JP3201901B2 - スクロ−ル形圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル形圧縮機

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JP3201901B2
JP3201901B2 JP03959494A JP3959494A JP3201901B2 JP 3201901 B2 JP3201901 B2 JP 3201901B2 JP 03959494 A JP03959494 A JP 03959494A JP 3959494 A JP3959494 A JP 3959494A JP 3201901 B2 JP3201901 B2 JP 3201901B2
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勤 市川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、渦巻状に加工された
2つの翼を持つ旋回体を組み合わせ、これらの相対旋回
運動によりフロン冷媒等の流体の圧縮を行うスクロ−ル
形圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロ−ル形圧縮機は、渦巻状に加工さ
れた2つの翼すなわち、非旋回スクロ−ル翼と旋回スク
ロ−ル翼とを組み合わせ、これらの相対運動により気体
の圧縮を行うものである。
【0003】すなわち、スクロ−ル圧縮機は、上記旋回
スクロ−ル翼を具備する旋回スクロ−ルを非旋回スクロ
−ル翼を具備する非旋回スクロ−ルに対して旋回駆動す
ることで、上記非旋回スクロ−ル翼と旋回スクロ−ル翼
とによって区画された圧縮空間を旋回させながら上記非
旋回スクロ−ルの径方向外側から中央部に移動させ気体
を圧縮する。圧縮された気体は、上記非旋回スクロ−ル
の中心部に穿設された吐出口から外部に吐出されるよう
になっている。
【0004】上記非旋回スクロ−ルは、このスクロ−ル
圧縮機のケ−スに固定され、上記旋回スクロ−ルは上記
ケ−スに設けられた電動機のクランクシャフトに取り付
けられている。
【0005】そして、上記流体を圧縮することによって
上記旋回スクロ−ルに生じるスラスト荷重を受けるため
に、上記旋回スクロ−ルの背面は上記ケ−ス側に固定さ
れたフレ−ムによってスライド自在に支持されている。
【0006】ところで、このようなスクロ−ル形圧縮機
においては、上記圧縮室内に吸い込んだ流体を上記旋回
スクロ−ルおよび非旋回スクロ−ルの中央部に向かって
圧縮していく構成であるため、上記旋回スクロ−ルに生
じるスラスト力は、この旋回スクロ−ルの外周部から中
央部に向かって大きくなるということがある。
【0007】一方、上記フレ−ムは、上記旋回スクロ−
ルの背面全体を支持しているわけではなく、上記電動機
から導出されたクランクシャフトの偏心部との干渉を防
止するために、中央部に穴部を有する。
【0008】したがって、上記旋回スクロ−ルの背面の
中央部、すなわち上記フレ−ムの穴部に対応する部位
は、このフレ−ムによって支持されないこととなる。そ
して、この旋回スクロ−ルは、上記フレ−ムに対して偏
心回転するために、上記旋回スクロ−ルの背面の中央部
の一部には、上記旋回スクロ−ルが一回転する間に、上
記フレ−ムに支持されなかったり支持されたりする部位
が存在する。
【0009】一般に、上記旋回スクロ−ルは軽量アルミ
ニウム合金製であり、上記フレ−ムは鉄製である。ま
た、上記フレ−ムの穴部付近は潤滑油膜圧力の低い部分
であり、上述したように上記旋回スクロ−ルの中央部に
過大なスラスト力が発生している場合には、上記旋回ス
クロ−ルの背面が支持されていない状態から支持される
状態に移行する際に、上記フレ−ムに設けられた穴部の
内周縁部に食い込むようになり、上記旋回スクロ−ルの
背面にかじりが生じたり、この部分に異常摩擦やさらに
は焼き付きが生じるということがある。
【0010】また、旋回スクロ−ルのに生じるスラスト
力は一定ではなく、一般に、圧縮流体の吐出の瞬間が最
も大きくなる。このため、上記旋回スクロ−ルは軸方向
に振動しながら旋回することとなる。このため、上記旋
回スクロ−ルの中央付近は、旋回しながら極圧を受ける
ことなり、上述した不具合が生じやすいということがあ
る。
【0011】そして、これらのことにより、圧縮機が破
損したり運転効率が低下することがある。従来、上述し
た問題と同様の問題を解決する提案として、特公平3−
30681号公報に開示された発明がある。
【0012】この公報に開示された発明は、「スラスト
軸受の揺動スクロ−ル(旋回スクロ−ル)端板を支承す
る面、または揺動スクロ−ルの端板のスラスト軸受に支
承される面を半径方向に傾斜させ、内周側が外周側に対
し、軸方向に微小寸法だけ撓む中凸形状に形成した」も
のである。
【0013】この発明によれば、ガス圧縮時の上記旋回
スクロ−ルの中央部の撓みを許容し、この旋回スクロ−
ルの撓んだ部分を上記傾斜面で支承することで、この部
