JP2998347B2 - 同期回転形スクロール流体機械 - Google Patents

同期回転形スクロール流体機械

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JP2998347B2
JP2998347B2 JP3281010A JP28101091A JP2998347B2 JP 2998347 B2 JP2998347 B2 JP 2998347B2 JP 3281010 A JP3281010 A JP 3281010A JP 28101091 A JP28101091 A JP 28101091A JP 2998347 B2 JP2998347 B2 JP 2998347B2
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/023Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where both members are moving

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、渦巻状ラップと鏡板で
構成されたスクロール部材を有する一対のスクロール部
材が共に回転するように構成されたもので、それぞれの
スクロール部材に対し各々に駆動軸が連結されていて、
この駆動軸により一対のスクロールを同期回転させるこ
とによってスクロール作動室内で気体を圧縮し、冷凍,
空調用や一般用の圧縮機として用いられる容積形回転圧
縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術のスクロール流体機械には、一
方のスクロールを固定し他方のスクロールを一定半径の
もとで旋回運動させて気体を圧縮もしくは移送するもの
と、本発明のように一対のスクロール部材を共に回転さ
せながら気体を圧縮もしくは移送するものとがある。こ
れら二種類のスクロール流体機械は、スクロールラップ
と鏡板で形成される圧縮作動室が気体を圧縮する基本動
作はいずれも同じであるが、スクロール部材の駆動機構
が異なっている。本発明に係わる従来技術は、一例とし
て、例えば、特開昭57−173502号公報に記載されてい
る。この従来例は前者のように一方のスクロールを固定
し、他方のスクロールを一定半径のもとで旋回運動させ
て気体を圧縮するように構成されたスクロール圧縮機を
示すものである。従って、駆動軸はその一部分がスクロ
ールラップ形状に適合して一定距離だけ偏心したクラン
ク軸を構成している。旋回スクロールは回転運動ではな
く旋回運動を行うため、旋回スクロールと駆動軸は別体
になっていてその結合部分は滑りを伴う回転運動になっ
ている。
【0003】後者の圧縮機は、一対のスクロール部材に
各々モータを取り付けてそれぞれのスクロール部材を共
に回転させながら気体を圧縮させる同期回転形のスクロ
ール圧縮機であって、例えば、特開昭64−15480 号公報
に記載されている。このスクロール圧縮機は、各々駆動
軸にスクロール部材が一体的に設けられており、一方の
駆動軸を他方の駆動軸心からその垂直方向に一定距離ず
らした状態でスクロール部が互いに噛み合わされて圧縮
室を構成している。駆動軸は軸受要素によってスクロー
ル部材とは遠く離れた部位で回転可能に軸支されてお
り、二つのモータが同時に回転することによってスクロ
ール部材も回転し、この結果圧縮作動室内で気体が圧縮
される。気体は、スクロールの外周部から圧縮作動室内
に取り込まれ、圧縮された高圧の気体は一方の駆動軸内
を通って機外へ排出されるようになっている。スクロー
ル部材を駆動軸と共に回転させるため、駆動軸とスクロ
ール部材は一体的に構成されている。回転スクロールの
軸方向位置は、駆動軸の位置決めによって適当な位置に
配置されている。圧縮作動室内の気体の圧力によって両
スクロール部材は、お互いが離れるようなスラスト力を
受けるが、これらの力は駆動軸で受けるようになってい
る。さらに他の公知技術として特開昭63−9691号公報に
記載されている同期回転形スクロールがある。これは特
開昭64−15480号公報に記載された圧縮機と構造ほぼ同
様な構成になっていて、異なる部分は駆動軸とスクロー
