012】
発進クラッチ7は出力軸4に連結されており、該クラッチ7が係合すると、無段変速機構5で変速されたエンジン出力が発進クラッチ7の出力側のギア列8を介して差動機構9に伝達され、差動機構9から車両の左右の駆動輪(図示せず)に駆動力が伝達される。発進クラッチ7が解放されたときには動力伝達が行えず、変速装置は中立状態になる。
【0013】
また、エンジン1には電動モータ10が直結されており、電動モータ10による加速時等のパワーアシストと、減速時のエネルギー回収と、エンジン1の始動とを行う。停車時は、所定条件、例えば、ブレーキがオン、エアコンスイッチがオフ、ブレーキブースタ負圧が所定値以上という条件が成立したときエンジン1を自動的に停止し、その後ブレーキがオフされたとき電動モータ10によりエンジン1を始動して、エンジン停止状態からの発進を行う。
【0014】
無段変速機構5の各プーリ50,51のシリンダ50c,51c、前記クラッチ64、後進ブレーキ65及び発進クラッチ7の油圧は油圧回路11によって制御される。油圧回路11には、図2に示す如く、エンジン1で駆動される油圧ポンプ12が設けられており、油圧ポンプ12からの吐出圧をレギュレータ13で所定のライン圧に調圧し、このライン圧を元圧として、ドライブプーリ50とドリブンプーリ51の各シリンダ50c,51cの油圧(プーリ側圧)を第1と第2の各調圧弁141,142で調圧し得るようにしている。各調圧弁141,142は、ばね141a,142aで左方の開き側に押圧されると共に、左端の油室141b,142bに入力するプーリ側圧で右方の閉じ側に押圧されている。更に、第1調圧弁141用の第1リニアソレノイド弁151と第2調圧弁142用の第2リニアソレノイド弁152とを設けて、各調圧弁141,142の右端の油室141c,142cに各リニアソレノイド弁151,152からの出力圧を入力し、かくて、第1と第2の各リニアソレノイド弁151,152によりドライブプーリ50とドリブンプーリ51の各プーリ側圧を制御し得るようにしている。また、第1と第2の両リニアソレノイド弁151,152の出力圧のうち高圧側の出力圧を切換弁16を介してレギュレータ13に入力し、この出力圧でライン圧を制御して、ベルト52の滑りを生じない適切なプーリ側圧を発生させるようにしている。尚、第1と第2の各リニアソレノイド弁151,152は、ばね151b,152bで左方の開き側に押圧されると共に、自己の出力圧とソレノイド151a,152aの電磁力とで右方の閉じ側に押圧されており、モジュレータ弁17からのモジュレート圧(ライン圧より一定値低い圧)を元圧として、ソレノイド151a,152aの通電電流値に反比例した油圧を出力する。
【0015】
発進クラッチ7にはモジュレート圧を供給する油路が接続されており、この油路に第3リニアソレノイド弁153が介設されている。第3リニアソレノイド弁153は、ばね153bと発進クラッチ7の油圧とで右方の閉じ側に押圧されると共に、ソレノイド153aの電磁力で左方の開き側に押圧されており、かくて、発進クラッチ7の係合力、即ち、発進クラッチ7の油圧は、モジュレート圧を元圧として、ソレノイド153aの通電電流値に比例して変化する。
【0016】
前進クラッチ64と後進ブレーキ65とには、マニュアル弁18を介してモジュレート圧が供給されるようになっている。マニュアル弁18は、図外のセレクトレバーに連動して、パーキング用の「P」と、後進用の「R」と、ニュートラル用の「N」と、通常走行用の「D」と、スポーティ走行用の「S」と、低速保持用の「L」との計5位置に切換自在であり、「D」「S」「L」の各位置でモジュレート圧を前進クラッチ64に供給し、「R」位置でモジュレート圧を後進ブレーキ65に供給し、「N」「P」の各位置で前進クラッチ64と後進ブレーキ65の両者へのモジュレート圧の供給を停止するように構成されている。尚、マニュアル弁18には絞り19を介してモジュレート圧が供給されるようにしている。
【0017】