分の異常磨耗や焼き付けを防止することができるとされ
ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
には、以下に示す解決すべき課題がある。すなわち、上
記従来例は、上記スラスト軸受の支承面を傾斜させるこ
とによて、上記揺動スクロ−ルの撓んだ場合の面を支持
するものであるが、最近の空気調和機は、インバ−タ圧
縮機を採用しているものがあり、このような圧縮機にお
いては、上記旋回スクロ−ルの撓みは一定ではない。
【0015】特に、上記高速運転時には、低速運転時に
比べると上記旋回スクロ−ルの中央部に位置する圧縮空
間が高温になり、この位置に設けられたスクロ−ル翼に
大きな熱膨脹が生じることがある。
【0016】そして、このときの熱応力がそのままスラ
スト荷重となって上記旋回スクロ−ルに伝わり、さらに
大きな撓みが生じることも考えられる。一方、例えば液
バック運転等により上記圧縮空間内が異常昇圧状態にな
ることがあるが、この場合には、上記旋回スクロ−ルに
通常では考えられないような異常なスラスト荷重が生じ
ることとなる。
【0017】このように、上記旋回スクロ−ルに異常な
撓みが生じて、上記傾斜面に強く押し付けられる場合に
は、旋回運転の途中で上記傾斜面の内周縁部が上記旋回
スクロ−ルの鏡板の下面に食い込み、この鏡板にかじり
や焼き付きが生じるということが考えられる。
【0018】すなわち、このようなすべての状態に対応
し得る上記傾斜面の傾斜角度の算出および傾斜面の形を
設計するのは困難であり、また、その成形も非常に難し
いということがある。
【0019】このため、上述した構成では、種々の運転
状態に対応することができず、安定した運転が行えない
ということがある。この発明は、このような事情に鑑み
て成されたもので、簡単な構成で種々の運転状態に対応
して旋回スクロ−ルの食い込みや焼き付けを防止でき、
信頼性の高い運転を行えるスクロ−ル形圧縮機を提供す
ることを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の手段
は、非旋回スクロ−ル翼を具備し、ケ−ス内に回転不能
に設けられた非旋回スクロ−ルと、旋回スクロ−ル翼を
具備し、この旋回スクロ−ル翼を非旋回スクロ−ル翼の
隙間に挿入することで、上記非旋回スクロ−ルに対して
圧縮空間を介して組み合わされ、上記非旋回スクロ−ル
に対して旋回駆動されることで上記圧縮空間に吸い込ん
だ流体を上記旋回中心に向かって圧縮する旋回スクロ−
ルと、この旋回スクロ−ルの背面側に設けられ、この旋
回スクロ−ルの背面を摺動自在に支持することで、この
旋回スクロ−ルに作用するスラスト荷重を受けるスラス
ト荷重受け部と、上記旋回スクロ−ルの背面あるいは上
記スラスト荷重受け部の支持面の少なくともどちらかに
設けられ、上記旋回スクロ−ルとスラスト荷重の受け部
材の一部との間に微小隙間を区画する凹陥部とを具備す
ることを特徴とするスクロ−ル形圧縮機である。
【0021】第2の手段は、第1の手段のスクロ−ル形
圧縮機において、上記凹陥部は、上記旋回スクロ−ルの
背面あるいはスラスト荷重受け部の支持面の少なくとも
どちらか一方の回転中心に近い位置に、段差を設けるこ
とで形成したことを特徴とするものである。。
【0022】第3の手段は、第1の手段のスクロ−ル形
圧縮機において、上記凹陥部は、上記旋回スクロ−ルと
スラスト荷重の最も大きくなる部位に極所的に設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0023】第4の手段は、第1の手段のスクロ−ル形
圧縮機において、上記凹陥部は、上記旋回スクロ−ルの
旋回スクロ−ル翼の回転軸に沿う方向の運転時の熱的変
形量に対応して、この旋回スクロ−ルの中心部に向かっ
て成形された複数の段差から構成されることを特徴とす
るものである。
【0024】第5の手段は、第4の手段のスクロ−ル形
圧縮機において、上記段差は、上記スラスト荷重受け部
の支持面側に形成したことを特徴とするものである。第
6の手段は、第4の手段のスクロ−ル形圧縮機におい
て、上記段差は、上記スラスト荷重受け部および旋回ス
クロ−ルの背面に設けられ、それらの間には板状の摺動
部材が介在されていることを特徴とするものである。
【0025】
【作用】このような構成によれば、スラスト荷重の大き
くなる部分に凹陥部を形成することによって、旋回スク
ロ−ルの背面がスラスト受け部に食い込むことを防止で
きる。
【0026】また、旋回スクロ−ル翼の変形に応じた、
上記旋回スクロ−ルの撓みを許容することができるか
ら、旋回スクロ−ル翼の突端からの圧縮ガス漏れを防止
できる。
【0027】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1〜図4を参
照して説明する。図1は、この発明のスクロ−ル形圧縮
機を示すものである。図中1は、密閉ケ−ス(ケ−ス)
である。この密閉ケ−ス1内には、この発明のスラスト
荷重受け部としての支持フレ−ム2が固定されている。
