JP4131033B2 - 車両ドア用ヒンジ機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の開口部を開閉するドア、とくに、下開き型のバックドアのためのヒンジ機構(テ−ルゲ−トヒンジ機構)に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の後端の開口部を開閉する下開き型のバックドアは、図6,図7に示すように、ボルト55によってボディのフロア50の後端に取付けられたヒンジヒメ−ル52と、ボルト56によってバックドア51に取付けられ、ヒンジピン54によってヒンジヒメ−ル52に結合されたヒンジメ−ル53とを備えたテ−ルゲ−トヒンジ機構によってボディに組付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のバックドア用のテ−ルゲ−トヒンジ機構では、ヒンジヒメ−ル52をフロア50に取付ける複数個のボルト55のうちの1個のボルト55がヒンジヒメ−ル52に溶接されているので、ヒンジヒメ−ル52をフロア50から取外すことはできないが、ボルト56によってバックドア51に締結されたヒンジメ−ル53の両締結部53aがヒンジヒメ−ル52の側縁の外方へ横出され、両締結部53aの下方のスペ−スがバックドア51の閉止時に開放された状態となるので、ボルト56の下方から工具を差込んでボルト56をその工具によって緩めるねじ回し操作が可能となり、閉止されたバックドア51を不正に開放する不正行為が可能となる。
本発明はヒンジ機構をドアから不正に取外してドアを開放する不正行為を防ぐ防犯機能をヒンジ機構に付与することを課題とするものである。
本発明の他の課題は、ヒンジ機構の防犯機能を確保してヒンジ機構の強度を高めることを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の車両ドア用ヒンジ機構は、車両のボディに取付けられるヒンジヒメ−ルと、ドアに取付けられるヒンジメ−ルとを備えたヒンジ機構において、前記ヒンジヒメ−ルには、ヒンジメ−ル締結用のボルトによってドアに締結されるヒンジメ−ルの締結部をドアの閉止時に覆って前記ヒンジメ−ル締結用のボルトを工具によって緩めるねじ回し操作を妨げるガ−ド部を形成した構成を有する。
【0005】
請求項1の発明では、ドアを閉止した状態では、ヒンジメ−ルをドアに締結するヒンジメ−ル締結用のボルトを工具によって回動させるねじ回し操作がヒンジヒメ−ルに形成したガ−ド部によって妨げられ、ドアの閉止時にヒンジメ−ル締結用のボルトを緩めてドアを不正に開放する不正行為をガ−ド部によって阻止することができる。
【0006】
請求項1の発明では、車両ドア用のヒンジ機構において、前記ヒンジメールには、左右方向に沿って設置された平板状の基部と、この基部の左右端縁にそれぞれ直交状に連接された左右1対の連結部と、この両連結部の外端縁にそれぞれ直交状に連接されドアに締結される左右1対の締結部が形成され、両連結部の間にはヒンジピンが横架されている。
また、前記ヒンジヒメ−ルには、ボディに締結されて垂直状に設置された平板状の基部とこの基部の両側縁にそれぞれ直交状に連接されて後方に突出され前記ヒンジピンが挿通された左右1対の側壁部とを有する本体部が形成され、両側壁部にはほぼJ字状に湾曲した切欠き縁が形成されており、該ヒンジヒメールの左右両側部には、本体部の両切欠き縁にそれぞれ直交状に連接されて本体部の側方へ張出され、切欠き縁に沿って湾曲した形態を有する左右1対のガ−ド部が形成されている。
【0007】