ル部材が別体的に配置されていることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第一の公知例では、固
定スクロールに対して旋回スクロールだけを安定駆動さ
せる技術としては適しているが、旋回スクロールと駆動
軸とを別体構造として、駆動軸と旋回スクロールとが互
いに滑りあうような構成になっている。さらには、旋回
スクロールの回転阻止部材の配設により旋回スクロール
部材は駆動軸の回転とは無関係に一定の姿勢が保たれて
しまうので、スクロール部材を旋回運動させることは可
能であるが回転させることはできない。従って、本構造
では、基本的に両方のスクロール部材を回転させて気体
を圧縮させる圧縮機として適用することができない。ま
た、第二の公知例を空調機に適用した場合では、圧縮機
の運転時には、冷房運転や暖房運転等種々の運転条件が
あるので、これらの運転条件に応じてスクロール部材や
駆動軸はかなり高い温度になることがある。従って、運
転中の駆動軸等の軸方向の熱膨張は無視できないレベル
になる。この結果、組立て時には適当な軸方向隙間があ
ったものでも、回転スクロール部材と駆動軸とが一体的
に構成されていると駆動軸の熱膨張がスクロール部材の
軸方向隙間に直接的に影響するため、運転中には不適当
な軸方向隙間になってしまうという問題がある。すなわ
ち、熱膨張によって軸方向隙間が無くなり両スクロール
が衝突し合って摩擦仕事が増大したり、最悪の場合には
モータの出力トルクより摩擦仕事が大きくなってスクロ
ール部材が回転しなくなるという問題がある。また、ス
クロール部材と駆動軸とを一体的に構成すると、この部
品全体を加工するときの加工精度を高精度におこなおう
とするには種々の治工具が必要になったりして、生産技
術的に不利な場合も生じることがある。第三の公知例で
は、スクロール部材を支持するものが駆動軸になってい
る点が問題である。すなわちこの問題は、第二の公知例
にも共通して言えるものでありスクロールの安定支持が
十分でなく、特にこのように構成された両回転形のスク
ロール圧縮機を空調機用として適用する場合については
運転中の負荷が大きいため、駆動軸やスクロールが変形
し易いという問題があった。すなわち、これを空調機と
して運転すると、冷媒ガスの圧力は高く、吸入側でおお
よそ0.5MPa前後、吐出側でおおよそ2MPa前後
にもなるときがある。従って、圧縮作動室内のガスによ
るスラスト力やラジアル力は非常に大きなものとなる。
公知技術では、このラジアル力をモータ軸を介して受け
なければならないように構成されているため、駆動軸が
倒れるような変形が生じることもある。一方、両方のス
クロール部材を同期させて回転するには、両スクロール
の中心軸の偏心量と両スクロールの噛み合い状態におけ
るスクラップの可動範囲量とが一致しなくてはならな
い。従って、圧縮機運転中に上記したような駆動軸の変
形が生じると両スクロールの中心軸の偏心量が設計値と
異なって来るのでスクロールラップ同士が半径方向で強
く接したり、または、回転不能になるなど運転に際して
大きな支障になる。しかし、第二及び第三の公知例では
このようなことを避けるため方策については、十分な考
慮がなされていない。
【0005】本発明の目的は、一対のスクロール部材に
それぞれ駆動軸を結合させて同時に2つのスクロール部
材を同じ方向に回転させて気体を圧縮させる同期回転形
スクロール流体機械において、スクロール部材の姿勢を
正しく保ち、駆動軸の変形によるスクロール部材への影
響を小さくした同期回転形スクロール流体機械を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、鏡板上に渦
巻状のラップを有する第1の回転スクロールと、鏡板上
に渦巻状のラップを有しこの第1の回転スクロールのラ
ップと互いに噛み合わされて組み合わされた第2の回転
スクロールと、前記第1の回転スクロールを駆動する第
1の駆動軸と、前記第2の回転スクロールを駆動する第
2の駆動軸とを備えた同期回転形スクロール流体機械に
おいて、前記第1の回転スクロールの反ラップ側に設け
られたボス部を回転可能に軸支する第1の軸受部材と、
前記第2の回転スクロールの反ラップ側に設けられたボ
