JP4125421B2 - インク組成物 - Google Patents

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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インク組成物に関する。さらに詳細には、本発明はインクジェットプリントプロセスにおける使用に適したインク組成物に関する。本発明の一つの形態は、水、着色剤、及びモノマーオキサゾリジノン化合物を含有するインク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットインク組成物に含有される有機溶剤及び保湿剤には、水溶性、熱安定性、加水分解安定性、低揮発性、高沸点、高表面張力、低粘性、着色剤との相溶性等を含む多数の要件がある。グリコール及びグリコール誘導体は最も広く使用されている溶剤及び保湿剤であるが、これらの材料は、望ましくない高粘性を有するインク組成物を形成し、インクをインクジェットプリントプロセスで使用した場合、周波数応答及び待ち時間が最適な周波数応答及び待ち時間より小さくなる傾向がある。特に、小さなチャネルを有し、インチ当たりのドットの値が比較的高いプリントヘッドを導入する場合、待ち時間が非常に問題となる。
【0003】
したがって、公知の組成物及びプロセスは意図した目的に適するが、インクジェットプリントプロセスにおける使用に適した改良されたインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。さらに、水溶性の高い溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。さらに、熱安定性の高い溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。さらに、加水分解安定性の高い溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。また、揮発性の低い溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。さらに、沸点の高い溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。さらに、多数の着色剤、副溶剤及びインク添加物に対してかなりの程度の相溶性を示す溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。さらに、粘性の低い溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがある。表面張力の高い溶剤又は保湿剤を含有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。また、低粘性を有する、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズが存在する。さらに、待ち時間が改善された特徴を示す、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがある。さらに、周波数応答が改善された特徴を示す、インクジェットプリントに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。さらに、小さなチャネルを有し、600 ドット/インチ以上でプリントできるプリントヘッドを用いるインクジェットプリントプロセスに適したインク組成物に対するニーズがいまだに存在する。毒性の面及び環境への影響の面において安全なインクジェットプリントプロセスに適したインク組成物に対するニーズがある。さらに、紙に高画質の画像を形成する、インクジェットプリントプロセスに適したインク組成物に対するニーズがある。さらに、透明紙に高画質の画像を形成する、インクジェットプリントプロセスに適したインク組成物に対するニーズがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の利点を有するインク組成物及びプリントプロセスを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明(又は本発明の特定の実施の形態)のこれらの及び他の目的は、水、着色剤、及びモノマーオキサゾリジノン化合物を含有するインク組成物を提供することによって達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のインクに適したオキサゾリジノン化合物は、モノマーである。典型的なオキサゾリジノン化合物として、下記一般式からなるものが挙げられる。
【0007】
【化1】
