JP3137109B2 - スクロール圧縮機及びそれに用いる旋回スクロール - Google Patents

スクロール圧縮機及びそれに用いる旋回スクロール

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JP3137109B2 JP11108907A JP10890799A JP3137109B2 JP 3137109 B2 JP3137109 B2 JP 3137109B2 JP 11108907 A JP11108907 A JP 11108907A JP 10890799 A JP10890799 A JP 10890799A JP 3137109 B2 JP3137109 B2 JP 3137109B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気圧縮機や冷凍・
空調用圧縮機として使用されるスクロ−ル圧縮機及びそ
れに用いられる旋回スクロールに係り、特に大形のスク
ロ−ル圧縮機を実現するのに好適な両側にラップを有す
る構造で、無潤滑で気体を圧縮し、一般産業用、すなわ
ち、食品工業、医薬品製造、半導体製造装置のクリ−ン
ル−ム、空気搬送装置などの分野に好適なスクロ−ル圧
縮機及びそれに用いられる旋回スクロールに関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−125188号公報に開示
されている無給油式スクロール圧縮機のように、従来の
スクロール圧縮機の冷却方法としては、固定スクロール
に冷却用フィンを設け、スクロールの外側より冷却する
方式を採用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】吐出圧力が0.7〜
0.85 MPa となるような大形の空気圧縮用オイルフ
リースクロール圧縮機で、圧縮過程に冷却媒体を持たな
い従来形のオイルフリースクロール圧縮機においては、
固定スクロールよりの外部冷却だけでは吐出空気温度が
約200℃と高温となる。この結果、旋回スクロ−ルと
固定スクロ−ルとの間に運転時の熱膨張を予測して旋回
スクロールと固定スクロールのラジアルギャップ、スラ
ストギャップ共に大きくとらなければ、圧縮運転中にス
クロ−ルのラップ同士が接触する。このように組立時の
ギャップが大きくなるため圧縮機の性能が低下する。ま
た、オイルフリースクロール圧縮機は通常スクロールの
歯先部にチップシールを設け、圧縮した気体が漏れるの
を防止している。このチップシールの材料に通常は四弗
化エチレン樹脂系の樹脂を使用するが、圧縮機運転時に
は200℃程度の高温条件下にさらされるため、チップ
シ−ルの寿命が低下する。
【0004】本発明の目的は、ダブルスクロール圧縮機
において、旋回スクロ−ルを効果的に冷却することにあ
る。本発明の他の目的は、ダブルスクロール圧縮機にお
いて、旋回スクロ−ルと固定スクロ−ルとの間のラジア
ルギャップやスラストギャップを小さくして、圧縮機性
能を向上することにある。本発明のさらに他の目的は、
ダブルスクロール圧縮機において、スクロ−ルラップ先
端に設けるチップシ−ルの摩耗に対する寿命を向上する
ことにある。本発明の他の目的は、オイルフリ−ダブル
スクロ−ル圧縮機の旋回スクロ−ルに作用するスラスト
力をバランスさせることにより、チップシ−ルに作用す
る荷重も低減できその寿命を増大することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的に基づ
