JP2001012365A - 外周駆動形スクロール圧縮機 - Google Patents

外周駆動形スクロール圧縮機

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JP2001012365A
JP2001012365A JP11182397A JP18239799A JP2001012365A JP 2001012365 A JP2001012365 A JP 2001012365A JP 11182397 A JP11182397 A JP 11182397A JP 18239799 A JP18239799 A JP 18239799A JP 2001012365 A JP2001012365 A JP 2001012365A
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茂 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧縮機運転時に、旋回スクロールの両側に形成
される圧縮作動室のスラスト隙間が好適に維持され、か
つ両圧縮作動室の圧力状態を等しく安定に保つことがで
きる外周駆動型スクロール圧縮機を提供する。 【解決手段】運転時の相対熱膨張差を考慮して、軸受1
0aを固定した固定スクロール2a側にある圧縮作動室
15のスクロールラップ2b,3cの先端部と該先端部
に対向する歯底面との隙間が、軸受12aを配設した固
定スクロール1a側にある圧縮作動室14のスクロール
ラップ1b,3bの先端部と該先端部に対向する歯底面
との隙間より小さくなるように、スクロールラップ2
b,3cの高さを、スクロールラップ1b,3bの高さよ
り高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方のロータが旋
回運動することによって圧縮作動室の容積を減じながら
気体を圧縮する旋回運動形容積式圧縮機であって、特に
渦巻状に構成されたスクロール部材によって三日月状の
圧縮室が複数個形成される特徴を有するスクロール圧縮
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機の基本的な動作原理を
説明する。この圧縮機は鏡板に渦巻状のラップを直立し
て設けた2つのスクロール部材を互いに噛み合わせて、
一方のスクロール部材を他方のスクロール部材に対して
自転しないように拘束しながら相対的に旋回運動させる
ことによって、前記両スクロール部材で構成される圧縮
作動室の大きさを順次変化させる形式のもので、旋回ス
クロールを旋回運動させることによってスクロール部材
の外周部から中央部に向かって気体を移送・圧縮させる
ものである。
【0003】この種のスクロール圧縮機においては、ス
クロールラップによって構成される圧縮室内の気体の圧
力によって旋回スクロールと固定スクロールとが相互に
離反する力を受ける構造のものや、旋回スクロール鏡板
の両面にラップを有しそれぞれの面に圧縮作動室を形成
して、旋回スクロールに作用する圧縮気体によるスラス
ト力をキャンセルさせる構造のものがある。
【0004】本発明に近い公知技術としては後者の技術
であり、例えば特開平7−310682号公報に開示さ
れている。この公知技術によれば、一対の固定スクロー
ルの間に配置され、鏡板の両側にスクロールラップを配
設した旋回スクロールは、その外周部に設けられた偏心
部を有する複数の駆動軸によって駆動されることによ
り、旋回スクロールが円滑に旋回運動して圧縮動作が行
われるように構成されている。
【0005】公知技術のように旋回スクロールの鏡板の
両側に圧縮室を形成する構造の圧縮機における基本的な
設計思想として、圧縮作動室を形成させるときの隙間の
設定、特にラップ先端面に形成される軸方向隙間は、旋
回鏡板の両側に形成される圧縮作動室に対してはほぼ同
様に設定されることが多い。
【0006】また、前記公知技術によれば旋回スクロー
ルと一対の固定スクロールは共にアルミニウム合金等で
構成されている。一方、スクロールの外周部に配置され
た複数の駆動軸の材質は明確に示されていないが、一般
的には負荷変動を受けて駆動力を受ける機械部品は鉄系
金属材料で構成されることが多い。
【0007】また、旋回スクロールの両側に構成されて
いる圧縮作動室は、共に同等の大きさで構成されていて
気体を圧縮するときに生ずるガス圧によるスラスト力が
等しくなるようになっている。また、圧縮作動室内には
一切潤滑油が混在していないので、圧縮性能を高く維持
するために両スクロールのラップ先端面には4弗化エチ
レン樹脂材料などを主成分とする樹脂材料で構成された
シール部材、すなわちチップシールが装着されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、旋回スクロールが外周部に配置された複数の駆動軸
で固定スクロールに対して位置決めされ、支持するよう
に構成されているので、次のような課題が発生する。す
なわち、スクロール圧縮機が圧縮動作を開始するにした
がって気体が断熱圧縮されるため、吐出気体は圧力が高
まると共に高温の状態になる。この高温の圧縮気体によ
ってスクロール部材をはじめとする圧縮機構成部品が加
熱され、高温の状態になる。また、駆動部品は軸受など
でも回転によって発生する摩擦力によっても加熱され
る。
【0009】一方、旋回スクロールは外周部を駆動軸に
よって位置決めされ、支持されているので、固定スクロ
ールとの相対位置関係が適正に保たれている。しかし、
圧縮機を運転すると、前述したように全ての部品が加熱
され、駆動時軸も同様に加熱される。この結果、駆動軸
が熱膨張すると駆動軸に支持された旋回スクロールも駆
動軸の熱膨張分だけ軸方向に移動する。従って、旋回ス
クロールと固定スクロール間の相対位置関係がずれると
いう問題があった。
【0010】旋回スクロールの鏡板の両側には固定スク
ロールが配置されていて、その鏡板の両側に圧縮作動室
が構成されているが、一方の圧縮作動室では両スクロー
ル間の軸方向隙間が拡大し、他方の圧縮作動室では両ス