ス部を回転可能に軸支する第2の軸受部材と、前記第1
の回転スクロールのボス部と前記第1の駆動軸とを軸方
向に移動可能にする第1の結合手段と、前記第2の回転
スクロールのボス部と前記第2の駆動軸とを軸方向に移
動可能にする第2の結合手段とを備えることにより達成
される。
【0007】
【作用】このように構成された同期回転形スクロール流
体機械では、両スクロール部材に対してその背面部の直
近に設けたボス部を回転可能に軸支することによって、
圧縮機運転中にも両スクロールの回転中心をそれぞれの
スクロール部材の中心軸に一致させることができる。従
って、圧縮機運転中にも駆動軸の変形などの影響を最小
限に抑えて、両スクロールの中心軸は組立て時に適正に
配置した偏心量を保つことができるので、スクロールラ
ップ同士が適当な径方向すきまを保った状態で回転しあ
うことができる。また、軸受支持点がスクロール部に近
く、しかも駆動軸との結合部をこの軸受範囲内で配置さ
せたことにより、両スクロール部材が安定した姿勢で回
転することができる。さらに、スクロール部材と駆動軸
とを別体で構成したことによりそれぞれの部品をより短
時間で高精度に加工することができる。さらに、上記し
たように、両スクロール部材が安定した姿勢で回転する
ことができるので、スクロールラップ間の隙間はスクロ
ール自身の加工精度によってほぼ決定されることにな
り、隙間管理が十分にできるので圧縮機の性能を高く維
持することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明す
る。図1は密閉形の同期回転形スクロール流体機械を空
調機用圧縮機として適用したものであり、まずこの構成
から説明する。1a,1bは密閉ケーシングで、2a,
2b及び、3a,3bは電動要素で2がモータステー
タ、3がモータロータである。4a,4bはハーメチッ
ク端子5a,5bや、吐出配管14a,14bを備えた
側部ケーシングであって密閉ケーシング1に溶接などの
締結手段によって固定されている。ハーメチック端子5
とモータステータ2の巻線とは電気的に接続されてお
り、外部からの電力供給を受けることができるようにな
っている。そして、左右二つに配置された密閉ケーシン
グ1a,1bは、回転スクロール6の外側(すなわち圧
縮機から見ればほぼ中央部)で溶接などの締結手段によ
って結合されている。この密閉ケーシング1a,1b
は、結合部分近くの構造が異なる以外はほぼ同じ構造に
なっている。7a,7bは駆動軸で、モータロータ3に
焼嵌め等の連結手段によりこれらが一体化されている。
この駆動軸7a,7bは、クランク部がなく真直に構成
されており、一方の端部を補助軸受支持板11a,11
bに固定された軸受12a,12bによって回転可能に支
持され、他端は密閉ケーシング1の中心部に配設した主
軸受支持板9に固定されたすべり形主軸受10a,10
bによって、回転スクロール6a,6bの中央部に構成
されたボス部8a,8bを介して回転可能に支持され
る。また、その内部には貫通孔15a,15bが形成さ
れている。この貫通孔15a,15bは、他端が吐出室
21a,21bに開口されると共に、油分離室22a,
22bに開口する流路16a,16bが設けられてい
る。駆動軸7a,7bと回転スクロール6a,6bのボ
ス部8a,8bは圧入や焼嵌めなど、いわゆる結合時に
はすきまのない嵌めあい状態で結合されており、駆動軸
7a,7bの回転トルクを該回転スクロール6a,6b
に十分伝えられるようになっている。回転スクロール6
a,6bのモータ側に構成されたボス部8a,8bの外
周面は、すべり軸受10a,10bに対向した滑り面を
構成している。このすべり軸受10の中心は駆動軸7の
中心に合致しておりさらに、回転スクロール6の中心が
この駆動軸7の軸心に一致している。回転スクロール6
a,6bの外周部のラップが設けられている面には互い
に凸面が構成されており、回転スクロール6aおよび6
bがお互いに近づくように移動すると、まず最初にこの
スクロール6の外周部に設けた凸面部同士でスラスト方
向にほぼ接するように配置されている。従って、この状
態では両方の回転スクロールのラップ先端面と相手側ラ
ップ底面との間にできる軸方向隙間は微小量に保たれ