き為されたもので、旋回スクロールの鏡板(胴板)中に
気体が流れる冷却用孔を設け、この気体で旋回スクロ−
ルの特に高温部(吐出ポ−ト近傍)を直接冷却するよう
にしたものである。
【0006】すなわち、本発明の第1の特徴は、鏡板の
両側に渦巻き状のラップを有する旋回スクロールと、こ
の旋回スクロールのラップと噛合うラップを有し、前記
旋回スクロールの両側に配置された2個の固定スクロー
ルと、これら固定スクロールの双方に回転可能に支持さ
れ、前記旋回スクロールに保持された主クランク軸及び
補助クランク軸とを備えたスクロール圧縮機において、
鏡板の一方の外周から他方の外周に貫通する複数の貫通
孔を形成したことにある。
【0007】そして、このスクロール圧縮機において、
旋回スクロールと前記2個の固定スクロールによって鏡
板の両側に形成される圧縮作動室を連通する連通孔を形
成した;旋回スクロールと2個の固定スクロールとが、
アルミニウム合金からなる;固定スクロールは、シリコ
ンを含有するアルミニウム合金であり、ラップ表面に陽
極酸化皮膜処理を施したものである;旋回スクロールが
有するラップの鏡板とは反対端側に溝を形成し、この溝
に4フッ化エチレン樹脂またはポリイミド樹脂からなる
チップシールを配設することが好ましい。
【0008】本発明の第2の特徴は、鏡板の両面にそれ
ぞれ設けられた螺旋状のラップを有する旋回スクロ−ル
と、この旋回スクロ−ルの左右両側にそれぞれ配置さ
れ、前記旋回スクロ−ルラップのそれぞれと噛み合う螺
旋状ラップを有する左右の固定スクロ−ルと、この左右
の固定スクロ−ルにそれぞれ軸受を介して回転支持さ
れ、前記螺旋状のラップの外周側に配置され前記旋回ス
クロ−ルを旋回運動させる駆動軸及び補助クランク軸
と、前記駆動軸と補助クランク軸とを同期回転させるタ
イミングベルトとを備えたスクロ−ル圧縮機において、
旋回スクロールの鏡板に、スクロ−ル圧縮機の冷却気体
を通過させる冷却用孔を一方の鏡板外周側から他方の鏡
板外周側に中心部を貫通して形成し、さらに前記左右の
固定スクロ−ル外表面に冷却フィンを形成し、前記駆動
軸と前記補助クランク軸とをスクロールラップを挟んで
ほぼ反対側に配置したことにある。
【0009】本発明の第3の特徴は、鏡板の両面にそれ
ぞれ螺旋状のスクロールラップを有する旋回スクロ−ル
において、前記鏡板の一方の外周側から他方の外周側に
中心部を貫通して冷却用孔を形成したことにある。そし
て、旋回スクロールは、鏡板のスクロールラップを挟ん
でほぼ反対側に、旋回スクロールを旋回駆動する駆動軸
及び補助クランク軸を支持する軸受手段の取り付け部を
形成するのが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】スクロール圧縮機は、固定スクロ
ールに対する旋回スクロールの偏心運動により圧縮を行
なう。この偏心運動を旋回スクロールに与えるためクラ
ンクシャフトを使用する。旋回スクロールの旋回運動に
より旋回スクロールと固定スクロールの圧縮空間が除々
に小さくなり圧縮が進行していく。この圧縮過程で、圧
縮空気は徐々に高温となり、これに伴い固定及び旋回ス
クロール自体も外周から中心に向かって高温となる。前
記圧縮熱は、固定スクロールの外部に取り付けたにより
間接的に冷却することができ、冷却フィンを介してスク
ロール圧縮機の外部に放熱することができる。これによ
