JPH07310682A - スクロール形流体機械 - Google Patents
スクロール形流体機械Info
- Publication number
- JPH07310682A JPH07310682A JP10244594A JP10244594A JPH07310682A JP H07310682 A JPH07310682 A JP H07310682A JP 10244594 A JP10244594 A JP 10244594A JP 10244594 A JP10244594 A JP 10244594A JP H07310682 A JPH07310682 A JP H07310682A
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- JP
- Japan
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- scroll
- tip
- tip seal
- compressor
- fixed
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C18/00—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C18/02—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
- F04C18/0207—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
- F04C18/0215—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving
- F04C18/0223—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving with symmetrical double wraps
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C27/00—Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C27/005—Axial sealings for working fluid
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】鋸歯状断面を上下の合わせ面として構成させた
チップシールと、鏡板の両面にラップを備えた旋回スク
ロール30を平衡に配置した二つの固定スクロール3
1,32の間に配置した構成のダブルスクロール圧縮機
にチップシールをラップ先端に配置した。 【効果】互いのチップシールが鋸歯状の合わせ面をずれ
ることによって、一方のチップシールが相手歯底面に近
づき長期的にシール性能を向上させるとともに熱膨張も
吸収する。また、ダブルスクロールでは組立て精度を吸
収して旋回スクロールの安定運動が得られる。
チップシールと、鏡板の両面にラップを備えた旋回スク
ロール30を平衡に配置した二つの固定スクロール3
1,32の間に配置した構成のダブルスクロール圧縮機
にチップシールをラップ先端に配置した。 【効果】互いのチップシールが鋸歯状の合わせ面をずれ
ることによって、一方のチップシールが相手歯底面に近
づき長期的にシール性能を向上させるとともに熱膨張も
吸収する。また、ダブルスクロールでは組立て精度を吸
収して旋回スクロールの安定運動が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍・空調機用ならび
に空気用の圧縮機として適用される揺動回転形容積式圧
縮機であって、渦巻状に構成されたスクロール部材によ
って圧縮室が形成されるスクロール流体機械に関する。
に空気用の圧縮機として適用される揺動回転形容積式圧
縮機であって、渦巻状に構成されたスクロール部材によ
って圧縮室が形成されるスクロール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】まず第一の従来技術について説明する。
従来からスクロール圧縮機は知られているように、基本
的な動作原理を説明する。この圧縮機は鏡板に渦巻状の
ラップを直立して設けた二つのスクロール部材を互いに
噛み合わせて、一方のスクロール部材を他方のスクロー
ル部材に対して自転しないように拘束しながら相対的に
旋回運動させ、スクロール部材の外周部から中央部に向
かって気体を圧縮させる。この種のスクロール圧縮機で
は、スクロールラップによって画成される圧縮室内の気
体の圧力によって旋回スクロールと固定スクロールとが
相互に離反する力を受ける。これにより、一方のスクロ
ールラップの先端と他方のスクロールの歯底面、すなわ
ち、鏡板面との間には隙間が形成される。また、スクロ
ール部材が熱膨張しやすい場合には運転時の発生熱で一
方のスクロールラップの先端と他方のスクロールの鏡板
面との間での過度な接触を防ぐため、あらかじめ組立て
時にスクロール部材間のラップ先端面に軸方向隙間を設
けることが必要になって来る。しかし、運転時にはこれ
らの隙間を通して圧縮室内の気体が漏れて圧縮機として
の性能が低下する。この点を解決するために、例えば、
特開昭51−117304号公報に記載されているように、スク
ロールラップ先端面に沿って渦巻状にシール部材が装着
されている。この公知技術によれば、チップシールの背
面に弾性体を介在させてチップシール溝に装着させる技
術が提案されている。
従来からスクロール圧縮機は知られているように、基本
的な動作原理を説明する。この圧縮機は鏡板に渦巻状の
ラップを直立して設けた二つのスクロール部材を互いに
噛み合わせて、一方のスクロール部材を他方のスクロー
ル部材に対して自転しないように拘束しながら相対的に
旋回運動させ、スクロール部材の外周部から中央部に向
かって気体を圧縮させる。この種のスクロール圧縮機で
は、スクロールラップによって画成される圧縮室内の気
体の圧力によって旋回スクロールと固定スクロールとが
相互に離反する力を受ける。これにより、一方のスクロ
ールラップの先端と他方のスクロールの歯底面、すなわ
ち、鏡板面との間には隙間が形成される。また、スクロ
ール部材が熱膨張しやすい場合には運転時の発生熱で一
方のスクロールラップの先端と他方のスクロールの鏡板
面との間での過度な接触を防ぐため、あらかじめ組立て
時にスクロール部材間のラップ先端面に軸方向隙間を設
けることが必要になって来る。しかし、運転時にはこれ
らの隙間を通して圧縮室内の気体が漏れて圧縮機として
の性能が低下する。この点を解決するために、例えば、
特開昭51−117304号公報に記載されているように、スク
ロールラップ先端面に沿って渦巻状にシール部材が装着
されている。この公知技術によれば、チップシールの背
面に弾性体を介在させてチップシール溝に装着させる技
術が提案されている。
【0003】さらにスクロール流体機械について第2の
従来技術を説明する。この公知例として、旋回スクロー
ルの鏡板の両面にスクロールラップを構成させた、いわ
ゆる、ダブルスクロール圧縮機が特開昭59−15690 号公
報に記載されている。この形式のスクロール圧縮機は固
定スクロールが旋回スクロールを挟んで並行に配置され
ているため圧縮作動室は旋回スクロール鏡板の両側に構
成されている。この圧縮機は駆動軸から歯車要素を介し
て動力伝達を受ける2本の従動軸が固定スクロールに回
転可能に支持されており、さらに従動軸は旋回スクロー
ルの外周部と従動軸の回転中心から旋回半径に相当する
距離だけずらした位置で回転自在に組み合わされてい
る。固定スクロールはケーシングに固定されており、そ
の中央部には吐出口が配設されている。駆動軸の回転に
よって、従動軸が回転するため旋回スクロールはこれら
の従動軸によって旋回駆動がもたらされる。旋回スクロ
ールの運動に伴って、気体は外周部から取り込まれ、旋
回スクロール鏡板の両側に構成された圧縮作動室で同時
に圧縮され高温高圧になった気体は中心部に設けた吐出
口から排出するようになっている。
従来技術を説明する。この公知例として、旋回スクロー
ルの鏡板の両面にスクロールラップを構成させた、いわ
ゆる、ダブルスクロール圧縮機が特開昭59−15690 号公
報に記載されている。この形式のスクロール圧縮機は固
