JP4120733B2 - 二段スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷媒を圧縮する二段スクリュー圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来の二段スクリュー圧縮機の水平断面図、図14はこの図13の断面XII−XII面の断面図である。次に、これらの図を用いて従来の二段スクリュー圧縮機の構成について説明する。図13において、1は高段スクリューロータ、2はこの高段スクリューロータ1の圧縮溝と勘合して従動する対の高段ゲートロータ、3は低段スクリューロータ、4はこの低段スクリューロータ3の圧縮溝と勘合して従動する対の低段ゲートロータ、5は高段スクリューロータ1と低段スクリューロータ3を回転させるための高段側5aと低段側スクリュー軸5bからなるスクリュー軸であり、この高段側スクリュー軸5aと低段側スクリュー軸5bとはスプライン継手(図示せず)によって連結されている。
【0003】
また、6a、6b、6cはこのスクリュー軸5を支える軸受であり、6aは低段側軸受、6bは中間軸受、6cは高段側軸受、7は高段吸入側と均圧回路で均圧された高段スクリュー背面室、8はこの高段スクリュー背面室7と高段スクリューロータ1の吐出室との間をシールする高段シール部、9は低段吸入室側と均圧回路で均圧された低段スクリュー背面室、10はこの低段スクリュー背面室9と低段スクリューロータ3との間をシールする低段シール部、11は高段スクリューロータ1及び低段スクリューロータ3を回転させるスクリュー軸5を駆動する電動機、12は図示されていない高段の容量制御機構を駆動するための高段容量制御ピストン、13は図示されていない低段の容量制御機構を駆動するための低段容量制御ピストン、14はこれらを収納するケーシングであり、このケーシング14は中間圧に維持された高段ケーシング室14aと、この高段ケーシングに接続され、低段吸入圧に維持された低段ケーシング室14bと、この低段ケーシングに接続され、中間圧に維持されたモータケーシング室14cとで構成されている。また、15は高段圧縮機構の各機器を収納する高段ケーシング14aの横フタ、16は低段圧縮機構の各機器を収納する低段ケーシング14bの横フタである。
【0004】
なお、図14に示すように、高段ゲートロータ2は、高段スクリューロータ1の圧縮溝1aに直接接触しながら従動する樹脂製の高段ゲートロータ本体2aと、この高段ゲートロータ本体2aを支持するゲートロータサポート2bと、このゲートロータサポート2bを回転自由に支持する軸受2cおよび2f、ケーシング14に取付つくためのハウジング2dおよび2gなどから構成されている。
また、低段ゲートロータ4もほぼ同様の構成になっているので、説明を割愛する。
【0005】
また、これらの図13、14に描画された高段ゲートロータ2、低段ゲートロータ4、及び低段容量制御ピストン13等は片側のみを描画しており、無関係の部分は一部省略されている。
【0006】
次に、動作について説明する。まず、高段スクリューロータ1及び低段スクリューロータ3が、軸受6a、6b、及び6cで支持され、スプライン継手を介して連結された高段スクリュー軸5aと低段スクリュー軸5bからなるスクリュー軸5により電動機11の駆動力によって回転されると、低段側圧縮機構においては、前述したように、低段スクリューロータ3の圧縮溝に対向して対の低段ゲートロータ4が勘合しているので、この対の低段ゲートロータ4は低段スクリューロータの回転に従動して回転する。次に、この低段スクリューロータ3と低段ゲートロータ4の回転により、吸入された冷媒ガスは吸入側から吐出側へ向かって圧縮されながら高段側圧縮機構へ吐出される。
【0007】
なお、この時、起動停止時や負荷変動時などに対応するために設けられた図示されていない低段容量制御機構は、必要に応じて低段容量制御ピストン13を駆動して圧縮冷媒の量を変化させる。
【0008】
また、前述の低段側各機器に連動して、高段圧縮機構の各機器である高段スクリューロータ1、高段ゲートロータ2、並びに高段容量制御ピストン12もほぼ同じような動きをしながら、冷媒を圧縮して吐出する。
【0009】
以上説明したように、圧縮機に吸入された冷媒ガスは、低段スクリューロータ3と低段ゲートロータ4から成る低段圧縮機構で圧縮され、この圧縮された冷媒ガスは高段側へ送られ、高段スクリューロータ1と高段ゲートロータ2から成る高段圧縮機構で再び圧縮され、圧縮機から吐出される。
【0010】
なお、このような一連の2段圧縮動作を行うようにするためには、冷媒の比容積の関係から高段側と低段側との圧縮比が概ね等しくなるように設計されるのが通常であり、その結果として高段と低段の圧縮機構における体積流量比を概ね1:2になるようにし、しかも、低段圧縮機構と高段圧縮機構との構造を相似形で設計するのが一般的である。