式中、R1は水素原子、1〜約12個の炭素原子、より好ましくは、1〜約3個の炭素原子を有する、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル等のアルキル基(環状アルキル基を含む)、アルキル基の置換基が(これらに限定しないが)ヒドロキシ基、アルコキシ基であり、一般式-(O(CH2)y ) z OHであるものを含み、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有し、より好ましくは1〜約3個の炭素原子を有する置換アルキル基であり、式中、yは1〜約4の整数であり、zは1〜約50、好ましくは1〜約20、より好ましくは1〜約3の整数であり、それぞれ互いに独立したR2、R3、R4、及びR5は、水素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約3個の炭素原子を有する、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル等のアルキル基(環状アルキル基を含む)、1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約3個の炭素原子及び一般式-(O(CH2)y ) z OHからなるものを含むアルコキシ基を有する置換アルキル基であり、式中、yは1〜約4の整数であり、zは1〜約50、好ましくは1〜約20、より好ましくは1〜約3の整数であり、アルキル基の置換基がヒドロキシ基、アルコキシ基であり、一般式-(O(CH2)y ) z OHからなるものを含み、式中yは1〜約50、好ましくは1〜約20、より好ましくは1〜約3の整数である。
【0008】
本発明に適した材料は、室温(約25℃)で液体又は固体のいずれかである。また、これらの材料の幾つかは、周囲圧力下で少なくとも260 ℃の高沸点を表し、多くの場合、周囲圧力下で300 ℃を越える沸点を有する。
【0009】
オキサゾリジノン化合物(オキサゾリドン化合物ともいう)は、例えば、ウィスコンシン州(WI.) のミルウォーキー(Milwaukee) のアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.) から市販されている。オキサゾリジノン化合物調製も比較的容易である。例えば、以下のように、β−アミノアルコールを炭酸エチレンで処理し、続いてこの生成物を蒸留することによって所望のオキサゾリジノンを得ることができる。
【0010】
【化2】
或いは、循環炭酸エチレンをジエチルケトンに置換し、塩基性の触媒を用いて反応を実施することができる。反応生成物は約等モル量で存在し、反応はメタノールのような溶剤中で45℃で約12時間かかる。
【0011】
オキサゾリジノン化合物を、β−アミノアルコールとホスゲンとの反応によって、以下のように調製することもできる。
【0012】
【化3】
ホスゲンは、ガス、溶液、又はピリジンとの錯体として供給することができる。
【0013】
さらに、オキサゾリジノン化合物を、エポキシドとイソシアネート又はイソチオシアネートとの反応によって以下のように調製することができる。
【0014】
【化4】
反応は高温で起こり、任意で、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジオキサン、ベンゼン等のような溶媒があってもよく、任意で、第2アミン及び第3アミン、第4ハロゲン化アンモニウム、カルボキシレート陰イオン、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化リチウム、他のハロゲン化陰イオン源等のような材料によって触媒されてもよい。
【0015】
オキサゾリジノン又はオキサゾリドン化合物の合成に関するさらなる情報として、例えば、イー.ディヤー(E.Dyer)及びエイチ.スコット(H.Scott) による "Preparation of Polymeric and Cyclic Urethanes and Urea From Ethylene Carbonate and Amines"(J.Am.Chem.Soc., 79,672(1957) 、ブイ.エー.パンクラトフ(V.A.Pankratov) 、ティーズ.エム.フレンケル(Ts.M.Frenkel)及びエー.エム.ファインライブ(A.M.Fainleib)による "2-Oxazolidinones"(Russian Chemical Reviews,52(6),576(1983)(Uspekhi Khimii 52,1018 (1983)から翻訳)、エム.イー.ディエン(M.E.Dyen)及びディー.スバーン(D.Swern) による "2-Oxazolidones"(Chem.Rev.,67,197(1967)、米国特許第2,975,187 号、第3,131,197 号、第3,120,510 号、第2,399,118 号、第2,437,388 号、第2,437,389 号、第2,437,390 号、第2,695,300 号、第3,133,932 号、第2,973,366 号、第2,485,855 号、第2,740,792 号、第2,843,585 号、第2,857,392 号、第2,773,067 号、第3,062,826 号、第2,865,926 号、第3,214,435 号、第3,231,578 号、第2,977,369 号、第3,817,938 号、第3,687,897 号、及び第2,868,801 号が挙げられる。
【0016】