定スクロールが旋回スクロールを挟んで並行に配置され
ているため圧縮作動室は旋回スクロール鏡板の両側に構
成されている。この圧縮機は駆動軸から歯車要素を介し
て動力伝達を受ける2本の従動軸が固定スクロールに回
転可能に支持されており、さらに従動軸は旋回スクロー
ルの外周部と従動軸の回転中心から旋回半径に相当する
距離だけずらした位置で回転自在に組み合わされてい
る。固定スクロールはケーシングに固定されており、そ
の中央部には吐出口が配設されている。駆動軸の回転に
よって、従動軸が回転するため旋回スクロールはこれら
の従動軸によって旋回駆動がもたらされる。旋回スクロ
ールの運動に伴って、気体は外周部から取り込まれ、旋
回スクロール鏡板の両側に構成された圧縮作動室で同時
に圧縮され高温高圧になった気体は中心部に設けた吐出
口から排出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1の従来技
術では、チップシールの背面にばね部品を配置してこの
チップシールを相手スクロールの鏡板面に当接させてチ
ップシール先端部の径方向のシール性を向上させるため
の技術が述べられている。径方向のシール性を高い水準
で確保するためには、スクロールラップの渦巻方向に沿
って全体的に均一な押しつけ力でチップシールを相手ス
クロールの鏡板面に当接させる必要がある。このためチ
ップシールの背面にばね部品を配置させる必要がある
が、反面ばね部品を設けることによってばね部品に沿っ
た隙間若しくは空間が形成されることになる。このよう
に弾性体に沿った空間は圧縮ガスが充満することになる
が、スクロール圧縮機の特徴から渦巻の中心部が高圧に
なり外周部が低圧になる。従って、チップシール背面部
の空間は漏れ流路になる恐れがあった。即ち、第1の従
来技術によってスクロールの底面とチップシールの先端
面のシール性の改善が図られてもこの漏れ流路の存在に
よって、圧縮機の性能としては低下する恐れがあった。
また、第1の従来技術のようにばね部品で押しつけ力を
与える方法は、押しつけ力の均一性を得るためには構造
が複雑になり生産性などに問題を生じることがある。反
対に、構造を簡単にすると押しつけ力の均一性が得られ
にくくなり、シール性に問題が生じたりすることにな
る。さらに、第1の従来技術の中では特に述べられては
いないが圧縮機の圧縮室内を無潤滑状態で運転すると、
圧縮後のガス温度は高温になりスクロール部材の熱変形
も大きくなる。したがって、ばね部品でチップシールを
押しつけ力を与える方法は、両スクロール部材の軸方向
隙間が熱変形などにより大きく変化すると、変形量に応
じて押しつけ力も変化するためシール効果などに影響す
ることがある。また、吸い込み気体の密度が小さい圧縮
機で、例えば、出力が2kW以上のスクロール形空気圧
縮機になると渦巻の展開長さは凡そ500mmを超える長
さになることが多い。このような状況でチップシールを
採用すると、チップシールは高温中に配置されるため渦
巻の長さ方向に沿って熱膨張する。したがって、渦巻長
さが十分長く1本の連続したチップシールを適用した場
合などには、運転中にチップシール溝からチップシール
部材がはみ出しチップシールが破損する恐れがあった。
術では、チップシールの背面にばね部品を配置してこの
チップシールを相手スクロールの鏡板面に当接させてチ
ップシール先端部の径方向のシール性を向上させるため
の技術が述べられている。径方向のシール性を高い水準
で確保するためには、スクロールラップの渦巻方向に沿
って全体的に均一な押しつけ力でチップシールを相手ス
クロールの鏡板面に当接させる必要がある。このためチ
ップシールの背面にばね部品を配置させる必要がある
が、反面ばね部品を設けることによってばね部品に沿っ
た隙間若しくは空間が形成されることになる。このよう
に弾性体に沿った空間は圧縮ガスが充満することになる
が、スクロール圧縮機の特徴から渦巻の中心部が高圧に
なり外周部が低圧になる。従って、チップシール背面部
の空間は漏れ流路になる恐れがあった。即ち、第1の従
来技術によってスクロールの底面とチップシールの先端
面のシール性の改善が図られてもこの漏れ流路の存在に
よって、圧縮機の性能としては低下する恐れがあった。
また、第1の従来技術のようにばね部品で押しつけ力を
与える方法は、押しつけ力の均一性を得るためには構造
が複雑になり生産性などに問題を生じることがある。反
対に、構造を簡単にすると押しつけ力の均一性が得られ
にくくなり、シール性に問題が生じたりすることにな
る。さらに、第1の従来技術の中では特に述べられては
いないが圧縮機の圧縮室内を無潤滑状態で運転すると、
圧縮後のガス温度は高温になりスクロール部材の熱変形
も大きくなる。したがって、ばね部品でチップシールを
押しつけ力を与える方法は、両スクロール部材の軸方向
隙間が熱変形などにより大きく変化すると、変形量に応
じて押しつけ力も変化するためシール効果などに影響す
ることがある。また、吸い込み気体の密度が小さい圧縮
機で、例えば、出力が2kW以上のスクロール形空気圧
縮機になると渦巻の展開長さは凡そ500mmを超える長
さになることが多い。このような状況でチップシールを
採用すると、チップシールは高温中に配置されるため渦
巻の長さ方向に沿って熱膨張する。したがって、渦巻長
さが十分長く1本の連続したチップシールを適用した場
合などには、運転中にチップシール溝からチップシール
部材がはみ出しチップシールが破損する恐れがあった。
【0005】第2の従来技術では、旋回スクロールが二
つの並行に配置された固定スクロールに挟まれた状態で
構成されているため、スクロール部材の加工精度と組立
て精度は非常に高いものが要求され、圧縮機は価格が高
くなる恐れがあった。また、圧縮動作を行うとスクロー
ル部材は熱せられるが旋回スクロールが特に熱せられ
る。この現象は、圧縮作動室内に潤滑油を含まないで運
転されるオイルフリー式圧縮機で特に高温になる。従っ
て、旋回スクロールラップはその高さ方向に熱膨張して
相手スクロールの底面に衝接する恐れが高い。この対応
策としてラップ先端に隙間を設けることが考えられるが
ダブルスクロール構造のため、両側に同じような隙間を
設けておく必要があるが、漏れ流路長さは公知例の構造
に比べると、単純には2倍になるため初期隙間が大きい
と吸い込み圧力と吐出圧力が定常状態に安定するまでの
時間が長くなり実用上問題になって来る恐れもある。さ
らにはダブルスクロール構造のスクロール流体機械で
は、旋回スクロールの両側に同程度のスラストガス力が
作用するため、隙間が大きいと旋回スクロールの位置が
安定しなくなり運転中固定スクロールと衝突し振動発生
の原因となる恐れもあった。
つの並行に配置された固定スクロールに挟まれた状態で
構成されているため、スクロール部材の加工精度と組立
て精度は非常に高いものが要求され、圧縮機は価格が高
くなる恐れがあった。また、圧縮動作を行うとスクロー
ル部材は熱せられるが旋回スクロールが特に熱せられ
る。この現象は、圧縮作動室内に潤滑油を含まないで運
転されるオイルフリー式圧縮機で特に高温になる。従っ
て、旋回スクロールラップはその高さ方向に熱膨張して
相手スクロールの底面に衝接する恐れが高い。この対応
策としてラップ先端に隙間を設けることが考えられるが
ダブルスクロール構造のため、両側に同じような隙間を
設けておく必要があるが、漏れ流路長さは公知例の構造
に比べると、単純には2倍になるため初期隙間が大きい
と吸い込み圧力と吐出圧力が定常状態に安定するまでの
時間が長くなり実用上問題になって来る恐れもある。さ
らにはダブルスクロール構造のスクロール流体機械で
は、旋回スクロールの両側に同程度のスラストガス力が
作用するため、隙間が大きいと旋回スクロールの位置が
安定しなくなり運転中固定スクロールと衝突し振動発生
の原因となる恐れもあった。
【0006】さらに、二つの従来技術においてスクロー
ル部材をアルミニウム合金で構成するとスクロールラッ
プの熱膨張量が大きいため、ラップ先端面における微小
隙間の確保が難しいという問題が在った。特に、ダブル
スクロール構造ではこの問題が顕著であった。
ル部材をアルミニウム合金で構成するとスクロールラッ
プの熱膨張量が大きいため、ラップ先端面における微小
隙間の確保が難しいという問題が在った。特に、ダブル
スクロール構造ではこの問題が顕著であった。
【0007】本発明の第1の目的は、まず二つの部材に
よって組み合わされたチップシールをラップ先端面に設