【0011】
また、この体積流量比の相違により高段スクリューロータ径が低段スクリューロータ径より細く、軽くなるため、これらのスクリューロータを支えるスクリュー軸5の高段スクリュー軸径も低段スクリュー軸径より細く設計されるのが一般的である。
【0012】
また、高段、低段、それぞれのスクリューロータ及びスクリュー軸の両端面に架る圧力と、その圧力を受ける面積との積で決まるスクリュー軸の軸方向の荷重による軸受のスラスト摩耗を防止するため、図15に示ように、高段側においては、高段吐出室の冷媒が高段スクリュー背面室7へ流入しないように、高段スクリュー背面室7と高段スクリューロータ吐出室との間をシールする高段シール部8を設けると共に、この背面室7と低段吐出圧力(中間圧)になっている高段吸入ケーシング室14aとを連通させる高段側均圧回路を設け、高段軸5aの端面及び高段側ロータ1がある背面室7と高段側ロータ1がある高段吸入ケーシング室14aとを均圧化し、高段側スクリューロータ軸の両端面に架る圧力をバランスさせ、高段側軸5aのスラスト方向の荷重を均等化する。なお、背面室7には高段軸5aの端面が存在するため、その分だけスラスト荷重は増加するように見えるが、図15からも解るように、この高段軸5aの端面のスラスト荷重に対向する荷重が中間圧に維持されたモータ11のケーシング室の軸端面に架るため、結果としてバランスする。
【0013】
また一方、低段側においても、低段吐出室の冷媒が低段吸入圧に維持された低段スクリュー背面室9へ流入するのを防止するため、低段スクリューロータの背面室9と低段スクリューロータ吐出室との間をシールする低段シール部10を設けると共に、低段背面室9と低段吸入室側とを連通させる低段側均圧回路を設け、低段側ロータ1がある背面室9と低段吸入ケーシング室14aとを均圧化し、低段側スクリューロータ軸の両端面に架る圧力をバランスさせ、低段側軸5bのスラスト方向の荷重を均等化する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の二段スクリュー圧縮機は構成されているので、圧縮機の構成部品であるスクリューロータ及びゲートロータのサイズを高段と低段とで違える必要があり、それに伴って構成部品の種類が増加するという問題があった。
【0015】
また、特に、特殊な専用加工機械で加工するスクリューロータ及びゲートロータのサイズの種類が増え、新たな設備投資が必要となったり、段取り時間等の加工工数が増えるという問題があった。
【0016】
また、スクリュー軸の撓みを解消するために、高段・低段のゲータロータをそれぞれ一対の対向した構成とし、しかも、この高段・低段のゲータロータを同じ位相角で取付けているため、特に、高段・低段容量制御ピストンの取付位置関係や、高段・低段ケーシング蓋の取付関係から軸芯方向が長くなったり、圧縮機全体が大型化するという問題点があった。
【0017】
また、高・低段スクリュー軸のスラスト方向の荷重を均等にするために、高・低段のそれぞれに均圧路を必要としたり、あるいは、高段及び低段の吐出冷媒がそれぞれのスクリュー面室に漏れないようにするため、高段側、低段側の各々にシール部が必要であったり、多くの部品点数が必要であった。
【0018】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、第1の目的は、構成部品が少なく、加工性、組立性が良い経済的な二段スクリュー圧縮機を得ることを目的とする。
【0019】
また、第2の目的は、軸方向の寸法が短くコンパクトな二段スクリュー圧縮機を得ることを目的とする。
【0020】
また、第3の目的は、少ない軸受構成で、スクリュー軸の撓みが少なく、組立性が良い、経済的で、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機を得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る二段スクリュー圧縮機は、低段側回転軸に取り付けられた低段スクリューロータ及び当該低段スクリューロータの圧縮溝と勘合して従動する低段ゲートロータとの回転運動によって冷媒を圧縮する低段圧縮機構と、この低段圧縮機構の低段側回転軸と連動して回転する高段回転軸に取り付けられた高段スクリューロータ及び当該高段スクリューロータの圧縮溝と勘合して従動する高段ゲートロータとの回転運動によって上記低段圧縮機構からの吐出冷媒を圧縮する高段圧縮機構と、を備えた二段スクリュー圧縮機において、上記低段側回転軸と上記高段側回転軸とを一体のほぼ同軸径で形成すると共に、上記低段スクリューロータと上記高段スクリューロータとを共通化し、さらに、上記低段スクリューロータに対して一対の対向する上記低段ゲートロータを勘合させると共に、上記高段スクリューロータに対して上記高段ゲートロータを一個のみ勘合させて圧縮するようにしたものである。