クロールの軸方向隙間が減少することになる。このよう
な状況になると、軸方向隙間が拡大する側では、圧縮作
動室間における圧縮気体の漏れが大きくなり、圧縮機性
能の低下を引き起こす。さらには、漏れ気体の再圧縮に
よって高圧側の気体の温度がさらに上昇し、スクロール
部材などの変形量を増加させる恐れが生じる。
【0011】他方、スクロールラップ間の軸方向隙間が
減少する側では、設計時にもくろんでいた以上に隙間が
減少する恐れがあり、このような状態になるとチップシ
ールに悪影響を及ぼすことになる。すなわち、チップシ
ールは通常それ自身の背面に高圧の圧縮気体が作用する
ので、その力をシール力として利用しその先端部で圧縮
ガスの漏れを防止するようになっている。
【0012】ところが一方で、この種のチップシール材
料はアルミニウム合金に比べ3〜5倍程度も大きな線膨
張係数を有しているため、チップシール自身が加熱され
て熱膨張すると、チップシール装着溝内に充満しきれず
外側にはみ出るようになる。この時、チップシールの背
面圧力によってチップシール先端面と相手スクロールの
歯底面とは接触しているので、熱膨張するとチップシー
ル背面の空間を減少させることになる。
【0013】熱膨張が進行することによって前記空間が
減少し、ある温度以上になると空間が無くなって、チッ
プシール先端面が相手歯底面に接触するような事態が発
生する。そして、熱膨張が更に進行すると熱膨張分を吸
収する余裕が無くなり、チップシール先端面の接触面圧
が急激に増大することになる。
【0014】チップシールは、たいていの場合、複合樹
脂材料で構成されていて、相手面と接触しながら摺動す
るためにチップシール自身の摩耗が避けられない。しか
しながら、圧縮機運転中においてチップシールに作用す
るシール面圧が設計的に与えられた接触面圧であれば、
チップシールはいわゆるマイルドな摩耗状態になってい
るため摩耗速度は小さく、シール性能に対しては長期に
渡って十分な機能を発揮することができる。
【0015】ところで、チップシールの摩耗量は、摺動
面のすべり速度と接触面圧が大きく影響する。公知技術
のような圧縮機を必要放熱量を確保しないまま連続的に
運転を続けると、大きな熱膨張が発生し前記したように
旋回スクロールが軸の熱膨張を受けて一方の固定側に移
動したり、チップシール自身の熱膨張量も加算されて相
手歯底面に接触してしまうと、チップシールの接触面圧
が急激に増大する。この結果、チップシールの摩耗速度
が急激に大きくなる等、いわゆる異常摩耗が発生してし
まう恐れがあった。
【0016】さらに、駆動軸の熱膨張量がより大きくな
ると旋回スクロール鏡板の一方側に構成されたスクロー
ルラップは、相手方固定スクロールに必要以上に接近す
るためラップ先端面と相手歯底面とが直接接触する恐れ
が生じてくる。スクロール部材はアルミニウム合金で構
成されていること、ならびに無潤滑状態で接触すること
になるため、一定以上の押し付け力が作用するとラップ
先端面と相手歯底面との間に凝着摩耗などの異常摩耗状
態が引き起こされ、スクロールラップが焼きついたり、
折損したりするので圧縮機としての機能が損なわれる事
態が発生する。
【0017】本発明の目的は、上記問題点を解消するこ
とにあり、圧縮機運転時に、旋回スクロールの両側に形
成される圧縮作動室のスラスト隙間が好適に維持され、
かつ両圧縮作動室の圧力状態を等しく安定に保つことが
できる外周駆動型スクロール圧縮機を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第一の手段は、平行に配置された固定スク
ロールがあって、それらは互いにフランジ面で固定さて
いて、その内側に内包されるように配置された旋回スク
ロールがあり、旋回スクロール鏡板の両面に圧縮作動室
が構成され、旋回スクロールを該旋回スクロール鏡板の
外周部で駆動軸ならびに補助駆動軸で位置決めされなが
ら支持されるように構成された外周駆動形スクロール圧
縮機に対して、旋回スクロールを駆動する駆動軸ならび
に補助駆動軸の熱膨張量とスクロール部材の熱膨張量を
考慮して、旋回スクロール鏡板の両側に形成される圧縮
作動室に対して、組立て時のスクロールラップ先端部と
該先端部に対向する前記歯底面との隙間を、あらかじめ
アンバランスになるようにして、圧縮機を構成し、運転
時における圧縮作動室のスクロールラップ先端部と該先
端部に対向する前記歯底面との隙間が好適に維持される
ようにすることにある。
【0019】また、本発明の第二の手段は、それぞれの
スクロールラップ先端部にチップシールを装着している
ので、旋回スクロールを駆動する駆動軸ならびに補助駆
動軸の熱膨張量とスクロール部材の熱膨張量を考慮し
て、旋回スクロール鏡板の両側に配置されるチップシー
ルの飛び出し量を組立て時においてアンバランスになる
ように構成し、運転時におけるチップシールのシール面
圧を適正に保つことにある。
【0020】すなわち、第1の手段においては、前記課
題で説明したように以下の状況を回避するために発明さ
れたものである。それは、駆動軸や、補助駆動軸はそれ
ぞれを回転支持する軸受によって、いずれか一方の固定
スクロールに対して軸方向には固定された状態で組立て
られ、他方の固定スクロールに対しては熱膨張に対する
寸法の逃げなどを考慮して、可動状態に組立てられる。
【0021】従って、駆動軸や、補助駆動軸が固定支持
される側に近いほうの圧縮作動室では、駆動軸や、補助
駆動軸が熱膨張すると旋回スクロールの位置が軸の熱膨
張分だけ固定スクロールから離れるように移動してしま
うためスクロールラップ先端部と該先端部に対向する前
記歯底面との隙間が大きくなるような傾向になる。
【0022】反対に、駆動軸や、補助駆動軸が可動可能
な状態で支持される側に近いほうの圧縮作動室では、旋
回スクロールの位置が軸の相対的熱膨張量分だけ固定ス
クロールに近づくように移動してしまうためスクロール
ラップ先端部と該先端部に対向する前記歯底面との隙間
が小さくなるような傾向になる。
【0023】従って、前者の場合、すなわち駆動軸の固
定側に近いほうで、あらかじめスクロールラップ先端部