けることにより、全体的に均一な力で相手ラップの歯底
部に押しつけることと、チップシールを設けることによ
って生じる隙間を組合せ面の構成によって常にシール面
を存在させてチップシールに沿った漏れ流路を無くすこ
とである。さらに第2の目的は渦巻方向に沿ったチップ
シールの熱膨張を好適に吸収してチップシールがチップ
シール溝から、はみ出すことなく相手面に当接して、本
来のシール機能をもたせることにある。さらに第3の目
的は、ラップの高さ方向に対する熱膨張に対してもチッ
プシールは高さ方向にも追従してそれ自体のシール機能
をさほど損なわないようにすることにある。さらに第4
の目的は、部品点数を増やすことなく簡単な構成で、高
効率で信頼性の高いスクロール形流体機械を提供するこ
とにある。さらに第5の目的は、ダブルスクロール構造
のスクロール圧縮機に対してシール性が高く旋回スクロ
ールがラップの高さ方向に対して熱膨張しても固定スク
ロールに強く接触することの無いスクロール形流体機械
を提供することにある。さらに第6の目的は、ダブルス
クロール構造のスクロール圧縮機に対して、旋回スクロ
ールの位置を片方の固定スクロール側に寄せて旋回スク
ロールの運動の安定性とシール機能の安定性を得ること
にある。さらに他の目的は、一対のスクロール部材のう
ち少なくとも一方のスクロール部材がアルミニウム合金
で構成されたスクロール形流体機械に対しても高効率で
高い信頼性を与えることにある。
よって組み合わされたチップシールをラップ先端面に設
けることにより、全体的に均一な力で相手ラップの歯底
部に押しつけることと、チップシールを設けることによ
って生じる隙間を組合せ面の構成によって常にシール面
を存在させてチップシールに沿った漏れ流路を無くすこ
とである。さらに第2の目的は渦巻方向に沿ったチップ
シールの熱膨張を好適に吸収してチップシールがチップ
シール溝から、はみ出すことなく相手面に当接して、本
来のシール機能をもたせることにある。さらに第3の目
的は、ラップの高さ方向に対する熱膨張に対してもチッ
プシールは高さ方向にも追従してそれ自体のシール機能
をさほど損なわないようにすることにある。さらに第4
の目的は、部品点数を増やすことなく簡単な構成で、高
効率で信頼性の高いスクロール形流体機械を提供するこ
とにある。さらに第5の目的は、ダブルスクロール構造
のスクロール圧縮機に対してシール性が高く旋回スクロ
ールがラップの高さ方向に対して熱膨張しても固定スク
ロールに強く接触することの無いスクロール形流体機械
を提供することにある。さらに第6の目的は、ダブルス
クロール構造のスクロール圧縮機に対して、旋回スクロ
ールの位置を片方の固定スクロール側に寄せて旋回スク
ロールの運動の安定性とシール機能の安定性を得ること
にある。さらに他の目的は、一対のスクロール部材のう
ち少なくとも一方のスクロール部材がアルミニウム合金
で構成されたスクロール形流体機械に対しても高効率で
高い信頼性を与えることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の第1の手段はスクロール部材に設ける
チップシールを備えたスクロール部材において、チップ
シールを二つの部材によって構成し、チップシールの長
さ方向に沿った断面形状が概略鋸歯状に形成された面を
合わせ面としてお互いに固定せずに組み合わせてスクロ
ールラップ先端部に装着することにある。また、必要で
あれば渦巻に沿って長さを複数分割にすることもできる
し、スクロール部材側のチップシール底面をラップに固
定したことにある。さらに本発明の第2の手段は、旋回
スクロールの鏡板の両面にスクロールラップを形成さ
せ、二つの固定スクロールを該旋回スクロールにそれぞ
れ組み合わせて構成させたダブルスクロール構造のスク
ロール形流体機械について、旋回スクロールのラップの
両面もしくはいずれか一方の先端部に前記手段のチップ
シールを配設したことにある。また、いくつかの目的を
達成するために第1の手段と第2の手段を組み合わせる
こともできる。また、スクロール部材がアルミニウム合
金などの非鉄金属で構成されているときは、ラップ表面
に潤滑特性の良好な表面処理を施すことがより望まし
い。
ために、本発明の第1の手段はスクロール部材に設ける
チップシールを備えたスクロール部材において、チップ
シールを二つの部材によって構成し、チップシールの長
さ方向に沿った断面形状が概略鋸歯状に形成された面を
合わせ面としてお互いに固定せずに組み合わせてスクロ
ールラップ先端部に装着することにある。また、必要で
あれば渦巻に沿って長さを複数分割にすることもできる
し、スクロール部材側のチップシール底面をラップに固
定したことにある。さらに本発明の第2の手段は、旋回
スクロールの鏡板の両面にスクロールラップを形成さ
せ、二つの固定スクロールを該旋回スクロールにそれぞ
れ組み合わせて構成させたダブルスクロール構造のスク
ロール形流体機械について、旋回スクロールのラップの
両面もしくはいずれか一方の先端部に前記手段のチップ
シールを配設したことにある。また、いくつかの目的を
達成するために第1の手段と第2の手段を組み合わせる
こともできる。また、スクロール部材がアルミニウム合
金などの非鉄金属で構成されているときは、ラップ表面
に潤滑特性の良好な表面処理を施すことがより望まし
い。
【0009】
【作用】本発明の一実施例では、チップシールを二つの
部材によって構成し、チップシールの長さ方向に沿った
断面形状が概略鋸歯状に形成された面を合わせ面として
お互い同士を固定せずに組み合わせてスクロールラップ
先端部に装着したことによって、圧縮機を運転するとチ
ップシールには渦巻方向に沿って圧力差が生じたり、熱
膨張による伸びが発生してお互いのチップシールにはず
れが生じることになる。この結果、このずれは鋸歯状斜
面の合わせ面を昇るように生じることになるため、チッ
プシールの一方は相手ラップの歯底部に衝接することに
なる。従って、チップシールを全体的に均一な力で相手
ラップの歯底部に押しつけることができ、高圧側の圧縮
作動室からチップシールの周辺を通って低圧側の圧縮作
動室へ漏れ込むガスを好適にシールすることができる。
また、このようにずれることで渦巻方向に沿った熱膨張
を好適に吸収し、チップシールが溝からはみ出す恐れも
無くなる。さらに、旋回スクロールの鏡板の両面にスク
ロールラップを形成させ、二つの固定スクロールを旋回
スクロールにそれぞれ組み合わせて構成させたダブルス
クロール構造のスクロール流体機械の場合には、該チッ
プシールがシール能力を発揮すると共に、二つの固定ス
クロールと旋回スクロールとを組み立てる場合の寸法誤
差吸収能力が発揮されるため組立性が良好に保たれる。
さらに、旋回スクロールの一方にのみチップシールを設
けることにより、旋回スクロールがこのチップシールに
よって一定の方向に押しつけられ位置が定まり、旋回運
動する際の運動の安定性を改良することができる。
部材によって構成し、チップシールの長さ方向に沿った
断面形状が概略鋸歯状に形成された面を合わせ面として
お互い同士を固定せずに組み合わせてスクロールラップ
先端部に装着したことによって、圧縮機を運転するとチ
ップシールには渦巻方向に沿って圧力差が生じたり、熱
膨張による伸びが発生してお互いのチップシールにはず
れが生じることになる。この結果、このずれは鋸歯状斜
面の合わせ面を昇るように生じることになるため、チッ
プシールの一方は相手ラップの歯底部に衝接することに
なる。従って、チップシールを全体的に均一な力で相手
ラップの歯底部に押しつけることができ、高圧側の圧縮
作動室からチップシールの周辺を通って低圧側の圧縮作
動室へ漏れ込むガスを好適にシールすることができる。
また、このようにずれることで渦巻方向に沿った熱膨張
を好適に吸収し、チップシールが溝からはみ出す恐れも
無くなる。さらに、旋回スクロールの鏡板の両面にスク
ロールラップを形成させ、二つの固定スクロールを旋回
スクロールにそれぞれ組み合わせて構成させたダブルス
クロール構造のスクロール流体機械の場合には、該チッ
プシールがシール能力を発揮すると共に、二つの固定ス
クロールと旋回スクロールとを組み立てる場合の寸法誤
差吸収能力が発揮されるため組立性が良好に保たれる。
さらに、旋回スクロールの一方にのみチップシールを設
けることにより、旋回スクロールがこのチップシールに
よって一定の方向に押しつけられ位置が定まり、旋回運