【0022】
また、上記低段スクリューロータに対して一対の対向する上記低段ゲートロータを勘合させると共に、上記高段スクリューロータに対して上記高段ゲートロータを一個のみ勘合させて圧縮するようにしたものである。
【0023】
また、上記高段ゲートロータと上記低段ゲートロータとを共通化させたものである。
【0024】
また、上記高段ゲートロータと上記低段ゲートロータとの上記回転軸に対する互いの取付位相角度が相違するように配置し、この配置した各ロータを覆う高・低段ケ−シング室の蓋の取付部が互いに干渉しないようにしたものである。
【0025】
また、上記高段圧縮機構のゲートロータと低段圧縮機構のゲートロータとの上記回転軸に対する互いの取付位相角度差が90度になるように構成したものである。
【0026】
また、高段側軸受が、上記一体で形成された回転軸の反モータ側高段端部の近傍に設けられると共に、低段側軸受が、上記回転軸のモータ側低段端部の近傍に設けられ、これらの高段側軸受と低段側軸受とでのみ上記回転軸を支腸するようにしたものである。
【0027】
また、上記高段スクリューロータと低段スクリューロータとを一体で形成したものである。
【0028】
また、中間軸受が、上記高段側軸受と低段側軸受との間に設けられ、上記回転軸の撓みが大きい時は、当該回転軸を支腸し、上記回転軸の撓みが小さい時は、当該回転軸を支腸しないものである。
【0029】
また、上記回転軸の撓みが大きい時は、当該回転軸を支腸し、上記回転軸の撓みが小さい時は、当該回転軸を支腸しない中間軸受の構造が、当該中間軸受の上記回転軸に対する隙間寸法を上記高段側軸受または低段側軸受の上記回転軸に対する隙間寸法より大きくした構造のものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における二段スクリュー圧縮機の圧縮機構部の概念斜視図である。この図において、1は高段スクリューロータ、2はこの高段スクリューロータ1の圧縮溝1aに勘合されて従動する高段ゲートロータであり、これのスクリューロータ1とゲートロータとで高段圧縮機構部が構成されている。
【0032】
また、この図の3は高段側へ低圧冷媒を供給する低段圧縮機構部の低段スクリューロータ、4はこの低段スクリューロータ3の圧縮溝3aに勘合されて従動する対の低段ゲートロータ、5は高段・低段ロータ1、2に接続され、後述する電動機11の回転駆動力を高段スクリューロータ1と低段スクリューロータ3に伝達するためのスクリュー軸、6はスクリュー軸5を支える軸受であり、この軸受6は低段側主軸軸受6a、中間軸受6b 、高段側主軸軸受6cで構成されている。また、11はこのスクリュー軸5に接続され、高段・低段の各機器を駆動する電動機である。
【0033】
図2は、この図1に示した圧縮機の各機器を収納するケーシングの横フタを取付けた図であり、この図において、14は圧縮機の1から13まで等の各機器を収納するケーシングであり、このケーシング14は高段圧縮機構の各機器等を収納する高段ケーシング室14aと、この高段ケーシングに接続され、低段圧縮機構の各機器等を収納する低段ケーシング室14bと、この低段ケーシング室に接続され、電動機11を収納するモータケーシング14cとで構成されている。
また、15は高段圧縮機構ケーシング室の横フタ、16は低段圧縮機構ケーシングの横フタである。
【0034】
図3は従来のスクリューロータとゲートロータ(a)の大きさと、本発明のスクリューロータとゲートロータ(b)の大きさとを対比させた図であり、この図の(a)及び(b)に示すφdは、高段スクリューロータ1の内部を貫通するスクリュー軸5の径である。
【0035】
また、この図3の(a)に示すように、従来技術のものは、高段スクリューロータ1と勘合する高段ゲートロータ2をそれぞれ一対(2個)で構成していたが、本実施の形態においては図3(b)に示すように、高段スクリューロータ1に対して高段ゲートロータ2を1個セットするだけで高段側圧縮機構を構成する。
【0036】
次に、この構成と動作について説明する。
これらの図に示すように、従来の高段側圧縮機の冷媒押し退け量は、斜線で示す2ヶ所の歯溝容積の和であるのに対し、本実施の形態の冷媒押し退け量は図3の(b)に斜線で示す1ヶ所の圧縮歯溝容積分のみとなるため、その押し退け量を従来の高段圧縮機構と同等とし、かつ前述したように高・低段圧縮比における冷媒比容積の関係から、高段と低段の体積流量比を概ね1:2程度にしなければならないので、この約2倍の体積にするためには、高段の約2倍の体積になっている低段のスクリューロータ3及び低段ゲートロータ4を高段側に用いるか、あるいは、ほぼ同じ構造のものを高段側に用いるとよいことが解る。