適切なオキサゾリジノンの特定例として、化学式(1)の2-オキサゾリジノン、化学式(2)の3-メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(3)の3-エチル-2- オキサゾリジノン、化学式(4)の3-ブチル-2- オキサゾリジノン、化学式(5)の3-シクロヘキシル-2- オキサゾリジノン、化学式(6)の3-(ヒドロキシエチル)-2-オキサゾリジノン、化学式(7)の4-メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(8)の5-メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(9)の3,5-ジメチル2-オキサゾリジノン、化学式(10) の3-エチル-5- メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(11) の3-ブチル-5- メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(12)の3-(2- ヒドロキシプロピル)-5-メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(13)の4-エチル-2- オキサゾリジノン、化学式(14)の5-エチル-2- オキサゾリジノン、化学式(15) の4,4-ジメチル-2- オキサゾリジノン、化学式(16)の5,5,3-トリメチル-2- オキサゾリジノン、化学式(17)の5-メチル-3- エチル-2- オキサゾリジノン、化学式(18)の3-(2- ヒドロキシプロピル)-5-メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(19)の5-イソプロピル-3- メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(20) の5-エチル-4- メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(21) の5-メチル-3-(ヒドロキシエチル)-2-オキサゾリジノン、化学式(22) の4,5-ジメチル-3-(ヒドロキシエチル)-2-オキサゾリジノン、化学式(23) の5,5-ジメチル-3- エチル-2- オキサゾリジノン、化学式(24) の3,5-ジエチル-5- メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(25)の5-メチル-3- シクロヘキシル-2- オキサゾリジノン、化学式(26)の4,5-ジメチル-3- シクロヘキシル-2- オキサゾリジノン、化学式(27)の3,4,5-トリメチル-2- オキサゾリジノン、化学式(28)の3-ブチル-4- エチル-5- メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(29)の4-エチル-2- オキサゾリジノン、化学式(30)の4,4-ジエチル-2- オキサゾリジノン、化学式(31)の5,5-ジエチル-3- メチル-2- オキサゾリジノン、化学式(32)の3-(ヒドロキシエトキシエチル)-2-オキサゾリジノン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
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【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】
【化22】
【0035】
【化23】
【0036】
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【化25】
【0038】
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【化27】
【0040】
【化28】
【0041】
【化29】
【0042】
【化30】
【0043】
【化31】
【0044】
【化32】
【0045】
【化33】
【0046】
【化34】
【0047】
【化35】
【0048】
【化36】
【0049】
(限定しないが)2-オキサゾリジノン及びブチルオキサゾリジノンを含む特定のオキサゾリジノンが、幾つかの例では、より優れた浸透剤として好ましい。(限定しないが)4-エチル-2- オキサゾリジノン及び5-エチル-2- オキサゾリジノンを含む特定のオキサゾリジノンもまた、改良されたエッジ尖鋭度、より優れた水素結合、特定の溶解度、粘性、流動性、及び表面張力特徴が所望されるインクにも好ましい。環状窒素原子がアルキル基でなく水素原子に結合するオキサゾリジノンは、幾つかの例では、インクにより高い表面張力及びより優れた紙に対する親和性を与える能力を有するため好ましい。また、(限定しないが)3-メチル-2- オキサゾリジノンを含む特定のオキサゾリジノンは、インクにより向上した待ち時間特性を与える能力を有するため好ましい。
【0050】
オキサゾリジノン化合物は、水の他に、インクの単独の溶剤又は保湿剤であり得る。或いは、オキサゾリジノンを、他の溶剤又は保湿剤と混合して水と共にインクの展色液を形成してもよい。他の適切な溶剤及び保湿剤の例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール類、グリセリン、ジプロピレングリコール類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、アミド類、エーテル類、尿素、置換尿素類、エーテル類、カルボン酸、これらの塩、エステル類、アルコール類、オルガノスルフィド類、オルガノスルホキシド類、スルホン類(例えば、スルホラン)、アルコール誘導体類、カルビトール、ブチルカルビトール、セルソルブ(cellusolve)、エーテル誘導体類、アミノアルコール類、ケトン類、N-メチルピロリジノン、2-ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、ヒドロキシエーテル類、アミド類、スルホキシド類、ラクトン類、高分子電解質類、メチルスルホニルエタノール、イミダゾール、他の水溶性材料、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
