JP3055489B2 - 車両用収納装置 - Google Patents

車両用収納装置

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JP3055489B2
JP3055489B2 JP9051896A JP5189697A JP3055489B2 JP 3055489 B2 JP3055489 B2 JP 3055489B2 JP 9051896 A JP9051896 A JP 9051896A JP 5189697 A JP5189697 A JP 5189697A JP 3055489 B2 JP3055489 B2 JP 3055489B2
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正光 岩谷
正俊 帖佐
功祐 中村
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば貨物車両の
ように運転室(キャビン)が貨物室から独立しているタ
イプの車両における金庫などの収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動販売機を対象として清
涼飲料水などの瓶詰めや缶詰めを運搬するトラックのよ
うに、貨物と販売機から回収した現金との運搬を目的と
した車両には、現金を収納するための金庫を搭載したも
のがある。この金庫は一般に車両とは独立に設計されて
おり、それを貨物室内のデッキ上に搭載している。また
金庫を車両の一部に作りつけた例としては、特開平8−
207827号公報で開示されているように運転室内に
おけるフロア下面の空間部を利用して収納箱(金庫)を
構成した技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように貨物室の
デッキ上に金庫を搭載した車両では、この金庫によって
貨物の収容スペースが阻害されるばかりか、金庫に対し
て現金などを出し入れするたびに運転席と貨物室との間
を行き来しなければならない。なお金庫の存在が比較的
目に付きやすいことから、何らかの盗難防止対策を講じ
る必要がある。これに対して前記公報に開示されている
技術では、前記の課題がある程度解消されているもの
の、前記収納箱を使用するには運転室のシートをはね上
げる必要があり、収納箱の頻繁な使用に適していない。
【0004】本発明の一つの目的は、収納ボックスが貨
物室などでじゃまになることを回避するとともに、この
収納ボックスに対する物品の投入及び取り出しを運転室
内において容易に行うことを可能とし、また収納ボック
スの存在を目に付きにくくして盗難に対する安全性を高
めることである。
【0005】本発明の他の一つの目的は、収納ボックス
を金庫などとして使用したときでも現金などの盗難に対
して充分な安全対策をもたせることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
運転室がバックパネルによって貨物室の側とは独立して
いるタイプの車両に用いる収納装置であって、前記バッ
クパネルの上方位置に投入口となる開口部が、かつ下方
位置に取出し口となる開口部がそれぞれ設けられている
とともに、このバックパネルにおける運転室の外側面に
前記の各開口部に対して内部を連通させた収納ボックス
が固定されていることを特徴とする。
【0007】本発明によれば、前記運転室と貨物室との
間のデットスペースを前記収納ボックスの配置スペース
として有効に利用することができ、この収納ボックスが
貨物室などで有効スペースを阻害することが回避され
る。また収納ボックスに対する物品の投入及び取り出し
は、全て運転室内においてシートのはね上げなどを必要
とすることなく簡単に行える。なお収納ボックスはその
存在が目に付きにくいことから、その内部に収納された
物品の盗難に対する安全性にもすぐれている。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車
両用収納装置であって、前記バックパネルの各開口部に
は運転室側から個々に開閉操作可能な蓋体がそれぞれ設
けられ、投入口となる開口部の蓋体は、前記収納ボック
スの内部に位置しているとともに、この蓋体を開放した
状態において投入口から収納ボックス内への手の差し入
れを阻止するように位置するプレートを備え、また取出
し口となる開口部の蓋体は、それを閉じた状態でロック