【0037】
しかも、このようにすると、即ち、高段スクリューロータ1及び高段ゲートロータ2と低段のスクリューロータ3及び低段ゲートロータ4とを同一または概ね同等サイズの部品にすると、各構成部品の共通化が図れ、部品点数が少なくなり、加工性、組立性、部品の管理が容易になる。
【0038】
また、当然のことながら、高段側が一対になっていないものは、高段ゲートロータ本体2a、ゲートロータサポート2b、そのサポート2bの軸受2cおよび2f、ハウジング2dおよび2gなどの各構成部品が片側分のみで済む。
【0039】
しかも、この時、図3からも解るように、高段スクリューロータ側のスクリュー軸5を低段スクリューロータ3側と同じ径にすると、スクリュー軸の加工の簡略化も図れ、しかも軸径が従来の高段側スクリュー軸径より太くなるため、スクリュー軸5の剛性が向上し、撓み量が少くなるので、特に、高段側スクリューロータ1に対して高段ゲートロータ2を1個のみで従動させる構造にすることができ、高段圧縮機構の部品点数の縮減が図れる。
【0040】
また、高・低段のスクリュー軸を一体のほぼ同軸径にすると、高段圧縮機構の部品点数の縮減が図れるだけでなく、高・低段軸回りの軸受6等の部品の共通化も図れる。
【0041】
以上説明したように、高段側スクリュー軸径と低段側スクリュー軸径とをほぼ同じ径の一体構造にすると、軸がほとんど撓まないようになり、高段側スクリューロータ1に対して高段ゲートロータ2を1個のみで従動させる構造にすることができるようになるため、高段圧縮機構の部品点数の縮減が図れると共に、軸廻り部品の共通化が図れ、加工性・組立性が良く、経済的で、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0042】
また更に、高段と低段のスクリューロータ及ゲートロータとをほぼ同じものにすると、更に部品点数の縮減が図れると共に、加工性・組立性が良い経済的な二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0043】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2を示す概念斜視図であり、上記実施の形態1では高段ゲートロータ2の軸に対する取付位相を低段ゲートロータ4と同じ位相で取り付けたものを示したが、本実施の形態では、図4に示す通り、低段ゲートロータ4に対する高段ゲートロータ2の軸の取付位相角を変えて取り付けるようにしたものである。
【0044】
次に、この構成と動作について説明する。
一般的に、二段スクリュー圧縮機においては、組立上必要な部品である圧縮機構の高段横フタ15および低段横フタ16は高・低段ロータの取付位相に対応して取付けることになる。
従って、実施の形態1の図1のように、高段ゲートロータ2と低段ゲートロータ4とが軸径方向(軸の円心方向)に対して同位相角度で取り付けられたものでは、図2に示すように、高段横フタ15と低段横フタ16との取付部が互いに干渉しないように、即ち、互いの取付部が重なり合わない構造にする必要があった。
【0045】
しかし、この実施の形態では、低段ゲートロータ4と高段ゲートロータ2とをスクリュー軸の回転位相角度に対して取付角度を変えて取り付けるようにしたので、低段・高段ゲートロータのスクリュー軸の取付位相角度によって規制される高段横フタ15と低段横フタ16もスクリュー軸に対しての取付位相角度が変化するため、互いの取付部の投影部分が干渉しても、実際の取付部が互いに干渉しないようになる。
【0046】
以上説明したように、この実施の形態においては、低段と高段ゲートロータをスクリュー軸の円心位相角度に対して取付位相角度を変えて取り付けるようにしたので、高段横フタと低段横フタの取付部の投影部分が互いに干渉して良いように、即ち、互いの取付部が投影重畳してもよいようになるため、この重畳した分だけ、軸方向寸法が短くなり、運転時の温度による熱膨張等の影響を小さくできるようになるため、コンパクトで、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0047】
また更に、高段ゲートロータ2と低段ゲートロータ4との回転軸に対する取付位相角を変えることにより、高段ケーシングの吐出側スクリュー軸延長上の部位に高段容量制御ピストン12と低段容量制御ピストン13(図13参照)を並列に配置できるようになるため、さらに高・低段スクリューロータ1、3、及び高・低段ゲートロータ2、4の間隔を短縮できるようになるので、更に軸方向の寸法が短くなったコンパクトな二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0048】
実施の形態3.
