JP4131715B2 - 熱処理部材の部分熱処理方法とその装置 - Google Patents
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Description
熱処理部材は、たとえば建設機械の無限軌道帯用リンクであり、その場合、部分熱処理される部分は、ローラー踏面部である。また、部分熱処理は、部分焼入れ、または部分焼もどし、または部分焼入れおよび部分焼もどしの何れかである。
a.中炭素合金鋼からなる素材を熱間鍛造してリンク形状のリンク素材とする。
b.熱間鍛造の残熱または再加熱でAc3 変態点以上の温度になっている、リンク素材の全体を急冷して焼入れする。
c.焼入れしたリンク素材全体を高温焼もどしする。
d.高温焼もどししたリンク素材のローラ踏面部のみを誘導加熱焼入れする(いわゆる、部分焼入れ)。
e.リンク素材のローラ踏面部のみを誘導加熱により低温焼もどしする(いわゆる部分焼もどし)か、または、リンク素材全体を炉中にて低温焼もどしする。
したがって、リンク素材には、b、cの第1段階の熱処理と、d、eの第2段階の熱処理との、2段階の熱処理が施される。第1段階の熱処理は、リンク素材全体に施される「全体熱処理」であり、第2段階の熱処理は、リンク素材の一部分に施される「部分熱処理」である。
本発明は、このうち、「部分熱処理」に係るものである。
しかし、従来の部分熱処理方法には、特定部分の、表面と芯部との温度差が大きくなり、特定部分全体を均一な温度に加熱することが困難であるという問題があった。
該比較例の熱処理部材の部分熱処理方法は、つぎの2つの方法を含んでいた。
1)n段停止加熱(図7に示す方法)(nは3以上の自然数)
1つのコイル11内にn個の熱処理部材1が入り、第1加熱から第n加熱までn回の加熱を行う。
第1加熱、移動、第2加熱、移動、・・・・第n加熱、を順に行い、ついでコイル外で冷却を行う。
2)連続加熱(図8に示す方法)
1つのコイル11内に連続的に熱処理部材1が入り、コイル11内で熱処理部材1を移動させつつ連続的に加熱を行う。加熱後、熱処理部材1はコイル11から搬出され、コイル外で冷却を行う。
しかし、上記の比較例の方法には、停止加熱と連続加熱を兼用することができないという問題があった。
停止加熱(図7の方法)の特徴は、複雑な硬化層パターン(非直線状の断面形状の硬化層パターン)を作ることができることである。
連続加熱(図8の方法)の特徴は、単純な硬化層パターン(ほぼ直線状の断面形状の硬化層パターン)しか作ることができないが、連続的に熱処理ができて生産性が良い。
本発明の目的は、複雑な硬化層パターン(非直線状の断面形状の硬化層パターン)を作ることにも対応でき、かつ、複雑な硬化層パターンを作る必要がない時には生産性を良くすることもできる熱処理部材の部分熱処理方法とその装置を提供することにある。
(1) 熱処理部材の特定部分のみを熱処理する部分熱処理方法であって、
前記熱処理部材が無限軌道帯用リンクであり、前記特定部分が前記リンクのローラー踏面部であり、前記ローラー踏面部に必要とされる硬化層パターンは、断面形状が非直線状の硬化層パターンである複雑な硬化層パターンか、または断面形状が直線状の硬化層パターンかであり、
前記熱処理は、前記特定部分のみを誘導加熱する誘導加熱工程と、ついで行われる冷却工程とを含んでおり、
熱処理部材搬送方向に上流側に連続加熱を行う1以上のコイルを含む第1段の加熱装置と下流側に停止加熱を行う1以上のコイルを含む第2段の加熱装置を配置しておき、
前記誘導加熱工程において、複雑な硬化層パターンが必要な時は第1段の加熱装置による連続加熱後に第2段の加熱装置による停止加熱を行い、複雑な硬化層パターンが必要ない時は第1段の加熱装置による連続加熱のみを行い第2段の加熱装置は通電オフとする、熱処理部材の部分熱処理方法。
(2) 前記冷却工程では、前記熱処理部材の全体を冷却液槽内の冷却液中の定位置に浸漬して静止させ、噴射ジャケットより流出する冷却液流を前記特定部分に噴射する(1)記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
(3) 前記熱処理が部分焼入れである(1)記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
