JP4129615B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置に係り、例えば自動車用ステアリングコラムのダストシールとして用いられるのに適した密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ステアリングコラムのダストシールに用いられる密封装置として従来から図16に示す密封装置101が知られており、この密封装置101は、作動軸102の外周に配置した取付部材103に取り付けられる取付部104と、作動軸102に摺動自在に密接するシール部105とを一体に有している。取付部材103は具体的にはハウジングであって、この例では二重構造のゴム製部品によって構成されている。
【0003】
しかしながら、この従来の密封装置101においては、その取付部104を取付部材103の内周に取り付けるに際して、図示したように金属バンド106によるクランプ締めを行なう構成であることから、以下のような不都合を有している。
【0004】
すなわち、取付に際して金属バンド106を徐々に締め付ける工程が必要であるために、取付作業に多くの手間と時間がかかる不都合があり、また金属バンド106が必要であるために、部品点数が多く、よって部品コストが高いと云う不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、密封装置の取付部を取付部材に取り付ける作業が比較的容易であり、もって取付作業を効率化することができる密封装置を提供することを目的とし、併せて、従来技術のように金属バンドを必要とせず、もって部品点数を削減することができる密封装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、前記係合部は、前記取付部の剛材製取付環に設けられた爪状の係合部であり、前記抜止め部は、前記取付部材の外向き突起の一端面に設けられた段差状の抜止め部であり、前記外向き突起に前記爪状の係合部と形成数および形成位置を合わせて切欠状の凹部を設け、取付時に前記爪状の係合部を折り曲げて前記段差状の抜止め部に係合することにより抜け止めするとともに前記切欠状の凹部に嵌め込むことにより廻り止めすることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項2による密封装置は、上記した請求項1の密封装置において、爪状の係合部は、折り曲げ前の平面形状を、内端の幅よりも外端の幅を大きく設定した扇形に形成され、切欠状の凹部は、径方向外方からこれを見て抜け方向に狭い台形に形成され、前記扇形の係合部が前記台形の凹部に嵌まり込んで係合部の側縁が凹部の内面に係合することによって抜け止めされることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3による密封装置は、作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、前記係合部は、前記取付部の剛材製取付環に設けられた爪状の係合部であり、前記抜止め部は、前記取付部材の外向き突起の一端面に設けられた段差状の抜止め部であり、前記段差状の抜止め部に前記爪状の係合部と形成数および形成位置を合わせて廻止め係合部を設け、この廻止め係合部は円周方向一対の隆起部の間に溝状の係合凹部を設けたものであり、取付時に前記爪状の係合部を圧入して前記段差状の抜止め部に係合することにより抜け止めし、次いで前記取付部全体を円周方向一方に相対回転させて前記爪状の係合部を前記廻止め係合部の係合凹部に嵌め込むことにより廻り止めし、更に、前記外向き突起の先端部に、前記取付部を前記取付部材に取り付けたときに前記剛材製取付環のフランジ部に押圧されて弾性変形する先端シール部を全周に亙って設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4による密封装置は、作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、前記係合部は、前記取付部のゴム状弾性体に設けられたかえり状の係合部であり、前記抜止め部は、前記取付部材に設けられた同じくかえり状の抜止め部であり、取付時に前記かえり状の係合部を圧入することにより前記かえり状の抜止め部に係合することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5による密封装置は、作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、前記係合部は、差込み孔を設けた取付部のフランジ状係合部であり、前記抜止め部は、取付部材に設けられた頭部付き突起状の抜止め部であり、取付時に前記頭部付き突起状の抜止め部を前記差込み孔に圧入することにより前記フランジ状係合部に係合することを特徴とする。
【0011】
上記構成を備えた本発明の密封装置においては、予め取付部に設けた係合部を、予め取付部材に設けた抜止め部に係合するだけの作業で取付部を取付部材に取り付けることができるために、取付作業を容易化することが可能となり、かつ金属バンドを不要とすることが可能となる。係合部と抜止め部との係合には、以下に示すように様々な態様が考えられる。
【0012】
取付部に設ける係合部を、取付部の剛材製取付環に設ける爪状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を段差状の抜止め部とし、取付時に爪状の係合部を折り曲げて段差状の抜止め部に係合する。この態様によれば、爪状の係合部を折り曲げて段差状の抜止め部に係合するだけの作業で取付部を取付部材に取り付けることができる(請求項1)。
【0013】
取付部に設ける係合部を、取付部の剛材製取付環に設ける爪状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を段差状の抜止め部とし、取付時に爪状の係合部を圧入して段差状の抜止め部に係合する。この態様によれば、爪状の係合部を圧入して段差状の抜止め部に係合するだけの作業で取付部を取付部材に取り付けることができる(請求項2および3)。