動する際の運動の安定性を改良することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に従って説明す
る。図1は、本発明の一実施例のチップシールを示すも
ので、スクロール部材のラップ1a(2a)の先端部に
合わせ面を鋸歯状に構成して組み合わされたチップシー
ル1C(1C1,1C2)を装着させる様子を模式的に
表したものであり、スクロール部材とチップシールを部
分的に示した図である。なお、実際にはスクロール部材
の渦巻長さに応じてチップシールの長さを渦巻に沿って
一本で形成することもできるし、複数に分割することも
できる。また、このチップシールの材料は鉄系材料や非
鉄材料もしくは、非金属材料を問わず適用することがで
きるが圧縮機をオイルフリー形機械として運転する場合
には樹脂材料を適用することが望ましい。さらには、ス
クロール部材との摺動特性から四フッ化エチレン樹脂を
複合した合成樹脂を適用することもできる。一方、スク
ロール部材はアルミニウム合金などの非鉄金属で構成し
たものではスクロール部材の熱膨張量が大きいためチッ
プシールの適用効果が大きくなる。以下、実際の圧縮機
に適用した実施例を順を追って説明する。
る。図1は、本発明の一実施例のチップシールを示すも
ので、スクロール部材のラップ1a(2a)の先端部に
合わせ面を鋸歯状に構成して組み合わされたチップシー
ル1C(1C1,1C2)を装着させる様子を模式的に
表したものであり、スクロール部材とチップシールを部
分的に示した図である。なお、実際にはスクロール部材
の渦巻長さに応じてチップシールの長さを渦巻に沿って
一本で形成することもできるし、複数に分割することも
できる。また、このチップシールの材料は鉄系材料や非
鉄材料もしくは、非金属材料を問わず適用することがで
きるが圧縮機をオイルフリー形機械として運転する場合
には樹脂材料を適用することが望ましい。さらには、ス
クロール部材との摺動特性から四フッ化エチレン樹脂を
複合した合成樹脂を適用することもできる。一方、スク
ロール部材はアルミニウム合金などの非鉄金属で構成し
たものではスクロール部材の熱膨張量が大きいためチッ
プシールの適用効果が大きくなる。以下、実際の圧縮機
に適用した実施例を順を追って説明する。
【0011】図2は、チップシール組合せ体の一実施例
の断面を渦巻方向に展開した部分図として拡大表示した
ものである。二つのチップシール1C1,1C2は直線
状に傾斜した部分Zを合わせ面とし、垂直の部分もお互
いに面した状態になっている。この図2の状態がチップ
シールの厚さが最も小さくH1の寸法になっている。他
方、チップシールが嵌め合わされるスクロール部材の溝
深さはほんの僅かにH1より小さくすることが望まし
い。さらに、チップシールの下側に当たる1C2をスクロ
ール部材に接着もしくは固定することもできる。図3
は、圧縮機運転中を仮定してチップシール組合せ体の噛
み合い状況を渦巻方向に展開して摸式的に断面図で表し
たものである。チップシールの一方1C2がスクロール
ラップに固定されており、チップシールに圧力差が作用
すると他方のチップシール1C1が合わせ面に沿ってX
方向にずれると共に、高さも増してH2(H1<H2)
となり一方のチップシール1C1は他方のスクロール側
歯底部に当接するようになる。この結果、チップシール
とスクロール部材との間でのシール性能が向上し、圧縮
機としての性能も向上する。前述のように互いのチップ
シールのずれは圧力差のみならず、チップシールが渦巻
に沿って熱膨張することによっても発生する。反対の見
方をするとチップシールの渦巻に沿った熱膨張を互いの
チップシールがずれることによって吸収することがで
き、チップシールのはみ出しを未然に防止することが出
来る。
の断面を渦巻方向に展開した部分図として拡大表示した
ものである。二つのチップシール1C1,1C2は直線
状に傾斜した部分Zを合わせ面とし、垂直の部分もお互
いに面した状態になっている。この図2の状態がチップ
シールの厚さが最も小さくH1の寸法になっている。他
方、チップシールが嵌め合わされるスクロール部材の溝
深さはほんの僅かにH1より小さくすることが望まし
い。さらに、チップシールの下側に当たる1C2をスクロ
ール部材に接着もしくは固定することもできる。図3
は、圧縮機運転中を仮定してチップシール組合せ体の噛
み合い状況を渦巻方向に展開して摸式的に断面図で表し
たものである。チップシールの一方1C2がスクロール
ラップに固定されており、チップシールに圧力差が作用
すると他方のチップシール1C1が合わせ面に沿ってX
方向にずれると共に、高さも増してH2(H1<H2)
となり一方のチップシール1C1は他方のスクロール側
歯底部に当接するようになる。この結果、チップシール
とスクロール部材との間でのシール性能が向上し、圧縮
機としての性能も向上する。前述のように互いのチップ
シールのずれは圧力差のみならず、チップシールが渦巻
に沿って熱膨張することによっても発生する。反対の見
方をするとチップシールの渦巻に沿った熱膨張を互いの
チップシールがずれることによって吸収することがで
き、チップシールのはみ出しを未然に防止することが出
来る。
【0012】図4は、本発明の一実施例を示す密閉型ス
クロール圧縮機の断面図である。この実施例は密閉型ス
クロール圧縮機にチップシールを適用したことが大きな
特徴である。この形式の圧縮機は、旋回スクロール1,
固定スクロール2,フレーム3、そしてオルダムリング
4等から成る圧縮機構部とこれに駆動軸6で連結された
電動要素7ならびに潤滑油8を収納した密閉容器9など
から構成されている。密閉容器9には、電流導入端子2
0と吸入管10、そして、吐出管11が配設されてお
り、吸入管10は固定スクロール2の鏡板外周部に設け
られた吸入ポート12に連通し、固定されている。固定
スクロール2は、その中央部に吐出ポート13が設けら
れ、外周部でボルトなどによってフレーム3に固定され
ている。さらに、フレーム3は溶接手段などによって密
閉容器9に固定されている。駆動軸6は、フレーム3に
設けられた主軸受15及び副軸受16そして球面軸受で
構成された下軸受17によって回転可能に軸支されてい
る。また、駆動軸6の上部にはバランスウエイト5を備
え、その回転中心から偏心した状態で旋回スクロール1
に設けた旋回軸受18と回転可能な状態で係合されてい
る。これらの軸受要素はすべて滑り軸受で構成されてい
るため、駆動軸6の内部には給油のための潤滑油流路1
9が設けられている。旋回スクロール1の背部にはフレ
ーム3との間でサンドイッチ状に配設されたオルダムリ
ング4があって、圧縮機運転中に旋回スクロール1が自
転するのを阻止するように構成されている。また、旋回
スクロール1の鏡板外周部は固定スクロール2とフレー
ム3との間で僅かな寸法が維持された状態でサンドイッ
チ状に挾支され運動可能なように配設されている。旋回
スクロール1の背面部空間21の圧力は、旋回スクロー
ル1の鏡板に設けた絞りを有する連絡孔22によって吸
込圧力と吐出圧力の中間の圧力レベルになっていて、旋
回スクロール1を固定スクロール2の側に押しつける作
用がある。図1などに示すチップシール組み立て体1
C,2Cはそれぞれ旋回スクロール1のラップ先端部と
固定スクロール2のラップ先端部に設けてある。
クロール圧縮機の断面図である。この実施例は密閉型ス
クロール圧縮機にチップシールを適用したことが大きな
特徴である。この形式の圧縮機は、旋回スクロール1,
固定スクロール2,フレーム3、そしてオルダムリング
4等から成る圧縮機構部とこれに駆動軸6で連結された
電動要素7ならびに潤滑油8を収納した密閉容器9など
から構成されている。密閉容器9には、電流導入端子2
0と吸入管10、そして、吐出管11が配設されてお
り、吸入管10は固定スクロール2の鏡板外周部に設け
られた吸入ポート12に連通し、固定されている。固定
スクロール2は、その中央部に吐出ポート13が設けら
れ、外周部でボルトなどによってフレーム3に固定され
ている。さらに、フレーム3は溶接手段などによって密
閉容器9に固定されている。駆動軸6は、フレーム3に
設けられた主軸受15及び副軸受16そして球面軸受で
構成された下軸受17によって回転可能に軸支されてい
る。また、駆動軸6の上部にはバランスウエイト5を備
え、その回転中心から偏心した状態で旋回スクロール1
に設けた旋回軸受18と回転可能な状態で係合されてい