この支持フレ−ム2は、上端部3aの中心軸線L1 が下
端側3bの中心軸線L2 に対して所定寸法偏心して形成
されてなるクランクシャフト3を回転自在に支持してい
る。
【0028】このクランクシャフト3の下端側は、上記
フレ−ム2の下方に設けられた電動機4に接続されてい
る。この電動機4は、上記クランクシャフト3の下端側
3bに外嵌されたロ−タ5と、上記ケ−ス1の内壁に固
定され上記ロ−タ5の外周面に所定隙間を存して対向す
るステ−タ6とからなる。
【0029】この電動機4は、図示しないインバ−タ回
路を介して電源に接続され、このインバ−タ回路は、図
示しない制御部によって制御されるようになっている。
したがって、上記クランクシャフト3はこの電動機4が
作動することで、任意の制御速度で上記ロ−タ5と共に
軸線L2 回りに回転駆動されるようになっている。
【0030】また、上記フレ−ム2の上部には、圧縮機
構部8が設けられている。この圧縮機構部8は、下部に
突設されたボス部9cを上記クランクシャフト3の上端
部3aに遊嵌されると共に、上記フレ−ム2の上面(以
下「支持面2a」という)によって支持される旋回スク
ロ−ル9と、この旋回スクロ−ル9と上記フレ−ム2と
の間に設けられ、この旋回スクロ−ル9の自転を防止す
るオルダムリング10と、上記旋回スクロ−ル9に圧縮
空間12を介して組み合わされると共に、上記フレ−ム
2から立設された支持ピン13によって回転不能かつ上
下移動可能に設けられた非旋回スクロ−ル14とから構
成される。
【0031】上記旋回スクロ−ル9と非旋回スクロ−ル
14は、それぞれ、上下方向に互いに対向する鏡板9
a、14aと、この鏡板9a、14aの対向面にそれぞ
れ立設された平面視渦巻き状の旋回スクロ−ル翼9b、
非旋回スクロ−ル翼14bを具備する。そして、それぞ
れのスクロ−ル翼9b、14bの突端面を互いに相手の
鏡板14a、9aに当接させることで複数の圧縮空間1
2を区画している。
【0032】この圧縮空間12は、上記電動機4が作動
し、上記旋回スクロ−ル9を非旋回スクロ−ル14に対
して旋回駆動されることで、径方向外縁部から中心部へ
と旋回しながら移動すると共にその容積を縮小させ圧縮
作用を行う。
【0033】このスクロ−ル圧縮機は、このような作用
を利用することで、流体の圧縮を連続的に行うもので、
圧縮された流体は上記非旋回スクロ−ル14の鏡板14
aの中心部に設けられた吐出口17からこの非旋回スク
ロ−ル14の上方へと吐出されるようになっている。
【0034】この非旋回スクロ−ル14の上方には、こ
の非旋回スクロ−ル14の鏡板14aの上面と狭小隙間
を介して設けられ、上記密閉ケ−ス1の上端部を仕切る
背圧板18が設けられている。
【0035】この背圧板18によって上記密閉ケ−ス1
内に区画された空間は吐出室19と称され、上記非旋回
スクロ−ル14の吐出口17から吐出された流体は、こ
の背圧板18の中心孔部18aの上部に設けられた逆止
弁20を通過して上記吐出室19内に導入されるように
なっている。また、この吐出室19には、この吐出室1
9内に満たされた流体を密閉ケ−ス1外へ吐出する吐出
管22が設けられている。
【0036】また、上記背圧板18の下面には中心軸線
L2 を中心として異なる半径で設けられた第1および第
2の環状段差23、24がこの背圧板18と一体的に形
成されている。
【0037】一方、上記非旋回スクロ−ル14の鏡板1
4aの上面には、上記第1および第2の環状段差23、
24の内側に近接する第1および第2の環状突起25、
26が一体的に突設されている。
【0038】そして、上記第1の環状突起25の上記第
1の環状段差23に対向する面(外周面)には、図2に
示すように、径方向外側にコ字状に開放する第1の溝2
5aが全周に亘って設けられ、この第1の溝25a内に
は、上記第1の環状突起25と第1の環状段差23の間
の隙間を気密にシ−ルするリング状の第1のシ−ル部材
28が挿入されている。
【0039】一方、第2の環状突起26にも、同様な第
2の溝26aが設けられ、この第2の溝26a内には、
第2の環状突起26と第2の環状段差24の間の隙間を
気密にシ−ルする第2のシ−ル部材29が挿入されてい
る。
【0040】このことにより、この背圧板15と非旋回
スクロ−ル13間には、上記第1の環状突起25および
第1の環状段差23によって高圧吐出室31(背圧案内
手段)が区画され、その外側には、第2の環状突起26
および第2の環状段差24によって中間圧室32(背圧
案内手段)が区画されている。
【0041】なお、上記非旋回スクロ−ル14の鏡板1
4aには、上記中間圧室28と上記圧縮空間16とを連
通させ、上記中間圧室32内に中間圧力に圧縮された流
体を充満させる連通孔33が設けられている。
【0042】次に、上記第1、第2のシ−ル部材28、
29の構成について図3〜図5を参照して詳しく説明す
る。ただし、この第1のシ−ル部材28と第2のシ−ル
部材29は、直径が異なるだけの相似形状であるので、
第1のシ−ル部材28の構成のみを説明し、上記第2の