と該先端部に対向する前記歯底面との隙間を小さくする
場合には幾つか方法があるが、その1つに、旋回スクロ
ールの支持位置を軸受の固定側に近づける方法があり、
第2に、旋回スクロールの位置は変えないでスクロール
ラップの高さを大きくする方法、もしくはラップ底面の
位置を上げる方法等がある。
【0024】後者の場合、すなわち、あらかじめスクロ
ールラップ先端部と該先端部に対向する前記歯底面との
隙間を大きく設定するには、上記と反対にまず固定スク
ロールをわずかに旋回スクロールから離して固定する方
法があり、第2に旋回スクロールの位置は変えないで固
定スクロールラップの高さを小さくする方法、もしくは
旋回スクロールの位置は変えないで固定側ラップ底面の
位置を離す方法等がある。
【0025】これらの設定寸法は、駆動軸のサイズや圧
縮機の温度上昇値によって設計的に選択することができ
るが、これらの物理量は圧縮機構を決定すれば概略圧縮
機容量と大まかな相関性が有る。
【0026】ここで、前記設定寸法の例を挙げると、本
発明で対象にしている圧縮機は外周駆動形スクロール圧
縮機であるがこれを圧縮作動室内に潤滑油を供給しない
いわゆるオイルフリー機として利用する場合では、圧縮
機の容量で一例を挙げるとすると7.5kWないし11kW
容量のクラスであれば概略0.15mm〜0.05mm程度の
微少量を採ることができる。
【0027】次に、第2の方法としてスクロールラップ
先端部に装着したチップシールの飛び出し量の調整で対
応する場合について述べる。すなわち、前記した寸法は
チップシールの設定によって圧縮気体の漏れを抑えるこ
とができる量である。したがって、駆動軸や、補助駆動
軸が固定スクロール等に固定される側に近いほうでは、
チップシールがスクロールラップ先端部から多く飛び出
せるようにチップシールの装着溝の深さを浅くすること
で達成される。
【0028】反対に、駆動軸や、補助駆動軸が固定スク
ロール等に固定される側から遠いほうでは、チップシー
ルのスクロールラップ先端部からの飛び出し量が小さく
なるようチップシールの装着溝の深さを深くすることで
達成することができる。
【0029】さらに、第3の手段は、チップシール溝深
さを変えないで前記該駆動軸を支持する軸受を固定した
側の固定スクロールに近いほうで圧縮作動室を形成する
側に設けたチップシールの高さを、前記該駆動軸を支持
する軸受を軸方向に移動可能なごとく装着した側の固定
スクロールに近いほうで圧縮作動室を形成する側に設け
たチップシールの高さより高くして、それぞれチップシ
ールの装着溝に装着することにある。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態例に係わる
外周駆動形スクロール圧縮機の基本構成について、以
下、図に従って説明する。
【0031】図1は、本発明の一実施の形態例に係わる
外周駆動形スクロール圧縮機の全体構造を表す縦断面図
である。
【0032】図1に示すように、本外周駆動形スクロー
ル圧縮機は、旋回スクロールの鏡板外周部に2本の駆動
軸を配設して旋回スクロールを駆動する形式のものであ
り、渦巻き状に形成されたスクロールラップ1bを有す
る固定スクロール1とこれに同じように形成されたスク
ロールラップ2bを有する固定スクロール2が平行に配
置されており、その間に鏡板3aの両側に同じく渦巻き
状に形成されたスクロールラップ3bならびに3cを有
する旋回スクロール3がそれぞれの固定スクロールに噛
み合っている。
【0033】実質的には、旋回と固定両ラップは非接触
状態を保って噛み合うように構成され、旋回スクロール
3の鏡板3aの両側に圧縮作動室14と15を形成して
いる。この圧縮作動室14と15は、旋回スクロールの
旋回運動に伴って外周から中央へとその容積を減じなが
ら移動する(図5でこの様子を更に詳しく述べる)。
【0034】旋回スクロール鏡板の中央部付近にはこの
圧縮作動室を連通させる連通孔19が設けてある。ま
た、固定スクロール1及び、固定スクロール2はそのほ
ぼ中央部に吐出ポート9ならびに10が設けられ、固定
スクロール1ならびに2の外表面には放熱フィン1d、
2dが設けられている。
【0035】鏡板3aには圧縮作動室14や15とは独
立した貫通孔4が複数個設けられており、この貫通孔4
に外部から空気を流すことによって旋回スクロール3を
冷却することができる。
【0036】旋回スクロール3の鏡板外周部には偏心部
を有する駆動軸5と同じ偏心量の偏心部を有する補助駆
動軸6とが配置されており、旋回スクロール3はそれら
の駆動軸の偏心部分で軸受11a及び11bを介して回
転可能に係合している。
【0037】駆動軸5は、その一部分を固定スクロール
2に固定された転がり軸受10aと固定スクロール1に
設けた軸受12aによって回転可能な状態で軸支されて
おり、補助駆動軸6は、その一部分を固定スクロール2
に固定された転がり軸受10bと固定スクロール1に設
けた軸受12bによって回転可能な状態で軸支されてい
る。転がり軸受10は、駆動軸5や補助駆動軸6を固定
スクロール2に対して固定するため、軸方向移動を阻止
された状態に維持されている。
【0038】一方、軸受12は、その側面部に与圧ばね
などを配設して、軸方向に移動できるように配慮されて
いる。さらに、駆動軸5や6には、旋回スクロール3の
旋回運動に伴う不釣り合いを相殺するためにバランスウ
エイト7aと7bとが固定配置されている。
【0039】他方、駆動軸5とは対称の反対側に位置し
ている補助駆動軸6も、同様に旋回スクロール3の旋回
運動に伴う不釣り合いを相殺するためにバランスウエイ
ト8aと8bとが固定配置されている。
【0040】駆動軸5の端部には、プーリ16が相対滑
りを防止するための連結手段、例えばキー手段等を介し
て設けてあり、他に設置した動力源すなわち電動要素
(図6参照)から回転動力が供給されるようになってい
る。
【0041】さらに、駆動軸5と補助駆動軸6とはタイ
ミングベルト17によって両駆動軸の回転の同期性を保
つように、それぞれの軸に設けた歯付きプーリ13a、
13bなどを介して連結されている。