る。これらの軸受要素はすべて滑り軸受で構成されてい
るため、駆動軸6の内部には給油のための潤滑油流路1
9が設けられている。旋回スクロール1の背部にはフレ
ーム3との間でサンドイッチ状に配設されたオルダムリ
ング4があって、圧縮機運転中に旋回スクロール1が自
転するのを阻止するように構成されている。また、旋回
スクロール1の鏡板外周部は固定スクロール2とフレー
ム3との間で僅かな寸法が維持された状態でサンドイッ
チ状に挾支され運動可能なように配設されている。旋回
スクロール1の背面部空間21の圧力は、旋回スクロー
ル1の鏡板に設けた絞りを有する連絡孔22によって吸
込圧力と吐出圧力の中間の圧力レベルになっていて、旋
回スクロール1を固定スクロール2の側に押しつける作
用がある。図1などに示すチップシール組み立て体1
C,2Cはそれぞれ旋回スクロール1のラップ先端部と
固定スクロール2のラップ先端部に設けてある。
【0013】電動要素7によって駆動軸6が回転する
と、旋回スクロール1が固定スクロール2に対して旋回
運動し気体は吸入管10から圧縮作動室内に流入する。
圧縮作動室内で気体は所定の圧力まで圧縮され、固定ス
クロール2の中央部に設けられた吐出ポート13から密
閉容器9の中の空間14に吐出される。圧縮されて高圧
になった気体はこの空間149で潤滑油を分離した後、
吐出管11から機外へ排出される。一方、潤滑油8は圧
力差などにより密閉容器9の下部からポンプアップされ
潤滑油流路19内を通って各軸受に供給され、潤滑に供
されるようになっている。チップシールが渦巻方向に圧
力差を受けたり熱膨張することにより、図3に示すよう
にラップ先端部での隙間が非常に小さい状態になる。従
って、各圧縮室間のガス漏れ量が少なくなり圧縮機の性
能が向上する。この実施例では、冷凍及び空調機用の圧
縮機として適用できる。
と、旋回スクロール1が固定スクロール2に対して旋回
運動し気体は吸入管10から圧縮作動室内に流入する。
圧縮作動室内で気体は所定の圧力まで圧縮され、固定ス
クロール2の中央部に設けられた吐出ポート13から密
閉容器9の中の空間14に吐出される。圧縮されて高圧
になった気体はこの空間149で潤滑油を分離した後、
吐出管11から機外へ排出される。一方、潤滑油8は圧
力差などにより密閉容器9の下部からポンプアップされ
潤滑油流路19内を通って各軸受に供給され、潤滑に供
されるようになっている。チップシールが渦巻方向に圧
力差を受けたり熱膨張することにより、図3に示すよう
にラップ先端部での隙間が非常に小さい状態になる。従
って、各圧縮室間のガス漏れ量が少なくなり圧縮機の性
能が向上する。この実施例では、冷凍及び空調機用の圧
縮機として適用できる。
【0014】本発明の他の一実施例を図5に従って説明
する。図5はダブルスクロール形圧縮機の全体構造を示
す断面図である。旋回スクロール30はその鏡板30b
の両面に渦巻状に形成したラップ30a1,30a2が
構成されており、さらにその先端部に図1などに示すよ
うなチップシール組立て体30Cが配設されている。固
定スクロールは二つあって第1の固定スクロール31と
第2の固定スクロール32が並行に配設されており、そ
の外周部で固定スクロール31,32が互いに締結手段
で固定されている。そして、それぞれのラップ31aと
32aが渦巻状に構成された状態で旋回スクロール30
と共に圧縮作動室33を構成している。これらのラップ
先端部には図1などに示すようなチップシール31C,
32Cが配設されている。偏心部を有する駆動軸35は
第1の固定スクロール31に設けた軸受手段37aと軸
受手段37bによって回転可能に支持されている。駆動
軸35の偏心部では旋回スクロールの鏡板外周部の一部
分が軸受手段34aによって回転可能に連結されてい
る。また、これに対してほぼ180度の位置に偏心部を
有する補助クランク軸36が配設されていて、これに対
しても旋回スクロールの鏡板外周部の一部が軸受手段3
4bを介して連結されている。補助クランク軸36は第
1の固定スクロールの鏡板31bに設けられた軸受手段
37cと第2の固定スクロールの鏡板32bに設けられ
た軸受手段37dとによって回転可能に支持されてい
る。駆動軸35にはバランスウエイト39a,39bが
設けられており、旋回スクロール30の運動の不釣合量
が相殺されるようになっている。さらに、補助クランク
36は、回転タイミング調整手段38によって駆動軸3
5と連結されており、駆動軸35の回転に同期して回転
するようになっている。駆動軸35は固定スクロールの
外側に配置した動力源43によって回転される。第1の
固定スクロール31の外周部には吸入ポート42が設け
られていて、気体がスクロール外周部に充満するように
なっている。旋回スクロールの鏡板30bによって2分
割されている圧縮作動室33は、外周部から中心部に向
かって体積が小さくなるように構成されていて中心部で
は流路30eによって一体となっている。さらに、この
流路に対向して第1の固定スクロール31の鏡板31b
に吐出孔40が設けられている。また、旋回スクロール
の鏡板30bには連絡孔30dが設けられており、上下
の圧縮作動室間の圧力ができるだけ等しくなるように図
られている。第1の固定スクロール31と第2の固定ス
クロール32の表面には、それぞれ放熱フィン41a,
41bが設けられている。
する。図5はダブルスクロール形圧縮機の全体構造を示
す断面図である。旋回スクロール30はその鏡板30b
の両面に渦巻状に形成したラップ30a1,30a2が
構成されており、さらにその先端部に図1などに示すよ
うなチップシール組立て体30Cが配設されている。固
定スクロールは二つあって第1の固定スクロール31と
第2の固定スクロール32が並行に配設されており、そ
の外周部で固定スクロール31,32が互いに締結手段
で固定されている。そして、それぞれのラップ31aと
32aが渦巻状に構成された状態で旋回スクロール30
と共に圧縮作動室33を構成している。これらのラップ
先端部には図1などに示すようなチップシール31C,
32Cが配設されている。偏心部を有する駆動軸35は
第1の固定スクロール31に設けた軸受手段37aと軸
受手段37bによって回転可能に支持されている。駆動
軸35の偏心部では旋回スクロールの鏡板外周部の一部
分が軸受手段34aによって回転可能に連結されてい
る。また、これに対してほぼ180度の位置に偏心部を
有する補助クランク軸36が配設されていて、これに対
しても旋回スクロールの鏡板外周部の一部が軸受手段3
4bを介して連結されている。補助クランク軸36は第
1の固定スクロールの鏡板31bに設けられた軸受手段
37cと第2の固定スクロールの鏡板32bに設けられ
た軸受手段37dとによって回転可能に支持されてい
る。駆動軸35にはバランスウエイト39a,39bが
設けられており、旋回スクロール30の運動の不釣合量
が相殺されるようになっている。さらに、補助クランク
36は、回転タイミング調整手段38によって駆動軸3
5と連結されており、駆動軸35の回転に同期して回転
するようになっている。駆動軸35は固定スクロールの
外側に配置した動力源43によって回転される。第1の
固定スクロール31の外周部には吸入ポート42が設け
られていて、気体がスクロール外周部に充満するように
なっている。旋回スクロールの鏡板30bによって2分
割されている圧縮作動室33は、外周部から中心部に向
かって体積が小さくなるように構成されていて中心部で
は流路30eによって一体となっている。さらに、この
流路に対向して第1の固定スクロール31の鏡板31b
に吐出孔40が設けられている。また、旋回スクロール
の鏡板30bには連絡孔30dが設けられており、上下
の圧縮作動室間の圧力ができるだけ等しくなるように図
られている。第1の固定スクロール31と第2の固定ス
クロール32の表面には、それぞれ放熱フィン41a,
41bが設けられている。
【0015】駆動軸35が回転すると鏡板の両側にラッ
プを有する旋回スクロール30が補助クランク軸36に
よって自転を阻止されながら旋回運動する。この結果、
気体は吸入ポート42から吸入されスクロールの外周部
から圧縮作動室33で圧縮される。圧縮作動室33bで
圧縮されて高圧になった気体は流路30eを通って、他
の圧縮作動室33aで圧縮された気体と合流し吐出孔4
0から機外へ排出される。圧縮に伴って発生する熱の多
くは放熱フィン41a,41bを介して自然対流もしく