シ−ル部材29の説明は省略する。
【0043】上記第1のシ−ル部材28は、図4(a)
に示すようなリング状の部材であり、例えばPEEK
(ポリエ−テルエ−テルケトン)、PPS(ポリフェニ
レンサルファイド)、PTFE(ポリテトラフロロエチ
レン)などの樹脂材で形成されている。
【0044】また、この第1のシ−ル部材28は、円周
方向の一部に、図に35で示すような突合わせ部が設け
られていて、この第1のシ−ル部材28を上記第1の環
状突起25に設けられた第1の溝25aに取り付ける場
合には、図4(b)に示すように、上記突合わせ部35
を周方向に開きつつ取り付けるようにする。
【0045】なお、上記突合わせ部35は、同図に示す
ように、径方向外面側に、周方向に互いに組み合われる
凸部35aおよび凹部35bを具備し、これらを組み合
わせることで突合わせられるようになっている。
【0046】そして、この突合わせ部35は、上記凸部
35aおよび凹部35bによって、周方向に若干量開か
れた場合でもシ−ル力を保つことができるようになって
いる。
【0047】また、この第1のシ−ル部材28は、図3
に示すように、径方向外周面28aと下面28bをシ−
ル面とする。すなわち、この外周面28aと下面28b
は互いに直角に設けられ、それぞれ上記第1の環状段差
23の内面と上記第1の環状突起25に設けられた第1
の溝25aの底面とに当接し、それらと気密に密着する
ようになっている。なお、上記第1の環状段差23の内
面と上記第1の環状突起25の外面の間の隙間tは、上
記第1のシ−ル部材28の外径の0.001〜0.1倍
となるように設定されている。
【0048】なお、この第1のシ−ル部材28の外周面
28aと下面28b以外の面、すなわち、上面と内周面
は、シ−ル面ではないので、上記内周面は、図3に示す
ように、この第1のシ−ル部材25の幅が上面から下面
に向かって次第に大きくなるように二次曲線状に傾斜し
ていても良い。
【0049】また、上記外周面28aと下面28bとが
平坦でかつ直角をなしていれば、上記上面と内周面の形
状は問わず、例えば、図5(a)あるいは(b)に示す
ような形状であっても良い。
【0050】上記第1のシ−ル部材28は、図3に矢印
で示すように、上記上面と内周面とに上記高圧吐出室3
1内の圧力を受け、外方向および下方向に押圧されるこ
とで、上記外周面28aと下面28bとで、上記第1の
環状突起25と第2の環状段差23間のシ−ルを行うよ
うになっている。
【0051】上述した第1、第2のシ−ル部材28、2
9によって気密に区画される高圧吐出室31および中間
圧室32は、上記非旋回スクロ−ル14の鏡板14aに
上記圧縮空間12内の圧力よりも高い背圧を作用させる
ことで、上記非旋回スクロ−ル14を上記旋回スクロ−
ル9に押し付ける機能を有する。
【0052】また、何等かの原因で上記圧縮室12内の
圧力が上昇しすぎた場合には、上記非旋回スクロ−ル1
4の上昇を許容し、上記圧縮室12内の昇圧状態を解消
するものである。このような機能はコンプライアンス機
能と称される。
【0053】なお、上記非旋回スクロ−ル14が必要以
上に上昇するのを防止するために、上記フレ−ム2に
は、図1に37で示すストッパが設けられている。この
ストッパ37は、上記非旋回スクロ−ル14のフランジ
部14cを貫通して設けられ、上端部にこの非旋回スク
ロ−ル14の上昇を規制する鍔部37aを有する。
【0054】次に、この発明の要部である、上記旋回ス
クロ−ル9のスラスト荷重を受ける部分の構成について
説明する。図1に示すように、上記フレ−ム2は、上部
中央に、上記クランクシャフト3の上端部3aに遊嵌さ
れた上記旋回スクロ−ル9のボス部9cが偏心運動しう
る大きさに形成された穴部38を有する。
【0055】図6に示すように、この穴部38(二点鎖
線で示す)の内径A1 は、上記旋回スクロ−ル9のボス
部9cの外径A2 よりも、上記クランクシャフト3の上
端部3aの偏心量eの2倍以上大きく形成されている。
【0056】そして、このフレ−ム2は、図1に示すよ
うに、上記穴部38よりも径方向外側の上面2a(支持
面)で上記旋回スクロ−ル9の鏡板9aの下面(旋回ス
クロ−ル9の背面)を摺動自在に支持し、この旋回スク
ロ−ル9のスラスト荷重を受けるようになっている。し
たがって、このフレ−ム2の上面2aは平坦に形成され
ている。
【0057】一方、上記旋回スクロ−ル9の背面には、
中心軸L1 を中心とする直径A3の環状の段差39が設
けられ、この段差39から径方向内側は上記フレ−ム2
の上面2aとの間に所定隙間を区画する凹陥部40とな
っている。
【0058】上記段差39の直径A3 は、上記フレ−ム
2に形成された穴部38の内径A1 よりも偏心量eの2
倍以上大きく設定されている。すなわち、上記旋回スク
ロ−ル9が上記フレ−ム2に対して旋回運動を行った場
合に、上記鏡板9aの摺動面が(上記段差39よりも径
方向外側に位置する下面)が上記フレ−ム2の上面2a
から上記穴部38内に突出しないようになっている。
【0059】なお、上記段差39の深さ(凹陥部40の
