JP3875554B2 - ウォッシャタンクアッセンブリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はウォッシャタンクアッセンブリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用ウォッシャ装置などに適用され液体を貯留するタンクは、車両のエンジンルームなど、狭く周囲に多くの部品が配置された僅かなスペースに配置され、その配置レイアウトは車種ごとに異なっている。しかしながら、注液口はメンテナンスにおいて注液作業を行いやすいように上部に配置されることが好ましい。従って、車両下部にタンクが配置された場合には注液口を上方に配置するため、パッキンや溶着などにより長尺のインレットパイプをタンク本体に接続している。
【0003】
図8は、第一従来例の斜視図であり、図9は、その側断面図である。
図8に示すように、タンク本体30にはその上部に開口部31が形成されており、開口部31にはパッキン32が嵌め込まれている。図9に示すようにタンク本体30の開口部31に嵌め込まれたパッキン32にはインレットパイプ33の一端33aが挿入されており、インレットパイプ33の他端は注液口33bを形成している。
【0004】
図10は、第二従来例の側面図である。
図10に示すように、タンク本体40にはその上部にパイプ接続口41が形成されている。パイプ接続口41にはインレットパイプ42の一端が溶着により接続されており、インレットパイプ42の他端は注液口43を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車種によってはタンク本体をエンジンルームの上部に配設するものがある。この場合、インレットパイプが不要であり、キャップを取着可能に形成した注液口を備えたタンク本体が必要である。しかし、第一従来例では、タンク本体30の単なる開口部31に、シール性を確保しつつインレットパイプを接続するために、パッキン32を取り付けるよう形成されている。そのため、タンク本体30の注液口部分の構成は、注液口に蓋をするキャップの取付構造とシール性を確保しつつインレットパイプを接続するためのパッキン取付構造とを両立できるものではなく、別々の構造をとるものであった。
【0006】
従って、タンク本体の開口部分の構成が異なるため、インレットパイプ33を接続可能に形成されたタンク本体30をインレットパイプを使用しない車種のタンク本体として流用することができなかった。
【0007】
また、第二従来例においては、インレットパイプ42を溶着によって接続するパイプ接続口41が形成されたタンク本体40が用いられている。これもやはり、タンク本体40がエンジンルームの上部に配設され、インレットパイプ42が不要な場合には、タンク本体40のパイプ接続口41にシール性を確保しつつインレットパイプを接続するため溶着面を有した専用のパイプ接続口形状を必要とし、タンク本体40のパイプ接続口部分の構成は、パイプ接続口に蓋をするキャップの取付構造とシール性を確保しつつインレットパイプを溶着により接続するための構造とを両立できず、別々の構造を必要とするものであった。また、このタンク本体40では、インレットパイプ42の溶着工程及び装置の増加などにより製造コストが高くなっている。
【0008】
以上のように、タンク本体の開口部分の構成がインレットパイプの接続の有無によって異なるため、配設位置が異なる場合に同一形状のタンク本体を使用することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的はインレットパイプ接続の要、不要に関わらず一種類のタンク本体を利用したウォッシャタンクアッセンブリを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、筒状に延出形成され先端が開口した第一注液口を有し、内部に液体を貯留するタンク本体を備え、前記タンク本体は、前記第一注液口に取付パッキン部材が装着されることにより、前記第一注液口に一端が挿し込まれて前記取付パッキン部材を介して前記タンク本体に取り付けられ、他端に第二注液口を有する注液パイプを接続可能であり、前記第一注液口は、筒状部分を縮径することにより、筒状部分の外周面に溝部が形成されるとともに該溝部に対応する筒状部分の内周面に凸部が形成され、前記取付パッキン部材は、円環状に形成された内壁及び外壁を備え、該内壁と外壁とが片側端部で一体に連結された断面略コ字状に形成され、該内壁と外壁との間に前記第一注液口が嵌め込まれて前記タンク本体に取り付けられており、前記内壁は、その前記片側端部側の開口部を前記注液パイプが挿入される挿入口とし、前記内壁の内周面に径方向内側に向かって突出し前記注液パイプとの間でシーリングを行う第一シール部と、前記内壁の外周面に径方向外側に向かって突出し前記第一注液口との間でシーリングを行う第二シール部と、を有し、前記外壁は、前記溝部に係合して保持されるホールド部を有することを要旨とした。