(4) 前記熱処理が部分焼もどしである(1)記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
(5) 前記熱処理が部分焼入れと部分焼もどしである(1)記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
(6) 熱処理部材の特定部分のみを熱処理する部分熱処理装置であって、
前記熱処理部材が無限軌道帯用リンクであり、前記特定部分が前記リンクのローラー踏面部であり、前記ローラー踏面部に必要とされる硬化層パターンは、断面形状が非直線状の硬化層パターンである複雑な硬化層パターンか、または断面形状が直線状の硬化層パターンかであり、
前記部分熱処理装置が前記特定部分のみを誘導加熱する誘導加熱装置と前記特定部分が加熱された熱処理部材を冷却する冷却装置とを含んでおり、
前記誘導加熱装置が熱処理部材搬送方向に上流側に配置された連続加熱を行う1以上のコイルを含む第1段の加熱装置と下流側に配置された停止加熱を行う1以上のコイルを含む第2段の加熱装置を含み、
前記誘導加熱において、複雑な硬化層パターンが必要な時は第1段の加熱装置による連続加熱と第2段の加熱装置による停止加熱の両方を行い、複雑な硬化層パターンが必要ない時は第1段の加熱装置による連続加熱のみを行い第2段の加熱装置は通電オフとする、熱処理部材の部分熱処理装置。
(7) 前記冷却装置が、搬送される前記熱処理部材を冷却液槽内の冷却液中の定位置に浸漬して静止させるローラーコンベヤーを備えており、流出する冷却液流を前記特定部分に噴射する噴射ジャケットを備えている(6)記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
(8) 前記熱処理が部分焼入れである(6)記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
(9) 前記熱処理が部分焼もどしである(6)記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
(10) 前記熱処理が部分焼入れと部分焼もどしである(6)記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
上記(1)の部分熱処理方法および上記(6)の部分熱処理装置では、本発明を無限軌道帯用リンクのローラー踏面部に適用して、機械的品質の向上をはかることができる。
上記(2)の部分熱処理方法および上記(7)の部分熱処理装置では、冷却工程で、熱処理部材の全体を冷却液槽内の冷却液中の定位置に浸漬して静止させ、噴射ジャケットより流出する冷却液流を前記特定部分に噴射するので、特定部分を狙って冷却液を噴射でき、熱処理部材の品質を向上させることができ、十分な冷却液流を特定部分に噴射することにより、十分な冷却能力が確保されるとともに、冷却が均一になり、熱処理の品質を向上することができる。
上記(3)〜(5)の部分熱処理方法および上記(8)〜(10)の部分熱処理装置では、熱処理は、部分焼入れであってもよいし、部分焼もどしであってもよいし、部分焼入れと部分焼もどしの両方であってもよい。
本発明の熱処理部材1は、建設機械の無限軌道帯用リンクである。また、熱処理部材1が建設機械の無限軌道帯用リンク1である場合、熱処理が施される特定部分1aはローラー踏面部である。
図1、図5、図6に示すように、本発明の熱処理部材の部分熱処理方法は、熱処理部材1の特定部分1aのみを熱処理する部分熱処理方法である。
本発明の熱処理部材の部分熱処理方法は、熱処理部材1の特定部分1aのみを誘導加熱する誘導加熱工程20と、ついで行われる冷却工程30を含む。誘導加熱では、高周波誘導電流により特定部分1aのみを局部的に加熱する。
誘導加熱工程20において、本発明方法による誘導加熱工程に符号20Pを付し、従来方法による誘導加熱工程に符号20Cを付す。
そして、誘導加熱工程20Pにおいて、複雑な硬化層パターン(図6(B)のように硬化層パターンが非直線状の形状のもの)が必要な時は第1段の加熱装置11Aによる連続加熱(熱処理部材を送りながら加熱)22A後に、第2段の加熱装置11Bによる停止加熱(熱処理部材を停止させて加熱)22Bを行い、複雑な硬化層パターンが必要ない時(図6の(A)のように硬化層パターンがほぼ直線状である時)は第1段の加熱装置11Aによる連続加熱22Aのみを行い第2段の加熱装置11Bは通電オフとする。第2段の加熱装置11Bによる停止加熱を行う場合は、第2段の加熱装置11Bによる停止加熱22Bは、第1段の加熱装置11Aによる連続加熱22A後に行う。