深さ)は、この圧縮機の運転時における上記旋回スクロ
−ル9の鏡板9aの撓み量および上記スクロ−ル翼9b
の軸方向の膨脹量を考慮して定められ、少なくとも、高
速運転時における上記撓み量および上記膨脹量よりも大
きく設定される。
【0060】次に、上述した構成を有するスクロ−ル圧
縮機の動作について説明する。なお、基本的な圧縮動作
については、すでに述べたので説明を省略する。通常の
圧縮運転時には、図1に示すように、上記旋回スクロ−
ル9と非旋回スクロ−ル14は、上記高圧吐出室31お
よび中間圧室32によって上記非旋回スクロ−ル14に
加わる背圧によって組み合わされている。
【0061】このことにより、上記旋回スクロ−ル翼9
bおよび非旋回スクロ−ル翼14bとによって区画され
る圧縮空間10は必要な気密状態を保つことができるよ
うになっている。
【0062】なお、このとき、上記非旋回スクロ−ル1
4は、上記ストッパ31の鍔部31aの下面および上記
フレ−ム2の縁部の上面2a(非旋回スクロ−ル7の下
降量を規制する規制手段)とそれぞれ狭小の隙間を保
ち、上下方向どちらにも移動可能なように保持されてい
る。
【0063】また、通常の圧縮運転の際には、上記旋回
スクロ−ル9に生じるスラスト荷重は上記フレ−ム2の
上面2aによって支持されている。なお、この圧縮機は
インバ−タ圧縮機であり、上記旋回スクロ−ル9の旋回
速度は、所定の低速(低負荷時)と高速(高負荷時)と
の間で、任意の速度に設定される。
【0064】低速運転時には、上記圧縮室12内の圧力
は低いから、上記スラスト荷重は小さく、したがって上
記旋回スクロ−ル9の鏡板9aはあまり撓まない。一
方、高速運転時には、反対に上記圧縮室12内の圧力が
上昇し、上記スラスト荷重は増す。特に、上記圧縮室1
2内の流体は、径方向外側から中央部に向かって次第に
圧縮されることから、上記旋回スクロ−ル9の中央部に
生じる圧力が特に大きくなり、それがスラスト力となっ
て上記鏡板9aに作用することとなる。
【0065】また、このような高速運転の際には、圧縮
された流体の温度が上昇し、この流体が満たされる圧縮
室12、すなわち上記旋回スクロ−ル9の中央部に位置
する圧縮室12内が高温になる。このことでこの圧縮室
12を区画する上記スクロ−ル翼9b、14bが軸方向
に熱膨脹することとなる。
【0066】このことにより、上記鏡板9の中央部に下
方向に押し付けられる力が働き、それがスラスト荷重と
なって上記鏡板9aに作用することとなる。このような
場合には、上記旋回スクロ−ル9の鏡板9aの上記段差
39から内側の部分(凹陥部40)が下方向に撓むこと
によって、上記スラスト力および上記スクロ−ル翼9
a、14aの膨脹量を吸収するようになっている。
【0067】そして、鏡板9aの中央部に生じたスラス
ト力は、上記段差39よりも外側の摺動部に分散され、
上記フレ−ム2の上面2aによって摺動自在に受け止め
られる。
【0068】また、上記摺動部は、上述したように、旋
回運動中に上記フレ−ム2の穴部38内に突出すること
がないから、上記鏡板9aの下面が上記フレ−ム2の内
周縁部に食い込むということがなくなり、上記鏡板9a
にかじりや焼き付きが生じることは少ない。
【0069】さらに、上記旋回スクロ−ル9の中央部に
位置するスクロ−ル翼9b、14bの膨脹に応じて上記
鏡板9aが撓み、上記旋回スクロ−ル9および非旋回ス
クロ−ル14のそれぞれの鏡板9a、14aとスクロ−
ル翼9b、14bとの間に隙間が生じることが防止され
るから、上記旋回スクロ−ル9と非旋回スクロ−ル14
との間の気密状態を保持することができ、効率の良い圧
縮を維持することができる。
【0070】次に、液バック運転などにより上記圧縮空
間12内の圧力が異常に上昇した場合の動作について説
明する。この場合には、上記高圧吐出室31内の圧力よ
りも圧縮空間12内の圧力の方が大きくなるので、この
圧縮空間12内の圧力Pによって上記非旋回スクロ−ル
14は若干量上昇駆動される(コンプライアンス機
能)。このことで、上記非旋回スクロ−ル翼14bと旋
回スクロ−ル翼9bの気密が失われ、圧縮された流体を
逃がすことができる。
【0071】以上述べたような構成によれば、以下に説
明する効果がある。第1に、上記鏡板9aの中央部下面
に段差39を設け、フレ−ム2の上面2aとの間に所定
の隙間を区画する凹陥部40を形成した。そして、この
段差39の内径A3 は、上記フレ−ム2に設けられた穴
部38の内径A1 よりも少なくとも偏心量eの2倍以上
大きく設定した。
【0072】このことによって、上記鏡板9aの中央部
に、旋回運動中に上記フレ−ム2の上面によって支持さ
れたり支持されなかったりする部分がなくなる。このこ
とにより、旋回動作中に上記鏡板9aの下面が上記フレ
−ム2の穴部38の縁部に食い込むことがなくなり、上
記旋回スクロ−ル9にかじりや焼き付きが生じることを
防止することができる。
【0073】したがって、上記旋回スクロ−ルとフレ−
ムとの間の摩擦力が異常に上昇することが防止できるか