請求項1の発明では、ドアの閉止時には、両ガード部がヒンジメールの締結部の下方のスペースを遮ってヒンジメール締結部のボルトを覆い、ヒンジメ−ル締結用のボルトを回動させるねじ回し操作が可能な位置への工具の侵入が両ガ−ド部によって妨害されてヒンジメ−ルをドアから取外す作業が不能となる。また、ヒンジヒメ−ルの剛性および強度特性がこのヒンジヒメ−ル本体部の両側縁から外方へ張出された両ガ−ド部によって強化される。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の1形態を図1〜図5にしたがって説明する。
車両の後端でバンパ6の上方に開口された開口部を後下方および前上方への回動動作によって開閉する下開き型のバックドア2はテ−ルゲ−トヒンジ機構によってボディのフロア1に組付けられている。
【0009】
テ−ルゲ−トヒンジ機構は、フロア1の後端面1aに取付けられたヒンジヒメ−ル3と、左右方向に沿って水平状に設置されたヒンジピン5によってヒンジヒメ−ル3に水平な軸心の回りの回動可能に結合され、バックドア2のインナパネル2aに取付けられたヒンジメ−ル4とを備えている。
【0010】
テ−ルゲ−トヒンジ機構のヒンジメ−ル4には、左右方向に沿って設置された平板状の基部10と、この基部10の左右端縁にそれぞれ直交状に連接された左右1対の連結部11と、この両連結部11の外端縁にそれぞれ直交状に連接された左右1対の締結部12とが形成され、両連結部11間にはヒンジピン5が横架されている。
【0011】
ヒンジメ−ル4の両締結部12は、この締結部12に貫設されたボルト挿通孔13と、バックドア2のインナパネル2aに貫設されたボルト挿通孔14とに挿通されたヒンジメ−ル締結用のボルト15と、このボルト15にねじ込まれたナット16とによってそれぞれバックドア2のインナパネル2aに締結されている。
【0012】
ヒンジメ−ル4は、バックドア2が開いた状態でヒンジメ−ル締結用のボルト15とナット16とによってドア2に取付けられる。
【0013】
ヒンジヒメ−ル3には、フロア1の後端面1aに締結されて垂直状に設置された平板状の基部7aと、この基部7aの両側縁にそれぞれ直交状に連接されて後方へ突出され、ヒンジピン5が挿通された左右1対の側壁部7bとを有する本体部7が形成され、この本体部7の両側壁部7bにはほぼJ形状に湾曲した切欠き縁9が形成されている。
【0014】
ヒンジヒメ−ル3の左右両側部には、本体部7の両切欠き縁9にそれぞれ直交状に連接されて本体部7の側方へ張出され、切欠き縁9に沿って湾曲した形態を有する左右1対のガ−ド部8が形成されている。
【0015】
ヒンジヒメ−ル3の本体部7は、適数個(この実施の形態では3個)のヒンジヒメ−ル締結用のボルト17およびこのボルト17にねじ込まれたナット18によってフロア1の後端面1aに締結されている。
【0016】
この3個のヒンジヒメ−ル締結用のボルト17のうちの1個のボルト17は、溶接によってヒンジヒメ−ル3の本体部7に固着されたウエルドボルトの状態で設置され、このウエルドボルト状態のボルト17を工具によって回動させるねじ回し操作が不能となる。
【0017】
ヒンジヒメ−ル3の両ガ−ド部8は、バックドア2の閉止時にヒンジメ−ル4の締結部12の下方のスペ−スを遮ってヒンジメ−ル締結用のボルト15を覆い、バックドア2の閉止時には、ヒンジメ−ル締結用のボルト15を工具によって回動させるねじ回し操作を妨げ、ヒンジメ−ル4をバックドア2から不正に取外す不正行為を阻止する目的で設置される。
【0018】
バックドア2が開放された状態では、締結部12がガ−ド部8の上方から斜め上方へ退避してガ−ド部8の上方のスペ−スおよび締結部12の上方のスペ−スが開放され、ヒンジメ−ル締結用のボルト15に対するねじ回し操作が可能な位置への工具の侵入が許容され、ガ−ド部8の上方から差込んだ工具によってボルト15を回動させるねじ回し操作が可能となり、ヒンジメ−ル4をバックドア2に取付ける作業およびバツクドア2から取外す作業が可能となる。
【0019】
