JPH09158853A - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

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JPH09158853A
JPH09158853A JP31631195A JP31631195A JPH09158853A JP H09158853 A JPH09158853 A JP H09158853A JP 31631195 A JP31631195 A JP 31631195A JP 31631195 A JP31631195 A JP 31631195A JP H09158853 A JPH09158853 A JP H09158853A
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JP
Japan
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scroll
tip seal
compressor
chip seal
seal
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Application number
JP31631195A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Natori
達雄 名取
Muneo Mizumoto
宗男 水本
Shigeru Machida
茂 町田
Akira Suzuki
昭 鈴木
Kazuaki Shiiki
和明 椎木
Isamu Kawano
勇 川野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】チップシールを相手スクロールの鏡板面に当接
させてチップシールの先端部のシール性を向上させるこ
とにより、スクロール圧縮機の圧縮性能を向上させる。 【解決手段】供給水分により吸水膨潤するチップシ−ル
と、鏡板の両面にラップを備えた旋回スクロール30を
平衡に配置した二つの固定スクロール31,32の間に
配置した構成のダブルスロール圧縮機にチップシールを
ラップ先端に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール流体機械
に関する。
【0002】
【従来の技術】まず第一の従来技術について説明する。
従来からスクロール圧縮機は知られているように、基本
的な動作原理を説明する。この圧縮機は鏡板に渦巻状の
ラップを直立して設けた二つのスクロール部材を互いに
噛み合わせて、一方のスクロール部材を他方のスクロー
ル部材に対して自転しないように拘束しながら相対的に
旋回運動させ、スクロール部材の外周部から中央部に向
かって気体を圧縮させる。この種のスクロール圧縮機で
は、スクロールラップによって画成される圧縮室内の気
体の圧力によって旋回スクロールと固定スクロールとが
相互に離反する力を受ける。これにより、一方のスクロ
ールラップの先端と他方のスクロールの歯底面、すなわ
ち、鏡板面との間には隙間が形成される。また、スクロ
ール部材が熱膨張しやすい場合には運転時の発生熱で一
方のスクロールラップの先端と他方のスクロールの鏡板
面との間での過度な接触を防ぐため、あらかじめ組立て
時にスクロール部材間のラップ先端面に軸方向隙間を設
けることが必要になってくる。しかし、運転時にはこれ
らの隙間を通して圧縮室内の気体が漏れて圧縮機として
の性能が低下する。この点を解決するために、例えば、
特開昭51−117304号公報に記載されているように、スク
ロールラップ先端面に沿って渦巻状にシール部材が装着
されている。この公知技術によれば、チップシールの背
面に弾性体を介在させてチップシール溝に装着させる技
術が提案されている。
【0003】さらにスクロール流体機械について第2の
従来技術を説明する。この公知例として、旋回スクロー
ルの鏡板の両面にスクロールラップを構成させた、いわ
ゆる、ダブルスクロール圧縮機が特開昭59−15690 号公