【0042】固定スクロール1と固定スクロール2は、
外周のフランジ面で互いの平行度を保った状態で固定さ
れるが、両者のフランジ高さが大きく異なっている。固
定スクロール1のほうは、ラップ高さより低い位置に構
成されていて、固定スクロール2はラップ高さより十分
に高く構成され、旋回スクロール全体を包むようにケー
シング構造となっている。
【0043】このため、固定スクロール2の内側には大
気と連通した空間18が存在している。この空間18は
旋回スクロール3が固定スクロール2内で運動するのに
必要な空間であると同時に、圧縮機の冷却を促進させる
ために冷却空気を流すための空間でもある。この空間1
8と圧縮作動室14、15とが連通状態にならぬよう
に、固定スクロールラップ1の外周部にはダストラップ
20が設けてある。
【0044】このダストラップ20は、図5に示すよう
に環状に形成されており、なおかつ、そのダストラップ
20の先端面には、ラップ先端部のチップシールのよう
に構成されたダストシールがダストラップ20の先端面
の凹部溝内に勘合して設けられていて、旋回スクロール
3の鏡板面と接触しながらシール機能を備えている。
【0045】また、反対側に配置している固定スクロー
ル2にも同様にダストラップ21とその先端にダストシ
ールが設けられていて、空間19の外気と圧縮作動室1
5が連通状態になることを防止している。
【0046】前記したように、固定スクロール2の外周
部にはフランジ部があり、固定スクロール1の外周部に
もフランジ部が配置されている。そして、互いの固定ス
クロール1と2がこのフランジ部においてボルト等によ
って結合されている。
【0047】結合の際、両固定スクロールのX−Y方向
ならびに回転方向等の相対位置を合わせる位置決め手段
によって、両固定スクロール1、2同志ならびに旋回ス
クロール3との相対位置関係が適正に保たれて組み立て
られ、圧縮動作に好適な圧縮作動室14や15が形成さ
れると同時に、旋回スクロール3がスムーズに旋回運動
できるようになっている。
【0048】図2は、図1の外周駆動形スクロール圧縮
機の側面図である。ただし、説明の都合上、放熱フィン
のカバーをはずした状態を示している。放熱フィン2d
は圧縮作動室の位置にほぼ対応させて固定スクロール2
の外表面中央部分に設けてあり、圧縮に伴って発生する
熱を効果的に除去できるように考慮され配置ている。
【0049】冷却空気は、図面上、上から下へと流れる
ように設計されている(詳細は後述する)。固定スクロ
ール2の側面には圧縮作動室15に連通する二つの吸入
口22、23が設けられている。
【0050】図には示していないが、固定スクロール1
にも同様な位置に吸入口が設けられ、圧縮作動室14に
気体が吸い込まれるように構成されている。固定スクロ
ール2はアルミ合金で製作されており、強度を補うため
に外表面にはリブ24が複数配置されている。
【0051】図3は、旋回スクロール3の概観を模式的
に示した図であり、スクロールラップ3bには固定スク
ロールラップ1bが噛み合う様子を表わしている。スク
ロールラップは鏡板3aを挟んで同じように形成された
スクロールラップ3cが設けられている。
【0052】図3に示すラップの噛み合い状況は、ある
回転角における状態を示したものであり、圧縮作動室1
4は、図示したように、両スクロールラップ1b、3b
によって三日月状に形成される。しかも同時に、複数の
圧縮作動室が形成される。
【0053】スクロールラップの先端部にはチップシー
ルの装着溝30があり、圧縮作動室内の気体が半径方向
に漏れ、より外側の圧縮作動室内に流入するのを阻止す
るためのチップシールを配設するようになっている。
【0054】軸受ホルダ穴25、26はスクロールラッ
プの外周にあって、鏡板3aと一体に構成されている。
旋回スクロールの鏡板3aには貫通孔4が複数個設けら
れており、内部ではそれぞれの貫通孔4が互いに合流で
きるようになっている。
【0055】図4は、図1の外周駆動形スクロール圧縮
機40を模式的に示した鳥瞰図である。旋回スクロール
3は固定スクロール1、2内に収納されて見えないが、
ここでは説明の都合上、必要部分のみ内部から取り出し
て示している。
【0056】固定スクロール2の上面には冷却空気取り
入れ口27が設けてあり、ここから流入する冷却空気は
旋回スクロール3の周囲や駆動軸5ならびに補助駆動軸
6の周りを流れると共に、旋回スクロール3の貫通孔4
の中にも流れる。また、固定スクロール1、2の放熱フ
ィンの外側にはカバーが設けてあり(図示せず)、該フィ
ンの周りも冷却空気の流路が構成されている。
【0057】圧縮機が運転されるとこれらの流路に冷却
空気が流れ、圧縮機を効果的に冷却することができる。
圧縮機の下部には支持足28a、28bが設けられ、こ
れによって架台等に固定され圧縮機は安定支持される。
【0058】図5は、圧縮機の内部構造の概略を説明す
るため、固定スクロール2に対して旋回スクロール3を
重ね合わせて示した模式図である。固定スクロールラッ
プ2bと旋回スクロールラップ3cとが噛み合って圧縮
作動室15を形成している。
【0059】図5に示するように、スクロール圧縮機で
は、圧縮作動室15が同時に多数が形成されているが、
圧縮機運転中は外周部が最も圧力が低く、中心部で最も
高い圧力になっている。
【0060】そして、スクロールラップを取り囲むよう
に固定スクロール側にダストラップ21が円環状に構成
されていて、その頂部にはチップシールと同様なシール
部材が配置されており、内部の作動室と外側の空間18
とは、概略遮断されている。
【0061】空間18には、上部に設けられた冷却空気
取り入れ口27から流入した空気が流れ込み、冷却空気
は、図5中に矢印で示したように、ダストラップ21の
周りや駆動軸5、6の周り、そして旋回スクロール3の
周りを流れ、下部に設けた排気口31から機外へ流出す
る。この間、高温部と効果的に熱交換し、スクロール部
材等を好適な温度に保つことができる。
【0062】図6は、図1の外周駆動形スクロール圧縮
機40を搭載した圧縮機ユニット装置の基本要素などの