り固定スクロール部分は冷却されるが、前記冷却フィン
によって旋回スクロールまでは十分に冷却することはで
きない。このため本発明では旋回スクロールの鏡板(胴
板)に複数の冷却用孔を形成している。すなわち、冷却
用孔は好ましくは旋回スクロールの外周面から中心部を
貫通するように設けられ、この冷却用孔の一端開口部は
スクロ−ル圧縮機への吸入口に近接させて、他端部は圧
縮作動室の吸入側に近接させて形成させているため、圧
縮機への吸入空気の一部は冷却用孔両端部の圧力差によ
りこの冷却用孔内を通過する。すなわち、吸入口に近い
方の位置から吸入負圧の方へ向け、冷却用孔の中を圧縮
機の吸込空気が流れて旋回スクロールを吸入空気により
直接冷却する。これにより旋回スクロールの特に吐出ポ
ートの近傍の高温部が冷却され、旋回スクロールの中心
部の熱膨脹を少なくしかつ吐出空気温度を冷却すること
により、旋回スクロールと固定スクロールの接触を防止
し、性能向上および信頼性向上を図ることができる。
【0011】以下本発明の具体的な実施例を図面に基づ
き説明する。まず、図8により本発明を空気圧縮機とし
て利用する場合のスクロ−ル圧縮機の全体構成を説明す
る。図において、101は筐体で、この筐体の内部には
ダブルスクロ−ル圧縮機の本体ブロック(圧縮機)10
2、このスクロ−ル圧縮機をVベルト112を介して駆
動するモ−タ103、このモ−タの駆動を制御する始動
盤104、筐体内の機器を冷却する冷却ファン105な
どが設けられている。圧縮機102からの吐出ガスは吐
出配管106を介して外部に導かれるが、その途中には
上流側から逆止弁107、プレク−ラ108、アフタ−
ク−ラ109が設けられている。なお、図において、1
10は圧縮機への吸入ガスを制御するアンロ−ダ、11
1吸入配管に設けられたサクションフィルタ、113は
モ−タベ−ス、114はモ−タや圧縮機などを支持する
架台、115はファンケ−シングである。
【0012】次に、本発明の第1実施例を図1〜図5に
基づき説明する。図1はダブルスクロール形(両歯形)
オイルフリースクロ−ル圧縮機の本体ブロック部分の構
造を示す平面断面図、図2は図1のII−II線矢視図、図
3は図1の右側固定スクロ−ルを除去してIII−III線方
向からみた右側面図、図4は図1に示す旋回スクロール
の右側面図、図5は図4のV−V線矢視図である。
【0013】図1において、1及び2はそれぞれアルミ
ニウム合金で形成された固定スクロールで、それらは互
いに平行に配置され、その間には同じくアルミニウム合
金で形成された旋回スクロール3が介在され、固定スク
ロール1,2のらせん状ラップ1b,2bと旋回スクロ
ール3のらせん状ラップ3c,3dは互いに噛み合い、
それによって旋回スクロール3の鏡板(胴版)3aの両
側には圧縮作動室4,5が形成されている。固定スクロ
ール及び旋回スクロールのそれぞれのラップ先端部には
チップシール1a,2a,3bが設けられている。これ
らのチップシールはカーボン等の無機系材料、4フッ化
エチレン樹脂やポリイミド樹脂の複合材料などで形成さ
れる。旋回スクロールの鏡板3aの中央部には圧縮作動
室4と5を連通する連通孔6が設けられ、この連通孔6
を挟んで両側には図3乃至図5に示すように、鏡板の一
方の外周端側から他方の外周端側に連通する冷却用孔7
が形成され、吸入空気の一部がこの冷却用孔7を通って
スクロ−ル圧縮機の一方側の吸入側に吸い込まれるよう
に構成されている。