報に記載されている。この形式のスクロール圧縮機は固
定スクロールが旋回スクロールを挟んで並行に配置され
ているため圧縮作動室は旋回スクロール鏡板の両側に構
成されている。この圧縮機は駆動軸から歯車要素を介し
て動力伝達を受ける2本の従動軸が固定スクロールに回
転可能に支持されており、さらに従動軸は旋回スクロー
ルの外周部と従動軸の回転中心から旋回半径に相当する
距離だけずらした位置で回転自在に組み合わされてい
る。固定スクロールはケーシングに固定されており、そ
の中央部には吐出口が配設されている。駆動軸の回転に
よって、従動軸が回転するため旋回スクロールはこれら
の従動軸によって旋回駆動がもたらされる。旋回スクロ
ールの運動に伴って、気体は外周部から取り込まれ、旋
回スクロール鏡板の両側に構成された圧縮作動室で同時
に圧縮され高温高圧になった気体は中心部に設けた吐出
口から排出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1の従来技
術では、チップシールの背面にばね部品を配置してこの
チップシールを相手スクロールの鏡板面に当接させてチ
ップシール先端部の径方向のシール性を向上させるため
の技術が述べられている。径方向のシール性を高い水準
で確保するためには、スクロールラップの渦巻方向に沿
って全体的に均一な押しつけ力でチップシールを相手ス
クロールの鏡板面に当接させる必要がある。このためチ
ップシールの背面にばね部品を配置させる必要がある
が、反面ばね部品を設けることによってばね部品に沿っ
た隙間若しくは空間が形成されることになる。このよう
に弾性体に沿った空間は圧縮ガスが充満することになる
が、スクロール圧縮機の特徴から渦巻の中心部が高圧に
なり外周部が低圧になる。従って、チップシール背面部
の空間は漏れ流路になる恐れがあった。即ち、第1の従
来技術によってスクロールの底面とチップシールの先端
面のシール性の改善が図られてもこの漏れ流路の存在に
よって、圧縮機の性能としては低下する恐れがあった。
また、第1の従来技術のようにばね部品で押しつけ力を
与える方法は、押しつけ力の均一性を得るためには構造
が複雑になり生産性などに問題を生じることがある。反
対に、構造を簡単にすると押しつけ力の均一性が得られ
にくくなり、シール性に問題が生じたりすることにな
る。さらに、第1の従来技術の中では特に述べられては
いないが圧縮機の圧縮機内を無潤滑状態で運転すると、
圧縮後のガス温度は高温になりスクロール部材の熱変形
も大きくなる。したがって、ばね部品でチップシールに
押しつけ力を与える方法は、両スクロール部材の軸方向
隙間が熱変形などにより大きく変化すると、変形量に応
じて押しつけ力も変化するためシール効果などに影響す
ることがある。また、吸い込み気体の密度が小さい圧縮
機で、例えば、出力が2kW以上のスクロール形空気圧
縮機になると渦巻の展開長さは凡そ500mmを超える長
さになることが多い。このような状況でチップシールを
採用すると、チップシールは高温中に配置されるため渦
巻の長さ方向に沿って熱膨張する。したがって、渦巻長
さが十分長く1本の連続したチップシールを適用した場
合などには、運転中にチップシール溝からチップシール
部材がはみ出しチップシールが破損する恐れがあった。
【0005】第2の従来技術では、旋回スクロールが二
つの並行に配置された固定スクロールに挟まれた状態で
構成されているため、スクロール部材の加工精度と組立
て精度は非常に高いものが要求され、圧縮機は価格が高
くなる恐れがあった。また、圧縮動作を行うとスクロー
ル部材は熱せられるが旋回スクロールが特に熱せられ
る。この現象は、圧縮作動室内に潤滑油を含まないで運
転されるオイルフリー式圧縮機で特に高温になる。従っ
て、旋回スクロールラップはその高さ方向に熱膨張して
相手スクロールの底面に衝接する恐れが高い。この対応
策としてラップ先端に隙間を設けることが考えられるが
ダブルスクロール構造のため、両側に同じような隙間を
設けておく必要があるが、漏れ流路長さは公知例の構造
に比べると、単純には2倍になるため初期隙間が大きい
と吸い込み圧力と吐出圧力が定常状態に安定するまでの