一部を示す図である。コモンベース53の上に防振装置
44を介して圧縮機架台43と電動要素50が配置さ
れ、圧縮機架台43の上には更に圧縮機40が配設され
ている。
【0063】電動要素50は、一方にプーリ51を備
え、他方にファン54を備えている。プーリ51には、
圧縮機側プーリ16に連結するベルト52が配設され動
力伝達ができるようになっている。電動要素50の周り
には圧縮機40の冷却に必要な風量を得るためにファン
54に接続される流路45ならびに55が配設されてい
る。
【0064】これらの流路に沿った矢印は、冷却空気の
流れを示すものであり、ファン54の回転によって流入
する空気は、これらと平行して電動要素50周りを流れ
る冷却風もある。ファン54の出口側には排風ダクト5
6が設けられており、その内部には圧縮機からの吐出ガ
スを冷却するための熱交換器46が設けられている。
【0065】外周駆動形スクロール圧縮機40には、上
部の矢印で示したように、冷却空気は上から下へと流れ
るようになっていて、冷却空気取り入れ口27から圧縮
機内部を流れるものと、カバー41ならびにカバー42
で構成されたフィン周りの流路を流れるものとがある。
【0066】吐出ガスは高温高圧になっているので、圧
力調整弁47の手前側で排風ダクト56内に配設した熱
交換器46を設けて好適に冷却するようになっている。
【0067】通常、圧縮機ユニット装置は、前述した要
素全体を化粧を施した板金等で囲われているので、外観
からはこのように見ることはできない。なお、図6では
説明の都合上電源装置、運転制御装置、圧縮空気中の湿
分を調整するドライヤ装置なども省略している。
【0068】図7は、旋回スクロール3と一対の固定ス
クロール1、2の組み合わせ状況を示す模式図である。
図7に示すように、固定スクロール1、固定スクロール
2及び旋回スクロール3のそれぞれのスクロールラップ
先端部には4フッ化エチレン樹脂もしくはポリイミド樹
脂を主成分とする複合樹脂材料で形成されたチップシー
ル1c、2c、3d、3eがそれぞれ渦巻きに沿って設
けられている。
【0069】それぞれのチップシール1c、2c、3
d、3eは、スクロールラップ先端面に配置されている
わけであるが、各チップシール背面には圧縮作動室内の
高圧の気体が入り込んでいるため、この圧力によってチ
ップシールが装着溝30から飛び出して相手歯底面に当
接している。この結果、チップシール先端部では好適な
シール性能を維持できる。
【0070】また、本実施の形態例として、チップシー
ルをスクロールラップの渦巻きに沿った長さ方向でみる
と、全体が複数個に分割して設けられている。このチッ
プシールは、機能・性能上に特に問題が無ければ分割し
なくてもよいが、分割することによりチップシールの成
形性、組立性さらには、圧縮機運転時の熱膨張量の逃げ
を好適に設定することができるので、シール性能や信頼
性の向上を図ることができる。
【0071】また、前述したように、固定スクロール
1、2、それに旋回スクロール3は、それぞれアルミニ
ウム合金等に代表されるように軽くて、熱伝導性の良い
材料で構成されている。さらに、オイルフリー式圧縮機
を提供するためには、特にシリコンが多めに含有された
線膨張係数の小さいアルミニウム合金を適用することも
できる。
【0072】さらには、スクロールラップ接触時の摺動
性の向上、あるいは接触時の焼き付きなどに対して信頼
性の高いオイルフリー式外周駆動形スクロール圧縮機を
提供するため、図示してないが、スクロールラップの側
面や鏡板面などほぼ全面的にアルミニウム合金に適合す
る陽極酸化皮膜処理や無潤滑摺動条件下で摩擦・摩耗特
性に優れたコーティング等の表面処理を施すこともでき
る。
【0073】図7において、駆動軸5は、軸受10aに
よって固定スクロール2に対して軸方向の相対位置関係
が固定されている。旋回スクロール3も同様に軸受け1
1によって相対位置関係が固定されている。軸受12a
は固定スクロール1に対して移動できるように軸受側面
に与圧ばねなどを介して配設されている。
【0074】ところで、本発明で着目している所は、図
中、丸印で囲んだA、B、C、Dそれぞれのスクロール
ラップ先端部における相対寸法である。駆動軸5ないし
6の熱膨張量と固定スクロール2のケーシングの熱膨張
量が同じ状態であれば、圧縮動作中、圧縮作動室14、
15は、鏡板上下の圧縮作動室内のガス圧力の均衡が保
たれ圧縮ガスのスラスト力の総和がほぼ等しくなるた
め、旋回スクロール3の軸方向移動は発生しない。
【0075】このため、旋回スクロール3はいずれの固
定スクロール1、2に対しても強く押しつけられること
はなく、ラップの先端面には大きなスラスト荷重は作用
しないはずである。従って、スクロールラップ先端部で
の摺動損失を最小に維持することができるし、チップシ
ールの摩耗量も少ない状態で維持できる。
【0076】しかしながら、圧縮機運転中は、前記した
熱膨張量が同じような状態、すなわち固定スクロール2
を基準位置にしてみた場合、駆動軸5、6の熱膨張量と
固定スクロール1の位置の変化量とを同じに維持できる
ことは少ない。従って、駆動軸5が熱膨張すると、これ
に固定係止された旋回スクロール3はその熱膨張量に応
じて、固定スクロール1側に移動することになる。
【0077】この結果、公知技術等にあっては、丸印で
囲んだC部及びD部でスクロールラップ先端部と相手歯
底面との隙間が大きくなる傾向にあり、A部、B部では
反対にスクロールラップ先端部と相手歯底面との隙間が
小さくなる傾向にある。従って、C部及びD部では圧縮
作動室15の気体が低圧側に漏れやすくなり、圧縮機性
能の低下を引き起こす恐れがあった。
【0078】また、A部やB部ではチップシール3dや
1cが潰されて大きな面圧が作用したり、場合によって
はスクロールラップ先端部と歯底部分が直接接触するよ
うな事態が生じる恐れがあった。
【0079】さらには、これらの結果、圧縮作動室14
と圧縮作動室15の圧力レベルが不均衡になり旋回スク
ロール3に圧縮ガスによるスラスト力が作用したり、固
定スクロール1側の接触による摩擦力増大の結果、軸受