【0014】旋回スクロール3の鏡板外周部にはクラン
ク部8aを有する駆動軸(クランク軸)8と同じ偏心量
のクランク部9aを有する補助クランク軸9とが配置さ
れており、旋回スクロール3はそれらのクランク部分で
弾性支持部を有する転がり軸受11a,11bを介して
旋回運動可能に係合している。一方、固定スクロール2
はそのほぼ中央部に吐出ポート12を有し、さらに固定
スクロール1,2の外表面全体には放熱フィン1c,2
cが設けられ、それらの外周部にはそれぞれフランジ部
1d,2dが設けられ、それらは図2,図3に示すよう
に、ボルト13で結合されている。この結合の際、ノッ
クピンなどの位置決め手段14によって両固定スクロー
ル1,2の相対位置を合わせて行なう。また、両固定ス
クロール1,2と旋回スクロール3との位置関係も適正
に位置決めされ、その後駆動軸8と補助クランク軸9と
の位相を適正にした状態で両軸8,9はタイミングベル
ト15で結合され、軸8と9は同期を保って回転するよ
うに構成されている。このタイミングベルト15は駆動
軸8と、補助クランク軸9に取り付けられたプーリ2
1,22に掛けられている。モ−タなどの動力源からV
ベルト112、プ−リ23を介して駆動軸8には回転動
力が供給される。
【0015】駆動軸8は固定スクロール1に固定された
転がり軸受(負荷側軸受)16によって軸方向に固定さ
れた状態で軸支されており、この駆動軸8の先端部は他
方の固定スクロール2に固定された軸受(反負荷側軸
受)17に軸支されている。また、この駆動軸8にはバ
ランスウエイト18がスクロ−ル圧縮機の吸込雰囲気中
に配置されるように取り付けられている。補助クランク
軸9も固定スクロール1に固定された転がり軸受(負荷
側軸受)19によって軸方向に位置決めされた状態で軸
支されており、補助クランク軸9の先端部は他方の固定
スクロール2に固定された軸受(反負荷側軸受)20に
軸支されている。
【0016】空気などの取扱い気体の吸入口24は図3
に示すように軸8,9とは直交する方向で両固定スクロ
ールに跨って設けられている。またその反対の下側には
図2に示すように、圧縮機据付け用の脚部25が取付け
られている。前述したように、固定スクロール1,2及
び旋回スクロール3はそれぞれアルミニウム合金等に代
表されるように軽く、熱伝導性の良い材料で構成するこ
とが望ましい。無潤滑式のスクロ−ル圧縮機とする場
合、シリコンが含有されたアルミニウム合金を適用する
ことが望ましい。さらに、ラップ表面の接触時の潤滑性
を向上させるため、陽極酸化皮膜等の表面処理を施すこ
とも良い。
【0017】図3に示すように、旋回スクロール3の鏡
板3aに形成されている冷却用孔7は一方の外周端側
(固定スクロ−ル2のラップ2bの最外周部の吸込側)
Aから他方の外周端側(旋回スクロ−ル3のラップ3c
の最外周部の吸込側)Bに連通するように形成され、一
方の吸込側Bから吸い込まれる空気の多くがこの冷却用
孔7を通るように、固定スクロ−ルの吸込空間には吸込
空間AとBを隔絶するように仕切り27,28が設けら
れている。このように構成することにより、吸入空気の
一部は図3の矢印に示すように、冷却用孔7を通って一
方側のスクロ−ル圧縮機の吸入側に吸い込まれ、このと
き自分の吸込空気を利用してスクロ−ル圧縮機を冷却す
ることができる。
【0018】オイルフリースクロール圧縮機は圧縮室内
に油などの冷却媒体を入れず、クリ−ンな圧縮ガスを得
るようにしたものであるため、吐出圧力が0.7〜0.