時間が長くなり実用上問題になって来る恐れもある。さ
らにはダブルスクロール構造のスクロール流体機械で
は、旋回スクロールの両側に同程度のスラストガス力が
作用するため、隙間が大きいと旋回スクロールの位置が
安定しなくなり運転中固定スクロールと衝突し振動発生
の原因となる恐れもあった。
【0006】さらに、二つの従来技術においてスクロー
ル部材をアルミニウム合金で構成するとスクロールラッ
プの熱膨張量が大きいため、ラップ先端面における微少
隙間の確保が難しいという問題が在った。特に、ダブル
スクロール構造ではこの問題が顕著であった。
【0007】本発明の第1の目的は、まず1部または全
部が吸水膨潤性樹脂よりなるチップシールをラップ先端
面に設けることにより、何らかの手段で外部より供給さ
れる水分を吸収してチップシールが膨潤し全体的に均一
な力で相手ラップの歯底部に押しつけられることにあ
る。さらに第2の目的は渦巻方向に沿ったチップシール
の吸水膨潤を好適に吸収してチップシールがチップシー
ル溝から、はみ出すことなく相手面に当接して、本来の
シール機能をもたせることにある。さらに第3の目的
は、ラップの高さ方向に対する吸水膨潤及び熱膨張に対
してもチップシールは高さ方向に追従してすなわち膨張
量が過大になるとチップシールの受ける反力により水分
が外部にしぼり出されるので、それ自体のシール機能を
損なわないようになることにある。さらに第4の目的
は、特に部品点数を増やすことなく簡単な構成で、高効
率で信頼性の高いスクロール形流体機械を提供すること
にある。さらに第5の目的は、特にダブルスクロール構
造のスクロール圧縮機に対して給水による水分の循環及
びこの水分の蒸発によって温度上昇したスクロール部材
の冷却効果が認められることにある。さらに第6の目的
は、ダブルスクロール構造のスクロール圧縮機に対し
て、旋回スクロールの位置を片方の固定スクロール側に
寄せて旋回スクロールの運動の安定性とシール機能の安
定性を得ることにある。さらに他の目的は、一対のスク
ロール部材のうち少なくとも一方のスクロール部材がア
ルミニウム合金で構成されたスクロール形流体機械に対
しても高効率で高い信頼性を与えることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の第1の手段はスクロール部材に設ける
チップシールを備えたスクロール部材において、チップ
シールを吸水膨潤性部材によって構成し、スクロールラ
ップ先端部に装着することにある。また、必要であれば
渦巻に沿って長さを複数分割にすることもできるし、吸
水膨潤樹脂の上面に非吸水性樹脂で潤滑性良好なPTF
E系樹脂などよりなる樹脂層を設けるこという2層構造
とする。
【0009】さらに本発明の第2の手段は、旋回スクロ
ールの鏡板の両面にスクロールラップを形成させ、二つ
の固定スクロールを該旋回スクロールにそれぞれ組み合
わせて構成させたダブルスクロール構造のスクロール形
流体機械について、旋回スクロールのラップの両面もし
くはいずれか一方の先端部に前記手段のチップシールを
配設したことにある。また、いくつかの目的を達成する
ために第1の手段と第2の手段を組み合わせることもで
きる。また、スクロール部材がアルミニウム合金などの
非鉄金属で構成されているときは、ラップ表面に潤滑特
性の良好な表面処理たとえばアルマイト処理や潤滑アル
マイト処理を施すことがより望ましい。
【0010】本発明の実施の一形態では、チップシール
を吸水膨潤性樹脂で構成するのでチップシールの底部が
接触しているチップシールみぞ面より供給される水分に
よってチップシールは膨潤し、従って相対して稼働して
いるスクロールの鏡板面との間に十分なシール効果をも
たらす。この場合、水分を必要以上に吸収した場合、自
身の膨潤により過大な圧力をチップシール溝及び相対し
て稼働しているスクロールの鏡板面より受けるので平衡
状態となりそれ以上の水分吸収は妨げられる。これによ
って適正な膨潤量が維持される。本発明によればチップ
シール上面と対応する鏡板面との間のクリアランスは原
理的にほぼゼロに保たれるのでスクロール圧縮機の性能