【0014】
取付部に設ける係合部を、取付部のゴム状弾性体に設けるかえり状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を同じくかえり状の抜止め部とし、取付時にかえり状の係合部を圧入してかえり状の抜止め部に係合する。この態様によれば、かえり状の係合部を圧入してかえり状の抜止め部に係合するだけの作業で取付部を取付部材に取り付けることができる(請求項4)。
【0015】
取付部に設ける係合部を、差込み孔を設けた取付部のフランジ状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を頭部付き突起状の抜止め部とし、取付時に頭部付き突起状の抜止め部を差込み孔に圧入してフランジ状係合部に係合する。この態様によれば、頭部付き突起状の抜止め部を差込み孔に圧入してフランジ状係合部に係合するだけの作業で取付部を取付部材に取り付けることができる(請求項5)。
【0016】
更にまた、取付部材に対して取付部を廻り止めする廻止め構造を設けると、密封装置が作動軸にしたがって回転するのを抑えることが可能となる。
【0017】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0018】
(1)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、環状部材とこの環状部材に焼付成形されたゴム材とによって構成されており、外部からの泥水およびダストのシールを行ない、シール(密封装置)の固定を容易にしたものである。シールフランジ部に等配の爪を設け、この爪はハウジング(HSG)に挿入する前は平面の形状であるが、ハウジングにシールを挿入後、フランジ部に設定したくぼみを支点として爪を折り曲げ、ハウジングに爪を引っ掛けて固定する。爪の等配数は、設定スペースや造り込み等により任意に設定するものとし、よって数量は限られたものではない。くぼみの形状についても任意に設定できるものとする。ハウジングには、爪の等配に合わせて溝を設け、シールの爪が嵌め込まれる形となっている。爪およびハウジングの溝形状は台形(扇型)とし、更に耐抜け性の向上を図る。台形の形状は、抜ける方向に対して後部側(上部)が大きくなる(抜けない方向)ように設定する。本案により、シールをハウジングに挿入する際には、嵌合代を設定しなくてもシールの固定が可能となるため、挿入性を格段に向上させることができ、爪の設定により、容易にシールの固定が可能となる。シール固定部のシール機能は、シール外側に細長いリップを設けることにより、追随可能となる。また、ハウジングの溝部に折り曲げた爪を嵌め込む形としているため、軸の回転によるシールの共廻りも防止することが可能となる。本案によれば、シール固定方法の簡素化、シール圧入性の向上、低コスト、および機能の簡素化等を実現することができる。
【0019】
(2)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、環状部材とこの環状部材に焼付成形されたゴム材とによって構成されており、外部からの泥水およびダストのシールを行ない、シール(密封装置)の固定を容易にしたものである。シールフランジ部に等配の爪を設け、この爪をハウジング(HSG)に圧入し、ハウジングに爪を引っ掛けて固定する。爪の等配数は、設定スペースや造り込み等により任意に設定するものとし、よって数量は限られたものではない。また、爪は等配仕様の他に、全周仕様でも可能である。ハウジングには、爪の等配に合わせて溝を設け、シールの爪が嵌め込まれる形となっている。ハウジングには、圧入性を良くするため、できるだけ大きなテーパー面を確保する。フランジ部の内側には、くぼみを設け、シールを圧入する際、フランジ部を外側に広がり易くし、圧入を容易にする。本案により、挿入性を格段に向上させることができ、爪の設定により容易にシールの固定が可能となる。シール固定部のシール機能は、シール外側に細長いリップを設けることにより、追随可能となる。また、ハウジングの溝部に折り曲げた爪を嵌め込む形としているため、軸の回転によるシールの共廻りも防止することが可能となる。本案によれば、シール固定方法の簡素化、シール圧入性の向上、低コスト、および機能の簡素化等を実現することができる。
【0020】
(3)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、環状部材とこの環状部材に焼付成形されたゴム材とによって構成されており、外部からの泥水およびダストのシールを行ない、シール(密封装置)の固定を容易にしたものである。また、シールフランジ部に等配の爪を設け、ハウジングに等配爪を引っ掛けて固定できることを特徴とするものである。爪の等配数は、設定スペースや造り込み等により任意に設定するものとし、よって数量は限られたものではない。ハウジングには爪の等配に合わせて溝を設け、シール爪が嵌め込まれる形状となっている。ハウジングには、圧入性向上のため、できるだけ大きなテーパー面を確保し、固定性向上のため、弾性変形部とテーパー面とが設けられた形状とする。フランジ部の内側にはくぼみを設け、シールを圧入する際、フランジ部を外側に広がり易くし、圧入を容易にすることが可能となる。挿入方法はハウジングにシールを挿入後、シールを回転させ(シール爪を溝脇に設けたテーパー面に沿って回転させ)、ハウジングに設けた溝にシール爪を固定する。挿入方法は溝にシール爪を挿入できる方法であれば良い。本案により、挿入性が格段に向上し、爪の設定により容易にシールの固定が可能となる。シール固定部のシール機能は、シール外側に細長いリップを設けること、または弾性変形部によって追随可能となる。またハウジング形状の等配に合わせた溝にシール爪を嵌め込むため、軸の回転によるシールの共廻りを防止することができ、弾性変形部が付いているために、スラスト方向のガタを防止することもできる。
【0021】