ら効率の良い運転を維持できると共に、この圧縮機の破
損も有効に防止できる効果がある。
【0074】第2に、また、上記鏡板9aの中央部に生
じるスラスト力はこの鏡板9aの径方向外側に分散し、
上記フレ−ム2の上面2aによって安定的に支持され
る。したがって、上記電動機のインバ−タ運転における
回転速度の高低を問わず、安定した運転を行うことがで
きる効果がある。
【0075】これに対し、従来例の項で挙げた発明は、
電動機の回転速度の変化を想定しておらず、回転数によ
っては、上記旋回スクロ−ル9を支持できなかったり、
この旋回スクロ−ル9が傾斜面に強く押圧されたりし
て、上記旋回スクロ−ルを安定的に支持することができ
ない場合がある。
【0076】第3に、特に高速運転時の旋回スクロ−ル
9の中央部に位置するスクロ−ル翼9b、14bの熱膨
脹を上記鏡板9aの中央部を撓わませることで許容する
ことができ、上記旋回スクロ−ル9と非旋回スクロ−ル
14のスクロ−ル翼9b、14bと鏡板9a、14aと
の間に隙間が生じるのを有効に防止することができる。
【0077】このことによって、通常運転時における圧
縮漏れを少なくすることができ、効率の良い圧縮を行う
ことができる効果がある。第4に、上記鏡板9a下面と
フレ−ム2の上面との間に凹陥部40を成形するために
は、上記鏡板9aの下面をエンドミルで切削すれば良
い。
【0078】これは、従来例の項で挙げた発明における
傾斜面よりも構成が簡単で、成形も容易であり、また、
材料の歩留まりも良いという効果がある。第5に、これ
は、実施例のみの効果であるが、上述したコンプライア
ンス機構を構成するべく、上記背圧板18と非旋回スク
ロ−ル14との間のシ−ルを行うのに、2つの面(外周
面28aおよび下面28b)をそれぞれ上記背圧板18
と非旋回スクロ−ル14に当接するシ−ル面とするリン
グ状のシ−ル部材28を用い、他の面に作用する圧力に
より上記2つの面をそれぞれ上記背圧板18と非旋回ス
クロ−ル14とに押し付けることによりシ−ルを行うよ
うにした。
【0079】従来は、上記背圧板18と非旋回スクロ−
ル14のシ−ルは、U字シ−ルリングの内側にバネ材を
挿入したもの、あるいは断面円形状のOリングを用いて
行っていた。しかし、前者は製造コストが高く、後者は
信頼性が低く長時間の運転に耐えられないということが
あった。
【0080】しかし、上述した構成によれば、簡単な構
成であるから製造コストおよび組み付けが容易であり、
また、シ−ルを行う2面28a、28bは平面に形成し
たから、シ−ル面積を大きくとることができ、信頼性も
高い。
【0081】また、上記第1の環状段差23の内面と上
記第1の環状突起25の外面の間の隙間tは、上記第1
のシ−ル部材28の外径の0.001〜0.1倍となる
ように設定されているので、そのシ−ル性は安定してい
る。
【0082】このことにより、簡単な構成で、シ−ル性
能の高いコンプライアンス機能を有する圧縮機を得るこ
とができ、長時間の運転でも信頼性を維持することがで
きる効果がある。
【0083】次に、この発明の第2の実施例について説
明する。なお、上記第1の実施例と同一の構成要素につ
いては、同一の符号を付してその説明は省略する。上記
第1の実施例においては、上記隙間を区画する凹陥部
は、段差によって設けられていたが、図7に示すよう
に、上記スラスト荷重の最も大きくなる位置をあらかじ
め算出あるいは実験によって求めておいて、この部分に
対応する上記旋回スクロ−ル9の鏡板9aの下面に、窪
み部42を設けるようにしてもよい。すなわち、この発
明の凹陥部を局所的に設けたものである。
【0084】なお、図中43は、上記オルダムリング1
0のキ−部が挿入されるキ−溝である。このような構成
によれば、上記旋回スクロ−ル9の鏡板9aの下面のう
ち最も大きなスラスト荷重が生じる部位が、上記フレ−
ム2の上面2aに当接することがないから、食い込みや
焼き付きが生じることが少ない。そして、この部分に生
じるスラスト荷重は、外周部に分散し、上記フレ−ム2
の上面2aによって支持されることとなる。
【0085】したがって、上記第1の実施例と同様の効
果を得ることができる効果がある。なお、上記旋回スク
ロ−ル9の鏡板9aのうち最も大きなスラスト荷重が生
じる部位は、上記スクロ−ル翼9bの端部に対応する部
位およびこの部位から周方向に180°離間した位置で
あると考えられる。
【0086】次に、第3の実施例について説明する。な
お、上記第1の実施例と同一の構成要素については、同
一の符号を付してその説明は省略する。図8に示すよう
に、この第3の実施例の旋回スクロ−ル9の鏡板9bに
は、段差が設けられていおらず、かわりに、上記フレ−
ム2の上面2aには中央部に向かって次第に低くなる複
数の段差44〜46が設けられている。
【0087】すなわち、上記フレ−ム2の上面2aと旋
回スクロ−ル9の背面に設けられる隙間(凹陥部)は、
この旋回スクロ−ル9の中央部に向かって次第に大きく
なるように形成されている。
【0088】このことにより、中央部に向かって次第に
大きくなる上記スクロ−ル翼9b、14bの熱膨張量に