る。さらに、一対のスクロールは両方の主軸受支持板に
サンドウィッチ状に配設されるが、組立て時にはこの一
対のスクロール部材が運転中にスムーズな回転運動が行
えるように、軸方向に多少ではあるが移動可能なように
なっている。また、この外周部には複数個の吸入流路1
7が径方向に形成されている。また、密閉ケーシング1
にはこの吸入流路17に連通する吸入配管13が設けら
れている。第一の回転スクロール及び、第二の回転スク
ロールは、互いに渦巻状ラップを内側にして噛み合わさ
れていて圧縮作動室が形成されている。そして、第一の
回転スクロール6aの中心は第一の駆動軸7aの中心に
合わせて配置されている。第二の回転スクロール6bの
中心は、第一の駆動軸7aの中心からこれに垂直方向に
一定距離偏心して配置されている第二の駆動軸7bの中
心に合わせて配置されている。この結果、一対の回転ス
クロール6a,6bは、両方の駆動軸7の回転と共に同
一方向に回転することが出来るようになっている。密閉
ケーシング内には、潤滑油20a,20bが収納されて
いて、この油面高さを左右等しくするために均油孔25
が主軸受支持板9の外側に設けられている。さらに、吐
出室21aと吐出室21bの圧力を等しくするために均
圧孔24が主軸受支持板9の外側に設けられている。ま
た、主軸受部の潤滑状態を良好に保つため、一端が潤滑
油中に開口する給油孔23a,23bが主軸受支持板9
a,9bの中に設けられている。圧縮機運転中は、ガス
圧縮に伴ってガス圧力によるスラスト力が発生するが、
このスラスト力を受けるためそれぞれの回転スクロール
6の背面に対向して主軸受支持板9にスラスト軸受19
a,19bを配置してある。このスラスト軸受19は、
図5に示すように相手部材が回転することによって動圧
を発生することができる、いわゆる、動圧形グルーブ軸
受を適用することができる。
【0009】次に図1の動作について説明する。ハーメ
端子5から電力供給を受けることにより2aと3aで構
成される第一のモータと、2bと3bで構成される第二
のモータが同時に回転する。これによって、第一の回転
スクロール6aと第二の回転スクロール6bが同じ方向
に同じ速度で回転する。これに伴い、冷媒ガスが密閉ケ
ーシング1に設けられた吸入ポート13を通って吸入圧
空間26へ入り、さらに回転スクロール6に設けられて
いる吸入流路17を通って圧縮作動室内に取り込まれ、
中心に向って移動するに従い昇圧される。高圧になった
ガスは、吐出ポート18から駆動軸7に設けられている
貫通孔15を通って密閉ケーシング1内の吐出室空間2
1および、油分離空間22に吐き出される。そして、こ
のガスが空間21に充満すると吐出配管14から機外へ
排出される。
【0010】本実施例によれば、スクロール部材6をそ
れぞれ単独でラジアル軸受とスラスト軸受によって軸支
することができるので、圧縮動作中に作用するラジアル
方向の負荷やスラスト方向の負荷に対抗してスクロール
部材6を安定した状態で回転させることができる。ま
た、スクロール部材6に対して軸方向にはスラスト軸受
19が機能し、圧縮作動室内のスラストガス力に打ち勝
ってスクロールラップが互いに近づく様に力が作用する
ので、スクロールラップ間の軸方向隙間は常に小さく維
持される。さらに、スクロール部材6と駆動軸7とを別
体構造としたのでスクロール部材の高精度加工が容易と
なることと相まって、スクロール部材6の安定支持によ
って、運転中のスクロールラップ間の隙間管理が容易に
なる。また、駆動軸7やスクロール部材6には両方共同
じような大きさのスラスト力が作用するため、スクロー
ル部材6が一方向に押しつけられることが無いのでスク
ロール部材6が他の部材に強く接触するような事が無く
なる。また、さらに、駆動軸7には、クランク部がない
ため偏心質量による遠心力が作用しない。従って、軸受
負荷も軽減されるので機械摩擦損失を小さく保つことが
できるので、圧縮機としては高速回転時においても全体
として性能を高く維持することができる。運動部品は、
そのほとんどがモータの回転中心を中心とする回転運動
であり、往復運動部品がないので高速運転においても低
振動を達成できる。
【0011】次に、第二の実施例について本発明を空調