第1段の加熱装置11A内で、加熱位置21A(1)〜21A(n)間に、熱処理部材1を移動23させる時、熱処理部材同士1間に間隔が設けられてもよいし、あるいは間隔が設けられなくてもよい。図5は間隔が設けられない場合を示している。
第2段の加熱装置11B内で、複数の熱処理部材1が移動している時、複数の熱処理部材1間に間隔が設けられてもよいし、あるいは間隔が設けられなくてもよい。
熱処理部材1が加熱位置21B間に移動中は、第2段の加熱装置11Bの通電はオンであってもよいし、あるいはオフであってもよい。
つぎに、第1加熱22A(1)、22B(1)と第2加熱22A(2)、22B(2)との間の移動時間23において、特定部分1aの表面近傍部から大気への熱放散と、特定部分1aの表面部から特定部分1aの芯部への熱伝導とにより、特定部分1aにおける温度ムラが減少し、特定部分1aを均熱化することができる。
第1段の加熱装置11A内または第2段の加熱装置11B内における、各熱処理部材の全投入エネルギーをWとすると、加熱位置がn(第1段の加熱装置11Aでは、nが3以上の自然数であることが望ましい、第2段の加熱装置11Bでは、熱処理部材1の特定部分1aの大部分が所定温度になっているので、nは1であってもよい)の場合、各加熱位置での投入エネルギーはW/nであり、nが1または2の場合よりW/nは小さくなり、これによって、各加熱位置での加熱時間がnが1または2の場合の加熱時間に比べて短縮される。
焼入れに用いる冷却液としては、水、水溶性焼入れ液、油等があり、いずれの冷却液を用いてもよい。コスト面および作業環境面からは、水を使用することが望ましい。
部分焼入れ工程100は、熱処理部材1の特定部分1aのみをAc3 変態点以上の温度に誘導加熱する工程20Cと、特定部分のみがAc3 変態点以上の温度に誘導加熱された熱処理部材1の全体を冷却液槽5内の冷却液6中の定位置に浸漬して静止させたまま、噴射ジャケット7の噴射穴より流出する冷却液流8を特定部分1aに噴射する冷却工程30を有する。
部分焼もどし工程200は、熱処理部材1の特定部分1aのみを大気中で約200〜300℃の温度に誘導加熱する誘導加熱工程20Pと、冷却工程(強制冷却でも自然冷却であってもよい)30を含む。この部分焼もどし工程の誘導加熱工程20Pは、第1段の連続加熱22A、移動・放熱24、第2段の停止加熱22Bを有し、第1段の連続加熱22Aは、複数の加熱22A(1)〜22A(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよいし、第2段の停止加熱22Bは、複数の加熱22B(1)〜22B(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよい。
部分焼入れ工程100は、熱処理部材1の特定部分1aのみをAc3 変態点以上の温度に誘導加熱する工程20Pと、特定部分のみがAc3 変態点以上の温度に誘導加熱された熱処理部材1の全体を冷却液槽5内の冷却液6中の定位置に浸漬して静止させたまま、噴射ジャケット7の噴射穴より流出する冷却液流8を特定部分1aに噴射する冷却工程30を有する。この部分焼入れ工程の誘導加熱工程20Pは、第1段の連続加熱22A、移動・放熱24、第2段の停止加熱22Bを有し、第1段の連続加熱22Aは、複数の加熱22A(1)〜22A(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよいし、第2段の停止加熱22Bは、複数の加熱22B(1)〜22B(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよい。
部分焼もどし工程200は、熱処理部材1の特定部分1aのみを大気中で約200〜300℃の温度に誘導加熱する誘導加熱工程20Cと、冷却工程(強制冷却でも自然冷却であってもよい)30を含む。