(4)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、外部からの泥水およびダストの侵入のシールを行ない、シール(密封装置)の嵌込みや固定を容易にしたものである。シールは金属環にゴムを焼き付けた構成となっている。また本案では、シールが嵌め込まれるハウジングの内周側がテーパー状の段付き形状となっており、シールを嵌め込み、所定の段付き部にシールのツバ部が掛かり、組込み位置を設定する。また内周側がテーパー状になっていることにより、押し込むに連れてハウジングとシールに嵌合代が生じ、シールが固定される。本案によれば、シール固定方法の簡素化等を実現することができる。
【0022】
(5)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、ハウジング(HSG)とシールとの固定を容易にしたオイルシール(例えばステアリングダストシール)であり、ハウジングおよびシールに、抜け防止の突起(かえり)を設けることによって容易に固定を可能としたものである。シール部の突起は、外周シールとしての機能も有している。実施形態としては、ハウジングとシールとの固定を容易にすることを目的として、ハウジングおよびシールに抜け防止の突起(かえり)を全周に設ける。さらに軸方向の共廻り防止のため、ハウジングとシールの下端にも数箇所(全周にならなければ幾つでも可)の突起を設ける。これにより、シール固定が容易になり、取付工程が簡素化される。また部品点数も減るため、低コストが期待される。シール部の抜け防止の突起(かえり)は、外周シールとしての機能を持たすことにより、外周シール性を向上させることができる。本案によれば、シール固定方法の簡素化および低コスト等を実現することが可能となる。
【0023】
(6)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、ハウジング部(HSG部)に円周上突起と廻止め溝を設け、それに相対する凹凸部を備え、廻止め性および密封性を有し、かつ固定を容易にしたこと特徴とするものである。また、当該密封装置は、実施形態として、環状部材とこの環状部材に焼付成形されたゴム材とによって構成されており、外部からの泥水およびダストのシールを行ない、シールの固定を容易にしたものである。環状部材をハウジング部を挟むようU字にし、ハウジング部に接する内外周面にシール性を備えた円周突起を設ける。また、ハウジング部の内外周面にも同様な円周突起を設ける。更に、シールの回転を防止するための突起を設け、ハウジング部の端面に設けた凹状溝に噛み合わせる。シールに設けた突起およびハウジング部の突起は内外周どちらか一方だけでも良い。また、位置関係についても、同一位置でもオフセットしていても可とする。シール回転防止の突起および溝の等配数は不問とする(例えば3等配)。本案によればシール固定方法の簡素化、低コスト、および機構の簡素化等を実現することができる。
【0024】
(7)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、外部からの泥水およびダストのシールを行ない、シールの固定を容易にしたものである。シールフランジ部に金属環を曲げた等配の止め具(出っ張り)を設け、ハウジング(HSG)内周面にも同様の溝を設け、これにより、シールフランジ部の金属環の止め具(出っ張り)をハウジング内周の溝に嵌込み固定する。止め具および溝の等配数は、設定スペースや作り込み等により任意に設定するものとする。実施形態として、当該密封装置は、環状部材とこの環状部材に焼付成形されたゴム材とによって構成されており、外周部からの泥水およびダストのシールを行ない、シールの固定を容易にしたものである。シールフランジ部に等配の止め具を設け、この止め具をハウジングに圧入し、ハウジングの内周の溝に止め具を引っ掛けて固定する。止め具の等配数は、設定スペースや造り込み等により任意に設定するものとし、よって等配数は限られたものではなく、また、止め具は等配仕様の他に全周仕様でも対応可能である。ハウジングには、止め具の等配に合わせてハウジング内周に溝を設け、シールの止め具が嵌め込まれる形となっている。ハウジングには、圧入性を良くするために、できるだけ大きなテーパー面を確保する。本案により挿入性を格段に向上させることができ、止め具の設定により容易にシールの固定が可能になる。シール固定部のシール機能は、シール外側に細長いリップを設けることにより、追随可能となる。また、ハウジングの等配の溝部に止め具を嵌め込む形としているため、軸の回転によるシールの共廻りも防止することが可能となる。本案によれば、シール固定方法の簡素化、シール圧入性の向上、低コスト、および機能の簡素化等を実現することができる。
【0025】
(8)・・・
上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は、以下の構成を備えている。すなわち先ず、当該密封装置は、シールフランジ部に等配の穴を設けるとともにハウジング部にも同様に等配の突起を設け、これにより、ハウジングの突起をシールフランジ部の等配の穴に嵌め込み(圧入)、固定する。ハウジング部に設ける等配の突起には、スリット等を入れることにより、圧入し易い形状とする。穴および突起の等配数は、設定スペースや造り込み等により任意に設定するものとする。本案によれば、オイルシールの組込み時にかかる時間の短縮化、およびコストダウン等を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0027】
当該実施例に係る密封装置は、自動車のステアリング装置に使用されるものであって、可動軸としての首振りタイプのチルトハンドルにおけるステアリングホイールシャフトの外周面に潤滑材としてのグリースを介して密封接触して、密封対象流体側としての室内側と大気側としての室外側との間をシールする。
【0028】
当該実施例に係る密封装置が用いられる部分は例えば、図1に示すように構成されている。
【0029】