前記第1乃至第3リニアソレノイド弁151,152,153は、車載コンピュータから成るコントローラ20(図1参照)で制御される。コントローラ20には、エンジン1の点火パルスと、エンジン1の吸気負圧PBやスロットル開度θを示す信号と、ブレーキペダルの踏込みを検出するブレーキスイッチ21からの信号と、セレクトレバーのセレクトポジションを検出するポジションセンサ22からの信号と、ドライブプーリ50の回転速度を検出する速度センサ231からの信号と、ドリブンプーリ51の回転速度を検出する速度センサ232からの信号と、発進クラッチ7の出力側の回転速度、即ち車速を検出する速度センサ233からの信号と、変速装置の油温を検出する油温センサ24からの信号とが入力されており、コントローラ20はこれら信号に基づいて第1乃至第3リニアソレノイド弁151,152,153を制御する。
【0018】
ところで、停車時にエンジン1を停止すると、油圧回路11の油圧源となる油圧ポンプ12も停止して、油圧回路11から油が抜けてしまう。そのため、エンジン停止状態からの発進に際し、前進クラッチ64や後進ブレーキ65が係合して前後進切換機構6が動力を伝達するインギア状態になるまでには時間がかかり、インギア前に発進クラッチ7が係合していると、前後進切換機構6のインギアで車両の駆動輪に急に動力が伝達されてショックが発生する。そのため、前後進切換機構6がインギア状態になったところで、発進クラッチ7の制御モードを、発進クラッチ7の無効ストロークを詰める待機モードから発進クラッチ7の係合力を増す走行モードに切換えることが望まれる。また、発進の応答性を良くするためには、待機モードにおいて、発進クラッチ7の油圧を車両のクリープを生ずるクリープ圧(発進クラッチ7の滑りを生じつつも車両のイナーシャ以上のトルクを伝達し得る油圧)まで昇圧させて待機させることが望まれるが、第3リニアソレノイド弁153で制御すべき発進クラッチ7の油圧指令値PSCCMDを発進当初からクリープ圧にすると、発進当初は油圧回路11の油圧が無いため、第3リニアソレノイド弁153が閉じ側への油圧を受けることなくフルオープンしてしまい、油圧が立上ったときに発進クラッチ7の油圧がクリープ圧を上回る値にオーバーシュートし、ショックが発生する。また、プーリ側圧が立上らないうちに発進クラッチ7の油圧がクリープ圧まで上昇すると、車両のイナーシャ分の負荷が発進クラッチ7を介してドリブンプーリ51に作用し、側圧不足でベルト52がスリップしてしまう。
【0019】
以上の点を考慮し、エンジン停止状態からの発進時は、発進クラッチ7を図3に示すプログラムに従って制御している。この制御は所定時間間隔、例えば、10msec間隔で実行されるもので、先ず、S1のステップでフラグF1が「1」にセットされているか否かを判別する。F1は当初「0」にリセットされており、そのため、S1のステップで「NO」と判定されてS2のステップに進み、ここでタイマ値YTM1を検索する。YTM1は、油圧の昇圧応答遅れを考慮して、図6に示す如く油温が低くなる程長くなるように設定されており、油温をパラメータとするYTM1のデータテーブルから現時点の油温に応じたYTM1の値を検索する。尚、油温が常温以上のとき、YTM1は50msec程度に設定される。次に、S3のステップで減算式の第1タイマの残り時間TM1をYTM1にセットした後、S4のステップに進んで油圧立上り判別処理を行う。
【0020】
油圧立上り判別処理の詳細は図4に示す通りであり、S4−1,S4−2,S4−3のステップで夫々フラグF2,F3,F4が「1」にセットされているか否かを判別する。F2,F3,F4は当初「0」にリセットされており、そのため、S4−4のステップに進んでフラグF5が「1」にセットされているか否かを判別する。F5は、サブルーチンで作成されるフラグであり、所定時間(例えば500msec)内に点火パルスが1つでも入力されれば「1」にセットされ、点火パルスが1つも入力されないとき、即ち、エンジン1が完全に停止していると判断できるときに「0」にリセットされる。F5=0であれば、S4−5のステップでF4を「1」にセットして、S4−6のステップに進む。次回からは、S4−3のステップから直接S4−6のステップに進む。
【0021】