負荷が大きくなってその信頼性を損なう恐れがあった。
本発明は、未然にそれらの課題を回避する技術であり、
以下に述べる基本動作の後に、説明する。
【0080】次に、図1の外周駆動形スクロール圧縮機
の動作について説明する。図6の電動要素50に電力が
供給されると、ベルト52によって圧縮機プーリー16
に動力が伝達される。この結果、図1に示した駆動シャ
フト5が回転し、同時にタイミングベルト17によって
連結された補助駆動シャフト6が回転する。
【0081】二つの駆動シャフトに係合されている旋回
スクロール3は、自転を防止された状態で駆動シャフト
の偏心量に等しい半径の旋回運動がもたらされる。旋回
スクロール3の運動に伴って吸入ポート22、23等か
ら空気が吸入室22a、23a内等に流入する。
【0082】流入した空気は、圧縮作動室14と15に
よって体積を減じながら所定の圧力まで圧縮される。高
圧になった空気は、旋回スクロール鏡板に設けた連通孔
8によってほぼ等しい圧力で両方の固定スクロールに設
けた吐出ポート9、10から機外へ供給される。
【0083】この吐出圧力のレベルは、図6に示した圧
力調整弁47の開度によってほぼ一義的に決定されてい
る。圧縮動作中、圧縮作動室14、15は鏡板上下の圧
縮作動室内のガス圧力の均衡が保たれるため、場合によ
っては両方のスクロール中心部でも圧力がほぼ等しくな
るので鏡板に設けた連通孔19は設けなくてもよい。
【0084】一方、圧縮機の冷却風は、図6に示したフ
ァン54の回転により所定の流量が確保され、固定スク
ロールや旋回スクロールの内外面が同時に冷却され、圧
縮に伴って発生する熱量を適度に取り除くことができ
る。
【0085】図8は図7のA部に相当する部位の一実施
形態の拡大図、図9は図7のD部に相当する部位の一実
施形態の拡大図であり、室温状況下での組み合わせ状態
を示す図である。図8、図9に示すように、一方の旋回
スクロールラップ3bの先端面と相手固定スクロール1
の歯底面との距離をX1とし、他方の旋回スクロールラ
ップ3cの先端面と相手固定スクロール2の歯底面との
距離をX4とする時、X1>X4の関係を保って構成させ
ている。
【0086】これを達成すための具体的手法として、ま
ず第1に、固定スクロール1及び固定スクロール2のラ
ップ高さを同じにして、旋回スクロールラップ3bと3
cとの高さ寸法に差を与えることで達成できる。
【0087】第2の手法として、固定スクロールラップ
1、2のラップ高さを同じに設定すると共に、旋回スク
ロールラップ3bと3cとの高さを同じにして軸受11
との係合部(固定位置)を固定スクロール2の側に寄せ
ることによって達成できる。
【0088】第3の手法として、旋回スクロールラップ
3bと3cの高さを同じにして、固定スクロールラップ
1、2のラップ高さに差を与えるように設定することで
達成できる。
【0089】以上のように組み立てることにより、圧縮
機運転時は駆動軸5などの熱膨張によってX1とX4がほ
ぼ等しいか、少なくともX1>0の関係を維持すること
ができる。本実施の形態例によって、運転時のラップ先
端隙間が好適な状態に維持されるので、高い圧縮機性能
を有するオイルフリースクロール圧縮機を提供できると
共に、駆動軸の熱膨張量が大きくなってもスクロールラ
ップ先端面での接触を未然に防止することができる。
【0090】図10は、図7のB部に相当する部位の一
実施形態の拡大図、図11は図7のC部に相当する部位
の一実施形態の拡大図であり、固定スクロール1及び固
定スクロール2の両スクロールラップ先端部における旋
回スクロール3との組み合わせ状況を示す図である。ま
た、室温状況下での組み合わせ状態を示す図でもある。
【0091】図10、図11に示すように、一方の固定
スクロールラップ1bの先端面と相手旋回スクロール3
の歯底面3aとの距離をX2とし、他方の固定スクロー
ルラップ2bの先端面と相手旋回スクロール3の歯底面
3aとの距離をX3とする時、X2>X3の関係を保って
構成させている。
【0092】これを達成すための具体的手法として、ま
ず第1に、固定スクロール1及び固定スクロール2のラ
ップ高さを同じにして、旋回スクロール3の歯底面の位
置を調節して(たとえば外周面に対して段差を設けるな
ど)ラップ3bと3cの高さ寸法に差を与えることで達
成できる。
【0093】第2の手法として、固定スクロールラップ
1、2のラップ高さを同じに設定すると共に、旋回スク
ロールラップ3bと3cの高さも同じにして軸受11と
の係合部(固定位置)を固定スクロール2の側に寄せる
ことによって達成できる。これは、前記第1の手法と実
質的には同じようであるがX1=X2が成り立っている時
であり、さらに、旋回スクロール3のラップ高さと固定
スクロールのラップ高さが等しい場合に限られる。実際
的には前記条件が満たされることが少なくX1≠X2とな
っている場合が多い。
【0094】第3の手法として、旋回スクロールラップ
3bと3cの高さも同じにして、固定スクロールラップ
1、2のラップ高さに差を与えるように設定することで
達成できる。
【0095】前記第1の手法や第2の手法は、それぞれ
のスクロール部材において、部分的に基準面を設定し、
その面を基準にスクロールラップ噛み合い面(歯底面)
を一段と高く、もしくは低く構成することで達成でき
る。
【0096】図12は、第1の手法や第2の手法を採用
した時の旋回スクロール3と一対の固定スクロール1、
2の組み合わせ状況を示す模式図を示したものである。
【0097】図12において、旋回スクロール3に設け
た基準面3Zは、旋回スクロール3の外周面で固定スク
ロール側のチップシール1cが摺動しない面である。こ
れに対してラップ底面3Yは一段と低く構成され、例え
ば図10における設定寸法X2を得ている。
【0098】同様に、固定スクロール1に設けた基準面
1Zも旋回スクロール側に設けたチップシール3dが摺
動しない面である。これに対してラップ底面1Yは一段
と低く構成され、例えば図8における設定寸法X1を得
ている。このように段差を設定することによって組立て
時において上記寸法の確認作業が容易になるなど、作業