すなわち、図1において、符号2は、図示しない首振りタイプのチルトハンドルから延びるステアリングホイールシャフト、2Aはステアリングホイールシャフト2のステアリングコラム、2Bはステアリングホイールシャフト2に対してジョイント2Cを介して連結されたピットマンアームをそれぞれ示しており、また符号3は、ステアリングホイールシャフト2、ピットマンアーム2Bおよびジョイント2Cを覆うカバーを示している。そして、カバー3のピットマンアーム2B側開口端部は図示しないフロントフロアパンにねじ止めされるとともに、他方のステアリングホイールシャフト2側開口端部にはステアリングコラム2Aの先端部が位置しており、このカバー3のステアリングホイールシャフト2側開口端部において、ステアリングホイールシャフト2の外周面とカバー3の内周面との間に当該密封装置1が装着される。尚、以下の各実施例の説明では、ステアリングホイールシャフト2を作動軸2、カバー3を取付部材3と称している。また図1において、カバー3や密封装置1の断面形状は下記第一実施例に合わせて作図してあるが、第二実施例以下においてはそれぞれ、その内容に応じてこれらの断面形状が変更されることになる。
【0030】
第一実施例・・・
図2は、本発明の第一実施例に係る密封装置1の平面を示しており、そのA−A線拡大断面が図3に示されている。また、図4は同密封装置1を取り付ける取付部材3の平面図であって、そのB方向拡大矢視図が図5に示されている。また図6は密封装置1の取付状態の断面を示している。
【0031】
当該実施例に係る密封装置1は、自動車用ステアリングコラムにおけるダストシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0032】
すなわち先ず、図3に示すように、作動軸2の外周に配置される環状の取付部材(ハウジング)3に取り付けられる環状の取付部4が設けられており、この取付部4の内周側に環状のベロー部5を介して同じく環状のシール部6が一体成形されている。取付部4は、金属等剛材製の取付環7と、この取付環7に加硫接着されたゴム状弾性材製の弾性体8とによって形成されている。ベロー部5は、取付部4の弾性体8に一体成形された膜状の弾性体9によって形成されている。シール部6は、ベロー部5の弾性体9に一体成形された弾性体10と、この弾性体10に埋設された金属等剛材製の補強環11とによって形成されている。またこのシール部6には、補強環11を埋設した環状を呈するゴム状弾性材製のシール本体部12が設けられており、このシール本体部12に、軸2の周面に摺動自在に密接してダスト等のシール対象をシールする主シールリップ13および副シールリップ14と、軸2の周面に接離自在に接触して軸2に対するシール部6の姿勢を制御するダンパー部15と、シール部6および軸2間にグリースを保持するためのリップ状のグリース保持部16とが一体成形されている。
【0033】
上記したように、取付部4には剛材製の取付環7が設けられており、この取付環7は筒状部17の軸方向一端(挿入方向の後端部)に環状の外向きフランジ部18を一体成形したものである。筒状部17は、同じく筒状を呈する取付部材3の内周側に嵌合代を殆ど持たずに遊挿されるように寸法設定されており、取付挿入時、フランジ部18が取付部材3の先端に突き当てられることによって挿入深さが決定される。筒状部17の軸方向他端(挿入方向の先端部)にはその一部として、挿入を容易にするため、テーパー部20および小径筒部21よりなる小径部19が一体成形されている。弾性体8は、筒状部17の内周面、フランジ部18の一端面ならびに小径部19の内周面、端面および外周面に一体物として加硫接着されており、このうち小径部19に接着された部分に、取付部材3の内周面に密接するリップ状の外周シール部22が一体成形されている。
【0034】
この取付環7におけるフランジ部18の外周側に爪状の係合部23が一体成形されており、この爪状の係合部23は複数が円周上等間隔をもって等配状に設けられている(図では3等配)。この爪状の係合部23はそれぞれ、フランジ部18に対して面一状の平面部24の外端を挿入方向へ向けて略直角度に予め折り曲げて屈曲部25としたものであって、全体に断面略鉤状を呈するように形成されており、平面部24とフランジ部18との境界部分に、この係合部23の折曲げ位置を特定するとともに折曲げを容易にするための溝状の凹部26が係合部23の全幅に亙って形成されている。また、この係合部23は、これを平面的に見ると図2に示したように扇形ないし略扇形に形成されており、その内端における幅wよりも外端における幅wの方が大きく形成されている。
【0035】
一方、取付部4を取り付ける取付部材3はゴム状弾性体またはその他の材料によって筒状に成形されており、この取付部材3の先端外周に環状を呈する外向き突起27が一体成形されており、この突起27の一端面(挿入方向の先端側の端面)が段差状の抜止め部28とされている。またこの突起27には、爪状の係合部23と形成数および形成位置を合わせて切欠状の凹部29が複数設けられており(図では3等配)、この切欠状の凹部29にそれぞれ爪状の係合部23が折り曲げられて嵌め込まれる。図5に示すように、各凹部29は径方向外方からこれを見ると台形ないし略台形(ハ字形ないし略ハ字形)を呈するように開口幅を軸方向に違えて形成されており(抜け方向に狭い)、ここでも抜止め作用を奏するように、狭い方の開口幅wが係合部23の外端の幅wよりもその寸法を小さく形成されている。
【0036】
上記構成の密封装置1を取付部材3に取り付けるに際しては、取付部材3の内周に取付部4を差し込んでフランジ部18を取付部材3の先端に突き当て、これと時間的に前後して爪状の係合部23と切欠状の凹部29との周方向位置を合致させ、この状態で、爪状の係合部23をそれぞれ溝状の凹部26を案内としてフランジ部18に対して略直角度に折り曲げる。すると、図6に示すように、爪状の係合部23が切欠状の凹部29に嵌まり込み、かつその屈曲部25が段差状の抜止め部28に対して抜け方向に係合する。したがって、このようにして爪状の係合部23が段差状の抜止め部28に係合するために、一旦取り付けられた取付部4は取付部材3から容易に抜け出ることがない。また、平面扇形を呈する係合部23が正面台形の凹部29に嵌まり込んで係合部23の側縁が凹部29の内面に係合することによっても抜け止めされるため、これによっても取付部4が取付部材3から抜け出るのを防止することができる(二重の抜止め構造)。また、係合部23が凹部29に嵌め込まれるため、ここに当該密封装置1の取付部材3に対する廻止め構造が形成されることになり、よって当該密封装置1が軸2の作動に伴って従動回転するのを防止することができる。更に、当該密封装置1と取付部材3との間は、取付部4に設けた外周シール部22によって良好にシールされる。