機用圧縮機に適用した場合を図2に従って説明する。図
2は図1の中心部に相当する圧縮機構部の主要断面図で
ある。その他の構成は図1と同じであり以下は、第一の
実施例と異なる部分を重点に説明する。第一の回転スク
ロール6aと第二の回転スクロール6bは、それぞれラ
ップが構成されている面とは反対側に主軸受10a,1
0bと組み合わされる軸部分を構成している。そして、
スクロールボス部の内側は駆動軸7a,7bの一方の端
部とそれぞれ組み合わされていて、かつ、モータの回転
トルクをスクロールに伝達することができるように、組
合わせ部分の軸直角断面が矩形に構成された状態で係合
している。さらに、スクロール部材の組立て性や運動の
安定性を考慮して、係合部では互いに軸方向に移動可能
なようになっている。両回転スクロール6a,6bは、
お互いにラップ側面が接触しながら互いに係合してお
り、二つのモータがそれぞれ同一方向に回転すると同時
に第一の回転スクロール6a及び第二の回転スクロール
6bも互いに同期して回転することができる。回転スク
ロール6の外周部には環状凸部34a,34bが構成さ
れており、この凸部34a,34bは互いに軽く接し摺
動可能なように組み立てられている。また、回転スクロ
ール6bの背面には環状に形成された中間圧室32が設
けられており、回転スクロール6bの鏡板に設けられた
円周上に複数個の連通孔31によって圧縮作動室内とこ
の中間圧室32とが連通している。他方の回転スクロー
ル6aの背面部には、主軸受支持板9aに配設されて動
圧形軸受19が設けられている。また、動圧形軸受19
の外周部と給油孔23aは、細孔33によって連通して
いる。この動圧形軸受19は、一例として図5に示す構
成の物が用いられている。図5は、動圧形グルーブ軸受
を示すもので、環状平板にスパイラル状の浅い溝35a
が等間隔で設けられている。従って、溝の外周部では幅
が広くなっており、内周部では反対に狭くなっている。
【0012】次に、図2の動作について説明する。両方
の回転スクロール部材6a,6bが回転することによっ
て、作動ガスは吸入配管13から吸入孔17を通って圧
縮作動室内に取り込まれる。圧縮作動室は、回転スクロ
ール6a,6bの回転にともなって容積を縮少させなが
ら中央部へ移動するため、作動ガスは昇圧され吐出孔1
8から駆動軸7内の貫通孔15に排出される。この実施
例では、スクロール部材6は単独でラジアル軸受10や
スラスト軸受19で支持されているので運動の安定性が
保たれ、さらには駆動軸7との係合部が固定されていな
いので駆動軸7の変形や熱膨張が直接的にスクロール部
材6に影響することがなく、スクロール部材6の運動を
より安定度の高い状態に確保できる。さらに、第二の回
転スクロール6bの背面に環状に形成された中間圧室3
2には、連通孔31によって圧縮作動室内のガスが充満
する。回転スクロール6aや6bの背面部で外周部に設
けた凸部30a,30bは、その側面部がシール能力を
有しており両方のスクロールが軸方向に多少移動しても
そのシール能力は損なわれないようになっていて、中間
圧室32内のガス圧力を一定に保つ働きがある。また、
中間圧室32内のガスの圧力は、吸入圧力と吐出圧力の
中間の圧力レベルになっており、圧縮作動室内で作用す
るスラスト荷重に対抗できる力を発生することができ
る。このスラスト支持力は負荷の大きさに応じて自動的
に追従できるので、圧縮機の回転速度すなわちスクロー
ルの回転速度に関係無く常に適度な支持力を得ることが
出来る。一方、動圧形軸受19では細孔33から流入し
た流体によってスクロールの回転速度が大きくなればな
るほど大きなスラスト支持力を発生することが出来る。
従って、高速域ではこの動圧形軸受によってスクロール
部材6aは相手スクロール部材6b側に押しつけられる
ので、両スクロールはお互いに軸方向隙間が小さい状態
で回転することが出来る。さらに、低速回転時には動圧
軸受では動圧の発生が見込めないが、他方の中間圧室に
よるスラスト力によってスクロール6bは相手スクロー
ル6a側に押しつけられ支持される。従って、広い回転
速度範囲において、回転スクロールは相手部材との強い
接触が未然に防止されるのでスムーズな回転運動を達成
できると共に、圧縮作動室内のガス漏れを小さく押さえ