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記注液パイプが前記挿入口に挿入されたとき、前記第一シール部と、前記第二シール部は、少なくとも一方の前記シール部の弾性変形に伴う弾性力が他方のシール部を弾性変形させることを要旨とした。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記注液パイプの挿入部の外径寸法は、前記第一シール部内径寸法よりも大きいことを要旨とした。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記注液パイプの外周面には、挿入代を規定する挿入規制凸部が形成されていることを要旨とした。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第一注液口の内径寸法は、前記第二シール部の外径寸法よりも小さいことを要旨とした。
【0016】
請求項6に記載の発明は、筒状に延出形成され先端が開口し該先端にキャップ部材が取付可能に形成された第一注液口を有し、内部に液体を貯留するタンク本体と、前記第一注液口に着脱可能に装着された取付パッキン部材と、前記第一注液口に一端が挿し込まれ、他端に第二注液口を有し、前記取付パッキン部材を介して前記タンク本体に取り付けられた注液パイプとを備え、前記第一注液口は、筒状部分を縮径することにより、筒状部分の外周面に溝部が形成されるとともに該溝部に対応する筒状部分の内周面に凸部が形成され、前記取付パッキン部材は、円環状に形成された内壁及び外壁を備え、該内壁と外壁とが片側端部で一体に連結された断面略コ字状に形成され、該内壁と外壁との間に前記第一注液口が嵌め込まれて前記タンク本体に取り付けられており、前記内壁は、その前記片側端部側の開口部を前記注液パイプが挿入される挿入口とし、前記内壁の内周面に径方向内側に向かって突出し前記注液パイプとの間でシーリングを行う第一シール部と、前記内壁の外周面に径方向外側に向かって突出し前記第一注液口との間でシーリングを行う第二シール部と、を有し、前記外壁は、前記溝部に係合して保持されるホールド部を有することを要旨とした。
【0017】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、筒状に形成された第一注液口に取付パッキン部材を装着すると共に取付パッキン部材の挿入口に注液パイプを挿入することで、第一シール部と第二シール部とで確実なシール能力が発揮される。従って、注液パイプを挿入接続することによって更なるシール性能が向上するので接続部からの液漏れが防止される。これにより、ウォッシャ液の注液口を第一注液口から第二注液口へと移すことができる。また、筒状部分の外周面に形成された溝部に取付パッキン部材に形成されたホールド部を係合させることによって、取付パッキン部材が第一注液口から脱落することを防止し、しかも、注液パイプ挿入時の取付パッキン部材の適正な取付け状態を維持することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、第一シール部と第二シール部が互いに力を及ぼし合うため第一シール部及び第二シール部に加わる力が無駄なくシーリング作用に利用される。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、注液パイプの挿入部分の外径寸法と第一シール部の内径寸法に違いを持たせることにより、注液パイプの挿入部分を第一シール部に挿入するだけで第一シール部と注液パイプの圧接状態が作り出される。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、筒状部分に形成された溝部に取付パッキン部材に形成されたホールド部を係合させることによって、取付パッキン部材が第一注液口から脱落しない。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、第一注液口の内径寸法と取付パッキン部材に形成された第二シール部の外径寸法に違いを持たせることにより、取付パッキン部材をタンク本体の第一注液口に取り付けるだけで第二シール部と第一注液口との圧接状態が作り出される。