は極めて高いものとなる。
【0011】また、チップシールを膨潤させるために供
給する水分は、同時スクロールラップの冷却効果も、も
たらす。
【0012】さらに、本発明における吸水膨潤性チップ
シールは、圧縮空気中の水分も吸収するので、このこと
も均一な膨潤に役立つ。
【0013】次に本発明において使用する膨潤性樹脂に
ついて説明する。第1の樹脂はポリアクレン酸ソーダで
あり、これは高純度アクリル酸を主原料にして特殊な重
合法を用いて製造された高吸水性樹脂である。吸水能は
純水で最大150〜600倍である。そして不純物が混
入した水、たとえば0.9%NaCl 混入水では40〜
75倍となる。外観性状は粒子であるからこれを紙の間
にはさんだり、ゴムや樹脂の中に練りこんで水膨潤性成
形品とするがチップシール材としては後者の用い方が用
途として適している。
【0014】第2の樹脂は吸水性の良好なポリアミド樹
脂である。これは最大で10%程度の水分を吸収し膨潤
するので、チップシールと相対する他方のスクロール側
歯底部との間のシール性は向上する。
【0015】第1および第2のいずれの樹脂も単独で或
いは他の潤滑性良好な樹脂と組合せて用いることにより
シール性の向上という所期の目的を達しうる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
従って説明する。図1は、本発明の一実施形態のチップ
シールを示すもので、スクロール部材のラップ1a(2
a)の先端部に設けるチップシール1Cを装着させる様
子を模式的に表したものであり、スクロール部材とチッ
プシールを部分的に示した図である。なお、実際にはス
クロール部材の渦巻長さに応じてチップシールの長さを
渦巻に沿って一本で形成することもできるし、複数に分
割することもできる。また、このチップシールの材料は
圧縮機をオイルフリー形機械として運転する場合には1
部もしくは全部に吸水膨潤性樹脂材料を適用する。さら
には、スクロール部材との摺動特性から四フッ化エチレ
ン樹脂を複合した合成樹脂を上部に適用することもでき
る。一方、スクロール部材はアルミニウム合金などの非
鉄金属で構成したものではスクロール部材の熱膨張量が
大きいので変形を吸収させるためチップシールの適用効
果が大きくなる。以下、実際の圧縮機に適用した実施例
を順を追って説明する。
【0017】図2は、チップシール材の一実施形態の断
面を渦巻方向に展開した部分図として拡大表示したもの
である。チップシール1Cの底面はチップシール溝の底
面に接触しており、みぞ底には給水口Zが付設されてい
る。図2の状態がチップシールの厚さが最も小さくH1
の寸法になっている。他方、チップシールが嵌め合わさ
れるスクロール部材の溝深さはほんの僅かにH1より小
さくすることが望ましい。さらに、チップシール1Cの
下側をスクロール部材に装着もしくは固定することもで
きる。図3は、圧縮機運転中を仮定してチップシールの
膨張状況を渦巻方向に展開して摸式的に断面図で表した
ものである。チップシール1Cの底面がスクロールラッ
プにゆるやかに固定されており、チップシールに圧力差
が作用すると合わせ面に沿ってX方向に伸びると共に、
高さも増してH2(H1<H2)となる。この結果、チ
ップシールとスクロール部材との間でのシール性能が向
上し、圧縮機としての性能も向上する。前述のようにチ
ップシールの膨張は底面からの供給水分のみならず、圧
縮空気中の水分及びチップシールが熱膨張することによ
っても発生する。
【0018】図4は、本発明の一実施形態を示す密閉型
スクロール圧縮機の断面図である。この実施形態は密閉
型スクロール圧縮機にチップシールを適用したことが大
きな特徴である。この形式の圧縮機は、旋回スクロール
1,固定スクロール2,フレーム3、そしてオルダムリ
ング4等から成る圧縮機構部とこれに駆動軸6で連結さ
れた電動要素7ならびに潤滑油8を収納した密閉容器9
などから構成されている。
【0019】密閉容器9には、電流導入端子20と吸入
管10、そして、吐出管11が配設されており、吸入管
10は固定スクロール2の鏡板外周部に設けられた吸入