S4−6のステップでは、連続する2発の点火パルスの入力時間差から算出されるエンジン1の回転速度NE2PLSが零より大きいか否かが判別される。尚、NE2PSLの算出はサブルーチンで行われる。S4−6のステップで「YES」と判定されるのは、エンジン停止後に入力された1発目の点火パルスと2発目の点火パルスとの入力時間差から算出したNE2PLSが零より大きくなったときである。そして、S4−6のステップで「YES」と判定されると、S4−7のステップに進んでエンジン回転速度NEが第1の所定速度YNE1(例えば500rpm)に上昇する時点を割出すタイマ値YTMNE1を検索し、次に、S4−8のステップに進んで、エンジン回転速度NEが第2の所定速度YNE2(例えば900rpm)に上昇する時点を割出すタイマ値YTMNE2を検索する。YTMNE1,YTMNE2は、図7(A)(B)に示すように、NE2PLSが大きくなるのに伴い短くなるように設定されている。図7(C)を参照して、t1は1発目の点火パルスの入力時点、t2は2発目の点火パルスの入力時点であり、両点火パルスの入力時間差から算出した回転速度NE2PLSはその時点での実際のエンジン回転速度NEよりかなり低くなるが、t2の時点からエンジン回転速度NEが各所定速度YNE1,YNE2に上昇するまでにかかる時間は、NE2PLSからかなりの正確性を持って割出すことができ、この原理に基づいてYTMNE1,YTMNE2を設定している。
【0022】
エンジン1が完全に停止する前に発進が行われたときは、F5=1になっているため、S4−4のステップからS4−9のステップに進んでフラグF6が「1」にセットされているか否かを判別する。F6は当初「0」にリセットされており、そのため、S4−9のステップで「NO」と判定されてS4−10のステップに進み、ここでNE2PLSの複数の平均値として求めたエンジン回転速度NEが所定速度YNE(例えば500rpm)以下か否かを判別する。NE≦YNEであれば、S4−11のステップでF6を「1」にセットして、S14−12のステップに進む。次回からは、S4−9のステップから直接S4−12のステップに進む。S4−12のステップでは、NE2PLSの今回の値が前回の値NE2PLS1より大きくなったか否かを判別する。S4−12のステップで「YES」と判定されるのは、発進後初めてNE2PLSが上昇に転じたときである。そして、S4−12のステップで「YES」と判定されると、S4−13,S4−14のステップで今回のNE2PLSをパラメータとしてYTMNE1,YTMNE2を検索する。尚、S4−13,S4−14で検索するYTMNE1,YTMNE2は、図7(A)(B)に点線で示す如く、S4−7,S4−8のステップで検索する実線のYTMNE1,YTMNE2より短くなるように設定されている。
【0023】
また、S4−10のステップで「NO」と判定されたときは、S4−15,S4−16のステップでYTMNE1,YTMNE2を零にする。以上の如くして、YTMNE1,YTMNE2の検索を完了すると、S4−17,S4−18のステップで減算式の第1と第2の各NE判別用タイマの残り時間TMNE1,TMNE2を夫々YTMNE1,YTMNE2にセットし、次に、S4−19のステップでフラグF3を「1」にセットした後、S4−20のステップに進む。次回からは、S4−2のステップから直接S4−20のステップに進む。
【0024】
S4−20のステップでは、第3リニアソレノイド弁153のソレノイド153aに通電されている実効電流値IACTの変化量ΔIACTを算出する。ΔIACTは、例えば、今回のIACTの検出値と3回前から5回前に検出されたIACTの平均値の差として算出される。ΔIACTを算出すると、次に、S4−21のステップでフラグF7が「1」にセットされているか否かを判別する。F7は当初「0」にリセットされており、そのため、S4−22のステップに進んで、ΔIACTの絶対値が所定値YΔIACT1(例えば3.1mA)以下になったか否かを判別する。エンジン停止状態からの発進で、油圧指令値PSCCMDが零から立上ると、ソレノイド153aへの通電が開始され、IACTがPSCCMDに相当する目標電流値になるようにIACTのフィードバック制御が行われる。そのため、IACTが目標電流値に安定するまでは|ΔIACT|>YΔIACT1となる。そして、|ΔIACT|≦YΔIACT1になったとき、即ち、IACTが目標電流値に安定したと判別されたとき、S4−23のステップでF7を「1」にセットしてS4−24のステップに進む。次回からは、S4−21のステップから直接S4−24のステップに進む。