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、筒状に形成された第一注液口に取付パッキン部材を装着すると共に取付パッキン部材の挿入口に注液パイプを挿入することで、第一シール部と第二シール部とで確実なシール能力が発揮される。従って、ウォッシャ液の注液口を第一注液口から第二注液口へと移すことができる。また、注液パイプの接続が不要な場合には、取付パッキン部材に代わってキャップ部材を装着することで第二注液口から第一注液口へ移すことができる。また、筒状部分の外周面に形成された溝部に取付パッキン部材に形成されたホールド部を係合させることによって、取付パッキン部材が第一注液口から脱落することを防止し、しかも、注液パイプ挿入時の取付パッキン部材の適正な取付け状態を維持することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1は、ウォッシャタンクの側面図である。図2は、ウォッシャタンクの上部に形成された注液口近傍の断面図である。
【0025】
タンク本体としてのウォッシャタンク1は、第一注液口3を備え、該注液口3から内部にウォッシャ液などの液体が注入される。第一注液口3は、ウォッシャタンク1上部を略円筒状に延出形成し先端を開口して形成されている。
【0026】
第一注液口3の先端部には、外縁部に径方向外側へ向かって突出する係止凸部5が形成されている。第一注液口3には、その基端を縮径することにより、その外周面に溝部6が形成されている。溝部6は、周方向に沿って形成されており、外周面の全周にわたって形成されている。
【0027】
第一注液口3には、キャップ部材としてのキャップ7が被嵌されている。図3に示すように、キャップ7は、略円盤状をなしており、第一注液口3の上端を覆うように下方が開口した断面略コ字状に形成されている。開口部内側面には、係止凸部5と係合する係止凹部8が形成されている。キャップ7は、係止凹部8を係止凸部5に係合させることによって第一注液口3に固定され、該第一注液口3を閉塞状態としている。
【0028】
上記のウォッシャタンク1を車両のエンジンルームの下部に配置する場合、図4に示すように、該ウォッシャタンク1の第一注液口3には注液パイプとしてのインレットパイプ9が取り付けられる。インレットパイプ9はウォッシャタンク1からエンジンルームの上方まで長さを有する長尺の円筒であり、一端がウォッシャタンク1の第一注液口3に取り付けられ、他端がエンジンルームの上方に達している。エンジンルームの上方まで延出されたインレットパイプ9の端部(上端)は第二注液口10となり、該インレットパイプ9はウォッシャ液などの液体をウォッシャタンク1に形成された第一注液口3まで誘導する。従って、メンテナンス時には、エンジンルームの上方に配設された第二注液口10からウォッシャ液を注液することによって、ウォッシャタンク1内にウォッシャ液を補充することができる。
【0029】
インレットパイプ9の取り付けについて説明する。
ウォッシャタンク1の第一注液口3に取付パッキン部材としての接続ゴム11が取り付けられている。
【0030】
図5は、接続ゴムの断面図である。接続ゴム11は、円環状に形成された内壁11a及び外壁11bを備えている。内壁11a及び外壁11bは、片側(図5において上側)端部が連結されて一体となっている。接続ゴム11は、内壁11a及び外壁11bを一端にて互いに連結することによって断面略コ字状に形成されている。
【0031】
内壁11aの内周面には、径方向内側に向かって突出する第一シール部12が形成されている。第一シール部12は、凸R状に突出しており、第一シール部12は、最も突出した部位を結んだ直径Bがインレットパイプ9に形成された後述する挿入部9a(二点鎖線で表す)の外径Eより小さくなるように突出量が決定されている。
【0032】
内壁11aの外周面には、径方向外側に向かって突出する第二シール部13が形成されている。第二シール部13は断面三角形状の凸部よりなり、第一シール部12と径方向に対応した位置(より具体的には、互いに径方向の内外周位置)に形成されている。第二シール部13は、最も突出した部位を結んだ直径Cが、ウォッシャタンク1に形成された第一注液口3の直径Aよりも大きくなるように第二シール部13の大きさが設定されている。
【0033】