この実施の形態3においては、実施の形態2における高段ゲートロータ2と対向する一対の低段ゲートロータ4との取付位相角度差を90度にしたものである。
このような構成にすると、実施の形態2と同様の効果が得られると共に、特に、二段スクリュー圧縮機の被加工品(ケーシング)を固定して、一般の加工機械で加工ツールを回転させながら加工したりする場合は、加工ツールに曲げ力が作用する斜め方向からの加工が少なくなると共に、組立時等の回転作業が少なくなるため、加工・組立性が良い経済的な二段スクリュー圧縮機を得ることができる。
【0049】
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4を説明する平面断面図であり、この実施の形態4においては、これまでに説明した実施の形態1〜3で説明した中間軸受6bを無くし、スクリュー軸5を低段軸受6aと高段軸受6cで支えるようにしたものである。
この図5において、6a、6cはスクリュー軸5を支持する低・高段軸受であり、主として半径方向(軸の円心方向)の荷重を支持するとともに、軸芯方向のスラスト荷重も支持する。
【0050】
なお、一般的に、高段スクリューロータに対して一対の高段ゲートロータ2を有するスクリュー圧縮機は、実施の形態1〜3で説明したように、高段ゲートロータ2が1個で、一対になっていないもの比べ、スクリュー軸5に曲げ荷重が常に作用して撓みが発生し易くなるので、この撓みをできるだけ少なくするために、軸受間距離を短かくしたり、あるいは、スクリュー軸5を太くしたりして曲げ剛性を上げ、撓みを少なくすることが行われる。
また逆に、軸の軸受間曲げ剛性が十分大きい時には、軸受間距離を長く、あるいは、スクリュー軸5の径を細くして曲げ剛性を下げることが行われる。
【0051】
従って、この実施の形態においては、実施の形態1のように高段側のスクリュー軸5を低段側のスクリュー軸5と同じ径にし、高段側のスクリュー軸径を太くして曲げ剛性を上げたり、あるいは、実施の形態2、3のように軸芯方向の寸法を短くして曲げ剛性を上げたりして、中間軸受6bを無くし、スクリュー軸5を低段軸受6aと高段軸受6cで支えるようにしたものである。
【0052】
なお、このように、高段スクリューロータ1と低段スクリューロータ3との間の中間軸受6bを無くすると、この無くした中間軸受6bの寸法分だけスクリュー軸5をさらに短くできるので、さらに、軸の曲げ剛性を向上させることができる。
【0053】
以上説明したように、中間軸受6bを無くして2点支持構成にしたので、少ない軸受構成で、後述する軸に対する各軸受廻りの軸芯ズレを吸収しながら、軸芯方向寸法を短くできるようになるため、軸の撓みが少なく、小型化された経済的で、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機を得ることができる。
【0054】
また、高段及び低段のスクリューロータ間の中間軸受6bを無くしたものにおいては、高段スクリューロータ1と低段のスクリューロータ3とを一体化することができるようなるため、このようにすると、構成部品が少なくなると共に、高段と低段のスクリューロータの間隔が更に短縮するため、より更に組立性が改善され、小型化された二段スクリュー圧縮機を得ることができる。
【0055】
実施の形態5.
