JPS6047441B2 - スクロ−ル流体機械 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 この発明は、冷凍、空調用、空気圧縮用あるいは膨脹
用のスクロール流体機械に関するものてある。

〔発明の背景〕

従来のスクロール流体機械の代表例であるスクロール
圧縮機を第１図により説明する。

旋回スクロール１は鏡板１ａと、この鏡板１ａに直立し
ているラップｌｂとからなり、ラップｌｂはインボリュ
ートまたはインボリュートに類似する曲線て形成されて
おり、一様な厚さをと一様な高されを持つている。固定
スクロール２は旋回スクロール１と全く同じ構成であり
、インボリュートの中心部に吐出孔３を、外縁部に吸入
孔４を備えている。旋回スクロール１と固定スクロール
２とはラップを互いに内側にして各ラップｌｂと２ｂと
がある角度ずらした状態で組合わされている。固定スク
ロール２に対し、旋回スクロールを見かけ上自転しない
ように旋回させ、圧縮室５、６を縮少して行きガスを圧
縮して吐出孔３より排出する。なお、旋回スクロール１
は駆動シャフト７により旋回させられる。 固定スクロ
ール２と旋回スクロール１の両部材により閉じられた密
閉空間５、６は、ラップ１ｂ、２ｂ同志の接触点がイン
ボリュートの中心に近づくにともなつて圧力がが高くな
る。

このため両部材１、２間には軸方向に引き離そうとする
力が生じる。両部材が圧力により引き離された場合には
、ラップ１ｂ，２ｂの先端面（軸方向端面）のシールが
不完全となりガス漏洩が増大し効率の低下をきたす。こ
のため通常は旋回スクロール１の背面に、スプリング等
の機械的方法で軸方向押し付け力を与えるか、自身の吐
出ラインからガスを導びき出し、このガスを減圧した後
、あるいは、密閉空間の適当な点から圧力ガスをハウジ
ング室Ｈに導ひいて、このガス圧により軸方向押し付け
力を与え前述の内部圧力による軸方向引き離し力と釣り
合うようにしている。しかし前者のスプリング等による
場合、可動部と静止部との間にスプリングを介在させる
ため、摺動部分が多くなり負荷面圧も高くなるため全体
として摩擦損失か増大する。

後者の場合従来の構造では、ハウジング室と吸入室との
シール部分は旋回スクロール１の前面側、すなわち固定
スクロール２の鏡板２ｂ部と旋回スクロール１の鏡板１
ｂ部だけであり、ハウジング室Ｈから吸入側へガスが漏
洩し易かつた。

特に起動時のごとぐ旋回スクロール１が固定スクロール
２に密着してない場合には、ハウジング室Ｈから吸入室
への漏洩が大きく、ハウジング室Ｈの圧力が上昇せす所
定の軸方向押し付け力が得られない上、旋回スクロール
１は、駆動シャフト７によつて旋回力を受けるので、こ
の力によつて旋回スクロール１が傾き、正常なシール作
用を維持できなかつた。〔発明の目的〕 本発明の目的は、起動時から正常なシール作用−を安定
して維持できるスクロール流体機械を提供することにあ
る。

〔発明の概要〕

本発明の特徴は、旋回スクロールの鏡板を、固定スクロ
ールと、この固定スクロールに固定され．た静止部材と
によつて、旋回スクロールが旋回運動出来る程度でしか
も旋回スクロールの鏡板が実質的に傾かない程度の微小
隙間を保つて挾持したことである。

〔発明の実施例〕

以下本発明の一実施例を第２図および第３図により説明
する。

従来と同じかまたは相当する部分には第１図と同一符号
を付しそれらの説明は省略する。

なお、圧縮機，膨脹機とも構造はほぼ同じであるから、
圧縮機の場合のみ説明する。

固定スクロール２の鏡板２ａにフレーム８を数本のボル
ト（図示せず）によつて固定している。

このフレーム８と固定スクロール２とで旋回スクロール
１の鏡板１ａを挾持している。フレーム８と鏡板１ａと
の間および固定スクロール２と鏡板１ａとの間に旋回運
動ができ得る程度の微小な隙間を設けてある。フレーム
８に軸受９を取付け、ノ駆動シャフト７をこの軸受９に
よつて回転自在に支持している。駆動シャフト７は、軸
心０ｓから旋回半径Ｅだけ離れた位置に駆動ピン７ａを
備えている。

この駆動ピン７ａは旋回スクロール１のボス部１ｃに・
はめ込まれている。旋回スクロール１の鏡板１ａとフレ
ーム８との間にオルダムリング１０を設け、旋回スクロ
ール１の自転を阻止している。旋回スクロール１の鏡板
１ａに複数個の小孔１１を設け、ハウジング室Ｈと圧縮
途中の密閉空間”とを連通する。これにより圧縮途中す
なわち中間圧力のガスをハウジング室Ｈに導入して旋回
スクロール１の背面に加え軸方向押付け力を旋回スクロ
ール１に付与する。複数個の小孔１１を設ける代りに第
２図に点線で示すように吐出口３から吐出圧縮ガスを減
圧弁１２で中間圧力に減圧したのちハウジング室Ｈに導
いてもよい。フレーム８にシールハウジング１３を取付
け、このシールハウジング１３にメカニカルシール１４
を納め、ハウジング室Ｈからガスが駆動シャフト貫通部
を通つて漏れるのを防止している。次に、この実施例の
動作を説明する。