性が改善されると共に、メンテナンス時においても段差
寸法を測定することによって容易に設定寸法X1やX2を
知り得ることができる。
【0099】図13、図14は、旋回スクロール3のラ
ップ先端部における固定スクロール1、2との組み合わ
せ状況の他の例を示す部分拡大図であり、室温状況下で
の組み合わせ状態を示す図でもある。
【0100】本例では、設定寸法X1やX4に対しては、
図8、図9の状況と同様であり、ここでの説明は省略す
る。以下、図8、図9の例と異なる点について説明す
る。ここではチップシール背面部に設けた空間の寸法を
X5≧X6の関係に設定したことにある。
【0101】これを達成するための具体的手法は、チッ
プシール溝深さを同じにしてチップシール高さを変える
方法と、もう一つの手法は、チップシール高さを同じに
してチップシール溝深さを変える方法がある。
【0102】この方法によると、チップシールの熱膨張
量とスクロール材料であるアルミニウム合金材の熱膨張
量に差がある場合に特に有効である。すなわち、アルミ
ニウム合金と上記したチップシール材料では線膨張係数
が概略4倍程度と大きいことが知られている。
【0103】したがって、チップシールがラップと共に
加熱されると、先端部が相手歯底面に当接すると、その
後には背面の空間を減少させるように変形する。この
時、固定スクロール2の側では駆動軸5の熱膨張によっ
て設定寸法X4が大きくなる傾向にあり、チップシール
の熱膨張分の逃げを分担することができる。また、X6
を大きく取りすぎると運転中は常に大きな空間が生じて
圧縮気体も漏れの原因となるので適度な寸法に設定する
必要がある。
【0104】また、図13の旋回スクロール3bのラッ
プ先端部では設定寸法X1は駆動軸5の熱膨張によって
小さくなる寸法であり、仮にX5をあらかじめ小さな寸
法に設定するとチップシール3dの熱膨張分の逃げが取
れなくなり、その当接面では接触面圧が過大になってし
まう恐れがあったが、本例ではX5を大きく取ることに
よって、チップシール3dの熱膨張分を吸収できるので
上記当接面での面圧上昇を防止することができる。
【0105】本例により、旋回スクロール3や固定スク
ロール1、2のラップ先端に設けたチップシールの摺動
面圧が適度なレベルに保たれるので、長期に渡ってその
摩耗量を微小に保つことができ、圧縮機としても長期に
渡って高い性能を維持することができる。
【0106】また、チップシール交換時間を長く設定で
き、一定期間中の交換回数を削減できるので、チップシ
ール交換のための作業費も安価にすることができる。
【0107】また、本例を適用することにより、圧縮機
の信頼性や、チップシールの信頼性を公知技術の場合と
同じように設定すれば、逆にさらに高い吐出圧力(言い
換えれば高い吐出温度)が得られる圧縮機を提供するこ
とができる。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮機運転中における
圧縮作動室の軸方向隙間を好適に維持することができる
ので、圧縮作動室間の漏れを抑えて、高い性能のオイル
フリー式外周駆動形スクロール圧縮機を提供することが
できる。
【0109】また、ラップ先端面における気体の漏れ状
況が同じようになるので、運転時における両圧縮作動室
の圧力分布をほぼ等しくする作用が保たれ、旋回スクロ
ールの鏡板に作用するスラストガス力がキャンセルされ
る。この結果、軸受のスラスト力も小さくなるので軸受
の信頼性を高く保つことができる。
【0110】さらには、スクロールラップ先端部と相手
スクロール部材の底面との距離を運転時の駆動軸などの
熱膨張量を考慮して異なる寸法に設定したので、チップ
シール接触面における面圧を適度な大きさに保つことが
でき、チップシールの摩耗寿命を長く維持できる。
【0111】また、さらには、スクロールラップの先端
面と相手歯底面とのいわゆるスクロール母材同士の接触
を回避でき、信頼性の高いオイルフリー式の外周駆動形
スクロール圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例に係わるオイルフリー
式の外周駆動形スクロール圧縮機の全体構造を表す縦断
面図である。
【図2】図1の外周駆動形スクロール圧縮機の側面図で
ある。
【図3】図1の旋回スクロールの概観を模式的に示した
図であり、固定スクロールラッを噛み合わせた状態を示
す図である。
【図4】図1の外周駆動形スクロール圧縮機40を模式
的に示した鳥瞰図と、便宜的に内部から旋回スクロール
を取り出して示した概略の立体図である。
【図5】図1の外周駆動形スクロール圧縮機の内部構造
を示す模式図である。
【図6】図1の外周駆動形スクロール圧縮機を搭載した
圧縮機ユニット装置の基本構成を示す図で、圧縮機と電
動要素を一体化して冷却風の流路を示した圧縮機ユニッ
トの部分図である。
【図7】図1のスクロールラップの噛み合い状況を示す
断面図。
【図8】図7のA部の拡大図である。
【図9】図7のD部の拡大図である。
【図10】図7のB部の拡大図である。
【図11】図7のC部の拡大図である。
【図12】本発明の他の実施の形態例に係わる外周駆動
形スクロール圧縮機のスクロールラップの噛み合い状況
を示す断面図である。
【図13】図7のA部の他の例の拡大図である。
【図14】図7のD部の他の例の拡大図である。
【符号の説明】 1…固定スクロール、2…固定スクロール、3…旋回ス
クロール、4…冷却孔、5…主駆動軸、6…補助駆動
軸、7…バランスウエイト、8…バランスウエイト、9
…吐出ポート、10…吐出ポート、11…旋回軸受、1
2…軸受、13…タイミングプーリ、14、15…圧縮
作動室、16…プーリ、17…タイミングベルト、18
…空間、19…連通孔、20…ダストラップ、22、2
3…吸入孔、25…旋回軸受ボア、30…装着溝、40
…外周駆動形スクロール圧縮機、43…圧縮機架台、4
4…防振部材、45…冷却空気の流路、46…熱交換
器、47…吐出圧力調整弁、50…電動要素、51…プ
ーリー、52…ベルト、53…コモンベース、54…フ