は強制対流によって放熱される。このようなダブルスク
ロール圧縮機では、チップシールを装着しない場合には
圧縮機としての機能を高く維持するために、二つの固定
スクロール31と32ならびに旋回スクロール30の高
さ方向の寸法精度や形状精度そして組立て精度を高く維
持しなくてはならないという問題があった。また、旋回
スクロール30の鏡板30bに作用する気体によるスラ
スト力は上下間でバランスするため旋回スクロール30
の位置が定まりにくく、運転中は旋回スクロール30の
不安定運動を招来しかねない。これに対して、本発明の
チップシールを採用することによりチップシール自身が
有する寸法吸収能力が高いため前記した各精度が緩和で
き、スクロール部材の生産性が向上する効果もある。ま
た、後者に対してはチップシールが相手スクロール歯底
面に当接して旋回スクロールの位置が定まり、安定運動
が達成される効果がある。従って運転中の振動,騒音を
小さく維持できるほか、軸受の長寿命化も図ることがで
きる。また、チップシールを4フッ化エチレン樹脂を主
材料とする複合樹脂を適用することによって、チップシ
ール自身は摺動による摩擦損失を小さく保つことができ
る。さらには、圧縮作動室内に潤滑油を含まない状態で
運転した場合でも放熱フィン41によって適度に冷却さ
れるがそれでもスクロール部材は相当の高温になる。従
って、スクロール部材をアルミニウム合金等によって構
成するとスクロール部材はその温度に応じた熱膨張が大
きく発生するためスクロールラップの軸方向隙間が大き
くなる傾向になるが、同時にチップシール自身も熱膨張
して軸方向にずれるため軸方向隙間は常に小さな状態を
維持できる。その結果各圧縮作動室内間での圧縮気体の
漏れが少なく、さらに摩擦損失が少ないため効率のよい
圧縮機を得ることができる。また、この実施例ではオイ
ルフリー式の空気圧縮機及び真空ポンプなどに適用する
ことが出来る。
プを有する旋回スクロール30が補助クランク軸36に
よって自転を阻止されながら旋回運動する。この結果、
気体は吸入ポート42から吸入されスクロールの外周部
から圧縮作動室33で圧縮される。圧縮作動室33bで
圧縮されて高圧になった気体は流路30eを通って、他
の圧縮作動室33aで圧縮された気体と合流し吐出孔4
0から機外へ排出される。圧縮に伴って発生する熱の多
くは放熱フィン41a,41bを介して自然対流もしく
は強制対流によって放熱される。このようなダブルスク
ロール圧縮機では、チップシールを装着しない場合には
圧縮機としての機能を高く維持するために、二つの固定
スクロール31と32ならびに旋回スクロール30の高
さ方向の寸法精度や形状精度そして組立て精度を高く維
持しなくてはならないという問題があった。また、旋回
スクロール30の鏡板30bに作用する気体によるスラ
スト力は上下間でバランスするため旋回スクロール30
の位置が定まりにくく、運転中は旋回スクロール30の
不安定運動を招来しかねない。これに対して、本発明の
チップシールを採用することによりチップシール自身が
有する寸法吸収能力が高いため前記した各精度が緩和で
き、スクロール部材の生産性が向上する効果もある。ま
た、後者に対してはチップシールが相手スクロール歯底
面に当接して旋回スクロールの位置が定まり、安定運動
が達成される効果がある。従って運転中の振動,騒音を
小さく維持できるほか、軸受の長寿命化も図ることがで
きる。また、チップシールを4フッ化エチレン樹脂を主
材料とする複合樹脂を適用することによって、チップシ
ール自身は摺動による摩擦損失を小さく保つことができ
る。さらには、圧縮作動室内に潤滑油を含まない状態で
運転した場合でも放熱フィン41によって適度に冷却さ
れるがそれでもスクロール部材は相当の高温になる。従
って、スクロール部材をアルミニウム合金等によって構
成するとスクロール部材はその温度に応じた熱膨張が大
きく発生するためスクロールラップの軸方向隙間が大き
くなる傾向になるが、同時にチップシール自身も熱膨張
して軸方向にずれるため軸方向隙間は常に小さな状態を
維持できる。その結果各圧縮作動室内間での圧縮気体の
漏れが少なく、さらに摩擦損失が少ないため効率のよい
圧縮機を得ることができる。また、この実施例ではオイ
ルフリー式の空気圧縮機及び真空ポンプなどに適用する
ことが出来る。
【0016】次に、更に第四の実施例を図6に従って説
明する。図6は、図5のダブルスクロール圧縮機の構造
を基本構造として他の実施例を示したものである。ここ
では図5と異なる部分について説明する。旋回スクロー
ルの鏡板30bと一体に渦巻状に構成されたスクロール
ラップに対して、一方のラップ30a1には図1に示す
ようなチップシール組立て体30cを装着し、他方のラ
ップ30a2には適用しない構成とした。なお図6に示
す固定スクロール31及び32には各々図1に示すよう
なチップシール組立て体31c,32cを装着してあ
る。但し、旋回スクロール30と同様に、一方の固定ス
クロール32にはチップシールを設けないで構成するこ
ともできる。このように構成することにより、旋回スク
ロール30はチップシールの盛り上がりにより一方の固
定スクロール32の側に付勢されて、シール能力が確保
され安定運動が達成できる。この実施例によれば、一方
の圧縮作動室ではチップシールを必要とすることがない
ため、チップシール装着溝を加工する必要も無くなるな
ど、圧縮機の製作費用が安くなる。また、実施例と同様
に圧縮作動室内を無潤滑状態にして運転することもでき
るし、空気用圧縮機及び真空ポンプとしても適用でき
る。
明する。図6は、図5のダブルスクロール圧縮機の構造
を基本構造として他の実施例を示したものである。ここ
では図5と異なる部分について説明する。旋回スクロー
ルの鏡板30bと一体に渦巻状に構成されたスクロール
ラップに対して、一方のラップ30a1には図1に示す
ようなチップシール組立て体30cを装着し、他方のラ
ップ30a2には適用しない構成とした。なお図6に示
す固定スクロール31及び32には各々図1に示すよう
なチップシール組立て体31c,32cを装着してあ
る。但し、旋回スクロール30と同様に、一方の固定ス
クロール32にはチップシールを設けないで構成するこ
ともできる。このように構成することにより、旋回スク
ロール30はチップシールの盛り上がりにより一方の固
定スクロール32の側に付勢されて、シール能力が確保
され安定運動が達成できる。この実施例によれば、一方
の圧縮作動室ではチップシールを必要とすることがない
ため、チップシール装着溝を加工する必要も無くなるな
ど、圧縮機の製作費用が安くなる。また、実施例と同様
に圧縮作動室内を無潤滑状態にして運転することもでき
るし、空気用圧縮機及び真空ポンプとしても適用でき
る。
【0017】第五および第六の実施例を図7及び図8に
よって説明する。図7はダブルスクロール式密閉形圧縮
機の断面図である。図8は図7の圧縮機構部を拡大した
断面図である。第1の固定スクロール51,第2の固定
スクロール52が並行に配置され、その外周部は密閉容
器60に固定されている。その内側には鏡板50bの両
面にラップ50a1,50a2を備えた旋回スクロール
50があってラップ同士が互いに噛み合って圧縮作動室
53を形成している。旋回スクロール50の外周部では
両固定スクロールにサンドイッチ状に挟持され旋回運動
できるようになっている。また、旋回スクロール50の
外周部にはオルダムリング54があって旋回スクロール
50の自転を阻止する。固定スクロールの間にはほぼ環
状に形成された吸い込み流路64を形成し、吸い込み流
路64に対して密閉容器60に設けた吸い込み管63が
開口している。また、第2の固定スクロール52の中央
部には吐出口52dが設けられている。旋回スクロール
50のラップ先端部には図1に示すようなチップシール
組立て体50Cが装着されており、固定スクロールの歯
底面に当接している。他方、固定スクロールにも図1に
示すチップシール組立て体51C,52Cが装着されて
おり、旋回スクロール50の歯底面に当接している。旋
回スクロール50の中央部には鏡板50bと一体に構成
された円筒部材55が配置されている。また、円筒部材
55の内部は軸受面が構成されていて、固定スクロール
に設けられた軸受要素57及び58に軸支されたクラン
ク軸56とは回転可能な状態で連結されている。クラン
ク軸56の下端部には給油管61が配置され潤滑油62
内に浸漬されている。一方、円筒部材55はバランスウ