ることができる。これに関連した他の実施例として、両
方共中間圧式気体軸受としたり、両方共動圧軸受を配設
することもできるが、前者の場合両方のスクロール部材
が軸方向に安定しにくいという問題が生じ、後者の場合
には、低速回転時に両スクロールが互いに離れてしまう
という恐れがあって実施することは可能であるが若干の
損失を伴うことになる。
【0013】次に、第三の実施例について本発明を空調
機用圧縮機に適用した場合について図3に従って説明す
る。図3もまた同期回転形スクロール圧縮機主要部の断
面を示したものである。以下もまた、二つの実施例と異
なる部分を重点に説明する。第一の回転スクロール6a
の背面には、動圧形スラスト軸受37と気体軸受の能力
を兼ね備えた中間圧室38を複合したスラスト軸受を配
設してある。中間圧室38は、環状に形成されていてこ
の中間圧室38は、連通孔31によって圧縮作動室内と
連通しており、運転中には圧縮作動室内のガスが充満す
る。その外側の動圧形スラスト軸受37は、図5に示す
ようなグルーブ形スラスト軸受を適用することができ
る。第二の回転スクロール6bの背面には、転がり軸受
によって構成されている固定形のスラスト軸受39を配
設してある。両方の回転スクロール6は、その背面部に
設けた軸受ボス部8の外側で主軸受10によって回転可
能なように軸支されている。また、両方の回転スクロー
ル6は、その背面部に設けた軸受ボス部8の内側がスプ
ライン軸継ぎ手44によって駆動軸7と係合しており、
駆動軸の回転トルクはこのスプライン部分で伝達される
ので、スクロール部材6は駆動軸7の回転と共に容易に
回転することができる。さらに、スプライン軸継ぎ手4
4のところではスクロール部材6と駆動軸7とがお互い
に軸方向にスライドできるようになっている。本実施例
では、圧縮機運転中には第一の回転スクロール6aと第
二の回転スクロール6bはスラスト軸受によってサンド
イッチ状に挟支されるため、軸方向にわずかに移動可能
なように配置されて、スクロールラップ間の隙間は好適
な状態になる。一方、スクロール部材6と駆動軸が別体
で軸方向に移動できるようになっているので、駆動軸7
が熱膨張してもスクロール部材6はその影響を受けるこ
とはない。従って、スクロール部材6の組合わせ部分で
はその軸方向隙間が一定に保たれ、スクロールラップの
先端面等は、好適な状態で回転することが出来る。
【0014】次に、第四の実施例について本発明を圧縮
機に適用した場合について図4に従って説明する。図4
もまた同期回転形スクロール圧縮機主要部の断面を示し
たものである。以下もまた、三つの実施例と異なる部分
を重点に説明する。スクロールボス部8の内側ではキー
継ぎ手43によって駆動軸7と係合しており、駆動軸の
回転トルクはこのキーの部分で伝達されるので、スクロ
ール部材6は駆動軸7の回転と共に容易に回転すること
ができる。さらに、キー継ぎ手43のところではスクロ
ール部材6と駆動軸7とがお互いに軸方向にスライドで
きるようになっている。本実施例では、圧縮機運転中に
は第一の回転スクロール6aと第二の回転スクロール6
bはスラスト軸受によってサンドイッチ状に挟支される
ため、軸方向にわずかに移動可能なように配置されて、
スクロールラップ間の隙間は好適な状態になる。一方、
スクロール部材6と駆動軸が別体で軸方向に移動できる
ようになっているので、駆動軸7が熱膨張してもスクロ
ール部材6はその影響を受けることはない。従って、ス
クロール部材6の組合わせ部分ではその軸方向隙間が一
定に保たれ、スクロールラップの先端面等は、好適な状
態で回転することが出来る。また、第一の回転スクロー
ル6aの背面部に相対して、主軸受支持板9aに収納さ
れて滑り式スラスト軸受と圧電素子41がセットになっ
て配設されている。この圧電素子41は、圧縮機運転条
件に応じて出力電圧を制御できる駆動回路(図示せず)
とケーブル42によって接続されている。他方、第二の
回転スクロール6bの背面部にはこれに対応して滑り式
スラスト軸受40bが他方の主軸受支持板9bに配設さ
れている。このような状態で圧縮機が運転されると、ス
クロール6内ではスラスト力が発生するがこれに打ち勝
つように圧電素子41に電圧を供給することにより、駆