ポート12に連通し、固定されている。固定スクロール
2は、その中央部に吐出ポート13が設けられ、外周部
でボルトなどによってフレーム3に固定されている。さ
らに、フレーム3は溶接手段などによって密閉容器9に
固定されている。駆動軸6は、フレーム3に設けられた
主軸受15及び副軸受16そして球面軸受で構成された
下軸受17によって回転可能に軸支されている。また、
駆動軸6の上部にはバランスウェイト5を備え、その回
転中心から偏心した状態で旋回スクロール1に設けた旋
回軸受18と回転可能な状態で係合されている。これら
の軸受要素はすべて滑り軸受で構成されているため、駆
動軸6の内部には給油のための潤滑油流路19が設けら
れている。旋回スクロール1の背部にはフレーム3との
間でサンドイッチ状に配設されたオルダムリング4があ
って、圧縮機運転中に旋回スクロール1が自転するのを
阻止するように構成されている。また、旋回スクロール
1の鏡板外周部は固定スクロール2とフレーム3との間
で僅かな寸法が維持された状態でサンドイッチ状に挟支
され運動可能なように配設されている。旋回スクロール
1の背面部空間21の圧力は、旋回スクロール1の鏡板
に設けた絞りを有する連絡孔22によって吸込圧力と吐
出圧力の中間の圧力レベルになっていて、旋回スクロー
ル1を固定スクロール2の側に押しつける作用がある。
図1などに示すチップシール体1C,2Cはそれぞれ旋
回スクロール1のラップ先端部と固定スクロール2のラ
ップ先端部に設けてある。
【0020】電動要素7によって駆動軸6が回転する
と、旋回スクロール1が固定スクロール2に対して旋回
運動し気体は吸入管10から圧縮作動室内に流入する。
圧縮作動室内で気体は所定の圧力まで圧縮され、固定ス
クロール2の中央部に設けられた吐出ポート13から密
閉容器9の中の空間14に吐出される。圧縮されて高圧
になった気体はこの空間149で潤滑油を分離した後、
吐出管11から機外へ排出される。一方、潤滑油8は圧
力差などにより密閉容器9の下部からポンプアップされ
潤滑油流路19内を通って各軸受に供給され、潤滑に供
されるようになっている。チップシールが渦巻方向に吸
水膨張や熱膨張することにより、図3に示すようにラッ
プ先端部での隙間が非常に小さい状態になる。従って、
各圧縮室間のガス漏れ量が少なくなり圧縮機の性能が向
上する。この実施例では、冷凍及び空調機用の圧縮機と
して適用できる。
【0021】本発明の他の一実施形態を図5に従って説
明する。図5はダブルスクロール形圧縮機の全体構造を
示す断面図である。旋回スクロール30はその鏡板30
bの両面に渦巻状に形成したラップ30a1,30a2
が構成されており、さらにその先端部に図1などに示す
ようなチップシール材30Cが配設されている。固定ス
クロールは二つあって第1の固定スクロール31と第2
の固定スクロール32が並行に配設されており、その外
周部で固定スクロール31,32が互いに締結手段で固
定されている。そして、それぞれのラップ31aと32
aが渦巻状に構成された状態で旋回スクロール30と共
に圧縮作動室33を構成している。これらのラップ先端
部には図1などに示すようなチップシール31C,32
Cが配設されている。偏心部を有する駆動軸35は第1
の固定スクロール31に設けた軸受手段37aと軸受手
段37bによって回転可能に支持されている。駆動軸3
5の偏心部では旋回スクロールの鏡板外周部の一部分が
軸受手段34aによって回転可能に連結されている。ま
た、これに対してほぼ180度の位置に偏心部を有する
補助クランク軸36が配設されていて、これに対しても
旋回スクロールの鏡板外周部の一部が軸受手段34bを
介して連結されている。補助クランク軸36は第1の固
定スクロールの鏡板31bに設けられた軸受手段37c
と第2の固定スクロールの鏡板32bに設けられた軸受
手段37dとによって回転可能に支持されている。駆動
軸35にはバランスウェイト39a,39bが設けられ
ており、旋回スクロール30の運動の不釣合量が相殺さ
れるようになっている。さらに、補助クランク36は、
回転タイミング調整手段38によって駆動軸35と連結