【0037】
第二実施例・・・
図7は、本発明の第二実施例に係る密封装置1の平面を示しており、そのI−I線拡大断面が図8に示されている。また、図9は同密封装置1を取り付ける取付部材3の平面図であって、そのJ方向拡大矢視図が図10(A)に示されるとともにそのK−K線拡大断面が図10(B)に示されている。また、図11は密封装置1の取付方法の説明図、図12は密封装置1の取付状態の断面図である。
【0038】
当該実施例に係る密封装置1は、自動車用ステアリングコラムにおけるダストシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0039】
すなわち先ず、図8に示すように、作動軸2の外周に配置される環状の取付部材(ハウジング)3に取り付けられる環状の取付部4が設けられており、この取付部4の内周側に環状のベロー部5を介して同じく環状のシール部6が一体成形されている。取付部4は、金属等剛材製の取付環(環状部材)7と、この取付環7に加硫接着されたゴム状弾性材製の弾性体8とによって形成されている。ベロー部5は、取付部4の弾性体8に一体成形された膜状の弾性体9によって形成されている。シール部6は、ベロー部5の弾性体9に一体成形された弾性体10と、この弾性体10に埋設された金属等剛材製の補強環11とによって形成されている。またこのシール部6には、補強環11を埋設した環状を呈するゴム状弾性材製のシール本体部12が設けられており、このシール本体部12に、軸2の周面に摺動自在に密接してダスト等のシール対象をシールする主シールリップ13および副シールリップ14と、軸2の周面に接離自在に接触して軸2に対するシール部6の姿勢を制御するダンパー部15と、シール部6および軸2間にグリースを保持するためのリップ状のグリース保持部16とが一体成形されている。
【0040】
上記したように、取付部4には剛材製の取付環7が設けられており、この取付環7は筒状部17の軸方向一端(挿入方向の後端部)に環状の外向きフランジ部(シールフランジ部)18を一体成形したものである。筒状部17は、同じく筒状を呈する取付部材3の内周側に嵌合代を殆ど持たずに遊挿されるように寸法設定されており、取付挿入時、フランジ部18が取付部材3の先端に突き当てられるとともに、後記する爪状の係合部30が段差状の抜止め部28に係合することによって挿入深さが決定される。筒状部17の軸方向他端(挿入方向の先端部)にはその一部として、挿入を容易にするため、テーパー部20および小径筒部21よりなる小径部19が一体成形されている。弾性体8は、筒状部17の内周面、フランジ部18の一端面ならびに小径部19の内周面、端面および外周面に一体物として加硫接着されており、このうち小径部19に接着された部分に、取付部材3の内周面に密接するリップ状の外周シール部22が一体成形されている。
【0041】
この取付環7におけるフランジ部18の外周側には爪状の係合部30が一体成形されており、この爪状の係合部30は複数が円周上等間隔をもって等配状に設けられている(図では3等配)。またこの爪状の係合部30はそれぞれ、フランジ部18に対して挿入方向へ向けて略直角度に予め折り曲げられた軸方向の立上がり部31の先端を内周側へ略U字形に折り返して折返し部32としたものであって、圧入時に係合部30全体が径方向外方へ倒れるべく弾性変形するように形成されている。フランジ部18の外周縁部であって係合部30との間の屈曲部位の内面には、係合部30の弾性変形を容易にするための溝状の凹部(くぼみ)71が係合部30の全幅に亙って形成されている。
【0042】
一方、取付部4を取り付ける取付部材3はゴム状弾性体またはその他の材料によって筒状に形成されており、この取付部材3の先端外周に環状を呈する外向き突起27が一体成形されており、この外向き突起27の一端面(挿入方向の先端側の端面)が段差状の抜止め部28とされている。またこの段差状の抜止め部28には、爪状の係合部30と形成数および形成位置を合わせて廻止め係合部72が複数設けられており(図では3等配)、この廻止め係合部72はそれぞれ図10(A)に示すように、円周方向一対の隆起部73の間に溝状の係合凹部74を設けた形状に形成されている。各隆起部73の円周方向外側の面73aは、爪状の係合部30の折返し部32が相対回転せしめられたときに隆起部73を容易に乗り越えて溝状の係合凹部74に容易に嵌まり込むよう傾斜角度が比較的緩やかな傾斜面状に形成されており、これに対して各隆起部73の円周方向内側の面73bは、溝状の係合凹部74に一旦嵌まり込んだ折返し部32が相対回転せしめられても隆起部73を乗り越えて溝状の係合凹部74から外れることがないよう軸直角面状または傾斜角度が比較的急な傾斜面状に形成されている。また、外向き突起27の先端外縁には、取付部4の取付けに際して爪状の係合部30を圧入した時にこの爪状の係合部30を案内してこれを容易に弾性変形させるよう傾斜面状の案内部33が全周に亙って設けられており、更にその先端側には、取付部4を取付部材3に取り付けたときにフランジ部18に押圧されて弾性変形する先端シール部(弾性変形部)75が全周に亙って設けられている。
【0043】