オキサゾリジノン溶剤又は保湿剤は、本発明のインク組成物中にあらゆる有効量で存在する。一つ以上のオキサゾリジノン化合物がインク中に用いる唯一の溶剤又は保湿剤である場合、典型的には、オキサゾリジノンはインク組成物の約0.5 〜約80重量%の量で存在し、好ましくはインク組成物の約5〜30重量%の量で存在するが、これらの範囲外でもよい。オキサゾリジノンと他の化合物との混合物がインクの溶剤又は保湿系を作る場合、インク中の保湿剤の総量は、インクの約1〜約80重量%であり、好ましくはインクの約2〜約50重量%であるが、これらの範囲外でもよく、インク中のオキサゾリジノンの総量は、インクの約0.5 〜約75重量%であり、好ましくはインクの約5〜約30重量%であるがこれらの範囲外でもよい。
【0052】
本発明のインク組成物中に含まれるのは、着色剤である。染料、顔料、これらの混合物等を含むあらゆる適切な着色剤が用いられ得る。
【0053】
酸性染料、塩基性染料、直接染料、反応染料等を含む、インク展色液に対して相溶性を有するあらゆる適切な染料又は染料の混合物を使用でき、水溶性陰イオン染料及び陽イオン染料が好ましい。染料は、インク組成物中にあらゆる有効量、典型的には、約0.5 〜約15重量%、好ましくは約1〜約10重量%で存在するが、これらの範囲外でもよい。
【0054】
本発明のインクの適切な顔料の例として、チャネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等のような種々のカーボンブラックが挙げられる。着色顔料として、赤、緑、青、茶、マゼンタ、シアン、イエロー粒子、及びこれらの混合物が挙げられる。顔料粒子のサイズは、展色液中の粒子の安定したコロイド懸濁が可能であり、インクをサーマルインクジェットプリンタで使用する場合、インクチャネルの詰まりを防ぐように、できる限り小さいことが好ましい。好ましい粒子平均径は、一般に、約0.001 〜約5μm、より好ましくは約0.1 〜約1μmであるがこれらの範囲外でもよい。顔料は、所望の程度の着色を達成するあらゆる有効量で本発明のインク組成物中に存在する。典型的に、顔料は、約0.1 〜約8重量%、好ましくは約2〜約7重量%の量でインク中に存在するが、これらの範囲外でもよい。
【0055】
インク組成物は、一般に、サーマルインクジェットプリントプロセスにおける使用に適した粘性を有する。典型的には、室温(即ち、約25℃)で、インクの粘性は約5センチポアズ未満であり、好ましくは約1〜約2.5 センチポアズであるが、この範囲外でもよい。
【0056】
インクジェットプリントに適したインク組成物は、あらゆる適切なプロセスで調製することができる。典型的には、成分を単に混合することによってインクを調製する。あるプロセスにおいては、インクの成分全てを混合し、この混合物を濾過してインクを得る。インクは、あらゆる所望のプロセス、例えば、成分を混合し、必要なら加熱し、濾過し、続いてこの混合物に所望の添加剤を添加し、均質な混合物が得られるまで室温で約5〜約10分間ゆっくりと攪拌することによる従来通りのインク組成物調製法によっても調製できる。或いは、任意のインク添加剤を、インク調製プロセス中に他のインク成分に混合してもよく、これは、全ての成分を混合し、必要なら加熱し、濾過するような所望の手順によって行う。
【0057】
また、本発明は、本発明のインク組成物をインクジェットプリント装置に入れ、インク組成物の液滴を基体上に像様パターンに射出させるプロセスを含む。特に好ましい実施の形態では、プリント装置はサーマルインクジェットプロセスを用い、このプロセスにおいて、ノズルのインクが像様パターンに選択的に加熱され、それによってインクの液滴が像様パターンに射出される。ゼロックス(Xerox: 登録商標)4024紙のような普通紙、罫線を引いたノート用の紙、ボンドペーパー、シャープ社(Sharp Company) のシリカコート紙のようなシリカコート紙、ジュウジョウ(JuJo)紙等、透明材料、繊維、織物、プラスチック、ポリマーフィルム、金属のような無機基体及び木材等を含むあらゆる適切な基体を用いることができる。好ましい実施の形態では、プロセスは、普通紙のような多孔性又はインク吸収基体上にプリントすることを含む。
【0058】
【実施例】
実施例I
3-メチル-2- オキサゾリジノン(ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社から入手)、BASF X-34 ブラック染料溶液(ニューヨーク州(NY.) 、レンセラー(Rensselaer)のBASF社(BASF Corp.)から入手、染料化合物34重量%を含有)、水、及び下の表1に示す他の添加剤を含有するインク組成物を、計量したインク成分と水とを混合し、成分全てが溶解するまで攪拌し(最大5分間)、得られたインク組成物を1μmのフィルターで濾過することによって調製した。
【0059】
【表1】
【0060】