エイト69を備えたモータ軸65に結合されておりモー
タ70の回転トルクを伝達できるようになっている。モ
ータ軸65は、軸受支持要素68に配置された軸受67
によって回転可能に軸支されている。モータステータ7
0aは密閉容器60に固定され、モータロータ70bは
モータ軸65に固定されている。また、密閉容器60に
は電流導入端子71が設けられておりモータ70と結線
されている。また、密閉容器60の上部には吐出ポート
72が配設され、外部に設けられている冷凍空調装置に
接続されている。なお、この吐出ポート72から排出さ
れた気体は冷凍空調装置内を循環して再び吸い込み管6
3に戻るようになっている。次にこの圧縮機の動作につ
いて簡単に述べる。電流導入端子71から、モータ70
に電力が供給されるとモータ軸65が回転し旋回スクロ
ール50が旋回運動する。その結果、気体は吸い込み管
63から圧縮機内に流入し、鏡板を挟んだ上下の圧縮機
作動室で同時に圧縮され中央部で高圧になる。下部の圧
縮機作動室で高圧になったガスは、上部の圧縮作動室側
に流入し合流してさらに吐出口52dから密閉容器60
内に吐出される。他方、モータの回転に伴って潤滑油6
2が給油管61を通って軸受57,58に供給される。
軸受の廃油は高圧のガスと混合しガスと共に、密閉容器
内の空間73に充満する。この時、潤滑油とガスは分離
され、潤滑油は下部に落ちガスは吐出ポート72から機
外へ排出されるようになっている。圧縮動作中旋回スク
ロールがスムーズに運動できるよう上下の固定スクロー
ルと微小な隙間を保った状態で旋回スクロール50を組
み付ける必要があるため、本発明のチップシールを適用
しないで構成すると旋回スクロールは位置が定まらず不
安定な運動を引き起こし、振動が大きくなったり性能が
低下する問題があった。しかし、本発明のチップシール
を適用することによって上下の固定スクロールとの間の
微小な隙間はなくなり、さらには運転中の圧力差や熱膨
張によってチップシールが外側に張り出して来るので適
度な接触力で固定スクロールに衝接するので、旋回スク
ロール50はより安定状態で運転されることになる。従
って、低振動で性能の高い圧縮機を提供することができ
る。本実施例は、冷凍及び空調機用圧縮機として適用で
きる。
よって説明する。図7はダブルスクロール式密閉形圧縮
機の断面図である。図8は図7の圧縮機構部を拡大した
断面図である。第1の固定スクロール51,第2の固定
スクロール52が並行に配置され、その外周部は密閉容
器60に固定されている。その内側には鏡板50bの両
面にラップ50a1,50a2を備えた旋回スクロール
50があってラップ同士が互いに噛み合って圧縮作動室
53を形成している。旋回スクロール50の外周部では
両固定スクロールにサンドイッチ状に挟持され旋回運動
できるようになっている。また、旋回スクロール50の
外周部にはオルダムリング54があって旋回スクロール
50の自転を阻止する。固定スクロールの間にはほぼ環
状に形成された吸い込み流路64を形成し、吸い込み流
路64に対して密閉容器60に設けた吸い込み管63が
開口している。また、第2の固定スクロール52の中央
部には吐出口52dが設けられている。旋回スクロール
50のラップ先端部には図1に示すようなチップシール
組立て体50Cが装着されており、固定スクロールの歯
底面に当接している。他方、固定スクロールにも図1に
示すチップシール組立て体51C,52Cが装着されて
おり、旋回スクロール50の歯底面に当接している。旋
回スクロール50の中央部には鏡板50bと一体に構成
された円筒部材55が配置されている。また、円筒部材
55の内部は軸受面が構成されていて、固定スクロール
に設けられた軸受要素57及び58に軸支されたクラン
ク軸56とは回転可能な状態で連結されている。クラン
ク軸56の下端部には給油管61が配置され潤滑油62
内に浸漬されている。一方、円筒部材55はバランスウ
エイト69を備えたモータ軸65に結合されておりモー
タ70の回転トルクを伝達できるようになっている。モ
ータ軸65は、軸受支持要素68に配置された軸受67
によって回転可能に軸支されている。モータステータ7
0aは密閉容器60に固定され、モータロータ70bは
モータ軸65に固定されている。また、密閉容器60に
は電流導入端子71が設けられておりモータ70と結線
されている。また、密閉容器60の上部には吐出ポート
72が配設され、外部に設けられている冷凍空調装置に
接続されている。なお、この吐出ポート72から排出さ
れた気体は冷凍空調装置内を循環して再び吸い込み管6
3に戻るようになっている。次にこの圧縮機の動作につ
いて簡単に述べる。電流導入端子71から、モータ70
に電力が供給されるとモータ軸65が回転し旋回スクロ
ール50が旋回運動する。その結果、気体は吸い込み管
63から圧縮機内に流入し、鏡板を挟んだ上下の圧縮機
作動室で同時に圧縮され中央部で高圧になる。下部の圧
縮機作動室で高圧になったガスは、上部の圧縮作動室側
に流入し合流してさらに吐出口52dから密閉容器60
内に吐出される。他方、モータの回転に伴って潤滑油6
2が給油管61を通って軸受57,58に供給される。
軸受の廃油は高圧のガスと混合しガスと共に、密閉容器
内の空間73に充満する。この時、潤滑油とガスは分離
され、潤滑油は下部に落ちガスは吐出ポート72から機
外へ排出されるようになっている。圧縮動作中旋回スク
ロールがスムーズに運動できるよう上下の固定スクロー
ルと微小な隙間を保った状態で旋回スクロール50を組
み付ける必要があるため、本発明のチップシールを適用
しないで構成すると旋回スクロールは位置が定まらず不
安定な運動を引き起こし、振動が大きくなったり性能が
低下する問題があった。しかし、本発明のチップシール
を適用することによって上下の固定スクロールとの間の
微小な隙間はなくなり、さらには運転中の圧力差や熱膨
張によってチップシールが外側に張り出して来るので適
度な接触力で固定スクロールに衝接するので、旋回スク
ロール50はより安定状態で運転されることになる。従
って、低振動で性能の高い圧縮機を提供することができ
る。本実施例は、冷凍及び空調機用圧縮機として適用で
きる。
【0018】また、密閉形ダブルスクロール圧縮機では
実施例の他、図6に示すように、片方の圧縮作動室を構
成する側、もしくは旋回スクロールの片方のラップ先端
部にのみ本発明のチップシールを装着して構成すること
もできる。このような構成でも片方のチップシールによ
って旋回スクロールを位置が特定されるためほぼ安定し
た運動を達成することができる。またこのようにすると
他方の圧縮作動室のチップシール溝の加工やチップシー
ル部品を省略することができ、安価な圧縮機を提供する
ことができる。
実施例の他、図6に示すように、片方の圧縮作動室を構
成する側、もしくは旋回スクロールの片方のラップ先端
部にのみ本発明のチップシールを装着して構成すること
もできる。このような構成でも片方のチップシールによ
って旋回スクロールを位置が特定されるためほぼ安定し
た運動を達成することができる。またこのようにすると
他方の圧縮作動室のチップシール溝の加工やチップシー
ル部品を省略することができ、安価な圧縮機を提供する
ことができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、チップシールが圧力差
や熱膨張によって互いにずれると、ずれ方向とは直交す
る方向にチップシール自体が張り出すため、チップシー
ルが相手の歯底面に全体的に均一でしかも適度な力で当
接するため、チップシール先端部でのシール性能を高め
ることができる。また、チップシールの渦巻方向に沿っ
た熱膨張に対して寸法吸収能力を有しているため、チッ
プシールのはみ出し現象を阻止することができる。ま
た、ダブルスクロール圧縮機では、このチップシールを
備えることによって特に高い加工精度を必要とせずに構
成することができる。また、圧縮室間のシール性能が高
く旋回スクロールの安定運動が維持できるので、圧縮機
容量の割には小形でコンパクトな高性能の圧縮機を提供
できる。また、旋回スクロールに作用する気体のスラス
ト力はバランスするため、圧縮作動室を無潤滑で運転す
ることができる。
や熱膨張によって互いにずれると、ずれ方向とは直交す
る方向にチップシール自体が張り出すため、チップシー
ルが相手の歯底面に全体的に均一でしかも適度な力で当