図6は、この発明の実施の形態5を示す平面の断面図である。
この図6に示すように、この実施の形態においては、高段スクリューロータ1と低段スクリューロータ3との間に、スクリュー軸5の軸芯方向のスラスト荷重及び軸径方向の支持荷重を支腸する中間軸受6bを設け、かつ、この中間軸受6bと軸5との間隙間17が、低段軸受6a又高段軸受6cと軸5との隙間より大きくして、当該中間軸受6bを補助軸受として活用するものである。
【0056】
言い換えれば、高段スクリューロータ1と低段スクリューロータ3の間のスクリュー軸5上に中間軸受6bを配置し、圧縮負荷が軽い時(通常時)は、スクリュー軸5を低段軸受6aと高段軸受6cで支え、圧縮負荷が重い時は、スクリュー軸5を低段軸受6a、中間軸受6b及び高段軸受6cで支えるようにし、中間軸受6bを補助軸受として活用するものである。
【0057】
次に、この動作について説明する。まず、スクリュー軸5に圧縮負荷が架り、圧縮負荷が軽い時(通常負荷時)は、スクリュー軸5の撓みが少ないので、低段軸受6a又高段軸受6cと軸5との径方向の隙間より大きい中間軸受6bとスクリュー軸5との径方向の隙間17によって、中間軸受6bはスクリュー軸5を支えず、低段軸受6aと高段軸受6cとがスクリュー軸5を支える。その結果、スクリュー軸は中間軸受6bと軽く接触しながら、低段軸受6aと高段軸受6cとに支持されて回転する。
【0058】
また、圧縮負荷が重い時、即ち、冷媒が液状態で圧縮機へ吸入されたり、または高圧が上がってケーシング室と圧縮室との圧力差が大きくなった時には、スクリュー軸5に大きな曲げ力が作用し、スクリュー軸5が撓むので、この撓みにより中間軸受6bの隙間17が無くなり、中間軸受6bはスクリュー軸5を支えるようになる。従って、スクリュー軸5は低段軸受6a、補助軸受としての中間軸受6b、並びに高段軸受6cによって支えられ、3点支持されながら回転する。
【0059】
なお、このようにすると、圧縮負荷が軽い時は、組立後の軸5と軸受6との軸芯ズレを隙間17によって吸収しながらスムースに回転するようになるが、実施の形態1のように、軸5の支持を3点支持の構造にすると、軸を受け入れる各軸受6a、6b、6cの軸芯ズレや、これらの各軸受を受け入れるケーシングの受口の軸芯ズレや、あるいは、軸自体の軸芯ズレ等を隙間17によって吸収する構造になっていないため、組立後の軸5と軸受との芯ズレが大きい時は、軸5が軸受6に噛みついて回転しなくなったり、軸受面に偏荷重が架かって焼き付いたりたり、あるいは、振動が大きくなったりする。
【0060】
しかし、本実施の形態のように、中間軸受6bの径方向(遠心方向)に隙間17を設け、この隙間17によってズレを吸収しながら軸5を2点支持しながら回転させるようにすると、圧縮負荷が軽い時でも、重い時でも、軸5はスムースな回転をするようになる。
【0061】
以上説明したように、軸5と低段軸受6a又高段軸受6cとの隙間より大きい隙間を中間軸受と軸との間に設け、中間軸受を補助軸受としてスクリュー軸5を支えるようにすると、軸芯ズレ(同芯度ズレ)を吸収しながら、軽負荷にも、重負荷にも対応するようになるため、回転廻りの不具合を防止した信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0062】
なお、中間軸受6bの径方向に隙間17を設ける時、図7に示すように、中間軸受6bの外輪とケーシングの中間軸受ハウジングとの間に設けても良いし、あるいは、図8に示した構成のように、中間軸受6bの内輪とスクリュー軸5との間に隙間17を設けても良いし、あるいは、図9に示すように、その軸受内部に、軸受ハウジングと転がり部の間に隙間17を設けた中間軸受6bを用いても良い。
【0063】
実施の形態6.
図10、11、12は、この発明の実施の形態6の概略構成図であり、これらの図において、7はスクリュー軸5の高段側端面に設けられ、高段軸端面室である高段スクリュー背面室、8はこの高段スクリュー背面室7と高段側の吐出室との間に設けられ、高段側の高圧冷媒が高段スクリュー背面面室7へ流れるのを防止する高段シール部、18はスクリュー軸5の内部に設けられ、高段スクリュー背面室側スクリュー軸5の端面と低段側ケーシング室を連通させて均圧する均圧通路である。
【0064】
また、図11、12に示すように、14はケーシングであり、このケーシング14は高段圧縮機構の各機器等を収納し、中間圧(低段吐出圧)に維持された高段ケーシング室14aと、この高段ケーシングに接続され、低段吸入圧に維持された低段ケーシング室14bと、この低段ケーシングに接続され、中間圧に維持されたモータケーシング14cとで構成され、前述の高段軸端面室である背面室7は高段ケーシング室14aの高段スクリュー軸端面側に設けられ、低段吸入圧に維持されている。
なお、図12は図11の中間軸受6bを除去したものである。
【0065】
次に、この動作について説明する。まず、スクリュー軸5の内部に設けられた連通孔18の一方を高段スクリュー背面室7と連絡させ、その他方を低段側ケーシング室と連絡させ、背面室7の圧力を低段側ケーシング室の圧力と同じ低圧にするので、この低圧が反モータ側に設けられた高段軸端面室の高段スクリューロータ1及び軸5の端面に架る。一方、モータ側の低段スクリューロータ3及び軸5の端面のそれぞれには、図11、12に示すように、低圧及び中間圧が架る。