外壁11bには、内壁11aとの連結部近傍に径方向外側に向かう凹部14が形成されている。該凹部14は、外壁11bの内周面全周に亘って形成されている。
【0034】
外壁11bは、内壁11aと外壁11bとの反連結側(図5において下端側)端部近傍の外周面を径方向内側に向かって縮径して締結凹部15が形成されている。締結凹部15は、外壁11bの周方向全周にわたって形成されている。外壁11bの外周面と締結凹部15の底面とはテーパ部16によって連続状態とされている。
【0035】
図5において外壁11bの下端には、径方向外側に向かって突出するつば部17と、径方向内側に向かって突出するホールド部としての抜け止め凸部18が形成されている。つば部17及び抜け止め凸部18は、外壁11bの外周面及び内周面においてともに周方向の全周にわたって形成されている。つば部17は、後述する締結バンド20が接続ゴム11の下端(図5において)より脱落しなよう好適な大きさに形成されている。
【0036】
抜け止め凸部18は、ウォッシャタンク1に形成された溝部6の深さとほぼ同じ大きさに突出している。抜け止め凸部18は、その下端(図5において)を斜めに切り取ってテーパ部19が周方向の全周にわたって形成されている。従って、抜け止め凸部18は、下端に近付くにつれて外壁11bからの突出量が少なくなるようテーパ状に切り欠かれている。
【0037】
図6は、インレットパイプ取り付け時のウォッシャタンク及び接続ゴムの部分断面図である。インレットパイプ9は、その先端(図において下端)にウォッシャタンク1への挿入部9aが形成されている。インレットパイプ9には、先端から挿入代Dだけ離れた位置に挿入規制凸部9bが形成されている。挿入規制凸部9bは、インレットパイプ9の外周面から径方向外側に向かって突出しており、インレットパイプ9の外周面の周方向に沿って全周にわたって形成されている。挿入規制凸部9bは、その外径が接続ゴム11の挿入口としての開口部11cの直径より大きく形成されている。
【0038】
挿入部9aの先端(図において下端)は、その外縁部が周方向の全周にわたってテーパ状に面取り状態に形成され、その先端外径は、第一シール部12の内径よりも小さく形成されている。
【0039】
接続ゴム11は、第一注液口3が接続ゴム11の内壁11a及び外壁11bの間に嵌め込まれるようにして取り付けられている。接続ゴム11がウォッシャタンク1に取り付けられた状態において、第一注液口3の先端に形成された係止凸部5は、接続ゴム11の外壁11bに形成された凹部14に収容されている。また、接続ゴム11の外壁11bの先端に形成された抜け止め凸部18は、ウォッシャタンク1の第一注液口3に形成された溝部6の側壁(図において抜け止め凸部18の上側部分)に係合されている。
【0040】
接続ゴム11の締結凹部15には締結バンド20が配設されている。該締結バンド20の内径は、締結凹部15の外径より小さく形成され、これによって接続ゴム11の下部が拡径状態となるのを防いでいる。
【0041】
次に、上記のように構成されたウォッシャタンクアッセンブリの作用を図2、図3、図5及び図6に従って説明する。
ウォッシャタンク1がエンジンルームの上部に配置される時には、インレットパイプ9は接続されないため、第一注液口3はキャップ7によって閉塞状態とされている。
【0042】
次に、ウォッシャタンク1がエンジンルームの下部に配置される時のウォッシャタンクアッセンブリの作用について説明する。
第一注液口3には、接続ゴム11が取り付けられている。インレットパイプ9の先端に形成された挿入部9aの外径Eは、接続ゴム11に形成された第一シール部12の最も突出した部位の直径Bよりも大きくなるように第一シール部12が形成されている。従って、インレットパイプ9の挿入部9aを接続ゴム11に挿入したとき第一シール部12は、挿入部9aの外周面によって径方向外側への力を受ける。径方向外側への力を受けた第一シール部12は、弾性変形した状態で挿入部9aの外周面と圧接する。
【0043】
接続ゴム11の内壁11aの外周面に形成された第二シール部13の最も突出した部位の直径Cは、ウォッシャタンク1に形成された第一注液口3の直径Aよりも大きくなるように第二シール部13が形成されている。従って、ウォッシャタンク1に接続ゴム11を組み付けたとき第二シール部13は、第一注液口3の内周面によって径方向内側への力を受ける。径方向内側への力を受けた第二シール部13は、弾性変形した状態で第一注液口3の内周面と圧接する。
【0044】