8MPa 程度でも圧縮室内で発生した圧縮熱でその温度
は約200℃程度にまで上昇する。この圧縮熱の冷却の
ため左固定スクロール1、右固定スクロール2の外表面
に冷却フィン1c,2cを設け、冷却ファン(図12参
照)により強制的に冷却風を流し、圧縮熱の放熱をさせ
て冷却させる。一方、本実施例では旋回スクロール3の
鏡板3a中に連通孔6を挟んで、上下方向(吸込口24
と同一方向)に少なくとも2個設けられた冷却用孔7を
備えているから、圧縮機を内部から冷却することもでき
る。冷却用孔7は最も高温となる旋回スクロール3の中
心部を貫通するようにしている。
【0019】図3に示すように、旋回スクロール3の外
周部は圧縮機の吸込空間A,Bとなっており、吸入口2
4から吸込まれた空気が流れている。冷却用孔7の冷却
用入口7a側よりも冷却用出口7b側の方が若干の負圧
となっている(約100mmAqの差圧)。この差圧100mmA
qを利用し吸込空気は冷却用孔7の中を通り、圧縮室内
へ吸込まれる。この冷却用孔7を通る空気は外気である
ため約0〜40℃と圧縮機の吐出ガス温度より格段に低
い温度となっており、この低温空気が圧縮熱で高温とな
った旋回スクロール3の部分と熱交換され冷却される。
【0020】吸込口24から吸込まれたガスは旋回スク
ロール3と、左固定スクロール1,右固定スクロール2
のラップ面に吸込まれ、回転が進むごとに所定の圧力ま
で昇圧され吐出ポ−ト12から吐出される。旋回スクロ
ール3を旋回運動させる駆動系は、まずモ−タなどの動
力源103からVプーリ23に動力が伝達され、駆動軸
8を回転させる。駆動軸8は負荷側の転がり軸受16と
反負荷側の転がり軸受17で支持され、クランク部8a
に設けたクランク軸受11aを介して旋回スクロ−ル3
を旋回運動させる。クランク軸受11aは圧縮により発
生するガス荷重などを支持する。補助クランク軸9はタ
イミングベルト15により駆動軸8と同期して回転す
る。補助クランク軸9は負荷側の転がり軸受19と反負
荷側の転がり軸受20により支持され、クランク部9a
に設けられた転がり軸受11bを介して、前記駆動軸8
と協働して旋回スクロ−ル3を駆動する。
【0021】プーリ23に回転動力が伝達されると駆動
軸8と補助クランク軸9はタイミングベルト15によっ
て同期して回転し、これによって旋回スクロール3は駆
動軸8及び補助クランク軸9の偏心量を半径とする旋回
運動を行なう。この旋回運動に伴って外部空気は吸入口
24から吸入され、吸入室(吸入空間)Aに入る。その
後、その吸入された空気はさらに旋回スクロール3と固
定スクロ−ル1、2で形成された圧縮作動室4,5に流
入し所定の圧力まで圧縮される。圧縮作動室4,5で圧
縮された空気は最終的に吐出ポ−ト12から吐出される
が、鏡板3aを挟んで反吐出ポ−ト12側の圧縮作動室
4で圧縮されたガスは鏡板3aの中央部に設けられた連
通孔6を通って反対側の中心部の圧縮作動室5に流入し
て合流し、その吐出空間から固定スクロール2に設けら
れた吐出ポート12から機外へ吐出される。
【0022】圧縮作動室には潤滑油がほとんど無いため
油冷式圧縮機に比べ圧縮ガスは高温となるが、固定スク
ロール外表面に設けた放熱フィン1c,2cの回りをダ
クト構造として強制空冷することによって、より冷却効
果を向上できる。図3,図4において、30は旋回スク
ロ−ル3の両側に形成される圧縮作動室4,5の圧力バ
ランスを保つための均圧孔で、本発明のダブル(両歯
形)スクロ−ル圧縮機では、この均圧孔30により鏡板
3a両側の圧縮作動室内のガスによるスラスト力の総和
はほぼ等しくなるので、ラップ1b,2b,3c,3d
の先端面のチップシ−ル1a,2a,3bには大きなス
ラスト荷重は作用しない。従って、ラップ先端部での摺
動損失を最小に維持することができる。さらに、旋回ス
クロール3に働くスラスト力がほぼバランスしているた
め、旋回スクロール3を支持する軸受11a,11bの
位置決め手段を簡素化でき組立性の改善を図ることがで
きる。
【0023】以上述べた実施例によれば、以下の効果が
ある。 (1)固定スクロ−ル1,2を放熱フィン1c,2cに
より外部から冷却できるだけでなく、内部に配置された
旋回スクロール3も冷却用孔7によって直接冷却できる
から、旋回スクロールの中心部も従来に比べ約30℃程
度温度を低下させることができる。これによって、固定