されており、駆動軸35の回転に同期して回転するよう
になっている。駆動軸35と連結されており、駆動軸3
5の回転に同期して回転するようになっている。駆動軸
35は固定スクロールの外側に配置した動力源43によ
って回転される。第1の固定スクロール31の外周部に
は吸入ポート42が設けられていて、気体ガスクロール
外周部に充満するようになっている。旋回スクロールの
鏡板30bによって2分割されている圧縮作動室33は、
外周部から中心部に向かって体積が小さくなるように構
成されていて中心部では流路30eによって一体となっ
ている。さらに、この流路に対向して第1の固定スクロ
ール31の鏡板31bに吐出孔40が設けられている。
また、旋回スクロールの鏡板30bには連絡孔30dが設
けられており、上下の圧縮作動室間の圧力ができるだけ
等くなるように図られている。第1の固定スクロール3
1と第2の固定スクロール32の表面には、それぞれ放
熱フィン41a,41bが設けられている。
【0022】駆動軸35が回転すると鏡板の両側にラッ
プを有する旋回スクロール30が補助クランク軸36に
よって自転を阻止されながら旋回運動する。この結果、
気体は吸入ポート42から吸入されスクロールの外周部
から圧縮作動室33で圧縮される。圧縮作動室33bで
圧縮されて高圧になった気体は流路30eを通って、他
の圧縮作動室33aで圧縮された気体と合流し吐出孔4
0から機外へ排出される。圧縮に伴って発生する熱の多
くは放熱フィン41a,41bを介して自然対流もしく
は強制対流によって放熱される。このようなダブルスク
ロール圧縮機では、チップシールを装着しない場合には
圧縮機としての機能を高く維持するために、固定スクロ
ール31と32ならびに旋回スクロール30の高さ方向
の寸法精度や形状精度そして組立て精度を高く維持しな
くてはならないという問題があった。また、旋回スクロ
ール30の鏡板30bに作用する気体によるスラスト力
は上下間でバランスするため旋回スクロール30の位置
が定まりにくく、運転中は旋回スクロール30の不安定
運動を招来しかねない。これに対して、本発明のチップ
シールを採用することによりチップシール自身が有する
寸法吸収能力が高いため前記した各精度が緩和でき、ス
クロール部材の生産性が向上する効果もある。また、後
者に対してはチップシールが相手スクロール歯底面に当
接して旋回スクロールの位置が定まり、安定運動が達成
される効果がある。従って運転中の振動,騒音を小さく
維持できるほか、軸受の長寿命化も図ることができる。
また、チップシールの上面すなわち鏡板との摺動面を4
フッ化エチレン樹脂を主材料とする複合樹脂を適用する
ことによって、チップシール自身は摺動による摩擦損失
を小さく保つことができる。さらには、圧縮作動室内に
潤滑油を含まない状態で運転した場合でも放熱フィン4
1によって適度に冷却されるがそれでもスクロール部材
は相当の高温になる。従って、スクロール部材をアルミ
ニウム合金等によって構成するとスクロール部材はその
温度に応じて熱膨張が大きく発生するためスクロールラ
ップの軸方向隙間が大きくなる傾向になるが、同時にチ
ップシール自身も吸水膨張および熱膨張して軸方向にず
れるため軸方向隙間は常に小さな状態を維持できる。そ
の結果各圧縮作動室内間での圧縮気体の漏れが少なく、
さらに摩擦損失が少ないため効率のよい圧縮機を得るこ
とができる。また、この実施形態ではオイルフリー式の
空気圧縮機及び真空ポンプなどにて適用することができ
る。
【0023】次に、更に第四の実施例を図6に従って説
明する。図6は、図5のダブルスクロール圧縮機の構造
を基本構造として他の実施形態を示したものである。こ
こでは図5と異なる部分について説明する。旋回スクロ
ールの鏡板30bと一体に渦巻状に構成されたスクロー
ルラップに対して、一方のラップ30a1には図1に示
すようなチップシール体30cを装着し、他方のラップ
30a2には適用しない構成とした。なお図6に示す固
定スクロール31及び32には各々図1に示すようなチ
ップシール体30cを装着してある。但し、旋回スクロ
ール30と同様に、一方の固定スクロール32にはチッ