【0025】
S4−24のステップでは、第1のNE判別用タイマの残り時間TMNE1が零になったか否か、即ち、エンジン回転速度NEが第1の所定速度YNE1に上昇したか否かが判別される(図7(C)参照)。この判別結果が「YES」であれば、S4−25のステップで減算式の第2タイマの残り時間TM2が零になったか否かを判別する。TM2は、エンジン停止状態からの発進当初に所定時間YTM2にセットされている。そして、発進開始時点からYTM2が経過してTM2=0になったとき、S4−26のステップでΔIACTが所定値YΔIACT2(例えば12.4mA)以上になったか否かを判別する。
【0026】
ここで、エンジン停止により油圧回路11の油圧が無くなっている状態から発進すると、油圧回路11の油圧が立上ったところで、フルオープンしていた第3リニアソレノイド弁153が閉じ側に戻され、ソレノイド153aに逆起電力が発生して、その分IACTが増加する。従って、ΔIACT≧YΔIACT2になったか否かで、油圧回路11の油圧が立上ったか否かを判定することができる。尚、油圧の立上り過渡期における油圧変動により逆起電力が発生してΔIACT≧YΔIACT2になることもある。そこで、油圧立上りの誤判別を防止するため、本実施形態では、S4−24のステップを設け、TMNE1=0になるまで、即ち、エンジン回転速度NEが第1の所定速度YNE1に上昇するまでは、S4−26のステップでの判別、即ち、ΔIACTに基づく油圧立上りの判別を行わないようにしている。尚、S4−25のステップを設けた理由については後で詳述する。
【0027】
ΔIACT≧YΔIACT2になると、S4−27のステップでフラグF8を「1」にセットした後、S4−28のステップでフラグF3が「1」にセットされているか否かを判別する。S4−19のステップでのセット処理でF3=1になっていれば、S4−29のステップでフラグF8が「1」にセットされているか否かを判別する。そして、S4−27のステップでのセット処理でF8=1になっていれば、S4−30のステップでモード値ISMODを「01」にセットする。
【0028】
F8が「1」にセットされていなければ、S4−31のステップでドライブプーリ50の回転速度NDRが第1の所定速度YNDR1(例えば500rpm)以上になっているか否かを判別し、NDR<YNDR1であれば、S4−32のステップで第2のNE判別用タイマの残り時間TMNE2が零になったか否か、即ち、エンジン回転速度NEが第2の所定速度YNE2に上昇したか否かを判別する(図7(C)参照)。そして、NDR≧YNDR1か、または、TMNE2=0になったとき、S4−33のステップでTM2=0か否かを判別し、TM2=0になったとき、S4−34のステップでモード値ISMODを「02」にセットする。S4−30またはS4−34のステップでのセット処理が行われると、S4−35のステップでフラグF2が「1」にセットされ、以後の油圧立上り判別処理が中止される。
【0029】
ここで、油圧回路11の油圧が無くなっている状態から発進すると、上記の如くΔIACT、即ち、第3リニアソレノイド弁153のソレノイド153aの逆起電力に基づいて油圧の立上りを判別できるが、油圧回路11に残圧が有る状態で発進すると、第3リニアソレノイド弁153がフルオープンせず、油圧の立上りをソレノイド153aの逆起電力に基づいて判別することができなくなる。ところで、ドライブプーリ50は、エンジン1の始動で前進クラッチ64や後進ブレーキ65への給油が開始されると、前後進切換機構6を介しての動力伝達で回転され始めるから、ドライブプーリ50の回転速度NDRがYNDR1に上昇したときは、油圧回路11の油圧も立上っていると判断できる。そこで、本実施形態では、S4−31のステップでドライブプーリ50の回転速度NDRに基づく油圧立上りの判別を行っている。尚、前進クラッチ64や後進ブレーキ65の油圧の立上りが遅れたり、変速装置のレンジが「N」「P」の非走行レンジに切換えられていたりすると、油圧が立上っているのにNDR≧YNDR1にならないことがある。そこで、本実施形態では、S4−32のステップを設け、エンジン回転速度NEに基づく油圧立上りの判別も行っている。