可能なロック機構を備えていることを特徴とする。
【0009】この場合、前記投入口となる開口部につい
てはその蓋体を開いても前記プレートによって収納ボッ
クス内への手の差し入れが阻止され、かつ前記取出し口
となる開口部についてはその蓋体を前記ロック機構によ
って閉じた状態にロックできるため、この収納ボックス
を現金やその他の貴重品を入れる金庫として使用したと
しても、それらの盗難防止対策は充分である。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の車
両用収納装置であって、前記バックパネルの投入口とな
る開口部は、運転室のリヤウインドウ用の開口を利用し
ていることを特徴とする。このようにバックパネルの既
存の構造を利用することにより、収納装置を構成するた
めの車両の設計変更を少なく抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は超低床キャビン式トラックの一部を表した
外観図である。このタイプの車両は、運転室(キャビ
ン)10がエンジン16及び前輪18のフロント側にお
いて低くく配置されていることから乗降性がよく、乗降
頻度の高い車両に適している。また一般に貨物車両にお
いては、超低床キャビンタイプの車両に限らず、前記運
転室10が貨物室14から独立している。そして本実施
の形態では、運転室10と貨物室14との間のスペース
に収納装置Aが設けられている。
【0012】図2は収納装置Aを表した断面図、図3は
同じく収納装置Aを分解して表した斜視図である。これ
らの図面から明らかなように、前記運転室10のバック
パネル20には、その上方位置と下方位置とにおいて開
口部24,26がそれぞれ設けられている。この上方位
置の開口部24は、運転室10のリヤウインドウのガラ
ス板を取り外すことにより、その開口を利用している。
なお上方位置の開口部24は収納装置Aの投入口A1と
なり、下方位置の開口部26は収納装置Aの取出し口A
2となるためのものである。
【0013】前記バックパネル20の後面(運転室10
の外側面)には、前記の投入口A1となる開口部24の
周囲に対してボックスパネル30がボルト止めによって
固定されている。このボックスパネル30とバックパネ
ル20との間には、前記開口部24の周囲方向に連続す
るシール材(図示外)を介在させている。またボックス
パネル30には、バックパネル20の前記開口部24よ
りも一回り小さい面積の開口部32があけられている。
しかもこのボックスパネル30には、その開口部32を
前記運転室10の側から開閉できるように覆った蓋体3
4が設けられている。この蓋体34の構造については後
で説明する。
【0014】一方、前記の取出し口A2となるバックパ
ネル20の開口部26には、角スリーブ形状のサポート
44がこのバックパネル20の後面側から挿入され、か
つサポート44の両側部に固定されているブラケット4
4aがバックパネル20にボルト止めされている。そし
てサポート44の開口端部は前記バックパネル20の開
口部26を通じて前記運転室10の側に位置しており、
そこには運転室10の側から開閉できる蓋体46が設け
られている。この蓋体46の構造についても後で説明す
る。
【0015】前記バックパネル20にはその後面、つま
り運転室10の外側から収納ボックス50が組み付けら
れている。この収納ボックス50は、バックパネル20
に対する組み付け面の上方位置及び下方位置に設けられ
た各開口部52,53の他は全体に閉塞された箱形状を
している。また収納ボックス50を拡大斜視図で表した
図4からも明らかなように、上方位置の開口部52の外
周部位にはバックパネル20の側に張り出した接合部5
4が形成されている。この接合部54は、前記バックパ
ネル20における開口部24の周囲に対して前記ボック
スパネル30を介在させた状態でボルト止めされる。
【0016】さらに収納ボックス50における前記組み
付け面の左右両側には、一対のブラケット56がバック
パネル20の側に張り出した状態で設けられており、こ
れらのブラケット56はバックパネル20に対して直接
にボルト止めされる。そして収納ボックス50における
下方位置の開口部53の周囲を、前記サポート44にお
ける後端部の左右両側と上側との各外周に形成されてい
るフランジ44bに対してシール材(図示外)を介在し
て密着させるとともに、サポート44の後端部下側の縁
に形成されているブラケット44cと収納ボックス50