プシールを設けないで構成することもできる。このよう
に構成することにより、旋回スクロール30はチップシ
ールの盛り上がりにより一方の固定スクロール32の側
に付勢されて、シール能力が確保され安定運動が達成で
きる。この実施例によれば、一方の圧縮作動室ではチッ
プシールを必要とすることがないため、チップシール装
着溝を加工する必要も無くなるほど、圧縮機の製作費用
が安くなる。また、実施例と同様に圧縮作動室内を無潤
滑状態にして運転することもできるし、空気用圧縮機及
び真空ポンプとしても適用できる。
【0024】第五および第六の実施例を図7及び図8に
よって説明する。図7はダブルスクロール式密閉形圧縮
機の断面図である。図8は図7の圧縮機構部を拡大した
断面図である。第1の固定スクロール51,第2の固定
スクロール52が並行に配置され、その外周部は密閉容
器60に固定されている。その内側には鏡板50bの両
面にラップ50a1,50a2を備えた旋回スクロール
50があってラップ同士が互いに噛み合って圧縮作動室
53を形成している。旋回スクロール50の外周部では
両固定スクロールにサンドイッチ状に挟持され旋回運動
できるようになっている。また、旋回スクロール50の
外周部にはオルダムリング54があって旋回スクロール
50の自転を阻止する。固定スクロールの間にはほぼ環
状に形成された吸い込み流路64を形成し、吸い込み流
路64に対して密閉容器60に設けた吸い込み管63が
開口している。また、第2の固定スクロール52の中央
部には吐出口52dが設けられている。旋回スクロール
50のラップ先端部には図1に示すようなチップシール
材50Cが装着されており、固定スクロールの歯底面に
当接している。他方、固定スクロールにも図1に示すチ
ップシール材50Cが装着されており、旋回スクロール
50の歯底面に当接している。旋回スクロール50の中
央部には鏡板50bと一体に構成された円筒部材55が
配置されている。また、円筒部材55の内部は軸受面が
構成されていて、固定スクロールに設けられた軸受要素
57及び58に軸支されたクランク軸56とは回転可能
な状態で連結されている。クランク軸56の下端部には
給油管61が配置され潤滑油62内に浸漬されている。
一方、円筒部材55はバランスウェイト69を備えたモ
ータ軸65に結合されておりモータ70の回転トルクを
伝達できるようになっている。モータ軸65は、軸受支
持要素68に配置された軸受67によって回転可能に軸
支されている。モータステータ70aは密閉容器60に
固定され、モータロータ70bはモータ軸65に固定さ
れている。また、密閉容器60には電流導入端子71が
設けられておりモータ70と結線されている。また、密
閉容器60の上部には吐出ポート72が配設され、外部
に設けられている冷凍空調装置に接続されている。な
お、この吐出ポート72から排出された気体は冷凍空調
装置内を循環して再び吸い込み管63に戻るようになっ
ている。次にこの圧縮機の動作について簡単に述べる。
電流導入端子71から、モータ70に電力が供給される
とモータ軸65が回転し旋回スクロール50が旋回運動
する。その結果、気体は吸い込み管63から圧縮機内に
流入し、鏡板を挟んだ上下の圧縮機作動室で同時に圧縮
され中央部で高圧になる。下部の圧縮機作動室で高圧に
なったガスは、上部の圧縮作動室側に流入し合流してさ
らに吐出口52dから密閉容器60内に吐出される。他
方、モータの回転に伴って潤滑油62が給油管61を通
って軸受57,58に供給される。軸受の廃油は高圧の
ガスと混合しガスと共に、密閉容器内の空間73に充満
する。この時、潤滑油とガスは分離され、潤滑油は下部
に落ちガスは吐出ポート72から機外へ排出されるよう
になっている。圧縮動作中旋回スクロールがスムーズに
運動できるよう上下の固定スクロールと微小な隙間を保
った状態で旋回スクロール50を組み付ける必要がある
ため、本発明のチップシールを適用しないで構成すると
旋回スクロールは位置が定まらず不安定な運動を引き起
こし、振動が大きくなったり性能が低下する問題があっ
た。しかし、本発明のチップシールを適用することによ