原動機（図示せす）によつて駆動シャフト７を時計方向
に回転させると、旋回スクロール１は軸心０ｓのまわり
を旋回運動する。

この旋回運動にともなつて、密閉空間５，６は、容積が
徐々に縮小しながら中心に向つて移動していく。これら
の密閉空間５，６が、ラップ１ｂ，２ｂの巻き始め端近
傍に達したとき吐出口３と連通し、密閉空間５，６内の
圧縮ガスは吐出される。旋回スクロール１の鏡板１ａを
、旋回運動ができる程度の微小な隙間を保つて固定スク
ロール２およびフレーム８ではさみ込んで支持している
のて旋回スクロール１は、軸方向に関して微小間隙の範
囲内で移動するだけて、鏡板１ａは実質的に傾くことな
く運動し、極くわすかのガス漏れはあるけれども正常な
圧縮動作を行う。

従つて起動時は、ハウジング室Ｈの圧力が低い状態から
起動が始められるため、旋回スクロール１に充分な軸方
向押付け力を付与することはできない状態にあるが、ほ
ぼ正常な起動を行うことができる。

また、固定スクロール２およびフレーム８で、旋回スク
ロール１の鏡板１ａを旋回運動がてきる程度の微小間隙
を保つてはさみ込んでいるので、シール面積が２倍（従
来に対して）になり、ハウジング室Ｈからのガス漏れを
大幅に減少し得るとともに、旋回スクロール１の傾きが
実質的になくなり、鏡板１ａの傾きによつて生ずる軸受
（旋回スクロールと駆動シャフト７との係合部）のかじ
りを防止できる。

第４図は、この発明の他の実施例を示す、旋回スクロー
ル１の鏡板１ａに環状の油溝１５を設けたものである。

他の点は一実施例と同じてあるから、図示および説明を
省略する。また、固定スクロール２およびフレーム８の
鏡板１ａに対向する面に油溝１５を設けてもよ（１）、
。

−油溝１５には、吸入ガス中に混入させた油が流れて溜
まる。また油を通路（図示せず）を経由して強制的に供
給してもよい。この実施例によれば、一実施例の場合に
加え、鏡板１ａと固定スクロール２およびフレーム８と
の潤滑が良好になるから摺動抵抗がさらに減少し、摩擦
損失を減少する効果を有する。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明によれば、起動時から正常なシー
ル作用を安定して維持できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスクロール流体機械の縦断面図、第２図
はこの発明の一実施例の縦断面図、第３図は第２図の■
−■断面図、第４図はこの発明の他の実施例の要部断面
図てある。 １・・・・・・旋回スクロール、２・・・・・固定スク
ロール、１ａ，２ａ・・・・鏡板、１ｂ，２ｂ・・・・
ラップ、３・・・・・・吐出口、４・・・・・・吸入口
、５，６・・・・・・密閉空間、７・・・・・・駆動シ
ャフト、８・・・・・フレーム、９・・・・・・軸受、
１０・・・・・・オルダムリング、１１・・・小孔、１
２・・・・・減圧弁、１３・・・・・・シールハウジン
グ、１４・・・・・・メカニカルシール、１５・・・・
・油溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鏡板に渦巻状のラップをを有する固定スクロールと
   、鏡板に渦巻状のラップを有する旋回スクロールとが互
   いにラップを向かい合せにしてかみ合い、固定スクロー
   ルに対して見かけ上自転しないように旋回スクロールが
   旋回運動し、流体の移送、ガスの圧縮または膨脹を行う
   ものにおいて、旋回スクロールの鏡板は、固定スクロー
   ルと、この固定スクロールに結合された静止部材との間
   に、旋回スクロールの鏡板の外周側がはさみ込まれてお
   り、静止部材は、旋回スクロールの鏡板が固定スクロー
   ルと静止部材との間で旋回運動が出来得る程度で、しか
   も旋回スクロールの鏡板が実質的に傾かない程度の微小
   隙間をおいて固定スクロールに結合されていることを特
   徴とするスクロール流体機械。 ２ 特許請求の範囲第１項において、旋回スクロールの
   鏡板は、固定スクロールおよび静止部材に対向する面の
   何れか一方に環状の溝を有するものであるスクロール流
   体機械。 ３ 特許請求の範囲第１項において、固定スクロールお
   よび静止部材は、旋回スクロールの鏡板に対向する面に
   環状の溝を有するものであるスクロール流体機械。