部分焼入れ工程100は、熱処理部材1の特定部分1aのみをAc3 変態点以上の温度に誘導加熱する工程20Pと、特定部分のみがAc3 変態点以上の温度に誘導加熱された熱処理部材1の全体を冷却液槽5内の冷却液6中の定位置に浸漬して静止させたまま、噴射ジャケット7の噴射穴より流出する冷却液流8を特定部分1aに噴射する冷却工程30を有する。この部分焼入れ工程の誘導加熱工程20Pは、第1段の連続加熱22A、移動・放熱24、第2段の停止加熱22Bを有し、第1段の連続加熱22Aは、複数の加熱22A(1)〜22A(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよいし、第2段の停止加熱22Bは、複数の加熱22B(1)〜22B(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよい。
部分焼もどし工程200は、熱処理部材1の特定部分1aのみを大気中で約200〜300℃の温度に誘導加熱する誘導加熱工程20Pと、冷却工程(強制冷却でも自然冷却であってもよい)30を含む。この部分焼もどし工程の誘導加熱工程20Pは、第1段の連続加熱22A、移動・放熱24、第2段の停止加熱22Bを有し、第1段の連続加熱22Aは、複数の加熱22A(1)〜22A(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよいし、第2段の停止加熱22Bは、複数の加熱22B(1)〜22B(n)(ただし、nは1以上の自然数)を有していてもよい。
本発明の部分熱処理装置は、熱処理部材1の特定部分1aのみを熱処理する部分熱処理装置であって、特定部分1aのみを誘導加熱する誘導加熱装置11と、特定部分1aが加熱された熱処理部材1を冷却する冷却装置5〜10とを含んでいる。
誘導加熱装置11は、熱処理部材搬送方向に上流側に配置された連続加熱を行う1以上のコイルを含む第1段の加熱装置11Aと下流側に配置された停止加熱を行う1以上のコイルを含む第2段の加熱装置11Bを含む。
誘導加熱において、複雑な硬化層パターンが必要な時は第1段の加熱装置11Aによる連続加熱22A後と第2段の加熱装置11Bによる停止加熱22Bの両方を行い、複雑な硬化層パターンが必要ない時は第1段の加熱装置11Aによる連続加熱22Aのみを行い第2段の加熱装置11Bは通電オフとする。
第1段の加熱装置11Aは望ましくは熱処理部材1をn個連続的に加熱する(図5)。第1段の加熱装置11Bは望ましくは熱処理部材1を少なくとも1個停止加熱する(図5)。
熱処理部材1の加熱位置間21A(1)〜21A(n)の移動中は、コイル11への通電をオフにしても、あるいはオンにしてもよい。図5はオンの場合を示す。
冷却装置は、流出する冷却液流8を熱処理部材1の特定部分1aに噴射する噴射ジャケット7を備えている。
熱処理部材1は、無限軌道帯用リンクである。熱処理部材1が無限軌道帯用リンクである場合、特定部分1aはリンクのローラー踏面部である。
部分熱処理は、部分焼入れであってもよいし、部分焼もどしであってもよいし、部分焼入れと部分焼もどしの両方であってもよい。
複雑な硬化層パターンが必要な時は第1段の加熱装置11Aによる連続加熱22Aと該連続加熱22A後に行われる第2段の加熱装置11Bによる停止加熱22Bの両方を行い、複雑な硬化層パターンが必要ない時は第1段の加熱装置11Aによる連続加熱22Aのみを行い第2段の加熱装置11Bは通電オフとするので、複雑な硬化層パターン(非直線状の断面形状の硬化層パターン)を作ることにも対応でき、かつ、複雑な硬化層パターンを作る必要がない時に生産性を良くすることもできる。第2段の加熱装置のコイル11Bは、第1段の加熱装置11Aでは加熱されにくい部分を主に集中的に加熱できる形状を有し、かつ第1段の加熱装置11Aで加熱される部分が第1段の加熱装置11Aですでに加熱されていてその部位からの熱伝導で第1段の加熱装置11Aで加熱されにくい部分も加熱されているので、比較的短時間に、第1段の加熱装置11Aで加熱されにくい部分を所定温度に誘導加熱することができる。
その場合、熱処理は、部分焼入れであってもよいし、部分焼もどしであってもよいし、部分焼入れと部分焼もどしの両方であってもよい。
1a 特定部分(本発明では、建設機械の無限軌道帯用リンクのローラー踏面部)
5 冷却液槽
6 冷却液
7 噴射ジャケット
8 冷却液流
9 ローラーコンベヤー
10 一部のローラー
11 加熱コイル
11A 第1段の加熱装置
11B 第2段の加熱装置
12 クランプ装置
20 誘導加熱工程
20P 第1段階の加熱、加熱休止、第2段階の加熱を有する本発明の誘導加熱工程
20C 一般の加熱工程
21A(1)〜21A(n) 第1段の加熱装置11Aの第1〜第n加熱位置