インクを、周波数3,000 kHz、600 ドット/インチで画像を形成することができるプリントヘッドを有するサーマルインクジェットプリント試験装置に入れ、ゼロックス(登録商標)イメージシリーズスムースペーパー(Xerox Image Series Smooth Paper)に噴射した。インクAは75秒より長い待ち時間を示し、106 より多い液滴射出後でも前面が湿らなかった。インクBは約45〜50dyn/cmの高表面張力を示した。インクは噴射に十分な流動性を示し、乾燥時間が約20秒であった。この配合によって非常に高濃度の染料を使用することが可能となった。インクCは非常に流動性があり、速乾性であり、乾燥時間が1秒未満であった。このインクで形成した画像は優れた尖鋭度を示した。この配合によって非常に高濃度の染料を使用することが可能となった。インクDは乾燥時間が約25秒であり、低いジッターを示し、非常に有効的な液滴形成を示した。一般に、上記の配合により、オキサゾリジノン化合物によってインク中に染料を高濃度に使用可能であることが示された。また、インクは全て優れた待ち時間特徴を示した。上記の配合により、乾燥時間及び表面張力のような特徴が追加的な添加剤の存在によって向上し、オキサゾリジノン化合物がこれらの添加剤に対して親和性があることが示された。
【0061】
実施例 II
3-メチル-2- オキサゾリジノン(ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社から入手)、BASF X-34 ブラック染料溶液(ニューヨーク州、レンセラーのBASF社から入手、染料化合物34重量%を含有)、水、及び以下の表2に示す他の添加剤を含有するインク組成物を、計量したインク成分と水とを混合し、全ての成分が溶解するまで攪拌し(最大5分間)、得られたインク組成物を1μmのフィルターで濾過することによって調製した。
【0062】
【表2】
【0063】
このように調製したインクは、全て、混合後、インク成分が完全な相溶性を示した。このインクを、周波数3,000 kHz、600 ドット/インチで画像を形成することができるプリントヘッドを有するサーマルインクジェットプリント試験装置に入れ、ゼロックス(登録商標)イメージシリーズスムースペーパーに噴射した。インクは全て速乾性を示し、約1〜約4秒の乾燥時間であった。

Claims (4)

  1. 水、着色剤、及び一般式(a)または一般式(b)のモノマーオキサゾリジノン化合物を含有するインク組成物であって、
    一般式(a)中、Rはアルキル基であり、R、R、R、およびRはそれぞれ独立して水素原子、又はアルキル基であり、
    一般式(b)中、Rは水素原子であり、R、R、R、およびRはそれぞれ独立して水素原子、又はアルキル基であって、R、R、R、およびRの少なくとも1つは水素原子ではない、
    インク組成物。
  2. 前記モノマーオキサゾリジノン化合物が、3−メチル−2−オキサゾリジノン、3−エチル−2−オキサゾリジノン、3−ブチル−2−オキサゾリジノン、3−シクロヘキシル−2−オキサゾリジノン、3−(ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリジノン、4−メチル−2−オキサゾリジノン、5−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、3−エチル−5−メチル−2−オキサゾリジノン、3−ブチル−5−メチル−2−オキサゾリジノン、3−(2−ヒドロキシプロピル)−5−メチル−2−オキサゾリジノン、4−エチル−2−オキサゾリジノン、5−エチル−2−オキサゾリジノン、4,4−ジメチル−2−オキサゾリジノン、5,5,3−トリメチル−2−オキサゾリジノン、5−メチル−3−エチル−2−オキサゾリジノン、3−(2−ヒドロキシプロピル)−5−メチル−2−オキサゾリジノン、5−イソプロピル−3−メチル−2−オキサゾリジノン、5−エチル−4−メチル−2−オキサゾリジノン、5−メチル−3−(ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリジノン、4,5−ジメチル−3−(ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリジノン、5,5−ジメチル−3−エチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジエチル−5−メチル−2−オキサゾリジノン、5−メチル−3−シクロヘキシル−2−オキサゾリジノン、4,5−ジメチル−3−シクロヘキシル−2−オキサゾリジノン、3,4,5−トリメチル−2−オキサゾリジノン、3−ブチル−4−エチル−5−メチル−2−オキサゾリジノン、4−エチル−2−オキサゾリジノン、4,4−ジエチル−2−オキサゾリジノン、5,5−ジエチル−3−メチル−2−オキサゾリジノン、および3−(ヒドロキシエトキシエチル)−2−オキサゾリジノンから選択される、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記モノマーオキサゾリジノン化合物が、4−エチル−2−オキサゾリジノン、5−エチル−2−オキサゾリジノン、および3−メチル−2−オキサゾリジノンから選択される、請求項1に記載のインク組成物。
  4. 前記モノマーオキサゾリジノン化合物が、3−メチル−2−オキサゾリジノンである、請求項1に記載のインク組成物。
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