【0030】
図3を参照して、S4のステップでの油圧立上り判別処理を以上の如くして行うと、次に、S5のステップでフラグF2が「1」にセットされているか否かを判別し、F2=1になるまで、即ち、油圧回路11の油圧が立上るまでは、S6のステップに進んで油圧指令値PSCCMDをクリープ圧よりも低い初期圧PSCAに設定すると共に、S7のステップで減算式の第3タイマの残り時間TM3を所定時間YTM3(例えば500msec)にセットする。尚、初期圧PSCAは、発進クラッチ7のリターンスプリング7aのセット荷重と同等程度に設定され、発進クラッチ7への油圧が初期圧PSCAに上昇しても、発進クラッチ7は無効ストロークがぎりぎり詰った状態になるだけで係合力は発生しない。従って、油圧回路11の油圧の立上りで発進クラッチ7の油圧がオーバーシュートしても、発進クラッチ7が強く係合することはなく、ショックは生じない。
【0031】
また、上記YTM2は、ドライブプーリ50やドリブンプーリ51のシリンダ50c,51cへの給油でプーリ側圧が立上るまでにかかる時間を考慮して、例えば、200msecに設定されている。そして、発進開始時点からYTM2が経過するまでは、S4−25やS4−33のステップでの判別処理により、フラグF2が「1」にセットされることが禁止されるから、油圧指令値PSCCMDは初期圧PSCAに保持され、発進クラッチ7の係合力が車両のクリープを生ずるクリープ力以上に上昇することが阻止される。従って、プーリ側圧の立上り前の発進クラッチ7の係合によりベルト52がスリップすることを防止できる。
【0032】
油圧回路11の油圧が立上ってフラグF2が「1」にセットされると、S8のステップに進んでデータセット処理を行う。このデータセット処理の詳細は図5に示す通りである。これを詳述するに、S8−1,S8−2のステップで夫々無効ストローク詰め圧用加算値PSCBとクリープ圧用加算値PSCCとを検索する。PSCB,PSCCは、油圧の昇圧応答遅れを考慮して油温が低くなる程高くなるように設定されており、油温をパラメータとするPSCB,PSCCのデータテーブルから現時点の油温に対応するPSCB,PSCCの値を検索する。
【0033】
次に、S8−3のステップでモード値ISMODが「01」にセットされているか否かを判別し、ISMOD=01のときは、S8−4のステップに進み、予め所定値にセットされている無効ストローク詰め圧前加算値PSCBaを零に書き換えると共に、無効ストローク詰め圧終了判断用タイマ値YTM3Bとクリープ圧開始判断用タイマ値YTM3Cとを夫々第1の設定値YTM3B1(例えば420msec),YTM3C1(例えば400msec)にセットする。ISMODが「02」にセットされているときは、S8−5のステップに進み、YTM3B,YTM3Cを夫々第2の設定値YTM3B2(例えば470msec),YTM3C2(例えば450msec)にセットする。
【0034】
図3を参照して、S8のステップでのデータセット処理を以上の如くして行うと、次に、S9のステップに進み、第3タイマの残り時間TM3が所定の設定時間YTM3A(例えば490msec)以上であるか否か、即ち、油圧立上り時点からの経過時間がYTM3−YTM3A以内であるか否かを判別する。そして、TM3≧YTM3Aであれば、S10のステップで油圧指令値PSCCMDをPSCAにPSCBとPSCBaとを加算した値に設定する。TM3<YTM3Aになれば、S11のステップでTM3がYTM3B以上であるか否か、即ち、油圧立上り時間からの経過時間がYTM3−YTM3B以内であるか否かを判別し、TM3≧YTM3Bであれば、S12のステップで油圧指令値PSCCMDをPSCAにPSCBを加算した値にセットする。