第一シール部12と第二シール部13は、径方向に対応した位置に形成されている。また、第一シール部12及び第二シール部13に働く弾性力は共に径方向内側及び外側に向かって作用する。従って、第二シール部13による弾性力は第二シール部13の径方向内側に位置する第一シール部12を径方向内側に向かって付勢する。また、第一シール部12による弾性力は第一シール部12の径方向外側に位置する第二シール部13を径方向外側に向かって付勢する。
【0045】
従って、インレットパイプ9の挿入部9aを接続ゴム11の開口部11cに挿入することで、挿入部9aの外周面によって第一シール部12が押圧されると共に第二シール部13をも径方向外側へ押圧し、第二シール部13が第一注液口3の内周面に密着押圧される。このように、インレットパイプ9の挿入部9aの接続ゴム11の開口部11cへの挿入により、挿入部9aと第一シール部12との間及び第二シール部13と第一注液口3の内周面との間が共にシールされる。
【0046】
上記したように、筒状に形成された第一注液口3に接続ゴム11が装着されると共に接続ゴム11の開口部11cにインレットパイプ9が挿入されることで、第一シール部12と第二シール部13とで確実なシール能力が発揮される。従って、接続部からの液漏れが防止され、接続ゴム11によってインレットパイプ9と第一注液口3との接続が可能となる。
【0047】
このように、接続ゴム11をウォッシャタンク1に取り付けるか否かによってインレットパイプ9の接続の有無を選択できるのでどちらの場合においても同一のウォッシャタンク1を用いることができる。
【0048】
抜け止め凸部18の下端部にテーパ部19が形成されており、ウォッシャタンク1の第一注液口3に接続ゴム11を取り付ける際に、接続ゴム11の外壁11bは、テーパ部19によって拡径状態とされる。従って、第一注液口3の先端部はテーパ部19を摺動しながら容易に接続ゴム11の内壁11aと外壁11bの間に嵌め込まれる。
【0049】
ウォッシャタンク1の第一注液口3に接続ゴム11が取り付けられた状態では、ウォッシャタンク1の溝部6に接続ゴム11の抜け止め凸部18が係合し、ウォッシャタンク1の係止凸部5が接続ゴム11の凹部14に係合している。従って、接続ゴム11は第一注液口3からの脱落が防止される。
【0050】
また、ウォッシャタンク1に接続ゴム11が取り付けられた状態で締結凹部15は拡径防止部材としての締結バンド20によって外周面から取り囲まれているため、接続ゴム11は拡径状態となるのを阻止される。
【0051】
インレットパイプ9の挿入部9a先端をテーパ状に形成し、該テーパ部の先端直径を第一シール部12の内径よりも小さくしている。従って、インレットパイプ9の挿入が容易であり、そのインレットパイプ9の挿入部9aが第一シール部12を傷つけることがない。
【0052】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)筒状に延出形成された第一注液口3に装着した接続ゴム11によりインレットパイプ9をウォッシャタンク1に接続するとともに、第一注液口3とインレットパイプ9の間をシールした。従って、インレットパイプ9を接続する場合とインレットパイプ9を必要としない場合の両方のウォッシャタンク1を同一形状とすることができ、ウォッシャタンク1の製造を一種類の金型のみで行うことができる。
【0053】
(2)エンジンルーム内でのウォッシャタンク1の配設状態によってウォッシャタンク1に形成された第一注液口3に直接注液するか、第一注液口3にインレットパイプ9を接続して第二注液口10より注液するかを選択することができる。従って、ウォッシャタンク1がエンジンルーム内のどの位置に配設されても注液口をエンジンルームの上部に配設することができ、メンテナンス時の注液作業を容易に行うことができる。
【0054】
(3)第一シール部12及び第二シール部13に働く弾性力は互いに径方向に対応した他方にも作用する。従って、第一シール部12及び第二シール部13に働く弾性力を有効に利用することができ、効率よく両シール部12,13におけるシーリングを行うことができる。
【0055】
(4)インレットパイプ9の挿入部9aを接続ゴム11に挿入すると、径方向外側への力を受けた第一シール部12は、弾性変形した状態で挿入部9aの外周面と圧接する。従って、第一シール部12と挿入部9aとの間でシーリングを行うことができ、接続ゴム11の開口部11cとインレットパイプ9の間から液が漏れるのを防ぐことができる。
【0056】