の組み付け面とがボルト止めされる。
【0017】しかも前記収納ボックス50における下方
位置の開口部53の上縁部に設けられているブラケット
57は、前記サポート44の上面内側にボルト止めさ
れ、かつ収納ボックス50の下部においてバックパネル
20の側に張り出した状態で設けられているブラケット
58は、図2,3で示すフレームバック22にボルト止
めされる。さて収納ボックス50における上方位置の開
口部52は、ボックスパネル30の開口部32を通じて
バックパネル20の開口部24に連通した状態に保持さ
れ、これによって前記収納装置Aの投入口A1が構成さ
れる。また収納ボックス50における下方位置の開口部
53は、バックパネル20の開口部26に組み付けられ
ている前記サポート44に連通して収納装置Aの取出し
口A2が構成される。
【0018】図5は前記投入口A1の蓋体34を後面側
から見た斜視図である。この図面からも明らかなよう
に、蓋体34における前面側(運転室10の内部側)の
下縁部には左右一対のヒンジ36が固定されており、こ
れらのヒンジ36は前記ボックスパネル30における開
口部32の下縁部に対して運転室10の側からボルト止
めされる。さらに蓋体34の前面には開閉操作のための
ハンドル38が固定されているとともに、蓋体34の外
周にはそのエッジから操作者の手を保護するためのプロ
テクタ(図示外)が設けられる。
【0019】前記蓋体34の後面側には、その下縁部か
ら後方の斜め下方に向かって突出するプレート40が溶
接などによって固定されている。このプレート40の両
縁部と蓋体34とは、これら相互に対して溶接などで固
定された補強部材42によって結合されている。したが
って前記プレート40は、蓋体34の開閉操作によって
この蓋体34と共に回動することとなる。なお蓋体34
は、図2,3で示すように前記収納ボックス50におけ
る接合部54の内側に設けたマグネット59の吸着力で
閉じた状態に保持される。
【0020】図6は前記取出し口A2の蓋体46を拡大
して表した斜視図である。この蓋体46はその左右両側
と上側との各縁を後面側に折り曲げた形状に設定されて
いるとともに、開放されたままの下側縁部の後面には左
右一対のヒンジ47が固定されている。これらのヒンジ
47は、前記サポート44における前端部の下側面に対
してボルト止めされる。
【0021】前記蓋体46は、その前面側(運転室10
の内部側)からのキー操作によってこの蓋体46を閉じ
た状態にロックあるいはその解除が可能なロック機構4
8を備えており、かつ蓋体46の前面には開閉操作のた
めのツマミ49が取り付けられている。また前記サポー
ト44における前端部の全周と蓋体46の前記折り曲げ
部とのそれぞれには、これらのエッジから操作者の手を
保護するためのプロテクタ(図示外)が設けられる。
【0022】つづいて前記収納装置Aの組み付け手順に
ついて説明する。まず前記バックパネル20の後面にお
ける前記開口部24の周囲に対し、前記のようにボック
スパネル30をボルト止めによって固定する。その後に
ボックスパネル30における前記開口部32の下縁部に
対して前記蓋体34の両ヒンジ36をそれぞれボルト止
めする。またこれと並行してバックパネル20の開口部
26に前記サポート44を挿入して前記のようにバック
パネル20に固定するとともに、このサポート44にお
ける前端部の下側面に前記蓋体46の両ヒンジ47をそ
れぞれボルト止めする。
【0023】つぎにボックスパネル30の後面に前記収
納ボックス50を組み付け、すでに説明したようにバッ
クパネル20、フレームバック22及びサポート44に
対して収納ボックス50の各部位をボルト止めする。な
おこのときに前記蓋体34が閉じた状態では収納ボック
ス50が前記プレート40や補強部材42に干渉するた
め、この蓋体34を図2の仮想線で示すように開いた状
態にしてプレート40及び補強部材42が収納ボックス
50の開口部52を通過してその内部に位置するように
配慮する。なおサポート44に対する蓋体46の組み付
けについては、収納ボックス50の組み付け後であって
もよい。
【0024】さて前記収納装置Aの使用については、前
記運転室10の内部において前記投入口A1の蓋体34
を手前に引っ張って開くことにより、この投入口A1が
開放される。このとき、図2の仮想線で示すように蓋体
34の前記プレート40が投入口A1から収納ボックス
50の中への手の差し入れを阻止するように位置してい