上記構成の密封装置1を取付部材3に取り付けるに際しては、図11(A)の状態から取付部材3の内周に取付部4を差し込み、そのまま爪状の係合部30が外向き突起27の外周側を軸方向に弾性的に乗り越えるよう取付部4を強く圧入する。すると同図(B)に示すように、爪状の係合部30がその折返し部32において段差状の抜止め部28に対して抜け方向に係合する。次いで、取付部4全体を円周方向一方に相対回転させ、同図(B)から同図(C)に示すように爪状の係合部30の折返し部32を廻止め係合部72の係合凹部74に嵌め込む。したがって、このようにして爪状の係合部30が段差状の抜止め部28に係合するために、一旦取り付けられた取付部4は取付部材3から容易に抜け出ることがない。また、爪状の係合部30の折返し部32が廻止め係合部72の係合凹部74に嵌め込まれるため、ここに当該密封装置1の取付部材3に対する廻止め構造が形成され、よって当該密封装置1が軸2の作動に伴って従動回転するのを防止することができる。更に、当該密封装置1と取付部材3との間は、取付部4に設けた外周シール部22によって良好にシールされる。また、取付完了状態において取付環7の外向きフランジ部18が取付部材3の先端に設けた先端シール部75を弾性的に押圧するために、この先端シール部75によっても良好にシールすることができ、かつ取付部材3に対する取付部4の軸方向ガタの発生をなくすことができる。
【0044】
第三実施例・・・
図13は、本発明の第三実施例に係る密封装置1の要部断面を示している。
【0045】
当該実施例に係る密封装置1は、自動車用ステアリングコラムにおけるダストシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0046】
すなわち先ず、作動軸(図示せず)の外周に配置される環状の取付部材(ハウジング)3に取り付けられる環状の取付部4が設けられており、この取付部4の内周側にベロー部5を介してシール部(図示せず)が一体成形されている。取付部4は、金属等剛材製の取付環7と、この取付環7に加硫接着されたゴム状弾性材製の弾性体8とによって形成されている。ベロー部5は、取付部4の弾性体8に一体成形された膜状の弾性体9によって形成されている。シール部の構造は上記第一ないし第二実施例と同じであるので、その説明を省略する。
【0047】
上記したように、取付部4には剛材製の取付環7が設けられており、この取付環7は筒状部17の軸方向一端(挿入方向の後端部)に環状の外向きフランジ部18を一体成形したものである。筒状部17は、同じく筒状を呈する取付部材3の内周側に嵌合代を殆ど持たずに遊挿されるように寸法設定されており、取付挿入時、フランジ部18がその取付部材3側端面に接着された弾性体8を介して取付部材3の先端に突き当てられることによって挿入深さが決定される。弾性体8は、筒状部17の内周面、端面および外周面ならびにフランジ部18の取付部材3側端面に対して一体物として加硫接着されており、このうち筒状部17の外周側に接着された弾性体8の外周面に、かえり状の係合部41が一体成形されている。このかえり状の係合部41は、抜け方向(図上下方向)に傾斜するよう斜めに形成されたものであって、かつ環状に形成されている。
【0048】
一方、取付部4を取り付ける取付部材3はゴム状弾性体またはその他の材料によって筒状に成形されており、この取付部材3の内周面に、上記かえり状の係合部41に対応して、かえり状の抜止め部42が一体成形されている。このかえり状の抜止め部42は、係合部41とは反対に挿入方向(図上上方向)に傾斜するよう斜めに形成されたものであって、かつ環状に形成されている。
【0049】
また、取付部材3の開口部内周縁に、切欠状の凹部43が複数、周方向に等間隔をもって等配状に形成されており、この凹部43に係合する凸部44が複数、弾性体8に一体成形されている。この凹部43および凸部44よりなる組み合わせは、廻り止めのために設けられている。
【0050】
上記構成の密封装置1を取付部材3に取り付けるに際しては、取付部材3の内周に取付部4を差し込み、これと時間的に前後して凹部43と凸部44との周方向位置を合致させ、この状態で、かえり状の係合部41がかえり状の抜止め部42を弾性的に乗り越えるように取付部4を強く圧入する。すると同図に示したように、かえり状の係合部41がかえり状の抜止め部42の奥まで押し込まれ、よってかえり状の係合部41がかえり状の抜止め部42に対して抜け方向に係合する。したがって、このようにしてかえり状の係合部41がかえり状の抜止め部42に係合するために、一旦取り付けられた取付部4は取付部材3から容易に抜け出ることがない。また、凹部43に凸部44が嵌め込まれるため、ここに当該密封装置1の取付部材3に対する廻止め構造が形成され、よって当該密封装置1が軸2の作動に伴って従動回転するのを防止することができる。更に、当該密封装置1と取付部材3との間は、かえり状の係合部41がシールリップとして作用するため、良好にシールされる。
【0051】
第四実施例・・・
図14は、本発明の第四実施例に係る密封装置1の装着状態を示す半裁断面図である。また、図15は頭部付き突起状の抜止め部の拡大斜視図である。
【0052】
当該実施例に係る密封装置1は、自動車用ステアリングコラムにおけるダストシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0053】
すなわち先ず、図14に示すように、作動軸2の外周に配置される環状の取付部材(ハウジング)3に取り付けられる環状の取付部4が設けられており、この取付部4の内周側に環状のベロー部5を介して同じく環状のシール部6が一体成形されている。取付部4は、金属等剛材製の取付環7と、この取付環7に加硫接着されたゴム状弾性材製の弾性体8とによって形成されている。ベロー部5は、取付部4の弾性体8に一体成形された膜状の弾性体9によって形成されている。シール部6は、ベロー部5の弾性体9に一体成形された弾性体10と、この弾性体10に埋設された金属等剛材製の補強環11とによって形成されている。またこのシール部6には、補強環11を埋設した環状を呈するゴム状弾性材製のシール本体部12が設けられており、このシール本体部12に、軸2の周面に摺動自在に密接してダスト等のシール対象をシールする主シールリップ13および副シールリップ14と、軸2の周面に接離自在に接触して軸2に対するシール部6の姿勢を制御するダンパー部15と、シール部6および軸2間にグリースを保持するためのリップ状のグリース保持部16とが一体成形されている。
【0054】