(5)ウォッシャタンク1に接続ゴム11を組み付けると、径方向内側への力を受けた第二シール部13は、弾性変形した状態で第一注液口の内周面と圧接する。従って、第二シール部13と第一注液口3との間でシーリングを行うことができ、ウォッシャタンク1と接続ゴム11との間から液が漏れるのを防ぐことができる。
【0057】
(6)ウォッシャタンク1に接続ゴム11を取り付ける際に、ウォッシャタンク1の溝部6に接続ゴム11の抜け止め凸部18が係合するとともに、ウォッシャタンク1の係止凸部5が接続ゴム11の凹部14に係合している。従って、例えばウォッシャタンク1内に収容された液体が凍結し、その内圧によってインレットパイプ9及び接続ゴム11がウォッシャタンク1から外部に押し出されようとする場合にも接続ゴム11がウォッシャタンク1から脱落するのを防ぐことができる。
【0058】
(7)接続ゴム11の外壁11bは、締結バンド20によって外周面から取り囲まれているため拡径状態とならない。従って、抜け止め凸部18が溝部6から抜けることがなく、接続ゴム11の装着状態を安定させることができる。
【0059】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○図7は、別の実施の形態における接続ゴムの斜視図である。接続ゴム21は、上記実施の形態における接続ゴム11の外壁11bの一部に軸方向へ向かう切り欠き部22が形成されている。切り欠き部22は、締結凹部15、抜け止め凸部18及びつば部17を切り欠いて形成されている。このように接続ゴム21を形成することによって、外壁11bを容易に拡径状態にすることができるため、接続ゴム21をウォッシャタンク1に容易に取り付けることができる。尚、接続ゴム21のウォッシャタンク1への取り付け後は締結凹部15を締結バンド20が周方向全体にわたって取り囲んでおり、外壁11bが拡径状態となって接続ゴム21が脱落するのを防止している。
【0060】
また、上記接続ゴム21において、切り欠き部22は一箇所とは限らず複数箇所に形成してもよい。
○上記実施の形態において、第一シール部12の形状を凸R状の突部としたが、第一シール部12がインレットパイプ9の挿入部9aと圧接しウォッシャタンク1の内外においてシーリング能力を発揮できるのもであればよい。従って、例えば断面略三角形状の突部を持つものや断面略波形状の突部を持つものによって第一シール部材を形成してもよく、これに限定されない。
【0061】
○上記実施の形態において、第二シール部13の形状を断面略三角形状の突部としたが、第二シール部が第一注液口3と圧接しウォッシャタンク1の内外においてシーリング能力を発揮できるものであればよい。従って、第二シール部の突部を例えば凸R状の断面を持つものや断面略波形状の突部を持つものによって形成してもよく、これに限定されない。
【0062】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)前記取付パッキン部材(11)の外縁部に前記取付パッキン部材(11)の軸方向に向かった切り欠き部(22)を形成した。この構成によれば、取付パッキン部材を容易に拡径状態とすることができるので、第一注液口に取付パッキン部材を容易に装着することができる。
【0063】
(ロ)前記第一注液口(3)に装着される取付パッキン部材(11)は、その外周面が周方向全体にわたって拡径防止部材(20)に取り囲まれている。この構成によれば、第一注液口に取付パッキンの装着後に取付パッキンが拡径状態とならないので取付パッキンの脱落を防ぐことができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、インレットパイプ接続の要、不要に関わらず一種類のタンクによって利用できるウォッシャタンクアッセンブリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インレットパイプ不要時のウォッシャタンクの側面図。
【図2】 ウォッシャタンクの注液口近傍の断面図。
【図3】 キャップ装着時のウォッシャタンクの注液口近傍の断面図。
【図4】 インレットパイプ取り付け時のウォッシャタンクの側面図。
【図5】 接続ゴムの断面図。
【図6】 インレットパイプ取り付け時の接続ゴム近傍の断面図。
【図7】 別例の接続ゴムの斜視図。
【図8】 従来のウォッシャタンクの斜視図。
【図9】 従来のウォッシャタンクにおけるインレットパイプ取り付け時の断面図。
【図10】 従来のウォッシャタンクにおけるインレットパイプ取り付け時の側面図。
【符号の説明】