スクロールと旋回スクロ−ルで形成されるギャップをよ
り小さくでき、この結果圧縮機性能を3〜5%向上する
ことができる。 (2)圧縮機の吐出空気温度を低下でき、吐出空気の冷
却が容易になると共に、圧縮機の信頼性も向上できる。 (3)オイルフリーダブルスクロール圧縮機の各ラップ
先端部に設けるチップシールの温度も従来に比べ約30
℃低下させることができるため、チップシールの材質の
選定が容易になり、かつ摩耗に対する寿命向上も図れ
る。特に本実施例では旋回スクロ−ル鏡板に鏡板両側の
圧縮作動室を連通し圧力バランスさせる均圧孔30を備
えているから、旋回スクロ−ルに作用するスラスト力を
よりバランスさせることができ、各チップシ−ルに作用
する荷重も低減でき、その寿命を増大できる。
【0024】図6及び図7に本発明の他の変形例を示
す。図6は旋回スクロ−ルの鏡板に形成する冷却用孔7
の断面形状を図5に示す丸孔に代えて菊目状にしたもの
で、このようにすれば冷却用孔の伝熱面積を大きくとる
ことができ、冷却効果を向上できる。
【0025】図7は旋回スクロ−ルの鏡板に形成する冷
却用孔7の数を図4に示した2本のものに代えて4本と
し、冷却用孔7を通る吸入空気の通路面積を増大させ、
通路抵抗を小さくして、通過する空気量を増加させると
共に冷却効果も向上させ、また旋回スクロ−ル全体に渡
って冷却できるようにしたものである。なお、中心部に
近い冷却用孔の通路面積を外側に形成された冷却用孔の
通路面積より大きくすることにより、旋回スクロ−ルに
発生する熱量に応じた冷却能力を生じるようにできる。
【0026】なお、以上説明した各実施例では、 (1)旋回スクロールの鏡板に形成した冷却用孔によっ
て、旋回スクロ−ルを外部から冷却フィン等で冷却でき
ない場合であっても、内部から旋回スクロ−ルを直接冷
却でき、旋回スクロールの温度を低下させることができ
る。これによって、固定スクロールと旋回スクロ−ルで
形成されるギャップをより小さくでき、圧縮機の性能を
向上できる。 (2)固定スクロ−ルに放熱フィンを設けたものでは、
外部から固定スクロ−ルを効率よく冷却できる。 (3)オイルフリーダブルスクロール圧縮機の各ラップ
先端部に設けるチップシールの温度も低下させることが
できるため、チップシールの材質の選定が容易になり、
かつ摩耗に対する寿命向上が図れる。
【0027】(4)旋回スクロ−ル鏡板に、鏡板両側の
圧縮作動室を連通し圧力バランスさせる均圧孔を備えれ
ば、旋回スクロ−ルに作用するスラスト力をよりバラン
スさせることができる。各チップシ−ルに作用する荷重
もより低減でき、チップシールの寿命を増大できる。 (5)自己の吸入空気で旋回スクロ−ルを冷却するよう
にしているが、外部から別の冷却流体(例えば外部空気
や冷却された低温空気など)を導き、旋回スクロ−ルに
形成した冷却用孔に強制的に直接冷却流体を流すように
すれば、冷却効果をさらに向上することもできる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、旋回
スクロールの鏡板の意ぽうの外終端から他方の外周端に
貫通する孔を設けたので、旋回スクロールを効果的に冷
却できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すダブルスクロール形オ
イルフリースクロ−ル圧縮機の本体ブロック部分構造の
平面断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】図1の右側固定スクロ−ルを除去してIII−III
線方向からみた右側面図である。
【図4】図1に示す旋回スクロールの右側面図である。
【図5】図4のV−V線矢視図である。
【図6】旋回スクロ−ルの鏡板に形成する冷却用孔7の
形状の変形例で図5に相当する図である。
【図7】旋回スクロ−ルの鏡板に形成する冷却用孔の変
形例で図4に相当する図である。
【図8】スクロ−ル圧縮機の全体構成を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1…左固定スクロール、2…右固定スクロール、1c,
2c…放熱(冷却)フィン、3…旋回スクロール、3a
…旋回スクロール鏡板、1a,2a,3b…チップシ−
ル、1b,2b,3c,3d…ラップ、4,5…圧縮作
動室、7…冷却用孔、7a…冷却用孔入口、7b…冷却