上記したように、取付部4には剛材製の取付環7が設けられており、この取付環7は筒状部17の軸方向一端(挿入方向の後端部)に環状の外向きフランジ部18を一体成形したものであって、当該実施例では、このフランジ部18がフランジ状の係合部61とされており、このフランジ部18ないし係合部61に差込み孔62が複数、円周上等間隔をもって等配状に形成されている。筒状部17の軸方向他端(挿入方向の先端部)にはその一部として、挿入を容易にするため、テーパー部20および小径筒部21よりなる小径部19が一体成形されている。弾性体8は、筒状部17の内周面ならびに小径部19の内周面、端面および外周面に一体物として加硫接着されている。
【0055】
一方、取付部4を取り付ける取付部材3はゴム状弾性体またはその他の材料によって筒状に成形されており、この取付部材3の先端に頭部付き突起状の抜止め部63が複数、その形成数と形成位置とを差込み孔62に合わせて一体成形されている。この抜止め部63は、図15に示すように、略円錐形の頭部64と、この頭部64よりも小径の首部65とを一体に有するものであって、差込み孔62に圧入されるものであり、頭部64には、この頭部64を差込み孔62に圧入し易いようにスリット66が放射状に形成されている。
【0056】
上記構成の密封装置1を取付部材3に取り付けるに際しては、取付部材3の内周に取付部4を差し込み、これと時間的に前後して差込み孔62と頭部付き突起状の抜止め部63との周方向位置を合致させ、この状態で、差込み孔62に頭部付き突起状の抜止め部63を差し込むように取付部4を強く圧入する。すると図14に示したように、差込み孔62に頭部付き突起状の抜止め部63が差し込まれ、フランジ状の係合部61が頭部付き突起状の抜止め部63に対して抜け方向に係合する。したがって、このようにしてフランジ状の係合部61が頭部付き突起状の抜止め部63に係合するために、一旦取り付けられた取付部4は取付部材3から容易に抜け出ることがない。また、差込み孔62に頭部付き突起状の抜止め部63が差し込まれるため、ここに当該密封装置1の取付部材3に対する廻止め構造が形成され、よって当該密封装置1が軸2の作動に伴って従動回転するのを防止することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0058】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、予め取付部に設けた係合部を、予め取付部材に設けた抜止め部に係合するだけで取付部を取付部材に取り付けることができるために、密封装置の取付作業を容易化し、作業効率を向上させることができる。また、装置取付用の金属バンドが不要であることから、この分、部品点数を削減し、部品コストを低減させることができる。
【0059】
また、取付部に設ける係合部を、取付部の剛材製取付環に設ける爪状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を段差状の抜止め部とし、爪状の係合部を折り曲げて段差状の抜止め部に係合するだけで取付部を取付部材に取り付けることができるために、密封装置の取付作業を容易化し、その作業効率を向上させることができる。また、装置取付用の金属バンドが不要であることから、この分、部品点数を削減し、部品コストを低減させることができる。
【0060】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2または3による密封装置においては、取付部に設ける係合部を、取付部の剛材製取付環に設ける爪状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を段差状の抜止め部とし、爪状の係合部を圧入して段差状の抜止め部に係合するだけで取付部を取付部材に取り付けることができるために、密封装置の取付作業を容易化し、その作業効率を向上させることができる。また、装置取付用の金属バンドが不要であることから、この分、部品点数を削減し、部品コストを低減させることができる。
【0061】
また、上記構成を備えた本発明の請求項4による密封装置においては、取付部に設ける係合部を、取付部のゴム状弾性体に設けるかえり状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を同じくかえり状の抜止め部とし、かえり状の係合部を圧入してかえり状の抜止め部に係合するだけで取付部を取付部材に取り付けることができるために、密封装置の取付作業を容易化し、その作業効率を向上させることができる。また、装置取付用の金属バンドが不要であることから、この分、部品点数を削減し、部品コストを低減させることができる。
【0062】
また、上記構成を備えた本発明の請求項5による密封装置においては、取付部に設ける係合部を、差込み孔を設けた取付部のフランジ状の係合部とするとともに、取付部材に設ける抜止め部を頭部付き突起状の抜止め部とし、頭部付き突起状の抜止め部を差込み孔に圧入してフランジ状係合部に係合するだけで取付部を取付部材に取り付けることができるために、密封装置の取付作業を容易化し、その作業効率を向上させることができる。また、装置取付用の金属バンドが不要であることから、この分、部品点数を削減し、部品コストを低減させることができる。
【0063】
更にまた、取付部材に対して取付部を廻り止めする廻止め構造を設ける場合には、密封装置が作動軸にしたがって回転するのを抑えることができ、密封装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の実施例に係る密封装置が装着される装着部の要部断面図、(B)は同密封装置の一部切欠した正面図
【図2】 本発明の第一実施例に係る密封装置の平面図
【図3】 図2におけるA−A線拡大断面図
【図4】 同実施例における取付部材の平面図
【図5】 図4におけるB方向拡大矢視図
【図6】 同密封装置の取付状態を示す半裁断面図
【図7】 本発明の第二実施例に係る密封装置の平面図
【図8】 図7におけるI−I線拡大断面図
【図9】 同実施例における取付部材の平面図
【図10】 (A)は図9におけるJ方向拡大矢視図、(B)は図9におけるK−K線拡大断面図