対して、より良好に対応することができる。すなわち、
上記圧縮室12内の流体は、この旋回スクロ−ル9の中
心部に向かって次第に圧縮されていくので、外周部から
中央部にむかって上記圧縮室内の温度が上昇していくこ
とになる。したがって、上記スクロ−ル翼9b、14b
に生じる熱膨脹は、径方向外側から中央部に向かって次
第に大きくなっていくのである。
【0089】上述したような構成によれば、このような
スクロ−ル翼9b、14bの熱膨張に対応する分の上記
鏡板9aの撓みを許容することができ、上記旋回スクロ
−ル9および非旋回スクロ−ル14のスクロ−ル翼9
b、14bの突端と鏡板9a、14aとの間に隙間が生
じることを有効に防止することができる。したがって、
効率の良い圧縮することができる効果がある。
【0090】なお、このとき、上記旋回スクロ−ル9の
鏡板9aの中央部に生じるスラスト力は、この鏡板9a
の径方向外側の上記フレ−ム2の上面2aによって支持
される部分に分散されることとなる。
【0091】なお、このとき、上記旋回スクロ−ル9の
旋回運動に伴い、上記フレ−ム2に設けられた第1の段
差44の縁部がこの旋回スクロ−ル9の鏡板9aの下面
と摺接する部位が生じる。
【0092】しかし、この外周部分に生じるスラスト力
は、中心部に極部的に生じる場合に比べて小さいので、
上記鏡板9aの下面が上記フレ−ム2の上記第1の段差
44の縁部に食い込むことはない。
【0093】次に、第4の実施例について説明する。た
だし、上記第1の実施例と同一の構成要素については、
同一の符号を付してその説明は省略する。上記第3の実
施例においては、上記フレ−ム2の上面2aに3つの段
差が設が設けられていたが、図9に示すように、径方向
外側から、上記フレ−ム2の上面2aに一つの段差49
を設け、上記旋回スクロ−ル9の鏡板9aの下面に2つ
の段差47、48を設けることで、次第に高さが高くな
る凹陥部を形成するようにしても良い。
【0094】このような構成によっても上記第1〜第3
の実施例と略同様の効果を得ることができる。次に第5
の実施例について説明する。ただし、上記第1の実施例
と同一の構成要素については同一の符号を付してその説
明は省略する。
【0095】この第5の実施例では、図10に示すよう
に、上記旋回スクロ−ル9の鏡板9aの下面に2つの段
差50、51を設けると共に、上記フレ−ム2の上面2
aうに3つの段差を設け、これらの間に、上記旋回スク
ロ−ル9に設けた各段差50、51の縁部に当接するよ
うに中央部が上方に凸なる薄板鉄製の板ばね56を介在
させたものである。
【0096】上記電動機を作動させると、上記旋回スク
ロ−ル9と上記板ばね56は、共に旋回駆動される。そ
して、上記旋回スクロ−ル9に生じるスラスト力は、上
記板ばね56を介して上記フレ−ム2の上面2aによっ
て支持されることとなる。
【0097】このとき、上記板ばね56と上記フレ−ム
2とが摺接することとなるが、両者とも鉄製であるの
で、食い込みやかじりが生じることはない。また、上記
旋回スクロ−ル9に過大なスラスト力が生じたり、上記
スクロ−ル翼9b、14bに熱膨脹が生じた場合には、
それに対応して、上記旋回スクロ−ル9の鏡板9aの中
央部が上記板ばね56の付勢力に抗して撓む。
【0098】このことによって、上記第1〜第4の実施
例と同様の効果を得ることができる。なおこの発明は、
上記第1〜第5の実施例に限定されるものではなく、発
明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0099】例えば、上記実施例で説明した圧縮機は、
電動機4を内蔵しているものであったが、これに限定さ
れるものではなく、別体式のものであっても良い。ま
た、上記シ−ル部材28(29)は、外周面28aおよ
び下面28bでシ−ル作用を行うものであったが、これ
に限定されるものではない。図11に示すように、上面
および外周面でシ−ル作用を行うようなものであっても
良い。
【0100】なお、このような構成の場合には、上記シ
−ル部材28、29の下面を図に55で示すバネで支持
するようにする。さらに、上記一実施例では、コンプラ
イアンス機能を有する圧縮機であったが、特許請求の範
囲に記載された発明によれば、このような機能を有しな
い圧縮機であってもその効果を奏することができる。
【0101】
【発明の効果】この発明は、非旋回スクロ−ル翼を具備
し、ケ−ス内に回転不能に設けられた非旋回スクロ−ル
と、旋回スクロ−ル翼を具備し、この旋回スクロ−ル翼
を非旋回スクロ−ル翼の隙間に挿入することで、上記非
旋回スクロ−ルに対して圧縮空間を介して組み合わさ
れ、上記非旋回スクロ−ルに対して旋回駆動されること
で上記圧縮空間に吸い込んだ流体を上記旋回中心に向か
って圧縮する旋回スクロ−ルと、この旋回スクロ−ルの
背面側に設けられ、この旋回スクロ−ルの背面を摺動自
在に支持することで、この旋回スクロ−ルに作用するス
ラスト荷重を受けるスラスト荷重受け部と、上記旋回ス
クロ−ルの背面あるいは上記スラスト荷重受け部の支持