ァン、矢印(--->)…冷却空気の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川野 勇 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所産業機器グループ内 Fターム(参考) 3H039 AA00 AA02 AA10 AA14 BB01 BB15 CC03 CC06 CC10 CC18 CC31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に渦巻き状に形成されたスクロールラ
    ップと歯底面とを有し互いに平行に配置された一対の固
    定スクロールの間に、鏡板の両面に渦巻き状に形成され
    たスクロールラップと歯底面とを有する旋回スクロール
    を配置し、前記両固定スクロールに回転可能に係止した
    複数の駆動軸によって前記旋回スクロールを旋回運動さ
    せることにより、前記鏡板の両側で前記両スクロールラ
    ップが噛み合って形成される圧縮作動室で気体を圧縮さ
    せる構成の外周駆動形スクロール圧縮機において、 前記旋回スクロールが係合する前記駆動軸を支持する軸
    受を、一方の固定スクロールには軸方向に動かないよう
    に固定し、他方の固定スクロールには前記駆動軸が軸方
    向に移動可能なように配設し、 かつ、前記軸受を固定した固定スクロール側にある圧縮
    作動室の前記スクロールラップの先端部と該先端部に対
    向する前記歯底面との隙間が、前記軸受を配設した固定
    スクロール側にある圧縮作動室の前記スクロールラップ
    の先端部と該先端部に対向する前記歯底面との隙間より
    小さくなるように、前記軸受を固定した固定スクロール
    側にある圧縮作動室の前記スクロールラップの高さを、
    前記軸受を配設した固定スクロール側にある圧縮作動室
    の前記スクロールラップの高さより高くしたことを特徴
    とする外周駆動形スクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】内面に渦巻き状に形成されたスクロールラ
    ップと歯底面とを有し互いに平行に配置された一対の固
    定スクロールの間に、鏡板の両面に渦巻き状に形成され
    たスクロールラップと歯底面とを有する旋回スクロール
    を配置し、かつ前記両スクロールラップの先端面に該先
    端面に対向する前記歯底面に当接するようにチップシー
    ルを装着し、前記両固定スクロールに回転可能に係止し
    た複数の駆動軸によって前記旋回スクロールを旋回運動
    させることにより、前記鏡板の両側で前記両スクロール
    ラップが噛み合って形成される圧縮作動室で気体を圧縮
    させる構成の外周駆動形スクロール圧縮機において、 前記旋回スクロールが係合する前記駆動軸を支持する軸
    受を、一方の固定スクロールには軸方向に動かないよう
    に固定し、他方の固定スクロールには前記駆動軸が軸方
    向に移動可能なように配設し、 かつ、前記軸受を固定した固定スクロール側にある圧縮
    作動室の前記スクロールラップの先端部に設けた前記チ
    ップシールの装着溝の深さを、前記軸受を配設した固定
    スクロール側にある圧縮作動室の前記スクロールラップ
    の先端面に設けたチップシールの装着溝の深さより浅く
    したことを特徴とする外周駆動形スクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】内面に渦巻き状に形成されたスクロールラ
    ップと歯底面とを有し互いに平行に配置された一対の固
    定スクロールの間に、鏡板の両面に渦巻き状に形成され
    たスクロールラップと歯底面とを有する旋回スクロール
    を配置し、かつ前記両スクロールラップの先端面に該先
    端面に対向する前記歯底面に当接するようにチップシー
    ルを装着し、前記両固定スクロールに回転可能に係止し
    た複数の駆動軸によって前記旋回スクロールを旋回運動
    させることにより、前記鏡板の両側で前記両スクロール
    ラップが噛み合って形成される圧縮作動室で気体を圧縮
    させる構成の外周駆動形スクロール圧縮機において、 前記旋回スクロールが係合する前記駆動軸を支持する軸
    受を、一方の固定スクロールには軸方向に動かないよう
    に固定し、他方の固定スクロールには前記駆動軸が軸方
    向に移動可能なように配設し、 かつ、前記軸受を固定した固定スクロール側にある圧縮
    作動室の前記スクロールラップの先端部に装着した前記
    チップシールの高さを、前記軸受を配設した固定スクロ
    ール側にある圧縮作動室の前記スクロールラップの先端
    面に装着したチップシールの高さより高くしたことを特
    徴とする外周駆動形スクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】内面に渦巻き状に形成されたスクロールラ
    ップと歯底面とを有し互いに平行に配置された一対の固
    定スクロールの間に、鏡板の両面に渦巻き状に形成され
    たスクロールラップと歯底面とを有する旋回スクロール
    を配置し、かつ前記両スクロールラップの先端面に該先
    端面に対向する前記歯底面に当接するようにチップシー
    ルを装着し、前記両固定スクロールに回転可能に係止し
    た複数の駆動軸によって前記旋回スクロールを旋回運動
    させることにより、前記鏡板の両側で前記両スクロール
    ラップが噛み合って形成される圧縮作動室で気体を圧縮
    させる構成の外周駆動形スクロール圧縮機において、 前記スクロールラップが相対的に運動する範囲に対向す
    る歯底面と前記運動する範囲外の歯底面とに段差を設け
    たことを特徴とする外周駆動形スクロール圧縮機。
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