1…タンク本体としてのウォッシャタンク、3…第一注液口、6…溝部、7…キャップ部材としてのキャップ、9…注液パイプとしてのインレットパイプ、9a…挿入部、9b…挿入規制凸部、10…第二注液口、11…取付パッキン部材としての接続ゴム、11c…挿入口としての開口部、12…第一シール部、13…第二シール部、18…ホールド部としての抜け止め凸部。
Claims (6)
- 筒状に延出形成され先端が開口した第一注液口(3)を有し、内部に液体を貯留するタンク本体(1)を備え、
前記タンク本体(1)は、前記第一注液口(3)に取付パッキン部材(11)が装着されることにより、前記第一注液口(3)に一端が挿し込まれて前記取付パッキン部材(11)を介して前記タンク本体(1)に取り付けられ、他端に第二注液口(10)を有する注液パイプ(9)を接続可能であり、
前記第一注液口(3)は、筒状部分を縮径することにより、筒状部分の外周面に溝部(6)が形成されるとともに該溝部に対応する筒状部分の内周面に凸部が形成され、
前記取付パッキン部材(11)は、円環状に形成された内壁(11a)及び外壁(11b)を備え、該内壁(11a)と外壁(11b)とが片側端部で一体に連結された断面略コ字状に形成され、該内壁(11a)と外壁(11b)との間に前記第一注液口(3)が嵌め込まれて前記タンク本体(1)に取り付けられており、
前記内壁(11a)は、その前記片側端部側の開口部を前記注液パイプ(9)が挿入される挿入口(11c)とし、前記内壁(11a)の内周面に径方向内側に向かって突出し前記注液パイプ(9)との間でシーリングを行う第一シール部(12)と、前記内壁(11a)の外周面に径方向外側に向かって突出し前記第一注液口(3)との間でシーリングを行う第二シール部(13)と、を有し、
前記外壁(11b)は、前記溝部(6)に係合して保持されるホールド部(18)を有することを特徴とするウォッシャタンクアッセンブリ。 - 前記注液パイプ(9)が前記挿入口(11c)に挿入されたとき、前記第一シール部(12)と、前記第二シール部(13)は、少なくとも一方の前記シール部(12,13)の弾性変形に伴う弾性力が他方のシール部(12,13)を弾性変形させることを特徴とする請求項1に記載のウォッシャタンクアッセンブリ。
- 前記注液パイプ(9)の挿入部(9a)の外径寸法は、前記第一シール部(12)内径寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のウォッシャタンクアッセンブリ。
- 前記注液パイプ(9)の外周面には、挿入代を規定する挿入規制凸部(9b)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のウォッシャタンクアッセンブリ。
- 前記第一注液口(3)の内径寸法は、前記第二シール部(13)の外径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のウォッシャタンクアッセンブリ。
- 筒状に延出形成され先端が開口し該先端にキャップ部材(7)が取付可能に形成された第一注液口(3)を有し、内部に液体を貯留するタンク本体(1)と、
前記第一注液口(3)に着脱可能に装着された取付パッキン部材(11)と、
前記第一注液口(3)に一端が挿し込まれ、他端に第二注液口(10)を有し、前記取付パッキン部材(11)を介して前記タンク本体(1)に取り付けられた注液パイプ(9)とを備え、
前記第一注液口(3)は、筒状部分を縮径することにより、筒状部分の外周面に溝部(6)が形成されるとともに該溝部に対応する筒状部分の内周面に凸部が形成され、
前記取付パッキン部材(11)は、円環状に形成された内壁(11a)及び外壁(11b)を備え、該内壁(11a)と外壁(11b)とが片側端部で一体に連結された断面略コ字状に形成され、該内壁(11a)と外壁(11b)との間に前記第一注液口(3)が嵌め込まれて前記タンク本体(1)に取り付けられており、
前記内壁(11a)は、その前記片側端部側の開口部を前記注液パイプ(9)が挿入される挿入口(11c)とし、前記内壁(11a)の内周面に径方向内側に向かって突出し前記注液パイプ(9)との間でシーリングを行う第一シール部(12)と、前記内壁(11a)の外周面に径方向外側に向かって突出し前記第一注液口(3)との間でシーリングを行う第二シール部(13)と、を有し、
前記外壁(11b)は、前記溝部(6)に係合して保持されるホールド部(18)を有することを特徴とするウォッシャタンクアッセンブリ。
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