21B(1)〜21B(n) 第2段の加熱装置11Bの第1〜第n加熱位置
22A 第1段の加熱装置11Aによる連続加熱
22A(1)〜22A(n) 第1段の加熱装置11Aにおける第1〜第n加熱
22B 第2段の加熱装置11Bによる停止加熱
22B(1)〜22B(n) 第2段の加熱装置11Bにおける第1〜第n加熱
23A 第1段の加熱装置11Aにおける第1〜第n加熱位置間の熱処理部材の移動(移動・放熱)
23B 第2段の加熱装置11Bにおける第1〜第n加熱位置間の熱処理部材の移動(移動・放熱)
24 第1段の加熱装置11Aと第2段の加熱装置11B間の熱処理部材の移動
30 冷却工程
100 部分焼入れ工程
200 部分焼もどし工程
Claims (10)
- 熱処理部材の特定部分のみを熱処理する部分熱処理方法であって、
前記熱処理部材が無限軌道帯用リンクであり、前記特定部分が前記リンクのローラー踏面部であり、前記ローラー踏面部に必要とされる硬化層パターンは、断面形状が非直線状の硬化層パターンである複雑な硬化層パターンか、または断面形状が直線状の硬化層パターンかであり、
前記熱処理は、前記特定部分のみを誘導加熱する誘導加熱工程と、ついで行われる冷却工程とを含んでおり、
熱処理部材搬送方向に上流側に連続加熱を行う1以上のコイルを含む第1段の加熱装置と下流側に停止加熱を行う1以上のコイルを含む第2段の加熱装置を配置しておき、
前記誘導加熱工程において、複雑な硬化層パターンが必要な時は第1段の加熱装置による連続加熱後に第2段の加熱装置による停止加熱を行い、複雑な硬化層パターンが必要ない時は第1段の加熱装置による連続加熱のみを行い第2段の加熱装置は通電オフとする、熱処理部材の部分熱処理方法。 - 前記冷却工程では、前記熱処理部材の全体を冷却液槽内の冷却液中の定位置に浸漬して静止させ、噴射ジャケットより流出する冷却液流を前記特定部分に噴射する請求項1記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
- 前記熱処理が部分焼入れである請求項1記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
- 前記熱処理が部分焼もどしである請求項1記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
- 前記熱処理が部分焼入れと部分焼もどしである請求項1記載の熱処理部材の部分熱処理方法。
- 熱処理部材の特定部分のみを熱処理する部分熱処理装置であって、
前記熱処理部材が無限軌道帯用リンクであり、前記特定部分が前記リンクのローラー踏面部であり、前記ローラー踏面部に必要とされる硬化層パターンは、断面形状が非直線状の硬化層パターンである複雑な硬化層パターンか、または断面形状が直線状の硬化層パターンかであり、
前記部分熱処理装置が前記特定部分のみを誘導加熱する誘導加熱装置と前記特定部分が加熱された熱処理部材を冷却する冷却装置とを含んでおり、
前記誘導加熱装置が熱処理部材搬送方向に上流側に配置された連続加熱を行う1以上のコイルを含む第1段の加熱装置と下流側に配置された停止加熱を行う1以上のコイルを含む第2段の加熱装置を含み、
前記誘導加熱において、複雑な硬化層パターンが必要な時は第1段の加熱装置による連続加熱と第2段の加熱装置による停止加熱の両方を行い、複雑な硬化層パターンが必要ない時は第1段の加熱装置による連続加熱のみを行い第2段の加熱装置は通電オフとする、熱処理部材の部分熱処理装置。 - 前記冷却装置が、搬送される前記熱処理部材を冷却液槽内の冷却液中の定位置に浸漬して静止させるローラーコンベヤーを備えており、流出する冷却液流を前記特定部分に噴射する噴射ジャケットを備えている請求項6記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
- 前記熱処理が部分焼入れである請求項6記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
- 前記熱処理が部分焼もどしである請求項6記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
- 前記熱処理が部分焼入れと部分焼もどしである請求項6記載の熱処理部材の部分熱処理装置。
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