TM3<YTM3Bになれば、S13のステップでTM3がYTM3C以上であるか否か、即ち、油圧立上り時点からの経過時間がYTM3−YTM3C以内であるか否かを判別し、TM3≧YTM3Cであれば、S14のステップで油圧指令値PSCCMDをPSCAにPSCCを加算した値から予め所定値にセットされているクリープ圧前減算値PSCCaを減算した値に設定する。TM3<YTM3Cになれば、S15のステップでフラグF1を「1」にセットすると共に、S16のステップで油圧指令値PSCCMDをPSCAにPSCCを加算した値に設定する。次回からは、S1のステップで「YES」と判定されてS17のステップに進み、第1タイマの残り時間TM1が零になったか否か、即ち、油圧指令値PSCCMDがPSCA+PSCCに設定された時点からの経過時間がYTM1になったか否かを判別する。そして、TM1=0になったとき、S18のステップで変速装置のレンジが「N」「P」になっているか否かを判別し、レンジが「N」「P」以外の走行レンジになっていれば、S19のステップでフラグF9が「1」にセットされているか否かを判別する。フラグF9は当初「0」にリセットされており、そのため、S19のステップで「NO」と判定されてS20のステップに進み、ドライブプーリ50の回転速度NDRが第2の所定速度YNDR2以上になったか否かを判別する。TM1≠0であったり、「N」「P」レンジであったり、NDR<YNDR2であれば、S21のステップで減算式の第4タイマの残り時間TM4を所定時間YTM4にセットした後、S16のステップに進み、油圧指令値PSCCMDはPSCA+PSCCに維持される。
【0035】
ここで、PSCCは、これを初期値PSCAに加算した値がクリープ圧になるように設定され、また、PSCBはPSCCよりも大きな値に設定されている。ソレノイド153aの逆起電力で油圧の立上りが判別されて、ISMODが「01」にセットされたときは、上記の如くPSCBaが零に書き換えられるため、図8に示す如く、油圧立上り判別時点(F2=1になった時点)からYTM3−YTM3B(=YTM3B1)の時間が経過するまで、油圧指令値PSCCMDはPSCA+PSCBの値、即ち、クリープ圧よりも高い無効ストローク詰め圧に保持され、その間に発進クラッチ7の実油圧PSCは無効ストロークを詰めつつクリープ圧に向けて応答性良く上昇する。油圧立上り判別時点からの経過時間がYTM3−YTM3Bを超えると、経過時間がYTM3−YTM3C(=YTM3C1)になるまで、PSCCMDはPSCA+PSCC−PSCCaの値、即ち、クリープ圧より低い値に切換えられ、経過時間がYTM3−YTM3Cを超えたところで、PSCCMDがPSCA+PSCCの値、即ち、クリープ圧に切換えられる。このように、PSCCMDを無効ストローク詰め圧からクリープ圧に切換える際に、一時的にPSCCMDをクリープ圧より低くすることにより、ソレノイド153aの実効電流値IACTが無効ストローク詰め圧に相当する電流値からクリープ圧に相当する電流値に応答性良く低下するようになる。そして、発進クラッチ7の実油圧PSCは、PSCCMDをクリープ圧に切換えた時点からYTM1が経過する前にオーバーシュートを生ずることなくクリープ圧に昇圧される。
【0036】
ドライブプーリ50の回転速度NDRやエンジン回転速度NEに基づいて油圧の立上りが判別されて、ISMODが「02」にセットされたときは、図9に示す如く、油圧立上り判別時点からの経過時間がYTM3−YTM3Aになるまで、PSCCMDはPSCA+PSCB+PSCBaの値、即ち、無効ストローク詰め圧より高い値に切換えられ、経過時間がYTM3−YTM3Aを超えたところで、PSCCMDがPSCA+PSCBの値、即ち、無効ストローク詰め圧に切換えられる。このように、PSCCMDを初期圧PSCAから無効ストローク詰め圧に切換える際に、一時的にPSCCMDを無効ストローク圧より高くすることにより、ソレノイド153aの実効電流値IACTが初期圧に相当する電流値から無効ストローク詰め圧に相当する電流値に応答性良く増加する。