【図11】 (A)(B)および(C)とも同密封装置の取付方法の説明図
【図12】 同密封装置の取付状態を示す半裁断面図
【図13】 本発明の第三実施例に係る密封装置の要部断面図
【図14】 本発明の第四実施例に係る密封装置の取付状態を示す半裁断面図
【図15】 同密封装置における抜止め部の拡大斜視図
【図16】 従来例に係る密封装置の半裁断面図
【符号の説明】
1 密封装置
2 作動軸(ステアリングホイールシャフト)
2A ステアリングコラム
2B ピットマンアーム
2C ジョイント
3 取付部材(カバー)
4 取付部
5 ベロー部
6 シール部
7 取付環
8,9,10 弾性体
11 補強環
12 シール本体部
13,14 シールリップ
15 ダンパー部
16 グリース保持部
17 筒状部
18 フランジ部
19 小径部
20 テーパー部
21 小径筒部
22 外周シール部
23,30 爪状の係合部
24 平面部
25 屈曲部
26,29,43,71 凹部
27 突起
28 段差状の抜止め部
31 立上がり部
32 折返し部
33 案内部
61 フランジ状の係合部
41 かえり状の係合部
42 かえり状の抜止め部
44 凸部
62 差込み孔
63 頭部付き突起状の抜止め部
64 頭部
65 首部
66 スリット
72 廻止め係合部
73 隆起部
73a 円周方向外側面
73b 円周方向内側面
74 係合凹部
75 先端シール部

Claims (5)

  1. 作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、
    前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、
    前記係合部は、前記取付部(4)の剛材製取付環(7)に設けられた爪状の係合部(23)であり、
    前記抜止め部は、前記取付部材(3)の外向き突起(27)の一端面に設けられた段差状の抜止め部(28)であり、
    前記外向き突起(27)に前記爪状の係合部(23)と形成数および形成位置を合わせて切欠状の凹部(29)を設け、
    取付時に前記爪状の係合部(23)を折り曲げて前記段差状の抜止め部(28)に係合することにより抜け止めするとともに前記切欠状の凹部(29)に嵌め込むことにより廻り止めすることを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1の密封装置において、
    爪状の係合部(23)は、折り曲げ前の平面形状を、内端の幅(w )よりも外端の幅(w )を大きく設定した扇形に形成され、
    切欠状の凹部(29)は、径方向外方からこれを見て抜け方向に狭い台形に形成され、
    前記扇形の係合部(23)が前記台形の凹部(29)に嵌まり込んで係合部(23)の側縁が凹部(29)の内面に係合することによって抜け止めされることを特徴とする密封装置。
  3. 作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、
    前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、
    前記係合部は、前記取付部(4)の剛材製取付環(7)に設けられた爪状の係合部(30)であり、
    前記抜止め部は、前記取付部材(3)の外向き突起(27)の一端面に設けられた段差状の抜止め部(28)であり、
    前記段差状の抜止め部(28)に前記爪状の係合部(30)と形成数および形成位置を合わせて廻止め係合部(72)を設け、この廻止め係合部(72)は円周方向一対の隆起部(73)の間に溝状の係合凹部(74)を設けたものであり、
    取付時に前記爪状の係合部(30)を圧入して前記段差状の抜止め部(28)に係合することにより抜け止めし、次いで前記取付部(4)全体を円周方向一方に相対回転させて前記爪状の係合部(30)を前記廻止め係合部(72)の係合凹部(74)に嵌め込むことにより廻り止めし、
    更に、前記外向き突起(27)の先端部に、前記取付部(4)を前記取付部材(3)に取り付けたときに前記剛材製取付環(7)のフランジ部(18)に押圧されて弾性変形する先端シール部(75)を全周に亙って設けたことを特徴とする密封装置。
  4. 作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、
    前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、
    前記係合部は、前記取付部(4)のゴム状弾性体(8)に設けられたかえり状の係合部(41)であり、
    前記抜止め部は、前記取付部材(3)に設けられた同じくかえり状の抜止め部(42)であり、
    取付時に前記かえり状の係合部(41)を圧入することにより前記かえり状の抜止め部(42)に係合することを特徴とする密封装置。
  5. 作動軸の外周に配置した取付部材に取り付けられる取付部と前記作動軸に摺動自在に密接するシール部とを有する密封装置において、
    前記取付部に係合部を設けるとともにこれに対応して前記取付部材に抜止め部を設け、前記係合部を前記抜止め部に係合することにより前記取付部を前記取付部材に取り付け、
    前記係合部は、差込み孔(62)を設けた取付部(4)のフランジ状係合部(61)であり、
    前記抜止め部は、取付部材(3)に設けられた頭部付き突起状の抜止め部(63)であり、
    取付時に前記頭部付き突起状の抜止め部(63)を前記差込み孔(62)に圧入することにより前記フランジ状係合部(61)に係合することを特徴とする密封装置。
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CN102748475A (zh) * 2012-07-20 2012-10-24 青岛开世密封工业有限公司 一种往复耐偏心用封油装置及其使用方法、应用
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