動軸7とスクロール部材6とが別体構造になっているの
で両スクロールの軸方向隙間を小さく、常に一定に保つ
ことが出来る。この実施例では、圧電素子41を動作さ
せるため、圧縮機運転条件に応じて出力電圧を制御でき
る駆動回路が必要であるが、出力電圧を制御するために
は一例として、吸入圧力や吐出圧力を検出して行うこと
が出来る。また、他の方法では、圧縮機の温度を検出し
て制御することもできる。このように、駆動軸7とスク
ロール部材6とが別体構造として圧電素子41を使用す
ることにより負荷の大きさや熱膨張量に応じて人為的に
スクロールラップ間の軸方向隙間を最適状態にすること
が出来る。
【0015】次に、第五の実施例について図6に従って
説明する。図6は同期回転形スクロール圧縮機主要部の
スクロールボス部8における係合部の軸直角断面を示し
たものである。以下もまた、四つの実施例と異なる部分
を重点に説明する。この実施例では駆動軸7とスクロー
ル部材6との係合部だけについて示しているようにその
他の構成は四つの実施例を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。駆動軸7は、係合部において円弧の部分と
直線部分によって構成されている。ボス部内側は円形で
一部分に凹部を備えている。そして、駆動軸とボス部内
側の間にできた空間に嵌め合わされてまわり止め45が
配設されている。このまわり止めにはボス部8の内側に
設けられた凹部に係合する突起部46が設けられてい
る。駆動軸7が回転するとこの突起部46によって回転
トルクがスクロール部材6に伝達されて、駆動軸7とス
クロール部材6が同時に回転することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、一対のスクロール部材
にそれぞれ駆動軸を結合させて同時に2つのスクロール
部材を同じ方向に回転させて気体を圧縮させる同期回転
形スクロール流体機械において、スクロール部材の姿勢
を正しく保ち、駆動軸の変形によるスクロール部材への
影響を小さくした同期回転形スクロール流体機械を提供
することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】本発明の第二の実施例を示す圧縮機主要部の断
面図。
【図3】本発明の第三の実施例を示す圧縮機主要部の断
面図。
【図4】本発明の第四の実施例を示す圧縮機主要部の断
面図。
【図5】動圧形スラスト軸受の他の一実施例を示す平面
図。
【図6】本発明の圧縮機の主要部におけるボス部の軸直
角断面図。
【符号の説明】
6a…第一の回転スクロール、6b…第二の回転スクロ
ール、7a…第一のモータ軸、7b…第二のモータ軸、
9…主軸受支持板、10…滑り軸受、17…吸入ポー
ト、18…吐出ポート、19…スラスト軸受、23…給
油孔、31…連通孔、32…環状中間圧室、34…スク
ロール鏡板凸部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−78587(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板上に渦巻状のラップを有する第1の回
    転スクロールと、鏡板上に渦巻状のラップを有しこの第
    1の回転スクロールのラップと互いに噛み合わされて組
    み合わされた第2の回転スクロールと、前記第1の回転
    スクロールを駆動する第1の駆動軸と、前記第2の回転
    スクロールを駆動する第2の駆動軸とを備えた同期回転
    形スクロール流体機械において、前記第1の回転スクロ
    ールの反ラップ側に設けられたボス部を回転可能に軸支
    する第1の軸受部材と、前記第2の回転スクロールの反
    ラップ側に設けられたボス部を回転可能に軸支する第2
    の軸受部材と、前記第1の回転スクロールのボス部と前
    記第1の駆動軸とを軸方向に移動可能にする第1の結合
    手段と、前記第2の回転スクロールのボス部と前記第2
    の駆動軸とを軸方向に移動可能にする第2の結合手段と
    を備えた回転形スクロール流体機械。
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