尚、ISMODが「01」にセットされるときは、ソレノイド153aの実効電流値IACTが逆起電力で増加しており、IACTの応答性向上のためにPSCCMDを無効ストローク圧より高くする必要はない。油圧立上り判別時点からの経過時間がYTM3−YTM3B(=YTM3B2)を超えると、経過時間がYTM3−YTM3C(=YTM3C2)になるまで、PSCCMDはPSCA+PSCC−PSCCaの値、即ち、クリープ圧より低い値に切換えられ、その後でPSCA+PSCCの値、即ち、クリープ圧に切換えられる。ここで、ISMODが「02」にセットされるのは油圧回路11に残圧が有る場合であり、発進クラッチ7の実油圧PSCが比較的応答性良く上昇するから、YTM3B2をYTM3B1よりも大きく設定し、PSCCMDを無効ストローク詰め圧に維持する時間を短くしている。
【0037】
前後進切換機構6がインギア状態になるまでは、PSCCMDをクリープ圧に維持して、発進クラッチ7の係合力を車両のクリープを生ずるクリープ力以下に抑え、インギア時点での車両の駆動輪の駆動トルクの急な立上りによるショックの発生を防止する。ここで、前後進切換機構6がインギア状態になったか否かは、エンジン回転速度NEとドライブプーリ50の回転速度NDRとの偏差が所定値以下になったか否かで判別できるが、エンジン停止状態からの発進時は、エンジン回転速度が急上昇するため、上記の如く点火パルスの入力時間差からエンジン回転速度を算出すると、算出NEは実NEよりかなり低くなり、インギア判断が遅れる。そこで、本実施形態では、ドライブプーリ50の回転速度NDRのみに基づくインギア判別を行うこととした。即ち、上記の如くS20のステップでドライブプーリ50の回転速度NDRがインギアの判別基準となる第2の所定速度YNDR2(例えば700rpm)以上になったか否かを判別し、NDR≧YNDR2になったときは、前後進切換機構6がインギア状態になったと判断して、S22のステップでフラグF9を「1」にセットし、S23以下のステップに進んで、発進クラッチ7の制御モードをそれまでの待機モードから走行モードに切換えるようにしている。
【0038】
走行モードでは、先ず、S23のステップでエンジン回転速度NEに応じた発進クラッチ7の通常の油圧PSCNを算出し、次に、S24のステップでPSCNがなまし用の制限値PSCLMT以上か否かを判別する。PSCN≧PSCLMTであれば、S25のステップで第4タイマの残り時間TM4が零か否か、即ち、インギアの判別時点(F9=1になった時点)からの経過時間がYTM4以上になったか否かを判別し、TM4=0であれば、S26のステップで1回当りのプラス側の油圧変化制限値ΔPLMTを通常のなまし値YΔPLMTN(例えば0.5kg/cm2)に設定し、TM4≠0であれば、S27のステップでΔPLMTをYΔPLMTNより小さな値YΔPLMTS(例えば0.25kg/cm2)に設定する。次に、S28のステップでPSCNとPSCLMTとの偏差の絶対値がΔPLMT以上であるか否かを判別し、ΔPLMT以上であれば、S29のステップでPSCLMTを前回値にΔPLMTを加算した値に書き換え、ΔPLMT未満であれば、S30のステップでPSCLMTをPSCNに書き換える。また、PSCN<PSCLMTであれば、S31のステップでPSCNとPSCLMTとの偏差の絶対値がマイナス側の所定の油圧変化制限値ΔPLMTM(例えば0.5kg/cm2)以上であるか否かを判別し、ΔPLMTM以上であれば、S32のステップでPSCLMTを前回値から△PLMTMを減算した値に書き換え、△PLMTM未満であれば、S30のステップで上記の如くPSCLMTをPSCNに書き換える。そして、S33のステップで油圧指令値PSCCMDをPSCLMTに設定する。
【0039】
かくて、インギアの判別時点からYTM4が経過すると、油圧指令値PSCCMDの1回当りの増加量は通常のなまし値Y△PLMTNになるが、YTM4が経過するまでは、PSCCMDの1回当りの増加量が通常のまなし値より小さなY△PLMSに制限され、PSCCMD、即ち、発進クラッチ7の係合力の上昇速度が比較的低速に制限される。