面の少なくともどちらかに設けられ、上記旋回スクロ−
ルとスラスト荷重の受け部材の一部との間に微小隙間を
区画する凹陥部とを具備するスクロ−ル形圧縮機であ
る。
【0102】このような構成によれば、第1に、旋回ス
クロ−ルの上記スラスト荷重受け部に対する食い込み
(かじり)や焼き付きを防止でき、異常摩擦による効率
低下や破損を防止することができると共に、加工性が良
いので、量産性に優れ、コストダウンを図ることができ
る効果がある。
【0103】第2に、第1の効果を達成しつつ上記旋回
スクロ−ルのスラスト荷重を良好に支持することがで
き、安定した運転を行える効果がある。第3に、スクロ
−ル翼の熱膨脹による圧縮ガス漏れを防止でき、効率の
良い運転を行うことができる効果がある。第4に、異常
運転時に、スクロ−ル翼にかかる過大なストレスを解消
し、圧縮機の破損を有効に防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す概略縦断面図。
【図2】同じく、拡大縦断面図。
【図3】同じく、拡大縦断面図。
【図4】同じく、シ−ル部材を示す斜視図。
【図5】同じく、シ−ル部材を示す径方向に沿う縦断面
図。
【図6】同じく、旋回スクロ−ルを示す縦断面図および
下面図。
【図7】第2の実施例の、旋回スクロ−ルを示す縦断面
図および下面図。
【図8】第3の実施例の、旋回スクロ−ルとフレ−ムを
示す概略縦断面図。
【図9】第4の実施例の、旋回スクロ−ルとフレ−ムを
示す概略縦断面図。
【図10】第4の実施例の、旋回スクロ−ルとフレ−ム
を示す概略縦断面図。
【図11】他の実施例を示す一部縦断面図。
【符号の説明】
1…ケ−ス、2…フレ−ム(スラスト荷重受け部)、2
a…上面(支持面)、9…旋回スクロ−ル、9a…鏡板
(背面)、9b…旋回スクロ−ル翼、14…非旋回スク
ロ−ル、14b…非旋回スクロ−ル翼、39…段差、4
0…凹陥部。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非旋回スクロ−ル翼を具備し、ケ−ス内
    に回転不能に設けられた非旋回スクロ−ルと、 旋回スクロ−ル翼を具備し、この旋回スクロ−ル翼を非
    旋回スクロ−ル翼の隙間に挿入することで、上記非旋回
    スクロ−ルに対して圧縮空間を介して組み合わされ、上
    記非旋回スクロ−ルに対して旋回駆動されることで上記
    圧縮空間に吸い込んだ流体を回転中心に向かって圧縮す
    る旋回スクロ−ルとを備えたスクロ−ル形圧縮機におい
    て、 上記旋回スクロ−ルの背面側に設けられ、この旋回スク
    ロ−ルの背面を摺動自在に支持することで、この旋回ス
    クロ−ルに作用するスラスト荷重を受けるスラスト荷重
    受け部と、 上記旋回スクロ−ルの背面あるいは上記スラスト荷重受
    け部の支持面の少なくともどちらかの一部に設けられ、
    上記旋回スクロ−ルとスラスト荷重受け部との間に微小
    隙間を区画する凹陥部とを具備することを特徴とするス
    クロ−ル形圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロ−ル形圧縮機にお
    いて、 上記凹陥部は、 上記旋回スクロ−ルの背面あるいはスラスト荷重受け部
    の支持面の少なくともどちらか一方の回転中心に近い位
    置に、段差を設けることで形成したことを特徴とするス
    クロ−ル形圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスクロ−ル形圧縮機にお
    いて、 上記凹陥部は、上記旋回スクロ−ルとスラスト荷重の最
    も大きくなる部位に極所的に設けられていることを特徴
    とするスクロ−ル形圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のスクロ−ル形圧縮機にお
    いて、 上記凹陥部は、 上記旋回スクロ−ル翼および非旋回スクロ−ル翼の上記
    旋回スクロ−ルの旋回軸に沿う方向の運転時の熱的変形
    量に対応して、この旋回スクロ−ルの中心部に向かって
    上記微小隙間が大きくなるように成形された複数の段差
    からなることを特徴とするスクロ−ル圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のスクロ−ル形圧縮機にお
    いて、 上記段差は、 上記スラスト荷重受け部の支持面側に形成したことを特
    徴とするスクロ−ル形圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のスクロ−ル形圧縮機にお
    いて、 上記段差は、 上記スラスト荷重受け部および旋回スクロ−ルの背面の
    両方に設けられ、それらの間には板状の摺動部材が介在
    されていることを特徴とするスクロ−ル形圧縮機。
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