【0066】
即ち、スクリュー軸5のモータ側端面に架る圧力は、高圧(16ata)と低圧(1ata)との間の中間圧力(4ata)になっており、かつ、そのモータ側の低段スクリューロータの端面に架る圧力が、低圧(1ata)になっているのに対し、反モータ側のスクリュー軸5の端面に架る圧力が、低圧(1ata)になっており、かつ、その反モータ側の高段スクリューロータの端面に架る圧力が、低圧(1ata)になっており、アンバランスになっているものの、モータ側の低段スクリューロータの端面の面積が反モータ側の高段スクリューロータの端面面積よりも小さくしているため、結果としてスラスト方向の荷重はバランスする。
従って、軸5の軸芯方向の力がバランスするので、スクリュー軸5が軸芯方向に移動することなく回転するようになるため、スクリュー軸5に装着された高・低段スクリューロータもその位置で回転しながら冷媒を圧縮するようになる。
【0067】
以上説明したように、連通孔により高段軸端面室を低段ケーシング室とほぼ同じ圧力にし、スクリューロータ軸の両端面のスラスト方向の力をバランスするようにしたので、低段側の背面室とシール部が不要とな、少ない構成部品で、スムースに回転する経済的で、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0068】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0069】
上記低段側回転軸と上記高段側回転軸とを一体のほぼ同軸径で形成すると共に、上記低段スクリューロータと上記高段スクリューロータとを共通化し、さらに、上記低段スクリューロータに対して一対の対向する上記低段ゲートロータを勘合させると共に、上記高段スクリューロータに対して上記高段ゲートロータを一個のみ勘合させて圧縮するようにしたので、スクリューロータ及び軸廻り部品の共通化が図れ、加工性・組立性が良なくると共に、軸がほとんど撓まないようになるため、撓みに起因した不具合が解消され、特に、高段ゲートロータの部品点数の縮減が図られ、経済的で、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0071】
また、高段ゲートロータと低段ゲートロータとを共通化したので、高・低段の体積流量比を概ね1:2になるように、即ち高・低段の圧縮比が概ね等しくなるようにしながら、更に部品点数の縮減が図れると共に、加工性・組立性が良い経済的な二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0072】
また、高段ゲートロータと低段ゲートロータとの回転軸に対する互いの取付位相角度が相違するように配置し、この配置した各ロータを覆う高・低段ケ−シング室の蓋の取付部が互いに干渉しないようにしたので、軸方向寸法が短くなり、軸に架るモーメント力が減少すると共に、運転時の温度による熱膨張等の影響が小さくなるため、コンパクトで、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0073】
また、高段圧縮機構のゲートロータと低段圧縮機構のゲートロータとの上記回転軸に対する互いの取付位相角度差が90度になるように構成したので、斜め方向からの加工が少なくなるため、加工性が良い経済的な二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0074】
また、高段側軸受が、一体形成された回転軸の反モータ側高段端部の近傍に設けられると共に、低段側軸受が、上記回転軸のモータ側低段端部の近傍に設けられ、これらの高段側軸受と低段側軸受とでのみ上記回転軸を支腸するので、少ない軸受構成で、軸に対する各軸受廻りの軸芯ズレを吸収しながら、軸芯方向の寸法が短くなるため、軸の撓みが少なく、小型化された経済的で、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0075】
また、高段スクリューロータと低段スクリューロータとを一体で形成したので、構成部品が少なくなると共に、高段と低段のスクリューロータの間隔が更に短縮するため、より更に組立性が改善され、小型化された経済的な二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0076】
また、中間軸受が、高段側軸受と低段側軸受との間に設けられ、回転軸の撓みが大きい時は、当該回転軸を支腸し、回転軸の撓みが小さい時は、当該回転軸を支腸しないような構造にしたので、軸芯ズレ(同芯度ズレ)を吸収しながら、軽負荷にも、重負荷にも対応するようになるため、回転廻りの不具合を防止した信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【0077】
また、上記回転軸の撓みが大きい時は、当該回転軸を支腸し、上記回転軸の撓みが小さい時は、当該回転軸を支腸しない中間軸受の構造が、当該中間軸受の上記回転軸に対する隙間寸法を上記高段側軸受または低段側軸受の上記回転軸に対する隙間寸法より大きくした構造なので、簡単な構成で、軸芯ズレ(同芯度ズレ)を吸収しながら、軽負荷にも、重負荷にも対応するようになるため、簡単に回転廻りの不具合を防止する経済的で、信頼性の高い二段スクリュー圧縮機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す二段スクリュー圧縮機の概念斜視図である。