用孔出口、8…駆動軸、9…補助クランク軸、8a,9
a…クランク部、11a,11b…転がり軸受(クラン
ク軸受)、12…吐出ポ−ト、15…タイミングベル
ト、16,19…転がり軸受(負荷側軸受)、17,2
0…転がり軸受(反負荷側軸受)、21,22…プ−
リ、23…Vプーリ、24…吸入口、25…脚部、2
7,28…仕切り、A,B…吸入側(吸入空間)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 茂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板の両側に渦巻き状のラップを有する旋
    回スクロールと、この旋回スクロールのラップと噛合う
    ラップを有し、前記旋回スクロールの両側に配置された
    2個の固定スクロールと、これら固定スクロールの双方
    に回転可能に支持され、前記旋回スクロールに保持され
    た主クランク軸及び補助クランク軸とを備えたスクロー
    ル圧縮機において、 前記鏡板の一方の外周から他方の外周に貫通する複数の
    貫通孔を形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】前記旋回スクロールと前記2個の固定スク
    ロールによって鏡板の両側に形成される圧縮作動室を連
    通する連通孔を形成したことを特徴とする請求項1に記
    載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】前記旋回スクロールと2個の固定スクロー
    ルとが、アルミニウム合金からなることを特徴とする請
    求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】前記固定スクロールは、シリコンを含有す
    るアルミニウム合金であり、ラップ表面に陽極酸化皮膜
    処理を施したものであることを特徴とする請求項3に記
    載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】前記旋回スクロールが有するラップの鏡板
    とは反対端側に溝を形成し、この溝に4フッ化エチレン
    樹脂またはポリイミド樹脂からなるチップシールを配設
    したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項
    に記載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】鏡板の両面にそれぞれ設けられた螺旋状の
    ラップを有する旋回スクロ−ルと、この旋回スクロ−ル
    の左右両側にそれぞれ配置され、前記旋回スクロ−ルラ
    ップのそれぞれと噛み合う螺旋状ラップを有する左右の
    固定スクロ−ルと、この左右の固定スクロ−ルにそれぞ
    れ軸受を介して回転支持され、前記螺旋状のラップの外
    周側に配置され前記旋回スクロ−ルを旋回運動させる駆
    動軸及び補助クランク軸と、前記駆動軸と補助クランク
    軸とを同期回転させるタイミングベルトとを備えたスク
    ロ−ル圧縮機において、 前記旋回スクロールの鏡板に、スクロ−ル圧縮機の冷却
    気体を通過させる冷却用孔を一方の鏡板外周側から他方
    の鏡板外周側に中心部を貫通して形成し、さらに前記左
    右の固定スクロ−ル外表面に冷却フィンを形成し、前記
    駆動軸と前記補助クランク軸とをスクロールラップを挟
    んでほぼ反対側に配置したことを特徴とするスクロール
    圧縮機。
  7. 【請求項7】鏡板の両面にそれぞれ螺旋状のスクロール
    ラップを有する旋回スクロ−ルにおいて、前記鏡板の一
    方の外周側から他方の外周側に中心部を貫通して冷却用
    孔を形成したことを特徴とする旋回スクロール。
  8. 【請求項8】前記鏡板の前記スクロールラップを挟んで
    ほぼ反対側に、前記旋回スクロールを旋回駆動する駆動
    軸及び補助クランク軸を支持する軸受手段の取り付け部
    を形成したことを特徴とする請求項7に記載の旋回スク
    ロール。
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