る。そこで投入口A1から現金などを投入すると、それ
はプレート40によっていったん受け止められるが、蓋
体34を閉じることによって収納ボックス50の中に落
ちる。
【0025】前記収納ボックス50の中に収納された現
金などを取り出す場合も運転室10の内部において、前
記取出し口A2の蓋体46に設けられているロック機構
48のロックをキー操作により解除した後、この蓋体4
6を手前に引っ張って開く。これによって開放された取
出し口A2から収納ボックス50の中の現金などを取り
出す。
【0026】このように前記収納装置Aはトラックなど
の運転室10と貨物室14との間のデットスペースを前
記収納ボックス50の配置スペースとして有効に利用し
ているとともに、この収納ボックス50に対する現金な
どの収納及び取り出しは、全て運転室10の内部におい
てシートをはね上げるなどの余分の操作をすることなく
簡単に行える。また投入口A1の蓋体34は自由に開放
できるものの、この投入口A1から収納ボックス50の
中へ手を差し入れることができず、かつ取出し口A2の
蓋体46はロック機構48を備えているので、収納ボッ
クス50を現金などの貴重品を収納する金庫として使用
した場合に、貴重品の盗難に対する安全性にすぐれてい
る。
【0027】なおこの実施の形態では、運転室10と貨
物室14とが分割されたタイプの車両について説明した
が、運転室10と貨物室14とが一体になっており、相
互の間が単に仕切り壁で仕切られたタイプの車両に対し
ても本発明の収納装置Aを適用できるのは当然のことで
ある。ただしこの場合の前記収納ボックス50は貨物室
14の内壁面から張り出した状態に配置されるが、デッ
キ上に配置される場合と比較すれば貨物収納スペースの
犠牲が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】超低床キャビン式トラックの一部を表した外観
図。
【図2】収納装置を表した断面図。
【図3】同じく収納装置を分解して表した斜視図。
【図4】収納ボックスを拡大して表した斜視図。
【図5】投入口の蓋体を後面側から見た斜視図。
【図6】取出し口の蓋体を拡大して表した斜視図。
【符号の説明】
A 収納装置 A1 投入口 A2 取出し口 10 運転室 14 貨物室 20 バックパネル 24,26 開口部 34 蓋体 40 プレート 46 蓋体 48 ロック機構 50 収納ボックス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−11634(JP,A) 特開 平3−32949(JP,A) 実開 平4−50543(JP,U) 実開 平2−143380(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60P 3/03 B60R 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転室がバックパネルによって貨物室の
    側とは独立しているタイプの車両であって、前記バック
    パネルの上方位置に投入口となる開口部が、かつ下方位
    置に取出し口となる開口部がそれぞれ設けられていると
    ともに、このバックパネルにおける運転室の外側面に前
    記の各開口部に対して内部を連通させた収納ボックスが
    固定されていることを特徴とする車両用収納装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用収納装置であっ
    て、前記バックパネルの各開口部には運転室側から個々
    に開閉操作可能な蓋体がそれぞれ設けられ、投入口とな
    る開口部の蓋体は、前記収納ボックスの内部に位置して
    いるとともに、この蓋体を開放した状態において投入口
    から収納ボックス内への手の差し入れを阻止するように
    位置するプレートを備え、また取出し口となる開口部の
    蓋体は、それを閉じた状態でロック可能なロック機構を
    備えていることを特徴とする車両用収納装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両用収納装置であっ
    て、前記バックパネルの投入口となる開口部は、運転室
    のリヤウインドウ用の開口を利用していることを特徴と
    する車両用収納装置。
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