バックドア2が閉止された状態では、両締結部12が両ガ−ド部8の上方へ進出し、両ガ−ド部8が両締結部12を下方から覆った状態となって両締結部12の下方のスペ−スが両ガ−ド部8によってそれぞれ遮ぎられ、ヒンジメ−ル締結用のボルト15に対するねじ回し操作が可能な位置への工具の侵入がガ−ド部8によって妨げられ、ボルト15を工具によって回動させるねじ回し操作が不能となる。
【0020】
上記した実施の形態によれば、バックドア2が閉止された状態でヒンジメ−ル4をバックドア2から取外してバックドア2を不正に開放する不正行為を防ぐ防犯機能をヒンジヒメ−ル3に付与することができ、バックドア2を不正に開放して車室内の物品を盗み出す盗難行為を効果的に防ぐことができる。
【0021】
また、ヒンジヒメ−ル3の両側部にそれぞれガ−ド部8が形成されているので、ヒンジヒメ−ル3の横幅が両ガ−ド部8によって拡張されてヒンドヒメ−ル3の両側部がガ−ド部8によって補強され、ヒンジメ−ル4の取外しを阻止する防犯機能を確保して、ヒンジヒメ−ル3の強度特性を強化し、ボディへのバックドア2の組付け状態を安定化させることができる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ドアが閉止された状態でヒンジヒメ−ルをドアから取外してドアを不正に開放する不正行為を防ぐ防犯機能をヒンジヒメ−ルに付与することができ、ドアを不正に開放して車室内の物品を盗み出す盗難行為を効果的に防ぐことができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、ヒンジヒメ−ルの横幅が両ガ−ド部によって拡張されてヒンジヒメ−ルの両側部がガ−ド部によって補強されるので、ヒンジメ−ルの取外しを阻止する防止機能を確保してヒンジヒメ−ルの強度特性を強化し、ボディのドアの組付け状態を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態を示すもので、車両後部の斜視図である。
【図2】テ−ルゲ−トヒンジ機構の正面図である。
【図3】図1のX1−X1線拡大断面図である。
【図4】図2のX2−X2線断面図である。
【図5】ヒンジ機構の取付け状態を説明する分解斜視図である。
【図6】従来のテ−ルゲ−トヒンジ機構の正面図である。
【図7】従来のテ−ルゲ−トヒンジ機能の取付け状態を説明する分解斜視図である。
【符号の説明】
1 フロア
2 バックドア
3 ヒンジヒメ−ル
4 ヒンジメ−ル
7 本体部
8 ガ−ド部
12 締結部
15 ヒンジメ−ル締結用のボルト

Claims (1)

  1. 車両のボディに取付けられるヒンジヒメ−ルと、ドアに取付けられるヒンジメ−ルとを備えたヒンジ機構において、
    前記ヒンジメールには、左右方向に沿って設置された平板状の基部と、この基部の左右端縁にそれぞれ直交状に連接された左右1対の連結部と、この両連結部の外端縁にそれぞれ直交状に連接されドアに締結される左右1対の締結部が形成され、両連結部の間にはヒンジピンが横架されており、
    前記ヒンジヒメ−ルには、ボディに締結されて垂直状に設置された平板状の基部とこの基部の両側縁にそれぞれ直交状に連接されて後方に突出され前記ヒンジピンが挿通された左右1対の側壁部とを有する本体部が形成され、両側壁部にはほぼJ字状に湾曲した切欠き縁が形成されており、該ヒンジヒメールの左右両側部には、本体部の両切欠き縁にそれぞれ直交状に連接されて本体部の側方へ張出され、切欠き縁に沿って湾曲した形態を有する左右1対のガ−ド部が形成されており、
    ドアの閉止時には、ヒンジヒメールの両ガード部がヒンジメールの締結部の下方のスペースを遮ってヒンジメール締結部のボルトを覆い、前記ヒンジメ−ル締結用のボルトを工具によって緩めるねじ回し操作を妨げる車両ドア用ヒンジ機構。
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