って上下の固定スクロールとの間の微小な隙間はなくな
り、さらには運転中の吸水膨潤や熱膨張によってチップ
シールが外側に張り出してくるので適度な接触力で固定
スクロールに接触するので、旋回スクロール50はより
安定状態で運転されることになる。従って、低振動で性
能の高い圧縮機を提供することができる。本実施形態
は、冷凍及び空調機用圧縮機として適用できる。
【0025】また、密閉形ダブルスクロール圧縮機では
実施形態の他、図6に示すように、片方の圧縮作動室を
構成する側、もしくは旋回スクロールの片方のラップ先
端部にのみ本発明のチップシールを装着して構成するこ
ともできる。このような構成でも片方のチップシールに
よって旋回スクロールを位置が特定されるためほぼ安定
した運動を達成することができる。またこのようにする
と他方の圧縮作動室のチップシール溝の加工やチップシ
ール部品を省略することができ、安価な圧縮機を提供す
ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、チップシール材の吸水
膨潤や熱膨張によってチップシールが相手の歯底面に全
体的に均一でしかも適度な力で当接するため、チップシ
ール先端部でのシール性能を高めることができる。ま
た、チップシールの渦巻方向に沿った膨張に対して寸法
吸収能力を有しているため、チップシールのはみ出し現
象を阻止することができる。また、ダブルスクロール圧
縮機では、このチップシールを備えることによって特に
高い加工精度を必要とせずに構成することができる徐。
また、圧縮室間のシール性能が高く旋回スクロールの安
定運動が維持できるので、圧縮機容器の割には小形でコ
ンパクトな高性能の圧縮機を提供できる。また、旋回ス
クロールに作用する気体のスラスト力はバランスするた
め、圧縮作動室を無潤滑で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すチップシール体とス
クロールラップ先端部の部分斜視図。
【図2】本発明の一実施形態を示すチップシール体の部
分断面図。
【図3】本発明の一実施形態で圧縮機運転中の様子を示
すチップシール体の部分断面図。
【図4】本発明の第二の実施形態を示す密閉型スクロー
ル圧縮機の断面図。
【図5】本発明の第三の一実施形態を示す開放型のダブ
ルスクロール圧縮機の断面図。
【図6】本発明の第四の一実施形態を示す開放型のダブ
ルスクロール圧縮機の断面図。
【図7】本発明の第五の一実施形態を示す開放型のダブ
ルスクロール圧縮機の断面図。
【図8】本発明の第六の一実施形態を示す開放型のダブ
ルスクロール圧縮機の断面図。
【符号の説明】
30…旋回スクロール、31,32…固定スクロール、
30C…チップシール体、33…圧縮作動室、35…駆
動軸、36…補助クランク軸、38…回転タイミング調
整手段、39…バランスウェイト、40…吐出孔、41
…放熱フィン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 昭 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 椎木 和明 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 川野 勇 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】渦巻き形の溝もしくはラップをしており、
    前記ラップの先端部にチップシールを装着するスクロー
    ル部材によって圧縮機構部を構成するスクロール形流体
    機械において、前記チップシールの1部または全部が吸
    水によって膨潤する部材によって構成されており、この
    チップシールをスクロールラップの先端部に装着したこ
    とを特徴とするスクロール形流体機械。
JP31631195A 1995-12-05 1995-12-05 スクロール形流体機械 Pending JPH09158853A (ja)

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