接するため、チップシール先端部でのシール性能を高め
ることができる。また、チップシールの渦巻方向に沿っ
た熱膨張に対して寸法吸収能力を有しているため、チッ
プシールのはみ出し現象を阻止することができる。ま
た、ダブルスクロール圧縮機では、このチップシールを
備えることによって特に高い加工精度を必要とせずに構
成することができる。また、圧縮室間のシール性能が高
く旋回スクロールの安定運動が維持できるので、圧縮機
容量の割には小形でコンパクトな高性能の圧縮機を提供
できる。また、旋回スクロールに作用する気体のスラス
ト力はバランスするため、圧縮作動室を無潤滑で運転す
ることができる。
【図1】本発明の一実施例を示すチップシール組立て体
とスクロールラップ先端部の部分斜視図。
とスクロールラップ先端部の部分斜視図。
【図2】本発明の一実施例を示すチップシール組立て体
の部分断面図。
の部分断面図。
【図3】本発明の一実施例で圧縮機運転中の様子を示す
チップシール組立て体の部分断面図。
チップシール組立て体の部分断面図。
【図4】本発明の第二の実施例を示す密閉型スクロール
圧縮機の断面図。
圧縮機の断面図。
【図5】本発明の第三の一実施例を示す開放型のダブル
スクロール圧縮機の断面図。
スクロール圧縮機の断面図。
【図6】本発明の第四の一実施例を示す開放型のダブル
スクロール圧縮機の断面図。
スクロール圧縮機の断面図。
【図7】本発明の第五の一実施例を示す開放型のダブル
スクロール圧縮機の断面図。
スクロール圧縮機の断面図。
【図8】本発明の第六の一実施例を示す開放型のダブル
スクロール圧縮機の断面図。
スクロール圧縮機の断面図。
30…旋回スクロール、31…第1の固定スクロール、
32…第2の固定スクロール、30C、31C、32C
…チップシール組立て体、33…圧縮作動室、35…駆
動軸、36…補助クランク軸、38…回転タイミング調
整手段、39…バランスウエイト、40…吐出孔、41
…放熱フィン。
32…第2の固定スクロール、30C、31C、32C
…チップシール組立て体、33…圧縮作動室、35…駆
動軸、36…補助クランク軸、38…回転タイミング調
整手段、39…バランスウエイト、40…吐出孔、41
…放熱フィン。
Claims (1)
- 【請求項1】渦巻き形の溝もしくはラップをし、前記ラ
ップの先端部にチップシールを装着するスクロール部材
によって圧縮機構部を構成するスクロール形流体機械に
おいて、前記チップシールが二つの部材によって構成さ
れており、前記チップシールの長さ方向に沿った断面形
状を鋸歯状に形成し、その面を合わせ面として組み合わ
せてスクロールラップの先端部に装着したことを特徴と
するスクロール形流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10244594A JPH07310682A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | スクロール形流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10244594A JPH07310682A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | スクロール形流体機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07310682A true JPH07310682A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14327672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10244594A Pending JPH07310682A (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | スクロール形流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07310682A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006103824A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | スクロール圧縮機 |
WO2006103821A1 (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | スクロール膨張機 |
EP1757813A1 (en) * | 2005-08-24 | 2007-02-28 | Anest Iwata Corporation | Tip seal in a scroll fluid machine |
US8128388B2 (en) | 2006-09-28 | 2012-03-06 | Mitsubishi Electric Corporation | Scroll-type expansion machine |
CN110159528A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-08-23 | 浙江大学 | 一种双侧双槽并联式无油涡旋空压机 |
-
1994
- 1994-05-17 JP JP10244594A patent/JPH07310682A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006103824A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | スクロール圧縮機 |
EP1870598A4 (en) * | 2005-03-28 | 2011-08-10 | Mitsubishi Electric Corp | COMPRESSOR OF THE SPIRAL DESIGN |
JP4732446B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-07-27 | 三菱電機株式会社 | スクロール圧縮機 |
EP1870598A1 (en) * | 2005-03-28 | 2007-12-26 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Scroll compressor |
US7645130B2 (en) | 2005-03-28 | 2010-01-12 | Mitsubishi Electric Corporation | Scroll compressor with an orbiting scroll and two fixed scrolls and ring and tip seals |
JPWO2006103824A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2008-09-04 | 三菱電機株式会社 | スクロール圧縮機 |
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EP1873350A1 (en) * | 2005-03-29 | 2008-01-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Scroll expander |
US7775783B2 (en) | 2005-03-29 | 2010-08-17 | Mitsubishi Electric Corporation | Refrigeration system including a scroll expander |
JP4584306B2 (ja) * | 2005-03-29 | 2010-11-17 | 三菱電機株式会社 | スクロール膨張機 |
WO2006103821A1 (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | スクロール膨張機 |
EP1873350A4 (en) * | 2005-03-29 | 2011-09-28 | Mitsubishi Electric Corp | SPIRAL TYPE A RETRACTOR |
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