【図2】 図1における高段及び低段圧縮機構の横フタの干渉を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1と従来の技術とにおけるスクリューロータ及びゲートロータの大きさの違いを示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2を示す二段スクリュー圧縮機の概念斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態4を示す二段スクリュー圧縮機の概念図である。
【図6】 この発明の実施の形態5を示す二段スクリュー圧縮機の概念図である。
【図7】 この発明の実施の形態5の一例を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態5の他の実施例を示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態5の他の実施例を示す説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態6を示す二段スクリュー圧縮機の概念図である。
【図11】 この発明の実施の形態6を示す二段スクリュー圧縮機の概略構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態6の他の実施例を示す二段スクリュー圧縮機の概略構成図である。
【図13】 従来の二段スクリュー圧縮機の水平断面図である。
【図14】 図11の断面XII−XIIを示す断面図である。
【図15】 従来の二段スクリュー圧縮機の概略内部構成図である。
【符号の説明】
1 高段スクリューロータ、 2 高段ゲートロータ、 3 低段スクリューロータ、 4 低段ゲートロータ、 5 スクリュー軸、 5a 高段スクリュー軸、 5b 低段スクリュー軸、 6a 軸受、 6b 中間軸受、 6c軸受 、 7 高段スクリュー背面室、 8 高段シール部、 14 ケーシング、14a高段ケーシング室、 14b 低段ケーシング室、 14cモータケーシング室、 15 高段ケーシング室の横フタ、 16 低段ケーシング室の横フタ、 17 隙間、18 通路。

Claims (8)

  1. 低段側回転軸に取り付けられた低段スクリューロータ及び当該低段スクリューロータの圧縮溝と勘合して従動する低段ゲートロータとの回転運動によって冷媒を圧縮する低段圧縮機構と、この低段圧縮機構の低段側回転軸と連動して回転する高段回転軸に取り付けられた高段スクリューロータ及び当該高段スクリューロータの圧縮溝と勘合して従動する高段ゲートロータとの回転運動によって上記低段圧縮機構からの吐出冷媒を圧縮する高段圧縮機構と、を備えた二段スクリュー圧縮機において、上記低段側回転軸と上記高段側回転軸とを一体のほぼ同軸径で形成すると共に、上記低段スクリューロータと上記高段スクリューロータとを共通化し、さらに、上記低段スクリューロータに対して一対の対向する上記低段ゲートロータを勘合させると共に、上記高段スクリューロータに対して上記高段ゲートロータを一個のみ勘合させて圧縮するようにしたことを特徴とする二段スクリュー圧縮機。
  2. 上記高段ゲートロータと上記低段ゲートロータとを共通化させたことを特徴とする請求項に記載の二段スクリュー圧縮機。
  3. 上記高段ゲートロータと低段ゲートロータとの上記回転軸に対する互いの取付位相角度が相違するように配置し、この配置した各ロータを覆う高・低段ケ−シング室の蓋の取付部が互いに干渉しないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の二段スクリュー圧縮機。
  4. 上記高段圧縮機構のゲートロータと低段圧縮機構のゲートロータとの上記回転軸に対する互いの取付位相角度差が90度になるように構成したことを特徴とする請求項に記載の二段スクリュー圧縮機。
  5. 高段側軸受が、上記一体で形成された回転軸の反モータ側高段端部の近傍に設けられると共に、低段側軸受が、上記回転軸のモータ側低段端部の近傍に設けられ、これらの高段側軸受と低段側軸受とでのみ上記回転軸を支腸するようにしたことを特徴とする請求項1からまでのいずれかに記載の二段スクリュー圧縮機。
  6. 上記高段スクリューロータと低段スクリューロータとを一体で形成したことを特徴とする請求項5に記載の二段スクリュー圧縮機。
  7. 中間軸受が、上記高段側軸受と低段側軸受との間に設けられ、上記回転軸の撓みが大きい時は、当該回転軸の径方向荷重を支腸し、上記回転軸の撓みが小さい時は、当該回転軸の径方向荷重を支腸しないことを特徴とする請求項に記載の二段スクリュー圧縮機。
  8. 上記回転軸の撓みが大きい時は、当該回転軸の径方向荷重を支し、上記回転軸の撓みが小さい時は、当該回転軸の径方向荷重を支しない中間軸受の構造が、当該中間軸受の上記回転軸に対する径方向の隙間寸法を上記高段側軸受または低段側軸受の上記回転軸に対する径方向の隙間寸法より大きくした構造であることを特徴とする請求項に記載の二段スクリュー圧縮機。
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