【0040】
ところで、ベルト52の耐久性向上及びフリクションロスの低減のためには、プーリ側圧をその時点での伝達トルクに比し必要以上に大きくすべきではない。そこで、待機モードではプーリ側圧を比較的低圧にし、走行モードへの切換えで発進クラッチ7の係合力をクリープ力以上に上昇するのに合わせてプーリ側圧を上昇させるようにしている。然し、走行モードへの切換時点においても油圧回路11の油圧がライン圧にまで完全に昇圧されていないことがあり、発進クラッチ7の係合力の上昇速度を速くすると、プーリ側圧の昇圧が遅れて、ベルト52のスリップを生ずる可能性がある。上記YTM4は、このようなプーリ側圧の昇圧遅れを生ずる可能性の有る時間に合わせて例えば90msecに設定されており、この間発進クラッチ7の係合力の上昇速度を低く抑えることにより、ベルト52のスリップが防止される。
【0041】
以上、発進クラッチ7を油圧クラッチで構成した実施形態について説明したが、発進クラッチ7を電磁クラッチ等の油圧クラッチ以外のもので構成する場合にも同様に本発明を適用できる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、エンジン停止状態からの発進時に、プーリ側圧の昇圧が遅れても無段変速機に過大な負荷はかからず、ベルトスリップが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置で制御する発進クラッチを具備する変速装置の一例を示すスケルトン図
【図2】 図1の変速装置の油圧回路を示す図
【図3】 エンジン停止状態からの発進時の発進クラッチの制御プログラムを示すフローチャート
【図4】 図3の制御プログラムのステップS4での処理内容を示すフローチャート
【図5】 図3の制御プログラムのステップS8での処理内容を示すフローチャート
【図6】 図3の制御プログラムのS2のステップでの検索に用いるYTM1のデータテーブルを示すグラフ
【図7】 (A)図4のS4−7のステップでの検索に用いるYTMNE1のデータテーブルを示すグラフ、(B)図4のS4−8のステップでの検索に用いるYTMNE2のデータテーブルを示すグラフ、(C)YTMNE1,YTMNE2によるエンジン回転速度NEの推定原理を示すグラフ
【図8】 油圧回路に残圧が無い場合における油圧指令値PSCCMD、ソレノイドの実効電流値IACT及び発進クラッチの実油圧PSCの変化を示すタイムチャート
【図9】 油圧回路に残圧が有る場合における油圧指令値PSCCMD、ソレノイドの実効電流値IACT及び発進クラッチの実油圧PSCの変化を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 エンジン 5 無段変速機構
6 前後進切換機構 64 前進クラッチ(油圧作動式摩擦要素)
65 後進ブレーキ(油圧作動式摩擦要素)
7 発進クラッチ 20 コントローラ
Claims (1)
- 停車時に所定条件下でエンジンを自動的に停止するようにしたアイドル運転停止車両の変速装置に、エンジンからの動力を油圧作動式摩擦要素を組込んだ動力伝達機構を介して入力するベルト式無段変速機構と直列に設ける発進クラッチの制御装置であって、
エンジン停止状態からの発進時に、動力伝達機構が動力を伝達するインギア状態になったところで、発進クラッチの制御モードを、発進クラッチの係合力を車両のクリープを生ずるクリープ力以下に抑える待機モードから発進クラッチの係合力をクリープ力以上に上昇させる走行モードに切換えるものにおいて、
走行モードへの切換え時点から所定時間経過するまで、発進クラッチの係合力の上昇速度の上限値を前記所定時間経過後の値よりも低い値にして上昇速度を制限する上昇制限手段を備える、
ことを特徴とするアイドル運転停止車両における発進クラッチの制御装置。
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-
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